JPH1184702A - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JPH1184702A
JPH1184702A JP25030897A JP25030897A JPH1184702A JP H1184702 A JPH1184702 A JP H1184702A JP 25030897 A JP25030897 A JP 25030897A JP 25030897 A JP25030897 A JP 25030897A JP H1184702 A JPH1184702 A JP H1184702A
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substrate
layer
metal
work function
treatment
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JP25030897A
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Mitsutoshi Sakamoto
光俊 坂本
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Minolta Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像上に干渉縞および黒ポチ等の画像ノイズ
を発生しない電子写真感光体を提供すること。 【解決手段】 仕事関数が4.3未満の金属を3〜10
重量%、仕事関数が4.3以上の金属を0.1重量%以
下含み、残部がアルミニウムからなるアルミニウム合金
支持体の表面を陽極酸化処理した後、封孔処理を施して
得られる感光体基体に、少なくとも感光層を設けてなる
ことを特徴とする電子写真感光体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真装置におい
て用いられる電子写真感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真の技術は、複写機の分野で発展
してきており、最近では従来の装置とは比較にならない
程の高画質、高速性、静粛性により急速に普及し、中で
もデジタル信号のデータ処理システムの目覚ましい進歩
に伴い、レーザービームプリンタ、デジタル複写機等が
特に注目されている。これらの電子写真装置で使用され
る感光体は、一般にアルミニウムまたはアルミニウム合
金等の導電性の感光体基体上に感光層を形成してなり、
層構成としては、導電性基体上に、電荷発生層、電荷輸
送層を順次積層した機能分離積層型構成が広く用いられ
ている。
【0003】上記の装置に用いられる画像形成方法とし
ては、光源にレーザービームを用い、光の有効利用ある
いは解像力を上げる目的から、レーザービームの光を照
射した部分にトナーを付着させて画像を形成する反転現
像方式を採用することが主流となっているが、レーザー
ビームを使用することから複写画像上に干渉縞が発生し
やすくなることが問題となっている。この問題を回避す
るためには感光体基体表面の粗面化が有用であることが
知られている。
【0004】また、このような感光体においては、反転
現像方式が採用されているため、現像時に導電性基体上
の欠陥部から感光層への電荷の注入が起こってトナー像
が形成されるべきでない所に形成される、いわゆる黒ポ
チと言われる画像ノイズが発生することも問題となって
いる。この黒ポチの発生を防止するためには、下引層を
設けたり、感光体基体表面の陽極酸化処理により陽極酸
化層を設けた後、封孔処理することが有効であると知ら
れている。従って、上記の干渉縞を防止しつつ、かかる
黒ポチを防止するには、基体表面を適度に粗面化しつ
つ、基体表面の欠陥を被覆する必要があるが、基体表面
を粗面化し、その上に下引層を設ける方法では、下引層
の静電特性への影響が大きく、使用する材料の選択が難
しく、また下引層の形成により基体表面の微小粗さを均
してしまうため、粗面化効果を損ない易いという問題が
あった。
【0005】基体表面の粗面化には切削やサンドブラス
トによる方法があるが、下引層形成後も粗面化効果を維
持させるには基体表面を大きく、かつ均一に粗面化する
ことが必要であったり、手間が繁雑になってコストがか
かり過ぎたりし、また上記の問題を完全に解決すること
はできない。
【0006】または、基体表面を粗面化した上に陽極酸
化層を設ける方法では、所望の粗さを得る前に、基体と
して使用するアルミニウム合金材質及び陽極酸化の処理
条件を細かく規定する必要があり、制約が大きい。
【0007】一方、アルミニウム合金基体の組成を選択
