JPS5829239Y2 - 抽斗のラツチ装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、抽斗のラッチ装置に関するものであり、詳し
くは、金属製等のキャビネット本体に抽斗を押し込んだ
とき該抽斗を自動的に本体に係止でき、かつ抽斗の引出
動に際してワンタッチで保合を解除できるラッチ装置に
おける連動部構造を簡単にし、部品を少なくすると共に
該ラッチ装置の組立作業も極めて簡単にできるようにし
たものである。

次に本考案を実施例に基き説明すると、図において１は
金属薄板を折曲成形した抽斗、２は抽斗の前面板で、そ
の裏面板３の前方に適宜寸法ｌ□隔てて鏡板４を張設し
て戊り、鏡板４には後述するラッチ引手部材５の引手部
６裏面に指がとどくように引手孔７が開口している。

該引手孔６の真位置の裏面板３には、ブラケット８を介
して下向き２叉状ラッチ引手部材５を前後回動自在に軸
９支する。

１０．１０は前記裏面、板３の左右両側に突設した支持
ブラケットで、各支持ブラケツ） １０には、上方が鏡
板４の裏面に近づくように傾斜する接当面１１を備え上
端には後向き突起を有し、且つ上向き開放された支持部
１２を形成する。

また、面支持ブラケツ） １０．１０はその支持部１２
下端が前記ラッチ引手部材５の下端より適宜下方位置に
なるように設ける。

１３．１３’は裏面板３左右両段部１４，１４’にそれ
ぞれ長さ１２で穿設した縦長通孔である。

そしてこの縦長通孔１３．１３’の上端は前記面支持ブ
ラケツ） １０．１０の上端よりも適宜寸法だけ、好ま
しくは後述する係止片１６の上下寸法に略等しい寸法だ
け上方に延長する。

また１５は断面コ字状等の横長杆で、該横長杆１５の左
右両端には、後端部に下向き鉤型係止部を形成したＬ字
状係止片１６．１６を後向きに突出させて成る。

前記横長杆１５における左右側係止片１６，１６の右後
端鉤型係止部を前記各縦長通孔１３．１３’に挿入して
抽斗１の側板外側に沿って後方に突出させた状態で横長
杆１５を前記面支持ブラケッ） １０．１０’における
上向き開放支持部１２．１２に向って落し込み載置させ
たとき、該横長杆１５の上部裏面が前記ラッチ引手部材
５の下部前面と重合接当するように構成する。

なお１７は前記各係止片１６．１６と裏面板３との間に
懸架し、該係止片１６を下向き付勢するばねであり、該
ばね１７下端に取付く１字状部材１８は裏面板３に対し
着脱自在となっている。

この構成により、通常では、横長杆１５両端のＬ字状係
止片１６．１６は、ばね１７により下向き付勢され、か
つ裏面板３左右両段部１４前面に接当しているから、各
係止片１６は抽斗１の両側板外側において後向きに略水
平方向に突出しており、そして各係止片１６の後端面は
後方上向き傾斜しているがら、抽斗１の押し込み動につ
れて、キャビネット本体（図示せず）の両側内面に突出
した係合片１９の前端に前記係止片１６の後端が当接す
れば各係止片１６は上向き回動し、抽斗１の閉止位置で
各係止片１６はばね１７カにより略水平位置に復帰し、
前記各係合片１９に係合できるといういわゆるけり込み
係合できるのであり、この抽斗１を引出し動するには、
鏡板４における引手孔７に指を差し入れ、ラッチ引手部
材５の引手部６裏面に指を掛け、引手部材５を前方回動
させると（第３図２点鎖線参照）この下端前面に重合接
当する横長杆１５は前向き傾斜し、その両端のＬ字状係
止片１６の前面が各支持ブラケット１０の傾斜接当面１
１に接当するまで傾動し、各係止片１６はばね１７カに
抗して上向き回動し、前記キャビネット本体側面の係合
片１９との係合が解除されるからそのまま抽斗１を引き
出せば良い。

なお、ブラケット８及び支持ブラケット１０を抽斗前面
板における鏡板４裏面に取付けても前記実施例と同様に
作動することは云うまでもなく、また、本実施例ではば
ね付勢された係止片を後方に略水平方向に保持するため
に裏面板３の段部１４前面を利用しているが、裏面板３
等に前記係止片との接当面を別途形成することもでき、
この場合縦長通孔１３を形成することを不要とすること
もできる。

