JP2996984B2 - 倒立型フロントフォークのオイルロック機構 - Google Patents

倒立型フロントフォークのオイルロック機構

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JP2996984B2 JP1118239A JP11823989A JP2996984B2 JP 2996984 B2 JP2996984 B2 JP 2996984B2 JP 1118239 A JP1118239 A JP 1118239A JP 11823989 A JP11823989 A JP 11823989A JP 2996984 B2 JP2996984 B2 JP 2996984B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、倒立型フロントフォークのオイルロック機
構に関するものである。
(従来の技術) 車体側に取り付けられるアウターチューブに、下方か
ら車軸側に取り付けられるインナーチューブを挿入した
倒立型フロントフォークは、ボトムケースに上方からフ
ォークパイプを挿入した正立型フロントフォークに比べ
てストロークが大きくとれる等の利点があるため、自動
二輪車のフロントフォーク等として盛んに使用されてい
る。
そして、かかる倒立型フロントフォークの最圧縮時に
おける部材同士の衝突を防止するためのオイルロック機
構として、米国特許第4,561,669号に開示されるものが
知られている。
このオイルロック機構は、インナーチューブ内に配設
したダンパーシリンダ内に、上方からアウターチューブ
に取り付けたピストンロッドを挿入し、ダンパーシリン
ダの上端にオイルロックカラーを設け、ピストンロッド
上端にオイルロックピースを設け、フロントフォークの
最圧縮に近いストローク位置で、オイルロックカラーに
オイルロックピースを嵌合してオイルロック作用を発揮
させるようにしている。
(発明が解決しようとする課題) 上述した従来のオイルロック機構にあっては、ピスト
ンロッドとオイルロック室底部のロッドガイドとの間か
ら作動油がダンパーシリンダ内に若干流入するため、オ
イルロック作用が不完全になり易く、またダンパーシリ
ンダ上端にオイルロックカラーを配設するため、十分な
容積のオイルロック室を形成することができない。
更にアウターチューブ上部には、気体室が形成されて
いるため、オイルロック室は気泡を捲き込み、オイルロ
ック特性が不安定となる。
(課題を解決するための手段) 上記課題を解決すべく本発明は、請求項1は、車体側
に取り付けるアウターチューブに、下方から車軸に取り
付けるインナーチューブを移動自在に挿入し、このイン
ナーチューブ内の底部に上方に延びるダンパーシリンダ
を取り付け、前記アウターチューブに、下方に延びると
ともに、前記ダンパーシリンダ内に挿入したピストンに
固定するピストンロッドを取り付け、アウターチューブ
とインナーチューブ内の下部に油室を設け、この油室の
上部に気体室を設け、下端をインナーチューブとダンパ
ーシリンダの間に形成される環状の油室に臨むパイプ部
材をアウターチューブ側に取り付け、このパイプ部材の
下端とインナーチューブ側との間に懸架スプリングを配
設した倒立型フロントフォークにおいて、前記フロント
フォークの最圧縮時における前記懸架スプリングの上端
の位置に対応する前記ダンパーシリンダの上端部より下
方外周位置に、第1のオイルロック部材を取り付け、前
記パイプ部材の下端に、外周をインナーチューブ内周に
摺接し、内周を最圧縮時に前記第1のオイルロック部材
外周に嵌合し、前記環状の油室を上下の油室に区画する
第2のオイルロック部材を設け、前記パイプ部材の下端
に設けられた第2のオイルロック部材で、前記懸架スプ
リングの上端を支持したことを特徴とする。
請求項2は、請求項1において、前記パイプ部材で前
記第2のオイルロック部材上部の油室を内側と外側の油
室に区画し、かつ、前記パイプ部材の下部に前記パイプ
部材の内側と外側の油室を連通させる開口を穿設したこ
とを特徴とする。
(作用) フロントフォークが圧縮しそのストローク位置が最圧
縮位置に近づくと、インナーチューブ側に設けた第1の
オイルロック部材にアウターチューブ側に設けた第2の
