JPH11102081A - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JPH11102081A
JPH11102081A JP26158797A JP26158797A JPH11102081A JP H11102081 A JPH11102081 A JP H11102081A JP 26158797 A JP26158797 A JP 26158797A JP 26158797 A JP26158797 A JP 26158797A JP H11102081 A JPH11102081 A JP H11102081A
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JP
Japan
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carbon atoms
group
sealing
resin
layer
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Application number
JP26158797A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigeaki Tokutake
重明 徳竹
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Minolta Co Ltd
Original Assignee
Minolta Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH11102081A publication Critical patent/JPH11102081A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 画像上に黒ポチ等の画像ノイズを発生しない
電子写真感光体を提供すること。 【解決手段】 アルミニウムからなる導電性支持体の表
面を陽極酸化処理した後、下記の化合物(I)〜(II
I)から選択される少なくとも1種類の化合物を含有す
る封孔液により封孔処理を行って得られる感光体基体
に、少なくとも感光層を設けてなることを特徴とする電
子写真感光体: 【化1】 (式中、R1は炭素数11〜16のアルキル基を表す;
2およびR3は炭素数2〜8のアルキル基を表す;R4
およびR5は水素原子または炭素数1〜6のアルキル基
を表す;R6は炭素数1〜3のアルキル基、ヒドロキシ
アルキル基、ヒドロキシアルキルエステル基、または炭
素数1〜7のスルホヒドロキシアルキルオキシアルキル
基またはその塩を表す;R7は水素原子、COOHまた
はCOO-1 +(式中、X1 +はNa+またはK+を表す)
を表す;X+はNa+またはK+を表す;mは3〜7、n
は3〜7の整数を表す。)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真装置におい
て用いられる電子写真感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真の技術は、複写機の分野で発展
してきており、最近では従来の装置とは比較にならない
程の高画質、高速性、静粛性により急速に普及し、中で
もデジタル信号のデータ処理システムの目覚ましい進歩
に伴い、レーザービームプリンタ、デジタル複写機等が
特に注目されている。これらの電子写真装置で使用され
る感光体は、一般にアルミニウムまたはアルミニウム合
金等の導電性の感光体基体上に感光層を形成してなり、
層構成としては、導電性基体上に、電荷発生層、電荷輸
送層を順次積層した機能分離積層型構成が広く用いられ
ている。
【0003】上記の装置に用いられる画像形成方法とし
ては、光源にレーザービームを用い、光の有効利用ある
いは解像力を上げる目的から、レーザービームの光を照
射した部分にトナーを付着させて画像を形成する反転現
像方式を採用することが主流となっているが、この現像
方式によると、現像時に導電性基体上の欠陥部から感光
層への電荷の注入が起こってトナー像が形成されるべき
でない所に形成される、いわゆる黒ポチと言われる画像
ノイズが発生することが問題となっていた。この黒ポチ
の発生を防止するためには、感光体基体表面に電荷注入
防止層として陽極酸化層を設けることが有効であると知
られている。
【0004】しかしながら、このような陽極酸化層を有
する感光体基体上に感光層を形成しても、感光層から陽
極酸化層への電荷の移動がスムーズにいかず、得られる
感光体の特性、例えば、環境性および耐久性等に悪影響
