JPH07188782A - 熱処理炉の雰囲気維持方法およびその装置 - Google Patents

熱処理炉の雰囲気維持方法およびその装置

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JPH07188782A
JPH07188782A JP33791193A JP33791193A JPH07188782A JP H07188782 A JPH07188782 A JP H07188782A JP 33791193 A JP33791193 A JP 33791193A JP 33791193 A JP33791193 A JP 33791193A JP H07188782 A JPH07188782 A JP H07188782A
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Japan
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furnace
heat treatment
steel strip
partition wall
atmosphere
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JP33791193A
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Yutaka Suzukawa
豊 鈴川
Koji Kobayashi
廣司 小林
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JFE Engineering Corp
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NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 金属帯の熱処理炉において、高速の金属帯搬
送速度においても、雰囲気ガス使用量を大幅に増加させ
ることなく、所定の炉内雰囲気維持ができる熱処理炉の
雰囲気維持方法およびその装置を提供する。 【構成】 金属帯を上部および下部に多数配列された搬
送ロールに掛渡して上下に蛇行する複数のパスを形成
し、金属帯を連続的に搬送しながら熱処理する熱処理炉
の入側加熱帯において、前記熱処理炉内金属帯温度が2
00℃を超えない位置に金属帯の搬送に必要な開口部の
みを残した仕切壁を設けて炉の上流側と下流側を隔離
し、炉内雰囲気ガスの一部が、仕切壁の開口部を通過し
たのち、熱処理炉入側の金属帯導入のための開口部から
炉外に排出されることを特徴とする熱処理炉の雰囲気維
持方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属帯の熱処理炉にお
いて、炉の入側から炉内に侵入する空気が炉内に拡散し
て金属帯を酸化させることを抑制し、適性雰囲気を維持
する方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、冷延鋼板の熱処理を連続的かつ能
率良く行う方法として連続焼鈍法が採用され多大な効果
をあげている。連続焼鈍法は、コイル状に巻きとられて
いる鋼帯を順次払い出しながら、非酸化あるいは還元雰
囲気に保たれた、加熱帯、均熱帯、一次冷却帯、過時効
帯、二次冷却帯よりなる、いわゆる連続焼鈍炉を順次通
過させて所定の加熱および冷却を行った後、再びコイル
状に巻き取るものである。
【0003】図10に従来技術における連続焼鈍炉の断
面図を示す。図10において、1は鋼帯、2は搬送ロー
ル、3は連続焼鈍炉、31は加熱帯、32は均熱帯、3
3は一次冷却帯、34は過時効帯、35は二次冷却帯、
41は加熱帯入口、42は二次冷却帯出口である。鋼帯
1を加熱帯入口41から炉内に引き込み、加熱帯31
で、上部および下部に多数配列された搬送ロール2に掛
渡して上下に蛇行する複数のパスを形成し、パス間を連
