JP3052764B2 - 熱処理炉の雰囲気維持方法およびその装置 - Google Patents

熱処理炉の雰囲気維持方法およびその装置

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JP3052764B2
JP3052764B2 JP7006869A JP686995A JP3052764B2 JP 3052764 B2 JP3052764 B2 JP 3052764B2 JP 7006869 A JP7006869 A JP 7006869A JP 686995 A JP686995 A JP 686995A JP 3052764 B2 JP3052764 B2 JP 3052764B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属帯の熱処理炉にお
いて、炉の入側から炉内に侵入する空気が炉内に拡散し
て金属帯を酸化させることを抑制し、適性雰囲気を維持
する方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、冷延鋼板の熱処理を連続的かつ能
率良く行う方法として連続焼鈍法が採用され多大な効果
をあげている。連続焼鈍法は、コイル状に巻きとられて
いる鋼帯を順次巻き戻しながら、非酸化あるいは還元雰
囲気に保たれた、加熱帯、均熱帯、一次冷却帯、過時効
帯、二次冷却帯よりなる、いわゆる連続焼鈍炉を順次通
過させて所定の加熱および冷却を行った後、再びコイル
状に巻き取るものである。
【0003】図12に従来技術における連続焼鈍炉の断
面図を示す。図12において、1は鋼帯、2は搬送ロー
ル、3は連続焼鈍炉、31は加熱帯、32は均熱帯、3
3は一次冷却帯、34は過時効帯、35は二次冷却帯、
41は加熱帯入口、42は二次冷却帯出口である。鋼帯
1を加熱帯入口41から炉内に引き込み、加熱帯31
で、上部および下部に多数配列された搬送ロール2に掛
渡して上下に蛇行する複数のパスを形成し、パス間を連
続的に搬送しながら、ラジアントチューブ、インダクシ
ョンヒータ、電気抵抗ヒータ等を用いて間接加熱し、6
50℃〜850℃まで加熱する。さらに均熱帯32、一
次冷却帯33、過時効帯34、二次冷却帯35では、鋼
帯1をそれぞれ上部および下部に多数配列された搬送ロ
ール2に掛渡して上下に蛇行する複数のパスを形成し、
パス間を連続的に搬送しながら所定の熱処理を行う。二
次冷却帯35を通過した鋼帯1は二次冷却帯出口42か
ら再び炉外に出される。
【0004】このような連続焼鈍炉における650℃〜
850℃の加熱温度においては、鋼帯1は酸化されやす
いため、連続焼鈍炉内は、不活性ガス(例えば窒素ガ
ス)と還元性ガス(例えば水素ガス)との混合ガスであ
る雰囲気ガスで満たして鋼帯表面の還元を促進してい
る。さらに、前述の雰囲気ガスを連続的に炉内に供給し
て炉内圧力を大気圧に較べて50〜200Pa高めに保
ち、炉内外の圧力差により、雰囲気ガスを加熱帯入口4
1と二次冷却帯出口42から炉外に噴出させ続けること
により空気の侵入を抑制して、炉内雰囲気を非酸化ある
いは還元雰囲気に維持している。
【0005】さらに、雰囲気ガス噴出量の抑制と空気の
侵入の抑制を目的として、加熱帯入口41と二次冷却帯
出口42にシール装置が設置されている。シール装置の
例としては、従来、実開平1−94457号公報に記載
されているようなものが提案されている。図13はこの
ようなシール装置の断面図である。以下の図において図
12と同一部分については同一符号を付し、説明を省略
する。図13において、51はダクト、52はシールロ
ールである。炉の開口部にダクト51を設置し、その先
に一対のシールロール52をダクト51に近接して取り
