JPH11236622A - 連続焼鈍炉における鋼帯の冷却方法 - Google Patents

連続焼鈍炉における鋼帯の冷却方法

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JPH11236622A
JPH11236622A JP4344898A JP4344898A JPH11236622A JP H11236622 A JPH11236622 A JP H11236622A JP 4344898 A JP4344898 A JP 4344898A JP 4344898 A JP4344898 A JP 4344898A JP H11236622 A JPH11236622 A JP H11236622A
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JP
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cooling
steel strip
tension
gas jet
cooling device
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Application number
JP4344898A
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English (en)
Inventor
Hiroyuki Oshida
裕之 押田
Shuho Kobayashi
秀峰 小林
Yutaka Kuze
裕 久世
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JFE Engineering Corp
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NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】鋼帯を冷却速度20℃/秒以上で冷却するガス
ジェット冷却装置とロール冷却装置を併用して鋼帯を冷
却する方法における、鋼帯のバタツキ,C反りあるいは
絞り等の板変形を防止し均一なる冷却を可能とする、連
続焼鈍炉における鋼帯の冷却方法を提供する。 【解決手段】連続焼鈍プロセスの冷却帯において、鋼帯
を、冷却速度20℃/秒以上で冷却するガスジェット冷
却装置とロール冷却装置を併用して冷却する方法におい
て、ガスジェット冷却時の鋼帯張力:Tを、0.8〜
2.5kgf/mm2 の範囲で、且つ(操業炉内鋼帯張
力)<T<(ロール冷却時の鋼帯張力)に制御すること
を特徴とする、連続焼鈍炉における鋼帯の冷却方法。但
し、操業炉内鋼帯張力:0.4〜1.5kgf/mm
2 、ロール冷却時の鋼帯張力:2〜5kgf/mm2

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、連続焼鈍炉におけ
る鋼帯の冷却方法に関する。
【0002】
【従来の技術】冷却ロールによる鋼帯の冷却は冷却速度
が大きく、鋼帯表面に酸化膜の発生がないため、連続焼
鈍炉等に数多く適用されている。だが、鋼帯温度が高い
場合、冷却ロールと鋼帯の温度差が非常に大きくなり、
冷却ロールに均一に接触させることが難しくなる。その
ため、鋼帯温度が不均一になるとともに、冷却による熱
収縮などの熱応力の不均一も発生し、鋼帯の形状を乱す
原因となる。
【0003】そこで、ロール冷却装置前後に張力保持装
置を設けロール冷却帯の張力を炉内張力よりも高くする
方法や、ロール冷却開始に対し鋼帯の形状不良が発生し
ない温度まで鋼帯をガスジェット冷却する方法,更に、
板厚別に高速ガスジェット冷却とロール冷却を使い分け
る方法が試みられてきた(例えば、特開昭59−204
28号公報,特開昭59−23826号公報,特開昭6
0−128220号公報,特開昭61−194119号
公報)。
【0004】しかし、近年、50%以上の高水素濃度か
らなる非酸化ガスの使用,高熱伝達率が得られるノズル
の開発により、高速ガスジェット冷却が可能となった。
そこで、高速ガスジェット冷却装置とロール冷却装置を
