JP4251743B2 - 電子写真感光体用円筒状基体の製造方法及びそれにより得られた基体を用いた電子写真感光体 - Google Patents
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Description
本発明は、電子写真感光体用円筒状基体の製造方法に関する。より詳しくは、光学的に検出可能なマーキング部を有する電子写真感光体用円筒状基体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真技術は、即時性、高品質かつ保存性の高い画像が得られることなどから、近年では複写機の分野に止まらず、各種プリンターやファクシミリの分野でも広く使われ、おおきな広がりを見せている。
この電子写真プロセスは基本的に、感光体の帯電、像露光による静電潜像の形成、該潜像のトナーによる現像、該トナー像の紙への転写(中間に転写体を経由する場合もある)および定着による画像形成プロセスから成り立っている。
【0003】
近年、高画質画像を得る目的で、感光体の帯電電位、光学系ランプ電圧あるいはトナー濃度の様な画像形成プロセス因子の制御が行われている。これらの制御方法は何れも、感光体表面の一部に静電潜像あるいはトナー画像を形成し、これら静電潜像やトナー画像の表面電位、あるいはトナー画像濃度を測定し、その測定情報をもとに、制御回路から出力された制御情報を用いて、良好な画像を得るために各プロセス因子を制御する方法であり、通常、原稿複写の前に行われる。
この様な制御のための測定を行う時、感光体上の位置による不均一に起因する測定誤差を防止するために、感光体上の基準位置にマーキング部を設け、この上で測定する方法が提案されている。例えば、研削加工により、マーキング部を形成する方法(特開平6−35379号公報)、レーザー光線処理によりマーキング部を形成する方法(特開平6−149136号公報)等が開示されている。
また、マーキング部と非マーキング部との光学的反射率の比が一定の範囲内にないと、マーキング部で、クリーニング不良やトナー落ち等の不具合が生ずる、とされ、このため、マーキング部と非マーキング部との光学的反射率の比は一定の範囲内になければならない、とされている(特開平8−305044号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
感光体上の基準位置にマーキング部を設ける加工は、通常、電子写真感光体用円筒状基体上に、感光層を施す前に行われる。この加工が研削により行われる場合も、レーザー光線処理により行われる場合でも、加工後の反射率は、加工前の基体の表面の状態により大きく影響され、加工条件が同一でも、加工前の基体の表面状態により、加工後の反射率が大きく異なる場合が生じる。このため、マーキング部と非マーキング部との光学的反射率の比を一定の範囲内とする事を必要条件とすると、これに供する基体の加工歩留まりが低下するという問題が生じる。本発明は、上記問題点を解決するために成されたものであり、マーキング部と非マーキング部との光学的反射率の比を一定の範囲内とする電子写真感光体用の安価な円筒状基体の製造方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、この様な不具合の生じない電子写真感光体用円筒状基体を得るべく、鋭意検討した結果、マーキング部設置前の基体の外表面に付着した油分が加工後の反射率に関係していることを見いだし、本発明を完成させるに至った。
安定した光学的反射率を有するマーキング部を得るためには、マーキング部設置前の基体外表面に付着した油分が80μg/cm2 以下である必要がある。マーキング部設置前の基体外表面に付着した油分が80μg/cm2 を越えると、マーキングを設置する際、基体上の油分に影響され、結果として、マーキング部の反射率を安定的に一定範囲内とすることができない。
【0006】
マーキング部設置方法は、レーザー光線処理であることが望ましい。他の方法、例えば、研削加工の場合には、研削に用いる磁石中の研削粒子の大きさを一定にすることが難しいため、マーキング部の反射率を安定的に一定範囲内とすることは難しい。
