JPS6033287Y2 - 内燃機関の潤滑装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案、オイルポンプを備えた内燃機関の潤滑装置に関
するものである。

〔従来技術と問題点〕

従来、前述のような内燃機関では、オイルポンプの吐出
側にリリーフ弁を設けているが、従来の、ものはリリー
フ弁をクランクケースまたはオイルポンプに設け、ポン
プからの吐出油を所定の圧力に保持するためにリリーフ
弁が開いた場合に、リリーフ弁から流出する潤滑用の油
は、何等の潤滑作用を行なうことなく、オイルパンなど
の油溜めに戻していた。

すなわち、従来の潤滑装置のリリーフ弁は、オイルポン
プから吐出された油圧力を単に所定状態に保持する機能
しか果していなかった（実開昭５５−１０８２０６号、
実開昭５５−１０８２０７号、実開昭５５−１６５９０
８号公報参照）。

本考案は、前述した事情に鑑みてなされたもので、リリ
ーフ弁が開いた場合にその下流側に流出した油を利用し
て、カムシャフトのカムとタペットとの当接部およびギ
ヤ類を有効に潤滑することができるようにした内燃機関
の潤滑装置を提供することを目的とするものである。

〔問題点を解決するための手段〕

この目的を遠戚するために、本考案による内燃機関の潤
滑装置は、オイルポンプの吐出側と連通したオイルギヤ
ラリをカムシャフト内部に設けた油室と連通させ、この
油室にリリーフ弁を設け、リリーフ弁の下流側に連通ず
る油流路をカムシャフトに設けたカムのタペットとの当
接部に開口させたものである。

〔実施例〕

以下、図面を参照して本考案の一実施例を具体的に説明
する。

図は、本考案の一実施例による潤滑装置を備えた空冷４
サイクルデイ一ゼル機関を示す。

図において、符号１はクランクケースであって、このク
ランクケース１の下部にはオイルパン２が固定され、ク
ランクケース１の上部にはシリンダ３が、シリンダ３の
上部にはシリンダヘッド４がそれぞれ固定されてる。

前記クランクケース１にクランク軸５が回転自在に支持
され、クランク軸５のクランクピンにコンロッド６の大
端部が回転自在に軸受７を介して嵌合され、前記シリン
ダ３に上下方向の摺動自在に嵌合されたピストン８にコ
ンロッド６の小端部が回動自在に連結されている。

前記クランク軸５の一端部に歯車９が嵌合固定され、ク
ランク軸５と平行なカムシャフト１０クランクケース１
に回転自在に軸支され、カムシャフト１０に設けた歯車
１１が前記クランク軸５に設けた歯車９と噛合され、こ
の歯車９にオイルポンプ２９の軸３１に設けた歯車１２
が噛合されて、クランク軸５からカムシャフト１０およ
びオイルポンプ２９の軸３１に駆動力が伝達されるよう
になっている。

前記カムシャフト１０に設けた一対のカム１３にタペッ
ト１４がそれぞれ当接され、前記カム１３の回転による
タペット１４の作動によってシリンダヘッド４に設けた
吸、排気弁１５（一方は図示せず）が開閉作動されるよ
うに構成されてる。

前記オイルポンプ２９の吸込側に吸込通路１６が連通さ
れ、吸込通路１６はオイルパン２の底部にストレーナ１
７を介して連通されている。

オイルポンプ２９の吐出側に連通したオイルギヤラリ１
８は、カムシャフト１０のクランクケース１への軸受部
まで延び、カムシャフト１０の外周面に形成した円周溝
１９およびこれと連通ずる油孔２０を介してカムシャフ
ト１０の内部に形成された油室２１と連通されている。

前記油室２１にはスチールボールからなるリリーフ弁２
３が収容され、このリリーフ弁２３は下流側から弁ばね
２４でカムシャフト１０に嵌着されたスリーブ２２に設
けらた弁座２５に圧接されている。

前記リリーフ弁２３を介して油室２１に連通されるリリ
ーフ弁２３下流側の油流路２６が、この油流路２６の一
部を構成して前記カム１３に設けた油孔２７と連通され
、油孔２７はカム１３のタペット１４との当接面に開口
されている。

