JPH1184704A - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JPH1184704A
JPH1184704A JP25031197A JP25031197A JPH1184704A JP H1184704 A JPH1184704 A JP H1184704A JP 25031197 A JP25031197 A JP 25031197A JP 25031197 A JP25031197 A JP 25031197A JP H1184704 A JPH1184704 A JP H1184704A
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JP
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resin
substrate
treatment
layer
fine particles
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JP25031197A
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English (en)
Inventor
Shigeaki Tokutake
重明 徳竹
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Minolta Co Ltd
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Minolta Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 いかなる環境下であっても画像上に黒ポチ等
の画像ノイズが発生しない電子写真感光体を提供するこ
と。 【解決手段】 アルミニウムまたはアルミニウム合金か
らなる支持体の表面を陽極酸化処理および封孔処理した
後、樹脂微粒子を陽イオン界面活性剤で分散させた樹脂
微粒子分散液への浸漬処理を施して得られる感光体基体
に、少なくとも感光層を設けてなることを特徴とする電
子写真感光体に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真装置におい
て用いられる電子写真感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真の技術は、複写機の分野で発展
してきており、最近では従来の装置とは比較にならない
程の高画質、高速性、静粛性により急速に普及し、中で
もデジタル信号のデータ処理システムの目覚ましい進歩
に伴い、レーザービームプリンタ、デジタル複写機等が
特に注目されている。これらの電子写真装置で使用され
る感光体は、一般にアルミニウムまたはアルミニウム合
金等の導電性の感光体基体上に感光層を形成してなり、
層構成としては、導電性基体上に、電荷発生層、電荷輸
送層を順次積層した機能分離積層型構成が広く用いられ
ている。
【0003】上記の装置に用いられる画像形成方法とし
ては、光源にレーザービームを用い、光の有効利用ある
いは解像力を上げる目的から、レーザービームの光を照
射した部分にトナーを付着させて画像を形成する反転現
像方式を採用することが主流となっている。この現像方
式によると、特に、使用環境中の温度および湿度の変化
によって現像時に導電性基体上の欠陥部から感光層への
電荷の注入が起こってトナー像が形成されるべきでない
所に形成される、いわゆる黒ポチと言われる画像ノイズ
が発生することが問題となっている。
【0004】そこで、特開昭63−296051号公報
では潤滑性、耐湿性および耐摩耗性の向上を目的とし
て、陽極酸化層における孔にシランカップリング剤を介
して含フッ素有機樹脂を充填した像保持部材が開示され
ている。また、特開平2−99962号公報では多孔中
への水分の侵入を防止する目的で、陽極酸化皮膜を撥水
性物質で封孔する技術が報告されている。しかしなが
ら、いずれの技術においても、樹脂皮膜のムラが生じ易
くブロッキング性が不均一となり、特に、高温高湿下に
おいて上記の黒ポチ等の画像ノイズを完全に防止するこ
とはできないのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、いかなる環
境下においても画像上に黒ポチ等の画像ノイズが発生し
ない電子写真感光体を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、アルミニウム
