JP2007031204A - W型フェライト磁石 - Google Patents

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Abstract

【課題】 安定して高い保磁力を備えたW型フェライト磁石を提供する。
【解決手段】 結晶粒子径が0.8μm以下の結晶粒子の数の比率が55%以上の焼結体からなることを特徴とするW型フェライト磁石。このW型フェライト磁石は、結晶粒子径が1.6μm以上の結晶粒子の数の比率が5%以下であること、さらに平均結晶粒子径が0.85μm以下であることが好ましい。このW型フェライト磁石は、A(Sr、Ba及びPbから選択される少なくとも1種の元素)及びFeそれぞれの金属元素の総計の構成比率をAFe2+ aFe3+ bの式で表したとき、1.1≦a≦2.4、12.3≦b≦16.1である主成分を有する酸化物からなることが好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明はW型フェライト磁石に関し、特にW型フェライト磁石の保磁力向上に関するものである。
SrO・6Fe23に代表されるマグネトプランバイト型六方晶フェライト(M型フェライト)がフェライト焼結磁石の主流をなしてきた。このM型フェライト磁石を凌駕する磁気特性を示す可能性をもつフェライト磁石として、六方晶W型のフェライト磁石(以下、単にW型フェライト磁石)が知られている。W型フェライト磁石はM型フェライト磁石より飽和磁化(σs)が10%程度高く、異方性磁界が同程度である。例えば、特許文献1(特表2000−501893号公報)には、主成分がSrO・2(FeO)・n(Fe23)であり、nが7.2〜7.7を満足する組成からなるW型フェライト磁石が開示されている。ところが、特許文献1に開示されるW型フェライト磁石の保磁力(HcJ)は、3kOe程度であり、さらなる保磁力の向上が要求される。
特表2000−501893号公報
特許文献1によれば、高い保磁力を得るためには、焼結体からなるW型フェライト磁石の平均結晶粒子径を2μm以下にすることが高磁気特性を得るために必要である。その中で好ましい平均結晶粒子径は、1.2〜1.7μmとしている。
本発明者等の検討によれば、平均結晶粒子径は高い保磁力を得るために制御すべき要素ではあるが、平均結晶粒子径を制御しても高い保磁力が得られない場合があった。本発明は、このような技術的課題に基づいてなされたもので、安定して高い保磁力が得られるW型フェライト磁石を提供することを目的とする。
かかる目的のもと、本発明者等はW型フェライト磁石の組織について検討したところ、所定粒子径以下の結晶粒子の存在比率を制御することが安定して高い保磁力を得るために重要であることを知見した。本発明はこの知見に基づくものであり、結晶粒子径が0.8μm以下の結晶粒子の数の比率が55%以上の焼結体からなることを特徴とするW型フェライト磁石である。
本発明のW型フェライト磁石において、結晶粒子径が1.6μm以上の結晶粒子の数の比率が5%以下であることが保磁力向上にとって好ましく、また平均結晶粒子径が0.85μm以下であることが保磁力向上にとって好ましい。
本発明のW型フェライト磁石は、A(Sr、Ba及びPbから選択される少なくとも1種の元素)及びFeそれぞれの金属元素の総計の構成比率をAFe2+ aFe3+ bの式で表したとき、1.1≦a≦2.4、12.3≦b≦16.1である主成分を有する酸化物からなることが好ましい。
本発明のW型フェライト磁石は、Sr、Ba及びFeそれぞれの金属元素の総計の構成比率をSr(1-x)BaxFe2+ aFe3+ bの式で表したとき、0.03≦x≦0.8、1.1≦a≦2.4、12.3≦b≦16.1である主成分を有する酸化物からなることがさらに好ましい。この主成分を有するW型フェライト磁石は、A元素としてSr及びBaをともに含むことにより、保磁力向上という本発明の効果がより顕著となる。
本発明のW型フェライト磁石は、Kを炭酸塩(K2CO3)換算で0.01〜0.8wt%含むことが好ましい。Kの含有は、飽和磁化(σs)を低下させることなく保磁力を向上させる上で好ましい。
本発明のW型フェライト磁石の製造方法は特に限定されないが、Ca成分がCaCO3換算で0.01〜1.0wt%含む仮焼き体を用いて作製されることが好ましい。Ca成分は本発明のW型フェライトにおいて所謂副成分をなすものであるが、このCa成分を仮焼き前に添加することが保磁力向上にとって好ましい。
また、本発明のW型フェライト磁石は、仮焼き体を所定粒度まで粉砕して得られた微粉末を、酸素濃度が10vol%以下の雰囲気において600〜1200℃の温度範囲で熱処理し、熱処理が施された微粉末を所定粒度まで粉砕し、この微粉末を磁場中で湿式成形して得られた成形体を焼成することが、保磁力向上にとって好ましい。
