JPS6016722Y2

JPS6016722Y2 - 頭上カム軸式横型エンジン

Info

Publication number: JPS6016722Y2
Application number: JP15637379U
Authority: JP
Inventors: 昌宏山下; 健次山下; 良雄柴田; 雅実前田
Original assignee: 株式会社クボタ
Priority date: 1979-11-09
Filing date: 1979-11-09
Publication date: 1985-05-24
Also published as: JPS5674805U

Description

【考案の詳細な説明】この考案は頭上カム軸式の動弁装置を備えた横型エンジ
ンに関し、カムとこれで駆動されるロッカアームなどと
の接触面の潤滑を確実に行えるようにすることを主たる
目的とする。

一般に、高回転型のエンジンでは頭上カム軸式の動弁装
置を多く使用する。

従来のこの種のエンジンでは、ロッカアーム室内のミス
ト状オイルがカム面に付着することによって、またはロ
ッカアーム及びカムのいずれか一方に、カム面に通じる
油入を形威し、この油入から圧送油を流出させて、それ
ぞれカム面の潤滑を行うようにしていた。

が、ミスト状オイルの付着によるものでは、エンジン起
動後一定の時間を経てからでないとカム面を潤滑できず
、潤滑不足からカム面が摩耗しゃすい欠点があった。

また、後者圧送式の場合は、カム面で油入が開口するた
め、他の個所に比べ油圧両側部の接触面圧が大きくなり
、その部分が偏摩耗しやすい欠点があった。

この考案は、頭上カム軸式の横型エンジンにおいて上記
のような欠点を解消するものであって、ロッカー室の内
底にオイルを貯溜できるようにし、この貯溜オイル中に
カム面の少なくとも一部を浸漬させて、その潤滑を行え
るようにした点に特徴を有する。

以下この考案の実施例を図面に基づき説明する。

第１図は頭上カム軸式の横型水冷ディーゼルエンジンの
縦断正面図、第２図は第１図■−■線断面図である。

このエンジンは、シリンダブロック１を基本構造体とし
て、その両側端にヘッドブロツク２とクランクカバー３
とを装着し、その前側及び下側に調時ケース及びオイル
パン５をそれぞれ装着するとともに、ヘッドブロック２
の側端にロッカアームカバー６を被蓋して外殻を構成し
、その内部に、ピストン７、クランク軸８、吸・排気弁
９・１０などの運動部材を収容して構成されている。

上記のヘッドブロック２とロッカアームカバー６とで区
画されるロッカアーム室（ロッカー室）１１内には、吸
・排気弁９・１０を駆動する頭上カム軸式の動弁装置■
が収容されている。

この、動弁装置■は、各部・排気弁９・１０に対応して
設けられるロッカアーム１２と、これを支持するロッカ
アーム軸１３と、この軸１３を支持するロッカアームブ
ラケット１４と、ロッカアーム１２を駆動するカム軸１
５で構成されている。

カム軸１５には、各ロッカアーム１２に対応したカム１
６が形成しである。

また、カム軸１５のジャーナル部は、上記のロッカアー
ムブラケット１４とヘッドブロック２の軸受ボスとによ
って、抱持状に軸支されている。

このエンジンは圧送式の潤滑装置によってエンジン各部
を潤滑するようにしており、オイルはストレーナ１７か
ら吸込油路１８を介してオイルポンプ１９に吸込まれ、
これから吐出路２０を介してフィルタ２１に送られて濾
過された後、圧送油路２２を介してクランク軸８のジャ
ーナル部及びピン部に送給されるとともに、カム軸１５
のジャーナル部及びロッカアーム１２の摺擦部にそレソ
れ送給される。

カム軸１５及びロッカアーム軸１３の内部には、そのた
めのオイル送給穴がそれぞれ形成しである。

ロッカアーム１２及びカム軸１５を潤滑したオイルは、
各々の嵌合面の開口からロッカアーム室１１内に流れ出
し、その底部へと流下する。

そして、この流下オイルは、ヘッドブロック２の肉壁内
に形成されるオイル戻し通路２３を介してクランク室Ｒ
へ戻される。

この考案は、上記のような横型エンジンにおいて、ロッ
カアーム室１１の内底に流下するオイルを利用してカム
軸１５のカム１６を潤滑できるようにした点に特徴があ
る。

そのために、オイル戻し通路２３の入口２４を、カム１
６の回転軌跡Ｐの最下端より上方位置で開口させ、入口
２４とロッカアーム室１１の内底との間に、ロッカー室
の内底空間を全て使うようにして油溜りを形成し、前述
の流下オイルを溜められるようにしている。

