JPH1195470A - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JPH1195470A
JPH1195470A JP25189097A JP25189097A JPH1195470A JP H1195470 A JPH1195470 A JP H1195470A JP 25189097 A JP25189097 A JP 25189097A JP 25189097 A JP25189097 A JP 25189097A JP H1195470 A JPH1195470 A JP H1195470A
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JP
Japan
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substrate
layer
photoreceptor
treatment
resin
Prior art date
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Application number
JP25189097A
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English (en)
Inventor
Mitsutoshi Sakamoto
光俊 坂本
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Minolta Co Ltd
Original Assignee
Minolta Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH1195470A publication Critical patent/JPH1195470A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像上に黒ポチおよび干渉縞等の画像ノイズ
を発生しない電子写真感光体を提供すること。 【解決手段】 アルミニウムまたはアルミニウム合金か
らなる支持体の表面を陽極酸化処理した後、pH9.5
〜10.5の弱アルカリ性水溶液中への浸漬処理を施し
て得られる感光体基体に、少なくとも感光層を設けてな
ることを特徴とする電子写真感光体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真装置におい
て用いられる電子写真感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真の技術は、複写機の分野で発展
してきており、最近では従来の装置とは比較にならない
程の高画質、高速性、静粛性により急速に普及し、中で
もデジタル信号のデータ処理システムの目覚ましい進歩
に伴い、レーザービームプリンタ、デジタル複写機等が
特に注目されている。これらの電子写真装置で使用され
る感光体は、一般にアルミニウムまたはアルミニウム合
金等の導電性の感光体基体上に感光層を形成してなり、
層構成としては、導電性基体上に、電荷発生層、電荷輸
送層を順次積層した機能分離積層型構成が広く用いられ
ている。
【0003】上記の装置に用いられる画像形成方法とし
ては、光源にレーザービームを用い、光の有効利用ある
いは解像力を上げる目的から、レーザービームの光を照
射した部分にトナーを付着させて画像を形成する反転現
像方式を採用することが主流となっているが、レーザー
ビームの使用により画像上に干渉縞が発生しやすくなる
ことが問題となっている。この問題を回避するためには
感光体基体表面の粗面化が有用であることが知られてい
る。
【0004】また、この現像方式によると、現像時に導
電性基体上の欠陥部から感光層への電荷の注入が起こっ
てトナー像が形成されるべきでない所に形成される、い
わゆる黒ポチと言われる画像ノイズが発生することが問
題となっている。
【0005】そこで、この黒ポチの発生を防止するため
に、感光体基体表面に電荷注入防止層として下引層を設
けたり、陽極酸化層を設けることが有効であると知られ
ている。下引層を設けるにあたっては、下引層の静電特
性への影響が大きいため使用する材料の選択が難しいと
いう問題がある。
【0006】陽極酸化層を設けるにあたっては、従来か
ら、まずアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる
支持体を脱脂処理し、エッチング処理した後、陽極酸化
処理し、所望により封孔処理するのが一般的であり、陽
極酸化処理条件や封孔処理条件、インピーダンスの規定
あるいはアルミニウム合金の材料の規定等を行って、黒
ポチの発生を防止しようという試みがなされているが、
かかる問題を完全に解決するには至っていない。
【0007】一方、アルミニウム支持体を陽極酸化処理
