JPH1197227A - フェライト磁石およびそれを用いた回転機 - Google Patents

フェライト磁石およびそれを用いた回転機

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JPH1197227A
JPH1197227A JP10192167A JP19216798A JPH1197227A JP H1197227 A JPH1197227 A JP H1197227A JP 10192167 A JP10192167 A JP 10192167A JP 19216798 A JP19216798 A JP 19216798A JP H1197227 A JPH1197227 A JP H1197227A
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洋 岩崎
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 格段に優れた磁気特性、特に従来に比べて高
い残留磁束密度、または高い残留磁束密度と保磁力とを
有した新しい高性能フェライト磁石およびそれを用いた
高性能の回転機を提供する。 【解決手段】 マグネトプランバイト型Srフェライト
磁石のSrサイトをLaで一部置換しているとともにF
eサイトをMn、Co、Niのうちの少なくとも1種以
上で一部置換してなり、かつ実質的にマグネトプランバ
イト型結晶構造を有することを特徴とするフェライト磁
石。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、従来に比べて高い
残留磁束密度または高い残留磁束密度と保磁力とが得ら
れ、実質的にマグネトプランバイト型結晶構造を有する
新しい高性能フェライト磁石に関する。また、本発明は
前記高性能フェライト磁石を用いて構成される回転機に
関する。
【0002】
【従来の技術】フェライト磁石は、モーター、発電器等
の回転機を含む種々の用途に使用されている。最近は特
に自動車用回転機分野では小型・軽量化を目的とし、電
気機器用回転機分野では高効率化を目的としてより高い
磁気特性を有するフェライト磁石が求められている。従
来SrフェライトあるいはBaフェライトの高性能焼結
磁石は以下のように製造されていた。すなわち、酸化鉄
とSrまたはBaの炭酸塩を混合後、仮焼処理によりフ
ェライト化反応を終了させる。仮焼されたクリンカーを
粗粉砕する。粗粉砕された仮焼粉を、焼結挙動の制御を
目的としてSiO2、SrCO3およびCaCO3、さら
には保磁力iHcの制御を目的としてAl23あるいは
Cr2 3等の添加物とともに平均粒径値が0.7〜1.
0μmになるまで微粉砕する。微粉砕されたスラリーを
磁場中で配向させながら湿式成形し成形体とする。成形
体を焼成し、その後製品形状に加工し製品とする。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような製造方法を
前提とした場合、フェライト磁石の高性能化の方法は以
下の5つに大きく分類されると考えられる。第1の方法
は微粒化である。焼成体における結晶粒の大きさが、M
(マグネトプランバイト)型Srフェライト磁石の臨界
単磁区粒子径値である約0.9μmに近いほど保磁力i
Hcは最大となるため、焼成時の結晶粒成長を見込ん
で、微粉砕平均粒径値を例えば0.7μm以下に微粒化
すればよい。しかしながら本方法では、微粒化するほど
湿式成形時の脱水特性が悪くなり、生産効率が落ちると
いう副作用を有する。第2の方法は焼成体の結晶粒の大
きさをできるだけ均一にすることである。理想的には均
一にしてその値を上記の臨界単磁区粒子径値約0.9μ
mとすればよい。この値より大きな結晶粒も小さな結晶
粒も保磁力iHcの低下につながるからである。この方
式による具体的な高性能化の手段は微粉砕粉の粒径分布
を改善することにあるが、工業的生産を前提とした場合
にはボールミルやアトライターなどの既存の粉砕機を用
いらざるを得ず、その改善程度には自ずから限界があ
る。また近年、化学的沈殿法により均一な粒子径を有す
