JPH0742508B2 - 鉄系積層製品の連続焼鈍・ブルーイング装置 - Google Patents

鉄系積層製品の連続焼鈍・ブルーイング装置

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JPH0742508B2
JPH0742508B2 JP60053773A JP5377385A JPH0742508B2 JP H0742508 B2 JPH0742508 B2 JP H0742508B2 JP 60053773 A JP60053773 A JP 60053773A JP 5377385 A JP5377385 A JP 5377385A JP H0742508 B2 JPH0742508 B2 JP H0742508B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は鉄系製品とりわけ積層コアで代表される鉄系積
層製品を連続的に焼鈍・ブルーイングするための装置に
関する。
〔従来の技術及びその技術的課題〕
鉄系積層製品たとえば積層コアは表面に燐酸系ないしは
クロム酸などの絶縁被膜を施した薄い電磁鋼板を所定の
輪郭にせん断加工あるいは打抜き加工し、この素板を所
要枚数積層あるいは巻回することで構成される。
このような鉄系積層製品において、所期の特性を得るた
めには、素板を得る加工工程で付着した油分を除去する
とともに、同加工で生じた歪や冷間圧延時の内部応力を
取り除き、さらに防錆のため表面にFe3O4の被膜を生成
させることが必要となる。
そこで、油分の除去法として油焼工程が、歪や内部応力
の除去法として焼鈍工程が、また防錆法として黒化処理
工程が行われるが、従来では前記各工程がそれぞれ別個
の炉設備でかつ別々の雰囲気で行われていたので、次の
ような問題があった。
焼鈍と徐冷を変成の異なる発熱型雰囲気で行う一方黒
化処理を水蒸気で行い、さらに炉気置換を窒素ガスで実
施するなど多種のガスを使用し、しかも使用量が多く、
また昇温、降温に多くの熱エネルギーを要するので、処
理コストが高価になる。
各工程が別々の炉で単独に行われていたので、各炉へ
の被処理物の装入、抽出および待機によるタイムロスと
ハンドリング操作が不必要に長くなり、また始業時と終
業時に雰囲気置換が必要なことにより時間がとられるの
で、全体として生産性と作業性が悪い。
可燃性ガスを使用するので、爆発などの危険が付きま
とい、作業環境が悪くなる。
特開昭56−43084号公報にはオープンコイルの高張力鋼
板についてアンモニア分離ガスのような還元性雰囲気で
加熱し、次いで窒素雰囲気に切換えてこれに水蒸気を吹
き込んでDP40℃としブルーイングすることが示されてい
る。しかし、これは水蒸気を使用するためバッチ処理で
行うほかなく、の欠点を解消できなかった。
本発明は前記のような問題点を解消するために創案され
たもので、その目的とするところは、積層コアで代表さ
れる鉄系積層製品の脱油、焼鈍及び黒化の各処理を、比
較的コンパクトな構造と安価な雰囲気ガスにより一貫連
続して能率よく実施でき、大幅な省エネルギーとコスト
ダウンを図ることができる鉄系積層製品の連続焼鈍・ブ
ルーイング装置を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するため本発明は、積層コアなどの鉄系
積層製品を連続的に移送する連続送路に、入口側と出口
側に排気筒を有する炉芯管を貫挿した脱油炉を設けると
ともに、前記出口側の排気筒には連絡筒を介して焼鈍炉
を、またこの焼鈍炉の出口側には連絡筒を介してブルー
イング炉を直列状に配設し、前記各連絡筒には、それぞ
