JPS6032329Y2 - エンジンの潤滑油冷却装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、エンジンの潤滑油を冷却する装置に関し、
冷却効果が高くかつ構造の簡単な冷却装置を提供するこ
とを目的とする。

従来、エンジンを高負荷で使用するために、潤滑油を積
極的に冷却するに際して、オイルパンに冷却フィンを突
設したり、導風板を設けて冷却風がオイルパンに当たる
ようにしたものがある。

ところがこれらのものでは、オイルパンを通じて、この
中の多量の潤滑油の全部を一度に冷却するので、低温に
冷却しにくい。

そのうえ、後者のものでは冷却のための装置が大形化し
てしまう。

このような欠点を解消するためには、専用のオイル冷却
器をシリンダヘッドの上部に取付けたものがある。

ところが、オイル冷却器は潤滑油の循環経路中の潤滑場
所より下手側に介在されているため、オイル冷却器でせ
っかく冷却された潤滑油がオイルパン内で暖められてし
まい、冷却効率が悪かった。

この考案は、上記の諸欠点を解消するためにオイル冷却
器を潤滑油の循環経路中の潤滑場所よりも上手側に介在
させ、その上普通仕様と高負荷仕様との仕様変えを簡単
に行なえるようにしたものである。

以下この考案の実施例を図面に基づき説明する。

第１図は頭上カム軸式の横型水冷デイゼルエンジンの縦
断正面図である。

このエンジンＥは、シリンダブロック１を基本構造体と
して、その両側端にヘッドブロック２とクランクカバー
３とを装着し、その前側及び下側に調時ケース及びオイ
ルパン５をそれぞれ装着するとともに、ヘッドブロック
２の側端にロッカアームカバー６を被蓋して外殻を構威
し、その内部に、ピストン７、クランク軸８、吸・排気
弁９，１０などの運動部材を収容して構成されている。

上記のヘッドロック２とロッカアームカバー６とで区画
されるロッカアーム室（ロッカー室）１１内には、吸・
排気弁９，１０を駆動するロッカアーム１２およびカム
１３などからなる頭上カム軸式の動弁装置■が収容され
ている。

このエンジンＥは圧送式の潤滑装置によってエンジン各
部を潤滑するようにしており、潤滑油はストレーナ１４
から吸入油路（圧送路）１５を介してオイルポンプ１６
に吸込まれ、これら潤滑油圧送路１７を介してオイル冷
却器１８、オイルフィルタ１９に送られて冷却濾過され
た後、さらに圧送路２０を介してクランク軸８のジャー
ナル部及びピン部に送給されるとともに、カム軸のジャ
ーナル部及びロッカーアーム１２の摺擦部にそれぞれ送
給される。

カム軸及びロッカーアーム軸の内部には、そのためのオ
イル供給穴がそれぞれ形成しである。

ロッカアーム１２及びカム軸を潤滑した潤滑油は、各々
の嵌合面の開口からロッカアーム室１１内に流れ出し、
その底部へと流下し、ヘッドブロック２の内壁内に形成
される戻し通路２１を介してクランク室Ｒへ戻される。

戻し通路２１の入口は、カム１３の回転軌跡の最下端よ
り上方位置で開口しであるから、入口とロッカアーム室
１１の内底との間の空所に前述の流下オイルが溜められ
、カム軸１３の先端部が下向きになったとき、カム面が
上記の貯溜オイル中に浸漬することにより、カム１３と
ロッカアーム１２との接触面が潤滑されるようになって
いる。

このとき、カム１３で掻きあげられた飛散オイルで、ロ
ッカアーム１２の叩打面及び吸・排気両弁９，１０の弁
バネ等が、同時に潤滑される。

図中符号２２は燃料噴射ポンプ、２３は発電機、２４は
スタータである。

さて、潤滑油圧送路１７，２０は、クランクカバー（外
壁）３の外面にその途中部が露出され、分断状に開口さ
れている。

この開口の周囲に前記のオイル冷却器１８の取付座２５
が突設されている。

オイル冷却器１８は、第２図に示すように、通油管２６
、その周囲に配置される複数本の冷却管２７および冷却
フィン２８、さらに内外のカバー２９．３０で構成され
ている。

そして、通油管２６の内端部２６ａの外面にオネジ３１
が形成されていて、オイル冷却器１８の取付座２５の中
央部に凹設されるメネジ３３と螺合するようになってお
り、通油管２６の外端部２６ｂの内面にメネジ３３が形
成されていて、オイルフィルタ１９の取付面３２から突
設する通油接続管３８のオネジ３１と螺合するようにな
っている。

この通油接続管３８は直管の外面全周にオネジ３１を形
成し、内端からも外端からも螺合できるようにしたもの
であり、オイルフィルタ１９をオイル冷却器１８に取付
ける場合にもオイルフィルタ１９をオイル冷却器１８の
取付座２５に取付ける場合にも使用される。

また、オイルフィルタ１９はその内部に装着したカート
リッジ式フィルタ１９ａによって二室に分けられ、前記
フィルタ１９ａの外側が一次室１９ｂ１内側が二次室１
９ｃになっている。

