JPH0813045A - 連続熱処理炉 - Google Patents

連続熱処理炉

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Publication number
JPH0813045A
JPH0813045A JP14475494A JP14475494A JPH0813045A JP H0813045 A JPH0813045 A JP H0813045A JP 14475494 A JP14475494 A JP 14475494A JP 14475494 A JP14475494 A JP 14475494A JP H0813045 A JPH0813045 A JP H0813045A
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JP
Japan
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furnace
gas
steel strip
seal
air
Prior art date
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Application number
JP14475494A
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English (en)
Inventor
Yutaka Suzukawa
豊 鈴川
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Publication date
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  • Heat Treatments In General, Especially Conveying And Cooling (AREA)
  • Heat Treatment Of Strip Materials And Filament Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は高速搬送速度で金属帯を熱処理炉に
送給しても、雰囲気ガス使用量を大幅に増加させること
なく、炉内雰囲気を維持して、熱処理できる。 【構成】 シール装置21内に上流側から一対のシール
ロール22a、22b、流体流れ方向変換体23a、2
3bを配置する。鋼帯1に隨伴した空気は間隙6を通過
してA部からB部の方向に流れ、そこで急速に減速さ
れ、侵入空気と炉内ガスとの拡散混合が促進される。流
路内の流れでは、シールロール22a、22bの回転
による剪断力が働き、C部からD部に向う流れを生じ、
C部の流路は負圧になり、B部での拡散混合ガスが、
流路に吸引される。D部では、混合ガスが鋼帯に垂直
に衝突し、ガスのよどみ点となって、静圧が上昇し、空
気の流入を抑制する。炉内ガスが、炉本体20内からE
部に流れ込み、拡散混合ガスとして流路に吸引され、
流路を経てD部に流出しシール装置外に流れ去る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、金属帯の連続焼鈍炉等
の連続熱処理炉に係わり、炉入側から炉内に侵入する空
気の流入量を低減出来るシール機能を有する連続熱処理
炉に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、例えば冷延鋼帯(以降鋼帯と云
う)の熱処理を連続的かつ能率良く行なう熱処理炉とし
て連続焼鈍炉が採用され、多大な効果を挙げている。
【0003】連続焼鈍炉の操業では、コイル状に巻き取
られている鋼帯を順次払い出しながら、非酸化あるいは
還元雰囲気に保たれた、連続焼鈍炉を構成する加熱帯、
均熱帯、一次冷却帯、過時効帯、二次冷却帯等を順次通
過させて所定の加熱および冷却を行った後、再びコイル
状に巻き取るものである。
【0004】このような、鋼帯の連続焼鈍炉において
は、鋼帯は加熱帯で650℃〜850℃まで加熱され
る。このような加熱温度では、鋼帯は酸化されやすいた
め、連続焼鈍炉内は、非酸化性ガス例えば窒素ガスと還
元性ガス例えば水素ガスとの混合ガスである雰囲気ガス