以上説明したように、本発明によれば、安定して高い保磁力を備えたW型フェライト磁石を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
<組織>
本発明のW型フェライト磁石は、焼結体を構成する結晶粒子を制御することにより安定して高い保磁力を得る。結晶粒子径が0.8μm以下の結晶粒子の比率を55%以上とすることが、本願発明において必要である。結晶粒子径が0.8μm以下の結晶粒子の比率は、70%以上、さらには80%以上であることが好ましく、より好ましくは90%以上である。なお、本発明おける結晶粒子径及びその比率は、後述する実施例の測定方法に基づいて定められるものとする。
本発明のW型フェライト磁石は、結晶粒子径が1.6μm以上の結晶粒子の存在比率を5%以下とすることが保磁力向上にとって好ましく、3%以下、さらには1%以下にすることがより好ましい。
本発明のW型フェライト磁石は、保磁力向上のために、平均結晶粒子径を0.85μm以下とすることが好ましい。平均結晶粒子径は、0.75μm以下、さらには0.7μm以下であることが好ましい。より好ましくは0.65μm以下、最も好ましくは0.55μm以下とする。
<組成>
次に、本発明が適用されるW型フェライト磁石の組成について説明する。
本発明のフェライト磁石は、Fe2W型フェライト、特にA(Sr、Ba及びPbから選択される少なくとも1種の元素)及びFeそれぞれの金属元素の総計の構成比率を、AFe2+ aFe3+ bの式で表したとき、1.1≦a≦2.4、12.3≦b≦16.1である組成を有する酸化物を主成分とすることが好ましい。この酸化物は、O(酸素)をも考慮に入れると、AFe2+ aFe3+ b27 の式で示すことができる。なお、この式においてa及びbはそれぞれモル比を表す。ここで、酸素Oの原子数は27となっているが、実際の酸素Oの原子数は、これから多少偏倚した値を示すことがあり、そのような場合をも本願発明は包含する。
上記式において、Fe2+の割合を示すaは、1.1≦a≦2.4とする。aが1.1未満になると、W相よりも飽和磁化(σs)が低いM相、Fe23(ヘマタイト)相が生成して、飽和磁化(σs)が低下してしまう。一方、aが2.4を超えると、スピネル相が生成して、保磁力が低下してしまう。よって、aを1.1≦a≦2.4の範囲とする。aの好ましい範囲は1.5≦a≦2.4、より好ましい範囲は1.6≦a≦2.1、より一層好ましい範囲は1.6≦a≦2.0である。
また、Fe2+及びFe3+の割合を示すbは、12.3≦b≦16.1の範囲とする。1.1≦a≦2.4の範囲のとき、bが12.3未満になると、スピネル相が生成して保磁力が低下する。一方、bが16.1を超えると、M相、Fe23(ヘマタイト)相が生成して、飽和磁化(σs)が低下してしまう。よって、bを12.3≦b≦16.1の範囲とする。bの好ましい範囲は13.0≦b≦15.8、より好ましい範囲は14.4≦b≦15.0である。
Aとしては、Sr及びBaの少なくとも1種が好ましく、Sr及びBaの両者とすることが保磁力向上にとって好ましい。つまり、本発明のフェライト磁石は主成分として、下記式の組成を有することが好ましい。ただし、下記式において、0.03≦x≦0.8、1.1≦a≦2.4、12.3≦b≦16.1である。xが0.03未満又は0.8を超えると磁気特性向上効果を享受することができなくなる。そこで本発明では、xを0.03≦x≦0.8の範囲とすることが好ましい。
Sr(1-x)BaxFe2+ aFe3+ b27
本発明のW型フェライト磁石は、K(カリウム)を炭酸塩(K2CO3)換算で0.01〜0.8wt%含有することができる。Kは、保磁力とともに飽和磁化(σs)を向上できる特異な効果を有する元素である。しかし、0.01wt%未満ではこの効果を十分に発揮することができない。また、0.8wt%を超えて添加すると逆に保磁力が低下する傾向にある。したがって、本発明のW型フェライト磁石ではKを炭酸塩(K2CO3)換算で0.01〜0.8wt%含有する。好ましいKの含有量は炭酸塩(K2CO3)換算で0.05〜0.6wt%、さらに好ましいKの含有量は炭酸塩(K2CO3)換算で0.05〜0.4wt%である。
W型フェライト磁石の組成は、蛍光X線定量分析などにより測定することができる。また、本発明のW型フェライト磁石は、A元素(Sr、Ba及びPbから選択される少なくとも1種の元素)、Fe以外の元素の含有を排除するものではない。例えば、Fe2+サイト又はFe3+サイトの一部を他の元素で置換することもできる。