全ての鋼帯サイズにおいて併用して使用する方法が実用
化されつつある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た従来の冷却方式には、それぞれ最適な鋼帯の張力範囲
があり、その最適なる張力で制御されていないと、スト
リップ不均一冷却,板変形の原因となる。
【0006】例えば、鋼帯を20℃/秒以上で冷却する
高速ガスジェット冷却法では鋼帯の冷却速度を大きくす
る目的でガス流速を速くするため、鋼帯を振動させる力
が増大し、鋼帯のバタツキ,C反り(即ち、鋼帯が板幅
方向に対して湾曲した状態をいい、温度分布の不均一で
発生する。)を発生しやすい。
【0007】そのため、徐冷帯又は板幅方向温度分布均
一化に使用されている従来のガスジェット冷却のよう
に、加熱,冷却量があまり大きくなく安定した鋼帯の通
板が得られる通常の操業炉内張力と同じ設定値にすると
上記のような問題が発生するため、操業炉内張力に対し
て張力のアップが必要となる。
【0008】また、ロール冷却法では、張力値が低いと
ロールとの接触面圧が小さくなり、温度分布が不均一に
なりやすく、鋼帯の形状が乱れる。また、張力値が高す
ぎると、鋼帯温度が300〜700℃であるため、絞り
等の塑性変形やネッキングを発生しやすい。これらの現
象は、鋼帯板厚が小さい程発生しやすい。
【0009】そのため、ロール冷却では、前後に張力保
持装置を設置し、適正な張力になるよう張力制御してい
る。だが、このロール冷却での適正張力は、特開昭59
−20428号公報で示されているように、2〜5kg
f/mm2 であり、従来の図12(a)のような装置構
成(即ち、ガスジェット冷却装置の前とロール冷却装置
の後に張力保持装置を設置)の場合では、ガスジェット
冷却において鋼帯のネッキング,絞り等の板変形が発生
し、ガスジェット冷却装置の後段に位置するロール冷却
装置における不均一冷却の原因となる。また、ガスジェ
ット冷却方式に準拠する,もしくはガスジェット冷却と
ロール冷却方式の適正張力の中間値に設定すると、鋼帯
の高温下においては、ロール冷却における接触面圧が低
くなり、冷却ムラが発生する。
【0010】また、従来の図12(b)のような装置構
成の場合、ロール冷却装置前後の張力保持装置により、
ロール冷却装置の張力を適正張力、例えば図13の斜線
部(パターン1)で示すように、2〜5kgf/mm2
の範囲内に設定することは可能である。
【0011】だが、鋼帯を20℃/秒以上で冷却するガ
スジェット冷却を併用して用いる場合では、鋼帯のバタ
ツキ,C反りを抑制するため、前述のように操業炉内張
力に対して張力のアップが必要となる。
【0012】さらに、高速ガスジェット冷却とロール冷
却を組み合わせた冷却方式の場合、鋼帯サイズ,ライン
速度の変更においては、応答性の早い高速ガスジェット
冷却,応答性の遅いロール冷却の順番に冷却量の調整が
行われる場合が多い(特開昭60−128220号公
報)。
【0013】だが、高速ガスジェット冷却及びロール冷
却では、冷却開始温度と冷却量により適正張力が異なっ
てしまう。そのため、例えば、高速ガスジェット冷却と
ロール冷却より構成されており、最大負荷で操業されて
いない、もしくは冷却能力に余裕がある場合、図14
(a),(b)に示すように、 (1)ライン速度が増速された場合、高速ガスジェット
での冷却負荷が大となり、ガス流速が増大するため、高
速ガスジェット冷却での鋼帯のバタツキは大きくなる。
【0014】(2)ライン速度が減速された場合、ロー
ル冷却の応答性が悪いため、高速ガスジェットでの冷却
量:小としなければならず、ガスジェット冷却におい
て、過剰張力による鋼帯の板変形が発生しやすくなる。
【0015】また、鋼帯サイズ変更時も同様に、冷却開
始温度,冷却量変化に伴い、張力変更すべきである。し
かし、従来の装置構成の図12(a),(b)では、上
記のような鋼帯サイズ及びライン速度の変更の際の冷却
開始温度,冷却量変化に伴う張力変更は困難であった。
【0016】さらに、鋼帯を冷却速度20℃/秒以上で
冷却するガスジェット冷却装置を有し、そのガスジェッ
ト冷却装置が複数の冷却ゾーンに分割されている場合、