を及ぼしたり、陽極酸化処理による基体表面積の増加に
より、処理液あるいは洗浄液中の不純物が基体表面に付
着し易くなり、再び黒ポチ等の問題が発生するという問
題が生じている。
【0005】そこで、特開昭63−116163号公報
では陽極酸化処理した感光体基体表面を50〜80℃の
酢酸ニッケル水溶液により封孔処理する技術が開示され
ているが、上記問題を完全に解決することはできない。
一方、陽極酸化層を有する基体を90℃以上の高温で封
孔処理することも知られているが、封孔処理中、封孔槽
の液界面で封孔剤、例えば、酢酸ニッケル等の金属塩結
晶が析出して支持体表面に付着するため、上記の問題を
完全に解決するには至っていないのが現状である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、画像上に黒
ポチ等の画像ノイズを発生しない電子写真感光体を提供
することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、アルミニウム
またはアルミニウム合金からなる導電性支持体の表面を
陽極酸化処理した後、下記の化合物(I)〜(III)か
ら選択される少なくとも1種類の化合物を含有する封孔
液により封孔処理を行って得られる感光体基体に、少な
くとも感光層を設けてなることを特徴とする電子写真感
光体:
【化2】 (式中、R1は炭素原子数11〜16のアルキル基を表
す;R2およびR3は独立して炭素原子数2〜8のアルキ
ル基を表す;R4およびR5は独立して水素原子または炭
素原子数1〜6のアルキル基を表す;R6は炭素原子数
1〜3のアルキル基、炭素原子数1〜3のヒドロキシア
ルキル基、炭素原子数1〜3のヒドロキシアルキルエス
テル基、または炭素原子数1〜7のスルホヒドロキシア
ルキルオキシアルキル基またはその塩を表す;R7は水
素原子、COOHまたはCOO-1 +(式中、X1 +はN
+またはK+を表す)を表す;X+はNa+またはK+
表す;mは3〜7、nは3〜7の整数を表す。)に関す
る。
【0008】本発明の発明者等は、封孔処理工程におい
て使用される封孔液に上記の化合物を含有させることに
より、画像上に黒ポチ等の画像ノイズを発生しない電子
写真感光体を極めて容易に提供できることを見いだし
た。
【0009】本発明の感光体の基体を作製すべく用いら
れるアルミニウムまたはアルミニウム合金支持体(以
下、単にアルミニウム支持体という)としては、従来か
ら電子写真感光体に使用することができるものであれ
ば、特に限定されるものではない。すなわち、アルミニ
ウム組成、それの成形方法および表面加工方法等につい
ては従来から公知のいかなる組成および方法も採用する
ことができる。例えば、純度99.9%以上のアルミニ
ウム地金を溶解・鋳造した後、均質処理を施し、押し出
して素管を作製する。その後、表面の精密仕上げとし
て、得られた素管にしごき加工・引き抜き加工、あるい
は必要に応じて切削または研削を行うことにより、本発
明において使用されるアルミニウム支持体を製造するこ
とができる。
【0010】得られたアルミニウム支持体は陽極酸化処
理に先立って、脱脂処理およびエッチング処理に供され
ることが好ましい。脱脂処理は、感光体基体の保存時の
防錆等の効果を目的として当該表面に塗布される処理液
を洗浄する目的で行われる。脱脂されたアルミニウム支
持体が供されるエッチング処理は、均一な陽極酸化処理
を行うためにアルミニウム支持体表面に形成された自然
酸化皮膜を除去する目的で行われるものである。これら
の脱脂処理およびエッチング処理は従来行われてきた条
件を採用すればよい。
【0011】このようにして処理されたアルミニウム支
持体は陽極酸化処理に供される。陽極酸化処理は、一般
に、例えばクロム酸、硫酸、リン酸、シュウ酸、ホウ
酸、スルファミン酸等の酸性浴中で行われるが、本発明
においては硫酸中での陽極酸化処理が最も良好である。
硫酸中での陽極酸化の場合、硫酸濃度は100〜300
g/l、好ましくは120〜250g/l、溶存アルミ
ニウム濃度は2〜15g/l、液温は15〜30℃、好
ましくは15〜25℃、電解電圧は5〜20V、好まし
くは10〜20Vの範囲に設定するのが望ましい。さら
に本発明においては、前述した支持体表面を、電流密度
0.3〜1.5A/dm3、好ましくは0.6〜1.3A/
dm3、より好ましくは0.7〜1.2A/dm3程度の低
電流密度にて、15〜35分間程度の時間にわたって陽
極酸化処理することが好ましい。
【0012】なお、陽極酸化層の膜厚は1〜15μm、
好ましくは2〜10μm、より好ましくは4〜8μmと
するのが望ましい。1μm未満であると、電荷注入防止
層としての陽極酸化層の機能が低下し、一方15μmを