本発明のW型フェライト磁石において、副成分としてSi成分、Ca成分を、SiO2、CaCO3換算で、SiO2:0.2〜1.4wt%、CaCO3:0〜3.0wt%の範囲で含むことが好ましい。
SiO2が0.2wt%未満では、SiO2の添加効果が不十分である。また、CaCO3が3.0wt%を超えると磁気特性低下の要因となるCaフェライトを生成するおそれがある。さらに、SiO2が1.4wt%を超えると、残留磁束密度(Br)が低下する傾向にある。以上より、本発明におけるSi成分、Ca成分の量はSiO2、CaCO3換算で、SiO2:0.2〜1.4wt%、CaCO3:0〜3.0wt%とするのが好ましい。SiO2及びCaCO3は、各々、SiO2:0.2〜1.0wt%、CaCO3:0.2〜1.5wt%の範囲で含むことが好ましく、さらにはSiO2:0.3〜0.8wt%、CaCO3:0.3〜1.2wt%の範囲で含むことが好ましい。特に、Ca成分については、原料粉末の配合時(仮焼き前)に添加することが、保磁力向上にとって好ましい。
また、以上の他、本発明のW型フェライト磁石は、例えばAl、W、Ce、Mo、Ga、Cr等が酸化物として含有されていてもよい。これらの含有量は、化学量論組成に換算して、Al成分(Al23換算で0.01〜1.5wt%)、W成分(WO3換算で0.01〜0.6wt%)、Ce成分(CeO2換算で0.001〜0.6wt%)、Mo成分(MoO3換算で0.001〜0.16wt%)、Ga成分(Ga23換算で0.001〜15wt%)、Cr成分(Cr23換算で0.01〜3.5wt%)であることが好ましい。
本発明は、いわゆるZnW型フェライトに適用することもできる。この場合、組成式AZncFed27の主成分を有することが好ましい。なお、上記組成式中、AはSr,Ba及びPbから選択される少なくとも1種の元素、1.1≦c≦2.1、13≦d≦17である。なお、上記組成式においてc及びdはそれぞれモル比を表す。
Znの割合を示すcの好ましい範囲は1.3≦c≦1.9、より好ましい範囲は1.3≦c≦1.7である。またFeの割合を示すdの好ましい範囲は14≦d≦16、より好ましい範囲は 14.5≦d≦15.5である。
なお、ZnW型フェライトにおいても、A元素としてSr及びBaの少なくとも1種を選択することが好ましい。
<製造方法>
次に、本発明のW型フェライト磁石(Fe2Wフェライト磁石)の好適な製造方法について説明する。本発明のW型フェライト磁石の製造方法は、配合工程、仮焼き工程、粗粉砕工程、微粉砕工程、磁場中成形工程、成形体熱処理工程及び焼成工程を含むことが好ましい。ここで、微粉砕工程は、第1の微粉砕工程と第2の微粉砕工程に分かれ、かつ第1の微粉砕工程と第2の微粉砕工程の間に粉末熱処理工程を行う。この第1の微粉砕工程及び第2の微粉砕工程が、後述する実施例から理解できるように、本発明の結晶組織を得る上で有効である。
<配合工程>
各原料を秤量後、湿式アトライタ、ボールミル等で1〜16時間程度混合、粉砕処理する。原料粉末としては酸化物、または焼結により酸化物となる化合物を用いることができる。なお、以下ではSrCO3粉末、BaCO3粉末及びFe23(ヘマタイト)粉末を用いる例を説明するが、SrCO3粉末、BaCO3粉末は炭酸塩として添加する形態のほかに酸化物として添加することもできる。Feについても同様でFe23以外の化合物として添加することもできる。さらに、Sr、Ba及びFeを含む化合物を用いることも可能である。
また、この配合工程において、Ca成分、Si成分等の副成分を添加することもできる。特に、本発明は、この配合工程においてCa成分として、CaCO3粉末(またはCaO粉末)を添加することが好ましい。配合工程におけるCa成分の添加量は、上記A元素およびFe成分からなる主成分に対してCaCO3換算で0.01〜1.0wt%とすることが推奨される。この範囲でCa成分を添加することが、得られるW型フェライト磁石の組織微細化に有効である。
Ca成分の好ましい添加量はCaCO3換算で0.1〜0.9wt%、より好ましくは0.2〜0.8wt%である。
各原料の配合比は、最終的に得たい組成に対応させることができるが、本発明はこの形態に限定されない。例えば、SrCO3粉末、BaCO3粉末及びFe23粉末のいずれかを、仮焼き後に添加して最終組成になるように調整してもよい。
本発明が許容するK(カリウム)は、この配合工程で添加することもできる。しかし、Kは仮焼温度によっては、次の仮焼き工程で蒸発してしまう場合がある。添加量を多くすれば、仮焼きを経た後にもKは残留するが、仮焼き工程を経た後に添加することが好ましい。
<仮焼き工程>