鋼帯サイズ,ライン速度の変更に伴う冷却量変化を任意
に選定された冷却ゾーンにて補償するときにおいても同
様であり、任意に選定された冷却ゾーンにおける張力を
鋼帯サイズ,ライン速度の変更に伴い変更した方がよ
い。
【0017】本発明の目的は、上記のような問題を解決
するために、鋼帯を冷却速度20℃/秒以上で冷却する
ガスジェット冷却装置のみまたは冷却速度20℃/秒以
上で冷却するガスジェット冷却装置とロール冷却装置を
併用して鋼帯を冷却する方法における、鋼帯のバタツ
キ,C反りあるいは絞り等の板変形を防止し均一なる冷
却を可能とする、連続焼鈍炉における鋼帯の冷却方法を
提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決し目的を
達成するために、本発明は以下に示す手段を用いてい
る。 (1)本発明の冷却方法は、連続焼鈍プロセスの冷却帯
において、鋼帯を、冷却速度20℃/秒以上で冷却する
ガスジェット冷却装置とロール冷却装置を併用して冷却
する方法において、ガスジェット冷却時の鋼帯張力:T
を、0.8〜2.5kgf/mm2 の範囲で、且つ(操
業炉内鋼帯張力)<T<(ロール冷却時の鋼帯張力)に
制御することを特徴とする、連続焼鈍炉における鋼帯の
冷却方法である。
【0019】但し、操業炉内鋼帯張力:0.4〜1.5
kgf/mm2 、ロール冷却時の鋼帯張力:2〜5kg
f/mm2 。 (2)本発明の冷却方法は、連続焼鈍プロセスの冷却帯
において、鋼帯を、冷却速度20℃/秒以上で冷却する
ガスジェット冷却装置とロール冷却装置を併用して冷却
する方法において、鋼帯の種類、寸法、冷却条件、ライ
ン速度を変更する場合の冷却量変化をガスジェット冷却
時のガス吹付流量を増減させて補償するとき、このガス
吹付流量の増減に応じてガスジェット冷却時の鋼帯張力
を所定の値に制御することを特徴とする、連続焼鈍炉に
おける鋼帯の冷却方法。
【0020】(3)本発明の冷却方法は、連続焼鈍プロ
セスの冷却帯において、鋼帯を、冷却速度20℃/秒以
上で冷却し且つ複数の冷却ゾーンに分割されたガスジェ
ット冷却装置でガスジェット冷却する方法において、鋼
帯の種類、寸法、冷却条件、ライン速度を変更する場合
の冷却量変化を、複数の冷却ゾーンに分割されたガスジ
ェット冷却装置から選択された冷却ゾーンのガス吹付流
量を増減させて補償するとき、このガス吹付流量の増減
に応じて選択された冷却ゾーンの鋼帯張力を所定の値に
制御することを特徴とする、連続焼鈍炉における鋼帯の
冷却方法である。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明者らは、上記の課題を解決
すべく、鋭意研究を重ねた結果、鋼帯を冷却速度20℃
/秒以上で冷却するガスジェット冷却装置とロール冷却
装置を併用して用いる冷却装置において、鋼帯のバタツ
キ,C反りあるいは絞り等の板変形を防止し均一なる冷
却を行うためには、ガスジェット冷却時の鋼帯張力を、
操業炉内鋼帯張力より高くかつロール冷却時の鋼帯張力
よりも低い値に制御することが有効であるという知見を
得た。
【0022】この知見に基づき、本発明者らは、連続焼
鈍プロセスの冷却帯において、鋼帯を、冷却速度20℃
/秒以上で冷却するガスジェット冷却装置でガスジェッ
ト冷却した後、ロール冷却装置でロール冷却する際に、
ガスジェット冷却時の鋼帯張力を、一定範囲内に制御す
るようにして、また、連続焼鈍プロセスの冷却帯におい
て、鋼帯を、冷却速度20℃/秒以上で冷却し且つ複数
の冷却ゾーンに分割されたガスジェット冷却装置でガス
ジェット冷却する際に、鋼帯の種類、寸法、冷却条件、
ライン速度を変更する場合の冷却量変化を、複数の冷却
ゾーンから任意に選択された冷却ゾーンのガス吹付流量
を増減させて補償するとき、このガス吹付流量の増減に
応じて選択された冷却ゾーンの鋼帯張力を所定の値に制
御するようにして、冷却速度20℃/秒以上で冷却する
ガスジェット冷却装置のみまたは冷却速度20℃/秒以
上で冷却するガスジェット冷却装置とロール冷却装置を
併用して用いる冷却装置において、鋼帯のバタツキ,C
反りあるいは絞り等の板変形を防止し均一なる冷却を可
