JPS5830459B2 - プレキヤスト鉄筋コンクリ−ト造構造物の構築方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 従来のプレハブラーメンは、十字型の柱梁部材単材の何
れを用いる場合でも、鉄筋の接合は主として鋼管加圧型
の接合方法を採用して、柱梁の接合部にコンクリートを
後打ちして組立てていく工法が多かった。

この場合、部材には高精度が要求され、また施工法にも
コンクリートの後打部分が多く、特に柱の接合部は軸力
伝達のため無収縮コンクリートを打設する必要があった
。

本発明はこのような欠陥を除去するものであって、柱頭
より柱筋の突出されたプレキャストコンクリート下部柱
上に上側が略々床版の厚さだけ欠除されたプレキャスト
コンクリート梁を横架して同各梁の下端筋の彎曲突出部
を前記柱の上方に臨捷しめ、同各彎曲突出部に亘って閉
鎖型帯筋捷たはスパイラル筋を囲繞し、次いで前記梁材
間にプレキャストコンクリート床版を横架して前記梁材
の上端筋を同梁材及び前記下部柱の各上部に跨って配筋
し、次いで梁上部及び柱梁接合部のコンクリートを打設
し、次いで柱脚部にスリーブの碇着されたプレキャスト
コンクリート上部柱を設置して同スリーブに前記下部柱
の柱筋突出部を挿入してグラウトを充填することを特徴
とするプレキャスト鉄筋コンクリート造構造物の構築方
法に係り、その目的とする処は柱、梁の接合部が１個所
に集中され、後打ちコンクリート部分をできるだけ少な
くした、プレキャスト鉄筋コンクリート造構造物の改良
された構築方法を供する点にある。

本発明にかいては前記したように、柱頭より柱筋の突出
されたプレキャストコンクリート下部柱上に上側が略々
床板の厚さだけ欠除されたプレキャストコンクリート梁
を横架し、同各梁の下端筋の彎曲突出部を前記柱上方に
位置せしめ、同各彎曲突出部に閉鎖型帯筋またはスパイ
ラル筋を囲繞し、前記各梁間に亘ってプレキャストコン
クリート床板を横架し、前記各梁の上端筋を同梁材及び
前記下部柱の各上部に跨って配筋し、梁上部と柱梁接合
部分のコンクリートを打設するようにしたので、前述の
ように上端部分の欠除されていたプレキャストコンクリ
ート梁が完成された梁となると同時に、梁と床板とが柱
とともに一体化されるものである。

更にまたこの後、本発明に釦いてはプレキャストコンク
リート上部柱を所定位置に設置し、同柱の柱脚に碇着さ
れたスリーブに、前記下部柱の柱頭より突出した柱筋を
挿入して、同スリーブにグラウト材を充填するようにし
たので、上下柱が一体に接合され、柱接合部の後打ちコ
ンクリートが省略され、上下柱間の軸力の伝達が向上さ
れるものである。

このように本発明の方法によれば、プレキャスト鉄筋コ
ンクリート造構造物の各部材を単材として、柱梁の接合
部を１個所に集中して後打ちコンクリート部分をできる
だけ少なくするとともに、梁主筋はすべて後打ちコンク
リート部分に碇着され、また下部柱の柱筋は上部の柱の
柱脚部に碇着されたスリーブに挿入され、同スリーブに
グラウト材が充填されるようになっているので接合作業
が簡単で、柱の後打ちコンクリートが不要となり上下柱
間の軸力の伝達が確実に行なわれるものである。

以下本発明を図示の実施例について説明する。

Ａはプレキャストコンクリート柱で、柱筋１の上端部１
ａは柱頭部より上方に突出してかす、下端部には柱脚部
に柱筋接合用の紡錘形のスリーブ２が碇着されている。

Ｂはプレキャストコンクリート梁で、その上端部は床板
の厚さだけ欠除しており、下端筋３の端部は梁端面より
水平に突出したのち上方に指向して曲成された彎曲突出
部３ａに形成され、筐たスパイラル筋４の上端部は梁頂
面に露出している。

而して前記梁Ｂを下部柱Ａ上に横架して間柱Ａの上部に
各梁Ｂの下端筋３の彎曲突出部３ａを臨ｌしめ、同各彎
曲突出部３ａの外周に亘ってフープ筋５または閉鎖型帯
筋を落し込む。

この際前記フープ筋５または閉鎖型帯筋によって梁筋３
の彎曲突出部３ａ内のコンクリートが拘束され、同梁筋
３の碇着効果が向上される。

図中１′は柱Ａにおける柱筋１の補強用帯筋である。

次いで前記各梁Ｂ間にプレキャストコンクリート床板Ｃ
を横架し、同床板Ｃの設置後染Ｂの上端筋７を同各梁Ｂ
及び前記下部柱４ａ各上部に跨って配筋したのち、梁上
部及び柱梁接合部のコンクリート６を打設する。

同コンクリート６の打設後、プレキャストコンクリート
上部柱Ａ′を設置し、前記下部柱Ａの柱筋１の柱頭より
突出した上端部１ａを前記上部柱Ａ′の柱脚部内に碇着
されたスリーブ２内に挿入し、同スリーブ２内に無収縮
グラウト材を注入して上下各柱Ａ、 Ａ′を接合する。

以下前記上部柱Ａ′の柱頭に梁Ｂを横架して前述の方法
を反覆して、プレキャスト鉄筋コンクリート構造物を構
築するものである。

なふ・第４図は３本の梁Ｂが剛柱にＴ字状に交叉する場
合の実施例を示すもので、図中前記実施例と均等部分に
は同一符号が附されている。

以上本発明を実施例について説明したが、本発明は勿論
このような実施例にだけ局限されるものではなく、本発
明の精神を逸脱しない範囲内で種種の設計の改変を施し
つるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の方法によって構築された構造物のプレ
キャストコンクリート柱、梁の接合部を示す縦断面図、
第２図はその平面図、第３図はプレキャストコンクリー
ト梁、床板の接合部を示す縦断面図、第４図はプレキャ
ストコンクリート柱梁の接合部の他の実施例を示す平面
図である。 Ａ・・・プレキャストコンクリート下部柱、Ａ′・・・
プレキャストコンクリート上部柱、Ｂ・・・プレキャス
トコンクリート梁、ｃ−・・プレキャストコンクリート
床板、１・・・柱筋、１ａ・・・柱筋の突出部、２・・
・スリーブ、３・・・梁の下端筋、３ａ・・・梁の下端
筋の彎曲突出部、５・・・フープ筋、６・・・コンクリ
ート、７・・・梁の上端筋。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 柱頭より柱筋の突出されたプレキャストコンクリー
   ト下部柱上に上側が略々床版の厚さだけ欠除されたプレ
   キャストコンクリート梁を横架して、同各梁の下端筋の
   彎曲突出部を前記柱の上方に臨１しめ、同各彎曲突出部
   に亘って閉鎖型帯筋またはスパイラル筋を囲繞し、次い
   で前記梁材間にプレキャストコンクリート床板を横架し
   て前記梁材の上端筋を同梁材及び前記下部柱の各上部に
   跨って配筋し、次いで梁上部及び柱梁接合部のコンクリ
   ートを打設し、次いで柱脚部にスリーブの碇着されたプ
   レキャストコンクリート上部柱を設置して同スリーブに
   前記下部柱の柱筋突出部を挿入してグラウト材を充填す
   ることを特徴とするプレキャスト鉄筋コンクリート造構
   造物の構築方法。