JPS5829612B2 - 内燃機関用点火装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔発明の利用分野〕 本発明は内燃機関用点火装置に係り、特に、モールド製
法により点火コイルを製造して増巾器と一体化するに好
適な内燃機関用点火装置に関する。

〔従来技術〕

近年においては内燃機関用点火装置に無接点方式が広く
採用されるに至り、この発展した形として点火コイルと
増巾器とを一体化した構造のものが出現している。

これに用いられる増巾器は集積回路（ＩＣ）化し、点火
コイルの一部に取付けて一体化することも試みられてい
る。

ところが、このように増巾器の小型化が図られたにもか
かわらず、その一体化構造を生産性良く且つコンパクト
な形状とするには種々の問題がある。

その一つとして点火コイルは使用中に多量の発熱をする
。

これに対し、増巾器を構成するＩＣ１半導体素子等の電
子部品は温度の上昇に伴ない大巾に性能が低下するため
、点火コイルの一部に増巾器を取り付けた内燃機関用点
火装置を実用化するためには、点火コイルで発生した熱
が増巾器に伝わりにくくすることが必要である。

特に、合成樹脂で成形された点火コイルの場合、点火コ
イルの放熱が悪く、点火コイルの自己発熱による温度上
昇が大きくなり、増巾器が点火コイルの発熱により著し
く加熱されるという欠点があることがわかった。

また、内燃機関用点火装置は直接水を被る機会が多いた
め、被水した場合でも増巾器の電子回路部に水がかから
ないようにすることが、上記した熱の問題に加え実用化
の重要なポイントである。

〔発明の目的〕

本発明の目的は、合成樹脂で成形されてなる点火コイル
に比較的温度の影響を受けない構造で点火装置の増巾器
を取り付けた内燃機関用点火装置を提供するにある。

〔発明の概要〕

本発明は、熱の良導体よりなるケーシングおよび該ケー
シングに装着されたＩＣ等の電子回路部よりなる増巾器
を取り付けるための取り付は部を点火コイルの一部に合
成樹脂で一体に成形し、該取り付は部とケーシングで囲
まれた空間にＩＣ等の電子回路部を配置し、電子回路部
に外部から水がかからないようにするとともに、該取り
付は部で点火コイルの表面と電子回路部との間に空間を
作り、点火コイルで発生した熱が電子回路部に伝わりに
＜＜シたことを特徴とするものである。

〔発明の実施例〕

以下本発明の一実施例を図面によって説明する。

点火コイル１は外側を合成樹脂２１で成形し、その一部
に増巾器２を取付けるための座１Ａを設ける。

増巾器２の取り付は部９は上記した合成樹脂２１により
点火コイル１の一体成形時に成形されたもので、外枠９
ａ、ボス９ｂより構成されており、外枠９ａの上端部に
はボス９ｂの内側を通るように溝９ｃが設けられており
、またボス９ｂの中心には穴９ｄが設けられている。

一方増巾器２はアルミニウム等の熱の良導体よりなる箱
形のケーシング３内に電子回路部をＩＣｌ３として装着
したものである。

ＩＣｌ３は銅板等の熱の良導体よりなるヒートシンク１
３ａにシリコン系の軟質の接着剤で接着され、該ヒート
シンク１３ａをシリコン系の熱伝導の良い接着剤で接着
するとともに板バネ１４、ねじ１５で取り付けることに
よりケーシング３の外枠３ｅで囲まれた底部に装着され
ている。

またＩＣｌ３の入出力端はＩＣｌ３に一体に形成された
端子１２に接続されている。

■Ｃ１３のアースは端子１２に半田付けされるとともに
ヒートシンク１３ａにも半田付けされている。

また、ケーシング３も上記した板バネ１４、ねじ１５に
よりヒートシンク１３ａと電気的に接続されアース電位
となっている。

図示していないが、ＩＣｌ３は出力トランジスタの如く
コレクタ損失の大きい素子を含んでいる。

ケーシング３の外枠３ｅの先端にはその中心に皿穴３ｄ
を有してなる凹部３ｇの内側を通るように突起３ｆが設
けられており、その一部の切欠は部にはゴム等の弾性体
よりなるブツシュ１７が嵌め込まれている。