付け、シールロール52で鋼帯1を挟み付けることによ
り、鋼帯1に随伴して流れるガスの流量を抑制しようと
している。このようなシール装置では、鋼帯1の搬送速
度が400m/min以下の場合、炉内圧力を大気圧に
較べて50〜100Pa高めに設定することにより、鋼
帯の炉内での酸化を許容範囲に抑制できており、かつ、
雰囲気維持のための雰囲気ガスの消費量も連続焼鈍炉全
体で1000〜3000Nm3 /h程度でよい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら近年、缶
用材料の板厚が薄くなる傾向があり、連続焼鈍炉で単位
時間あたりに熱処理できる鋼帯の重量が減少し、必要な
生産量が満足できない問題が顕在化している。この対策
として、鋼帯の搬送速度を増加させることが考えられ、
すでに鋼帯の搬送速度が1000m/minの連続焼鈍
炉が実現されている。ところが、このような高速の連続
焼鈍炉では炉の入側から鋼帯に随伴して炉内に侵入する
空気量が増加し、従来のシール装置のみでは、炉内雰囲
気の維持が困難になった。
【0007】図11はシール部の流れを示すモデル図で
ある。以下の図において図13と同一部分については同
一符号を付し、説明を省略する。図11において53は
鋼帯1に随伴して炉内に侵入する空気、54は炉内雰囲
気ガスである。高速の連続焼鈍炉では、図11に示すよ
うに鋼帯近傍での空気が、鋼帯に伴って炉内の奥まで侵
入し、その結果鋼帯の表面近傍においては炉の入側から
侵入した空気が炉内に広く拡散し、高温に加熱された鋼
帯と空気中の酸素が反応して鋼帯表面に酸化膜を形成
し、製品の表面品質の低下をきたしている。
【0008】そこで、現状では対策として、炉内雰囲気
ガス中の水素濃度を増加して、還元能力を高める方法が
採用されているが、水素ガスは高価であるため運転費が
増加する。さらに、炉内に侵入する空気量を抑制する目
的で炉内の圧力を大気圧に較べて100〜300Pa高
めに保ち、炉内外の圧力差により、雰囲気ガスを炉外に
噴出させ続けることにより空気の侵入を抑制して炉内雰
囲気を維持する試みもなされているが、この場合には、
炉外に捨てられる雰囲気ガス流量が増大するため、やは
り運転費が増加する。また、図13に示すシールロール
52の鋼帯挟み付け力を増してシール効果を高める方法
も考えられるが、その場合には、シールロールと鋼帯の
接触により鋼帯表面に疵が発生する懸念があり、鋼帯挟
み付け力を増してシール効果を高める方法には限界があ
る。
【0009】一方、金属帯の熱処理中の酸化の軽減を図
る要請はますます高まっている。本発明は、このような
現状の問題点に鑑みてなされたもので、その目的は高速
の熱処理炉においても、雰囲気ガス使用量を大幅に増加
させることなく、所定の炉内雰囲気維持ができ、あるい
はより一層金属の酸化を防止する要請に答える熱処理炉
の雰囲気維持方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記の課題は以下の手段
により解決される。 金属帯を連続的に搬送しながら熱処理する熱処理炉
であって、炉内雰囲気ガスの一部が、熱処理炉入側の金
属帯導入のための開口部から炉外に排出される熱処理炉
の入側加熱帯に、金属帯の搬送に必要な開口部のみを残
した仕切壁を設けて炉の上流側と下流側を隔離し、前記
仕切壁により隔離された炉の上流側で、炉内侵入空気と
炉内雰囲気ガスとの混合を促進するためのガス攪拌を行
うことを特徴とする熱処理炉の雰囲気維持方法。
【0011】 金属帯を連続的に搬送しながら熱処理
する熱処理炉であって、炉内雰囲気ガスの一部が、熱処
理炉入側の金属帯導入のための開口部から炉外に排出さ
れる熱処理炉の入側加熱帯に、金属帯の搬送に必要な開