続的に搬送しながら、ラジアントチューブ、インダクシ
ョンヒータ、電気抵抗ヒータ等を用いて間接加熱し、6
50℃〜850℃まで加熱する。さらに均熱帯32、一
次冷却帯33、過時効帯34、二次冷却帯35では、鋼
帯1をそれぞれ上部および下部に多数配列された搬送ロ
ール2に掛渡して上下に蛇行する複数のパスを形成し、
パス間を連続的に搬送しながら所定の熱処理を行う。二
次冷却帯35を通過した鋼帯1は二次冷却帯出口42か
ら再び炉外に出される。
【0004】このような連続焼鈍炉における650℃〜
850℃の加熱温度においては、鋼帯1は酸化されやす
いため、連続焼鈍炉内は、不活性ガス(例えば窒素ガ
ス)と還元性ガス(例えば水素ガス)との混合ガスであ
る雰囲気ガスで満たして鋼帯表面の還元を促進してい
る。さらに、前述の雰囲気ガスを連続的に炉内に供給し
て炉内圧力を大気圧に較べて50〜200Pa高めに保
ち、炉内外の圧力差により、雰囲気ガスを加熱帯入口4
1と二次冷却帯出口42から炉外に噴出させ続けること
により空気の侵入を抑制して、炉内雰囲気を非酸化ある
いは還元雰囲気に維持している。
【0005】さらに、雰囲気ガス噴出量の抑制と空気の
侵入の抑制を目的として、加熱帯入口41と二次冷却帯
出口42にシール装置が設置されている。シール装置の
例としては、従来、実開平1−94457号公報に記載
されているようなものが提案されている。図11はこの
ようなシール装置の断面図である。図11において図1
0と同一部分については同一符号を付し、説明を省略す
る。図11において、51はダクト、52はシールロー
ルである。炉の開口部にダクト51を設置し、その先に
一対のシールロール52をダクト51に近接して取り付
け、シールロール52で鋼帯1を挟み付けることによ
り、鋼帯1に随伴して流れるガスの流量を抑制しようと
している。このようなシール装置では、鋼帯1の搬送速
度が400m/min以下の場合、炉内圧力を大気圧に
較べて50〜100Pa高めに設定することにより、鋼
帯の炉内での酸化を許容範囲に抑制できており、かつ、
雰囲気維持のための雰囲気ガスの消費量も連続焼鈍炉全
体で1000〜3000Nm 3 /h程度でよい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら近年、缶
用材料の板厚が薄くなる傾向があり、連続焼鈍炉で単位
時間あたりに熱処理できる鋼帯の重量が減少し、必要な
生産量が満足できない問題が顕在化している。この対策
として、鋼帯の搬送速度を増加させることが考えられ、
すでに鋼帯の搬送速度が1000m/minの連続焼鈍
炉が実現されている。ところが、このような高速の連続
焼鈍炉では炉の入側から鋼帯に随伴して炉内に侵入する
空気量が増加し、従来のシール装置のみでは、炉内雰囲
気の維持が困難になった。すなわち高速の連続焼鈍炉で
は、炉の入側から侵入した空気が炉内に広く拡散し、高
温に加熱された鋼帯と空気中の酸素が反応して鋼帯表面
に酸化膜を形成し、製品の表面品質の低下をきたしてい
る。
【0007】炉内に侵入する空気量の増加は以下のよう
に説明される。図8はシール部を鋼帯が高速で搬送され
る時のモデル図である。図8において、鋼帯に随伴して
シール部を通過するガスの流量Qを(1)式に基づいて
計算することができる。
【0008】 Q=−δP/δx+μ・δ2 U/δy2 ───────── (1) シール部での圧力勾配を(2)式で与えると、(1)式
はシール部でのガス流速Uについて解くことができ、
(3)式を得る。 δP/δx=C ──────────────────── (2) U=C/2μ・y2 +(US −UR −C/2μ・H2 )・y/H+UR ── (3)
【0009】ここで、記号の意味は以下の通りである。 QA : 鋼帯に随伴してシール部を通過する空気の流量