該ブツシュ１７の一部にケーシング３の突起３ｆと同一
形状の突起１７ｂを有している。

ＩＣＩ ３の端子１２にはブツシュ１７を通してリード
線１０ａ、１０ｂ、１０ｃ 、１１の一端が半田付けさ
れている。

リード線１０ａ、１０ｂの他端は点火コイル１の１次端
子１ｂ、１ｃにねじ止めされ、リード線１０ｃは点火コ
イル１のステー ４ ａにねじ止めされ、リード線１１
はシールド線であり、図示しない点火信号発生装置に接
続されている。

また、リード線１０ａ、１０ｂ、１０ｃのケーシング３
からの引出し部には前記したブツシュ１７の一部１７ａ
が、リード線１１の引出し部には絶縁物のブツシュ１８
が嵌め込まれている。

上記した増巾器２は点火コイル１に設けられた取り付は
部９に、ケーシング３の外枠３ｅに設けられた突起３ｆ
を取り付は部９の外枠９ａに設けられた溝９ｃに嵌め込
むとともにボス９ｂを穴３ｇに嵌め込みケーシング３の
外側からタッピンねじ２０Ａにより取り付けられている
。

ケーシングの外側にはアルミニウム等の熱の良導体より
なる銘板１９が、タッピンねじ２０Ａの頭部を覆うよう
に貼り付けられている。

また、点火コイル１には合成樹脂２１に設けられた穴１
ｄにフッシャ８を嵌め込みステー４ａ。

４ｂがねじ５、スプリングワッシャ６、ナツト７により
取り付けられており、該ステー４ａ 、 ４ｂはワッシ
ャ８によりアース電位となっている。

また、前記したようにステー４ａの１ケ所には増巾器２
のアースであるリード線１０ｃが共線めされている。

上記構成による内燃機関用点火装置においては、点火コ
イル１に一体に成形された合成樹脂２１よりなる増巾器
２の取り付は部９つ外枠９ａと熱の良導体よりなるケー
シング３で囲まれた空間にＩＣ１３よりなる電子回路部
が配置されているため、点火装置が被水した場合にもＩ
Ｃ１３に水がかからず耐水性の良い点火装置を提供でき
る。

さらに、取り付は部９で点火コイル１の表面とＩＣｌ３
よりなる電子回路部との間に空間が設けられており、点
火コイル１で発生した熱がＩＣｌ３に伝わりにくいとと
もに、ＩＣｌ３は熱の良導体よりなるケーシング３にヒ
ートシンク１３ａを介して直に取り付けられているため
、ＩＣ１３で発生した熱は該ケーシング３を介して外部
に効果的に放熱されるため、増巾器２の温度上昇を低く
抑えることができる。

実施例では、増巾器をＩＣ化したものにつ（１℃説明し
たが、電子回路部をディスクリート形の素子としたもの
でも小形な増巾器であれば、同様な効果があるのは明ら
かである。

また、ケーシング３の外枠３ｅに設けた突起３ｆと取り
付は部９の外枠９ａに設けた溝９ｃの嵌合部に接着剤あ
るいはシール剤を充填すれば、増巾器２の耐水性はさら
に向上する。

特に、本実施例においては増巾器２を点火コイル１に取
り付けるためのボス９ｂ、穴３ｇ、ねじ１２の内側に溝
９ｃと突起３ｆを設けであるためねじ部からの浸水をも
防止でき、耐水性はさらに良いものとなっている。