で炉内を満たして鋼帯表面の還元を促進している。
【0005】連続焼鈍炉では加熱帯の上流側に予熱帯を
設けることもある。この場合は予熱帯で220〜250
℃程度に予熱される。
【0006】一般に、炉内への空気の侵入を防止するた
めに、雰囲気ガスを連続的に炉内に供給して炉内圧力を
大気圧に較べて50〜200Pa高めに保ち、炉内外の
圧力差により、雰囲気ガスを前記連続焼鈍炉の入口と出
口より炉外に噴出させ続けることにより空気の侵入を抑
制して炉内雰囲気を非酸化あるいは還元雰囲気に維持し
ている。
【0007】しかし、上記のような対策を行っても、連
続焼鈍炉の入口では送給される鋼帯に随伴して空気が炉
内に入るために、空気の侵入の抑制と雰囲気ガス噴出量
の抑制をするために、連続焼鈍炉の入口にシール装置を
設置することが行われている。
【0008】図9は上記のような熱処理炉に通常設置さ
れているシール装置の一例を示す図である。熱処理炉2
の入側開口部2aにダクト3を設置し、その先の炉外側
に一対のシールロール4a、4bをダクト3に近接して
取付けている。
【0009】ここでは熱処理炉2に送入される鋼帯1を
両側からシールロール4a、4bで挟み付けることによ
って、鋼帯1に随伴して侵入する空気を抑制し、炉内か
ら流れるガスの流量を抑制しようとするものである。5
は炉壁である。矢印は炉内雰囲気ガスの流れを、矢印
は侵入空気の流れを示す。
【0010】このようなシール装置は、鋼帯1の搬送速
度が400m/分以下の低速の場合に適しており、炉内
圧力を大気圧に較べて50〜100Pa高めに設定する
ことにより、鋼帯1の炉内での酸化を許容範囲に抑制で
き、かつ、雰囲気維持のための雰囲気ガスの消費量も連
続焼鈍炉全体で1000〜3000Nm3 /h程度にす
ることがてきる。
【0011】又、特開平5−9592号公報には、予熱
帯を有する連続焼鈍炉が、予熱帯の入口側に、上記のよ
うなシールロールに加えて、更にラインの一次停止等で
炉内が負圧になってもシール機能を発揮出来るように、
鋼帯にガスを吹付けて外気から遮断するガスシール手段
と、このガスシール手段のノズル近傍に設けられた押付
け部材と、炉内が負圧になった時に、押付け部材を鋼帯
に押付ける手段を有することが開示されている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】一方、ユーザーの要望
等により、缶用材料の板厚が薄くなる傾向にあり、この
ような缶用材料を連続焼鈍炉で製造する場合に、連続焼
鈍で単位時間あたりに熱処理できる鋼帯重量が減少し
て、設備能力が不足する問題が顕在化している。
【0013】この対策としては、鋼帯の搬送速度を増加
させることが考えられ、すでに鋼帯の搬送速度が100
0m/分の連続焼鈍炉が実現されている。
【0014】しかしながら、このような高速の搬送速度
で操業する連続焼鈍炉では、炉入側から鋼帯に随伴して
炉内に侵入する空気量が増加し、前述したような従来の
シール装置のみでは、炉内雰囲気維持が困難になってい
る。
【0015】すなわち上記のような操業の連続焼鈍炉で
は、予熱炉又は加熱炉入側から侵入した空気が炉内に広
く拡散し、高温に加熱された鋼帯と空気中の酸素が反応
して鋼帯表面に酸化膜を形成し、製品の表面品質低下を
きたすと云う問題がある。
【0016】炉内に侵入する空気量の増加は以下のよう
に説明される。図9において、鋼帯1の溶接部の厚さが
他の部分より厚いことや、鋼帯1が幅方向の中央部や両
端部で伸びた形状を呈する場合があることなどから、鋼
帯1をシールロール4a、4bで強く挟みつけると、溶
接部で破断したり、鋼帯1表面に疵が付いたりする。
【0017】そのために、実際にはシールロールは0.
5〜1mm程度の間隔をあけて位置決めされている。
【0018】このような条件では、鋼帯1の進行にとも
なって、鋼帯1表面に隨伴する空気の流れが生じ、図9
の矢印で示す侵入空気の流れが生じる。この時、シー
ルロール4a、4b間を通過する空気の流量は、鋼帯搬
送速度(V)、シールロール間隔(S)および鋼帯の幅
(W)の積(V・S・W)に概略比例する。
【0019】一方、炉内は加圧されているので、図9の
矢印で示す炉外に向かう炉内雰囲気ガスの流れがある
が、この流れは、シールロール4a、4b表面の流れに