るフェライト微粒子を作製する試みが公表されている
が、工業的大量生産に適合する方式とはいえない。第3
の方法は磁気的異方性を左右する結晶配向度を向上させ
ることである。本方法における具体的手段としては、表
面活性剤を微粉砕スラリーに添加してスラリー中のフェ
ライト粒子の分散性を向上したり、配向時の磁場強度を
強くすること等が挙げられる。第4の方法は焼成体の密
度を向上させることである。Srフェライト焼成体の理
論密度は5.15g/ccである。現在市場に供されて
いるSrフェライト磁石の密度は概ね4.9〜5.0g
/ccの範囲にあり、この値は対理論密度比で95〜9
7%に相当する。高密度化させれば、残留磁束密度Br
の向上が期待されるが、上記の現状値以上に密度を向上
させるためには、HIP等の特殊な高密度化手段が必要
である。しかしながらこのような特殊なプロセスの導入
は製造原価の増加に結びつき、廉価磁石としてのフェラ
イト磁石の特長を失わしめる可能性がある。第5の方法
はフェライト磁石を構成する主組成物であるフェライト
化合物自体の飽和磁化σsを向上させることである。飽
和磁化σsの向上は直接的に残留磁束密度Brの向上へ
結びつく可能性を有している。従来において生産されて
いるフェライト化合物はM(マグネトプランバイト)型
の結晶構造を有している。このM型より大きな飽和磁化
を有するW型フェライトの検討も鋭意行われているもの
の、雰囲気制御の困難さのため量産化が実現されるには
至っていない。このような状況の中で、上記第1〜第4
の方法によりフェライト磁石の高性能化が図られ、代表
特性;Br=4100G、iHc=4000Oeを有す
る高性能フェライト磁石の製品化まで進んでいるのが現
状である。しかしながら、SrO・nFe23で表され
る化合物を主組成物とし上記第1〜第4の方法でこれ以
上の格段の高性能化を図ることは下記の理由により困難
になっている。即ち第1の理由は上記第1〜第4の方法
が生産性に対し副作用ともいうべき悪影響を有していた
り、量産工程を考慮した場合の実現が困難な内容を含ん
でいるためである。第2の理由は磁気特性特に残留磁束
密度値Brが既に理論値に近いレベルに達しているため
である。従って、本発明の目的は上記第5の方法により
格段に優れた磁気特性、特に従来に比べて高い残留磁束
密度、または高い残留磁束密度と保磁力とを有した新し
い高性能フェライト磁石およびそれを用いた高性能の回
転機を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明者らはSrO・nFe23で表すことができ
る組成物のSrおよびFe元素の一部を異種元素で置換
する方法を見い出した。マグネトプランバイト型Srフ
ェライトの磁性はFeイオンの磁気モーメントが担って
おり、この磁気モーメントがFeイオンサイトにより部
分的に反平行方向に配列したフェリ磁性体の磁気構造を
有している。この磁気構造において飽和磁化を向上させ
るためには2つの方法がある。第1の方法は反平行方向
に向いた磁気モーメントに対応するサイトのFeイオン
を、Feイオンより小さな磁気モーメントを有するか非
磁性の別種の元素で置換することである。第2の方法は
平行方向に向いた磁気モーメントに対応するサイトのF
eイオンを、Feイオンより大きな磁気モーメントを有
する別種の元素で置換することである。本発明者らは以
上を念頭におき、Feイオンを種々の元素で置換する検
討を鋭意行った結果、Mn、Co、NiおよびZnが飽
和磁化の向上および磁気特性を改善する元素であること
を見い出した。しかしながら単純に上記元素を加えただ
けでは十分な効果は得られない。なぜならば、Feイオ
ンを別種の元素で置換しようとすると、イオン価数のバ
ランスがくずれ異相が発生してしまうためである。この
現象を回避するために、電荷補償を目的にSrサイトを
別種の元素で置換すればよく、その目的のためにはL
a、Nd、Prが特に有効であることを見い出し本発明
をなしたものである。
【0005】即ち本発明は、マグネトプランバイト型S
rフェライト磁石のSrサイトをLaで一部置換してい
るとともにFeサイトをMn、Co、Niのうちの少な
