JPH0617353Y2 - 電子機器の筐体構造 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この考案はビデオカセットレコーダー等の電子機器の筐
体構造に関し、特にトランジスター等の発熱体の放熱板
の取付構造に関する。

〔従来の技術〕

従来、ビデオカセットレコーダー等の電子機器は、プラ
スチックで形成された箱状の底部筐体と，金属板等の導
電体で形成した天部カバー筐体と，操作キーが配置され
たフロントパネルとで筐体が構成されており、電源回路
等のトランジスターの放熱板を上記底部筐体の内部に収
納するのが一般的であった。

〔考案が解決しようとする問題点〕

上記のような従来の電子機器の筐体構造では、大量の放
熱面積を必要とする放熱板を底部筐体の内部に配設する
ため、回路部品を搭載するプリント基板等の配置に制約
が生じたり、配線材等が高温部に接触する等の不都合な
点が多かった。

この考案は上記従来の筐体構造の欠点を解消するために
なされたもので、省スペースで放熱板を配設できる電子
機器の筐体構造を得ることを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

この考案に係る筐体構造は、底部筐体の側板部に設けた
切欠き部によって生ずる空間を埋める如く放熱板を側板
部に固定し、この放熱板に天部カバー筐体の一部を面接
触させて固定し、放熱板の熱を天部カバー筐体へ放散さ
せるものである。

〔作用〕

この考案においては、放熱板を底部筐体の側板部に設け
た切欠き部に埋め込むので省スペースで放熱板を配設で
き、またこの放熱板に金属板で形成された天部カバー筐
体の一部を面接触させて固定するので天部カバー筐体を
放熱部材として利用できる。

〔考案の実施例〕

第１図、第２図はこの考案の一実施例を示すものであ
り、図において（１）は底部筐体で、プラスチック等で
形成され箱状の形状をしている。（２）は底部筐体
（１）の一つの側板部で、切欠き部（２ａ）を有してい
る。（３）は電源回路等のトランジスターで、プリント
基板（４）に半田付けされ、このプリント基板（４）を
介してリード線等で内部の回路基板に接続される。この
トランジスター（３）はネジ（５ａ）によって放熱板
（６）に固定される。放熱板（６）は側板部（２）と保
持部（２ｂ）との間の溝部（２ｃ）に下端を嵌入し、か
つ上端は保持部（２ｂ）に設けた透孔（２ｄ）を利用し
てネジ（５ｂ）で固定する。

このように底部筐体（１）の側板部（２）に切欠き部
（２ａ）を設け、この切欠き部（２ａ）に埋め込むよう
に放熱板（６）を固定すると、放熱板（６）の配置に場
所を取らず、内部スペースを有効に利用できる。また放
熱板（６）は切欠き部（２ａ）により弱くなる側板部
（２）の補強材としての作用もなす。

第３図において、（７）は天部カバー筐体で、両側の側
面部（８）に各々設けられた２カ所の透孔（８ａ）を利
用してネジ（５ｃ）で底部筐体（１）に固定する。放熱
板（６）が取付けられている側においては、天部カバー
筐体（７）は放熱板（６）に設けられた取付穴（６ａ）
に固定される。各々の透孔（８ａ）は内側に向って凹ん
だ溝状の凹部（８ｂ）の範囲に位置し、天部カバー筐体
（７）が固定された時、この凹部（８ｂ）と放熱板
（６）とが面接触するよう設計されている。なお、第３
図中（９）はカセット挿入口（１０）および操作キーな
どが配置されたフロントパネルである。

このように天部カバー筐体（７）を放熱板（６）に取付
け、その一部を面接触させておくと、放熱板（６）の熱
を天部カバー筐体（７）に放散させることができる。よ
って、冷却効果を向上できると共に天部カバー筐体
（７）を取付けるための他の取付部材を必要としない。

第４図において、（１１）は底部筐体（１）内に配置さ
れた回路基板、（１２）は回路基板（１１）のアース部
と放熱板（６）とを接続したアース線である。

このように放熱板（６）と回路基板（１１）のアース部
とをアース線（１２）で接続しておくと、他の導電部材
を使うことなしに、放熱板（６）を介して天部カバー筐
体（７）をアース電位にすることができ、機器全体を電
磁シールドすることができる。

上記実施例では底部筐体（１）の一つの側板部（２）に
のみ切欠き部（２ａ）を設けたものを示したが、必要に
応じて例えば二つの側板部に切欠き部を設け、それぞれ
の切欠き部に放熱板（６）を固定するようにしてもよ
い。

〔考案の効果〕

この考案は以上のとおり、放熱板を底部筐体の側板部に
設けた切欠き部に埋め込むので放熱板を省スペースで配
設でき、この放熱板に天部カバー筐体の一部を面接触す
るように固定するので放熱板の熱を天部カバー筐体に拡
散させることができ冷却効果を向上できるばかりでな
く、天部カバー筐体を取付けるための取付部材を節約で
きる。また、放熱板に回路のアース線を接続することに
より天部カバー筐体との電気的接続が直接アース線を接
続することなしに行え、天部カバー筐体を電磁シールド
として容易に利用できる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す分解斜視図、第２図
は第１図の組立状態の平面図、第３図は天部カバー筐体
の取付構造を示す斜視図、第４図は第３図の組立状態を
示す一部断面図である。 図において、（１）は底部筐体、（２）は側板部、（２
ａ）は切欠き部、（６）は放熱板、（６ａ）は取付穴、
（７）は天部カバー筐体、（１２）はアース線である。 なお、各図中同一符号は同一または相当部分を示す。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁵ 識別記号 庁内整理番号 ＦＩ 技術表示箇所 Ｈ０１Ｌ 23/40 Ｚ

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】プラスチックで形成された箱状の底部筐体
   を備え、この底部筐体の少なくとも一つの側板部に切欠
   き部を設け、この切欠き部により生じた空間を埋める如
   く前記底部筐体にトランジスター等の発熱体の放熱板を
   固定し、この放熱板に金属板等の導電体で形成された天
   部カバー筐体の一部を面接触させて固定し、放熱板の熱
   を天部カバー筐体へ放散させるようにしたことを特徴と
   する電子機器の筐体構造。
2. 【請求項２】放熱板を底部筐体内アース部に電気的に接
   続した実用新案登録請求の範囲第１項記載の電気機器の
   筐体構造。