し、封孔処理した後、強アルカリ性または強酸性水溶液
に浸漬する技術が報告されている(特開平1−1315
71号公報および特開平1−131572号公報)。し
かしながら、いずれの技術においても、陽極酸化処理す
る際や、封孔処理する際に、アルミニウムが溶出して、
形成された感光体基体表面上の水酸化アルミニウムを除
去することを目的とするものであり、また強アルカリ性
または強酸性水溶液が使用されるため、形成された陽極
酸化層が溶解され、電荷注入防止層としての機能が発揮
されず黒ポチ等の画像ノイズが多発するという問題が依
然としてある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、画像上に黒
ポチおよび干渉縞等の画像ノイズを発生しない電子写真
感光体を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、アルミニウム
またはアルミニウム合金からなる支持体の表面を陽極酸
化処理した後、pH9.5〜10.5の弱アルカリ性水溶
液中への浸漬処理を施して得られる感光体基体に、少な
くとも感光層を設けてなることを特徴とする電子写真感
光体に関する。
【0010】本発明においては、このように支持体表面
を陽極酸化処理した後、pH9.5〜10.5の弱アルカ
リ性水溶液中に浸漬処理された基体を使用し、感光体を
作製することにより、黒ポチの発生を完全に防止するこ
とができる。これは、陽極酸化処理する際に使用される
硫酸等の処理液中の酸根、例えば、硫酸根、リン酸根は
基体表面に残留し、その後の処理工程においてもこれら
酸根は除去され難いことから、当該酸根により感光体基
体の表面が活性化され、その後の処理工程、例えば、封
孔処理工程、輸送工程において様々な汚染物質を吸着
し、そこから電荷注入が起こって黒ポチが発生すると考
えられ、本発明により、そのような酸根を取り除くこと
ができることに由来するものと思われる。また、陽極酸
化層表面が適度に粗面化されるため干渉縞も防止するこ
とができる。なお、本明細書中、pHは液温20℃でp
Hメータ(PH82:横河電機社製)によって測定され
た値を示しているが、pHについては測定機種により差
は生じるものではないので、該測定機種で測定された値
でなければならないということはない。
【0011】本発明の感光体の基体を作製すべく用いら
れるアルミニウムまたはアルミニウム合金支持体(以
下、単にアルミニウム支持体という)としては、従来か
ら電子写真感光体に使用することができるものであれ
ば、特に限定されるものではない。すなわち、アルミニ
ウム組成、それの成形方法および表面加工方法等につい
ては従来から公知のいかなる組成および方法も採用する
ことができる。例えば、純度99.9%以上のアルミニ
ウム地金を溶解・鋳造した後、均質処理を施し、押し出
して素管を作製する。その後、表面の精密仕上げとし
て、得られた素管にしごき加工・引き抜き加工、あるい
は必要に応じて切削または研削を行うことにより、本発
明において使用されるアルミニウム支持体を製造するこ
とができる。
【0012】得られたアルミニウム支持体は陽極酸化処
理に先立って、脱脂処理およびエッチング処理に供して
もよい。脱脂処理は、感光体基体の保存時の防錆等の効
果を目的として当該表面に塗布される処理液を洗浄する
目的で行われ、その方法としては当該目的が達成されれ
ば特に制限されるものではない。例えば、基体を、界面
活性剤を含む45〜65℃の水溶液中に2〜5分間浸漬
することにより行われる。
【0013】脱脂されたアルミニウム支持体が供される
エッチング処理は、均一に陽極酸化処理を行うために支
持体表面に形成された自然酸化皮膜を除去する目的で行
われ、その方法としては当該目的が達成されれば特に制
限されるものではないが、酸エッチング処理に供される
ことが好ましい。例えば、基体を、濃度50〜160g
/lの硝酸水溶液により15〜30℃で1〜5分間浸漬
することにより行われる。
【0014】このようにして処理されたアルミニウム支
持体は、従来から公知の陽極酸化処理に供される。陽極
酸化処理は、一般に、例えばクロム酸、硫酸、シュウ
酸、ホウ酸、スルファミン酸等の酸性浴中、公知の方法
で行われるが、本発明においては硫酸中での陽極酸化処
理を施した基体に対してが最も良好である。硫酸中での
陽極酸化の場合、通常、硫酸濃度は100〜300g/
l、好ましくは100〜200g/l、溶存アルミニウ
ム濃度は2〜15g/l、液温は15〜35℃、好まし
くは15〜25℃、電解電圧は5〜20V、好ましくは
10〜20Vの範囲に設定して行われる。
【0015】なお、陽極酸化層の膜厚は1〜15μm、
好ましくは4〜12μm、より好ましくは4〜10μm
とするのが望ましい。1μm未満であると、電荷注入防
止層としての陽極酸化層の機能が低下し、一方15μm
を越えるとコスト高となるだけでこれ以上の膜厚は必要