オイルロック部材が嵌合してオイルロック作用をなす。
(実施例) 以下に本発明の実施例を添付した図面に基づいて説明
する。
第1図は本発明に係るオイルロック機構を適用した倒
立型フロントフォークの全体図、第2図及び第3図は同
オイルロック機構の作用を示す第1図の要部拡大図であ
る。
フロントフォークは、アウターチューブ1内に下方か
らインナーチューブ2をブッシュ3及びオイルシール4
を介して摺動自在に挿入してなり、インナーチューブ2
の下端には、車軸取付用ブラケット5が固着されてい
る。
インナーチューブ2内の底部には、上半部が絞られ、
下半部がインナーチューブ2内に圧入固定される筒体6
を配設し、この筒体6の上端内側に刻設したネジ部にダ
ンパーシリンダ7の下端部を螺合している。
そして、ダンパーシリンダ7の外周には、第1のオイ
ルロック部材である上部をテーパー状としたオイルロッ
クピース8を配設し、また。ダンパーシリンダ7の上端
にはロッドガイド9を設け、このロッドガイド9を貫通
して、上端が前記アウターチューブ1に結合されたピス
トンロッド10を挿入し、このピストンロッド10の下端
に、ダンパーシリンダ7の内周面を摺動するピストン11
を固着している。ここで、ピストンロッド10は中空状で
あり、内部に減衰力調整用の操作ロッド12を挿通してい
る。
そして、ダンパーシリンダ7内は、ピストン11によっ
て油室S1,S2に区画され、油室S2の下方には、ボトムバ
ルブ13によって油室S3が区画され、更にダンパーシリン
ダ7の外側の油室S4と油室S3とは、筒体6に穿設した油
孔14にて連通し、油室S4の上部は気体室S5となってい
る。
また、インナーチューブ2とダンパーシリンダ7との
間には、上端がアウターチューブ1に固着されたパイプ
材としてのシートパイプ15が臨んでおり、このシートパ
イプ15の下端には、第2のオイルロック部材であるオイ
ルロックカラー16を取り付けている。このオイルロック
カラー16は、中間部を段部とし、この段部をスプリング
シート17とし、このスプリングシート17と前記筒体6と
インナーチューブ2との間に設けた下部スプリングシー
ト18との間に、懸架スプリング19を縮装している。
更に、スプリングシート17の外周には、ブッシュ20を
嵌着し、アウターチューブ1側に固定されるシートパイ
プ15、スプリングシート17は、ブッシュ20を介してイン
ナーチューブ2内周を摺動する。尚、21はシートパイプ
15に穿設した開口である。
以上において、第2図の状態からフロントフォークが
圧縮してゆくと、油室S2内の作動油の一部は、ピストン
11の油孔を通って油室S1へ、他の一部はボトムバルブ1
3、油室S3及び油孔14を通って油室S4内に流入し、油室S
4内の作動油は、ダンパーシリンダ7外周面とオイルロ
ックカラー16内周面との間の隙間gを抜けて上方に移動
する。
そして、フロントフォークのストロークが最圧縮位置
に近くなると、第3図に示すように、オイルロックカラ
ー16がオイルロックピース8に嵌合し、隙間gがなくな
り、油室S4′を区画する。
ここで、油室S4′油孔14を介して油室S3と連通してい
るが、オイルロックカラー16とオイルロックピース8と
が嵌合した時点で、油室S1,S2,S3及びS4′は密閉されて
同圧となり、オイルロック室として作用し、これ以上の
フロントフォークの圧縮は阻止される。
また、第4図に示すように、ダンパーシリンダ7内に
ブラダ22によって体積補償室を形成し、ダンパーシリン
ダ7外周の油室S4と、ダンパーシリンダ7内側の油室S3
とが連通しない形式のフロントフォークにあっては、ダ
ンパーシリンダ7外側の油室S4だけがオイルロック室と
なる。
第5図は、第1図乃至第3図に示した第1実施例の変
形である。
即ち、第1実施例では、オイルロックピース8を、ダ
ンパーシリンダ7の底部から上方に向かって延設した
が、この実施例にあっては、ダンパーシリンダ7の中間
部にストッパ部材としてのストッパリング7aを介してオ
イルロックピース8を固定している。
以上の如き構成としても、フロントフォークが最圧縮
に近い位置まで縮むと、オイルロックピース8にオイル
ロックカラー16が嵌合し、オイルロック作用をなす。