(m3 /s) QB : 炉から排出する雰囲気ガスの流量(m3 /s) H : シール壁と鋼板の間の距離(m) U : x方向速度(m/s) US : 鋼帯搬送速度(m/s) UR : ロール周速度(m/s) μ : ガスの粘度(Pa・s) C : x方向圧力勾配(Pa/m) P : 圧力(Pa)
【0010】(3)式はシール部でのガス流れの速度分
布を表している。炉内圧力が大気圧より高い連続焼鈍炉
の入側シール部では、(3)式より、図8のU=U
(y)で示す速度分布が求められ、これをyについて積
分すればガス流量が求められる。図8において、QA
示す部分が鋼帯に随伴してシール部を通過する空気の流
量を、QB で示す部分が炉から排出する雰囲気ガスの流
量を示している。
【0011】これらの式から、鋼帯の搬送速度US と鋼
帯に随伴してシール部を通過する空気の流量QA との関
係を計算して図示したのが図9である。この計算では、
鋼帯の幅W,シール壁と鋼板の間の距離H、ガスの粘度
μ、シール部での圧力勾配Cの値は図9に示す値を用い
ている。図9に示すように、鋼帯の搬送速度US の増加
に従い、鋼帯に随伴してシール部を通過する空気の流量
A は指数対数的に増加することがわかる。
【0012】従って、高速の連続焼鈍炉では、炉の入側
から鋼帯に随伴して炉内に侵入する空気量が増加するこ
とが説明される。その結果、高速の連続焼鈍炉では炉の
入側から侵入した空気が炉内に広く拡散し、高温に加熱
された鋼帯と空気中の酸素が反応して鋼帯表面に酸化膜
を形成し、製品の表面品質の低下をきたしているのであ
る。
【0013】そこで、現状では対策として、炉内雰囲気
ガス中の水素濃度を増加して、還元能力を高める方法が
採用されているが、水素ガスは高価であるため運転費が
増加する。さらに、炉内に侵入する空気量を抑制する目
的で炉内の圧力を大気圧に較べて100〜300Pa高
めに保ち、炉内外の圧力差により、雰囲気ガスを炉外に
噴出させ続けることにより空気の侵入を抑制して炉内雰
囲気を維持する試みもなされているが、この場合には、
図9に示すように炉外に捨てられる雰囲気ガス流量QB
が増大するため、やはり運転費が増加する。
【0014】また、図11に示すシールロール52の鋼
帯挟み付け力を増してシール効果を高める方法も考えら
れるが、その場合には、シールロールと鋼帯の接触によ
り鋼帯表面に疵が発生する懸念があり、鋼帯挟み付け力
を増してシール効果を高める方法には限界がある。
【0015】一方、金属帯の熱処理中の酸化の軽減を図
る要請はますます高まっている。本発明は、このような
現状の問題点に鑑みてなされたもので、その目的は高速
の熱処理炉においても、雰囲気ガス使用量を大幅に増加
させることなく、所定の炉内雰囲気維持ができ、あるい
はより一層金属の酸化を防止する要請に答える熱処理炉
の雰囲気維持方法を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】前記の課題は以下の手段
により解決される。 金属帯を上部および下部に多数配列された搬送ロー
ルに掛渡して上下に蛇行する複数のパスを形成し、金属
帯を連続的に搬送しながら熱処理する熱処理炉の入側加
熱帯において、前記熱処理炉内金属帯温度が200℃ま
での位置に金属帯の搬送に必要な開口部のみを残した仕
切壁を設けて炉の上流側と下流側を隔離し、炉内雰囲気
ガスの一部が、仕切壁の開口部を通過したのち、熱処理
炉入側の金属帯導入のための開口部から炉外に排出され
ることを特徴とする熱処理炉の雰囲気維持方法。
【0017】 金属帯を掛渡して上下に蛇行する複数
のパスを形成する、上部および下部に多数に配列された
搬送ロールを有し、前記パス間に加熱装置を設けて、連
続的に搬送しながら熱処理する熱処理炉において、熱処
理炉の入側加熱帯の炉内金属帯温度が200℃までの位
置に、金属帯の搬送に必要な開口部のみを残して炉の上
流側と下流側を隔離する仕切壁を設けたことを特徴とす
る熱処理炉の雰囲気維持装置。
【0018】
【作用】従来の連続焼鈍炉では、炉の入側から侵入した
空気が炉内に拡散し、高温に加熱された鋼帯と酸素が反
応して鋼帯表面に酸化膜を形成している。鉄と酸素の酸