基体外表面が切削加工で形成される基体の場合、切削加工は、ダイヤモンド単結晶を刃先に持つバイト又はダイヤモンド微粒子を結合して形成された刃先を持つバイトを用いて行うのが望ましい。ダイヤモンド単結晶を刃先に持つバイト又はダイヤモンド微粒子を結合して形成された刃先を持つバイトを用いて切削加工することにより、非マーキング部の反射率を安定的に一定範囲内とすることができるためである。また、切削加工の場合、刃先の冷却と焼き付け防止のために、通常、切削油が使用される。マーキング部設置前において、基体外表面に付着した切削油は、80μg/cm2 以下であることが必要である。マーキング部の反射率を安定的に一定範囲内とするためである。
【0007】
基体外表面がしごき加工で形成される円筒状基体の場合、しごき加工時にしごき油が使用される。マーキング部設置前において、基体外表面に付着したしごき油は、80μg/cm2 以下であることが必要である。マーキング領域の反射率を安定的に一定範囲内とするためである。
基体外表面が抽伸加工時で形成される円筒状基体の場合、抽伸加工時に抽伸油が使用される。マーキング部設置前において、基体外表面に付着した抽伸油は、80μg/cm2 以下であることが必要である。マーキング部の反射率を安定的に一定範囲内とするためである。
マーキング部設置前に、円筒状基体の少なくとも外表面を洗浄し、外表面に付着した油分を減少させることにより、マーキング部の設置を安定的に行うことができ、マーキング部の反射率を安定的に一定範囲内とすることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の電子写真感光体の外表面の一部には、光学的に検出可能なマーキング部を有する。このマーキング部は、基体表面の他の部分とは光反射率が異なるものであり、これにより、感光体上の位置による不均一に起因する測定誤差を防止することが可能となる。
当該マーキング部は、電子写真感光体の画像領域でない部分に設けられることが望ましい。画像領域を有効に活用するためである。
マーキング部の大きさとしては、光学的に感知可能であれば特に限定されるものではないが、0.5〜1cm四方程度が望ましい。これより大きければ、非画像領域が増加することになり、あまりに小さいとマーキング部の設置がしずらいからである。
【0009】
本発明では、電子写真感光体用円筒状基体に、塗布により有機光導電層を形成する。
本発明の電子写真感光体用円筒状基体の材質としては、特に制限されることなく、剛性と耐熱性を有する材料が広く使用され、ガラス、セラミックス、合成樹脂等を用いる事ができるが、導電性材料が好ましく、ステンレススチール、アルミニウム等が用いられ、中でもアルミニウムが最も好ましい。
アルミニウムとしては、アルミニウム或いはアルミニウム合金が使用され、アルミニウム合金としてはJIS(日本工業規格)に示される展伸用アルミニウム及びその合金の1000系、2000系、3000系、4000系、5000系、6000系、7000系、を用いることができる。中でも、1000系、3000系、5000系、6000系が好ましく、特に1050、3003、6063合金が望ましい。
【0010】
円筒状基体としてアルミニウムまたはその合金を用いる場合については、その製造方法を述べれば、アルミニウムまたはその合金はポートホール、マンドレル法等の押出し加工により円筒状に加工した後、所定の長さに切断して、しごき加工又は抽伸加工又は抽伸加工の後に切削加工を施して、円筒状基体を形成する。
切削加工を施す場合は、ダイヤモンド単結晶を刃先に持つバイト又はダイヤモンド微粒子を結合して形成された刃先を持つバイトを使って行われる。
この様にして形成された円筒状基体の外表面にマーキング部を設置するが、マーキング部設置後の、マーキング部と非マーキング部の光学的反射率の比を一定の範囲内にするためには、少なくともマーキング部設置前において、少なくとも基体外表面に付着した油分が、80μg/cm2 以下であることが必要である。基体外表面に付着した油分を80μg/cm2 以下にするためには、基体外表面を洗浄することが、有効である。洗浄の方法としては、有機溶剤を用いる方法、水系洗浄法等、電子写真感光体用基体の洗浄に通常用いられる方法を用いることができる。
【0011】