口部のみを残して炉の上流側と下流側を隔離する仕切壁
を設け、前記仕切壁により隔離された炉の上流側に、炉
内侵入空気と炉内雰囲気ガスとの混合を促進するための
ガス攪拌装置を設けたことを特徴とする熱処理炉の雰囲
気維持装置。
【0012】 金属帯を連続的に搬送しながら熱処理
する熱処理炉であって、炉内雰囲気ガスの一部が、熱処
理炉入側の金属帯導入のための開口部から炉外に排出さ
れる熱処理炉の入側加熱帯に、金属帯の搬送に必要な開
口部のみを残して炉の上流側と下流側を隔離し、前記炉
の下流側より炉内雰囲気ガスを炉外に設けた配管を通し
て炉の上流側にある炉の入口付近に導き、前記配管内に
設けた送風装置により炉内雰囲気ガスを炉の入口付近を
通過する鋼帯に噴射することを特徴とする熱処理炉の雰
囲気維持方法。
【0013】 に記載された熱処理炉の雰囲気維持
方法において、ライン速度変更指令またはライン速度の
信号により、前記ガス攪拌を行う送風装置の送風量を変
更することを特徴とする熱処理炉の雰囲気維持方法。
【0014】 に記載された熱処理炉の雰囲気維持
方法において、ライン速度変更指令またはライン速度の
信号により、前記配管内に設けた送風装置の送風量を変
更することを特徴とする熱処理炉の雰囲気維持方法。
【0015】
【作用】従来の連続焼鈍炉では、炉の入側から侵入した
空気が炉内に拡散し、高温に加熱された鋼帯と酸素が反
応して鋼帯表面に酸化膜を形成している。鉄と酸素の酸
化反応については、アレニウス型の反応速度式が経験的
に知られており、その式によれば、酸化反応速度は温度
の増加に伴い指数対数的に増加する。すなわち、低温の
鋼帯が酸素と接触しても酸化反応は穏やかに進むが、高
温の鋼帯が酸素と接触すると激しい酸化反応が生じる。
つまり、従来の連続処理炉では、炉の入側から侵入した
空気が炉内に拡散した時には、鋼帯の温度が低い炉の入
側では、鋼帯の酸化は顕著ではなく、空気がさらに拡散
して、より下流側の高温に加熱された鋼帯と空気中の酸
素が反応した時に鋼帯表面に酸化膜を形成している。従
って、空気が炉内に侵入しても、下流側に拡散すること
を防止すれば、鋼帯の酸化を最小限に抑制することがで
きる。
【0016】本発明においては、炉の上流側と下流側を
隔離する仕切壁を設け、炉内雰囲気ガスの一部を鋼帯導
入のための開口部から炉外に排出させる方法としている
ため、炉内に侵入した空気は炉入側で炉内雰囲気ガス中
に拡散し、かつ空気と混合した炉内雰囲気ガスは炉入口
から連続的に炉外に排出されるから、炉内雰囲気ガス中
の平均酸素濃度は数〜数十ppmに抑制される。しか
し、鋼帯に随伴して侵入する空気は鋼帯表面近傍に多く
存在するから、鋼帯近傍の酸素濃度は、平均酸素濃度よ
り高くなっている。そこで本発明では、炉入側での炉内
侵入空気と炉内雰囲気ガスとの混合を促進するためのガ
ス攪拌機構、例えば、炉壁に突起物を設置してガス流れ
の乱れを促進させたり、炉内ガスをブロワにて吸引した
のち、ノズルにてストリップに吹き付けるガス循環装置
を設置するなどして、炉内に侵入した空気と炉内雰囲気
ガスとの混合を強制的に行っている。その結果、炉内に
侵入した空気は鋼帯に伴って炉の奥深く侵入することな
く、炉内雰囲気ガスと短時間で混合し、炉外に排出され
る炉内雰囲気ガスの流れにより効率よく炉外に排出され
る。したがって、少ない雰囲気ガス使用量で炉内雰囲気
維持が可能となる。またこの場合において、ライン速度
変更指令またはライン速度の信号により、前記ガス攪拌
を行う送風装置の送風量を変更すれば、鋼帯のライン速
度に見合った効果的な炉内雰囲気維持が可能となる。
【0017】ここで、熱処理炉の下流側より炉内雰囲気
ガスを炉外に設けた配管を通して炉の上流側にある炉の