越えるとコスト高となるだけでこれ以上の膜厚は必要な
い。
【0013】このようにして陽極酸化層を形成されたア
ルミニウム支持体は封孔処理に供される。陽極酸化層に
おける多孔質部分が不安定であるためであり、一般に封
孔処理することにより陽極酸化層の抵抗値が増加し、ブ
ロッキング性がさらに向上する。
【0014】本発明において使用される封孔液には、上
記の化合物(I)〜(III)から選択される少なくとも
1種類の化合物が溶解されている。このため、当該封孔
液を用いて処理した支持体表面の封孔度を向上させるこ
とができると考えられる。
【0015】化合物(I)において、R1は炭素原子数
11〜16、好ましくは13〜16のアルキル基を表
し、直鎖であっても分枝鎖であってもよい。X+はNa+
またはK+を表す(以下、化合物(I)および(II)に
おいても同様とする。)。化合物(I)として、好まし
くは例えば、ヘキサデシルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム、テトラデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムが使用
される。
【0016】化合物(II)において、R2およびR3は独
立して炭素原子数2〜8、好ましくは3〜8のアルキル
基を表し、直鎖であっても分枝鎖であってもよい。X+
は化合物(I)においてと同様にNa+またはK+を表
す。化合物(II)として、例えば、下記の化合物が挙げ
られる。
【0017】
【化3】
【0018】上記化合物(II)の中でも
【化4】 が好ましく使用される。
【0019】化合物(III)において、R4およびR5
独立して水素原子、または炭素原子数1〜6、好ましく
は1〜3のアルキル基を表し、直鎖であっても分枝鎖で
あってもよい。R6は、炭素原子数1〜3のアルキル
基、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イ
ソプロピル基、炭素原子数1〜3のヒドロキシアルキル
基、例えば、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル
基、ヒドロキシプロピル基、ヒドロキシイソプロピル
基、炭素原子数1〜3のヒドロキシアルキルエステル
基、例えば、ヒドロキシメチルエステル基、ヒドロキシ
エチルエステル基、ヒドロキシプロピルエステル基、ま
たは炭素原子数1〜7のスルホヒドロキシアルキルオキ
シアルキル基、例えば、スルホヒドロキシエチルオキシ
メチル基、スルホヒドロキシプロピルオキシメチル基、
スルホヒドロキシプロピルオキシエチル基、スルホヒド
ロキシブチルオキシメチル基、スルホヒドロキシブチル
オキシエチル基、またはそれらの塩を表し、炭素鎖に関
して直鎖であっても分枝鎖であってもよい。
【0020】R6について、好ましくは、炭素原子数1
〜3のアルキル基、例えば、メチル基、炭素原子数1〜
3のヒドロキシアルキル基、例えば、ヒドロキシメチル
基、ヒドロキシエチル基、炭素原子数1〜3のヒドロキ
シアルキルエステル基、例えば、ヒドロキシエチルエス
テル基、炭素原子数1〜7のスルホヒドロキシアルキル
オキシアルキル基、例えば、スルホヒドロキシプロピル
オキシメチル基、またはそれらのナトリウム塩である。
【0021】R7は水素原子、COOHまたはCOO-
1 +を表し、X+およびX1 +は、化合物(I)および(I
I)においてと同様にNa+またはK+を表す。mは3〜
7、nは3〜7の整数を表す。このような化合物(II
I)として、例えば、下記の化合物が挙げられる。な
お、化合物(III)の数平均分子量は1000〜600
0であることが望ましく、また当該共重合体は交互共重
合体、ランダム共重合体またはブロック共重合体等、い
かなる共重合体であってもよい。
【0022】
【化5】
【0023】上記化合物(III)の中でも
【化6】 が好ましく使用される。
【0024】これら化合物は封孔液中の濃度が1〜15
g/l、好ましくは5〜10g/lになるよう添加・混
合される。1g/l未満では封孔液の不均一性が生じて
封孔度が低下し、電荷のブロッキング性が低くなって、
耐刷時にカブリが発生する。一方、15g/lを越える
と陽極酸化層上に当該化合物が残存し、感光層との接着
性が低下したり、かえって黒ポチが発生しやすくなる。
なお、上記化合物のうち2種類以上を選択して使用する
場合は、それらの合計が上記濃度になるよう添加され
る。
【0025】封孔剤としては、従来から封孔剤として用
いられているいかなる金属塩も使用することができ、例
えば、酢酸ニッケル、酢酸コバルト、酢酸鉛、酢酸ニッ
ケル−コバルト、酢酸バリウム等が挙げられるが、本発
