JP3592455B2 - 電子写真感光体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は有機光導電性材料を用いた電子写真感光体に関し、詳しくは特定の有機光導電性材料を含有することを特徴とする電子写真感光体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子写真方式の利用は複写機の分野に限らず印刷版材、スライドフィルム、マイクロフィルム等の従来では写真技術が使われていた分野へ広がり、また、レーザーやLED、CRTを光源とする高速プリンターへの応用も検討されている。また最近では光導電性材料の電子写真感光体以外の用途、例えば静電記録素子、センサー材料、EL素子等への応用も検討され始めた。従って光導電性材料及びそれを用いた電子写真感光体に対する要求も高度で幅広いものになりつつある。
【0003】
これまで、電子写真方式の感光体には無機系の光導電性物質、例えばセレン、硫化カドミウム、酸化亜鉛、シリコンなどが知られており、広く研究され、かつ実用化されている。これらの無機物質は多くの長所を持っているのと同時に、種々の欠点をも有している。例えばセレンには製造条件が難しく、熱や機械的衝撃で結晶化しやすいという欠点があり、硫化カドミウムや酸化亜鉛は耐湿性、耐久性に難がある。シリコンについては帯電性の不足や製造上の困難さが指摘されている。更に、セレンや硫化カドミウムには毒性の問題もある。
【0004】
これに対し、有機系の光導電性物質は成膜性がよく、可撓性も優れていて、軽量であり、透明性もよく、適当な増感方法により広範囲の波長域に対する感光体の設計が容易であるなどの利点を有していることから、次第にその実用化が注目を浴びている。
【0005】
ところで、電子写真技術に於て使用される感光体は、一般的に基本的な性質として次のような事が要求される。即ち、(1) 暗所におけるコロナ放電に対して帯電性が高いこと、(2) 得られた帯電電荷の暗所での漏洩(暗減衰)が少ないこと、(3) 光の照射によって帯電電荷の散逸(光減衰)が速やかであること、(4) 光照射後の残留電荷が少ないことなどである。
【0006】
しかしながら、今日まで有機系光導電性物質としてポリビニルカルバゾールを始めとする光導電性ポリマーに関して多くの研究がなされてきたが、これらは必ずしも皮膜性、可撓性、接着性が十分でなく、又上述の感光体としての基本的な性質を十分に具備しているとはいい難い。
【0007】
一方、有機系の低分子光導電性化合物については、感光体形成に用いる結着剤などを選択することにより、皮膜性や接着性、可撓性など機械的強度に優れた感光体を得ることができ得るものの、高感度の特性を保持し得るのに適した化合物を見出すことは困難である。
【0008】
このような点を改良するために電荷発生機能と電荷輸送機能とを異なる物質に分担させ、より高感度の特性を有する有機感光体が開発されている。機能分離型と称されているこのような感光体の特徴はそれぞれの機能に適した材料を広い範囲から選択できることであり、任意の性能を有する感光体を容易に作製し得ることから多くの研究が進められてきた。
【0009】
このうち、電荷発生機能を担当する物質としては、フタロシアニン顔料、スクエアリウム色素、アゾ顔料、ペリレン顔料等の多種の物質が検討され、中でもアゾ顔料は多様な分子構造が可能であり、また、高い電荷発生効率が期待できることから広く研究され、実用化も進んでいる。しかしながら、このアゾ顔料においては、分子構造と電荷発生効率の関係はいまだに明らかになっていない。膨大な合成研究を積み重ねて、最適の構造を探索しているのが実情である。
【0010】
一方、電荷輸送機能を担当する物質には正孔輸送物質と電子輸送物質がある。正孔輸送物質としてはヒドラゾン化合物やスチルベン化合物など、電子輸送物質としては2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、ジフェノキノン誘導体など多種の物質が検討され、実用化も進んでいるが、こちらも膨大な合成研究を積み重ねて最適の構造を探索しているのが実情である。事実、これまでに多くの改良がなされてきたが、先に掲げた感光体として求められている基本的な性質や高い耐久性などの要求を満足するものは、未だ十分に得られていない。
【0011】