入口付近に導き、配管内に設けた送風装置により炉内雰
囲気ガスを炉の入口付近を通過する鋼帯に吹きつけるこ
とにより、炉内に侵入した空気が鋼帯に伴って炉の奥深
く侵入することなく炉内雰囲気維持が可能となる。また
この場合において、ライン速度変更指令またはライン速
度の信号により、配管内に設けた送風装置の送風量を変
更すれば、鋼帯のライン速度に見合った効果的な炉内雰
囲気維持が可能となる。
【0018】鋼帯の搬送に伴い、炉入側から仕切壁の開
口部を通じて炉出側へ、鋼帯に随伴するガスの流れが生
じるが、随伴ガス中の平均酸素濃度はすでに数ppmに
低くなっており、鋼帯表面の酸素濃度も同様に低くなっ
ている。さらに、炉出側では炉内雰囲気ガスが炉入側へ
向かう流れを呈しているため、酸素の拡散が抑制され、
炉出側で高温の鋼帯と酸素が反応して品質欠陥となるよ
うな酸化被膜を形成することはなく、かつ、この部分に
は水素ガス体積濃度が4〜15%、残りが窒素ガスより
構成される還元性雰囲気によって満たされているため、
炉出側で十分な還元がなされ美麗な表面の製品が得られ
ている。
【0019】本発明は鋼以外の酸化と温度の関係のある
全ての金属に適用可能であり、また本発明における金属
帯の中には、板に限らず、線、棒などの条材のものを含
むものである。
【0020】
【実施例】本発明の実施例を図面にもとづいて説明す
る。
【0021】図1は本発明による雰囲気維持方法を実施
した連続焼鈍炉の入側部分を示す断面図である。図1に
おいて5は炉入側のシール装置、6は鋼帯加熱用の加熱
装置(例えば、ラジアントチューブあるいは電気抵抗ヒ
ータ等)、7は仕切壁(例えば、内部を鋼材で補強した
通気性の無い耐火物、内部を鋼材で補強したセラミック
ファイバーの外側をステンレス鋼板で覆ったもの等)、
8は遮蔽板、9は酸素濃度計、10は仕切壁下部に設置
した弁、11は混合促進体である。仕切壁7で炉の上流
側と下流側が仕切られており、仕切壁7の下部は炉底と
接続され、上部は開口して、鋼帯1が通過できる構造に
なっている。遮蔽板8は、加熱装置6から搬送ロール2
への熱放射を抑制するためのものである。本実施例で
は、仕切壁7の両側の上部に設置された二つの搬送ロー
ル2の間に鋼帯1を掛渡して、パスの間隔を確保して仕
切壁7を設置している。11は加熱炉側壁および仕切壁
から炉入側に向かって複数突起した混合促進体で、本発
明では図示するように、炉の全幅の長さの水平リブを加
熱炉側壁側と仕切壁側で異なる位置に段違いに設置して
いる。水平リブはステンレス鋼板や内部を鋼材で補強し
た通気性の無い耐火物、あるいは内部を鋼材で補強した
セラミックファイバーの外側をステンレス鋼板等で覆っ
たもので造られている。水平リブの上下方向の間隔は1
〜2mであることが好ましい。2mを超えると侵入空気
と炉内雰囲気ガスとの混合が不十分であり、また1m未
満での効果はさほど変わらず経済的に不利である。また
水平リブ先端と鋼帯との距離は5〜10cmであること
が好ましい。10cmを超えると侵入空気と炉内雰囲気
ガスとの混合が不十分であり、5cm未満では鋼帯に疵
をつける恐れがある。この混合促進体11により、炉内
侵入空気と炉内雰囲気ガスとが短時間で混合され、炉外
に排出される炉内雰囲気ガスの流れにより効率よく炉外
に排出される。酸素濃度計9は、炉内に複数配置したも
のの一つで、この部分での酸素濃度が所定の値を超えた
場合には、図には示されていない位置に設置した炉内雰
囲気ガス供給配管からの炉内雰囲気ガス吹き込み量を増
加させて酸素濃度が所定の値になるようにする。仕切壁
下部に設置した弁10は、炉内ガスパージ時に、仕切壁
7近傍が澱み点となって、パージ時間が長くなるのを防
止するため、ガスパージのときにのみ開くものである。