配合工程で得られた混合粉末材料を1100〜1400℃で仮焼きする。この仮焼きを窒素ガスやアルゴンガスなどの非酸化性雰囲気中で行うことにより、Fe23(ヘマタイト)粉末中のFe3+が還元されることによりFe2+が発生し、W型フェライトが生成される。この段階でFe2+の量を十分に確保できなければ、W相の他にM相またはヘマタイト相が存在することになる。なお、W単相のフェライトを得るためには、酸素分圧を調整することが有効である。酸素分圧を下げると、Fe3+が還元されてFe2+が生成しやすくなるからである。
<粗粉砕工程>
仮焼き体は一般に顆粒状なので、これを粗粉砕することが好ましい。粗粉砕工程では、振動ミル等を用い、平均粒子径が0.5〜10μmになるまで処理する。ここで得られた粉末を粗粉末ということにする。
<第1の微粉砕工程>
第1の微粉砕工程では粗粉末をアトライタやボールミル、或いはジェットミルなどによって、湿式或いは乾式粉砕して平均粒子径で0.08〜0.8μm、好ましくは0.1〜0.4μm、より好ましくは0.1〜0.2μmに粉砕する。この第1の微粉砕工程は、粗粉末をなくすこと、さらには磁気特性向上のために焼結後の組織を微細にすることを目的として行うものであり、比表面積(BET法による)としては20〜25m2/gの範囲とするのが好ましい。
ここで、第1の微粉砕工程で得られた微粉末には、粒子径が0.05μm以下の超微粒子が含まれる。この超微粒子の量が多くなると、後述するように成形性に悪影響を与える。比表面積(BET法による)が20〜25m2/gの範囲にあると、成形性に影響を与える程度の量の超微粒子が存在する。この超微粒子の存在を消失又は低減するのが次工程である粉末熱処理工程である。
粉砕方法にもよるが、粗粉砕粉末をボールミルで湿式粉砕する場合には、粗粉砕粉末200gあたり60〜100時間処理すればよい。
なお、保磁力の向上や結晶粒子径の調整のために、第1の微粉砕工程に先立ってCaCO3とSiO2、或いはさらにSrCO3、BaCO3、Al23、Cr23等の粉末を添加することができる。
湿式粉砕に用いる分散媒は特に限定されず、水、その他の液体を用いることができる。ただし、粉砕効率の点では水が最も好ましい。
<粉末熱処理工程>
第1の微粉砕工程により0.05μm以下の超微粒子が多く生じるが、超微粒子が存在すると後続の磁場中成形工程で不具合が生じることがある。例えば、湿式成形時に超微粉が多いと水抜けが悪く成形できない等の不具合が生じる。そこで、磁場中成形工程に先立ち熱処理を行うことが好ましい。つまり、この熱処理は、第1の微粉砕工程で生じた粒子径が0.05μm以下の超微粒子同士又は超微粒子と超微粒子以上の粒子径を有する微粒子(例えば、粒子径0.08〜0.8μmの粒子)と反応させて超微粒子を消失又は減少させることを目的として行うものである。粉末熱処理工程では、第1の微粉砕で得られた微粉末を600〜1200℃、より好ましくは700〜1000℃で、1秒〜100時間保持する熱処理を行う。
このときの熱処理雰囲気は、仮焼きで生成したFe2+が酸化によりFe3+となることを避けるために、非酸化性雰囲気とする。本発明における非酸化性雰囲気とは、窒素ガス、Arガス等の不活性ガス雰囲気を含む。また本発明の非酸化性雰囲気は、10vol%以下の酸素の含有を許容する。この程度の酸素の含有であれば、上記温度での保持においてFe2+の酸化は無視できる程度である。熱処理雰囲気の酸素含有量は、1vol%以下、さらには0.1vol%以下であることが好ましい。
<第2の微粉砕工程>
続く第2の微粉砕工程では熱処理された微粉末をアトライタやボールミルなどによって、湿式にて0.8μm以下、好ましくは0.1〜0.4μm、より好ましくは0.1〜0.2μmに粉砕する。この第2の微粉砕工程は、粒度調整やネッキングの除去、添加物の分散性向上を目的として行うものであり、比表面積(BET法による)としては10〜25m2/g、さらには10〜20m2/gの範囲とするのが好ましい。この範囲に比表面積が調整されると、超微粒子が存在していたとしてもその量は少なく、成形性に悪影響を与えない。つまり、第1の微粉砕工程、粉末熱処理工程及び第2の微粉砕工程を経ることにより、成形性に悪影響を与えることなく、かつ焼結後の組織を微細化するという要求を満足することができる。
粉砕方法にもよるが、ボールミルで湿式粉砕する場合には、微粉末200gあたり10〜70時間処理すればよい。第2の微粉砕工程を第1の微粉砕工程と同程度の条件で行うと超微粉が再度生成されることと、第1の微粉砕工程ですでに所望する粒子径がほとんど得られていることから、第2の微粉砕工程は、通常、第1の微粉砕工程よりも粉砕条件が軽減されたものとする。ここで、粉砕条件が軽減されているか否かは、粉砕時間に限らず、粉砕時に投入される機械的なエネルギを基準にして判断すればよい。