化反応については、アレニウス型の反応速度式が経験的
に知られており、その式によれば、酸化反応速度は温度
の増加に伴い指数対数的に増加する。
【0019】すなわち、低温の鋼帯が酸素と接触しても
酸化反応は穏やかに進むが、高温の鋼帯が酸素と接触す
ると激しい酸化反応が生じる。つまり、従来の連続処理
炉では、炉の入側から侵入した空気が炉内に拡散した時
には、鋼帯の温度が低い炉の入側では、鋼帯の酸化は顕
著ではなく、空気がさらに拡散して、より下流側の高温
に加熱された鋼帯と空気中の酸素が反応した時に鋼帯表
面に酸化膜を形成している。従って、空気が炉内に侵入
しても、下流側に拡散することを防止すれば、鋼帯の酸
化を最小限に抑制することができる。
【0020】本発明における仕切壁は、炉の上流側と下
流側を隔離し、炉入側から侵入した空気が鋼帯温度の高
い下流側に拡散することを防止している。また、酸化鉄
の還元反応についても、アレニウス型の反応速度式が経
験的に知られており、その式によれば、還元反応速度は
温度の増加に伴い増加する。すなわち、低温では還元反
応は穏やかに進むが、高温では速い反応が生じる。
【0021】すでに述べたように、高速の連続焼鈍設備
では、鋼帯の搬送に伴って炉入側から空気が侵入する。
この空気は、シール部では鋼帯表面近くに随伴して流れ
ているが、炉内では雰囲気ガス中に拡散する。しかし、
鋼帯の温度が低い間は、鋼帯と酸素が反応して酸化被膜
を形成する速度は遅いから、かりに酸化被膜が形成され
ても後段のパスで加熱される間に酸化被膜が雰囲気ガス
で還元されれば、製品としての品質を保つことができ
る。
【0022】図12は、連続焼鈍炉内の鋼帯の温度変化
と酸化膜厚の変化との関係を、仕切壁の設置位置を鋼帯
の温度が200℃、250℃、300℃となる位置に変
えた場合について推算したものである。図中のは、仕
切壁の設置位置を鋼帯の温度が200℃の位置としたも
ので、酸化膜厚の増加分は僅かであり、仕切壁の下流側
の短いパスで十分な還元がなされ、美麗な表面の製品が
得られる。
【0023】図中のは、仕切壁の設置位置を鋼帯の温
度が250℃の位置としたもので、酸化膜厚の増加分は
の場合より大きいが、仕切壁の下流側で十分な還元が
なされ美麗な表面の製品が得られる。図中のは、仕切
壁の設置位置を鋼帯の温度が300℃の位置としたもの
で、酸化膜厚の増加分はの場合よりさらに大きいが、
仕切壁の下流側に十分な長さのパスがあるか、あるいは
炉内雰囲気ガス中の水素濃度を高くすれば十分な還元が
なされ美麗な表面の製品が得られる。
【0024】本発明法によれば、鋼帯の搬送に必要な開
口部のみを残す仕切壁を設置して、炉内雰囲気ガスの一
部を、前記連続焼鈍炉入側の鋼帯導入のための開口部か
ら炉外に排出させる方法としているため、炉内に侵入し
た空気は仕切壁の手前で炉内雰囲気ガス中に拡散し、か
つ空気と混合した炉内雰囲気ガスが炉入口から連続的に
炉外に排出されるので、炉入口近傍の炉内雰囲気ガス中
の酸素濃度は数〜数十ppmに抑制される。
【0025】仕切壁以降では、炉内雰囲気ガスが仕切壁
の手前に向かう流れを呈しているため、酸素の拡散が抑
制され、仕切壁以降で高温の鋼帯と酸素が反応して品質
欠陥となるような酸化被膜を形成することはなく、か
つ、この部分には水素ガス体積濃度が4〜15%、残り
が窒素ガスより構成される還元性雰囲気によって満たさ
れているため、下流側のパスで十分な還元がなされ美麗
な表面の製品が得られている。
【0026】
【実施例】本発明の実施例を図面にもとづいて説明す
る。図1〜図7において図10と同一部分については同
一符号を付し、説明を省略する。図1〜図7において5
は炉入側のシール装置、6は鋼帯加熱用の加熱装置(例
えば、ラジアントチューブあるいは電気抵抗ヒータ
等)、7は仕切壁(例えば、内部を鋼材で補強した通気
性の無い耐火物、内部を鋼材で補強したセラミックファ
イバーの外側をステンレス鋼板で覆ったもの等)、8は
遮蔽板、9は酸素濃度計、10は仕切壁下部に設置した