またはアルミニウム合金からなる支持体の表面を陽極酸
化処理および封孔処理した後、樹脂微粒子を陽イオン界
面活性剤で分散させた樹脂微粒子分散液へ浸漬処理して
得られる感光体基体に、少なくとも感光層を設けてなる
ことを特徴とする電子写真感光体に関する。
【0007】本発明者等は、このように支持体表面を陽
極酸化処理および封孔処理した後、樹脂微粒子を陽イオ
ン界面活性剤で分散させた樹脂微粒子分散液へ浸漬処理
して得られた感光体基体上に、少なくとも感光層を形成
して得られる電子写真感光体は、いかなる環境下におい
ても画像上に黒ポチ等の画像ノイズを発生しないことを
見いだした。
【0008】本発明の感光体の基体を作製すべく用いら
れるアルミニウムまたはアルミニウム合金支持体(以
下、単にアルミニウム支持体という)としては、従来か
ら電子写真感光体に使用することができるものであれ
ば、特に限定されるものではない。すなわち、アルミニ
ウム組成、それの成形方法および表面加工方法等につい
ては従来から公知のいかなる組成および方法も採用する
ことができる。例えば、純度99.9%以上のアルミニ
ウム地金を溶解・鋳造した後、均質処理を施し、押し出
して素管を作製する。その後、表面の精密仕上げとし
て、得られた素管にしごき加工・引き抜き加工、あるい
は必要に応じてしごき加工・引き抜き加工を行った後、
切削または研削を行うことにより、本発明において使用
されるアルミニウム支持体を製造することができる。
【0009】得られたアルミニウム支持体は陽極酸化処
理に先立って、脱脂処理およびエッチング処理に供され
てもよい。脱脂処理は、感光体基体を所望の形状に加工
する際の油や基体の保存時の防錆等の効果を目的として
当該表面に塗布される処理液を洗浄する目的で行われ、
その方法としては当該目的が達成されれば特に制限され
るものではない。例えば、基体を、界面活性剤を含む4
5〜65℃の水溶液中に2〜5分間浸漬することにより
行われる。
【0010】脱脂されたアルミニウム支持体が供される
エッチング処理は、均一な陽極酸化処理を行うためにア
ルミニウム支持体表面に形成された自然酸化皮膜を除去
する目的で行われ、その方法としては当該目的が達成さ
れれば特に制限されるものではないが、酸エッチング処
理に供されることが好ましい。例えば、基体を、濃度5
0〜160g/lの硝酸水溶液により15〜30℃で1
〜5分間浸漬することにより行われる。
【0011】このようにして処理されたアルミニウム支
持体は、従来から公知の陽極酸化処理に供される。陽極
酸化処理は、一般に、例えばクロム酸、硫酸、リン酸、
シュウ酸、ホウ酸、スルファミン酸等の酸性浴中、公知
の方法で行われるが、本発明においては硫酸中での陽極
酸化処理が最も良好である。硫酸中での陽極酸化の場
合、硫酸濃度は100〜300g/l、好ましくは10
0〜200g/l、溶存アルミニウム濃度は2〜15g
/l、液温は15〜30℃、好ましくは15〜25℃、
電解電圧は5〜20V、好ましくは10〜20Vの範囲
に設定するのが望ましい。さらに本発明においては、前
述した支持体表面を、電流密度0.3〜1.0A/dm
2、好ましくは0.6〜1.0A/dm2、より好ましく
は0.7〜0.8A/dm2程度の低電流密度にて、2
5〜60分程度の比較的長い時間にわたって陽極酸化処
理することが好ましい。
【0012】なお、陽極酸化層の膜厚は1〜15μm、
好ましくは2〜10μm、より好ましくは4〜8μmと
するのが望ましい。1μm未満であると、電荷注入防止
層としての陽極酸化層の機能が低下し、一方15μmを
越えるとコスト高となるだけでこれ以上の膜厚は必要な
い。
【0013】本発明においては、このようにして形成さ
れた陽極酸化層を有する支持体は封孔処理に供されるこ
とが好ましい。陽極酸化層における多孔質部分が不安定
であるためであり、一般に封孔処理することにより陽極
酸化層の抵抗値が増加し、ブロッキング性がさらに向上
する。
【0014】本発明においては、封孔処理として低温封
孔処理および高温封孔処理いずれの処理が行われてもよ
く、好ましくは高温封孔処理が行われる。所望によりそ
れぞれの処理を行う2段階封孔処理が行われてもよい。
【0015】低温封孔処理とは、比較的低温、一般的に
は40℃以下の処理液中に陽極酸化層を浸漬させること
により行われる封孔処理を意味し、その他の諸条件は公
知の方法と同様である。処理液中には所望により低温封
孔剤として、例えば、フッ化ニッケル、赤血塩等が含有
されている。
【0016】具体的には、低温封孔剤としてフッ化ニッ
ケルを用いる場合、フッ化ニッケルを濃度2〜7g/
l、好ましくは3〜6g/lで含む水溶液を、pH5.
