JPS5823753Y2 - 二輪車用リヤクッションユニット - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、アウタチューブの上側にアウタシリンダを
被せ、そのアウタシリンダ内に圧縮ガスを封入してなる
二輪車用リヤクッションユニットに関する。

この種のりャクッションユニットは、ガス室の容積を大
きくする必要から、前記アウタシリンダ内に圧縮ガスを
封入するものであるが、従来は当該アウタシリンダとピ
ストンロッドとが固定的に連結されていたために次のよ
うな欠点を有するものであった。

すなわち、当該アウタシリンダは、ピストンロッド及び
アウタシェルと同心でなければならない。

なんとなればそれらの中心を一致させておかなければ、
アウタシリンダとアウターチューブとの間でかじり現象
が生じたり、ややもすると作動不良を起したりするから
である。

ところがこれらの中心を完全に一致させるということは
、高精度の加工や組立てが要求されるので、量差性に欠
けるという欠点があった。

この考案は、アウタシリンダを半径方向に調整移動可能
にすることにより、上記従来の欠点を解消したもので、
以下にはこれを図示の実施例について説明する。

アウタチューブ１から突出するピストンロッド２の上端
にはキャップ３が固定され、さらにこのキャップ３の上
側に取付金具４が固定されているもので、この取付金具
４とアウタチューブ１下端に固定した取付金具５とで当
該ユニットを車体に取付けるものである。

上記キャップ３はその断面において上側部を山形に、下
側部を円筒形に形成しているもので、その円筒部外周に
カバー６をはめ合せ、そのカバ−６上端部をシーム溶接
している。

そしてこのカバー６の下端内周には掛止め部体７をはめ
着けている。

一方最伸張時においてもアウタチューブ１の上側を被う
アウタシリンダ８は、前記カバー６内に臨ませるととも
に、その上端縁には段部９を形成し、この段部９を前記
キャップ３の下端縁と当接させているものであるが、こ
の当接部においてアウタシリンダ８が半径方向に微動し
うるようにしている。

またこのようにアウタシリンダ８の上端をキャップ３に
当接させた状態において、前記掛止め部体７と対向する
アウタシリンダ中腹部に段１０を形成し、この段部１０
に掛止め部体７を一致させているが、ここにおいてもア
ウタシリンダ８が半径方向に微動しうるようにしている
。

さらに掛止め部体７とアウタシリンダ８との接触部は、
掛止め部体７に内装のシール部材１１で気密にシールさ
れているものである。

上記のようにしてキャップ３と掛止め部体７とによって
挟持されたアウタシリンダ８は、アウタチューブ１の上
側外周に設けたベアリング１２と摺接し、ピストンロッ
ド２と一体的に上下動するものである。

上記ベアリング１２は、アウタチューブ１にはめ着けた
ストップリング１３によって下方向の移動が規制され、
またそのベアリング１２の上方側に設けたシール部材１
４及びアウタチューブ１上端にはめ着けたストッパー１
５によって上方向の移動が規制されている。

なお図中符号１６はダストシールである。

またアウトチューブ１の下側部には、そのアウタチュー
ブ１よりやや大径とした補助部体１７をはめ着けている
もので、この補助部体１７には、ストップリング１８が
はめ込まれる複数の溝１９が形成されるとともに、その
周囲には上下可能にしたスプリングガイド２０を設けて
いる。

このスプリングガイド２０は上記ストップリング１８の
設定位置に応じて、換言すればいずれかの溝１９にスト
ップリング１８をはめ込むかによって位置規制される。

したがってこのスプリングガイド２０と前記掛止め部体
７との間に介装した懸架スプリング２１は、スプリング
ガイド２０の位置を調整することによってその設定荷重
を任意に定めうるものである。

しかして前記アウタシリンダ８内のガス室２４には圧縮
ガスを封入するものであるが、それはガス封入バルブ２
２からガス供給して行う。

すなわちカバー６とアウタシリンダ８間に形成れる補助
室２３は前記キャップ３に形成のポート２５を介しして
連通しているので、上記バルブ２２からガスを供給すれ
ば、ガス室２４及び補助室２３の双方にガスを充満する
ものである。

このように補助室２３にもガスを充満させたのは、ガス
室２４の容積を実質的に拡大し、最圧縮時における荷重
特性の急激な上昇を防止するものである。

なお上記ガス室２４にはわずかなオイル２６を入れ、前
記シール部材１４と相まってより一層シール効果を発揮
するようにしている。

以上の説明からも明らかなとおり、請求の範囲第１項の
りャクッションユニットによれば、アウタシリンダ自身
が半径方向に移動しうるので、それがアウタチューブ及
びピストンロッドとの６度が少々くるっていても作動に
なんら影響を及ぼすことがなく、シたがって加工や組立
て等における精密度がさほど要求されず、量差も適する
ことになる。

請求の範囲第２項のりャクッションユニットによれば、
アウタシリンダの２ケ所に段部を形成し、それら段部に
キャップの下端及び掛止め部体を当接するだけで、アウ
タシリンダを半径方向に移動可能にして保持しうるので
、簡単な構成で所期の効果を発揮するものである。

請求の範囲第３項のりャクッションユニットによれば、
ガス室を実質的に拡大したので、最圧縮時における荷重
特性の急激な上昇を防止しえ、最適な乗心地を維持しう
るものである。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の１実施例を示す断面図である。 １・・・アウタチューブ、２・・・ピストンロッド、３
・・・キャップ、６・・・カバー、７・・・掛止め部体
、８・・・アウタシリンダ、９，１０・・・段部、１１
・・・シール部材、２０・・・スプリングガイド、２１
・・・懸架スプリング、２３・・・補助室、２４・・・
ガス室。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ アウタチューブの上側に、ピストンロッドと一体的
   に移動するアウタシリンダを被せ、このアウタシリンダ
   内のガス室に圧縮ガスを封入してなる二輪車用リャクシ
   ョンユニットにおいて、前記アウタシリンダを覆うカバ
   ーのキャップをピストンロッド先端に固定するとともに
   、前記キャップと前記カバーの下端に設けた掛止め部体
   とによって、前記アウタシリンダを、半径方向に調整移
   動可能にして挟持してなる二輪車用リヤクッションユニ
   ット。 ２ 前記キャップの下端を、前記アウタシリンダ上端に
   形成の段部に当接させるとともに、前記掛止め部体をア
   ウタシリンダ外周に形成の段部に当接してなる実用新案
   登録請求の範囲第１項記載の二輪車用リヤクッションユ
   ニット。 ３ 前記アウタシリンダとカバーとの間に、アウタシリ
   ンダ内のガス室に連通ずる補助室を設けるとともに、掛
   止め部体とアウタシリンダ間を気密にシールしてなる実
   用新案登録請求の範囲第１又は２項記載の二輪車用リャ
   クションユニッ ト。