ない。
【0016】本発明においては、このようにして得られ
た陽極酸化層を有するアルミニウム支持体をpH9.5
〜10.5の弱アルカリ性水溶液中に浸漬処理する。そ
うすることにより、表面からの厚みが0.1〜2μm、
好ましくは0.1〜1μmの陽極酸化層表面部分を溶解
する。溶解される陽極酸化層の厚みが0.1μmより薄
いと弱アルカリ性水溶液中にて処理する効果が十分に得
られず、2μmより厚いと陽極酸化層のブロッキング性
が低下するおそれがある。このように陽極酸化層表面部
分を溶解することによって、従来では除去が困難であっ
た、支持体表面に残留している陽極酸化処理液由来の酸
根がごく表面の陽極酸化層とともに除去され、当該表面
が安定化されるため、酸根の残留による支持体表面の活
性化に由来する黒ポチの発生を完全に防止できると考え
られる。また、浸漬後、表面部分が溶解された支持体表
面は白色のツヤ消し状態になって適度に粗面化されてい
るため、干渉縞も防止することができると考えられる。
【0017】pH10.5を越える水溶液を用いると、
陽極酸化層の溶解が非常に速い速度で進行し、溶解され
る陽極酸化層の厚みを制御することが著しく困難になる
ため、電荷防止層としての機能が低下しやすくなる。一
方、pHが9.5未満のアルカリ性水溶液を用いると、
本発明の効果が得られず、すなわち支持体表面の酸根の
除去および陽極酸化層の溶解が行われにくくなるため、
黒ポチおよび干渉縞の防止効果が低下する。
【0018】この浸漬工程において用いられる弱アルカ
リ性水溶液としては特に限定されるものではなく、アル
ミニウム支持体の浸漬処理中においてpHが継続して上
記のpH範囲内にあれば、いかなる水溶液も使用するこ
とができる。使用中、pHが上記のpH範囲外になると
上述のように溶解される陽極酸化層の厚みを制御するこ
とが困難になったり、陽極酸化層の溶解が行われにくく
なるため、黒ポチおよび干渉縞の防止効果が低下するた
めである。
【0019】弱アルカリ性水溶液の具体例としては、例
えば、ホウ酸、塩化カリウムおよび水酸化ナトリウムか
らなる緩衝液、グリシン、塩化ナトリウムおよび水酸化
ナトリウムからなる緩衝液、ホウ砂および水酸化ナトリ
ウムからなる緩衝液、ホウ砂および炭酸ナトリウムから
なる緩衝液、塩化アンモニウムおよびアンモニア水から
なる緩衝液、ジメチルグリシンナトリウムおよび塩酸か
らなる緩衝液、炭酸ナトリウムおよび炭酸水素ナトリウ
ムからなる緩衝液、正リン酸、氷酢酸、ホウ酸および水
酸化ナトリウムからなる緩衝液、ならびにクエン酸、リ
ン酸二水素カリウム、ホウ酸、ジエチルバルビツル酸、
塩酸および水酸化ナトリウムからなる緩衝液等が挙げら
れ、それぞれの緩衝液成分は規定量を直接的に水に添加
されて上記pH範囲内になるよう調節されてもよいし、
予め適切な濃度に調整されたそれぞれの水溶液を適切な
混合比で混合して上記pH範囲内になるよう調節されて
もよい。
【0020】上記の弱アルカリ性水溶液のうち、炭酸ナ
トリウムおよび炭酸水素ナトリウムからなる緩衝液を用
いることが好ましい。この緩衝液を用いる場合のpH調
整については、例えば、2.6kgの純水に炭酸ナトリ
ウムを27.4g、炭酸水素ナトリウムを21.8g溶解
したときの水溶液のpHは10.0であり、2.6kgの
純水に炭酸ナトリウムを15.9g、炭酸水素ナトリウ
ムを32.6g溶解したときの水溶液のpHは9.5であ
る。
【0021】浸漬時の弱アルカリ性水溶液の温度は、好
ましくは40〜100℃、より好ましくは50〜80℃
に設定される。40℃未満では本発明の効果が得られに
くくなる。また、浸漬時間については10〜60分間程
度でよく、好ましくは20〜60分間である。10分間
未満では本発明の効果が得られにくくなり、60分間を
越えると溶解される陽極酸化層の厚みが表面付近にとど
まらず、電荷注入防止層としての機能(ブロッキング
性)が低下し易くなる。
【0022】このように浸漬処理された陽極酸化層を有
する感光体基体は所望により封孔処理に供される。陽極
酸化層における多孔質部分が不安定であるためであり、
一般に封孔処理することにより陽極酸化層の抵抗値が増
加し、ブロッキング性がさらに向上する。
【0023】本発明においては、封孔処理として低温封
孔処理および高温封孔処理いずれの処理が行われてもよ
く、好ましくは高温封孔処理が行われる。所望によりそ
れぞれの処理を行う2段階封孔処理が行われてもよい。
【0024】低温封孔処理とは、40℃以下の処理液中
に陽極酸化層を浸漬させることにより行われる封孔処理
を意味し、その他の諸条件は公知の方法と同様である。
処理液中には所望により低温封孔剤として、例えば、フ
ッ化ニッケル、赤血塩等が含有されている。
【0025】具体的には、低温封孔剤としてフッ化ニッ
ケルを用いる場合、フッ化ニッケルを濃度2〜7g/
l、好ましくは3〜6g/lで含む水溶液を、pH5.