円筒状基体の形成に切削加工を行う場合は、切削油を風圧により除去する手段を用いることが望ましい。具体的には、切削時に、バイトの近傍にエアーノズルを設置し、これをバイトと同速度で動かし、さらにエアーノズルから空気を吹き出し、切削終了面に残った切削油を吹き飛ばすことが挙げられる。これにより、基体外表面に付着した油分を80μg/cm2 以下に制御することができる。この方法を採れば、マーキング部設置前に洗浄する必要がなく、安定した光学的反射率を有するマーキング部を安価に得ることができる。
【0012】
本発明では上記で得た電子写真感光体用円筒状基体に、塗布により有機光導電層を形成する。尚、上記電子写真感光体用円筒状基体は公知の陽極酸化処理が施されても良く、また電子写真感光体用円筒状基体と有機光導電層の間には、下引き層が設けられていても良い。
有機光導電層は電荷発生剤と電荷輸送剤とが混在している単層型のものよりも、電荷発生剤を含む電荷発生層と電荷輸送剤を含む電荷輸送層とが積層されている積層型であるのが好ましい。
【0013】
電荷発生剤としてはスーダンレッド、ダイアンブルー、ジェナスグリーンBなどのアゾ顔料、アルゴールイエロー、ピレンキノンなどのキノン顔料、キノシアニン顔料、ペリレン顔料、インジゴ顔料、インドファーストオレンジトナーなどのビスベンゾイミダゾール顔料、銅フタロシアニン、チタンフタロシアニンなどのフタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、ピリリウム塩、アズレニウム塩など、公知の種々の電荷発生物質を用いることができる。好ましくはフタロシアニン化合物を用いる。
電荷輸送剤としては、主鎖又は側鎖に、アントラセン、ピレン、フェナントレン、コロネンなどの多環芳香族炭化水素、又はインドール、カルバゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、チアゾール、イミダゾール、ピラゾール、オキサジアゾール、ピラゾリン、チアジアゾール、トリアゾールなどの含窒素環式化合物の骨格を有する化合物やヒドラゾン化合物など公知の種々のものを用いることができる。特にヒドラゾン化合物を用いるのが好ましい。
【0014】
電荷発生層及び電荷輸送層を形成するための結着剤としては、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリスチレン、ポリメタクリル酸エステル類、スチレン−メタクリル酸メチルコポリマー、ポリエステル、スチレン−アクリロニトリルコポリマー、ポリサルホン、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリロニトリル、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、セルロースエステル類などが用いられる。
【0015】
塗布溶媒としては、揮発性が高く且つその蒸気の密度が空気よりも大きいものを用いるのが好ましい。通常用いられる溶媒は、n−ブチルアミン、ジエチルアミン、エチレンジアミン、イソプロパノールアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、ベンゼン、4−メトキシ−4−メチルペンタノン−2、ジメトキシメタン、ジメトキシエタン、2,4−ペンタジオン、アニソール、3−オキソブタン酸メチル、モノクロルベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、メタノール、エタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメチルスルホキシド、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテートなどである。
【0016】
単層型の有機光導電層を形成する場合には、上記の各成分を混合して、固形分濃度が40重量%以下、好ましくは10〜35重量%で、粘度が50〜300cps、好ましくは70〜250cpsの塗布液を調製する。また積層型の有機光導電層を形成する場合には、電荷輸送層を形成する塗布液は、上記と同じく、固形分濃度が40重量%以下、好ましくは10〜35重量%で、粘度が50〜300cps、好ましくは70〜250cpsであり、結着剤100重量部につき30〜200重量部、好ましくは40〜150重量部の電荷輸送剤を含有するものを用いればよく、電荷発生層を形成する塗布液は固形分濃度15重量%以下、特に1〜10重量%で、結着剤100重量部につき30〜500重量部の電荷発生剤を含有するものを用いるのが好ましい。