弁である。
【0027】図1は本発明による雰囲気維持方法を実施
した連続焼鈍炉の入側部分を示す断面図である。鋼帯1
の搬送に伴って、炉入側から空気が侵入するが、仕切壁
7で炉の上流側と下流側が仕切られているため、侵入し
た空気が下流側の高温の鋼帯に流れ込むことはない。こ
こで仕切壁7の下部は炉底と接続されており、上部は開
口して、鋼帯1が通過できる構造になっている。遮蔽板
8は、加熱装置6から搬送ロール2への熱放射を抑制す
るためのものである。
【0028】本実施例では、仕切壁7の位置は、仕切壁
7を通過する鋼帯1の温度が通常の操業条件の範囲内に
おいて、200℃を超えない位置に設置されている。ま
た、本実施例では、仕切壁7の両側の上部に設置された
二つの搬送ロール2の間に鋼帯1を掛渡して、パスの間
隔を確保して仕切壁7を設置している。酸素濃度計9
は、炉内に複数配置したものの一つで、この部分での酸
素濃度が所定の値を超えた場合には、図には示されてい
ない位置に設置した炉内雰囲気ガス供給配管からの炉内
雰囲気ガス吹き込み量を増加させて酸素濃度が所定の値
になるようにしている。仕切壁下部に設置した弁10
は、炉内ガスパージ時に、仕切壁7近傍が澱み点となっ
て、パージ時間が長くなるのを防止するため、ガスパー
ジのときにのみ開くものである。
【0029】図2は本発明による雰囲気維持方法を実施
した連続焼鈍炉の入側部分を示す断面図で、図1とは異
なる実施例の断面図である。本実施例では、上部に設置
された一つの搬送ロール2で鋼帯1を折り返すことで形
成されるパスの間に仕切壁7を設置したことにより、所
要搬送ロール本数を削減し、炉長短縮を図ったものであ
る。
【0030】図3は本発明による雰囲気維持方法を実施
した連続焼鈍炉の入側部分を示す断面図で、図1、図2
とは異なる実施例の断面図である。本実施例では、鋼帯
を炉上部から導入する構造としているため、下部に設置
された一つの搬送ロール2で鋼帯1を折り返すことで形
成されるパスの間に仕切壁7を設置したものである。図
には示していないが、図1についても同様に構成するこ
とができる。
【0031】図4は本発明による雰囲気維持方法を実施
した連続焼鈍炉の入側部分を示す断面図で、炉入側の第
1番目のパスと第2番目のパスとの間に鋼帯の搬送に必
要な開口部のみを残した仕切壁を設けて、第1番目のパ
ス部を隔離した場合の実施例の断面図である。本実施例
においては仕切壁7の下部は炉底と接続されており、上
部は開口して、鋼帯1が通過できる構造になっている。
また本実施例では、上部に設置された第一の搬送ロール
から第二の搬送ロールに鋼帯1を掛渡して、第1のパス
と第2のパスの間隔を確保して仕切壁7を設置したもの
である。本実施例の場合100℃未満の位置に仕切壁が
設けてある。
【0032】図5は本発明による雰囲気維持方法を実施
した連続焼鈍炉の入側部分を示す断面図で、図4とは異
なる実施例の断面図である。本実施例では、上部に設置
された第一の搬送ロールで鋼帯1を折り返すことで、第
1のパスと第2のパスを形成し、その間に仕切壁7を設
置したことにより、所要搬送ロール本数を削減し、炉長
短縮を図ったものである。
【0033】図6は本発明による雰囲気維持方法を実施
した連続焼鈍炉の入側部分を示す断面図で、図4、図5
とは異なる実施例の断面図である。本実施例では、上部
に設置された第一の搬送ロールから第二の搬送ロールに
鋼帯1を掛渡して、第1のパスと第2のパスの間隔を確
保して仕切壁7を設置したものであるが、第1パスでの
加熱能力を確保するために、第1パスにも鋼帯加熱用の
加熱装置を設置したものである。この場合、仕切壁は1
00〜130℃程度の位置に配置されている。
【0034】図7は本発明による雰囲気維持方法を実施
した連続焼鈍炉の入側部分を示す断面図で、図4〜図6
とは異なる実施例の断面図である。本実施例では、鋼帯
を炉上部から導入する構造としているため、下部に設置
された第一の搬送ロールで鋼帯1を折り返すことで、第