5〜6.0、温度25〜40℃、好ましくは25〜35
℃に調整し、これに上記陽極酸化層を有する支持体を1
〜10分間、好ましくは2〜5分間浸漬することにより
行われる。
【0026】低温封孔剤として赤血塩を用いる場合、赤
血塩を濃度3〜20g/l、好ましくは5〜15g/l
で含む水溶液を、pH5.5〜6.0、温度25〜40
℃、好ましくは25〜30℃に調整し、これに上記陽極
酸化層を有する支持体を1〜20分間、好ましくは5〜
10分間浸漬することにより行われる。
【0027】また、低温封孔処理としては上記のように
低温封孔剤を用いる場合の他、例えば、加湿封孔処理を
行ってもよい。加湿封孔処理を行う場合、相対湿度80
%RH以上、温度30〜40℃で1〜10日間放置する
ことにより行われる。
【0028】高温封孔処理とは、65℃以上の処理液中
で陽極酸化層を浸漬させることにより行われる封孔処理
を意味し、その他の諸条件は公知の方法と同様である。
処理液中には所望により高温封孔剤、例えば、酢酸ニッ
ケル、酢酸コバルト、酢酸鉛、酢酸ニッケル−コバル
ト、酢酸バリウム等の金属塩が含有されるが、特に酢酸
ニッケルを用いることが最も好ましい。
【0029】具体的には、高温封孔剤として酢酸ニッケ
ルを用いる場合、酢酸ニッケルを濃度3〜20g/l、
好ましくは4〜12g/lで含む水溶液を、pH5.5
〜6.0、温度65〜100℃、好ましくは70〜90
℃に調整し、これに上記陽極酸化層を有する支持体を5
〜40分間、好ましくは5〜30分間浸漬することによ
り行われる。高温封孔剤として酢酸ニッケル以外の酢酸
コバルト、酢酸鉛、酢酸ニッケル−コバルト、酢酸バリ
ウム等の金属塩を用いる場合も、酢酸ニッケルを用いる
場合に準じて行われる。
【0030】高温封孔処理としては上記のように高温封
孔剤を用いる場合の他、例えば、純水による熱水封孔処
理または蒸気封孔処理等を行ってもよい。熱水封孔処理
を行う場合、温度65〜100℃、好ましくは90〜9
8℃の熱水に10〜60分間、好ましくは20〜40分
間浸漬することにより行われる。蒸気封孔処理を行う場
合には、3.0〜6.0kg/cmの水蒸気圧下で1
0〜30分間、好ましくは10〜20分間放置すること
により行われる。
【0031】このような封孔処理のうち、封孔の効率性
の観点から酢酸ニッケルまたはフッ化ニッケルによる封
孔処理が好ましい。
【0032】なお、上記の各処理工程間においては、次
工程の処理を効率よく、確実に行うため、水道水または
純粋による水洗等の補助的な処理工程を設けることが好
ましい。
【0033】上記のようにして得られた感光体基体上に
は、公知の方法により感光層が形成される。感光層とし
ては電荷発生層および電荷輸送層を順次積層した形態、
電荷輸送層および電荷発生層を順次積層した形態、電荷
輸送材料と電荷発生材料とを含む単層型の形態のいずれ
であってもよいが、以下、感光層として電荷発生層およ
び電荷輸送層を順次積層した形態の感光体を製造する場
合について説明する。
【0034】電荷発生層は、電荷発生材料を真空蒸着す
るか、あるいはアミン等の溶媒に溶解せしめて塗布する
か、顔料を適当な溶剤もしくは必要があれば結着樹脂を
溶解させた溶液中に分散させて作製した塗布液を塗布乾
燥して電荷発生層を形成する。この上に、更に電荷輸送
材料および結着樹脂を含む溶液を塗布乾燥して電荷輸送
層を形成する。
【0035】本発明の感光体に用いられる電荷発生材料
としては、例えばフタロシアニン系顔料、ビスアゾ系顔
料、トリスアゾ系顔料、スクアリリウム系色素、ペリレ
ン系顔料、多環キノン系顔料、トリアリールメタン系染
料、チアジン系染料、オキサジン系染料、キサンテン系
染料、シアニン系色素、スチリル系色素、ピリリウム系
染料、アゾ系染料、キナクリドン系染料、インジゴ系顔
料、ビスベンズイミダゾール系顔料、インダスロン系顔
料等の有機物質が挙げられる。この他、光を吸収して極
めて高い効率で電荷担体を発生する材料であれば、いず
れの材料であっても使用することができる。
【0036】また、本発明の感光体に用いられる電荷輸
送材料としては、有機物質が好ましく、例えばヒドラゾ
ン化合物、ピラゾリン化合物、スチリル化合物、トリフ
ェニルメタン化合物、オキサジアゾール化合物、カルバ