隨伴して矢印で示す方向に流れ去る流れとなり、かつ、
その流出速度が鋼帯の搬送速度に比べて極めて遅いた
め、侵入空気の流れを抑制する効果が小さい。このよう
なことから、鋼帯の搬送速度が増加すると、炉内に侵入
する空気の流量が増加する。
【0020】その結果、例えば、400m/分を超えた
場合の高速の搬送速度で操業する連続焼鈍炉では、加熱
炉等の入側から侵入した空気が炉内に広く拡散し、高温
に加熱された鋼帯と空気中の酸素が反応して鋼帯表面に
酸化膜を形成し、製品の表面品質低下をきたす原因とな
っている。
【0021】又、前述した特開平5−9592号公報に
開示されているシール装置は上記のようなシールロール
に加えて、鋼帯にガスを吹付けて外気から遮断するガス
シール手段と、このガスシール手段のノズル近傍に設け
られた押付け部材と、炉内が負圧になった時に、押付け
部材を鋼帯に押付ける手段を有するものである。
【0022】概略400m/分を超えた高速搬送速度
で、連続焼鈍炉を操業している場合には、ガスシール手
段のノズルにより、鋼帯にガスを吹付けても、鋼帯に随
伴する空気の侵入は避けられず、それを避けるためには
多量のガスを噴出させなければならない。
【0023】また、対策として、炉内雰囲気ガス中の水
素ガス濃度を増加して、還元能力を高める方法が採用さ
れているが、水素ガスは高価であるため運転費が増加す
ると云う問題がある。
【0024】さらに、炉内に侵入する空気量を抑制する
目的で炉内圧力を大気圧に較べて100〜300Pa高
めに保ち、炉内外の圧力差により、雰囲気ガスを炉外に
噴出させ続けることにより空気の侵入を抑制して炉内雰
囲気を維持する試みもなされているが、炉外に排出され
る雰囲気ガス流量が増大するため、やはり、運転費が増
加する。
【0025】本発明は上記のような問題点の解決を図っ
たものであり、高速搬送速度で金属帯を熱処理炉に送給
しても、雰囲気ガス使用量を大幅に増加させることな
く、所定の炉内雰囲気を維持して、金属帯を熱処理でき
る連続熱処理炉を提供することを目的とする。
【0026】
【課題を解決するための手段】本発明は次のようにし
て、上記目的を達成する。炉の入側に、金属帯を挟むよ
うに一対のシールロールと流体流れ方向変換体、そのシ
ールロールと流体流れ方向変換体に対して間隙をおいて
設けたカバーを配設したことを特徴とする連続熱処理炉
である。
【0027】本発明の連続熱処理炉は、代表的なものと
しては連続焼鈍炉を挙げることが出来るが、これに限定
されるものではなく、同様な機能を有する連続加熱炉等
にも適用するものである。
【0028】
【作用】本発明では、上記のような構成であり、流れ方
向変換体をシール装置内に配置することにより、シール
ロール、流れ方向変換体でガスの流れを変更し、更に、
好ましくは、カバーによるシールロール、流れ方向変換
体の間でも間隙の異なるガス循環流路をシール装置内に
形成する。
【0029】本発明の作用を図2によって説明する。図
2は本発明の主要な構成のシール装置の説明図である。
ここでは金属帯として鋼帯を用いた場合として説明す
る。
【0030】21はシール装置で、一対のシールロール
22a、22bと一対の流体流れ方向変換体23a、2
3bと、そのシールロールと流体流れ方向変換体とに対
して間隙をおいて覆うようにしたカバー24からなる。
5は炉壁である。
【0031】S1はシールロール22a、22bと流体
流れ方向変換体23a、23bの間隙(以降間隙S1と
云う)であり、S2は流体流れ方向変換体23a、23
bとカバー24の間隙(以降間隙S2と云う)であり、
S3はカバー24と鋼帯1の間隙(以降間隙S3と云
う)であり、S4は流体流れ方向変換体23a、23b
と鋼帯1の間隙(以降間隙S4と云う)であり、S5は
シールロール22a、22bとカバー24の間隙(以降
間隙S5と云う)であり、そしてS6はシールロール2
2a、22bと鋼帯1の間隙(以降間隙S6と云う)で
ある。
【0032】A点、B点、C点、D点そしてE点はガス
の流れ方向を示すシール装置内の各部の拠点を示してい
る。
【0033】一対のシールロール22a、22bと一対
の流体流れ方向変換体23a、23bは、鋼帯1を挟む
ように上流側から順に配置される。上記シールロールは