くとも1種以上で一部置換してなり、かつ実質的にマグ
ネトプランバイト型結晶構造を有するフェライト磁石で
ある。本発明のフェライト磁石において、Srサイトに
おけるLa置換の原子比率が0.05〜0.5であり、
かつ前記FeサイトにおけるMn、Co、Niのうちの
少なくとも1種以上による置換の原子比率が{0.05
/(2.2×6)}〜{0.5/(1.8×5.7)}
であることが従来に比べて高い残留磁束密度または高い
残留磁束密度と保磁力とを得るために好ましい。
【0006】また本発明は、マグネトプランバイト型S
rフェライト磁石のSrサイトをNd、Prのうちの少
なくとも1種以上で一部置換しているとともにFeサイ
トをMn、Co、Ni、Znのうちの少なくとも1種以
上で一部置換してなり、かつ実質的にマグネトプランバ
イト型結晶構造を有するフェライト磁石である。本発明
のフェライト磁石において、SrサイトにおけるNd、
Prのうちの少なくとも1種以上による置換の原子比率
が0.05〜0.5であり、かつ前記Feサイトにおけ
るMn、Co、Ni、Znのうちの少なくとも1種以上
による置換の原子比率が{0.05/(2.2×6)}
〜{0.5/(1.8×5.7)}であることが従来に
比べて高い残留磁束密度または高い残留磁束密度と保磁
力とを得るために好ましい。
【0007】また本発明は、フェライト磁石を用いた回
転機であって、このフェライト磁石がマグネトプランバ
イト型Srフェライト磁石のSrサイトをLaで一部置
換しているとともにFeサイトをMn、Co、Niのう
ちの少なくとも1種以上で一部置換してなり、かつ実質
的にマグネトプランバイト型結晶構造を有する回転機で
ある。本発明において、前記SrサイトにおけるLa置
換の原子比率が0.05〜0.5であり、かつ前記Fe
サイトにおけるMn、Co、Niのうちの少なくとも1
種以上による置換の原子比率が{0.05/(2.2×
6)}〜{0.5/(1.8×5.7)}であることが
従来に比べて高性能の回転機を構成するために好まし
い。
【0008】また本発明は、フェライト磁石を用いた回
転機であって、このフェライト磁石がマグネトプランバ
イト型Srフェライト磁石のSrサイトをNd、Prの
うちの少なくとも1種以上で一部置換しているとともに
FeサイトをMn、Co、Ni、Znのうちの少なくと
も1種以上で一部置換してなり、かつ実質的にマグネト
プランバイト型結晶構造を有する回転機である。本発明
において、SrサイトにおけるNd、Prのうちの少な
くとも1種以上による置換の原子比率が0.05〜0.
5であり、かつ前記FeサイトにおけるMn、Co、N
i、Znのうちの少なくとも1種以上による置換の原子
比率が{0.05/(2.2×6)}〜{0.5/
(1.8×5.7)}であることが従来に比べて高性能
の回転機を構成するために好ましい。
【0009】ここで、本発明のフェライト磁石を、原子
比率で(Sr1-xx)O・n[(Fe1-yy23]、
(R=LaとM=Mn、Co、Niのうちの少なくとも
1種以上との組み合わせ、または、R=Nd、Prのう
ちの少なくとも1種以上とM=Mn、Co、Ni、Zn
のうちの少なくとも1種以上との組み合わせ)、で表す
場合に、nの値を5.7〜6とすることが従来に比べて
高い磁気特性を得るためによい。xは本発明のフェライ
ト磁石のSrサイトにおけるR元素による置換の原子比
率、yはFeサイトにおけるM元素による置換の原子比
率である。前記SrサイトにおけるR元素による置換の
原子比率xが0.05未満であれば本発明に関わる有意
の効果が認められず、0.5を越えれば逆に磁気特性が
低下する。また、前記FeサイトにおけるM元素による
置換の原子比率yを{0.05/(2.2×6)}〜
{0.5/(1.8×5.7)}とすることが電荷補償
の目的を実現し、本発明の効果を実質的に保持するため
に非常に重要である。さらに、上記本発明のフェライト
磁石において、重量比率で0.4〜0.5%のSiO
および0.35〜0.55%のCaOを含有することが
後述の通り実用上非常に重要である。
【0010】本発明のフェライト磁石は標準製造工程