尚、図示例にあっては、シートパイプ15をアウターチ
ューブ1に結合した例を示したが、シートパイプ15をピ
ストンロッドに10に取り付けても良い。
(発明の効果) 以上説明した如く本発明によれば、 車体側に取り付けるアウターチューブに、下方から車
軸に取り付けるインナーチューブを移動自在に挿入し、
このインナーチューブ内の底部に上方に延びるダンパー
シリンダを取り付け、アウターチューブに、下方に延び
るとともに、ダンパーシリンダ内に挿入したピストンに
固定するピストンロッドを取り付け、アウターチューブ
とインナーチューブ内の下部に油室を設け、この油室の
上部に気体室を設け、下端をインナーチューブとダンパ
ーシリンダの間に形成される環状の油室に臨むパイプ部
材をアウターチューブ側に取り付け、このパイプ部材の
下端とインナーチューブ側との間に懸架スプリングを配
設した倒立型フロントフォークにおいて、フロントフォ
ークの最圧縮時における前記懸架スプリングの上端の位
置に対応するダンパーシリンダの上端部より下方外周位
置に、第1のオイルロック部材を取り付け、パイプ部材
の下端に、外周をインナーチューブ内周に摺接し、内周
を最圧縮時に前記第1のオイルロック部材外周に嵌合
し、環状の油室を上下の油室に区画する第2のオイルロ
ック部材を設け、パイプ部材の下端に設けられた第2の
オイルロック部材で、前記懸架スプリングの上端を支持
したので、従来のオイルロック機構に比べ、油漏れのな
いオイルロック室を画成することができ、しかもオイル
ロック室の容積を大きくできるので、オイルロック作用
が確実になされる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係るオイルロック機構を適用した倒立
型フロントフォークの全体図、第2図及び第3図は同オ
イルロック機構の作用を示した第1図の要部拡大図、第
4図及び第5図は別実施例を示す概略図である。 尚図面中、1はアウターチューブ、2はインナーチュー
ブ、7はダンパーシリンダ、8は第1のオイルロック部
材、15はパイプ部材、16は第2のオイルロック部材、19
は懸架スプリング、21は開口、S1乃至S4は油室、S5は気
体室である。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車体側に取り付けるアウターチューブに、
    下方から車軸に取り付けるインナーチューブを移動自在
    に挿入し、このインナーチューブ内の底部に上方に延び
    るダンパーシリンダを取り付け、前記アウターチューブ
    に、下方に延びるとともに、前記ダンパーシリンダ内に
    挿入したピストンに固定するピストンロッドを取り付
    け、アウターチューブとインナーチューブ内の下部に油
    室を設け、この油室の上部に気体室を設け、下端をイン
    ナーチューブとダンパーシリンダの間に形成される環状
    の油室に臨むパイプ部材をアウターチューブ側に取り付
    け、このパイプ部材の下端とインナーチューブ側との間
    に懸架スプリングを配設した倒立型フロントフォークに
    おいて、 前記フロントフォークの最圧縮時における前記懸架スプ
    リングの上端の位置に対応する前記ダンパーシリンダの
    上端部より下方外周位置に、第1のオイルロック部材を
    取り付け、 前記パイプ部材の下端に、外周をインナーチューブ内周
    に摺接し、内周を最圧縮時に前記第1のオイルロック部
    材外周に嵌合し、前記環状の油室を上下の油室に区画す
    る第2のオイルロック部材を設け、 前記パイプ部材の下端に設けられた第2のオイルロック
    部材で、前記懸架スプリングの上端を支持した、 ことを特徴とする倒立型フロントフォークのオイルロッ
    ク機構。
  2. 【請求項2】前記パイプ部材で前記第2のオイルロック
    部材上部の油室を内側と外側の油室に区画し、かつ、前
    記パイプ部材の下部に前記パイプ部材の内側と外側の油
    室を連通させる開口を穿設したことを特徴とする請求項
    1記載の倒立型フロントフォークのオイルロック機構。
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