れ連続送路を通した通路内に垂下する抵抗体と通路内に
不活性ガスを噴出する環状ノズルを備えた雰囲気遮断機
構を設け、炉外には不活性ガス供給装置を設け、この不
活性ガス供給装置を供給管路を介して前記各環状ノズル
と焼鈍炉のガス導入部に接続するとともに、前記不活性
ガスの供給装置の供給管路には酸素の添加部を有する分
岐管路を設けこの分岐管路を前記ブルーイング炉のガス
導入部と接続し、かつ前記ブルーイング炉には鉄系積層
製品の空隙に封入される形で持ち込まれた酸素の拡散に
よる炉中の酸素濃度の変動を測定する酸素濃度測定器を
設け、これをコントローラを介して前記添加部の流量調
整部に接続し、供給する不活性ガスに添加する酸素量を
加減するようにしたものである。
また、本発明は、前記雰囲気遮断機構に代えて、連続送
路を通して通路内に垂下する昇降扉を内挿した立上り部
とこの立上り部の基部両側に配され昇降扉に向かって伸
びる斜状ガス吹込み部と立上り部より外側にあって通路
内に不活性ガスを噴出する環状ノズルを備えた雰囲気遮
断機構とすることも含まれる。
〔作用〕
一般に脱油工程と焼鈍工程は同じ組成のガスの使用が可
能であるが、ブルーイング工程は酸化反応であるため、
従来では前2者と異なる雰囲気すなわち通常の場合水蒸
気を用いる必要があると考えられた。しかし、本発明者
らは、積層コアのような被処理物の場合、層間の微小な
間隙に空気(酸素)が存在しており、この保有空気をう
まく利用すれば、特に水蒸気を用いたりせずとも不活性
ガスをドライなままで使用しても良好な酸化被膜が生成
できることを実験により知見した。
すなわち、たとえば不活性ガスとしてドライ窒素ガスを
使用した場合、脱油工程において油分の除去とともに保
有酸素により表面にごく薄いFe3O4の皮膜が生成され、
これが続く焼鈍工程での高温酸化を防止する下地とな
り、焼鈍工程と次のブルーイング工程で前記皮膜が強化
されるのであり、そして、ブルーイング工程の雰囲気中
酸素濃度をコントロールすることにより希望厚さの均一
な前記酸化皮膜を形成できるのである。
この知見から、本発明は全体としては一体をなすトンネ
ル状の炉と、単一の雰囲気ガスとりわけ窒素ガスのよう
な不活性ガスを用いて、脱油−焼鈍−ブルーイング工程
を一貫連続して行うようにしている。
しかし、この連続化を、単にトンネル炉体にコンベアベ
ルトを通し、炉内を脱油ゾーンと焼鈍ゾーンとブルーイ
ングゾーンとに区画して行うのでは、脱油過程で生じた
油蒸気やブルーイングゾーン雰囲気の焼鈍ゾーンへの侵
入、脱油ゾーンの入口から大気への侵入などにより脱油
工程及び焼鈍工程での雰囲気特性が劣化し、赤錆が生じ
たり、被処理物の表面の保護皮膜たとえば燐酸系皮膜や
クロム系皮膜が剥離しやすい。さらにブルーイング工程
においても、酸化皮膜がムラになったり、皮膜厚さが過
不足となるなどし、積層コアにあっては占積率の低下や
磁壁移動の阻害などの特性劣化を招く。
そこで本発明は脱油炉と焼鈍炉の間および焼鈍炉とブル
ーイング炉を連絡筒でつなぎ、それら連絡筒にそれぞれ
連続送路を通した通路内に垂下する抵抗体と通路内に不
活性ガスを噴出する環状ノズルを備えた雰囲気遮断機構
か、または、連続送路を通した通路内に垂下する昇降扉
を内挿した立上り部とこの立上り部の基部両側に配され
昇降扉に向かって伸びる斜状ガス吹込み部と立上り部よ
り外側にあって通路内に不活性ガスを噴出する環状ノズ
ルを備えた雰囲気遮断機構を設けている。このため、前
記脱油炉は出口側から入口側への雰囲気流が形成され、
油蒸気を焼鈍炉内に侵入させないよう雰囲気遮断機構に
より焼鈍炉と雰囲気的に切り離される。また、焼鈍炉は