矢印の方向に回転し、流体流れ方向変換体は固定され
る。 (1)間隙S6は零にすることが望ましい。しかし実際
上、鋼帯1が移送されているものであり、鋼帯1の溶接
部等もあるので、許容範囲として0.5mm以内にして
いる。そしてガス流路を形成する。 (2)間隔S1は零にすることが望ましいが、シールロ
ール22a、22bが回転しているものであり、接触を
避けるために、許容範囲として1.0mm以内にしてガ
スの流路を形成している。 (3)間隙S4は間隙S3より大きくすることが望まし
い。経験的に間隙S3の1.5倍以上とすることが好ま
しい。これによって、間隙S2で形成されるガス流路
にガスを流し易くすることが出来る。 (4)間隙S3は狭いほど良い。しかし鋼帯1が通板す
る際に波打ち等によりカバー24と接触するので、経験
的に間隙S3は20mm以上で50mm以下としてい
る。50mmを超えた場合には、雰囲気ガスが焼鈍炉入
側から出易くなり、炉内の雰囲気ガスの保持が困難とな
る。 (5)間隙S2、間隔S5は一般には上記間隙S3と同
じ程度にする。これによってガス流路、ガス流路が
形成される。 (6)カバー24のE部が鋼帯1となす角度θは45゜
以下であることが好ましい。ガスの流れ方向の変化を緩
やかにして、ガス流路への吸引を容易にすることによ
る。
【0034】上記のようなシール装置を連続焼鈍炉の入
側に設置し、鋼帯を高速で通板すると、シール装置21
の入口部Dから、鋼帯1に隨伴して空気が流れ込み、空
気は間隙S6を通過してシール装置21内のA部からB
部の方向に流れる。この時、間隙S6に比べて間隙S4
の方がはるかに大きいから、A、B部間で侵入空気の流
れは急速に減速される。
【0035】すなわち、ここで速度境界層の厚さが大き
くなると共に、侵入空気と炉内ガスとの拡散混合が促進
される。
【0036】一方、流路内の流れでは、流路内のガ
スにシールロール22a、22bの回転による剪断力が
働き、C部からD部に向う流れを生じる。その結果、C
部の流路は負圧になり、流路の流れはB部からC部
に向う流れを生じる。
【0037】従って、ガスはA部からB部に向かって流
れ、B部で炉内ガスと拡散混合したガスとなり、流路
に吸引される。
【0038】この時、間隙S4が間隙S3より大きいた
め、この吸引が効率的に行われる。それによってシール
ロール22a、22bとのせん断力を駆動源とするガス
循環流路、、、を形成する。
【0039】シールロール22a、22b入口では、循
環ガスと鋼帯の衝突により発生する静圧により空気の侵
入を抑制し、かつ、シールロール22a、22b内循環
ガスと侵入空気の拡散混合を促進させて、シール装置2
1内のガス中の酸素濃度を低減させ、それを、ガス循環
流路、、、に吸引して排気する。
【0040】これにより、シール装置21を通過して炉
2内に侵入するガスの流量を大幅に低減するばかりでな
く、炉内に侵入するガス中の酸素濃度をも低減して、シ
ール機能を実現する。
【0041】シールロール22a、22bの回転により
ガスに与えられるせん断力を駆動源としているため、通
板速度が高速になるほど、言い換えれば、シールロール
22a、22bの回転速度が大きくなるほどその効果を
発揮出来る。
【0042】
【実施例】本発明の実施例を図によって説明する。 [実施例1]図1は本発明の一実施例の全体を示す図で
あり、図3は本発明の主要な構成のシール装置の一実施
例を示す図である。
【0043】ここでは鋼帯のブリキ原板用連続焼鈍炉に
ついて説明する。20は焼鈍炉本体で、加熱帯20a、
均熱帯20b、徐冷帯20c、急冷帯20dで構成され
ている。
【0044】21はシール装置で、一対のシールロール
22a、22bと一対の流体流れ方向変換体23a、2
3bと、そのシールロールと流体流れ方向変換体とに対
して間隙をおいて設けたカバー24からなる。これによ
ってシール装置内に間隙の異なるガス循環流路を形成し
ている。
【0045】図1において、焼鈍炉本体20の炉本体入
側即ち加熱帯20aの入側に、シール装置21を設置し
ている。33は出側のシール装置で、通常のシールロー
ル装置が用いられている。
【0046】図3によって本発明の主要な構成であるシ
ール装置について説明する。前述した図2と共通する箇
所は簡単に説明する。