能とする、連続焼鈍炉における鋼帯の冷却方法を見出
し、本発明を完成させた。
【0023】以下に本発明の実施の形態について説明す
る。 (第1実施形態)本発明の第1実施形態に係る連続焼鈍
炉における鋼帯の冷却方法は、連続焼鈍プロセスの冷却
帯(即ち、一般的に冷却装置とその冷却装置に付随する
装置(例えば張力保持装置)が組み込まれているゾーン
の総称。)において、鋼帯を、冷却速度20℃/秒以上
で冷却するガスジェット冷却装置とロール冷却装置を併
用して冷却する方法において、ガスジェット冷却時の鋼
帯張力:Tを、0.8〜2.5kgf/mm2 の範囲
で、且つ(操業炉内鋼帯張力)<T<(ロール冷却時の
鋼帯張力)に制御することを特徴とする。
【0024】但し、操業炉内鋼帯張力:0.4〜1.5
kgf/mm2 、ロール冷却時の鋼帯張力:2〜5kg
f/mm2 。通常の操業炉内張力は、加熱,均熱帯での
鋼帯の絞り等を防止するために、0.4〜1.5kgf
/mm2 の範囲で操業されている場合が多い(但し、こ
の張力は鋼帯種類,寸法,鋼帯温度により決定され
る。)。しかし、冷却速度20℃/秒以上の高速ガスジ
ェット冷却においては、ガス流速を速くするため、鋼帯
を振動させる力が増大し、鋼帯のバタツキ,C反り等が
発生しやすくなる。そこで、ガスジェット冷却装置の鋼
帯張力を0.8〜2.5kgf/mm2 の範囲で操業炉
内張力よりも高く且つロール冷却装置における張力より
も低い値にて制御することにより、鋼帯のバタツキ,C
反り及び過剰な張力による鋼帯の絞り等板変形を抑制す
ることができる。
【0025】ここで、ガスジェット冷却の鋼帯張力範囲
の下限値(0.8kgf/mm2 )は、板厚が大きく広
幅の場合の張力であり、上限値(2.5kgf/mm
2 )は板厚が小さく狭幅の場合の張力である。
【0026】図1は、鋼帯の連続焼鈍プロセスにおける
冷却帯において、本発明の第1実施形態に係る装置構成
が適用された状態のものを示す説明図である。加熱・均
熱され更に徐冷されてきた鋼帯Xは、ガスジェット冷却
装置1の前段に設置された張力保持装置A及び後段に設
置された張力保持装置Bにて、0.8〜2.5kgf/
mm2 の張力範囲内の適正張力に設定される。この際、
ガスジェット冷却装置1の張力は、このガスジェット冷
却装置1の前段もしくは後段(即ち、張力保持装置Aと
Bの間)に配置した張力測定装置Pにて検出し張力設定
する。
【0027】その後、鋼帯Xは、ロール冷却装置2の前
段に設置されている張力保持装置B及び後段に設置され
ている張力保持装置Cにて、2〜5kgf/mm2 の張
力範囲内のロール冷却装置2に適した張力(即ち、ガス
ジェット冷却装置1,3の張力よりも高い張力)に設定
される。この際も、ガスジェット冷却装置1の場合と同
様に、ロール冷却装置2の前段もしくは後段(即ち、張
力保持装置BとCの間)に配置した張力測定装置Qにて
検出し張力設定する。
【0028】さらに、鋼帯Xは、ガスジェット冷却装置
3の前段に設置されている張力保持装置C及び後段に設
置されている張力保持装置Dにて、ガスジェット冷却装
置1と同様に、0.8〜2.5kgf/mm2 の張力範
囲内の適正張力に設定される。この際も、ガスジェット
冷却装置1の場合と同様に、ガスジェット冷却装置3の
前段もしくは後段に配置した張力測定装置R(即ち、張
力保持装置CとDの間)にて検出し張力設定する。
【0029】ここで、図2に上記の本発明の第1実施形
態に係る装置構成の場合の冷却パターンの一例,図3に
その張力パターンの一例を示す。図2に示すように、鋼
帯温度は、ガスジェット冷却装置1、ロール冷却装置
2、及びガスジェット冷却装置3によって、それぞれ一
定の鋼帯温度まで冷却される。この際の、ガスジェット
冷却装置1,3の鋼帯張力Tは、図3の斜線で示すよう
に、本発明の範囲((操業炉内鋼帯張力)<T<(ロー
ル冷却時の鋼帯張力:2〜5kgf/mm2 ))を満た
すように、それぞれ、0.8〜2.5kgf/mm2
範囲内で制御される。
【0030】ここでは、ガスジェット冷却装置1,ロー
ル冷却装置2,ガスジェット冷却装置3の連結からなる
装置構成で説明したが、ガスジェット冷却装置1,ロー
ル冷却装置2のみの連結,あるいは、ロール冷却装置