雰囲気遮断機構によりブルーイング炉と雰囲気的に切り
離され、これによりブルーイング用の不活性ガスが焼鈍
炉内に混入しない。
一方、不活性ガスは共用の供給源からドライ不活性ガス
として各炉に送入され、そして、ブルーイング炉には炉
中の酸素濃度測定器が設けられ、これがコントローラを
介してブルーイング炉用として分岐管路化した不活性ガ
スの供給系と接続されている。このため、被処理物の積
層空隙に封入される形で持ち込まれた酸素の拡散度合い
による炉中酸素濃度の変動が自動的に検出され、添加部
の開度を制御してブルーイング炉に供給する不活性ガス
中の酸素量が加減される。このため常に最適酸素濃度の
ドライ雰囲気条件でブルーイングが行われる。
本発明において、積層コアなどの鉄系積層製品は、連続
送路により所定の速度で移送されながら、まず不活性ガ
ス雰囲気中で加熱されることにより油分が除去されると
ともに表面に薄いFe3O4皮膜が形成され、引き続き高温
不活性雰囲気中で加熱されることにより焼鈍され、さら
に引き続いて降温中に酸素量の調整された不活性雰囲気
と接触することで前記酸化皮膜が所定厚さにコントロー
ルされる。
〔実 施 例〕
以下本発明の実施例を添付図面に基いて説明する。
第1図ないし第8図は本発明の一実施例を示しており、
1は積層コアのような鉄系積層製品(被処理物)を移送
する連続送路であり、前後のプーリ10,10とそれらのあ
いだに懸回したコンベアベルト11と可変速駆動機構(図
示せず)とからなっている。
2は脱油炉、3は焼鈍炉、4はブルーイング炉であり、
それら各炉はそれぞれ独立したものとして構成され、前
記送路1のコンベアベルト張り側を囲むようにして所定
の間隔で直列状に配されている。
まず、脱油炉2は底部にコンベアベルト11と接するガイ
ドローラ6を配設した炉芯管5と、この炉芯管5を外囲
する耐火物製の炉体7とを有し、炉体7の内側には被処
理物を室温から所定の脱油温度たとえば300〜400℃近傍
に上昇するヒータ8が配設されている。
炉芯管5は炉体7の前後から突出し、前後端に加熱によ
り蒸発した油分や持込み空気を含む不活性ガスを排出す
る排出筒9,9′が設けられている。
焼鈍炉3は外側をガスタイトボックス13で被ったトンネ
ル状炉体として構成され、内側には被処理物を所定の焼
鈍温度(たとえば800℃近傍)まで上昇して保持するた
めのヒータ15が配設され、内底にはコンベアベルト11と
接するガイドローラ6′が配設されている。
前記焼鈍炉3の入口側には排気筒9と接続した連絡筒16
が設けられている。この排気筒16は内筒16aと外筒16bと
からなっていて、内筒16aが排気筒中に延出開口してい
る。
ブルーイング炉4は、内底にガイドローラ6″を配設し
た炉芯管17と、これを外囲し内側に焼鈍温度からブルー
イングに適した所定の降温カーブを得るためのヒータ19
を配設した炉体18とからなっている。炉芯管17は前部に
焼鈍炉3の出口側と接続する連絡筒20が形成され、後部
には徐冷用の出口筒21が形成されている。
22は前記送路1の外方に設置された不活性ガス供給装置
で、不活性ガスとしては価格などの点から一般に窒素ガ
スが好適である。供給装置としては、ボンベでもよいし
大気から窒素ガスを生成する発生機であってもよい。本
発明は雰囲気として単一の不活性ガスを用いこれを前記
脱油炉2、焼鈍炉3およびブルーイング炉4に供給して
脱油、焼鈍およびブルーイングを行うことに特徴があ
る。
そしてこの場合に各炉の雰囲気を他の炉に流入させない
ようにすることが重要であり、そのために、各炉の境界
位置に雰囲気遮断機構23a,23b,23cを設けている。
まず、脱油炉2と焼鈍炉3間の雰囲気遮断機構23aとし