またオイルギヤラリ１８は、オイルポンプ２９の吐出口
とカムシャフト１０の円周溝１９との間の適所から適宜
の油流路２８によって、クランク軸５とコンロッド６の
軸受７部に潤滑用の油が供給されるように構成されてい
る。

なお、図において符号３０はオイルポンプ２９の軸３１
に嵌着されたポンプ翼車、３２は燃料噴射装置である。

次に、以上のように構成された実施例のものの作動につ
いて説明する。

空冷４サイクルデイ一ゼル機関の基本作動は、通常のこ
の種機関の作動と同様であるから説明を省略する。

機関の運転時に、クランク軸５の駆動により歯車１２が
回されオイルポンプ２９が作動する。

オイルポンプ２９の作動により、オイルパン２内の潤滑
用の油は、ストレーナ１７、吸込通路１６を経て、オイ
ルポンプ２９に吸込まれ、その吐出口からオイルギヤラ
リ１８に吐出される。

この吐出された油の油圧力が一定以下の場合には、リリ
ーフ弁２３が閉じているので、オイルギヤラリ１８から
油通路２８を通って前記軸受７部を潤滑した後、適宜の
経路でオイルパン２に戻される。

しかし、オイルギヤラリ１８内の油圧力が所定以上にな
ると、リリーフ弁２３が弁ばね２４のばね力に抗して開
き、カムシャフト１０内部の油室２１から油流路２６に
油が流出し、この油は油孔２７からカム１３とタペット
１４との当接面に供給されて当接面を潤滑し、その後、
はねかけ方式で、前記歯車１１゜９．１２などのギヤ類
を潤滑した後、オイルパン２に戻る。

また、リリーフ弁２３が開いて油が油流路２６に流出す
ると、オイルギヤラリ１８内などのＩＪ ＩＪ−フ弁２
３により上流側部分の油圧力が所定圧となり、リリーフ
弁２３が閉じ、リリーフ弁２３により下流側への油の流
出が阻止されるので、リリーフ弁２３は油圧力を所定状
態に保持するという本来の機能をはたすことができる。

なお、前述した実施例では、オイルギヤラリからクラン
ク軸とコンロッドの軸受部にだけ油を供給する場合につ
いて述べたが、実施例は、オイルギヤラリから前記軸受
部以外の潤滑を必要とする部分にも油を供給するものに
も適用できるものである。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案による内燃機関の潤滑装置
は、オイルポンプの吐出側に設けるリリーフ弁が本来そ
の機能をはたせる上に、油圧力が所定圧力以上になって
開いた場合に、リリーフ弁下流側に流出する油を利用し
て、カムシャフトのカムとタペットとの当接部および、
この当接部の近傍や下方のギヤ類などの潤滑を有効に行
なうことができるので、潤滑性能を向上させることがで
きるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

図は本考案の一実施例による潤滑装置を備えた内燃機関
の一例を示す縦断面図である。 １・・・・・・クランクケース、２・・・・・・オイル
パン、３・・・・・・シリンダ、４・・・・・・シリン
ダヘッド、５・・・・・・クランク軸、６・・・・・・
フンロッド、７・・・・・・軸受、訃・・・・・ピスト
ン、９・・・・・・歯車、１０・・・・・・カムシャフ
ト、１１・・・・・・歯車、１２・・・・・・歯車、１
３・・・・・・カム、１４・・・・・・タペット、１５
・・・・・・吸、排気弁、１６・・・・・・吸込通路、
１７・・・・・・ストレーナ、１８・・・・・・オイル
ギヤラリ、１９・・・・・・円周溝、２０・・・・・・
油孔、２１・・・・・・油室、２２・・・・・・スリー
ブ、２３・・・・・・ＩＪ ＩＪ−フ弁、２４・・・・
・・弁ばね、２５・・・・・・弁座、２６・・・・・・
油流路、２７・・・・・・油孔、２８・・・・・・油通
路、２９・・・・・・ポンプ、３０・・・・・・ポンプ
翼車、３１・・・・・・軸。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. オイルポンプの吐出側と連通したオイルギヤラリをカム
   シャフト内部に設けた油室と連通させ、この油室にリリ
   ーフ弁を設け、リリーフ弁の下流側に連通ずる油流路を
   カムシャフトに設けたカムシャフトのタペットとの当接
   部に開口させたことを特徴とする内燃機関の潤滑装置。