5〜6.0、温度25〜40℃、好ましくは30〜35
℃に調整し、これに上記陽極酸化層を有する支持体を1
〜10分間、好ましくは2〜5分間浸漬することにより
行われる。温度が25℃以下では水溶液の拡散が悪く、
処理後の支持体表面の封孔度が低下して、ブロッキング
性が低下し、耐刷時にカブリが生じるおそれがある。一
方、40℃を越えると得られる感光体基体と、その上に
形成される感光層との接着性が低下したり、封孔度がか
えって低下し、ブロッキング性が低下して耐刷時にカブ
リを生じる。
【0017】低温封孔剤として赤血塩を用いる場合、赤
血塩を濃度3〜20g/l、好ましくは5〜15g/l
で含む水溶液を、pH5.5〜6.0、温度25〜40
℃、好ましくは25〜30℃に調整し、これに上記陽極
酸化層を有する支持体を1〜20分間、好ましくは5〜
10分間浸漬することにより行われる。温度が25℃以
下では水溶液の拡散が悪く、処理後の支持体表面の封孔
度が低下して、ブロッキング性が低下し、耐刷時にカブ
リが生じるおそれがある。一方、40℃を越えると得ら
れる感光体基体と、その上に形成される感光層との接着
性が低下したり、封孔度がかえって低下し、ブロッキン
グが低下して耐刷時にカブリを生じる。
【0018】また、低温封孔処理としては上記のように
低温封孔剤を用いる場合の他、例えば、加湿封孔処理を
行ってもよい。加湿封孔処理を行う場合、相対湿度80
%RH以上、温度30〜40℃で1〜10日間放置する
ことにより行われる。
【0019】高温封孔処理とは、比較的高温、一般的に
は65℃以上の処理液中で陽極酸化層を浸漬させること
により行われる封孔処理を意味し、その他の諸条件は公
知の方法と同様である。処理液中には所望により高温封
孔剤、例えば、酢酸ニッケル、酢酸コバルト、酢酸鉛、
酢酸ニッケル−コバルト、酢酸バリウム等の金属塩が含
有されるが、特に酢酸ニッケルを用いることが最も好ま
しい。
【0020】具体的には、高温封孔剤として酢酸ニッケ
ルを用いる場合、酢酸ニッケルを濃度3〜20g/l、
好ましくは4〜12g/lで含む水溶液を、pH5.0
〜6.0、温度65〜100℃、好ましくは80〜98
℃に調整し、これに上記陽極酸化層を有する支持体を1
0〜60分間、浸漬することにより行われる。温度が6
5℃以下では処理後の支持体表面の封孔度が低下して、
ブロッキング性が低下し、耐刷時にカブリが生じるおそ
れがある。一方、100℃を越えると、実質的に処理器
具等がコスト高となり現実的でなく、また、得られる感
光体基体と、その上に形成される感光層との接着性が低
下したり、封孔度がかえって低下し、ブロッキング性が
低下して耐刷時にカブリを生じる。高温封孔剤として酢
酸ニッケル以外の酢酸コバルト、酢酸鉛、酢酸ニッケル
−コバルト、酢酸バリウム等の金属塩を用いる場合も、
酢酸ニッケルを用いる場合に準じて行われる。
【0021】高温封孔処理としては上記のように高温封
孔剤を用いる場合の他、例えば、純水による熱水封孔処
理または蒸気封孔処理等を行ってもよい。熱水封孔処理
を行う場合、温度65〜100℃、好ましくは90〜9
8℃の熱水に10〜60分間、好ましくは20〜40分
間浸漬することにより行われる。蒸気封孔処理を行う場
合には、3.0〜6.0kg/cmの水蒸気圧下、1
0〜30分間、好ましくは10〜20分間放置すること
により行われる。
【0022】このような封孔処理のうち、封孔の効率性
の観点から酢酸ニッケルまたはフッ化ニッケルによる封
孔処理が好ましい。
【0023】なお、上記の高温封孔処理および低温封孔
処理、いずれの封孔処理工程においても、処理液には界
面活性剤は含まれていなくてもよいが、支持体表面の、
処理液との濡れ性向上の目的から処理液中に界面活性剤
が含まれていることが好ましい。処理液中に含まれる界
面活性剤としては陽イオン性、陰イオン性、両性および
非イオン性のものが挙げられるが、後の陽イオン界面活