明においては酢酸ニッケルを用いることが好ましい。か
かる封孔剤の封孔液中の濃度は封孔剤の種類によって異
なるため適宜選択して設定される。処理方法としては、
公知の封孔処理方法を採用することができ、特に、処理
温度については60〜75℃が適当である。60℃未満
では封孔度が低く、電荷のブロッキング性が低下して耐
刷時にカブリが発生する。75℃を越えると、接着性が
低下したり部分的に封孔剤濃度が高すぎるために、かえ
って溶液が不均一となって初期の黒ポチ発生が顕著とな
り、さらには封孔度が低下して耐刷時にカブリが発生す
る。
【0026】具体的には、封孔剤として酢酸ニッケルを
単独で用いる場合、酢酸ニッケルを濃度10〜60g/
l、好ましくは20〜40g/lで含む水溶液に、上記
化合物(I)〜(III)から選択される少なくとも1種
類の化合物を上記の濃度になるよう添加して溶解し、p
H5.0〜6.0に調整して使用される。処理時間につ
いては5〜30分間、好ましくは10〜20分間が適当
である。
【0027】なお、上記の各処理工程間においては、次
工程の処理を効率よく、確実に行うため、水道水または
純粋による水洗等の補助的な処理工程を設けることが好
ましい。
【0028】上記のようにして得られた感光体基体上に
は、公知の方法により感光層が形成される。感光層とし
ては電荷発生層および電荷輸送層を順次積層した形態、
電荷輸送層および電荷発生層を順次積層した形態、電荷
輸送材料と電荷発生材料とを含む単層型の形態のいずれ
であってもよいが、以下、感光層として電荷発生層およ
び電荷輸送層を順次積層した形態の感光体を製造する場
合について説明する。
【0029】電荷発生層は、電荷発生材料を真空蒸着す
るか、あるいはアミン等の溶媒に溶解せしめて塗布する
か、顔料を適当な溶剤もしくは必要があれば結着樹脂を
溶解させた溶液中に分散させて作製した塗布液を塗布乾
燥して電荷発生層を形成する。この上に、更に電荷輸送
材料および結着樹脂を含む溶液を塗布乾燥して電荷輸送
層を形成する。
【0030】本発明の感光体に用いられる電荷発生材料
としては、例えばビスアゾ系顔料、トリアリールメタン
系染料、チアジン系染料、オキサジン系染料、キサンテ
ン系染料、シアニン系色素、スチリル系色素、ピリリウ
ム系染料、アゾ系染料、キナクリドン系染料、インジゴ
系顔料、ペリレン系顔料、多環キノン系顔料、ビスベン
ズイミダゾール系顔料、インダスロン系顔料、スクアリ
リウム系顔料、フタロシアニン系顔料等の有機物質が挙
げられる。この他、光を吸収して極めて高い効率で電荷
担体を発生する材料であれば、いずれの材料であっても
使用することができる。
【0031】また、本発明の感光体に用いられる電荷輸
送材料としては、有機物質が好ましく、例えばヒドラゾ
ン化合物、ピラゾリン化合物、スチリル化合物、トリフ
ェニルメタン化合物、オキサジアゾール化合物、カルバ
ゾール化合物、スチルベン化合物、エナミン化合物、オ
キサゾール化合物、トリフェニルアミン化合物、テトラ
フェニルベンジジン化合物、アジン化合物等種々の材料
を使用することができる。
【0032】上記のような感光体の製造に使用される結
着樹脂は電気絶縁性であり、単独で測定して1×1012
Ω・cm以上の体積抵抗を有することが望ましい。例え
ば、それ自体公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、光硬
化性樹脂、光導電性樹脂等の結着材を使用することがで
きる。具体的には、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹
脂、アクリル樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、イオン
架橋オレフィン共重合体(アイオノマー)、スチレン−
ブタジエンブロック共重合体、ポリカーボネート、塩化
ビニル−酢酸ビニル共重合体、セルロースエステル、ポ
リイミド、スチロール樹脂等の熱可塑性樹脂;エポキシ
樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、フェノール樹
脂、メラミン樹脂、キシレン樹脂、アルキッド樹脂、熱
硬化アクリル樹脂等の熱硬化性樹脂;光硬化性樹脂;ポ
リビニルカルバゾール、ポリビニルピレン、ポリビニル
アントラセン、ポリビニルピロール等の光導電性樹脂等
が挙げられ、これらの結着樹脂は単独もしくは2種以上
組み合わせて使用される。なお、電荷輸送材料がそれ自
身バインダーとして使用できる高分子電荷輸送材料であ
る場合は、他の結着樹脂を使用しなくてもよい。
【0033】本発明の感光体は結着樹脂とともにハロゲ
