JPS6140884Y2

JPS6140884Y2 -

Info

Publication number: JPS6140884Y2
Application number: JP17715282U
Authority: JP
Priority date: 1982-11-25
Filing date: 1982-11-25
Publication date: 1986-11-21
Also published as: JPS5981718U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は、四サイクルエンジン、特に自動二輪
車用四サイクルエンジンに於けるクランクケース
のブリーザ装置に関するものである。

四サイクルエンジンでは、クランクケース内の
内部圧力の脈動、および温度上昇に伴う内部圧力
の上昇を無くすために、クランクケースにブリー
ザパイプを設けるのが普通である。

然るに、エンジン稼動中は、クランクケース内
の潤滑オイルが攬拌されて飛散するため、ブリー
ザパイプの取付け位置によつては、飛散した潤滑
オイルがブリーザパイプを通じて外部へ漏出する
恐れがある。従つて、ブリーザパイプは、飛散し
た潤滑オイルが到達しない高い位置、即ちシリン
ダーヘツドカバー上部に配設するのが最善であ
る。しかしながら、シリンダーヘツドカバーにブ
リーザパイプを取付けた場合、エンジンの全高が
高くなり、その結果車高および車体重心が高くな
る。

本考案は、ブリーザパイプを比較的低位置に取
付けたとしても、潤滑オイルが漏出しないブリー
ザ装置を提供せんとするもので、その構成は、一
端が開放し、他端が閉塞したブリーザパイプの閉
塞端側周壁に複数の開孔を設け、閉塞端側をエン
ジンケースに設けたブリーザ通路内に突出させ、
前記開孔を少くとも周壁の上、下部に位置せしめ
たことを特徴としている。なお、本明細書でエン
ジンケースとは、クランクケース、シリンダーブ
ロツク、シリンダーヘツド、シリンダーヘツドカ
バー全体を指している。

以下、本考案の一実施例を第１図乃至第４図に
則して説明する。

自動二輪車用四サイクルＶ型エンジン１に於け
るクランクケース２内には、クランク軸６、中間
軸７、主軸８、副軸９が配設され、各軸上のギア
６ａ，７ａ，７ｂ，８ａ，８ｂ，９ａが、夫れ夫
れ噛合状態にある。又、シリンダーヘツドカバー
５内に吸弁カム軸１０、排弁カム軸１１が配設さ
れ、カム軸タイミングギア１０ａ，１１ａが相互
に噛合し、シリンダーブロツク３乃至シリンダー
ヘツド４内に配設されたアイドルギア１２，１３
を介して、クランク軸タイミングギア６ｂとカム
軸タイミングギア１０ａが連動している（第１図
参照）。

そして、シリンダーヘツド４、シリンダーブロ
ツク３およびクランクケース２に亘つて、ブリー
ザ通路２０が形成されている。ブリーザ通路２０
は、２０ａに於いて、クランクケース２の内部空
間に開口し、シリンダーヘツド４の後壁部に形成
された開孔２０ｂに於いて、外気に開放してい
る。又、シリンダーヘツド４、シリンダーブロツ
ク３およびクランクケース２に亘つて、潤滑オイ
ル戻り通路（以下、単にオイル戻り通路と称す
る）２１が形成されており、同オイル戻り通路２
１の上端は、ブリーザ通路２０内で開孔２０ｂに
臨んで開放し、その下端は、クランクケース２の
底部に形成されたオイルタンク４０内に開放して
いる。

更に、開孔２０ｂには、ブリーザパイプ３０が
螺着されている（以上、第１図、第２図参照）。
このブリーザパイプ３０は、ブリーザ通路２０内
に一端が突出しており、その先端は閉塞（３０
ａ）し、周壁３０ｂには、複数の開孔３０ｃが穿
設されている。その複数の開孔３０ｃ中、特に、
開孔３０c₁，３０c₂は、周壁３０ｂの上部および
下部に位置しており、開孔３０c₂は、オイル戻り
通路２１の開放部に臨んでいる。そして、ブリー
ザパイプ３０の他端は、外気に開放し、同部にブ
リーザホースが連結されている（第３図、第４図
参照）。