以上述べたように電子写真感光体の作製には種々の改良が成されてきたが、先に掲げた感光体として要求される基本的な性質や高い耐久性などの要求を満足するものは未だ十分に得られていないのが現状である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、高感度で高耐久性を有し、帯電電位が高く、繰返し使用しても諸特性が変化せず、安定した性能を発揮できる電子写真感光体を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記目的を達成すべく光導電性物質の研究を行なった結果、特定の構造を有する有機光導電性材料が有効であることを見出し、本発明に至った。上記で特定の構造を有する有機光導電性材料とは、電荷輸送物質として下記一般式(1)で示されるスチルベン化合物を用いることである。
【0014】
【化3】
【0015】
一般式(1)において、R1、R2、R3、R4はそれぞれ水素原子を表し、R5は置換基を有していてもよいアリー ル基、または複素環基を示す。R6は水素原子、置換基を有していてもよいアル キル基、アリール基、アラルキル基、または複素環基を表し、R7は水素原子を示す。R8は水素原子を表し、Aは2,2−ジメチルビニル基、1−メチルビニル基のアルケニル基を示す。p、qは0または1を示す。また、nは1または2、mは0または1であり、nとmはn+m=2を満たす。
【0016】
ここでR1、R2、R3、R4の具体例としては、水素原子が挙げられる。
【0017】
また、R5の具体例としてはフェニル基、ナフチル基、アントリル基などのアリール基、ピリジル基、フリル基、チエニル基などの複素環基を挙げる事ができる。上記基に置換する置換基としては、例えばハロゲン原子、ジメチルアミノ基、ジフェニルアミノ基などのアミノ基、水酸基、エステル化されていてもよいカルボキシル基、シアノ基、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、トリフルオロメチル基などのアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、n−ブトキシ基などのアルコキシ基、メチルチオ基、エチルチオ基などのアルキルチオ基、フェニルチオ基などのアリールチオ基などが挙げられる。
【0018】
また、R6の具体例としては、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、t−ブチル基、トリフルオロメチル基などのアルキル基、フェニル基、ナフチル基、アントリル基などのアリール基、ベンジル基、α−ナフチルメチル基、β−ナフチルメチル基等のアラルキル基、ピリジル基、フリル基、チエニル基などの複素環基が挙げられる。
【0019】
また、R7の具体例としては、水素原子が挙げられる。
【0020】
また、R8の具体例としては、水素原子が挙げられる。
【0021】
また、Aは2,2−ジメチルビニル基、1−メチルビニル基のアルケニル基が挙げられる。
【0022】
さらに本発明者らが鋭意研究を続けた結果、電荷輸送物質として前記一般式(1)で示されるスチルベン化合物を用い、電荷発生物質として一般式(2)で示されるアゾ化合物を用いることが特に望ましいこともわかった。
【0023】
【化4】
【0024】
一般式(2)において、Arは水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、アリール基、複素環基を示す。B1、B2はそれぞれカップラー残基を表す。rは0または1を表す。
【0025】
ここでArの具体例としては、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、トリフルオロメチル基などのアルキル基、フェニル基、ナフチル基、アントリル基などのアリール基、ピリジル基、フリル基、チエニル基等の複素環基を挙げることができる。
【0026】
また、上記基に置換する置換基としては、例えばハロゲン原子、ジメチルアミノ基、ジフェニルアミノ基等のアミノ基、水酸基、エステル化されていてもよいカルボキシル基、シアノ基、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、トリフルオロメチル基等のアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、n−ブトキシ基等のアルコキシル基、メチルチオ基、エチルチオ基等のアルキルチオ基、フェニルチオ基等のアリールチオ基等が挙げられる。
【0027】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられる一般式(1)で示されるスチルベン化合物の具体例としては、例えば次の構造式を有するものが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0028】