ン化パラフィン、ポリ塩化ビフェニル、ジメチルナフタ
レン、ジブチルフタレート、O−ターフェニルなどの可
塑剤やクロラニル、テトラシアノエチレン、2,4,7
−トリニトロフルオレノン、5,6−ジシアノベンゾキ
ノン、テトラシアノキノジメタン、テトラクロル無水フ
タル酸、3,5−ジニトロ安息香酸等の電子吸引性増感
剤、メチルバイオレット、ローダミンB、シアニン染
料、ピリリウム塩、チアピリリウム塩等の増感剤を使用
してもよい。
【0034】尚、本発明の感光体は、上述の陽極酸化層
上に中間層を設けた構成であってもよい。中間層に用い
られる材料としてはナイロン樹脂、ポリイミド樹脂、ポ
リアミド樹脂、ニトロセルロースポリビニルブチラール
樹脂、ポリビニルアルコール樹脂等が適当である。膜厚
は0.1〜30μm、好ましくは1〜30μm、より好
ましくは1〜20μmとする。
【0035】さらに本発明の感光体は、上記感光層上に
表面保護層を設けてもよい。表面保護層に用いられる材
料としては、アクリル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリ
カーボネート樹脂、ウレタン樹脂などのポリマーをその
まま、または酸化スズや酸化インジウムなどの低抵抗化
合物を分散させたものなどが適当である。また、表面保
護層として有機プラズマ重合膜を使用することができ
る。有機プラズマ重合膜は必要に応じて適宜酸素、窒
素、ハロゲン、周期律表の第3族、第5族原子を含んで
いてもよい。
【0036】本発明の感光体は感光層を選択することに
よって、反転現像方式、正規現像方式いずれの方式で
も、本発明の効果を得つつ、有効に使用することができ
るが、反転現像方式で用いることが特に好ましい。
【0037】このようにして製造された感光体が組み込
まれる装置としては特に規定されず、フルカラー、カラ
ー、単色の複写機、プリンタ、リーダプリンタ等いずれ
であってもよい。また感光体の形状も特に限定されず、
ドラム状、ベルト状、板状等が例示される。本発明を以
下の実施例によりさらに詳しく説明する。
【0038】
【実施例】実施例1 JIS5657円筒状のアルミニウム合金(外径100
mm、長さ350mm、厚さ2mm)の表面を切り刃に
天然ダイヤモンドを用いたバイトで切削加工した。これ
を、脱脂剤としての界面活性剤トップアルクリーン16
1(奥野製薬工業社製)30g/lを用いて60±5℃で
5分間脱脂処理を行い、流水で洗浄した。100g/l
の硝酸溶液に5分間浸漬し、エッチング処理を行った
後、流水洗浄した。次に、電解液として150g/lの
硫酸を用いて、電流密度1A/dm、液温20℃で1
5分間陽極酸化処理を行い、厚さ7μmの陽極酸化層を
形成した。その後、この支持体を純水で流水洗浄した
後、下記のpH5.5の封孔液を用いて70℃で15分
間封孔処理を行い、純水洗浄後、乾燥させて、感光体基
体を得た。
【0039】 封孔液 酢酸ニッケル 22.5g/l 酢酸ナトリウム 1.5g/l ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム 6.0g/l (サンモリンOT−70;三洋化成工業社製) イオン交換水 残部
【0040】次に、このようにして陽極酸化層を封孔処
理した感光体基体上に、以下のようにして感光層を形成
した。τ型無金属フタロシアニン(Liophoton TPA
−909:東洋インキ製造社製)1重量部とポリビニル
ブチラール樹脂(エスレックBX−1、積水化学社製)
0.5重量部とをテトラヒドロフラン(THF)50重
量部と共にサンドミルにより分散させた。得られたフタ
ロシアニン系の分散液を上記感光体基体に、乾燥後の膜
厚が0.3μmとなるように塗布し電荷発生層を形成し
た。
【0041】その後、下記式:
【化7】
【0042】で表されるベンジルジフェニル化合物10
重量部とポリカーボネート樹脂(K−1300、帝人化
成社製)10重量部とをジクロロメタン180重量部に
溶解させてなる塗布液を上記電荷発生層上に塗布乾燥さ
せて、膜厚24μmの電荷輸送層を形成し、電子写真感
光体を作製した。
【0043】実施例2 封孔液成分としてのジオクチルスルホコハク酸ナトリウ
ムをヘキサデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムに代え
たこと以外、実施例1と同様にして、感光体基体を得
た。
【0044】次に、このようにして陽極酸化層を封孔処
理した感光体基体上に、以下のようにして感光層を形成
した。Χ型チタニルフタロシアニン(8120B:大日
本インキ工業社製)4.5重量部と、ブチラール樹脂
(エスレックBH−3、積水化学社製)2.5重量部お
よびフェノキシ樹脂(PKHH:ユニオンカーバイト社