2,ガスジェット冷却装置3のみの連結でも同様であ
る。
【0031】(第2実施形態)本発明の第2実施形態に
係る連続焼鈍炉における鋼帯の冷却方法は、連続焼鈍プ
ロセスの冷却帯において、鋼帯を、冷却速度20℃/秒
以上で冷却するガスジェット冷却装置とロール冷却装置
を併用して冷却する方法において、鋼帯の種類、寸法、
冷却条件、ライン速度を変更する場合の冷却量変化をガ
スジェット冷却時のガス吹付流量を増減させて補償する
とき、このガス吹付流量の増減に応じてガスジェット冷
却時の鋼帯張力を所定の値に制御することを特徴とす
る。
【0032】故に、鋼帯処理量あるいは冷却量が大きく
なった場合においては、鋼帯張力値を増加させることに
より、鋼帯のバタツキ等を抑制することができる。さら
に、鋼帯処理量あるいは冷却量が小さくなった場合にお
いては、鋼帯張力値を減少させることにより、過剰張力
による鋼帯の板変形を防止できる。
【0033】図4に、本発明の第2実施形態に係る装置
構成が適用された状態のものを示す。加熱・均熱され更
に徐冷されてきた鋼帯Xは、ガスジェット冷却装置11
の前段に設置された張力保持装置A及び後段に設置され
た張力保持装置Bにて、所定の張力範囲内の適正張力に
設定される。この際、ガスジェット冷却装置11の張力
は、このガスジェット冷却装置11の前段もしくは後段
(即ち、張力保持装置AとBの間)に配置した張力測定
装置Pにて検出し張力設定する。
【0034】その後、鋼帯Xは、ロール冷却装置21の
前段に設置されている張力保持装置B及び後段に設置さ
れている張力保持装置Cにて、所定の張力範囲内のロー
ル冷却装置21に適した張力(即ち、ガスジェット冷却
装置11の張力よりも高い張力であり、2〜5kgf/
mm2 にすることが望ましい。)に設定される。この際
も、ガスジェット冷却装置11の場合と同様に、ロール
冷却装置21の前段もしくは後段に配置した張力測定装
置Qにて検出し張力設定する。
【0035】ここで、鋼帯の種類、寸法、冷却条件、ラ
イン速度の変更の際の冷却量変化は応答性の速いガスジ
ェット冷却で補償するものとする。図5の冷却パターン
の一例に示すように、鋼帯Xは、ガスジェット冷却装置
11によって、鋼帯温度Teから一定の鋼帯温度Tcま
で冷却された後、ロール冷却装置21にて所定の鋼帯温
度Tdまで冷却される。
【0036】今、鋼帯のライン速度が増速された場合、
前述したように、冷却量変化を補償するために、ガスジ
ェット冷却装置11の吹付ガス流量を大きくする必要が
あり、ガス流速が増大するため、ガスジェット冷却での
鋼帯のバタツキが発生しやすくなる。そこで、増速され
るに伴い、鋼帯張力を増加していき、鋼帯バタツキを抑
制する。
【0037】これらの関係を図6(a)に示す。また、
図6(b)は、鋼帯のライン速度減速時の各設定値の経
時変化である。図6(b)に示すように、鋼帯のライン
速度が減速された場合、前述したように、ロール冷却の
応答性が悪いため、ガスジェット冷却装置11の吹付ガ
ス流量を小さくする必要があり、ガスジェット冷却にお
いて、過剰張力による鋼帯の板変形が発生しやすくな
る。
【0038】そこで、減速されるに伴い、鋼帯張力を減
少していき、鋼帯の板変形を防止する。ここでは、ガス
ジェット冷却装置11,ロール冷却装置21の連結から
なる装置構成で説明したが、図7に示すように、ロール
冷却装置20,ガスジェット冷却装置30の連結でも同
様である。この場合の冷却パターンは、図8に示すよう
に、鋼帯Xがロール冷却装置20によって鋼帯温度Te
から一定の鋼帯温度Tcまで冷却された後、ガスジェッ
ト冷却装置30にて所定の鋼帯温度Tdまで冷却され
る。また、鋼帯のライン速度増速時・減速時のガスジェ
ット冷却における鋼帯の張力設定値の経時変化は、前述
した図6と同様である。
【0039】(第3実施形態)本発明の第3実施形態に
係る連続焼鈍炉における鋼帯の冷却方法は、連続焼鈍プ
ロセスの冷却帯において、鋼帯を、冷却速度20℃/秒
以上で冷却し且つ複数の冷却ゾーンに分割されたガスジ
ェット冷却装置でガスジェット冷却する方法において、
鋼帯の種類、寸法、冷却条件、ライン速度を変更する場
合の冷却量変化を、複数の冷却ゾーンに分割されたガス