【0017】
塗布方法は任意であるが、塗布液が収容されている槽に基体を垂直に降下させ、次いで垂直に上昇させるいわゆる浸漬塗布法によるのが好ましい。塗布層の厚さは乾燥膜厚として、電荷発生層は0.1〜2.0μm、特に0.15〜0.8μm、電荷輸送層は10〜60μm、特に10〜45μmであるのが好ましい。
【0018】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の態様はこれに限定されるものではない。
(参考例1)
JIS6063合金からなる押出管に冷間抽伸加工を施し、さらに切断して、外径100.5mmφ、内径96mmφ、長さ342mmの抽伸管を作製した。この抽伸管を昌運工作所製両端加工機にセットし、回転数1000rpm、送り0.2mmの条件でインロー加工を施し、加工後のインロー内径を98mmφとした。さらに、この円筒状基体を昌運工作所製外面切削用旋盤SPA500にセットし、その外表面をダイヤモンド単結晶を刃先に持つバイトを使って切削加工し、外径100mmφ、内径96mmφ、長さ340mm、インロー部内径98mmφの円筒状基体を作製した。このようにして作製した円筒状基体を、1,2−ブタンジオール85重量%と純水15重量%からなる65℃の水系洗浄液に浸漬し、周波数変調式超音波発信機(基幹周波数39kHz)を用いて5分間超音波洗浄した。このようにして作製された円筒状基体の外表面に付着した油分をHORIBA社製OCMA−220、赤外吸収測定用溶媒四塩化炭素、OCB混合標準液を用いて測定した。この円筒状基体の端から25mmの位置に8mm×8mmの面積でYAGレーザー〔ミヤチテクノス(株)製、ML−4140A(周波数3kHz、電流値18A)〕を照射し、表面を粗面化し、マーキング部を設置した。
【0019】
次に化学式(1)に示す構造を有するビスアゾ化合物100重量部を150重量部の4−メトキシ−4−メチルペンタノン−2に加え、サンドグラインドミルにて粉砕分散処理を行った。ここで得られた顔料分散液をポリビニルブチラール(電気化学工業(株)製、商品名#6000−C)の5%1,2−ジメトキシエタン溶液に加え、最終的に固形分濃度4.0%の分散液を作製した。
この様にして得られた分散液に上記の円筒状基体を浸漬塗布して、その乾燥膜厚が0.4g/m2 となる様に電荷発生層を設けた。
【0020】
次にこの電荷発生層上に5,5−ジフェニル−2,4−ペンタジエン−1オンフェニル−α−ナフチルヒドラゾンを88重量部と1−ピレンカルバルデヒドジフェニルヒドラゾンを22重量部及び化学式(2)に示す繰り返し構造を有するポリカーボネート樹脂(粘度平均分子量22,000)100重量部及び4−(2,2−ジシアノビニル)フェニル−2,4,5−トリクロロベンゼンスルホネート1.5重量部を1,4−ジオキサンとテトラヒドロフランの混合溶媒に溶解させた液に浸漬塗布した後、室温で30分、125℃で30分乾燥させ、乾燥後の膜厚が35μmとなる様に電荷輸送層を設けた。
【0021】
【化1】
【0022】
【化2】
【0023】
(参考例2)
円筒状基体外表面の切削にダイヤモンド微粒子を結合して形成された刃先を持つバイトを使ったこと以外、参考例1と同様にして、参考例2の電子写真感光体を作製した。
(参考例3)
JIS3003合金からなる外径130mmφ、内径96mmφ、長さ130mmφの押出管にしごき加工を施した後、上下端を切断して、外径100mmφ、内径96mmφ、長さ340mmの円筒状基体を作製した。この円筒状基体に参考例1と同様にして、洗浄、レーザー光線処理、感光層塗布を施し、参考例3の電子写真感光体を作製した。
【0024】
(参考例4)
JIS3003合金からなる押出管に冷間抽伸加工を施し、さらに切断して、外径100mmφ、内径96mmφ、長さ340mmφの円筒状基体を作製した。この円筒状基体に参考例1と同様にして、洗浄、レーザー光線処理、感光層塗布を施し、参考例4の電子写真感光体を作製した。
【0025】
(実施例1)
