JPH1195467A - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JPH1195467A
JPH1195467A JP25676497A JP25676497A JPH1195467A JP H1195467 A JPH1195467 A JP H1195467A JP 25676497 A JP25676497 A JP 25676497A JP 25676497 A JP25676497 A JP 25676497A JP H1195467 A JPH1195467 A JP H1195467A
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JP
Japan
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copolymer
charge carrier
vinyl acetate
layer
electrophotographic photoreceptor
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JP25676497A
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Kazuhiro Enomoto
和弘 榎本
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 導電性支持体上に形成された電荷キャリ
ア発生層及びキャリア移動層からなり、前記電荷キャリ
ア発生層が、フタロシアニン顔料と、酸価が5〜500
であり、かつ酢酸ビニル、エチレン、スチレン、ブタジ
エン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、(メタ)アクリル
レート、(メタ)アクリル酸アミド、クロトン酸及びク
ロトン酸エステルからなる群から選択された2種以上の
モノマーから構成された共重合体とを含有する電子写真
感光体。 【効果】 良好な電子写真特性及び良分散性を有する電
子写真感光体を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真感光体に
関し、更に詳しくは、導電性支持体上に形成した感光層
中に、特定の高分子マトリクス樹脂と特定の顔料を含有
させた積層型の電子写真感光体に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、電子写真プロセスにおいては、
種々の方式があり、その代表的な例として、直接方式や
潜像転写方式が知られている。この中で現在、一般紙に
印字できる潜像転写方式が主流となっており、これに用
いられる電子写真感光体において種々の構成の感光体、
さらにこれら感光体の材料に関して数多くの提案がなさ
れている。
【0003】ここ数年の研究開発は、感光体の構成に関
しては、いわゆる機能分離型の感光体の概念を積極的に
導入する方向にあり、その中でも、導電層の上に電荷キ
ャリア発生層と、正孔輸送性の電荷キャリア輸送層を順
に積層し、感光体表面を負に帯電させる方法が主流とな
っている。そしてこの様に、機能を分離させることによ
り、電荷キャリア発生と電荷キャリア輸送とのそれぞれ
の機能を個別に有する材料を独立して開発できるように
なり、その結果、さまざまな分子構造を有する電荷キャ
リア発生物質、電荷キャリア輸送物質及び結合剤樹脂、
各種添加物類が多数開発された。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、導電性
支持体上に形成された電荷キャリア発生層及びキャリア
移動層からなり、前記電荷キャリア発生層が、フタロシ
アニン顔料と、酸価が5〜500であり、かつ酢酸ビニ
ル、エチレン、スチレン、ブタジエン、塩化ビニル、塩
化ビニリデン、(メタ)アクリルレート、(メタ)アク
リル酸アミド、クロトン酸及びクロトン酸エステルから
なる群から選択された2種以上のモノマーから構成され