なお、保磁力の向上や結晶粒子径の調整のために、第2の微粉砕工程に先立ってCaCO3とSiO2、或いはさらにSrCO3やBaCO3等の粉末を添加してもよい。
焼成工程において還元効果を発揮するカーボン粉末を、この第2の微粉砕工程に先立って添加することができる。カーボン粉末の添加は、W型フェライトを単相に近い状態(または単相)で生成させる上で有効である。ここで、カーボン粉末の添加量(以下、「カーボン量」という)は原料粉末に対して0.05〜0.7wt%の範囲とする。カーボン量をこの範囲とすることで、後述する焼成工程におけるカーボン粉末の還元剤としての効果を十分に享受することができるとともに、カーボン粉末添加なしの場合よりも高い飽和磁化(σs)を得ることができる。本発明における好ましいカーボン量は0.1〜0.65wt%、より好ましいカーボン量は0.15〜0.6wt%である。なお、添加するカーボン粉末としては、カーボンブラック等の公知の物質を用いることができる。
本発明においては、添加されたカーボン粉末が成形体中で偏析するのを抑制するために、一般式Cn(OH)nn+2で表される多価アルコールを添加することが好ましい。ここで、上記一般式において、炭素数nは4以上とする。炭素数nが3以下であると、カーボン粉末の偏析抑制効果が不十分となる。炭素数nの好ましい値は4〜100、より好ましくは4〜30、さらに好ましくは4〜20、より一層好ましくは4〜12である。多価アルコールとしてはソルビトールが好ましいが、2種類以上の多価アルコールを併用してもよい。また、本発明で用いる多価アルコールに加えて、他の公知の分散剤をさらに使用してもよい。
上記した一般式は、骨格がすべて鎖式であってかつ不飽和結合を含んでいない場合の式である。多価アルコール中の水酸基数、水素数は一般式で表される数よりも多少少なくてもよい。上記一般式において、飽和結合に限らず不飽和結合を含んでいてもよい。また基本骨格は鎖式であっても環式であってもよいが、鎖式であることが好ましい。また水酸基数が炭素数nの50%以上であれば、本発明の効果は実現するが、水酸基数は多い方が好ましく、水酸基数と炭素数とが一致することが最も好ましい。この多価アルコールの添加量としては、添加される粉末に対して0.05〜5.0wt%、好ましくは0.1〜3.0wt%、より好ましくは0.3〜2.0wt%とすればよい。なお、添加した多価アルコールのほとんどは磁場中成形工程後に行われる成形体熱処理工程で分解除去される。成形体熱処理工程において分解除去されずに残存した多価アルコールについても、続く焼成工程で分解除去される。
<K添加工程>
K(カリウム)は、第2の微粉砕工程の終了後に添加することができる。
本発明において、Kを仮焼き工程以降に添加することが好ましいことは上述の通りである。また、Kは水溶性であるため、第1の微粉砕工程及び第2の微粉砕工程を、水を用いた湿式粉砕で行う場合には、第1の微粉砕工程及び第2の微粉砕工程の前に添加することも避ける必要がある。特に、前述したように粉砕効率を考慮すると、第1の微粉砕工程及び第2の微粉砕工程の分散媒に水を用いることが推奨されるため、第1の微粉砕工程及び第2の微粉砕工程以降にKを添加することが好ましい。
第2の微粉砕工程が、水を用いた湿式粉砕で行われる場合には、粉砕物を乾燥した後にKを添加する。例えば、Kは炭酸塩(K2CO3)の形態として添加することができる。
Kが添加された微粉末は、Kの分散状態を向上することが好ましい。そのために、混合・分散処理をすることが好ましい。つまり、所謂有機溶媒を添加して、例えばボールミルを用いて湿式処理することが推奨される。なお、この際に水を用いるべきでないことは上述の通りである。このとき、Kの分散状態を向上するために、分散剤を添加することができる。有機溶剤としては、トルエン、キシレン等の公知の物質を用いることができる。また、分散剤としてもステアリン酸、オレイン酸等の公知の分散剤を用いることができる。
<磁場中成形工程>
磁場中成形工程は、磁気的配向度を高くするためには、湿式成形で行うことが好ましい。よって、以上までの工程で得られたスラリを濃縮して湿式成形用スラリを調製する。濃縮は、遠心分離やフィルタープレス等によって行えばよい。この際、微粉末が湿式成形用スラリ中の30〜80wt%を占めることが好ましい。磁場中成形における成形圧力は、0.1〜0.5ton/cm2程度、印加磁場は5〜15kOe程度とすればよい。
<成形体熱処理工程>