ては、第3図に示すように、内筒16aに通路24に下るノ
レン状の抵抗体25が垂設されるとともに、この抵抗体よ
りも入口側に内筒16aを取り巻く環状ノズル26が設けら
れ、前記不活性ガス供給装置22から配管27を経て環状ノ
ズル26から通路に不活性ガスを求心状に噴出させ、ガス
バリアを形成するようにしており、また、内筒16aの開
口には、被処理物の大きさに即応した通路寸法に調整す
るためとオリフィス効果を得るための昇降扉28が設けら
れている。これらにより、脱油炉2の雰囲気の焼鈍炉3
への流入が遮断され、かつ両炉の温度差とあいまち脱油
炉2における雰囲気の流れが出口側から入口側へと方向
付けられる。
次に焼鈍炉3とブルーイング炉4間の雰囲気遮断機構23
bは、前記同様連絡筒20に抵抗体25とその近傍に環状ノ
ズル26を設け、環状ノズル26に前記供給装置22から配管
30を経て不活性ガスを導くことによりガスバリアを形成
し、ブルーイング炉4の雰囲気が焼鈍炉3に侵入しない
ようにしている。
また、ブルーイング炉4の雰囲気遮断機構23cとして、
出口筒21に数個の抵抗体25,25を内装するとともに、抵
抗体の間には環状ノズル26′を設け、不活性ガス供給装
置22から配管32で導かれた不活性ガスを送路と直交する
ように噴出させて出口バリヤを形成するようにしてい
る。
なお雰囲気遮断機構としては、上記の構成のほか、第5
図に示すように通路16a,20,21に立上り部29を付設し、
これに通路に下る昇降扉300を内挿するとともに、立上
り部29の基部両端に斜状ガイ吹込み部31a,31bを配し、
それら斜状ガス吹込み部31a,31bと昇降扉300を選択作動
するようにした構造がある。
この構造の場合、たとえば第5図のように昇降扉300を
下げ、両斜状ガス吹込み部31a,31bから不活性ガスを吹
き込めば、昇降扉300が障壁となって不活性ガスは左右
の分流となり、また、昇降扉300を上げて一方の斜状ガ
ス吹込み部31a,31bを作動することにより左右いずれか
所望方向のガス流となる。
焼鈍炉3には一定間隔でガス導入部34,34′が配設さ
れ、それらガス導入部34,34′が供給装置22と配管33に
より結ばれており、またブルーイング炉4にもガス導入
部35が設けられている。
上記のような構成により各炉の雰囲気の混入を防止する
ことができるが、被処理物が積層物であるため層間に微
少の隙間が存在し、その隙間に封入されている大気が加
熱に伴って拡散し、その拡散度合いによってブルーイン
グ工程での最終的な酸化皮膜にバラツキが生じる。
そこで本発明は、少なくともブルーイング工程が常に所
定の酸素濃度の不活性雰囲気で行われるように、操業
中、ブルーイング炉4あるいはさらにこれと焼鈍炉3
(連絡筒などの通路を含む)の酸素濃度を測定し、その
酸素濃度に応じて不活性ガス中の酸素濃度を加減するよ
うにしている。
具体的には、前記ブルーイング炉4のガス導入路35への
配管32,36を焼鈍炉3および脱油炉2の配管33,27と別
の、分岐管炉45により不活性ガス供給装置22と接続する
とともに、分岐管路45にマスフローコントローラなどの
添加部46を介在接続し、この添加部46に酸素あるいは水
素供給源48を接続する。そして一方では、前記した所要
個所にガスサンプリング器37を挿設し、それらガスサン
プリング器37を光学的、電気式などの任意の酸素濃度測
定器37′に接続するとともに、酸素濃度測定器37′をコ
ントローラ68を介して前記添加部46の流量調整弁49の駆
動部と接続している。
コントローラ38には脱油炉2、焼鈍炉3への供給ガス系
から酸素濃度値が入力されるようになっている。なお、