ゾール化合物、スチルベン化合物、エナミン化合物、オ
キサゾール化合物、トリフェニルアミン化合物、テトラ
フェニルベンジジン化合物、アジン化合物等種々の材料
を使用することができる。
【0037】上記のような感光体の製造に使用される結
着樹脂は電気絶縁性であり、単独で測定して1×1012
Ω・cm以上の体積抵抗を有することが望ましい。例え
ば、それ自体公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬
化性樹脂、光導電性樹脂等の結着材を使用することがで
きる。具体的には、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹
脂、アクリル樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、イオン
架橋オレフィン共重合体(アイオノマー)、スチレン−
ブタジエンブロック共重合体、ポリカーボネート樹脂、
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、セルロースエステ
ル、ポリイミド樹脂、スチロール樹脂等の熱可塑性樹
脂;エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、フ
ェノール樹脂、メラミン樹脂、キシレン樹脂、アルキッ
ド樹脂、熱硬化アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂;光硬化
性樹脂;ポリビニルカルバゾール、ポリビニルピレン、
ポリビニルアントラセン、ポリビニルピロール等の光導
電性樹脂等が挙げられ、これらの結着樹脂は単独もしく
は2種以上組み合わせて使用される。なお、電荷輸送材
料がそれ自身バインダーとして使用できる高分子電荷輸
送材料である場合は、他の結着樹脂を使用しなくてもよ
い。
【0038】本発明の感光体は結着樹脂とともにハロゲ
ン化パラフィン、ポリ塩化ビフェニル、ジメチルナフタ
レン、ジブチルフタレート、O−ターフェニルなどの可
塑剤やクロラニル、テトラシアノエチレン、2,4,7
−トリニトロフルオレノン、5,6−ジシアノベンゾキ
ノン、テトラシアノキノジメタン、テトラクロル無水フ
タル酸、3,5−ジニトロ安息香酸等の電子吸引性増感
剤、メチルバイオレット、ローダミンB、シアニン染
料、ピリリウム塩、チアピリリウム塩等の増感剤を使用
してもよい。
【0039】尚、本発明の感光体は、上述の陽極酸化層
上に中間層を設けた構成であってもよい。中間層に用い
られる材料としてはナイロン樹脂、ポリイミド樹脂、ポ
リアミド樹脂、ニトロセルロースポリビニルブチラール
樹脂、ポリビニルアルコール樹脂等が適当である。膜厚
は0.1〜30μm、好ましくは1〜30μm、より好
ましくは1〜20μmとする。
【0040】さらに本発明の感光体は、上記感光層上に
表面保護層を設けてもよい。表面保護層に用いられる材
料としては、アクリル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリ
カーボネート樹脂、ウレタン樹脂などのポリマーをその
まま、または酸化スズや酸化インジウムなどの低抵抗化
合物を分散させたものなどが適当である。また、表面保
護層として有機プラズマ重合膜を使用することができ
る。有機プラズマ重合膜は必要に応じて適宜酸素、窒
素、ハロゲン、周期律表の第3族、第5族原子を含んで
いてもよい。
【0041】このようにして製造された感光体が組み込
まれる装置としては特に規定されず、フルカラー、カラ
ー、単色の複写機、プリンタ、リーダプリンタ等いずれ
であってもよい。また感光体の形状も特に限定されず、
ドラム状、ベルト状、板状等が例示される。本発明を以
下の実施例によりさらに詳しく説明する。
【0042】
【実施例】実施例1 JIS6063のアルミニウム地金を溶解・鋳造した
後、均質化処理を施してから、押し出し成形した。その
後、外径が80mmになるよう、その表面を、切り刃に
天然ダイヤモンドを用いたバイトで切削加工して、表面
粗さ0.5S以下の円筒状アルミニウム合金支持体を得
た(長さ350mm)。これを、界面活性剤(トップア
ルクリーン161:奥野製薬工業社製)を用いて50℃