このように本考案では抽斗における前面板を抽斗前端に
固着した裏面板とその前部に適宜隔てて設ける鏡板とで
構成し、前記裏面板の前面又は鏡板の裏面にはラッチ引
手部材を前後回動自在に支持し、該ラッチ引手部材の引
手部を前記鏡板に開口する引手孔に臨ませ、ラッチ引手
部材の下端を前記裏面板と鏡板との間で下向きに延長し
、前記ラッチ引手部材が取付くと同じ裏面板の前面又は
鏡板の裏面の左右両側には、当接ラッチ引手部材の下端
より下位置に左右一対の支持ブラケットを設け、該面支
持ブラケットにはそれぞれ上方が鏡板裏面に向って前方
傾斜する接当面を備えその上端が上向きに開放された支
持部を形成しであるので、これに支持させる横長杆の左
右両端に予め係止片を抽斗の左右側面に沿うように横長
杆の長手方向と直角に折曲するように突設しておいても
、前記面支持ブラケット及びラッチ引手部材が裏面板前
面に取付いているときは、係止片を縦長通孔に通しつつ
横長杆を支持部と裏面板段部等の他側片で形成される凹
溝部に上がら落し込むだけで当該横長軒裏面上端部がラ
ッチ引手部材の前面下端部と接当するようになる。

反対に面支持ブラケット及びラッチ引手部材を鏡板裏面
に取付けている場合は横長杆をラッチ引手部材前面と鏡
板裏面との隙間に挿入しつつ前記面支持ブラケットの支
持部と他側片とによる凹溝部分に落し込めば良く、この
いずれの場谷にも支持ブラケット及びラッチ引手部材を
予め所定の個所に固着すると共に横長杆の両端に予め係
止片を所定の構成に形成しておいても横長杆の支持ブラ
ケットへの装着及びラッチ引手部材への接当関連の作業
を極めて簡単に行える。

この横長杆の組み込み作業後にばねで横長杆における係
止片が略水平方向に向うように付勢装架するだけで良く
、抽斗におけるラッチ装置の組立作業は全体としても極
めて簡単となる。

また、横長杆裏面とラッチ引手部材前面を単に接当させ
ているだけであるがら、ラッチ装置の構造が簡単で部品
数も少なくて済み、ラッチ引手部材と横長杆との連結部
組立が不用であり、かつ、抽斗のいわゆるけり込み係合
において、ラッチ引手部材は作動することがなく、ラッ
チ装置の耐久性が向上するのである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は抽斗の斜視図、
第２図は鏡板を取り外した抽斗の斜視図、第３図は第２
図のｌｌｌ−ＩＩＩ線視の拡大断面図、第４図は組立方
法を示す一部切欠斜視図である。 １・・・・・・抽斗、２・・・・・・前面板、５・・・
・・・ラッチ引手部材、６・・・・・・引手部、７・・
・・・・引手孔、１０・・・・・・支持ブラケット、１
５・・・・・・横長杆、１６・・・・・・係止片、１７
・・・・・・ばね、１９・・・・・・係合片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. キャビネット本体内に前後動自在に支持した抽斗におけ
   る前面板を抽斗前端に固着した裏面板とその前部に適宜
   隔てて設ける鏡板とで構成し、前記裏面板の前面又は鏡
   板の裏面にはラッチ引手部材を前後回動自在に支持し、
   該ラッチ引手部材の引手部を前記鏡板に開口する引手孔
   に臨ませ、ラッチ引手部材の下端を前記裏面板と鏡板と
   の間で下向きに延長し、前記ラッチ引手部材が取付くと
   同じ裏面板の前面又は鏡板の裏面の左右両側には、当該
   ラッチ引手部材の下端より下位置に左右一対の支持ブラ
   ケットを設け、該両支持ブラケットにはそれぞれ上方が
   鏡板裏面に向って前方傾斜する接当面を備えその上端が
   上向きに開放された支持部を形成し、予め左右両端にキ
   ャビネット本体側面の保合片に係脱する係止片を抽斗の
   左右両側に沿って後向きに突出させてなる横長杆を前記
   左右両ブラケットの支持部に落し込み載置し、横長杆に
   おける係止片を前記支持部の他側片にて後向き水平保持
   し、該横長杆の裏面上部を前記ラッチ引手部材の下部前
   面に接当させ、ラッチ引手部材下部の前方回動により横
   長杆における係止片がばね力に抗して上向き動して前記
   保合片との保合を解除するように構成して戊る抽斗のラ
   ッチ装置。