JIS6063合金からなる押出管に冷間抽伸加工を施し、さらに切断して、外径100.5mmφ、内径96mmφ、長さ342mmφの抽伸管を作製した。この抽伸管を昌運工作所製両端加工機にセットし、回転数1000rpm、送り0.2mmの条件でインロー加工を施し、加工後のインロー内径を98mmφとした。さらに、この円筒状基体を昌運工作所製外面切削用旋盤SPA500にセットし、その外表面をダイヤモンド単結晶を刃先に持つバイトを使って切削加工し、外径100mmφ、内径96mmφ、長さ340mmφ、インロー部内径98mmφの円筒状基体を作製した。この時、バイトの近傍にエアーノズルを設置し、これをバイトと同速度で動かしながらこのエアーノズルから空気を吹き出し、切削終了面に残った切削油を吹き飛ばした。この様にして作製した円筒状基体に洗浄しないことを除いて参考例1と同様にレーザー光線処理、感光層塗布を施し、実施例1の電子写真感光体を作製した。
【0026】
(実施例2)
円筒状基体外表面の切削にダイヤモンド微粒子を結合して形成された刃先を持つバイトを使ったこと以外、実施例1と同様にして、実施例2の電子写真感光体を作製した。
【0027】
(比較例1)
レーザー光線処理の前に洗浄を行わないことを除いて参考例1と同様にして、比較例1の電子写真感光体を作製した。
【0028】
(比較例2)
レーザー光線処理の前に洗浄を行わないことを除いて参考例2と同様にして、比較例2の電子写真感光体を作製した。
【0029】
(比較例3)
レーザー光線処理の前に洗浄を行わないことを除いて参考例3と同様にして、比較例3の電子写真感光体を作製した。
【0030】
(比較例4)
レーザー光線処理の前に洗浄を行わないことを除いて参考例4と同様にして、比較例4の電子写真感光体を作製した。
【0031】
参考例1〜比較例4の電子写真感光体を1種類につき10本ずつ作製し、それぞれ、レーザー光線処理前における円筒状基体外表面に付着した油分の量と、感光層塗布後における非マーキング領域の反射率を1とした場合のマーキング領域の相対的反射率(以下、説明の便宜上、SN値と称する)とを測定した。その結果を表1に示す。
この結果は、マーキング処理前において基体外表面に付着した油分が80μg/cm2 以下であれば、10本のSN値はバラツキが少なく、安定しているが、80μg/cm2 以上になると、10本のSN値のバラツキが大きく、不安定になる、というものであり、本発明の有効性が示されている。
【0032】
【表1】
【0033】
【発明の効果】
本発明により、外表面の一部に、光学的に検出可能なマーキング部を有する電子写真感光体用円筒状基体において、マーキング部と非マーキング部との光学的反射率の比を安定的に一定範囲内とすることのできる円筒状基体及びその製造方法を提供する事ができる。
Claims (8)
- 基体外表面の一部に、光学的に検出可能なマーキング部を有する電子写真感光体用円筒状基体の製造方法において、マーキング部設置以前の基体外表面に付着した油分を風圧により除去して80μg/cm2 以下とした後、マーキング部を設置することを特徴とする電子写真感光体用円筒状基体の製造方法。
- マーキング部をレーザー光線により処理して設置する請求項1に記載の電子写真感光体用円筒状基体の製造方法。
- 基体外表面がダイヤモンド単結晶を刃先に持つバイトを使って切削加工される請求項1又は2に記載の電子写真感光体用円筒状基体の製造方法。
- 基体外表面がダイヤモンド微粒子を結合して形成された刃先を持つバイトを使って切削加工される請求項1又は2に記載の電子写真感光体用円筒状基体の製造方法。
- 基体外表面がしごき加工される請求項1から4の何れかに記載の電子写真感光体用円筒状基体の製造方法。
- 基体外表面が抽伸加工される請求項1から4の何れかに記載の電子写真感光体用円筒状基体の製造方法。
- 切削時に、バイトの近傍にエアーノズルを設置し、前記バイトと前記エアーノズルを略同速度で動かしながら、前記エアーノズルより空気を吹き出し、切削終了面に残った切削油を吹き飛ばすことを特徴とする請求項3又は4に記載の電子写真感光体用円筒状基体の製造方法。
- 請求項1から7の何れかに記載の電子写真感光体用円筒状基体の製造方法により得られた電子写真感光体用円筒状基体を用いた電子写真感光体。
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