た共重合体とを含有する電子写真感光体が提供される。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明者は、上述の積層型電子写
真感光体に於て電荷キャリア発生層中の構成材料に関
し、フタロシアニン顔料をキャリア発生材料として用い
た時、特定の共重合体樹脂を組み合わせることにより、
良好な電子写真特性及び良分散性(経時、温度等の安定
性)が得られることを見出し本発明に至った。
【0006】本発明の電子写真感光体を模式的に図1〜
図3に基づいて説明する。図1は導電性支持体1の上
に、感光層4として、電荷キャリア発生物質3を主成分
としてバインダー樹脂中に分散させた電荷キャリア発生
層6と、この電荷キャリア発生層6上に形成され、かつ
電荷キャリア輸送物質2を主成分としてバインダー中に
分散もしくは溶融させた電荷キャリア輸送層5との積層
層が形成されてなる機能分離型電子写真感光体である。
【0007】図2は、図1と同一の電荷キャリア発生層
6と電荷キャリア輸送層5との積層層よりなる機能分離
型感光体であるが、図1とは逆に電荷キャリア輸送層5
の表面に電荷キャリア発生層6が形成されている。図3
は、導電性支持体1と感光層4との間に中間層7を設け
たものであり、上記と同様の積層層よりなる機能分離型
電子写真感光体の構成を示すものである。
【0008】本発明の電子写真感光体における導電性支
持体としては、通常この種の導電性支持体として使用さ
れるものであれば特に限定されるものではなく、例え
ば、導電性を有する金属ドラム、もしくは金属板、また
は導電性加工を施した紙、プラスチックフィルムなどが
挙げられる。本発明の電子写真感光体の感光層は、電荷
キャリア移動層と電荷キャリア発生層との積層層からな
る。
【0009】電荷キャリア移動層中に含有される電荷キ
ャリア移動物質としては、スチリル化合物、例えば、β
−フェニル−〔4−(ベンジルアミノ)〕スチルベン、
β−フェニル−〔4−(N−エチル−N−フェニルアミ
ノ)〕スチルベン、1,1−ビス(4−ジエチルアミノ
フェニル)−4,4−ジフェニルブタジエン;例えば、
4−(ジベンジルアミノ)ベンズアルデヒド−N,N−
ジフェニルヒドラゾン、4−(エチルフェニルアミノ)
ベンズアルデヒド−N,N−ジフェニルヒドラゾン、4
−ジ(p−トリルアミノ)ベンズアルデヒド−N,N−
ジフェニルヒドラゾン、3,3−ビス(4’−ジエチル
アミノフェニル)−アクロレイン−N,N−ジフェニル
ヒドラゾン等のヒドラゾン化合物;例えば、4−メトキ
シ−4’−(4−メトキシスチリル)トリフェニルアミ
ン、4−メトキシ−4’−スチリルトリフェニルアミン
等のトリフェニルアミン化合物;例えば、1,1−ビス
(p−メトキシフェニル)−2−(N,N−ジフェニル
アミノ)エチレン、N,N’−ジフェニル−N,N’−
ジ(1,1−ジフェニルエチニル)−ベンジジン、N,
N’−ジ(m−エチルフェニル)−N,N’−ジ(1,
1−ジフェニルエチニル)−ベンジジン(下記構造式)
等が挙げられる。
【0010】
【化2】
【0011】上記電荷キャリア移動物質は、導電性支持
体上へフィルム形成能を有する結合剤樹脂の助けを借り
て皮膜状に形成する。この場合、さらに感度を上げるた
めには、前述の増感剤及び結合剤樹脂に可塑性を付与す
る物質を加えて均一な感光体皮膜にするのが望ましい。
【0012】これらフィルム形成能を有する結合剤樹脂
としては、利用分野に応じて種々のものが挙げられる。
すなわち、複写機用もしくはプリンター用感光体の分野
では、ポリスチレン、ポリビニルアセタール、ポルスル
ホン、ポリカーボネート、ポリフェニレンオキサイド、
ポリエステル、アルキッド樹脂、ポリアリレートなどが
好ましい。これらは、単独または2種以上混合して用い
てもよい。中でも、ポリスチレン、ポリカーボネート、
ポリアリレート、ポリフェニレンオキサイドなどの樹脂
は体積抵抗値が1013Ω以上であり、また、皮膜性、電
位特性などにも優れているため好ましい。
【0013】これら結合剤樹脂の量は、電荷キャリア移
動物質に対して、重量比で0.2〜20倍、好ましくは
0.5〜5倍の範囲である。0.2倍未満の場合は、化