【化5】
【0029】
【化6】
【0030】
【化7】
【0031】
【化8】
【0032】
【化9】
【0033】
【化10】
【0034】
【化11】
【0035】
【化12】
【0036】
【化13】
【0037】
【化14】
【0038】
【化15】
【0039】
【化16】
【0040】
【化17】
【0041】
【化18】
【0042】
【化19】
【0043】
【化20】
【0044】
【化21】
【0045】
【化22】
【0046】
【化23】
【0047】
【化24】
【0048】
【化25】
【0049】
【化26】
【0050】
【化27】
【0051】
【化28】
【0052】
【化29】
【0053】
【化30】
【0054】
【化31】
【0055】
【化32】
【0056】
【化33】
【0057】
【化34】
【0058】
【化35】
【0059】
【化36】
【0060】
【化37】
【0061】
【化38】
【0062】
【化39】
【0063】
【化40】
【0064】
【化41】
【0065】
【化42】
【0066】
【化43】
【0067】
【化44】
【0068】
【化45】
【0069】
【化46】
【0070】
さらに、本発明の電子写真感光体においては、前記一般式(2)に示すアゾ化合物を用いた場合に特に高い性能が得られる。一般式(2)で示されるアゾ化合物の具体例として以下に示す化合物が挙げられるが、これらになんら限定されるものではない。以下でB1、B2はカップラー残基を示す。
【0071】
【化47】
【0072】
【化48】
【0073】
【化49】
【0074】
【化50】
【0075】
【化51】
【0076】
【化52】
【0077】
本発明の電子写真感光体は、電荷輸送物質として前記一般式(1)で示されるスチルベン化合物を用い、好ましくは電荷発生物質として前記一般式(2)で示される化合物をそれぞれ1種類あるいは2種類以上含有することにより得られる。電荷発生物質としては、一般式(2)で示される化合物以外に、あるいは一般式(2)で示される化合物と併用して、セレン、カドミウムなどの金属や、フタロシアニン化合物、ペリレン化合物など、また、アゾ化合物も用いられる。アゾ化合物としてはたとえば特開昭47−37543号、特開昭53−95033号、特開昭53−132347号、特開昭53−133445号、特開昭54−12742号、特開昭54−20736号、特開昭54−20737号、特開昭54−21728号、特開昭54−22834号、特開昭55−69148号、特開昭55−69654号、特開昭55−79449号、特開昭55−117151号、特開昭56−46237号、特開昭56−116039号、特開昭56−116040号、特開昭56−119134号、特開昭56−143437号、特開昭57−63537号、特開昭57−63538号、特開昭57−63541号、特開昭57−63542号、特開昭57−63549号、特開昭57−66438号、特開昭57−74746号、特開昭57−78542号、特開昭57−78543号、特開昭57−90056号、特開昭57−90057号、特開昭57−90632号、特開昭57−116345号、特開昭57−202349号、特開昭58−4151号、特開昭58−90644号、特開昭58−144358号、特開昭58−177955号、特開昭59−31962号、特開昭59−33253号、特開昭59−71059号、特開昭59−72448号、特開昭59−78356号、特開昭59−136351号、特開昭59−201060号、特開昭60−15642号、特開昭60−140351号、特開昭60−179746号、特開昭61−11754号、特開昭61−90164号、特開昭61−90165号、特開昭61−90166号、特開昭61−112154号、特開昭61−281245号、特開昭61−51063号、特開昭62−267363号、特開昭63−68844号、特開昭63−89866号、特開昭63−139355号、特開昭63−142063号、特開昭63−183450号、特開昭63−282743号、特開昭64−21455号、特開昭64−78259号、特開平1−200267号、特開平1−202757号、特開平1−319754号、特開平2−72372号、特開平2−254467号、特開平3−278063号、特開平4−96068号、特開平4−96069号、特開平4−147265号、特開平5−142841号、特開平5−303226号、特開平6−324504号、特開平7−168379号公報に記載の化合物が挙げられる。