【0047】25はシール装置21の移動装置で、鋼帯
面に直交する方向に摺動させて、鋼帯の厚みが変化した
際に、シールロールのシール機能を損ねないようにす
る。
【0048】シール装置21は中空箱型状の分割カバー
24a、24bを補助カバー24cを介して接続して一
体的にしている。
【0049】図3において、シール装置21は装置内に
上流側から順に一対のシールロール22a、22bと一
対の流体流れ方向変換体23a、23bを配置してい
る。流れ方向変換体23a、23bとシールロール22
a、22bの長さを同じくしている。シールロールは矢
印の方向に回転し、流体流れ方向変換体は固定してい
る。 A点、B点、C点、D点そしてE点はガスの流れ
方向を示すシール装置内の各部の拠点を示している。
【0050】間隙S6は零にすることが望ましいが、実
際上困難なので、ここでは許容範囲として0.5mm以
内にし、ガス流路を形成する。
【0051】間隔S1は1.0mm以下とし、ガスの流
路を形成している。間隙S3は20mm以上で50m
m以下としてガス流路を形成している。20mm未満
では鋼帯1が波打ち等によりカバー24a、24bと接
触し、通板が円滑に出来ない。50mmを超えた場合に
は、雰囲気ガスが焼鈍炉入側から出易いので好ましくな
い。
【0052】間隙S2、間隙S5は間隙S3と同程度の
大きさとし、20mm以上で50mm以下としてガスの
流路、流路を形成している。
【0053】間隙S4は経験的に間隙S3の1.5倍以
上とすることが好ましい。ガス流路に侵入空気と雰囲
気ガスの混合ガスが吸引され易くするためてある。
【0054】θはカバー24のE部が鋼帯1となす角度
で45゜以下であることが好ましい。ガスの流れ方向の
変化を緩やかにして吸引を容易にすることによる。
【0055】図4は本発明のカバーの一実施例を示す図
である。ここでは中空箱型状の分割カバーとし、補助カ
バーを介して接続して一体的にしたカバーを示してい
る。
【0056】図4において、補助カバー24c、24d
は支持板26に固定されており、補助カバー24c、2
4dは分割カバー24a、24bと矢印の方向にメタル
タッチにより、摺動可能にしている。この場合、分割カ
バー24a、24bと支持板26との接触面でもメタル
タッチにより、摺動可能にしている。
【0057】補助カバー24c、24dは板状体とし
て、必要最小限の幅にして、シールロールの軸受22
c、22d、流体流れ方向変換体の固定具23c、23
dの取付け等に影響のないようにしている。
【0058】シール装置21は移動装置25a、25b
を駆動させて、分割カバー24a、24bを移動させ、
所定の位置に設定させる。移動装置としてはスクリュー
ネジ等を用いることが出来る。
【0059】本発明のシール装置21によれば装置内の
シールロール22a、22bと流体流れ方向変換体23
a、23bの位置関係を変えることなく、鋼帯の厚さの
変化に順応させて、適切に設定することが出来る。
【0060】次に本発明の鋼帯の連続焼鈍炉による使用
方法を説明する。鋼帯1は図示しないペイオフリールか
ら巻き解かれ、溶接機、アルカリ洗浄装置、並びにルー
ピングタワーを経て、連続焼鈍炉に送給される。連続焼
鈍炉20は窒素と水素の混合ガスをガス供給系統31か
ら供給し、排出系統32から排出するようにしている。
【0061】本発明による連続焼鈍炉は入側にシール装
置21を設置したものであり、焼鈍炉本体20は加熱帯
20a、均熱帯20b、徐冷帯20c、急冷帯20dで
構成されている。焼鈍炉本体20には窒素と水素の混合
ガスの供給系統31、排出系統32が設けられている。
【0062】例えば、500m/分の搬送速度で鋼帯1
を通板すると、シール装置1の入口部Dから、鋼帯1に
隨伴して空気が流れ込み、シールロール22a、22b
の間隙を通過してA部からB部の方向に流れる。
【0063】この時、シールロール22aと鋼帯1の間
隔、あるいは鋼帯1と22bとの間隙S6(0.3mm
程度)に比べて流れ方向変換体23a、23bと鋼帯1
との間隙S4の方がはるかに大きいから、A、B部間で
侵入空気の流れは急速に減速され、侵入空気と炉内ガス
との拡散混合が促進される。
【0064】一方、流路内の流れでは、流路内のガ
スにシールロール22a、22bの回転による剪断力が