前記酸素濃度測定器37′からの測定信号には必要に応じ
不活性ガス供給装置22にも導かれ、これに設けられてい
るコントローラらより供給元ガスの酸素濃度を調整する
ようにしてもよい。たとえば不活性ガス供給装置22が大
気から窒素ガスを生成する発生機である場合には、通
常、発生機からのガスから酸素を除去するため水素を添
加して脱水する精製方式がとられる。そこで酸素濃度測
定器37′の測定回路を発生機の精製部に接続しておけ
ば、測定値に応じて水素添加量が調整され、脱油炉、焼
鈍炉およびブルーイング炉へ供給される不活性ガスの基
準酸素濃度が任意にコントロールされる。
その他図面において、50はブルーイング炉に続いて設け
られた空冷機構である。
〔作用〕
次に実施例に示す本発明の使用状態と作用を説明する。
本発明においては、脱油、焼鈍およびブルーイングの各
工程が不活性ガスを雰囲気として行われる。そのため、
始業にあたって従来の発熱型ガスを用いた場合のような
2段以上の雰囲気置換作業を必要とせず、立上り時間と
使用ガスを大幅に節減することができる。これは終業あ
るいは中断のときに顕著であり、ヒータと送路の作動を
止め、雰囲気ガスの供給をストップするだけのほとんど
ゼロタイムで行うことができる。
被処理物としての鉄系積層製品たとえば積層コアは、適
当数ずつトレイに配置され、脱油炉2の入口側の連続送
路1すなわちベルトコンベア11に載せられることにより
脱油炉2に進入する。炉芯管内は不活性ガス供給装置22
から不活性ガスが送入されるとともにヒータ8により加
熱されており、所定のベルト移動速度を設定することに
より、被処理物は連続移送されながら不活性雰囲気中で
たとえば300〜400℃前後の温度になるまで昇温され、こ
れにより被処理物の表面に付着している油分が蒸発され
る。
不活性ガスは焼鈍炉入口側の連絡筒16において環状ノズ
ル26から吹き込まれる。脱油炉2の入口側と出口側に温
度差があるため、脱油炉2中の不活性雰囲気は入口方向
へのかなり早い流れとなる。そのため外部からの大気の
流入がせ防止され、油分は雰囲気が不活性ガスであるた
め着火燃焼することなく前記入口方向の雰囲気流に帯同
されて排気筒9に導かれて放出される。
そして、被処理物は油分の除去された表面に保有酸素が
あるため、ごく薄いFe3O4皮膜が生成され始める。雰囲
気が大気でないため、保護皮膜の剥離や赤錆の生じない
適正な油分除去が行われる。
次いで被処理物は連絡筒16を通り、焼鈍炉3に連続移動
される。この焼鈍炉3においては、ガスタイトボックス
13を介して不活性ガスが送入され、ヒータ15により所定
の焼鈍温度たとえば800℃まで加熱されるため、被処理
物は連続移送されながら焼鈍される。
焼鈍は厳しく管理された雰囲気条件で行われる必要があ
るが、本発明では脱油炉2とつながる連絡筒16に雰囲気
遮断機構23aが設けられていて、環状ノズル26から噴出
される不活性ガスによるガスバリアと抵抗体25により脱
油炉側の雰囲気の侵入が防止され、また、後方のブルー
イング炉4との間の連絡筒20にも雰囲気遮断機構23bが
設けられていて、同様に環状ノズル26から噴出される不
活性ガスによると抵抗体25によりブルーイング炉側の雰
囲気が遮断される。このため、焼鈍炉3は前記後の炉と
完全に分離独立した不活性雰囲気が構成され、しかも通
路24を通過中の被処理物のまわりに環状ノズル26から純
度の高い不活性ガスが吹き付けられることにより洗浄さ
れてから焼鈍炉に装入されることになる。
そのため、連続炉でありながら精度のよい焼鈍が行わ
れ、このとき、被処理物には前記のように薄いFe3O4
膜が形成されているので、これが下地となって高温酸化