【0022】図2は本発明による雰囲気維持方法を実施
した連続焼鈍炉の入側部分を示す断面図で、図1とは異
なる実施例の断面図である。以下の図において図1と同
一部分については同一符号を付し、説明を省略する。本
実施例では、上部に設置された一つの搬送ロール2で鋼
帯1を折り返すことで形成されるパスの間に仕切壁7を
設置したことにより、所要搬送ロール本数を削減し、炉
長短縮を図ったものである。
【0023】図3は本発明による雰囲気維持方法を実施
した連続焼鈍炉の入側部分を示す断面図で、図1、図2
とは異なる実施例の断面図である。本実施例において、
13は加熱炉入側の炉壁から炉内雰囲気ガスを吸引する
配管で、14はブロワ、15は吸引した炉内雰囲気ガス
をストリップ幅方向両側の加熱炉側壁でかつ段違いの複
数位置から炉内に吹き込むための配管である。これらの
装置を用いることにより、炉入側での侵入空気と炉内雰
囲気ガスとの混合が促進され、炉内に侵入した空気は、
炉外に排出される炉内雰囲気ガスの流れにより効率よく
炉外に排出される。なお、15の吹き込み位置は、混合
された侵入空気と炉内雰囲気ガスとを排出する加熱炉入
側の開口部に近い、加熱炉高さ方向の中央より下に複数
配置するのが好ましい。13の取り出し位置は、炉内雰
囲気ガスと混合されていない侵入空気を炉下流側から流
入した炉内雰囲気ガスと共に取り出すため、加熱炉高さ
方向の中央より上が好ましい。また15の吹き込み位置
の高さ方向の間隔は1〜2mであることが好ましい。2
mを超えると侵入空気と炉内雰囲気ガスとの混合が不十
分であり、また1m未満での効果はさほど変わらず経済
的に不利である。本実施例において、酸素濃度計9の値
が所定の値を超えた場合には、まず、図には示されてい
ない位置に設置した炉内雰囲気ガス供給配管からの炉内
雰囲気ガス吹き込み量を増加させて、酸素濃度が所定の
値以下となるようにする。つぎに、ブロワの回転数を増
減させて酸素濃度計9の酸素指示値がより低下する回転
数に微調整する。酸素濃度指示値がより低下する回転数
が見つかったら、炉内雰囲気ガス供給配管からの炉内雰
囲気ガス吹き込み量を減少させて酸素濃度が所定の値と
なるようにして雰囲気ガス使用量を節約している。
【0024】図4は本発明による雰囲気維持方法を実施
した連続焼鈍炉の入側部分を示す断面図で、図1〜図3
とは異なる実施例の断面図である。本実施例では、混合
促進体11と、炉内雰囲気ガス循環装置とを併用して炉
入側での侵入空気と炉内雰囲気ガスとの混合を促進させ
ている。
【0025】図5は本発明による雰囲気維持方法を実施
した連続焼鈍炉の入側部分を示す断面図で、図1〜図4
とは異なる実施例の断面図である。図5において21は
ロール室、22は混合ガスの吸入口、23は混合ガスの
吐出口である。本実施例では、配管15の途中にブロア
14を設け、加熱帯31の上部に設けられたロール室2
1の混合ガス吸入口22より混合ガスを配管15に吸入
し、炉の入口付近に向かって設けられた混合ガスの吐出
口23より混合ガスを炉の入口付近の鋼帯1の表面に吹
きつけている。これにより、鋼帯1の表面に随伴する空
気の炉内への侵入を防止できる。
【0026】図6は本発明による雰囲気維持方法を実施
した連続焼鈍炉の入側部分を示す断面図で、図1〜図5
とは異なる実施例の断面図である。本実施例では、加熱
帯31の仕切壁7で隔てられた下流側の下部に混合ガス
吸入口22を設け、ブロワ14により、炉の入口付近に
向かって設けられた混合ガスの吐出口23から混合ガス
を炉の入口付近の鋼帯1の表面に吹きつけ、鋼帯1の表
面に随伴する空気の炉内への侵入を防止している。
【0027】図7は本発明による雰囲気維持方法を実施
した連続焼鈍炉の入側部分を示す断面図で、図1〜図6