なお、前記オイルタンク４０は、クランクケー
ス２の底部オイル溜２ａとは区画された独立室で
あり、オイル溜２ａ内に溜つた潤滑オイルが、二
連式オイルポンプ１４によつて、一旦オイルタン
ク４０内に集められ、その潤滑オイルがオイルポ
ンプ１４によつて各オイルギヤラリへ給送される
様になされている。

本実施例は、前記の様に構成されており、クラ
ンクケース２の内部空間が、ブリーザ通路２０、
ブリーザパイプ３０を介して、外気へ開放されて
いるので、クランクケース２の内部圧力は、常に
外気圧と等しい。

又、エンジン稼動中、各軸、各ギアの回転によ
つて、クランクケース２内で飛散して霧状に漂う
潤滑オイルの一部は、ブリーザ通路２０を経て、
ブリーザパイプ３０位置にも到達する。同部で冷
却されてブリーザパイプ３０の外周面に凝着した
潤滑オイルは、外周面に沿つて流れ、潤滑オイル
戻り通路２１内に滴下し、オイルタンク４０に到
る。又、主として上記周壁に設けられた開孔３０
c₁を通じて、ブリーザパイプ３０内に進入した小
量の霧状潤滑オイルは、細径の開孔３０ｃを通過
する際の絞り効果、およびブリーザパイプ３０に
よる冷却効果で、集合、凝縮してブリーザパイプ
３０の内壁に付着し、開孔３０c₂からオイル戻り
通路２１内に滴下する。従つて、ブリーザパイプ
３０からの潤滑オイルの漏出は、効果的に抑止さ
れる。

以上の説明から明らかな様に、本考案では、一
端が開放し、他端が閉塞したブリーザパイプの閉
塞端側周壁に複数の開孔を設け、閉塞端側をエン
ジンケースに設けたブリーザ通路内に突出させ、
前記開光を少くとも周壁の上、下部に位置せしめ
たので、エンジン稼動時、クランクケース内で飛
散した潤滑オイルがブリーザパイプ内に直接的に
進入することは無く、開孔を通じてブリーザパイ
プ内に進入した少量の潤滑オイルは、内壁面に凝
着し、周壁下部に位置する開孔を通じてクランク
ケース内に滴下する。従つて、ブリーザパイプを
通じて潤滑オイルが外部へ漏出することは無い。
そして、斯かるブリーザパイプを使用すれば、エ
ンジンケースの比較的低位置に於ける適当な余剰
空間部にブリーザパイプを取付けることができ、
エンジンのコンパクト化が達成され、車体重心を
低くすることが可能である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係るブリーザ装置
を備えた四サイクルＶ型エンジンの概略縦断側面
図、第２図はその要部拡大図、第３図はブリーザ
パイプの側面図、第４図は第３図に於ける−
線断面図である。１……エンジン、２……クランクケース、２ａ
……オイル溜、３……シリンダーブロツク、４…
…シリンダーヘツド、５……シリンダーヘツドカ
バー、６……クランク軸、６ａ……ギア、６ｂ…
…クランク軸タイミングギア、７……中間軸、８
……主軸、９……副軸、１０……吸弁カム軸、１
０ａ……カム軸タイミングギア、１１……排弁カ
ム軸、１１ａ……カム軸タイミングギア、１２，
１３……アイドルギア、１４……オイルポンプ、
２０……ブリーザ通路、２０ａ……開口部、２０
ｂ……開孔、２１……潤滑オイル戻り通路、３０
……ブリーザパイプ、３０ａ……閉塞部、３０ｂ
……周壁、３０ｃ……開孔、４０……オイルタン
ク。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

エンジンケース内にブリーザ通路を形成し、同
ブリーザ通路と外気とをブリーザパイプを介して
連通するエンジンのブリーザ装置に於いて、前記
ブリーザパイプの先端部を閉塞して前記ブリーザ
通路内に突出させるとともに、その突出部の周壁
に複数の開孔を設け、同開孔は少くとも前記周壁
の上、下位置に存することを特徴とするエンジン
のブリーザ装置。