し、その成分含量を規定した感光体基体は多数提案され
ている。例えば、特公平4−28773号公報では感光
体基体の精密加工性の向上の目的からマグネシウムを
0.5〜10重量%、ケイ素を0.5重量%以下含み、残
部がアルミニウムおよび不純物からなり、不純物として
の鉄および水素の含量および介在物粒子の大きさを規定
した電子写真光導電部材用精密加工支持体が、特公平4
−28774号公報では介在物による悪影響を回避する
ことによる精密加工性の向上を目的としてケイ素を2重
量%以上7重量%以下含み、残部がアルミニウムおよび
不純物からなり、該不純物としての水素および鉄の含量
およびビッカース硬度を規定した電子写真光導電部材用
精密加工支持体が開示されている。また、特公平4−4
0706号公報では感光体基体の加工性および表面平滑
性の向上を目的として、Bを0.001〜0.5重量%含
み、残部がアルミニウムおよび不可避不純物からなるア
ルミニウム合金から形成される電子複写機の感光ドラム
等に適したシリンダが開示されている。このように種々
のアルミニウム基体が提案されているが、上記の干渉縞
および黒ポチ等の問題を解決するものではない。
【0008】さらには、特開昭63−70259号公報
では感光体基体の精密切削性の向上を目的として、Mg
0.5〜5.5重量%および/またはMn0.05〜1.5
重量%を含み、晶出物の最大径、晶出物の数および不可
避的不純物を規定したアルミニウム合金製感光体ドラム
用素材が、特開平1−285953号公報ではポートホ
ール溶着部における画像性の向上を目的として、Mgを
0.2〜6.0重量%、Cuを0.02〜0.15重量%含
み、残部がアルミニウムおよび不純物からなり、不純物
としての鉄およびケイ素の含量を規定した有機感光体用
アルミニウム基体が開示されているが、これらの技術も
上記の干渉縞および黒ポチ等の問題を解決するものでは
ない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、画像上に干
渉縞および黒ポチ等の画像ノイズを発生しない電子写真
感光体を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、仕事関数が
4.3未満の金属を3〜10重量%、仕事関数が4.3以
上の金属を0.1重量%以下含み、残部がアルミニウム
からなるアルミニウム合金支持体の表面を陽極酸化処理
した後、封孔処理を施して得られる感光体基体に、少な
くとも感光層を設けてなることを特徴とする電子写真感
光体に関する。
【0011】本明細書中、「仕事関数」とは結晶から電
子1個を無限遠に取り出すのに要する最小のエネルギー
を意味し、ここでは接触電位差法により測定した値(e
V)を採用している。なお、本明細書中、アルミニウム
の仕事関数は4.3としている。
【0012】本発明においては、このように特定の組成
からなるアルミニウム合金支持体表面を陽極酸化処理す
ることにより、基体表面を適度に粗面化しつつ、基体表
面に電荷注入防止層を形成し、その後封孔処理を施す。
そうすることにより、基体表面の欠陥が被覆されるた
め、干渉縞および黒ポチ等の画像ノイズが共に発生しな
い電子写真感光体を提供することが可能となる。
【0013】本発明の感光体の基体として用いられるア
ルミニウム合金支持体は、基体全重量に対して仕事関数
が4.3未満の金属(以下、「金属成分1」という)を
3〜10重量%、好ましくは4〜8重量%、仕事関数が
4.3以上の金属(以下、「金属成分2」という)を0.
1重量%以下、残部がアルミニウムからなっている。金
属成分1の含量が3重量%未満では本発明の効果が得ら
れない。すなわち、本発明においては当該金属を含むア
ルミニウム合金の陽極酸化処理によって、陽極酸化処理
本来の電荷注入防止効果とともに、当該金属が溶出して
基体表面を粗面化する干渉縞防止効果が得られると考え
られるが、当該金属が3重量%未満では上記の干渉縞防
止効果が得られないため干渉縞が発生する原因となる。
一方、当該金属の含量が10重量%を越えると、感光体
基体の加工性が低下したり、陽極酸化の処理液が顕著に
汚染されやすくなる等の弊害が発生する。このように仕
事関数が4.3未満の金属としてはマグネシウム、マン
ガン、ケイ素、チタン等が挙げられる。好ましくはマン
ガン、マグネシウム、ケイ素である。
【0014】金属成分1として上記金属のうち複数の金
属を用いる場合、それらの金属はそれらの含量の合計が
上記範囲内になるよう用いられる。
【0015】金属成分2はアルミニウム地金由来の金属
であり、アルミニウムに不純物として含有されている金
属である。この含量が0.1重量%を越えると、得られ