が防止され、Fe3O4皮膜がさらに成長する。
このようにして焼鈍が終わった被処理物は続いて連絡筒
20に進入し、ここで環状ノズル26によるバリアガスによ
り再度洗浄されてからブルーイング炉に入る。このブル
ーイング炉4では、入口側から出口側に向かって次第に
降温するようにヒータ19が作動し、かつ分岐管路45の添
加部46を通して脱油炉2および焼鈍炉3に供給される不
活性ガスよりも酸素濃度の高いドライ不活性ガスが装入
されており、被処理物は徐冷されながらこのドライ不活
性ガスと接触する。
被処理物は前述のように層間の微少な空隙に大気が封入
されていて、これが脱油炉2が加熱されることにより膨
張して徐々に拡散し、蒸発油分とともに排気筒9,9′か
ら排出されるが、完全に大気は排出されず、ブルーイン
グ炉4に達したときにも被処理物の空隙中に一部が残留
している。そして、ブルーイング炉に供給されたドライ
不活性ガスは酸素濃度が他の炉に対するものよりも高い
ため被処理物中の残留空気および表面からにじみ出る空
気とでブルーイング炉の雰囲気が全体として酸素濃度の
高い雰囲気となる。このためブルーイング炉を通過中に
被処理物の酸化皮膜の形成が促進される。
しかしながら、積層コアのような積層製品は構造、寸法
が多種であり、従って、空隙に含まれる空気量もまちま
ちである。また、保有空気の拡散度合いも被処理物移動
速度や加熱温度などの処理条件により異なる。
そのため、ブルーイング炉中の酸素濃度には変動があ
り、固定した組成の不活性雰囲気でブルーイングを行っ
た場合には、希望する厚さのFe3O4皮膜を精度よく形成
することが難しくなり、あるときには厚くなりすぎ、あ
るときには薄すぎるなどバラツキが生ずる。
しかし本発明では、ブルーイング炉4において、操業
中、雰囲気がサンプリングされ、酸素濃度測定器37′に
より自動的に炉中の酸素濃度が検出され、この検出デー
タがコントローラ38に送られる。コントローラ38にはた
とえば処理条件、被処理物の特性による保有空気量、脱
油炉と焼鈍炉に供給される不活性ガス中の酸素濃度など
から経験的に求められたFe3O4皮膜の成長度合いとこれ
に対応する最適酸素濃度が設定されており、これと前記
測定濃度が比較され、その偏差に応じて分岐管路45の添
加部46の流量調整弁49が作動される。すなわち、ブルー
イング雰囲気として酸素濃度が低すぎる場合には、供給
される不活性ガスの酸素濃度を高めるように流量調整弁
49の開度が増加され、また逆に酸素濃度が高すぎる場合
には、酸素濃度が焼鈍炉供給ガスと同等近くになるまで
流量調整弁49の開度が減少される。
これにより被処理物に含まれる酸素量やこれの拡散量な
どが変動しても、ブルーイング工程が常に適正範囲内の
酸素濃度で行われることになり、所期する厚さのFe3O4
皮膜が均一に精度よく形成される。
このようにFe3O4皮膜の形成された被処理物はブルーイ
ング炉4で徐冷された後、空冷機構50によりさらに低い
温度まで冷却され、コンベアベルト11から取り出され
る。
次に本発明を実地に使用してスターテコアを処理したと
ころ、雰囲気ガスとして発熱型のものを使用した場合に
比べ、ガスコストが約87%節減され、ガス使用量が約40
%節減され、また、昇温作業に従来18時間を要していた
のが10時間で足り、従来8時間を要した降温作業がゼロ
時間に短縮された。
積層コアは直径100mm、高さ50mmで、送路の搬送速度30m
m/min、脱油炉最高温度400℃、焼鈍炉最高温度800℃、
ブルーイング炉600〜400℃とし、雰囲気ガス供給装置と
して発生機を使用し、残存酸素量1.8PPMの高純度窒素ガ