性剤含有の樹脂微粒子分散液による浸漬処理の効率の観
点から、封孔処理液中の界面活性剤は陰イオン界面活性
剤であることがさらに好ましい。
【0024】一般に、陽極酸化層の電気特性について、
陽極酸化処理後ζ電位は正になるが、陰イオン界面活性
剤を含有する処理液により封孔処理を行うことにより、
当該陽極酸化層を効率よく封孔することが可能となり、
また、その後の、本発明の特徴とする陽イオン界面活性
剤で分散させた樹脂微粒子分散液での浸漬処理も効率よ
く行われ、黒ポチが有効に防止されるためである。すな
わち、黒ポチは感光体基体表面の電荷が不均一になるこ
とに起因すると考えられ、また、電荷の不均一化は、封
孔剤(処理液)中に含有される界面活性剤が支持体の切
削傷や、支持体材料、すなわちアルミニウムまたはアル
ミニウム合金の純度に依存して感光体基体製造工程、特
に陽極酸化処理工程において発生する微小な孔等に残留
し、残留した界面活性剤はその後の洗浄工程においてブ
ラシ洗浄や溶剤洗浄等では十分に除去することができな
いことから、陽極酸化層表面が部分的に界面活性剤由来
の電荷を保有するために起こると考えられるが、封孔処
理液に陰イオン界面活性剤が含有されていると、後の陽
イオン界面活性剤含有の樹脂微粒子分散液による浸漬処
理により残留陰イオン界面活性剤が中和され、表面電荷
の均一化が図れるとともに、樹脂微粒子を陽極酸化層に
付着させて電荷注入防止層としての陽極酸化層の機能の
向上を促進できると思われる。
【0025】従って、本発明においては、陽極酸化処理
したアルミニウムまたはアルミニウム合金からなる支持
体の表面を、陰イオン界面活性剤含有の酢酸ニッケルま
たはフッ化ニッケル処理液により封孔処理することが最
も好ましい。
【0026】このようにして陽極酸化層を封孔処理され
た支持体は、樹脂微粒子を陽イオン界面活性剤で分散さ
せた樹脂微粒子分散液への浸漬処理に供される。これに
より、陽極酸化層が安定化されると同時に、樹脂微粒子
が陽極酸化層に化学的に吸着して電荷注入防止層として
の陽極酸化層の機能の向上を促進できると思われる。
【0027】上記の樹脂微粒子分散液は少なくとも樹脂
微粒子、陽イオン界面活性剤および分散媒体からなり、
当該分散液中、樹脂微粒子は陽イオン界面活性剤により
均一に分散されている。均一な分散が達成されないと本
発明の効果が得られにくくなる。すなわち上記の電荷の
均一化効果が得られにくくなるだけでなく、得られる感
光体基体における陽極酸化層の一様なブロッキング性が
得られない。
【0028】樹脂分散液中に分散される樹脂微粒子とし
ては、いかなる樹脂からなる微粒子であってもよく、例
えば、アクリル樹脂、フッ素樹脂、フッ化ビニリデン樹
脂、スチレン樹脂およびウレタン樹脂からなる微粒子等
が挙げられ、これら樹脂微粒子から選択された2種以上
の樹脂微粒子を混合して使用してもよい。具体的に
は、、ポリテトラフルオロエチレン、ポリスチレン、ポ
リメタクリル酸メチル、ポリフッ化ビニリデン、スチレ
ン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−ジビニル
ベンゼン共重合体が挙げられ、ポリテトラフルオロエチ
レンを使用することが好ましい。
【0029】上記微粒子の平均粒径は0.01〜1.0μ
m、好ましくは0.1〜0.3μmであり、平均粒径が
0.01μmより小さいと当該微粒子が付着してなる微
粒子層のブロッキング性が低下し、黒ポチが発生する原
因となる。一方、1.0μmより大きいと得られる感光
体基体と、その上に形成される感光層との接着性が低下
したり、特に低温低湿の環境下において感度が低下して
耐刷時にカブリを生じる。
【0030】このような樹脂微粒子はいかなる公知の方
法においても製造することができ、例えば、乳化重合
法、ソープフリー重合法またはシード重合法等によって
容易に効率よく製造することができる。
【0031】かかる微粒子は微粒子分散液中、5〜30