(混合→仮焼→粉砕→成形→焼結)の仮焼段階で、実質
的に形成し原料粉末として粉砕に供することが望まし
い。即ち、R元素およびM元素は上記工程の混合段階で
加えた方が仮焼と焼結の2回の高温過程を経ることにな
り、固体内拡散が進行してより均一な組成物が得られ
る。高性能のフェライト焼結体を得るためには、焼結現
象を制御する元素としてSiO2およびCaO(CaC
3)を粉砕段階で添加することが望ましい。SiO 2
焼結時の結晶粒成長を抑制する添加物であり、添加量は
重量比率で0.4〜0.5%が適切である。0.4%未
満では焼結時における結晶粒成長を抑制する効果が不十
分であり、保磁力が低下する。0.5%を越えると結晶
粒成長が過度に抑制され、結晶粒成長とともに進行する
配向度の改善が不十分であり、残留磁束密度が低下す
る。一方CaOは結晶粒成長を促進する元素であり、添
加量は重量比率で0.35〜0.55%が適切である。
0.55%を越えると焼結時における結晶粒成長が過度
に進行し、保磁力が低下する。0.35%未満では結晶
粒成長が過度に抑制され、結晶粒成長とともに進行する
配向度の改善が不十分であり、残留磁束密度が低下す
る。
【0011】上記の組成物からさらに高性能のフェライ
ト焼結体を得るためには、上記の標準製造工程の替わり
に以下に示す方法により製造することが望ましい。即
ち、該組成物を平均粒径値が0.4〜0.6μmの範囲
まで湿式にて粉砕し、その後濃縮あるいは乾燥、解砕し
た後、混練後、湿式成形して焼結するという技術的手段
を採用することが望ましい。平均粒径値で0.4μm未
満まで粉砕すると、焼結時に異常結晶粒成長が生じ高い
磁気特性が得られないとともに、湿式成形時の脱水特性
が悪化する。0.6μmを越える場合には、焼結体組織
において粗大な結晶粒の存在比率が増加する。高い磁気
特性のフェライト磁石を得るためには、組成および物性
が適当に制御されたフェライト粉末を準備することに加
えて、このフェライト粉末がスラリー中で凝集しないこ
とが重要である。そこで本発明者らはフェライト粉末の
各粒子がスラリー中で独立して存在し得る状態を作り出
すべく種々検討した結果、フェライト粉末を含むスラリ
ーを粉砕後乾燥あるいは濃縮した後、高濃度のスラリー
状態にして、分散剤を添加して混練することにより剪断
力が加えられ、凝集が解かれ、配向性が向上し、磁気特
性が向上することを見い出した。また混練時に分散剤を
添加することにより、分散剤の吸着による表面改質で良
好な分散状態となりさらに磁気特性が向上することを見
い出したのである。分散剤としては、界面活性剤、高級
脂肪酸、高級脂肪酸石鹸、高級脂肪酸エステル等が知ら
れているが、アニオン系界面活性剤の一種であるポリカ
ルボン酸系分散剤を使用することによりフェライト粒子
の分散性が向上し、フェライト粒子の凝集を有効に防止
できることがわかった。ポリカルボン酸系分散剤にも種
々あるが、フェライト粒子の分散性向上に特に有効なも
のはポリカルボン酸アンモニウム塩である。分散剤の添
加量は固形分比率で0.2%以上であれば有効である
が、2.0%を越えると逆に残留磁束密度が低下する。
以下に本発明の詳細を実施例により説明する。
【0012】
【発明の実施の形態】
(実施例1〜5、参考例1〜7)SrCO3、Fe
23、R元素(Srサイト置換元素)の各酸化物および
M元素(Feサイト置換元素)の各酸化物を下記の化学
式において、原子比率でn=5.85、x=2ny、x
=0.117になるよう配合し、湿式にて混合した後、
1200℃で2時間、大気中で仮焼した。 (Sr1-xx)O・n[(Fe1-yy23] R元素としては、Srイオンと類似のイオン半径を有す
ることを基準として、La、Pr、Nd、Sm、Eu、
Gdを選択した。またM元素としては、Feイオンと類
似のイオン半径を有することを基準として、Ti、V、
Mn、Co、Ni、Cu、Znを選択した。また比較例
として、上記化学式においてn=5.85、x=y=0
なる組成物を同様な方法で作製した。仮焼粉をローラー
ミルで乾式粉砕を行い粗粉砕粉とした。試料振動型磁力
計により得られた粗粉砕粉の磁気特性を評価した。この