本工程では、成形体を100〜450℃、より好ましくは200〜350℃の低温で、1〜4時間保持する熱処理を行う。この熱処理を大気中で行うことにより、Fe2+の一部が酸化されてFe3+になる。つまり、本工程では、Fe2+からFe3+への反応をある程度進行させることにより、Fe2+量を所定量に制御するのである。
<焼成工程>
続く焼成工程では、成形体を1100〜1270℃、より好ましくは1160〜1240℃の温度で0.5〜3時間保持して焼成する。焼成雰囲気は、仮焼き工程と同様の理由により、非酸化性雰囲気とする。本工程において、第2の微粉砕工程に先立って添加したカーボン粉末が消失する。また、Kが添加された場合にも上記の焼成温度程度では蒸発はほとんど起こらない。
原料粉末として、Fe23粉末(1次粒子径:0.3μm)、SrCO3粉末(1次粒子径:2μm)及びBaCO3粉末(1次粒子径:0.05μm)を準備した。この原料粉末を秤量した後、湿式アトライタで2時間混合、粉砕した。
次いで、仮焼きを行った。仮焼きは管状炉を用い、N2ガス雰囲気中で1時間保持する条件で行った。なお、加熱保持温度は、1300℃とし、加熱保持温度までの昇温及び加熱保持温度からの降温の速度は5℃/分とした。
次いで、振動ミルにより粗粉砕を行った。振動ミルにより粗粉砕は、仮焼き体220gについて10分間処理するというものであった。
次の微粉砕はボールミルにより2段階で行った。第1の微粉砕は粗粉砕粉末210gに対して水400mlを添加して表1に示す時間だけ湿式粉砕するというものである。なお、第1の微粉砕後に熱処理を行わない例(表1のNo.1)で得られた粉砕粉末の比表面積(BET法による)は13.5m2/gであった。
第1の微粉砕後に、微粉末をN2ガス雰囲気中、800℃で1時間保持する条件で熱処理を行った。なお、加熱保持温度までの昇温及び加熱保持温度からの降温の速度は5℃/分とした。また、熱処理を大気中で行った場合には、表1のNo.1よりも保磁力(HcJ)、角型比(Hk/HcJ)が低下した。さらに、熱処理温度を800℃以外に、700℃、900℃及び1000℃で行ったが、800℃、900℃の方が、700℃、1000℃よりも高い磁気特性が得られた。
次の第2の微粉砕に先立って、第1の微粉砕及び上記熱処理がなされた微粉末に対しSiO2粉末(1次粒子径:0.01μm)を0.6wt%、CaCO3粉末(1次粒子径:1μm)を0.7wt%、SrCO3粉末(1次粒子径:2μm)を0.35wt%、BaCO3粉末(1次粒子径:0.05μm)を1.4wt%、カーボン粉末(1次粒子径:0.05μm)を0.4wt%それぞれ添加するとともに、多価アルコールとしてソルビトール(1次粒子径:10μm)を1.2wt%添加した。
続いて、ボールミルを用いて表1に示す時間だけ湿式粉砕する第2の微粉砕を行い、湿式成形用スラリを得た。なお、第2の微粉砕は、第2の微粉砕後の微粉末の比表面積(BET法による)が13〜14m2/gの範囲になるように条件を調整した。
第2の微粉砕を施して得られたスラリを遠心分離器で濃縮し、濃縮された湿式成形用スラリを用いて磁場中成形を行った。なお、印加した磁界(縦磁場)は12kOe(1000kA/m)であり、成形体は直径30mm、高さ15mmの円柱状である。なお、いずれの成形においても不具合が生じなかった。この成形体を大気中にて300℃で3時間熱処理した後、窒素中で昇温速度5℃/分、最高温度1190℃で1時間焼成して焼結体を得た。得られた焼結体の主成分組成は、組成式 Sr(1-x)BaxFe2+ aFe3+ b27 において、x=0.34、a=1.7及びa+b=15.52であった。なお、組成分析は理学電機(株)の蛍光X線定量分析装置SIMULTIX3550を用いて行った。
次いで、得られた焼結体について、結晶粒子径を測定した。結晶粒子径の測定は以下の通りとした。焼結体A面(a軸とc軸が含まれる面)を鏡面研磨後酸エッチングし、SEM(走査型電子顕微鏡)写真を撮影し、個々の粒子を認識した後、画像解析により個々の結晶粒子の重心を通る最大径を求め、それを結晶粒子径とした。そして、1試料あたり300個程度の結晶粒子について結晶粒子径を求め、結晶粒子径が0.8μm以下の結晶粒子の比率及び平均結晶粒子径を算出した。平均結晶粒子径は全測定粒子の結晶粒子径の平均値である。その結果を表1に示す。
また、得られた焼結体について、保磁力、残留磁束密度(Br)及び角型比(Hk/HcJ)を測定した。なお、保磁力及び残留磁束密度(Br)は、得られた焼結体の上下面を加工した後、最大印加磁場25kOeのB−Hトレーサを用いて評価した。また、Hkは、磁気ヒステリシスループの第2象限において磁束密度が残留磁束密度(Br)の90%になるときの外部磁界強度である。Hkが低いと、高い最大エネルギ積が得られない。角型比(Hk/HcJ)は、磁石性能の指標となるものであり、磁気ヒステリシスループの第2象限における角張りの度合いを表す。