るアルミニウム合金支持体から感光層への電荷注入が起
こり易くなり、これを用いた感光体による形成画像には
黒ポチが発生し易くなる。このように仕事関数が4.3
以上の金属としてはクロム、銅、鉄、亜鉛等が挙げられ
る。
【0016】本発明において使用されるアルミニウム合
金中の混在異種金属の晶出物粒径が大きいと酸化層の薄
い部分ができて抵抗値が低くなり、支持体から感光層側
への電荷の注入が生じやすくなる傾向があるため、混在
異種金属の晶出物粒径が小さい材質のアルミニウム合金
を用いることが好ましく、さらに好ましくは10μm以
下、最も好ましくは5μm以下である。
【0017】このようなアルミニウム合金支持体の製造
方法としてはアルミニウム合金中に占める金属成分1お
よび金属成分2の含有割合が上記範囲内になれば、従来
から公知のいかなる感光体基体の製造方法をも採用する
ことができる。例えば、金属成分1を、金属成分1およ
び金属成分2の含有割合が上記範囲内になるように、純
度99.9%以上のアルミニウム地金に添加混合し、溶
解・鋳造した後、400〜600℃にて均質処理を施
し、押し出して素管を作製する。その後、表面の精密仕
上げとして、得られた素管にしごき加工・引き抜き加
工、あるいは必要に応じてしごき加工・引き抜き加工を
行った後、切削または研削を行うことにより、本発明に
おいて使用されるアルミニウム合金支持体を製造するこ
とができる。
【0018】得られたアルミニウム合金支持体は陽極酸
化処理に先立って、脱脂処理およびエッチング処理に供
されることが好ましい。脱脂処理は、感光体基体の保存
時の防錆等の効果を目的として当該表面に塗布される処
理液を洗浄する目的で行われ、その方法としては当該目
的が達成されれば特に制限されるものではない。例え
ば、基体を界面活性剤を含む30〜60℃の水溶液中に
1〜5分間浸漬することにより行われる。
【0019】脱脂されたアルミニウム合金支持体が供さ
れるエッチング処理は、均一に陽極酸化処理を行うため
に支持体表面に形成された自然酸化皮膜を除去する目的
で行われ、その方法としては当該目的が達成されれば特
に制限されるものではないが、アルカリエッチング処理
に供されることが好ましい。例えば、基体を、濃度20
〜70g/lの水酸化ナトリウム水溶液により35〜6
0℃で10〜60秒間浸漬することにより行われる。な
お、エッチング処理された支持体は濃度100g/l程
度の硝酸水溶液により15〜30℃で5分間程度中和処
理に供されることがさらに好ましい。
【0020】このようにして処理されたアルミニウム合
金支持体は、従来から公知の陽極酸化処理に供される。
陽極酸化処理は、一般に、例えばクロム酸、硫酸、リン
酸、シュウ酸、ホウ酸、スルファミン酸等の酸性浴中、
公知の方法で行われるが、本発明においては硫酸中での
陽極酸化処理が最も良好である。硫酸中での陽極酸化の
場合、硫酸濃度は100〜300g/l、好ましくは1
00〜200g/l、溶存アルミニウム濃度は2〜15
g/l、液温は15〜35℃、好ましくは25〜35
℃、電解電圧は5〜20V、好ましくは10〜20Vの
範囲に設定するのが望ましい。本発明においては、基体
表面の粗面化を促進すべく、液温については上記範囲内
で高めに設定することがさらに好ましい。
【0021】なお、陽極酸化層の膜厚は1〜15μm、
好ましくは4〜12μm、より好ましくは4〜10μm
とするのが望ましい。1μm未満であると、電荷注入防
止層としての陽極酸化層の機能が低下し、一方15μm
を越えるとコスト高となるだけでこれ以上の膜厚は必要
ない。
【0022】得られた陽極酸化層は封孔処理に供され
る。陽極酸化層における多孔質部分が不安定であるため
であり、一般に封孔処理することにより陽極酸化層の抵
抗値が増加し、陽極酸化層の電荷注入防止層としての機
能(ブロッキング性)がさらに向上する。
【0023】本発明においては、封孔処理として低温封
孔処理および高温封孔処理いずれの処理が行われてもよ
く、好ましくは高温封孔処理が行われる。所望によりそ
れぞれの処理を行う2段階封孔処理が行われてもよい。
2段階封孔処理を行う場合、これら2種類の封孔処理の
処理順序は、特に限定されないが、低温封孔処理を行っ
た後、高温封孔処理を行うことが好ましい。
【0024】低温封孔処理とは、40℃以下の処理液中
に陽極酸化層を浸漬させることにより行われる封孔処理
を意味し、その他の諸条件は公知の方法と同様である。
処理液中には所望により低温封孔剤として、例えば、フ
ッ化ニッケル、赤血塩等が含有されている。
【0025】具体的には、低温封孔剤としてフッ化ニッ
ケルを用いる場合、フッ化ニッケルを濃度2〜7g/
l、好ましくは3〜6g/lで含む水溶液を、pH5.