製)2.5重量部をジクロロエタン500重量部と共に
サンドミルにより分散させた。得られた分散液を上記感
光体基体に、乾燥後の膜厚が0.3μmとなるように塗
布し電荷発生層を形成した。
【0045】その後、下記式:
【化8】
【0046】で表されるジスチリル化合物40重量部と
ポリカーボネート樹脂(PC−Z、三菱瓦斯化学社製)
60重量部とをテトラヒドロフラン400重量部に溶解
させてなる塗布液を上記電荷発生層上に塗布乾燥させ
て、膜厚30μmの電荷輸送層を形成し、電子写真感光
体を作製した。
【0047】実施例3 封孔液成分としてのヘキサデシルベンゼンスルホン酸ナ
トリウムを下記の化合物に代えたこと以外、実施例2と
同様にして、電子写真感光体を得た。
【0048】
【化9】
【0049】実施例4 封孔液成分としてのヘキサデシルベンゼンスルホン酸ナ
トリウムを下記の化合物に代えたこと以外、実施例2と
同様にして、電子写真感光体を得た。
【0050】
【化10】
【0051】比較例1 封孔液成分としてのジオクチルスルホコハク酸ナトリウ
ムをリグニンスルホン酸塩(東京化成工業社製)に代え
たこと以外、実施例1と同様にして、電子写真感光体を
得た。
【0052】比較例2 封孔液成分としてのジオクチルスルホコハク酸ナトリウ
ムをナフタレンスルホン酸のホルムアルデヒド縮合物
(デモールN:花王−アトラス社製)に代えたこと以
外、実施例1と同様にして、電子写真感光体を得た。
【0053】比較例3 陽極酸化処理後、封孔処理を行わなかったこと以外、実
施例1と同様にして、電子写真感光体を得た。
【0054】比較例4 陽極酸化処理後、酢酸ニッケルのみからなる水溶液(2
2.5g/l)を用いて封孔処理を行ったこと以外、実
施例1と同様にして、電子写真感光体を得た。
【0055】(黒ポチ評価)実施例1〜4および比較例
1〜4で得られた電子写真感光体をそれぞれフルカラー
複写機(CF−900;ミノルタ社製)に搭載し、この
複写機の4つの現像器全てに純製黒色トナーを補給し、
黒色トナーによる4回重ねにより白ベタ画像を複写し、
初期および1000枚複写後における画像25mm2
に存在する黒ポチ(黒斑点)の個数を目視によりカウン
トし、以下に従って評価した。なお、上記複写は低温低
湿(10℃、15%RH)、常温常湿(23℃、45%
RH)および高温高湿(30℃、85%RH)それぞれ
の環境下において行い、全ての場合について評価した。 ○:14個以下; △:15〜29個; ×:30個以上。
【0056】これらの評価結果を以下の表1に示す。
【表1】
【0057】
【発明の効果】本発明により、黒ポチ等の画像ノイズを
発生しない電子写真感光体を提供することが可能となっ
た。また、本発明の電子写真感光体は環境性および耐久
性にも優れている。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウムまたはアルミニウム合金か
    らなる導電性支持体の表面を陽極酸化処理した後、下記
    の化合物(I)〜(III)から選択される少なくとも1
    種類の化合物を含有する封孔液により封孔処理を行って
    得られる感光体基体に、少なくとも感光層を設けてなる
    ことを特徴とする電子写真感光体: 【化1】 (式中、R1は炭素原子数11〜16のアルキル基を表
    す;R2およびR3は独立して炭素原子数2〜8のアルキ
    ル基を表す;R4およびR5は独立して水素原子または炭
    素原子数1〜6のアルキル基を表す;R6は炭素原子数
    1〜3のアルキル基、炭素原子数1〜3のヒドロキシア
    ルキル基、炭素原子数1〜3のヒドロキシアルキルエス
    テル基、または炭素原子数1〜7のスルホヒドロキシア
    ルキルオキシアルキル基またはその塩を表す;R7は水
    素原子、COOHまたはCOO-1 +(式中、X1 +はN
    +またはK+を表す)を表す;X+はNa+またはK+
    表す;mは3〜7、nは3〜7の整数を表す。)。
JP26158797A 1997-09-26 1997-09-26 電子写真感光体 Pending JPH11102081A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6828076B2 (en) 2000-10-26 2004-12-07 Kyocera Mita Corporation Electrophotosensitive material and method of producing the same

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