ジェット冷却装置から選択された冷却ゾーンのガス吹付
流量を増減させて補償するとき、このガス吹付流量の増
減に応じて選択された冷却ゾーンの鋼帯張力を所定の値
に制御することを特徴とする。
【0040】故に、鋼帯処理量あるいは冷却量が大きく
なった場合においては、選択された冷却ゾーンの鋼帯張
力値を増加させることにより、鋼帯のバタツキ等を抑制
することができる。さらに、鋼帯処理量あるいは冷却量
が小さくなった場合においては、選択された冷却ゾーン
の鋼帯張力値を減少させることにより、過剰張力による
鋼帯の板変形を防止できる。
【0041】図9に、本発明の第3実施形態に係る装置
構成が適用された状態のものを示す。加熱・均熱され更
に徐冷されてきた鋼帯Xは、ガスジェット冷却装置31
の前段に設置された張力保持装置A及び後段に設置され
た張力保持装置Bにて、所定の張力範囲内の適正張力に
設定される。この際、ガスジェット冷却装置31の張力
は、このガスジェット冷却装置31の前段もしくは後段
(即ち、張力保持装置AとBの間)に配置した張力測定
装置Pにて検出し張力設定する。
【0042】その後、鋼帯Xは、ガスジェット冷却装置
32の前段に設置された張力保持装置B及び後段に設置
された張力保持装置Cにて、所定の張力範囲内の適正張
力に設定される。この際、ガスジェット冷却装置32の
張力は、このガスジェット冷却装置32の前段もしくは
後段(即ち、張力保持装置BとCの間)に配置した張力
測定装置Qにて検出し張力設定する。
【0043】さらに、鋼帯Xは、ガスジェット冷却装置
33の前段に設置された張力保持装置C及び後段に設置
された張力保持装置Dにて、所定の張力範囲内の適正張
力に設定される。この際、ガスジェット冷却装置33の
張力は、このガスジェット冷却装置33の前段もしくは
後段(即ち、張力保持装置CとDの間)に配置した張力
測定装置Rにて検出し張力設定する。このとき、張力保
持装置AとB間,BとC間,CとD間における張力は、
0.8〜2.5kgf/mm2 にすることが望ましい。
【0044】上記の装置構成に示すように、ガスジェッ
ト冷却装置が複数の冷却ゾーン(31、32、33)に
分割されており、鋼帯の種類、寸法、冷却条件、ライン
速度の変更の際の冷却量変化を任意に選定された冷却ゾ
ーンにて補償する場合も本発明の第2実施形態と同様で
あり、冷却パターンの一例を図10に、これらの各設定
値の経時変化を図11(a),(b)に示す。
【0045】図10の冷却パターンの一例に示すよう
に、鋼帯Xは、ガスジェット冷却装置31,32,33
によって、それぞれ一定の鋼帯温度Tc1,Tc2,T
dまで冷却される。
【0046】ここで、鋼帯の種類、寸法、冷却条件、ラ
イン速度の変更の際の冷却量変化は選定された冷却ゾー
ンのガスジェット冷却で補償するものとする。今、鋼帯
のライン速度が増速された場合、第2実施形態で述べた
ように、冷却量変化を補償するために、選定された冷却
ゾーン(ガスジェット冷却装置32)の吹付ガス流量を
大きくする際、鋼帯のバタツキが発生しやすくなる。そ
こで、増速されるに伴い、選定された冷却ゾーン(ガス
ジェット冷却装置32)の鋼帯張力を増加していき、鋼
帯バタツキを抑制する。
【0047】これらの関係を図11(a)に示す。ま
た、図11(b)は、鋼帯のライン速度減速時の各設定
値の経時変化である。
【0048】図11(b)に示すように、鋼帯のライン
速度が減速された場合、第2実施形態で述べたように、
選定された冷却ゾーン(ガスジェット冷却装置32)の
吹付ガス流量を小さくする際、ガスジェット冷却におい
て、過剰張力による鋼帯の板変形が発生しやすくなる。
そこで、減速されるに伴い、選定された冷却ゾーン(ガ
スジェット冷却装置32)の鋼帯張力を減少していき、
鋼帯の板変形を防止する。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ガスジェット冷却時の鋼帯張力を適正値に制御すること
により、鋼帯を冷却速度20℃/秒以上で冷却するガス
ジェット冷却装置のみ、またはこのガスジェット冷却装
置とロール冷却装置を併用して鋼帯を冷却する方法にお