さらに、得られた焼結体について、X線回折装置を用いて相状態を同定した。その結果を表1に示す。なお、X線回折の条件は以下の通りである。また本実施の形態におけるモル比は、W型フェライト、M型フェライト、ヘマタイト、スピネルそれぞれの粉末試料を所定比率で混合し、それらのX線回折強度から比較算定することにより算出した。
X線発生装置:3kW
管電圧:45kV
管電流:40mA
サンプリング幅:0.02deg
走査速度:4.00deg/min
発散スリット:1.00deg
散乱スリット:1.00deg
受光スリット:0.30mm
Figure 2007031204
表1に示すように、平均結晶粒子径が小さくなると保磁力(HcJ)は大きくなる傾向を有している。また、0.8μm以下の結晶粒子径の存在比率が高い(No.2、4、5)と保磁力(HcJ)が高くなる。ただし、1.6μm以上の結晶粒子径の存在比率が高くなると、保磁力(HcJ)が低下する傾向にある(No.5)。
以上の結果に基づいて、本発明は、0.8μm以下の結晶粒子径の存在比率を55%以上とし、好ましくは1.6μm以上の結晶粒子径の存在比率を5%以下とする。
表2の配合組成となるように秤量した後、主成分を構成する原料粉末に対してCaCO3粉末(1次粒子径:1μm)を0〜1.33wt%添加するとともに、第2の微粉砕時に、SrCO3粉末(1次粒子径:2μm)を0.7wt%、BaCO3粉末(1次粒子径:0.05μm)を1.4wt%、CaCO3粉末(1次粒子径:1μm)を0.35wt%、SiO2粉末(1次粒子径:0.01μm)を0.6wt%、カーボン粉末(1次粒子径:0.05μm)を0.4wt%、ソルビトール(1次粒子径:10μm)を1.2wt%添加した以外は、実施例1と同様の条件で焼結体(試料No.10〜20)を作製した。なお、得られた焼結体において、SrとBaとの比は以下の通りである。また、第1の微粉砕、第2の微粉砕の処理時間は表3に示す通りである。
試料No.10,11 Sr:Ba=0.66:0.34
試料No.12,13 Sr:Ba=0.64:0.36
試料No.14,15,16 Sr:Ba=0.63:0.37
試料No.17,18 Sr:Ba=0.58:0.42
さらに実施例1と同様にして得られた焼結体の主成分組成を分析した。その結果を表2に示す。また、実施例1と同様にして得られた焼結体の結晶粒子径、保磁力(HcJ)、残留磁束密度(Br)及び角型比(Hk/HcJ)を測定した。測定結果を表3に示す。
Figure 2007031204
Figure 2007031204
表3に示すように、配合時にCa成分を添加することによって、添加なしの場合(No.10、11)よりも、保磁力(HcJ)及び残留磁束密度(Br)が向上することがわかる。ただし、配合時にCa成分の添加量が1.33wt%になると、保磁力(HcJ)が3000Oeを下回る。
ここで、主成分を構成するA元素としてSrおよびBaを選択したNo.12と、A元素としてSrのみを選択したNo.19を比較すると、No.12の方が高い保磁力(HcJ)を示す。よって、主成分としてSr単体を添加した場合よりも、SrおよびBaを複合添加することで、保磁力(HcJ)がより一層向上するといえる。
また、表3に示すように、平均結晶粒子径が同等であっても、結晶粒子径が0.8μm以下の結晶粒子の存在比率が高い(No.10、12、14、15、17、19)と保磁力(HcJ)が高くなる。ただし、1.6μm以上の結晶粒子径の存在比率が高くなると、保磁力(HcJ)が低下する傾向にある(No.15)。
仮焼き、振動ミルによる解砕、第1の微粉砕(処理時間は表4に示してある)及び微粉末の熱処理まで実施例1と同様にして行った。続いて、ボールミルを用いて湿式粉砕する第2の微粉砕を行った。なお、第2の微粉砕前に、上記熱処理がなされた微粉末に対しSiO2粉末(1次粒子径:0.01μm)を1.2wt%、CaCO3粉末(1次粒子径:1μm)を0.7wt%、SrCO3粉末(1次粒子径:2μm)を1.4wt%、Al23粉末を0.6wt%、カーボン粉末(1次粒子径:0.05μm)を0.4wt%それぞれ添加するとともに、多価アルコールとしてソルビトール(1次粒子径:10μm)を1.2wt%添加した。また、第2の微粉砕は、第1の微粉砕で得られた微粉末210gに対して水400mlを添加して表4に示す時間処理するというものである。第2の微粉砕で得られた微粉末の比表面積(BET法による)は12〜18m2/gである。