1のパスと第2のパスを形成し、その間に仕切壁7を設
置したものである。図には示していないが、図4、図6
についても同様に構成することができる。
【0035】図1〜図7のいずれの実施例においても、
搬送速度1000m/minの高速において、炉圧、雰
囲気ガス使用量ともに、従来の低速の連続焼鈍炉での値
と殆ど変わらずに、美麗な表面の鋼帯が得られる。すな
わち、炉内圧力は大気圧に較べて50〜100Pa高め
に設定した場合、鋼帯1の炉内での酸化を許容範囲に抑
制するための雰囲気ガスの消費量は連続焼鈍炉全体で1
000〜3000Nm 3 /h程度でよい。
【0036】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、高速の
連続焼鈍設備において、炉入側から鋼帯に随伴して炉内
に侵入する空気量が増加しても、炉内の適切な位置に仕
切壁を設置するという安価な方法のみによって、炉圧、
雰囲気ガス使用量ともに、従来の連続焼鈍炉での値と殆
ど変わりなく、炉内での鋼帯の酸化を抑制し、美麗な製
品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における実施例を示す断面図。
【図2】本発明における図1とは異なる実施例を示す断
面図。
【図3】本発明における図1、図2とは異なる実施例を
示す断面図。
【図4】本発明における炉入側の第1番目のパス部を隔
離した場合の実施例を示す断面図。
【図5】本発明における図4とは異なる実施例を示す断
面図。
【図6】本発明における図4、図5とは異なる実施例を
示す断面図。
【図7】本発明における図4〜図6とは異なる実施例を
示す断面図。
【図8】シール部を鋼帯が高速で搬送される時のモデル
図。
【図9】鋼帯の搬送速度と空気の流量との関係の計算例
を示した図。
【図10】従来技術による実施例を示す断面図。
【図11】従来技術によるシール装置の断面図。
【図12】鋼帯の温度変化、仕切壁の位置と、鋼帯の酸
化膜厚の変化との関係を示す図。
【符号の説明】
1 鋼帯 2 搬送ロール 7 仕切壁 31 加熱帯

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属帯を上部および下部に多数配列され
    た搬送ロールに掛渡して上下に蛇行する複数のパスを形
    成し、金属帯を連続的に搬送しながら熱処理する熱処理
    炉の入側加熱帯において、前記熱処理炉内金属帯温度が
    200℃までの位置に金属帯の搬送に必要な開口部のみ
    を残した仕切壁を設けて炉の上流側と下流側を隔離し、
    炉内雰囲気ガスの一部が、仕切壁の開口部を通過したの
    ち、熱処理炉入側の金属帯導入のための開口部から炉外
    に排出されることを特徴とする熱処理炉の雰囲気維持方
    法。
  2. 【請求項2】 金属帯を掛渡して上下に蛇行する複数の
    パスを形成する、上部および下部に多数に配列された搬
    送ロールを有し、前記パス間に加熱装置を設けて、連続
    的に搬送しながら熱処理する熱処理炉において、熱処理
    炉の入側加熱帯の炉内金属帯温度が200℃までの位置
    に、金属帯の搬送に必要な開口部のみを残して炉の上流
    側と下流側を隔離する仕切壁を設けたことを特徴とする
    熱処理炉の雰囲気維持装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104204232A (zh) * 2012-03-28 2014-12-10 中央发条株式会社 加热装置以及加热方法

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CN104204232A (zh) * 2012-03-28 2014-12-10 中央发条株式会社 加热装置以及加热方法

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