5〜6.0、温度25〜40℃、好ましくは25〜35
℃に調整し、これに上記陽極酸化層を有する支持体を1
〜10分間、好ましくは2〜5分間浸漬することにより
行われる。
【0026】低温封孔剤として赤血塩を用いる場合、赤
血塩を濃度3〜20g/l、好ましくは5〜15g/l
で含む水溶液を、pH5.5〜6.0、温度25〜40
℃、好ましくは25〜30℃に調整し、これに上記陽極
酸化層を有する支持体を1〜20分間、好ましくは5〜
10分間浸漬することにより行われる。
【0027】また、低温封孔処理としては上記のように
低温封孔剤を用いる場合の他、例えば、加湿封孔処理を
行ってもよい。加湿封孔処理を行う場合、相対湿度80
%RH以上、温度30〜40℃で1〜10日間放置する
ことにより行われる。
【0028】高温封孔処理とは、65℃以上の処理液中
で陽極酸化層を浸漬させることにより行われる封孔処理
を意味し、その他の諸条件は公知の方法と同様である。
処理液中には所望により高温封孔剤、例えば、酢酸ニッ
ケル、酢酸コバルト、酢酸鉛、酢酸ニッケル−コバル
ト、酢酸バリウム等の金属塩が含有されるが、特に酢酸
ニッケルを用いることが最も好ましい。
【0029】具体的には、高温封孔剤として酢酸ニッケ
ルを用いる場合、酢酸ニッケルを濃度3〜20g/l、
好ましくは4〜12g/lで含む水溶液を、pH5.5
〜6.0、温度65〜100℃、好ましくは70〜90
℃に調整し、これに上記低温封孔処理済み陽極酸化層を
有する支持体を5〜40分間、好ましくは5〜30分間
浸漬することにより行われる。高温封孔剤として酢酸ニ
ッケル以外の酢酸コバルト、酢酸鉛、酢酸ニッケル−コ
バルト、酢酸バリウム等の金属塩を用いる場合も、酢酸
ニッケルを用いる場合に準じて行われる。
【0030】高温封孔処理としては上記のように高温封
孔剤を用いる場合の他、例えば、純水による熱水封孔処
理または蒸気封孔処理等を行ってもよい。熱水封孔処理
を行う場合、温度65〜100℃、好ましくは90〜9
8℃の熱水に10〜60分間、好ましくは20〜40分
間浸漬することにより行われる。蒸気封孔処理を行う場
合には、3.0〜6.0kg/cmの水蒸気圧下、1
0〜30分間、好ましくは10〜20分間放置すること
により行われる。
【0031】このような封孔処理のうち、封孔の効率性
の観点から酢酸ニッケルまたはフッ化ニッケルによる封
孔処理が好ましい。
【0032】なお、上記の各処理工程間においては、次
工程の処理を効率よく、確実に行うため、水道水または
純粋による水洗等の補助的処理工程を設けることが好ま
しい。
【0033】上記のようにして得られた感光体基体上に
は、公知の方法により感光層が形成される。感光層とし
ては電荷発生層および電荷輸送層を順次積層した形態、
電荷輸送層および電荷発生層を順次積層した形態、電荷
輸送材料と電荷発生材料とを含む単層型の形態のいずれ
であってもよいが、以下、感光層として電荷発生層およ
び電荷輸送層を順次積層した形態の感光体を製造する場
合について説明する。
【0034】電荷発生層は、電荷発生材料を真空蒸着す
るか、あるいはアミン等の溶媒に溶解せしめて塗布する
か、顔料を適当な溶剤もしくは必要があれば結着樹脂を
溶解させた溶液中に分散させて作製した塗布液を塗布乾
燥して電荷発生層を形成する。この上に、更に電荷輸送
材料および結着樹脂を含む溶液を塗布乾燥して電荷輸送
層を形成する。
【0035】本発明の感光体に用いられる電荷発生材料
としては、例えばフタロシアニン系顔料、ビスアゾ系顔
料、トリスアゾ系顔料、スクアリリウム系色素、ペリレ
ン系顔料、多環キノン系顔料、トリアリールメタン系染
料、チアジン系染料、オキサジン系染料、キサンテン系
染料、シアニン系色素、スチリル系色素、ピリリウム系
染料、アゾ系染料、キナクリドン系染料、インジゴ系顔
料、ビスベンズイミダゾール系顔料、インダスロン系顔
料、等の有機物質が挙げられる。この他、光を吸収して
極めて高い効率で電荷担体を発生する材料であれば、い