際の測定条件は最大磁場強度が12kOeであり、1/
2プロットにより本測定条件による飽和磁化値σsを求
めた。またHcを求めた。またX線回折により生成した
相の同定を行った。評価結果を表1に示す(表1におい
て、M相とはマグネトプランバイト型の結晶構造を有す
る相である)。表1より、(R元素、M元素)の組み合
わせで(La、Mn)、(La、Co)、(La、N
i)、(Pr、Zn)、(Nd、Zn)をそれぞれ置換
元素として選択した実施例1〜5の場合に、比較例に比
して高い飽和磁化値および良好な保磁力値を有してお
り、焼結してバルクの磁石とした場合に従来材に比して
高性能の磁石材料となりうるポテンシャルを有している
ことがわかる。
【0013】
【表1】
【0014】(参考例8)R元素としてLa、M元素と
してZnをそれぞれ選択し、SrCO3、Fe2 3、L
23およびZnOを下記に示す化学式において、原子
比率でn=5.85、x=2ny、x=0〜0.6にな
るよう配合し、湿式にて混合した後、1200℃で2時
間、大気中で仮焼した。 (Sr1-xLax)O・n[(Fe1-yZny23] その後実施例1に示したのと同様な方法により粗粉砕粉
を作製し、その磁気特性を評価した。その結果を図1に
示す。図1よりLa23およびZnOを同時に加えるこ
とにより、飽和磁化が向上することが明確にわかる。ま
た添加量x値が0.05以上でその効果が顕著となり、
0.5を越えると効果が減じることがわかる。従ってx
値に関しては、0.05以上、0.5以下が望ましく、
さらに望ましくは0.07以上、0.4以下である。 (実施例6)R元素がPrまたはNdおよびM元素がM
n、Co、Niのいずれかとした組み合わせとした以外
は参考例8と同様にして評価した場合においても図1と
ほぼ同様な結果が得られた。またn値が5.7〜6.0
の範囲では有意に差異は認められず、同様な効果が得ら
れることを確認した。
【0015】(実施例7〜9、参考例9)R元素として
Laを選択するとともに、M元素としてMnを選択した
場合(実施例7)、M元素としてCoを選択した場合
(実施例8)、M元素としてNiを選択した場合(実施
例9)、M元素としてZnを選択した場合(参考例9)
の各々において、SrCO3、Fe23、La23およ
び各M元素の酸化物を用いて、下記に示す化学式におい
て、原子比率でn=5.85、x=2ny、x=0.1
17になるよう配合し、湿式にて混合した後、1200
℃で2時間、大気中で仮焼した。仮焼粉をローラーミル
で乾式粉砕を行い粗粉砕粉とした。 (Sr1-xLax)O・n[(Fe1-yy23] その後、アトライターにより湿式粉砕を行い、平均粒径
値が0.7μmの微粉砕粉を含むスラリーを得た。焼結
助剤として、SiO2とCaCO3を粉砕粉に対する重量
比でそれぞれ0.45%、0.80%(CaO換算で
0.45%)粉砕初期に添加した。このスラリーを10
kOeの磁場中で湿式成形を行い、成形体とした。この
成形体を1180〜1230℃の温度範囲で2時間焼結
し、焼結体とした。また同様な方法でx=y=0なる組
成を有する試料を比較材(従来材)として作製した。こ
の焼結体を約10×10×20mmの形状に加工し、B
−Hトレーサーにより磁気特性を評価した。結果を図2
に示す。図2より、(La、Mn)、(La、Ni)、
(La、Zn)置換材はいずれも従来材に比較して低i
Hc領域における飽和磁束密度Brの伸びが良好で、飽
和磁化σs向上の効果が有効に出ていると判断される。
従って、(La、Mn)、(La、Ni)、(La、Z
n)置換材は特に高Br材に適合している。一方、(L
a、Co)置換材は、高いBr値とともに高いiHc値
を兼ね備えており、高性能材として非常に有用である。
本実施例に示したごとく、いずれにおいても従来材に対
する本発明材の優位性は明らかである。
【0016】
【発明の効果】以上に記述の如く、本発明によれば、従
来に比して残留磁束密度または残留磁束密度と保磁力と
が向上したマグネトプランバイト型結晶構造の新しい高
性能フェライト磁石およびそれを用いた高性能の回転機