とは異なる実施例の断面図である。図7において24は
ピンチロール、25はライン速度変更装置である。ライ
ン速度変更装置25よりのライン速度の変更指令によ
り、ピンチロール24やブライドルロール等のモータ回
転数を変更するとともに、それに合わせてブロア14の
モータ回転数を変更し、炉内の侵入空気の大小に合わせ
た攪拌を行っている。
【0028】図8は本発明による雰囲気維持方法を実施
した連続焼鈍炉の入側部分を示す断面図で、図1〜図7
とは異なる実施例の断面図である。以下の図において図
7と同一部分には同一符号を付し、説明を省略する。図
8において26は送風量制御装置である。ピンチロール
24のモータ回転数の信号により、送風量制御装置26
において、鋼帯1のライン速度を演算し、これに見合う
ブロア14の送風量を決め、ブロア14のモータ回転数
を自動制御している。なお、ピンチロール24のモータ
回転数の代わりに、速度計等で直接、鋼帯1のライン速
度を測定してもよい。
【0029】図9は本発明による雰囲気維持方法を実施
した連続焼鈍炉の入側部分を示す断面図で、図1〜図8
とは異なる実施例の断面図である。ライン速度変更装置
25よりのライン速度の変更指令により、ピンチロール
24やブライドルロール等のモータ回転数を変更すると
ともに、それに合わせてブロア14のモータ回転数を変
更し、炉内の侵入空気の大小に合わせて、炉の入口付近
の鋼帯に吹きつける混合ガスの送風量の調整を行ってい
る。
【0030】図10は本発明による雰囲気維持方法を実
施した連続焼鈍炉の入側部分を示す断面図で、図1〜図
9とは異なる実施例の断面図である。図10において図
9と同一部分には同一符号を付し、説明を省略する。ピ
ンチロール24のモータ回転数の信号により、送風量制
御装置26において、鋼帯1のライン速度を演算し、こ
れに見合うブロア14の送風量を決め、炉内の侵入空気
の大小に合わせて、炉の入口付近の鋼帯に吹きつける混
合ガスの送風量の自動制御をしている。なお、ピンチロ
ール24のモータ回転数の代わりに、速度計等で直接、
鋼帯1のライン速度を測定してもよい。
【0031】図5〜図10の実施例においては、炉内部
分の配管には冷却装置が必要である。
【0032】図1〜図10のいずれの実施例において
も、搬送速度1000m/minの高速において、炉
圧、雰囲気ガス使用量ともに、従来の低速の連続焼鈍炉
での値と殆ど変わらずに、美麗な表面の鋼帯が得られ
る。すなわち、炉内圧力は大気圧に較べて50〜100
Pa高めに設定した場合、鋼帯1の炉内での酸化を許容
範囲に抑制するための雰囲気ガスの消費量は連続焼鈍炉
全体で1000〜3000Nm3 /h程度でよい。
【0033】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、高速の
連続焼鈍設備において、炉入側から金属帯に随伴して炉
内に侵入する空気量が増加しても、炉内での金属帯の酸
化を抑制し、美麗な製品を得ることができる。また、炉
圧、雰囲気ガス使用量ともに、従来の低速の連続焼鈍炉
での値と殆ど変わりなく、かつ設備が簡単であるため運
転費や設備費の増加がほとんどない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における実施例を示す断面図。
【図2】本発明における図1とは異なる実施例を示す断
面図。
【図3】本発明における図1、図2とは異なる実施例を
示す断面図。
【図4】本発明における図1〜図3とは異なる実施例を
示す断面図。
【図5】本発明による図1〜図4とは異なる実施例を示
す断面図。
【図6】本発明による図1〜図5とは異なる実施例を示
す断面図。
【図7】本発明による図1〜図6とは異なる実施例を示
す断面図。