で1分間脱脂処理を行い、流水で洗浄した。次いで、濃
度100g/lの硝酸水溶液により20℃で5分間エッ
チング処理し、純水で流水洗浄した。次に、電解液とし
て200g/lの硫酸を用いて、電解電圧14V、液温
20℃で15分間陽極酸化処理を行い、厚さ6μmの陽
極酸化層を形成した。
【0043】この陽極酸化層を有する支持体をpH1
0、温度55℃の、弱アルカリ性水溶液に1時間浸漬
し、表面が白色に変色した感光体基体を得た。このと
き、陽極酸化層は5.5μmとなっていた。なお、弱ア
ルカリ性水溶液としては、純水2.6kgに炭酸ナトリ
ウム27.4gおよび炭酸水素ナトリウム21.8gを溶
解して得られた水溶液を用いた。その後、得られた感光
体基体を純水で流水洗浄し、乾燥させた。
【0044】一方、τ型無金属フタロシアニン(Liopho
ton:東洋インキ製造社製)1重量部とポリビニルブチ
ラール樹脂(エスレックBX−1、積水化学社製)1重
量部とをテトラヒドロフラン(THF)48重量部と共
にサンドミルにより分散させた。得られたフタロシアニ
ン系の分散液を上記感光体基体に、乾燥後の膜厚が0.
3μmとなるように塗布し電荷発生層を形成した。
【0045】下記式:
【化1】
【0046】で表されるスチリル化合物4重量部とポリ
カーボネート樹脂(PC−Z、帝人化成社(株)製)6
重量部とを塩化メチレン44重量部に溶解させてなる塗
布液を上記電荷発生層上に塗布乾燥させて、膜厚25μ
mの電荷輸送層を形成し、電子写真感光体を作製した。
【0047】実施例2 弱アルカリ性水溶液への浸漬処理における水溶液温度を
75℃、浸漬時間を20分間にして、表面が乳白色に変
色した感光体基体を得たこと以外、実施例1と同様にし
て、電子写真感光体を作製した。
【0048】実施例3 弱アルカリ性水溶液への浸漬処理における水溶液温度を
75℃ 浸漬時間を20分間にして、表面が乳白色に変
色した感光体基体を得、この感光体基体を純水で流水洗
浄し、濃度7g/l、pH5.7の酢酸ニッケル水溶液
に、温度85℃で20分間浸漬する封孔処理を行ったこ
と以外、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製
した。
【0049】比較例1 弱アルカリ性水溶液への浸漬処理を行わなかったこと以
外、実施例2と同様にして、電子写真感光体を作製し
た。
【0050】比較例2 弱アルカリ性水溶液への浸漬処理を行わなかったこと以
外、実施例3と同様にして、電子写真感光体を作製し
た。
【0051】(評価)実施例1〜3および比較例1〜2
で得られた電子写真感光体をそれぞれデジタル複写機
(Di33;ミノルタ社製)に搭載して画出しを行い、
黒ポチおよび干渉縞について評価した。
【0052】黒ポチ 白ベタ画像を複写し、10枚複写後における複写画像の
黒ポチの発生を目視により、以下のランク付けに従って
評価した。 ○:良好; △:若干発生しているが、実用上問題なかった; ×:多数発生しており、実用に適さなかった。
【0053】干渉縞 ハーフトーン画像(ID:0.5)を複写し、10枚複
写後における複写画像の干渉縞の発生を目視により、以
下のランク付けに従って評価した。 ○:干渉縞の発生は全くなかった; △:干渉縞が部分的に発生したが、実用上問題なかっ
た; ×:干渉縞が全面的に発生し、実用に適さなかった。
【0054】これらの評価結果を以下の表1に示す。
【表1】
【0055】
【発明の効果】本発明により、黒ポチおよび干渉縞等の
画像ノイズを発生しない電子写真感光体を提供すること
が可能となった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウムまたはアルミニウム合金か
    らなる支持体の表面を陽極酸化処理した後、pH9.5
    〜10.5の弱アルカリ性水溶液中への浸漬処理を施し
    て得られる感光体基体に、少なくとも感光層を設けてな
    ることを特徴とする電子写真感光体。
JP25189097A 1997-09-17 1997-09-17 電子写真感光体 Pending JPH1195470A (ja)

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