ずれの材料であっても使用することができる。
【0036】また、本発明の感光体に用いられる電荷輸
送材料としては、有機物質が好ましく、例えばヒドラゾ
ン化合物、ピラゾリン化合物、スチリル化合物、トリフ
ェニルメタン化合物、オキサジアゾール化合物、カルバ
ゾール化合物、スチルベン化合物、エナミン化合物、オ
キサゾール化合物、トリフェニルアミン化合物、テトラ
フェニルベンジジン化合物、アジン化合物等種々の材料
を使用することができる。
【0037】上記のような感光体の製造に使用される結
着樹脂は電気絶縁性であり、単独で測定して1×10
12Ω・cm以上の体積抵抗を有することが望ましい。
例えば、それ自体公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、
光硬化性樹脂、光導電性樹脂等の結着材を使用すること
ができる。具体的には、ポリエステル樹脂、ポリアミド
樹脂、アクリル樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、イオ
ン架橋オレフィン共重合体(アイオノマー)、スチレン
−ブタジエンブロック共重合体、ポリカーボネート樹
脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、セルロースエス
テル、ポリイミド樹脂、スチロール樹脂等の熱可塑性樹
脂;エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、フ
ェノール樹脂、メラミン樹脂、キシレン樹脂、アルキッ
ド樹脂、熱硬化アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂;光硬化
性樹脂;ポリビニルカルバゾール、ポリビニルピレン、
ポリビニルアントラセン、ポリビニルピロール等の光導
電性樹脂等が挙げられ、これらの結着樹脂は単独もしく
は2種以上組み合わせて使用される。なお、電荷輸送材
料がそれ自身バインダーとして使用できる高分子電荷輸
送材料である場合は、他の結着樹脂を使用しなくてもよ
い。
【0038】本発明の感光体は結着樹脂とともにハロゲ
ン化パラフィン、ポリ塩化ビフェニル、ジメチルナフタ
レン、ジブチルフタレート、O−ターフェニルなどの可
塑剤やクロラニル、テトラシアノエチレン、2,4,7
−トリニトロフルオレノン、5,6−ジシアノベンゾキ
ノン、テトラシアノキノジメタン、テトラクロル無水フ
タル酸、3,5−ジニトロ安息香酸等の電子吸引性増感
剤、メチルバイオレット、ローダミンB、シアニン染
料、ピリリウム塩、チアピリリウム塩等の増感剤を使用
してもよい。
【0039】さらに本発明の感光体は、上記感光層上に
表面保護層を設けてもよい。表面保護層に用いられる材
料としては、アクリル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリ
カーボネート樹脂、ウレタン樹脂などのポリマーをその
まま、または酸化チタンや酸化スズや酸化インジウムな
どの低抵抗化合物を分散させたものなどが適当である。
また、表面保護層として有機プラズマ重合膜を使用する
ことができる。有機プラズマ重合膜は必要に応じて適宜
酸素、窒素、ハロゲン、周期律表の第3族、第5族原子
を含んでいてもよい。
【0040】本発明の感光体は感光層を選択することに
よって、反転現像方式、正規現像方式いずれの方式で
も、本発明の効果を得つつ、有効に使用することができ
るが、反転現像方式で用いることが特に好ましい。
【0041】このようにして製造された感光体が組み込
まれる装置としては特に規定されず、フルカラー、カラ
ー、単色の複写機、プリンタ、リーダプリンタ等いずれ
であってもよい。また感光体の形状も特に限定されず、
ドラム状、ベルト状、板状等が例示される。本発明を以
下の実施例によりさらに詳しく説明する。
【0042】
【実施例】実施例1 純度99.9%以上のアルミニウム地金と表1に示す合