【図8】本発明による図1〜図7とは異なる実施例を示
す断面図。
【図9】本発明による図1〜図8とは異なる実施例を示
す断面図。
【図10】本発明による図1〜図9とは異なる実施例を
示す断面図。
【図11】シール部の流れを示すモデル図。
【図12】従来技術による実施例を示す断面図。
【図13】従来技術によるシール装置の断面図。
【符号の説明】
1 鋼帯 2 搬送ロール 7 仕切壁 11 混合促進体 13、15 配管 14 ブロワ 26 送風量制御装置 31 加熱帯
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−238425(JP,A) 特開 昭60−224713(JP,A) 実開 平5−45062(JP,U) 特公 昭47−3368(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C21D 9/56 101 C21D 9/56 102 C21D 1/74

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属帯を連続的に搬送しながら熱処理す
    る熱処理炉であって、炉内雰囲気ガスの一部が、熱処理
    炉入側の金属帯導入のための開口部から炉外に排出され
    る熱処理炉の入側加熱帯に、金属帯の搬送に必要な開口
    部のみを残した仕切壁を設けて炉の上流側と下流側を隔
    離し、前記仕切壁により隔離された炉の上流側で、炉内
    侵入空気と炉内雰囲気ガスとの混合を促進するためのガ
    ス攪拌を行うことを特徴とする熱処理炉の雰囲気維持方
    法。
  2. 【請求項2】 金属帯を連続的に搬送しながら熱処理す
    る熱処理炉であって、炉内雰囲気ガスの一部が、熱処理
    炉入側の金属帯導入のための開口部から炉外に排出され
    る熱処理炉の入側加熱帯に、金属帯の搬送に必要な開口
    部のみを残して炉の上流側と下流側を隔離する仕切壁を
    設け、前記仕切壁により隔離された炉の上流側に、炉内
    侵入空気と炉内雰囲気ガスとの混合を促進するためのガ
    ス攪拌装置を設けたことを特徴とする熱処理炉の雰囲気
    維持装置。
  3. 【請求項3】 金属帯を連続的に搬送しながら熱処理す
    る熱処理炉であって、炉内雰囲気ガスの一部が、熱処理
    炉入側の金属帯導入のための開口部から炉外に排出され
    る熱処理炉の入側加熱帯に、金属帯の搬送に必要な開口
    部のみを残して炉の上流側と下流側を隔離し、前記炉の
    下流側より炉内雰囲気ガスを炉外に設けた配管を通して
    炉の上流側にある炉の入口付近に導き、前記配管内に設
    けた送風装置により炉内雰囲気ガスを炉の入口付近を通
    過する金属帯に噴射することを特徴とする熱処理炉の雰
    囲気維持方法。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載された熱処理炉の雰囲気
    維持方法において、ライン速度変更指令またはライン速
    度の信号により、前記ガス攪拌を行う送風装置の送風量
    を変更することを特徴とする熱処理炉の雰囲気維持方
    法。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載された熱処理炉の雰囲気
    維持方法において、ライン速度変更指令またはライン速
    度の信号により、前記配管内に設けた送風装置の送風量
    を変更することを特徴とする熱処理炉の雰囲気維持方
    法。
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