合物が感光体表面より析出してくるという欠点が生じ、
また、20倍を超えると感度の低下が著しいため好まし
くない。電荷キャリア発生層に含有される共重合体は、
酸価が5〜500であり、かつ酢酸ビニル、エチレン、
スチレン、ブタジエン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、
(メタ)アクリルレート、クロトン酸及びクロトン酸エ
ステルからなる群から選択された2種以上のモノマーか
ら構成された共重合体である。
【0014】酸価が5〜500とは、共重合体中に含有
されるカルボキシル基に基づくものであり、共重合体樹
脂約1gをmg単位まで秤量してジオキサン約100mlに
溶解し、これにフェノールフタレイン1〜2滴を加え、
次いで2規定の水酸化カリウム水溶液を滴下した場合
に、溶液の色が赤色になるのに必要な水酸化カリウム水
溶液中の水酸化カリウムのmg数の値である。
【0015】上記共重合体のうち、酢酸ビニル又はアク
リル酸を必須のモノマーとして構成される2元共重合体
及び多元共重合体が好ましい。さらに酢酸ビニルと塩化
ビニル又は塩化ビニリデンとからなる2元共重合体及び
多元共重合体が好ましい。酢酸ビニルを必須のモノマー
として構成される2元共重合体及び多元共重合体、又は
酢酸ビニルと塩化ビニル又は塩化ビニリデンとからなる
多元共重合体を構成する他のモノマー成分としては、ア
クリル酸、メタクリル酸、エチルアクリレート、エチル
メタクリレート、n−ブチルアクリレート、n−ブチル
メタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、
2−ヒドロキシエチルメタクリレート、グリシジルメタ
クリレート等の(メタ)アクリレート;アクリルアミ
ド、N−エタノールアクリルアミド、N−エチルアクリ
ルアミド、メタクリルアミド、N−メタノールメタクリ
ルアミド、N−エチルメタクリルアミド等の(メタ)ア
クリル酸アミド;エチレン、スチレン、ブタジエン等;
クロトン酸、クロトン酸エステル等が挙げられる。ま
た、アクリル酸を必須のモノマーとして構成される2元
共重合体及び多元共重合体の他のモノマー成分は、アク
リル酸が除かれる以外は上記と同様のモノマーが挙げら
れる。これらのモノマー成分は1種又は2種以上を選択
して使用することができる。これら他のモノマー成分
は、共重合体の約50モル%以下で含有されていること
が好ましく、これより多くなると、電子写真特性の低
下、含量の分散特性の低下等の悪影響が認められるため
好ましくない。
【0016】なお、酸価の基となるモノマーとしては、
特にアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸があげら
れ、これらモノマーは、共重合体中に50モル%程度以
下で含有されることが好ましい。特にクロトン酸は酢酸
ビニル等の特定のモノマーとしか共重合しない性質があ
り、クロトン酸と酢酸ビニルは1:1のモル比で交互共
重合することが知られているからである。また、アクリ
ル酸、メタクリル酸が、共重合体樹脂中に占める割合が
50モル%以上の樹脂も可能であるが、これらモノマー
の割合の多い樹脂は膜特性に問題があり、かつ溶解性に
も限界があるからである。
【0017】具体的な共重合体は、酢酸ビニル−塩化ビ
ニル(例えば1〜10:10〜1程度の割合、分子量1
000〜20000程度)、酢酸ビニル−塩化ビニリデ
ン(例えば100〜400:400〜100程度の割
合、分子量1000〜20000程度)、酢酸ビニル−
アクリル酸(例えば100〜1:50〜50程度の割
合、分子量1000〜20000程度)、酢酸ビニル−
メタアクリル酸(例えば100〜1:50〜50程度の
割合、分子量1000〜20000程度)、酢酸ビニル
−クロトン酸(例えば、1〜10:1程度、分子量10
00〜10000程度)、酢酸ビニル−クロトン酸−ク
ロトン酸エステル(例えば900〜100:100〜
1:100程度の割合、分子量1000〜10000程
度)から構成された共重合体が挙げられる。
【0018】電荷キャリア発生層中に含有される電荷キ
ャリア発生物質としては、フタロシアニン系顔料が挙げ
