JPS5822525B2 - 鋼帯の冷却部におけるシ−ル装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は連続焼鈍設備、銅帯の熱処理等におけ。

る鋼帯の冷却部のシール装置に関するものである。

銅帯の連続焼鈍設備では一般に冷却帯ではジェットクー
ラー等を用いる空冷が行なわれているか、この方法では
冷却帯が長くなるという難点がある。

この難点をなくすために冷却速度を速める方法として、
液体（水）を鋼帯に吹付けたりあるいは液体に浸漬した
りするクエンチ方法が提案されている。

かかるクエンチ方法においては、高温の鋼板を冷水で冷
却するために、クエンチ部において膨大な量の蒸気が発
生する。

この蒸気はクエンチ部の前段の炉内圧が十分に高くない
と、炉内に侵入して炉内雰囲気ガスの露点を上昇さフる
。

しかして炉内雰囲気ガスが高露点となると酸化性雰囲気
となるので、前段の炉内で焼鈍された鋼帯表面を酸化さ
せ、所謂テンパーカラーと称される薄い褐色の酸化膜を
鋼帯表面に形成させる結果となる。

従来、クエンチ部において発生した蒸気が前段の炉内に
侵入するのを防止するために、第１図に示す如く炉１と
冷却水槽３との間に、シール用垂直通路２を連設し、該
垂直通路内壁にウォータージャケット４を段設すると共
に、垂直通路の入側にシールロールを配置してなるクエ
ンチ部のシール装置が提案されている。

このシール型式によればラインの長さは短くてすむけれ
どもシール効果は余り期待できない。

また別のシール型式として、第２図に示す如く炉１と冷
却水槽３との間に通路７を介在させ、この通路７にシー
ル用垂直通路２を設け、該垂直通路内壁にウォータージ
ャケット４を段設し、垂直通路の入側に、走行する鋼帯
Ｓの両面にＮ２を噴射するノズル６を設けてなるシール
装置も提案されているが、通路７を介在させるためにラ
インが長くなると共にシール効果も十分でないという欠
点がある。

本発明はこのような現状に鑑みて、ラインの長さを増大
することなくして炉内雰囲気ガスの露点上昇を完全に防
止しうるシール装置を提供すべく構成されたもので、そ
の要旨とするところは、連続焼鈍設備、熱処理ライン等
の鋼帯加熱炉と之に接続された冷却液槽との間に、上端
が加熱炉の上部出側に連設され下端が冷却水槽内の冷却
液の水準面下に位置するシール用垂直鋼帯通路を設け、
該鋼帯通路内壁にウォータージャケットを段設すると共
に、少くとも最上段のウォータージャケットの入側及び
出側に鋼帯が通過しうるシール機構を設け、之によって
少くとも一つの閉鎖区画室を構成し、かつ該区画室内の
雰囲気を強制的に低露点に保持するための手段を設けた
ことを特徴とする鋼帯の冷却部におけるシール装置にあ
る。

本発明を第３図に示す具体的な実施例に基いて説明する
。

第３図において１は加熱炉であり、２は加熱炉１の上端
出側に連設されたシール用垂直鋼帯通路であって、その
下端は冷却水槽３の冷却水準面下に位置する。

鋼帯通路２の内壁の上部にはウォータージャケット４，
４′が段設される。

このウォータージャケット４．４’は図において二段に
設けられているが、一段でもよく、その段数にはとくに
制限がない。

上段のウォータージャケット４の入側及び出側には相対
向する一対のロールからなるシールロール８，８′が設
けられる。

この二組のシールロール８，８′によって少くとも一つ
の閉鎖区画室Ｚが構成される。

シールロール８の入側には、走行する鋼帯Ｓの両面にシ
ール用ガスを噴出するシールカスヘッダー９が必要に応
じて配設される。

閉鎖区画室Ｚには、その入側に該区画室内の雰囲気を強
制的に排気する排気導管１３が設けられ、また出側には
低露点の新鮮雰囲気ガス１７を区画室Ｚ内に供給する給
気導管１３′が設けられる。

この排気導管１３と給気導管１３′とは図示の如くエリ
ミネータ−１４、流量調整弁１５、ブロワ−１６を連結
して循環系としてもよい。

１０はウォータージャケット４′の下方に配設されたス
プレーヘッダー、１１はジンクロール、１２はデフレク
タ−ロール、１８は炉１内に設けられた露点測定器であ
る。

露点測定器１８からの信号は流量調整弁１５に送られる
ようになっている。

炉１からの高温の鋼帯Ｓはデフレクタ−ロール１２を介
して垂直通路２内を走行し、スプレーヘッダー１０から
の噴出水によって急冷された後に、冷却水槽３内の冷却
水中に浸漬され、ジンクロール１１を介して炉外に導出
される。

Ｍ帯３がスプレーヘッダー１０からの噴出水によって冷
却される際に発生した蒸気は先づウォータージャケット
４′によって大部分結露してしまうが、残りの水蒸気が
シールロール８′を通って区画室Ｚ内に侵入したとして
も、ここでウォータージャケット４によって結露せしめ
られると共に、該区画室Ｚには絶えず低露点の雰囲気か
存在するように強制的に排気され、かつ他方では新鮮な
低露点雰囲気ガスが供給されているので、区画室Ｚ内の
露点は低い値に保持され、従って仮に区画室Ｚから炉内
へ雰囲気ガスが侵入することがあるとしても、之によっ
て炉１内の露点が上昇することは全くない。

区画室Ｚから排出された雰囲気ガスを循環させる場合に
は、エリミネータ−１４によって除湿した後に新鮮な低
露点雰囲気ガスと共に区画室Ｚ内に供給されるようにす
る。

以上の如く本発明のシール装置によれば、銅帯の水冷に
際して発生する蒸気が炉内に侵入することが防止される
ので、テンパーカラーのない鋼帯を製造することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は従来の連続焼鈍設備における銅帯
の冷却部におけるシール方法の説明図、第３図は本発明
のシール装置の説明図である。 １：加熱炉、２：垂直鋼帯通路、３：冷却液槽、４：ウ
ォータージャケット、５：シールロール、６：シールガ
スヘッダー、７：通路、８：シールロール、９：シール
カスへツタ−１１０ニスプレーヘツダー、１１ニシンク
ロール、１２：デフレクタ−ロール、１３：排気導管、
１３′：給気導管、１４：エリミネータ−，１５：流量
調整弁、１６：ブロワ−，１７：新鮮雰囲気ガス１．１
８：露点測定器。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 連続焼鈍設備、熱処理ライン等における鋼帯加熱炉
   と、之に接続された冷却水槽との間に、上端が加熱炉の
   上部出側に連設され下端が冷却液槽内の冷却液の水準面
   下に位置するシール用垂直鋼シ帯通路を設け、該銅帯通
   路内壁にウォータージャケットを段設すると共に、少く
   とも最上段のウォータージャケットの入側及び出側に鋼
   帯が通過しうるシール機構を設け、之によって少くとも
   一つの閉鎖区画室を構成し、かつ該区画室内の雰囲気、
   を強制的に低露点に保持するための手段を設けたことを
   特徴とする鋼帯の冷却部におけるシール装置。