スを総流量68m3/Hrで第1図に示す配管を介して脱油
炉、焼鈍炉およびブルーイング炉に供給した。
同時に分岐管路の添加部で酸素を添加してブルーイング
炉に供給し、操業中焼鈍炉とブルーイング炉に設けた酸
素濃度測定器とコントローラによりブルーイング炉の酸
素濃度を800PPM以下の範囲で自動制御した。
この結果、赤錆が皆無で、また保護皮膜の剥離がなく、
膜厚3μmで均一なFe3O4皮膜の形成された良好な焼鈍
積層コアが得られた。
〔発明の効果〕
以上説明した本発明の第1発明によれば、積層コアなど
の鉄系積層製品を連続的に移送する連続送路1に、入口
側と出口側に排気筒9,9′を有する炉芯管5を貫挿した
脱油炉2を設けるとともに、前記出口側の排気筒9′に
は連絡筒16を介して焼鈍炉3を、またこの焼鈍炉3の出
口側には連絡筒20を介してブルーイング炉4を直列状に
配設し、前記各連絡筒16,20には、それぞれ連続送路1
を通した通路内に垂下する抵抗体25と通路内に不活性ガ
スを噴出する環状ノズル26を備えた雰囲気遮断機構23a,
23bを設けているため、積層製品を連続して移送しつ
つ、表面に付着した油の除去−焼鈍−黒化の処理を基本
的に不活性ガス雰囲気条件下で一貫して行うことがで
き、ことに、炉外の不活性ガス供給装置22を供給管路を
介して前記各環状ノズル26,26と焼鈍炉3のガス導入部3
4,34′に接続するとともに、前記不活性ガスの供給装置
22の供給管路には酸素の添加部46を有する分岐管路45を
設けこの分岐管路45を前記ブルーイング炉4のガス導入
部35と接続し、かつ前記ブルーイング炉4には鉄系積層
製品の空隙に封入される形で持ち込まれた酸素の拡散に
よる炉中の酸素濃度の変動を測定する酸素濃度測定器3
7′を設け、これをコントローラ38を介して前記添加部4
6の流量調整部に接続し、供給する不活性ガスに添加す
る酸素量を加減するようにしているため、積層製品の空
隙に含まれる空気量の差異や被処理物移動速度や加熱温
度などの処理条件による保有空気の拡散度合いの差異が
あっても常に最適なブルーイング用ドライ雰囲気で処理
することができ、所期の厚さの適切な酸化皮膜を形成す
ることができる。
また第2発明によれば連続送路1を通した通路4内に垂
下する昇降扉300を内挿した立上り部29とこの立上り部2
9の基部両側に配され昇降扉300に向かって伸びる斜状ガ
ス吹込み部31a,31bと立上り部29より外側にあって通路
内に不活性ガスを噴出する環状ノズル26を備えた雰囲気
遮断機構23a,23bを用いているため、昇降扉300の昇降操
作により不活性ガスの流れ方向を調整することができ、
これにより脱油炉2と焼鈍炉3およびブルーイング炉4
間の雰囲気遮断性能をさらに高くすることができる。
従って本発明は、積層コアなどの鉄系積層製品の焼鈍お
よびブルーイング処理を、安価で少量のガスと少ない熱
エネルギーで効率よく実施することができるとともに、
作業性と生産性を大きく向上することができるなどのす
ぐれた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示す平面図、第2図は同じ
くその縦断側面図、第3図は第2図における脱油炉と焼
鈍炉の取り合いを示す拡大図、第4図は焼鈍炉とブルー
イング炉の取り合いを示す拡大図、第5図は本発明にお
ける雰囲気遮断機構の他の例を示す断面図、第6図は脱
油炉の半裁断面図、第7図は焼鈍炉の半裁断面図、第8
図はブルーイング炉の半裁断面図である。 1……送路、2……脱油炉、3……焼鈍炉、4……ブル
ーイング炉、5……炉芯管、16,20……連絡筒、22……
不活性ガス供給装置、23a,23b……雰囲気遮断装置、25