いて、鋼帯のバタツキ,C反りあるいは絞り等の板変形
を防止し均一なる冷却が可能となった。
【0050】また、従来の方法では困難であった鋼帯サ
イズ及びライン速度の変更の際の冷却開始温度,冷却量
変化に伴う張力変更が可能となり、不適切な張力設定に
よって発生する不均一冷却,板変形を防止することがで
きるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る冷却装置構成の一
例を示す図。
【図2】本発明の第1実施形態に係る冷却パターンの一
例を示す図。
【図3】本発明の第1実施形態に係る鋼帯張力パターン
の一例を示す図。
【図4】本発明の第2実施形態に係る冷却装置構成の一
例を示す図。
【図5】本発明の第2実施形態に係る冷却パターンの一
例を示す図。
【図6】本発明の第2実施形態に係る操業条件変更時に
おける張力設定値の経時変化を示す概略図。(a)はラ
イン増速時の設定値の経時変化を示す概略図。(b)は
ライン減速時の設定値の経時変化を示す概略図。
【図7】本発明の第2実施形態に係る他の冷却装置構成
の一例を示す図。
【図8】本発明の第2実施形態に係る他の冷却パターン
の一例を示す図。
【図9】本発明の第3実施形態に係る冷却装置構成の一
例を示す図。
【図10】本発明の第3実施形態に係る冷却パターンの
一例を示す図。
【図11】本発明の第3実施形態に係る操業条件変更時
における張力設定値の経時変化を示す概略図。(a)は
ライン増速時の設定値の経時変化を示す概略図。(b)
はライン減速時の設定値の経時変化を示す概略図。
【図12】従来のガスジェット冷却装置とロール冷却装
置を併用した冷却装置の構成を示す図。(a)は、ガス
ジェット冷却装置入側とロール冷却装置出側に張力保持
装置を設置した場合の装置構成図。(b)は、ロール冷
却装置前後に張力保持装置を設置した場合の装置構成
図。
【図13】従来の装置構成における鋼帯張力パターンを
示す図。
【図14】従来の冷却装置による操業条件変更時におけ
る冷却負荷の変化を示す図。(a)はライン増速時の冷
却負荷変化を示す図。(b)はライン減速時の冷却負荷
変化を示す図。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 連続焼鈍プロセスの冷却帯において、鋼
    帯を、冷却速度20℃/秒以上で冷却するガスジェット
    冷却装置とロール冷却装置を併用して冷却する方法にお
    いて、 ガスジェット冷却時の鋼帯張力:Tを、0.8〜2.5
    kgf/mm2 の範囲で、且つ(操業炉内鋼帯張力)<
    T<(ロール冷却時の鋼帯張力)に制御することを特徴
    とする、連続焼鈍炉における鋼帯の冷却方法。但し、操
    業炉内鋼帯張力:0.4〜1.5kgf/mm2 、ロー
    ル冷却時の鋼帯張力:2〜5kgf/mm2
  2. 【請求項2】 連続焼鈍プロセスの冷却帯において、鋼
    帯を、冷却速度20℃/秒以上で冷却するガスジェット
    冷却装置とロール冷却装置を併用して冷却する方法にお
    いて、 鋼帯の種類、寸法、冷却条件、ライン速度を変更する場
    合の冷却量変化をガスジェット冷却時のガス吹付流量を
    増減させて補償するとき、このガス吹付流量の増減に応
    じてガスジェット冷却時の鋼帯張力を所定の値に制御す
    ることを特徴とする、連続焼鈍炉における鋼帯の冷却方
    法。
  3. 【請求項3】 連続焼鈍プロセスの冷却帯において、鋼
    帯を、冷却速度20℃/秒以上で冷却し且つ複数の冷却
    ゾーンに分割されたガスジェット冷却装置でガスジェッ
    ト冷却する方法において、 鋼帯の種類、寸法、冷却条件、ライン速度を変更する場
    合の冷却量変化を、複数の冷却ゾーンに分割されたガス
    ジェット冷却装置から選択された冷却ゾーンのガス吹付
    流量を増減させて補償するとき、このガス吹付流量の増
    減に応じて選択された冷却ゾーンの鋼帯張力を所定の値
    に制御することを特徴とする、連続焼鈍炉における鋼帯
    の冷却方法。
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