潤滑油はオイルフィルタ１９の取付面３２に開口した入
口から一次室に流入し、フィルタ１９ａを介して二次室
１９ｃ内に流入するようになっており、前記オイルフィ
ルタ１９の取付面３２には二次室１９ｃに連通ずる状態
で周側壁３７が形成されるとともに、この周壁３７の内
面全周にメネジ３３が形成されていて、通油接続管３８
の外面全周のオネジ３１と螺合するようになっている。

さらに、各オネジ３１，３１同士及び各メネジ３３，３
３．３３同士が同種同径同ピツチに形成されている。

したがって、まずオイル冷却器１８の内端部２６ａのオ
ネジ３１を取付座２５のメネジ３３に螺合し、内カバー
２９すなわちオイル冷却器１８の内端面と取付座２５と
の間にシール３４を挾圧して、クランクカバー３にオイ
ル冷却器１８が油密状に固定され、このオイル冷却器１
８の外端部２６ｂのメネジ３３に通油接続管のオネジ３
１を螺合するとともにオイルフィルタ１９の取付面３２
のメネジ３３を通油接続管３８のオネジ３１に螺合し、
外カバー３０すなわちオイル冷却器１８の外端面と取付
面３２との間にシール３４を挾圧して、オイルフィルタ
１９がオイル冷却器１８の外側に油密状に固定されてい
る。

オイルポンプ１６で加圧された潤滑油は、潤滑油圧送路
１７を通って、まずオイル冷却器１８に入り、冷却管２
７内を通る間に冷却され、つぎにオイルフィルタ１９に
入り、−次室から二次室に流入する際にフィルタ１９ａ
を通って濾過され、通油管２６から各潤滑場所８，１２
に至る潤滑油圧送路２０に送られる。

図中符号３５は潤滑油の圧送圧力設定弁、３６はカート
リッジ式フィルタ１９ａが目詰まりを起こしたときのバ
イパス弁である。

なお、上記実施例では、潤滑油圧送路１７，２０中にオ
イル冷却器１８およびオイルフィルタ１９を挿入するよ
うにしたが、吸入油路１５中に介在させてもよい。

この考案は上記のように構成したから、つぎの効果を奏
する。

（イ）潤滑油を、潤滑油の循環経路中の潤滑場所よりも
上手側で冷却できるようにしたから、すなわち、冷却さ
れて低温になった潤滑油が暖められることなく潤滑場所
にすぐに送られるから、よく冷却した潤滑油で潤滑場所
を良好に潤滑することができる。

（ロ）そのための構造は、簡単であり、冷却器のエンジ
ンへの組付けも容易に行なえる。

したがって、保守点検も簡単に行なえる。

これにより、長期にわたって、冷却効率を高く維持でき
る。

（ハ）冷却器を独立部品として製造して、エンジンの外
壁とオイルフィルタとの間に取付ける場合には、普通の
エンジンを高負荷用エンジンにすることができるから、
同じエンジンで、普通仕様と高負荷仕様のエンジンに仕
様変えすることができる。

しかも、冷却器の通油管の内端部のオネジおよびオイル
フィルタの取付面のオネジをそれぞれ同種同径同ピツチ
のネジにするので、エンジン外壁に形成した開口部に対
してそれぞれの取付は取外しが容易に行なえる。

このため、前記仕様変えを簡単に行なえるようになる。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示し、第１図は横型水冷ディ
ーゼルエンジンの縦断正面図、第２図は要部拡大断面図
である。 Ｅ・・・・・・エンジン、３・・・・・・外壁（クラン
クカバー）、１５． １７．２０・・・・・・潤滑油圧
送路、１８・・・・・・オイル冷却器、１９・・・・・
・オイルフィルタ、２５・・・・・・取付座、２６・・
・・・・通油管、２６ａ・・・・・・内端部、２６ｂ・
・・・・・外端部、２９・・・・・・１８の内端面（カ
バー）、３０・・・・・・１８の外端面（カバー）、３
１・・・・・・オネジ、３２・・・・・・取付面、３３
・・・・・・メネジ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. エンジンＥの外壁３の外面に潤滑油圧送路１５．１７．
   ２０の途中部を分断状に開口し、この開口の周囲にオイ
   ル冷却器１８の取付座２５を形成し、この取付座２５に
   オイル冷却器１８の内端面２９を油密状に固定し、オイ
   ル冷却器１８の外端面３０にオイルフィルタ１９を固定
   し、潤滑油圧送路１５，１７．２０の途中部の分断され
   た二つの口をオイル冷却器１８およびオイルフィルタ１
   ９を介して連通させ、オイル冷却器１８の通油管２６の
   内端部２６ａにオネジ３１を外端部２６ｂにメネジ３３
   をそれぞれ形成し、オイル冷却器１８の取付座２５の中
   央部に、通油管２６のオネジ３１が螺合するメネジ３３
   を凹設するとともに、オイルフィルタ１９の取付面３２
   に、オイルフィルタ１９の二次室１９ｃに連通ずる状態
   で通油管２６のメネジ３３に螺合するオネジ３１を凸段
   し、前記両オネジ３１，３１同士を同種同径同ピツチに
   形成するとともに、両メネジ３３，３３同士を同種同径
   同ピツチに形成したことを特徴とするエンジンの潤滑油
   冷却装置。