……抵抗体、26……環状ノズル、29……立上り部、31a,
31b……斜状ガス吹込み部、34,34′,35……ガス導入
部、37′……酸素濃度測定器、38……コントローラ、45
……分岐管路、46……添加部、300……昇降扉

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】積層コアなどの鉄系積層製品を連続的に移
    送する連続送路1に、入口側と出口側に排気筒9,9′を
    有する炉芯管5を貫挿した脱油炉2を設けるとともに、
    前記出口側の排気筒9′には連絡筒16を介して焼鈍炉3
    を、またこの焼鈍炉3の出口側には連絡筒20を介してブ
    ルーイング炉4を直列状に配設し、前記各連絡筒16,20
    には、それぞれ連続送路1を通した通路内に垂下する抵
    抗体25と通路内に不活性ガスを噴出する環状ノズル26を
    備えた雰囲気遮断機構23a,23bを設け、炉外には不活性
    ガス供給装置22を設け、この不活性ガス供給装置22を供
    給管路を介して前記各環状ノズル26,26と焼鈍炉3のガ
    ス導入部34,34′に接続するとともに、前記不活性ガス
    の供給装置22の供給管路には酸素の添加部46を有する分
    岐管路45を設けこの分岐管路45を前記ブルーイング炉4
    のガス導入部35と接続し、かつ前記ブルーイング炉4に
    は鉄系積層製品の空隙に封入される形で持ち込まれた酸
    素の拡散による炉中の酸素濃度の変動を測定する酸素濃
    度測定器37′を設け、これをコントローラ38を介して前
    記添加部46の流量調整部に接続し、供給する不活性ガス
    に添加する酸素量を加減するようにしたことを特徴とす
    る鉄系積層製品の連続焼鈍・ブルーイング装置。
  2. 【請求項2】積層コアなどの鉄系積層製品を連続的に移
    送する連続送路1に、入口側と出口側に排気筒9,9′を
    有する炉芯管5を貫挿した脱油炉2を設けるとともに、
    前記出口側の排気筒9′には連絡筒16を介して焼鈍炉3
    を、またこの焼鈍炉3の出口側には連絡筒20を介してブ
    ルーイング炉4を直列状に配設し、前記各連絡筒16,20
    には、連続送路1を通した通路4内に垂下する昇降扉30
    0を内挿した立上り部29とこの立上り部29の基部両側に
    配され昇降扉300に向かって伸びる斜状ガス吹込み部31
    a,31bと立上り部29より外側にあって通路内に不活性ガ
    スを噴出する環状ノズル26を備えた雰囲気遮断機構23a,
    23bを設け、炉外には不活性ガス供給装置22を設け、こ
    の不活性ガス供給装置22を供給管路を介して前記各環状
    ノズル26,26と焼鈍炉3のガス導入部34,34′に接続する
    とともに、前記不活性ガスの供給装置22の供給管路には
    酸素の添加部46を有する分岐管路45を設けこの分岐管路
    45を前記ブルーイング炉4のガス導入部35と接続し、か
    つ前記ブルーイング炉4には鉄系積層製品の空隙に封入
    される形で持ち込まれた酸素の拡散による炉中の酸素濃
    度の変動を測定する酸素濃度測定器37′を設け、これを
    コントローラ38を介して前記添加部46の流量調整部に接
    続し、供給する不活性ガスに添加する酸素量を加減する
    ようにしたことを特徴とする鉄系積層製品の連続焼鈍・
    ブルーイング装置。
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