働き、C部からD部に向う流れを生じる。
【0065】その結果、C部の流路は負圧になり、流
路の流れはB部からC部に向う流れを生じる。従っ
て、A部からB部に向かって流れ、B部で炉内ガスと拡
散混合したガスは、流路に吸引される。
【0066】この時、間隙S4が間隙S3より大きいた
め、この吸引が効率的に行われる。次に、D部では、流
路をC部からD部に向かう、空気と炉内ガスとの混合
ガスの流れがあり、これが、D部で鋼帯に垂直に衝突す
る。従って、この衝突部分では、ガスがよどみ点となっ
て、静圧が上昇する。従って、空気の流入を抑制する。
【0067】また、侵入空気は、流路からの循環ガス
と混合してから隨伴流れとなってシールロール22a、
22bの間の流路に流れるから、シールロール22
a、22bに巻き込まれるガスの酸素濃度が減少する。
【0068】従って炉内ガスの流れについては、炉内ガ
スが、焼鈍炉本体20内からE部に向かって流れ込み、
鋼帯1に隨伴してA部からB部方向に流れてきたガスと
拡散混合したのち流路に吸引され、流路を経てD部
に流出しシール装置外に流れ去る。
【0069】なお、その一部は再び、隨伴ガスとなって
シール装置内を循環するのである。上記のような焼鈍炉
で加熱、均熱、徐冷、急冷処理された鋼帯1は、図示し
ないルーピングタワー、シャーを経て、テンションリー
ルで巻取られる。
【0070】図5は、図1、図3に示す連続焼鈍炉にお
いて、鋼帯の搬送速度を変えた場合の炉内酸素濃度を所
定値に抑制するために必要な炉内雰囲気ガス使用量を示
した図である。従来のシール装置を設置し、他の条件を
同じにした場合を比較例としてプロットした。○印は本
発明例、●印は従来例である。図5から明らかなよう
に、通板速度が小さい場合には、従来のシール装置との
差は小さいが、搬送速度が大きくなるにつれてその差が
大きくなっている。
【0071】すなわち、従来の技術では、搬送速度の増
加にともない、侵入空気量が増加するため、炉内雰囲気
ガス量を増加させる必要があったが、本発明の場合に
は、搬送速度が大きくなるほどその効果を発揮するか
ら、炉内雰囲気ガスの必要量の増加は僅かである。例え
ば、通板速度500m/分では、従来技術の約60%の
ガス使用量で良いと推定される。
【0072】[実施例2]図6は本発明の主要な構成の
シール装置の他の実施例を示す図である。上述した図
1、図3とは異なり、流れ方向変換体を分割体26a、
26b、27a、27bに分割して、その間にも流路
を形成し、かつ、流れ方向変換体26a、26b、27
a、27bの鋼帯1の間隙において、流れ方向変換体2
7a、27bと鋼帯1の間隙をより小さく出来るので、
侵入ガスの吸引能力を一層高めることが出来る。ここで
はガス循環流路は、、+、を形成する。
【0073】[実施例3]図7は本発明のカバーの他の
実施例を示す図である。ここではカバーの側端面にシー
ルロールと流体流れ方向変換体の位置関係を固定して矢
印の方向に移動する移動板28a、28bと、それを支
持する支持部材29を設けたものである。
【0074】ここでは移動装置25a、25bを駆動す
ることによって、移動板28a、28bを支持部材29
にメタルタッチにより摺動させることによって、移動板
28a、28bに固定されたシールロール22a、22
bと流体流れ方向変換体23a、23bを所定の位置に
移動して設定させる。
【0075】本発明のシール装置によれば装置内のシー
ルロール22a、22bと流体流れ方向変換体23a、
23bの位置関係を変えることなく、鋼帯の厚さの変化
に順応させて、適切に設定することが出来る。
【0076】[実施例4]図8は鋼帯の板幅が変わった
場合のシールロール端部側のシール機構の一実施例を示
す図である。ここではシール装置のカバー24の入側面
の両端にダミー板30a、30bを摺動可能に設けて、
シール装置内に挿入し、シールロール22a、22bに
軽く接触するように位置決めして固定する。
【0077】ダミー板30a、30bの鋼帯端面側はT
字状にして、鋼帯の横振れに追従するように位置決めす
るのが好ましい。ダミー板はゴム板等の弾性体を用いる
ことが出来る。これは鋼帯、シールロールに傷をつけな
いようにするためである。
【0078】尚、ダミー板30a、30bのシールロー