g/l、好ましくは10〜20g/lの割合で分散され
ている。5g/lより少ないと本発明の効果が得られ
ず、30g/lより多いと液中における微粒子の分散が
不十分となり、陽極酸化層に付着されてなる樹脂微粒子
層の厚みが不均一となる。
【0032】また、分散液中に含有される陽イオン界面
活性剤としては、後述される分散媒体中、上記の樹脂微
粒子を分散させることができる化合物であれば、特に、
限定されるものではなく、いかなるものも使用すること
ができる。例えば、ラウリルアミンアセテート、ステア
リルアミンアセテート、ステアリルアミン塩酸塩、トリ
メチルオクタデシルアンモニウムクロリド、ラウリルト
リメチルアンモニウムクロリド、塩化ジステアリルジメ
チルアンモニウム、ラウリルピリジニウム塩等が挙げら
れる。
【0033】このような陽イオン界面活性剤は微粒子分
散液中、1〜6g/lの割合で含有されている。1g/
lより少ないか、もしくは6g/lより多いと樹脂微粒
子の分散が不十分となり、陽極酸化層に付着されてなる
樹脂微粒子層の厚みが不均一となり本発明の効果が得ら
れない。
【0034】分散媒体としては、上記の樹脂微粒子を溶
解せず、陽イオン界面活性剤の存在により当該分散媒体
を介して樹脂微粒子が分散し得るものであれば、いずれ
の溶媒をも使用することができる。例えば、水、メタノ
ール、エタノール、イソプロピルアルコール等が挙げら
れ、好ましくは水を使用することである。
【0035】なお、上記の各処理工程間においては、次
工程の処理を効率よく、確実に行うため、水道水または
純水による水洗等の補助的な処理工程を設けることが好
ましい。
【0036】上記のようにして得られた感光体基体上に
は、公知の方法により感光層が形成される。感光層とし
ては電荷発生層および電荷輸送層を順次積層した形態、
電荷輸送層および電荷発生層を順次積層した形態、電荷
輸送材料と電荷発生材料とを含む単層型の形態のいずれ
であってもよいが、以下、感光層として電荷発生層およ
び電荷輸送層を順次積層した形態の感光体を製造する場
合について説明する。
【0037】電荷発生層は、電荷発生材料を真空蒸着す
るか、あるいはアミン等の溶媒に溶解せしめて塗布する
か、顔料を適当な溶剤もしくは必要があれば結着樹脂を
溶解させた溶液中に分散させて作製した塗布液を塗布乾
燥して電荷発生層を形成する。この上に、更に電荷輸送
材料および結着樹脂を含む溶液を塗布乾燥して電荷輸送
層を形成する。
【0038】本発明の感光体に用いられる電荷発生材料
としては、例えばビスアゾ系顔料、トリアリールメタン
系染料、チアジン系染料、オキサジン系染料、キサンテ
ン系染料、シアニン系色素、スチリル系色素、ピリリウ
ム系染料、アゾ系染料、キナクリドン系染料、インジゴ
系顔料、ペリレン系顔料、多環キノン系顔料、ビスベン
ズイミダゾール系顔料、インダスロン系顔料、スクアリ
リウム系顔料、フタロシアニン系顔料等の有機物質が挙
げられる。この他、光を吸収して極めて高い効率で電荷
担体を発生する材料であれば、いずれの材料であっても
使用することができる。
【0039】また、本発明の感光体に用いられる電荷輸
送材料としては、有機物質が好ましく、例えばヒドラゾ
ン化合物、ピラゾリン化合物、スチリル化合物、トリフ
ェニルメタン化合物、オキサジアゾール化合物、カルバ
ゾール化合物、スチルベン化合物、エナミン化合物、オ
キサゾール化合物、トリフェニルアミン化合物、テトラ
フェニルベンジジン化合物、アジン化合物等種々の材料
を使用することができる。
【0040】上記のような感光体の製造に使用される結
着樹脂は電気絶縁性であり、単独で測定して1×1012
Ω・cm以上の体積抵抗を有することが望ましい。例え
ば、それ自体公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬
化性樹脂、光導電性樹脂等の結着材を使用することがで