ケーシング３は第１図、第２図に示すように、ＩＣｌ３
の収納部分３Ａと、リード線群を収納する節部３Ｂとに
分割されている。

ケーシング３は全面的に点火コイル１の筐体面に接する
構造であり、節部３Ｂに対応して節部１Ｂが設けられて
いる。

この場合、節部３Ｂは第１図に示すように高圧線の取出
し端子に対し、遠ざかる位置に配置する。

このようにすることにより、高圧線より点火火花電圧が
ピックアップ用リードに混入するのを防止できる。

リード線１０ａ、１０ｂ、１０ｃ（アース線）とシール
ド線１１とは第１図・に示すように互に逆方向に引出し
、収納スペースを小さくする。

また、収納スペースの有効利用に徹すると、防水性が悪
化する。

車両、′／Ｃおいてはエンジンルーム内に雨水等が各機
器に飛散侵入するのを防止する措置は設けられておらず
、各機器において独自になされている。

この点における対策、すなわち本発明の第２の目的を実
現する手段について以下詳細に説明する。

第７図、第８図に示すように、ケーシング３の脇部３Ｂ
内のリード線群収納口に排水口３ｃ、節部１Ｂの底部に
排水口１ｇを各々設ける。

排水口３ｃは溝構造でリード線群の絶縁ブツシュ１７ａ
。

１８の外側に露出する形状とする。

また、排水口１ｇは溝状に切抜いた構造である。

排水口３ｃ。１ｇはいずれも一ケ所に設ける場合を示し
たが複数ケ所に設けても良い。

このように排水口３ｃ。１ｇを設けたことにより、節部
３Ｂ、ＩＢで形成される空間に対しては水の侵入・排出
は自由となる。

また、排水口３ｃが形成されていない場合（特に排水口
１ｇの面積が小さい場合）、前記空間に侵入した水分は
排出されない。

しかし、排水口３ｃが形成されていると、大気圧によっ
て排水口１ｇ付近に溜った水分は容易に排出される。

このような排水口３ｃ、１ｇを設けた理由は、ブツシュ
１７とケーシング３および合成樹脂の節部１Ｂとの接触
面の僅かの隙間から水分が浸入し、しかも一旦浸入干る
と容易に抜は出ることがなく、増巾器２の回路部に浸入
する恐れがある。

このことから、リード線群収納部およびシールド線収納
部は水分の侵入に対しては自由とし、節部ＩＢ。

３Ｂ内に飛散した水分が直接に増巾器２内の回路部に入
らないようケーシング３および節部１Ｂ。

３Ｂで抑制を図っている。

ケーシング３は第４図の如く集積回路１３を収容する部
分とリード線群１０ａ、１０ｂ、１０ｃ、シールド線１
１を収容する部分とに区画して、ブツシュ１７，１７ａ
、１Ｂでケーシング３に嵌込まれる形となっている。

このため、増巾器２を一つのアッセンブリとして取扱え
、点火コイル１と一体化するに際してもリード線群がバ
ラバラになる恐れはない。

組立作業順序としては、まず、増巾器２をあらかじめ取
付けたケーシング３を皿ネジ２０で点火コイル１に取付
け、ステー４ａ 、４ｂをねじ５、スプリングワッシャ
６、ナツト７により点火コイル１と一体化する。

この場合、リード線１０ｃはその端子穴にねじ５が貫通
するようにしてステー４ａに接続する。

ついで、リード線１０ａ、１０ｂの各端子を点火コイル
１の端子１ｂ、１ｃにねじ２０Ｂを螺合して接続する。

そして、上述の銘板１９をケーシング３に接着する。

以上に詳細に説明した如く、本発明によれば、合成樹脂
で成形されてなる点火コイルに増巾器を取り付けるとと
もに、耐熱性の優れた内燃機関用点火装置を提供できる
。

また、増巾器内部への水分の侵入が防止でき、車体もし
くはエンジンに容易に装着することができるという優れ
た効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例を示す正面図、第２図は本発明
の実施例を示す側面図、第３図は本発明の実施例を示す
平面図、第４図は本発明になる増巾器をケーシングに収
納した状態を示す正面図、第５図は第４図の実施例のｖ
−ｖ面断面図、第６図は第４図の実施例のＶＩ−ＶＩ面
断面図、第７図は本発明の実施例を示す分解斜視図、第
８図は第４図の側面図である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 合成樹脂で成形されてなる点火コイルに増巾器を取
   り付けてなる内燃機関用点火装置において、点火コイル
   の一部に合成樹脂で一体に成形された取り付は部、該取
   り付は部に装着された熱の良導体よりなるケーシング、
   該ケーシングと取り付は部で囲まれた空間に配置され、
   かつ該ケーシングに取り付けられた増巾器の電子回路部
   を有してなる内燃機関用点火装置。 ２、特許請求の範囲第１項において、ケーシングと取り
   付は部で囲まれた空間を第１の相部と第２の相部に分割
   し、該第１の相部に増巾器、該第２の相部にリード線群
   を収容することを特徴とする内燃機関用点火装置。 ３ 特許請求の範囲第２項において、第１の相部を気密
   状態に保持することを特徴とする内燃機関用点火装置。 ４ 特許請求の範囲第２項において、第２の相部の一部
   に外部と連通ずる排水口を設けることを特徴とする内燃
   機関用点火装置。 ５ 特許請求の範囲第４項において、排水口を２以上設
   けることを特徴とする内燃機関用点火装置。