JPS5820460Y2 - 自動車用吊り天井の支持装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、自動車の吊り天井を吊持するリスティング
ワイヤの支持装置に関するものである。

塩化ビニールレザーあるいはファブリツク等で構成され
た表皮を硬鋼線等で代表されるリスティングワイヤで吊
り上げた吊り天井にあっては、ルーフパネル下面の凹面
になじんだ端末までカバリングできるので各種の自動車
に多用されつつある。

このような吊り天井を支持させるために、従来テハ、リ
スティングワイヤの端部をルーフレールのインナパネル
又はピラーのインナパネルに係止させているが、このよ
うにしたものでは、前記インナパネル間の組立誤差及び
リスティングワイヤの端末処理の誤差が生じた場合には
、リスティングワイヤが安定せず、吊り上げ力が不足す
ることがある。

このような組み立て誤差等を吸収させるためには、リス
ティングワイヤの端部をインナパネル又はアウタパネル
等に衝接させて両者の位置決めを行わせればよい。

ところが、リスティングワイヤの端部にストッパ部を形
成すると、表皮の裏面に形成される袋を大きくしなげれ
ばリスティングワイヤの挿通性が悪化するので、表皮と
ルーフパネルとの間の空間（デッドスペース）が大きく
なり、室内スペースを広くできない欠点がある。

従って、これを解消するためには、リスティングワイヤ
の端末をストレートに近い形状とし、これをインナパネ
ルとアウタパネルとの間に挿入してアウタパネルに形成
した段部又はコーナ一部分にワイヤの端部を衝接係止さ
せればよいのであるが、ピラーのアウタパネルには段部
等が形成されていないので、従来ではアウタパネルの内
面に別部品のストフパを固定し、このストフパによって
リスティングワイヤを保止させていたため、部品点数が
増加して吊り天井のコストが高くなる欠点があった。

この考案は、このような実情に鑑みてなされたものであ
って、極めて簡単な構成により、かつ、部品点数を増加
させることなくリスティングワイヤを安定よく確実に支
持できる吊り天井の支持装置を提供するものである。

以下、添付図面に示された一実施例に基づいてこの考案
を詳細に説明する。

図において、１はトランクのキャブであって、バンクウ
ィンド２を設けたパンツパネル３、リヤクォータピラー
４、ドア５、ルーフパネル６等を備えてなり、その内部
には吊り天井１を装着している。

吊り天井７は、塩化ビニールレザーあるいはフアブリン
ク等のように可焼性に富むシート材で構成された表皮８
と、この表皮８の裏面に形成された袋８ａに挿通された
左右方向に沿うリスティングワイヤ９とで構成されてい
る。

他方、前記ピラー４はインナパネル４ａとアウタパネル
４ｂとで構成されており、前記インナパネル４ａの上端
近傍にはりスティングワイヤ９を挿通できる切欠部４ｃ
を形成している。

また、前記アウタパネル４ｂには内方に向かう切り曲げ
片４ｄを設け、この切り曲げによってアウタパネル４ｂ
に残存形成された抜き孔４ｅを該パネル４ｂの外面に重
合固定したドリップチャンネル１０の一部で覆うことに
より、前記切り曲げ片４ｄとドリップチャンネル１０と
で斜め上方に向かうコーナ一部４ｆを形成し、前記切欠
部４ｃからピラー４内に挿入したりスティングワイヤ９
の端部を前記コーナ一部４ｆに突入係止させている。

なお、表皮８の他の部分を吊持するリスティングワイヤ
の端部は、図示しないルーフレールのインナパネルに開
設された切欠部からレール内に挿入されてルーフレール
のアウタパネルに形成されたコーナ一部に係止される。

尚、コーナ一部４ｆを形成すべく設けた切り曲げ片４ｄ
に代えてピラー４のアウタパネル４ｂに残存形成された
抜き孔４ｅを該パネル４ｂの外面に重合固定したドリッ
プチャンネル１０で覆っているため、リスティングワイ
ヤ９の端部がアウタパネル４ｂの・外面まで突き抜ける
おそれがなく、安定支持される。

以上説明したように、この考案に係る支持装置によれば
、ピラーのインナパネルに開設した切欠部から挿入した
りスティングワイヤの端部を、ピラーのアウタパネルに
設けた切り曲げ片と該パネルの外面に重合させたドリッ
プチャンネルとで形成した斜め上方に向かうコーナ一部
に突入係合させてリスティングワイヤを二点支持するよ
うに構成しているので、従来のようにリスティングワイ
ヤに端末処理を施すことなくこれを安定よく確実に支持
できる。

このために、表皮に形ａする袋を小さくしてルーフパネ
ルと表皮との間の空間をより小さくできると共に、リス
ティングワイヤ及びピラー等に格別な部品を固定する必
要がなくなり、かつ、リスティングワイヤの形状を単純
化できるので、吊り天井を安価に提供できるのである。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案を適用したトランクのキャブを示す要
部の斜視図、第２図は第１図の１１−［１断面図、第３
図は切り曲げ部分の断面図である。 ４・・・・・・ピラー、４ａ・・・・・・インナパネル
、４ｂ・・・・・・アウタパネル、４ｃ・・・・・・切
欠部、４ｄ・・・・・・切り曲げ片、４ｅ・・・・・・
抜き孔、４ｆ・・・・・・コーナ一部、６・・・・・・
ルーフパネル、Ｉ・・・・・・吊り天井、８・・・・・
・表皮、９・・・・・・リスティングワイヤ、１０・・
・・・・ドリップチャンネル。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 自動車の天井面を形成する表皮を吊り下げ支持するりス
   ティングワイヤの端部をピラーのインナパネルに開設し
   た切欠部からピラー内に挿入させた自動車用吊り天井に
   おいて、前記ピラーのアウタパネルの一部を内方に切り
   曲げ、この切り曲げによってアウタパネルに残存形成さ
   れた抜き孔を該パネルの外面に重合固定したドリップチ
   ャンネルで覆い、該ドリップチャンネルと前記切り曲げ
   片とで形成した上方に向うコーナ一部に前記リスティン
   グワイヤの端部を突入係止させたことを特徴とする自動
   車用吊り天井の支持装置。