そして、カム１６の先端部が下向きになったとき、カム
面が上記の貯溜オイル中に浸漬することにより、カム１
６とロッカアーム１２との接触面が潤滑されるようにし
ている。

このとき、カム１６で掻きあげられた飛散オイルで、ロ
ッカアーム１２の叩打面及び吸・排気両弁９・１０の弁
バネ等が、同時に潤滑される。

第１図に示すように、オイルパン５は、その貯溜油量が
最大の場合でも、油面がシリンダブロック１との接合面
に達することのないよう、十分に大きく形成してあり、
エンジンの長期格納時に、パツキンの破損があっても前
記接合面からオイルが滲み出ることのないようにしであ
る。

図中符号２５は燃料噴射ポンプ、２６は燃料噴射ノズル
、２７は排気ポートである。

尚、オイル戻し通路２３は、第３図Ａに示すようにその
中途部を中高にして、又は第３図Ｂに示すように入口管
２４ａを垂直に立てて形成しても良い。

このように、せき止め部はオイル戻し通路２３のどの部
分にあっても良い。

また、上記通路２３の入口２４とは別に、オイルをせき
止める仕切壁を設けることが考えられる。

以上説明したようにこの考案では、ロッカー室とクラン
ク室とを通じるオイル戻し通路が、横型エンジンの場合
は横方向に形成されることを利用し、オイル戻し通路の
少なくとも一部をカムの回転軌跡の最下端部より上方に
位置させることにより、ロッカー室の内底にオイルを貯
溜できるようにし、この貯溜オイルにカム面を浸漬させ
てカムとこれで駆動されるロッカーアームなどとの接触
面を潤滑するので、前記接触面を常時確実に潤滑するこ
とができ、潤滑不足や接触面圧の不均一を原因とする摩
耗を解消して、カム軸の耐久性を向上することができる
。

また、ロッカー室内に配置したロッカアームの揺動枢支
部とカム軸の枢支部を潤滑したオイルをロッカー室の内
底に貯溜できるようにし、この貯溜オイルでもってカム
面をも潤滑できるようにしたもので、従来のオイルの供
給通路を殆んど利用することができる。

このため、従来の構造を殆んど変更することなく、安価
に実施できる。

更に、ロッカー室の内底とオイル戻し通路との間に、ロ
ッカー室の内底空間を全て使うようにして油溜めを形成
して、ロッカー室の内底に十分にオイルを貯溜できるよ
うにしたので、ロッカアームとカム軸のカムとの摩耗に
よって発生する摩擦熱は多量のオイルによって低められ
る。

このため、摩擦熱によってオイルの油温は上昇すること
はないので、オイルの潤滑能力を維持できる。

その上、カム面をオイルに浸漬して潤滑するので、オイ
ル送給穴を各カムごとに連設して強制潤滑を行うものに
比べ、極く簡単な構造で確実な潤滑を行うことができる
。

さらに、オイルポンプが故障したような場合にでも、比
較的長時間に亘ってロッカー室内の部材の潤滑を行って
、その焼付を防止することができる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示し、第１図は横型エンジン
の縦断正面図、第２図は第１図■−■線断面図、第３図
Ａ−Ｂはオイル戻し桶の変形例を示す要部の断面図であ
る。１１・・・・・・ロッカー室、１２・・・・・・ロッカ
アーム、１５・・・・・・カム軸、１６・・・・・・カ
ム、２３・・・・・・オイル戻し通路、２４・・・・・
・２３の入口、Ｐ・・・・・・１６の回転軌跡。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】 ■ ロッカー室１１内にロッカアーム１２とカム軸１５
とを配置し、ロッカー室１１とクランク室１２とをオイ
ル戻し通路２３で連通し、このオイル戻し通路２３の一
部をロッカー室１１の内底より上方に位置させ、ロッカ
ー室１１の下部全体に亘ってオイル戻し通路２３とロッ
カー室１１の内底との間に油溜めを形威し、この油溜め
にロッカアーム１２の揺動枢支部とカム軸１５の枢支部
とに給油されたオイルの戻り油を貯溜するとともに、オ
イル戻し通路２３の少なくとも一部をカム１６の回転軌
跡Ｐの最下端より上方に位置させることにより、カム１
６のカム面の少なくとも一部を貯溜オイルに浸漬させる
ようにしたことを特徴とする頭上カム軸式横型エンジン
。２実用新案登録請求の範囲第１項に記載の頭上カム軸
式横型エンジンにおいて、オイル戻し通路２３の入口２
４をカム１６の回転軌跡Ｐの最下端より上方に位置させ
たもの。