金成分を溶解・鋳造した後、均質化処理を施してから、
外径80.5mm、内径78mm、長さ350mmに押
し出し成形した。その後、外径が80mmになるよう、
その表面を、切り刃に天然ダイヤモンドを用いたバイト
で切削加工して、表面粗さ0.5S以下の円筒状アルミ
ニウム合金支持体を得た。これを、界面活性剤(トップ
アルクリーン161(奥野製薬工業社製))を用いて60
℃で5分間脱脂処理を行い、流水で洗浄した。次いで、
濃度55g/lの水酸化ナトリウム水溶液により40℃
で20秒間エッチング処理し、純水で流水洗浄した後、
濃度100g/lの硝酸水溶液により20℃で5分間中
和処理し、純水で流水洗浄した。次に、電解液として2
00g/lの硫酸を用いて、電解電圧14V、液温30
℃で8分間陽極酸化処理を行い、厚さ6μmの陽極酸化
層を形成した。
【0043】これを純水で流水洗浄した後、濃度7g/
l、pH5.7の酢酸ニッケル水溶液に、温度80℃で
10分間浸漬することにより封孔処理を行い、純水洗浄
後、乾燥させ、感光体基体を得た。
【0044】一方、τ型無金属フタロシアニン(Lio
photon TPA−909:東洋インキ製造社製)
1重量部とポリビニルブチラール樹脂(エスレックBX
−1、積水化学社製)1重量部とをテトラヒドロフラン
(THF)48重量部と共にサンドミルにより分散させ
た。得られたフタロシアニン系の分散液を上記感光体基
体に、乾燥後の膜厚が0.3μmとなるように塗布し電
荷発生層を形成した。
【0045】下記式:
【化1】 で表されるスチリル化合物4重量部とポリカーボネート
樹脂(PC−Z、帝人化成社製)6重量部とを塩化メチ
レン44重量部に溶解させてなる塗布液を上記電荷発生
層上に塗布乾燥させて、膜厚25μmの電荷輸送層を形
成し、電子写真感光体を作製した。
【0046】実施例2〜3および比較例1〜4 アルミニウム以外の合金成分を表1に示す割合で用いた
こと以外、実施例1と同様にして、電子写真感光体を作
製した。
【0047】(評価)実施例1〜3および比較例1〜4
で得られた電子写真感光体をそれぞれデジタル複写機
(Di33;ミノルタ社製)に搭載して画出しを行い、
干渉縞および黒ポチについて評価した。
【0048】干渉縞 ハーフトーン画像(ID:0.5)を複写し、10枚複
写後における複写画像の干渉縞の発生を目視により、以
下のランク付けに従って評価した。 ○:干渉縞の発生は全くなかった; △:干渉縞が部分的に発生したが、実用上問題なかっ
た; ×:干渉縞が全面的に発生し、実用に適さなかった。
【0049】黒ポチ 白ベタ画像を複写し、10枚複写後における複写画像の
黒ポチの発生を目視により、以下のランク付けに従って
評価した。 ○:良好; △:若干発生しているが、実用上問題なかった; ×:多数発生しており、実用に適さなかった。
【0050】これらの評価結果を、使用されたアルミニ
ウム合金の成分組成とともに以下の表1に示す。なお、
仕事関数が4.3未満の金属の含量はアルミニウム合金
支持体作成時に添加された量を、仕事関数が4.3以上
の金属の含量はプラズマ発光分光分析(ICP)により測
定された値を示すものである。
【0051】
【表1】
【0052】
【発明の効果】本発明により、干渉縞および黒ポチ等の
画像ノイズを発生しない電子写真感光体を提供すること
が可能となった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 仕事関数が4.3未満の金属を3〜10
    重量%、仕事関数が4.3以上の金属を0.1重量%以下
    含み、残部がアルミニウムからなるアルミニウム合金支
    持体の表面を陽極酸化処理した後、封孔処理を施して得
    られる感光体基体に、少なくとも感光層を設けてなるこ
    とを特徴とする電子写真感光体。
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