きる。具体的には、ポリビニルブチラール樹脂、ポリエ
ステル樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、エチレン
−酢酸ビニル樹脂、イオン架橋オレフィン共重合体(ア
イオノマー)、スチレン−ブタジエンブロック共重合
体、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共
重合体、セルロースエステル、ポリイミド樹脂、スチロ
ール樹脂等の熱可塑性樹脂;エポキシ樹脂、ウレタン樹
脂、シリコーン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、
キシレン樹脂、アルキッド樹脂、熱硬化アクリル樹脂等
の熱硬化性樹脂;光硬化性樹脂;ポリビニルカルバゾー
ル、ポリビニルピレン、ポリビニルアントラセン、ポリ
ビニルピロール等の光導電性樹脂等が挙げられ、これら
の結着樹脂は単独もしくは2種以上組み合わせて使用さ
れる。なお、電荷輸送材料がそれ自身バインダーとして
使用できる高分子電荷輸送材料である場合は、他の結着
樹脂を使用しなくてもよい。
【0041】本発明の感光体は結着樹脂とともにハロゲ
ン化パラフィン、ポリ塩化ビフェニル、ジメチルナフタ
レン、ジブチルフタレート、O−ターフェニルなどの可
塑剤やクロラニル、テトラシアノエチレン、2,4,7
−トリニトロフルオレノン、5,6−ジシアノベンゾキ
ノン、テトラシアノキノジメタン、テトラクロル無水フ
タル酸、3,5−ジニトロ安息香酸等の電子吸引性増感
剤、メチルバイオレット、ローダミンB、シアニン染
料、ピリリウム塩、チアピリリウム塩等の増感剤を使用
してもよい。
【0042】尚、本発明の感光体は、上述の陽極酸化層
上に中間層を設けた構成であってもよい。中間層に用い
られる材料としてはナイロン樹脂、ポリイミド樹脂、ポ
リアミド樹脂、ニトロセルロース樹脂、ポリビニルアル
コール樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ
樹脂等が適当である。膜厚は0.1〜30μm、好まし
くは1〜30μm、より好ましくは1〜20μmとす
る。
【0043】さらに本発明の感光体は、上記感光層上に
表面保護層を設けてもよい。表面保護層に用いられる材
料としては、アクリル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリ
カーボネート樹脂、ウレタン樹脂などのポリマーをその
まま、または酸化スズや酸化インジウムなどの低抵抗化
合物を分散させたものなどが適当である。また、表面保
護層として有機プラズマ重合膜を使用することができ
る。有機プラズマ重合膜は必要に応じて適宜酸素、窒
素、ハロゲン、周期律表の第3族、第5族原子を含んで
いてもよい。
【0044】本発明の感光体は感光層を選択することに
よって、反転現像方式、正規現像方式いずれの方式で
も、本発明の効果を得つつ、有効に使用することができ
るが、反転現像方式で用いることが特に好ましい。
【0045】このようにして製造された感光体が組み込
まれる装置としては特に規定されず、フルカラー、カラ
ー、単色の複写機、プリンタ、リーダプリンタ等いずれ
であってもよい。また感光体の形状も特に限定されず、
ドラム状、ベルト状、板状等が例示される。本発明を以
下の実施例によりさらに詳しく説明する。
【0046】
【実施例】実施例1 JIS5657円筒状のアルミニウム合金(外径100
mm、長さ350mm、厚さ2mm)の表面を切り刃に
天然ダイヤモンドを用いたバイトで切削加工した。これ
を、脱脂剤としての界面活性剤(トップアルクリーン1
61:奥野製薬工業社製)30g/lを用いて60±5
℃で5分間脱脂処理を行い、流水で洗浄した。100g
/l硝酸溶液に2分間浸漬しエッチング処理を行った
後、流水洗浄した。次に、電解液として150g/lの
硫酸を用いて、電流密度1A/dm、液温20℃で2