られる。フタロシアニン系含量の中でも、以下の式
(I)に示す含フッ素フタロシアニン化合物が好まし
い。
【0019】
【化3】
【0020】(式中、Mは2個の水素、2価金属原子、
1置換3価金属原子であり、R及びR 1は水素、ハロゲ
ン原子、低級アルキル基又は−SR″である。R″は炭
素数1〜12の直鎖状又は分岐状アルキル基、置換又は
非置換のフェニル基、ナフチル基である。) 上記式(I)中、Mにおける2価の金属原子としては、
亜鉛、錫等が挙げられ、3価の金属原子としては、アル
ミニウム、インジウム等が挙げられる。なお、1置換3
価金属原子は、1個の水素で置換された上記3価の金属
原子が挙げられる。
【0021】R又はR1 におけるハロゲン原子として
は、塩素、臭素、低級アルキル基としてはメチル基、エ
チル基、n−プロピル基、sec−ブチル基等が挙げら
れる。またR″としては、メチル基、エチル基、n−プ
ロピル基、フェニル基、m−トリル基、p−トリル基、
p−クロロフェニル基、α−ナフチル基、p−ニトロフ
ェニル基等があげられる。
【0022】電荷キャリア発生層中に含有される電荷キ
ャリア発生物質としては、前述のフタロシアニン顔料以
外にも、種々の染料、顔料が用いられる。これらのうち
代表的なものとしては、シアニン系染料、スチリル系染
料、ピリリウム染料、チオピリリウム染料等の染料系、
ペリレンイミド、ペリレン酸無水物などのペリレン系顔
料、ビスアゾ系顔料、トリスアゾ系顔料などのアゾ系顔
料、その他キナクリドン系顔料、アントラキノン系顔料
などがある。特に電荷キャリアを発生する顔料にハロゲ
ン化フタロシアニン顔料、チタロニウムフタロシアニン
顔料、フロレニリデン、フロレノン環を含有するビスア
ゾ顔料、芳香族アミンからなるビスアゾ顔料、トリスア
ゾ顔料などを用いたものは、高い感度を与え優れた電子
写真感光体を形成する。なお、本発明においては、電荷
キャリア発生物質はフタロシアニン顔料と他の顔料とを
ブレンドして性能向上を図ることもできる。
【0023】本発明における電荷キャリア発生層におい
ては、上記共重合体樹脂と染料系電荷キャリア発生物質
又は顔料系電荷キャリア発生物質の割合は、染料系と顔
料系によって少し違いはあるが、10:1〜1:5の割
合が適当であり、特に3:1〜1:3の範囲が、分散
性、膜強度、電子写真性能等の観点から好ましい。な
お、このように本発明の樹脂は結合剤作用と同時に顔料
系のキャリア発生物質の場合の顔料の分散剤作用、更に
は層相互の接着剤作用も兼ね備えている。
【0024】上記の電荷キャリア発生物質とは別に、繰
り返し使用に対しての残留電位の増加、帯電電位の低
下、感度の低下などを防止する目的で種々の化学物質を
添加する場合が必要となってくる。このような添加物質
としては、トリベンジルアミン、テトラベンジル−p−
キシレンジアミン、1−クロルアントラキノン、ベンゾ
キノン、2,3−ジクロロナフトキノン、ナフトキノ
ン、4,4’−ジニトロベンゾフェノン、4,4’−ジ
クロロベンゾフェノン、4−ニトロベンゾフェノン、4
−ニトロベンザルマロンジニトリル、α−シアノ−β−
(p−シアノフェニル)アクリル酸エチル、9−アント
ラセニルメチルマロンジニトリル、1−シアノ−1−
(p−ニトロフェニル)−2−(p−クロルフェニル)
エチレン、2,7−ジニトロフルオレノンなどの電子吸
引性化合物、ヒンダードフェノール、p−tert−ブ
チルフェノール、トコフェロール等の酸化防止剤があげ
られる。その他、感光体中への添加物として、カール防
止剤、レベリング剤などを必要に応じて添加することが
できる。
【0025】本発明の電子写真感光体において、導電性
支持体と感光層との間に設けられる中間層は、保護機能
や接着機能を付与し、塗工性を高め、さらには基板から
感光層への電荷注入改善を目的としたものである。この
ような材料としては、カゼイン、ポリビニルブチラー
ル、ポリビニルアルコール、ニトロセルロース、エチレ
ン−アクリル酸コポリマー、ポリアミド(ナイロン6、
ナイロン66、ナイロン610、共重合ナイロン、アル
コキシメチル化ナイロンなど)、ポリウレタン、ゼラチ