第2の微粉砕を施して得られたスラリを100℃に加熱して乾燥した後に、副成分としてK2CO3を表4に示す量だけ添加した。さらに、分散媒としてキシレン、分散剤としてオレイン酸を添加した後に、ボールミルで混合・分散処理を5時間施した。混合・分散処理は、第2の微粉砕で得られた微粉末210gに対してキシレン400mlを添加して5時間処理するというものである。混合・分散処理された微粉末の比表面積(BET法による)は13〜19m2/gである。
混合・分散処理により得られたスラリを遠心分離器で濃縮し、濃縮された湿式成形用スラリを用いて磁場中成形を行った。なお、印加した磁界(縦磁場)は12kOe(1000kA/m)であり、成形体は直径30mm、高さ15mmの円柱状である。なお、いずれの成形においても不具合が生じなかった。この成形体を大気中にて300℃で3時間熱処理した後、窒素中で昇温速度5℃/分、最高温度1190℃で1時間焼成して焼結体を得た。得られた焼結体の主成分組成を実施例1と同様に測定した。その結果、組成式Sr(1-x)BaxFe2+ aFe3+ b27において、x=0.36、a=1.7、b=13.9であった。また、副成分であるK2CO3は、添加量とほぼ同等の量の含有が確認された。
得られた焼結体について、実施例1と同様に結晶粒子径、保磁力(HcJ)及び飽和磁化(σs)を測定した。その結果を表4に併せて示す。なお、保磁力(HcJ)及び飽和磁化(σs)は、得られた焼結体の上下面を加工した後、最大印加磁場25kOeのB−Hトレーサを用いて評価した。
得られた焼結体の相状態を実施例1と同様にX線回折により同定した。その結果を表4に併せて示す。すべての焼結体はM相を含んでいたが、モル比で5〜20%程度であった(表4の「W+M」)。
Figure 2007031204
表4に示すように、K2CO3を添加することにより保磁力(HcJ)が向上することがわかる。このように保磁力(HcJ)が向上した焼結体は、表1に示すように、平均結晶粒子径が微細化しており、これが保磁力(HcJ)向上の原因と解される。
また、表4に示すように、平均結晶粒子径が同等であっても、結晶粒子径が0.8μm以下の結晶粒子の存在比率が高い(No.23、24、26、28)と保磁力(HcJ)が高くなる。ただし、1.6μm以上の結晶粒子径の存在比率が高くなると、保磁力(HcJ)が低下する傾向にある(No.24)。

Claims (8)

  1. 結晶粒子径が0.8μm以下の結晶粒子の数の比率が55%以上の焼結体からなることを特徴とするW型フェライト磁石。
  2. 前記結晶粒子径が1.6μm以上の結晶粒子の数の比率が5%以下であることを特徴とする請求項1に記載のW型フェライト磁石。
  3. 平均結晶粒子径が0.85μm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のW型フェライト磁石。
  4. A(Sr、Ba及びPbから選択される少なくとも1種の元素)及びFeそれぞれの金属元素の総計の構成比率を
    AFe2+ aFe3+ bの式で表したとき、
    1.1≦a≦2.4、
    12.3≦b≦16.1である主成分を有する酸化物からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のW型フェライト磁石。
  5. Sr、Ba及びFeそれぞれの金属元素の総計の構成比率を
    Sr(1-x)BaxFe2+ aFe3+ bの式で表したとき、
    0.03≦x≦0.8、
    1.1≦a≦2.4、
    12.3≦b≦16.1である主成分を有する酸化物からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のW型フェライト磁石。
  6. Kを炭酸塩(K2CO3)換算で0.01〜0.8wt%含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のW型フェライト磁石。
  7. Ca成分がCaCO3換算で0.01〜1.0wt%含む仮焼き体を用いて作製されることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のW型フェライト磁石。
  8. 前記仮焼き体を所定粒度まで粉砕して得られた微粉末を、酸素濃度が10vol%以下の雰囲気において600〜1200℃の温度範囲で熱処理し、熱処理が施された前記微粉末を所定粒度まで粉砕し、この微粉末を磁場中で湿式成形して得られた成形体を焼成して得られることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載のW型フェライト磁石。
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