を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】xと飽和磁化との相関の一例を示す図である。
【図2】SrフェライトのSrサイトをLaで一部置換
するとともに、FeサイトをZn、Mn、Ni、Coの
いずれかで一部置換してなる高性能フェライト磁石の磁
気特性の一例を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C04B 35/40 C04B 35/40

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マグネトプランバイト型Srフェライト
    磁石のSrサイトをLaで一部置換しているとともにF
    eサイトをMn、Co、Niのうちの少なくとも1種以
    上で一部置換してなり、かつ実質的にマグネトプランバ
    イト型結晶構造を有することを特徴とするフェライト磁
    石。
  2. 【請求項2】 前記SrサイトにおけるLa置換の原子
    比率が0.05〜0.5であり、かつ前記Feサイトに
    おけるMn、Co、Niのうちの少なくとも1種以上に
    よる置換の原子比率が{0.05/(2.2×6)}〜
    {0.5/(1.8×5.7)}である請求項1に記載
    のフェライト磁石。
  3. 【請求項3】 マグネトプランバイト型Srフェライト
    磁石のSrサイトをNd、Prのうちの少なくとも1種
    以上で一部置換しているとともにFeサイトをMn、C
    o、Ni、Znのうちの少なくとも1種以上で一部置換
    してなり、かつ実質的にマグネトプランバイト型結晶構
    造を有することを特徴とするフェライト磁石。
  4. 【請求項4】 前記SrサイトにおけるNd、Prのう
    ちの少なくとも1種以上による置換の原子比率が0.0
    5〜0.5であり、かつ前記FeサイトにおけるMn、
    Co、Ni、Znのうちの少なくとも1種以上による置
    換の原子比率が{0.05/(2.2×6)}〜{0.
    5/(1.8×5.7)}である請求項3に記載のフェ
    ライト磁石。
  5. 【請求項5】 フェライト磁石を用いた回転機であっ
    て、 このフェライト磁石がマグネトプランバイト型Srフェ
    ライト磁石のSrサイトをLaで一部置換しているとと
    もにFeサイトをMn、Co、Niのうちの少なくとも
    1種以上で一部置換してなり、かつ実質的にマグネトプ
    ランバイト型結晶構造を有することを特徴とする回転
    機。
  6. 【請求項6】 前記SrサイトにおけるLa置換の原子
    比率が0.05〜0.5であり、かつ前記Feサイトに
    おけるMn、Co、Niのうちの少なくとも1種以上に
    よる置換の原子比率が{0.05/(2.2×6)}〜
    {0.5/(1.8×5.7)}である請求項5に記載
    の回転機。
  7. 【請求項7】 フェライト磁石を用いた回転機であっ
    て、 このフェライト磁石がマグネトプランバイト型Srフェ
    ライト磁石のSrサイトをNd、Prのうちの少なくと
    も1種以上で一部置換しているとともにFeサイトをM
    n、Co、Ni、Znのうちの少なくとも1種以上で一
    部置換してなり、かつ実質的にマグネトプランバイト型
    結晶構造を有することを特徴とする回転機。
  8. 【請求項8】 前記SrサイトにおけるNd、Prのう
    ちの少なくとも1種以上による置換の原子比率が0.0
    5〜0.5であり、かつ前記FeサイトにおけるMn、
    Co、Ni、Znのうちの少なくとも1種以上による置
    換の原子比率が{0.05/(2.2×6)}〜{0.
    5/(1.8×5.7)}である請求項7に記載の回転
    機。
JP19216798A 1996-11-18 1998-07-07 回転機 Expired - Lifetime JP3266187B2 (ja)

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