ン、酸化アルミニウムなどが適当である。この中間層の
厚みは、0.1〜3μ程度が好ましい。
【0026】本発明の感光体において、前述の如く種々
の態様があるが、特に、図1で示した、電荷発生効率の
高い電荷キャリア発生層と電荷キャリア移植層とからな
るタイプの積層型構造の感光体が効果的である。すなわ
ち、本発明の結合剤樹脂を用いた電荷キャリア発生層の
上に電荷キャリア移動層を積層した感光体である。この
タイプの感光体においては、本発明の結合剤樹脂の占め
る役割は前述の電子写真特性等の特性以外に、接着性の
良好性も要求されるが、このような接着性に関しても本
発明の結合樹脂は十分効果を有している。
【0027】以下に、本発明の電子写真感光体を実施例
により更に詳細に説明するが、本発明はこれにより、な
んら限定されるものではない。
【0028】実施例1 アルミ蒸着のポリエステルフィルム(膜厚80μm)を
支持体とし、その上に含フッ素フタロシアニン顔料(日
本触媒化学製:EXカラー801C)0.5gを酢酸ビ
ニル:クロトン酸共重合体樹脂(酸価:285)の1%
テトラヒドロフラン溶液50ml中に加え、ついでペイン
トコンディショナー(浅田鉄工社製)中で径1.0mmの
ガラスビーズを約50mlを加え、約2時間分散を行い、
アプリケーターにより塗布乾燥し、膜厚0.35μmの
電荷キャリア発生層を形成した。
【0029】この電荷キャリア発生層の上に下記構造式
のエナミン化合物2gとポリアリレート樹脂(ユニチカ
製:U−100)2gをジクロルエタン20mlに溶か
し、さらにトコフェロール0.1gを加えた液をアプリ
ケーターにより塗布し、乾燥膜厚28μmの電荷キャリ
ア移動層を設け、図1に示したのと同様の構造を有する
積層型電子写真感光体を得た。
【0030】
【化4】
【0031】このようにして作製した感光体の775n
m、780nm、785nmの電位、分光感度をモノクロメ
ーターと静電記録紙試験装置(川口電気製SP−42
8)により測定した。結果を表1に示す。なお、測定条
件は、加電圧−6KV、スタテイックNo.3とした。
【0032】実施例2〜8 酢酸ビニル:クロトン酸共重合体樹脂の代わりに表1に
記載した樹脂及び分散溶剤を用いた以外は実施例1とほ
ぼ同一の方法により7種の積層型電子写真感光体を得
た。このような各感光体を実施例1と全く同様にして電
位、分光感度を測定した。
【0033】
【表1】
【0034】実施例9〜16 実施例1〜8で作成した各電荷キャリア発生層用の分散
液を暗所(湿度:60%、温度25℃)で10日間保管
したものを用いた以外は実施例1と同様にして電位、分
光感度の劣化の度合を調べた。
【0035】その結果、分光感度はほとんど表1の値か
ら変動しなかった。また、電位については実施例3、
4、7の電子写真感光体で、10〜15V程度の低下が
見られたが、これ以外の電子写真感光体の電位について
は変動がほとんどなかった。さらに、分散液の劣化につ
いても濁度計(日本電色工業社製(OH−300A)に
より測定したが、濁度値に大きな差は認められなかっ
た。
【0036】実施例17 アルミ蒸着のポリエステルフィルム(膜厚80μm)を
導電性支持体とし、その上に下記構造式で示される含フ
ッ素フタロシアニン顔料0.3gとチタロニウム−フタ
ロシアニン顔料0.1gを、酢酸ビニル:塩化ビニル:
クロトン酸3元共重合体(重合比5:10:1、酸価1
5.0)0.4gをメチルエチルケトン10ml中でスラ
リー状にし、次いでメチルエチルケトン50mlを添加
し、実施例1と同様にして分散、塗布して膜厚0.45
μmの電荷キャリア発生層を形成した。
【0037】
【化5】
【0038】なお、顔料分散液の濁度値は8.5であ
り、ほぼ牛乳の濁度値と同じであった。この上に実施例
1で使用の電荷キャリア移動層を積層し、図1に示した
のと同様の構造を有する積層型電子写真感光体を得た。
【0039】このようにして作製した感光体を、レーザ
ープリンター機(シャープ株式会社製)に装着し、連続
コピーを2000回行った所、初回と何ら変化が見られ
ないシャープでカブリのない可視像を得た。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、電荷キャリア発生層に