ル22a、22bと接触させる先端部はT字状の部分を
切欠いている。シールロールとの接触を円滑にするため
である。
【0079】本発明のシール装置を備えた熱処理炉によ
れぱ、鋼帯等の金属帯の幅が変化してもシールロールの
端部側からのガスの侵入が防止出来るので、シール装置
の機能を一層発揮することが出来る。
【0080】以上のように、本発明によれば、シール装
置内に、シールロールの回転により駆動されるガスの自
己循環流路を形成するという安価な手段のみによって、
高速搬入速度で操業する連続焼鈍炉等連続熱処理炉にお
いて、炉入側から金属帯に随伴して炉内に侵入する空気
量を抑制することが可能で、炉内での金属帯の酸化を防
止し、美麗な製品を得ることが出来る。
【0081】また、炉圧、雰囲気ガス使用量ともに、従
来の低速の連続熱処理炉での値と殆ど同じで、初期の設
備費、運転費ともに安価である。
【0082】
【発明の効果】本発明の連続熱処理炉によれば、高速搬
送速度で金属帯を熱処理炉に送給しても、雰囲気ガス使
用量を大幅に増加させることなく、所定の炉内雰囲気を
維持して、金属帯を熱処理できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による一実施例の全体を示す図である。
【図2】本発明の主要な構成のシール装置の説明図であ
る。
【図3】本発明の主要な構成のシール装置の一実施例を
示す図である。
【図4】本発明の主要な構成のシール装置のカバーの一
実施例を示す図である。
【図5】本発明による鋼帯の搬送速度を変えた場合の炉
内酸素濃度を所定値に抑制するために必要な炉内雰囲気
ガス使用量を示した図である。
【図6】本発明の主要な構成のシール装置の他の実施例
を示す図である。
【図7】本発明の主要な構成のシール装置のカバーの他
の実施例を示す図である。
【図8】本発明の主要な構成のシール装置の鋼帯幅変更
に対応するシールロール端部側のシール機構の一実施例
を示す図である。
【図9】従来の熱処理炉入側に設置されているシール装
置の一例を示す図である。
【記号の説明】
1 鋼帯 2 熱処理炉 2a 入側開口部 3 ダクト 4a、4b シールロール 5 炉壁 20 焼鈍炉本体 20a 加熱帯 20b 均熱帯 20c 徐冷帯 20d 急冷帯 21 シール装置 22a、22b シールロール 23a、23b 流体流れ方向変換体 24 カバー 24a、24b 分割カバー 24c24d 補助カバー 25a、25b 移動装置 26a、26b 27a、27b 体流れ方向変換分割
体 28a、28b 移動板 29 支持部材 30a、30b ダミー板

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炉の入側に、金属帯を挟むように一対の
    シールロールと流体流れ方向変換体、そのシールロール
    と流体流れ方向変換体に対して間隙をおいて設けたカバ
    ーを配設したことを特徴とする連続熱処理炉。
JP14475494A 1994-06-27 1994-06-27 連続熱処理炉 Pending JPH0813045A (ja)

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JP14475494A JPH0813045A (ja) 1994-06-27 1994-06-27 連続熱処理炉

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010509492A (ja) * 2006-10-27 2010-03-25 エス・エム・エス・ジーマーク・アクチエンゲゼルシャフト ストリップゲート
KR20190072112A (ko) * 2017-12-15 2019-06-25 주식회사 포스코 전기강판 소둔로의 실링장치

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010509492A (ja) * 2006-10-27 2010-03-25 エス・エム・エス・ジーマーク・アクチエンゲゼルシャフト ストリップゲート
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