5分間陽極酸化処理を行い、厚さ7μmの陽極酸化層を
形成した。その後、この支持体を純水で流水洗浄した
後、酢酸ニッケル含有の封孔剤(シーリングソルトA
S;クラリアント社製)を用いた封孔剤濃度7g/lの
水溶液により90℃で15分間封孔処理を行い、純水洗
浄した。
【0047】次いで、平均粒径0.1〜0.2μmのポリ
テトラフルオロエチレン微粒子を陽イオン界面活性剤で
分散させた樹脂微粒子分散液(トップカチラス:奥野製
薬工業社製)を、この分散液濃度が100ml/lにな
るように純水で希釈した処理液を調製し、この処理液
に、上記の封孔処理を施した支持体を25℃で5分間浸
漬し、純水洗浄して乾燥させ、感光体基体を得た。
【0048】次に、このようにして得られた感光体基体
上に、以下のようにして感光層を形成した。τ型無金属
フタロシアニン(Liophoton TPA−909:東洋イ
ンキ製造社製)1重量部とポリビニルブチラール樹脂
(エスレックBX−1、積水化学社製)0.5重量部と
をテトラヒドロフラン(THF)50重量部と共にサン
ドミルにより分散させた。得られたフタロシアニン系の
分散液を上記感光体基体に、乾燥後の膜厚が0.3μm
となるように塗布し電荷発生層を形成した。
【0049】下記式:
【化1】
【0050】で表されるベンジルジフェニル化合物10
重量部とポリカーボネート樹脂(K−1300、帝人化
成社製)10重量部とをジクロロメタン180重量部に
溶解させてなる塗布液を上記電荷発生層上に塗布乾燥さ
せて、膜厚24μmの電荷輸送層を形成し、電子写真感
光体を作製した。
【0051】比較例1 封孔処理した支持体を、樹脂微粒子が分散してなる処理
液に浸漬することなく、感光体基体として用いたこと以
外、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作製し
た。
【0052】(黒ポチ評価)実施例1および比較例1で
得られた電子写真感光体をそれぞれフルカラー複写機
(CF900;ミノルタ社製)に搭載し、4つの現像器
全てに純製黒色トナーを補給し、黒色トナーによる4回
重ねにより白ベタ画像を複写し、初期および1000枚
複写後における画像25mm中の黒ポチ(黒斑点)の
個数を目視によりカウントし、以下に従って評価した。
なお、上記複写は低温低湿(10℃、15%RH)、中
温中湿(23℃、45%RH)および高温高湿(30
℃、85%RH)それぞれの環境下において行い、全て
の場合について評価した。 ○:14個以下; △:15〜29個; ×:30個以上。
【0053】これらの評価結果を以下の表1に示す。
【表1】
【0054】
【発明の効果】本発明により、画像上に黒ポチ等の画像
ノイズが発生しない電子写真感光体を提供することが可
能となった。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウムまたはアルミニウム合金か
    らなる支持体の表面を陽極酸化処理および封孔処理した
    後、樹脂微粒子を陽イオン界面活性剤で分散させた樹脂
    微粒子分散液への浸漬処理を施して得られる感光体基体
    に、少なくとも感光層を設けてなることを特徴とする電
    子写真感光体。
  2. 【請求項2】 樹脂微粒子がアクリル系樹脂、フッ素系
    樹脂、フッ化ビニリデン系樹脂、スチレン系樹脂および
    ウレタン系樹脂からなる群から選択される1またはそれ
    以上の樹脂からなる微粒子であることを特徴とする請求
    項1記載の電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 樹脂微粒子の平均粒径が0.01〜1.0
    μmであることを特徴とする請求項1または2記載の電
    子写真感光体。
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