フタロシアニン顔料と、酸価が5〜500であり、かつ
酢酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、(メタ)ア
クリルレート、(メタ)アクリル酸アミド、クロトン酸
及びクロトン酸エステルからなる群から選択された2種
以上のモノマーから構成された共重合体という特定の化
合物を含有させることにより、良好な電子写真特性及び
良分散性を有する電子写真感光体を得ることができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真感光体の概略断面図である。
【図2】本発明の別の電子写真感光体の概略断面図であ
る。
【図3】本発明のさらに別の電子写真感光体の概略断面
図である。
【符号の説明】
1 導電性支持体 2 電荷移動物質 3 電荷発生物質 4 感光層 5 電荷キャリア移動層 6 電荷キャリア発生層 7 中間層

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に形成された電荷キャリ
    ア発生層及びキャリア移動層からなり、 前記電荷キャリア発生層が、フタロシアニン顔料と、 酸価が5〜500であり、かつ酢酸ビニル、エチレン、
    スチレン、ブタジエン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、
    (メタ)アクリルレート、(メタ)アクリル酸アミド、
    クロトン酸及びクロトン酸エステルからなる群から選択
    された2種以上のモノマーから構成された共重合体とを
    含有することを特徴とする電子写真感光体。
  2. 【請求項2】 共重合体が、酢酸ビニルと塩化ビニルと
    から構成された共重合体樹脂である請求項2記載の電子
    写真感光体。
  3. 【請求項3】 共重合体が、酢酸ビニルと塩化ビニリデ
    ンとから構成された共重合体樹脂である請求項2記載の
    電子写真感光体。
  4. 【請求項4】 共重合体が、酢酸ビニルとメタアクリル
    酸とから構成された共重合体樹脂である請求項2記載の
    電子写真感光体。
  5. 【請求項5】 共重合体が、酢酸ビニルとクロトン酸と
    から構成された共重合体樹脂である請求項2記載の電子
    写真感光体。
  6. 【請求項6】 共重合体が、酢酸ビニル、クロトン酸及
    びクロトン酸エステルエステルから構成された共重合体
    樹脂である請求項2記載の電子写真感光体。
  7. 【請求項7】 フタロシアニン顔料が、式(I) 【化1】 (式中、Mは2個の水素、2価金属原子、1置換3価金
    属原子であり、R及びR′は水素、ハロゲン原子、低級
    アルキル基又は−SR″である。R″は炭素数1〜12
    の直鎖状又は分岐状アルキル基、置換又は非置換のフェ
    ニル基、ナフチル基である。)で表される含フッ素系フ
    タロシアニン顔料である請求項1〜6のいずれかに記載
    の電子写真感光体。
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JP2006317939A (ja) * 2005-05-12 2006-11-24 Xerox Corp 感光体
JP2010189527A (ja) * 2009-02-18 2010-09-02 Toyo Ink Mfg Co Ltd ε型フタロシアニン顔料およびそれを用いた着色組成物
JP2010189528A (ja) * 2009-02-18 2010-09-02 Toyo Ink Mfg Co Ltd β型フタロシアニン顔料およびそれを用いた着色組成物

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006317939A (ja) * 2005-05-12 2006-11-24 Xerox Corp 感光体
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