【0078】
また、これらのアゾ顔料に用いられるカップラー成分の構造は多岐に渡る。たとえば特開昭54−17735号、特開昭54−79632号、特開昭57−176055号、特開昭59−197043号、特開昭60−130746号、特開昭60−153050号、特開昭60−103048号、特開昭60−189759号、特開昭63−131146号、特開昭63−155052号、特開平2−110569号、特開平4−149448号、特開平6−27705号、特開平6−348047号公報に記載の化合物が挙げられる。
【0079】
以下に本発明のビスアゾ化合物に用いられるカップラー成分の具体例を示すが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
【0080】
【表1】
【0081】
【表2】
【0082】
【表3】
【0083】
【表4】
【0084】
【表5】
【0085】
【表6】
【0086】
【表7】
【0087】
【表8】
【0088】
【表9】
【0089】
【表10】
【0090】
【表11】
【0091】
【表12】
【0092】
【表13】
【0093】
【表14】
【0094】
感光体の形態としては種々のものが知られているが、そのいずれにも用いることができる。例えば、導電性支持体上に電荷発生物質、電荷輸送物質、およびフィルム形成性結着剤樹脂からなる感光層を設けたものがある。また、導電性支持体上に、電荷発生物質と結着剤樹脂からなる電荷発生層と、電荷輸送物質と結着剤樹脂からなる電荷輸送層を設けた積層型の感光体も知られている。電荷発生層と電荷輸送層はどちらが上層となっても構わない。また、必要に応じて導電性支持体と感光層の間に下引き層を、感光体表面にオーバーコート層を、積層型感光体の場合は電荷発生層と電荷輸送層との間に中間層を設けることもできる。本発明の化合物を用いて感光体を作製する支持体としては金属製ドラム、金属板、導電性加工を施した紙、プラスチックフィルムのシート状、ドラム状あるいはベルト状の支持体などが使用される。
【0095】
それらの支持体上へ感光層を形成するために用いるフィルム形成性結着剤樹脂としては利用分野に応じて種々のものがあげられる。例えば複写用感光体の用途ではポリスチレン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリアリレート樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、フェノキシ樹脂などがあげられる。これらの中でも、ポリスチレン樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアリレート樹脂等は感光体としての電位特性に優れている。又、これらの樹脂は、単独あるいは共重合体として2種以上を混合して用いることができる。
【0096】
積層型感光体の場合、電荷発生層に含有されるこれらの樹脂は、電荷発生物質に対して10〜500重量%が好ましく、50〜150重量%がより好ましい。樹脂の比率が高くなりすぎると電荷発生効率が低下し、また樹脂の比率が低くなりすぎると成膜性に問題が生じる。また、電荷輸送層に含有されるこれらの樹脂は、電荷輸送物質に対して20〜1000重量%が好ましく、50〜500重量%がより好ましい。樹脂の比率が高すぎると感度が低下し、また、樹脂の比率が低くなりすぎると繰り返し特性の悪化や塗膜の欠損を招くおそれがある。
【0097】
これらの樹脂の中には、引っ張り、曲げ、圧縮等の機械的強度に弱いものがある。この性質を改良するために、可塑性を与える物質を加えることができる。具体的には、フタル酸エステル(例えばDOP、DBP等)、リン酸エステル(例えばTCP、TOP等)、セバシン酸エステル、アジピン酸エステル、ニトリルゴム、塩素化炭化水素などがあげられる。これらの物質は、必要以上に添加すると電子写真特性の悪影響を及ぼすので、その割合は結着剤樹脂に対し20%以下が好ましい。
【0098】
その他、感光体中への添加物として酸化防止剤やカール防止剤などを必要に応じて添加することができる。
【0099】
一般式(1)で示されるスチルベン化合物はさらに他の電荷輸送物質と組み合わせて用いることができる。電荷輸送物質には正孔輸送物質と電子輸送物質がある。前者の例としては、例えば特公昭34−5466号公報に示されているオキサジアゾール類、特公昭45−555号公報に示されているトリフェニルメタン類、特公昭52−4188号公報に示されているピラゾリン類、特公昭55−42380号公報に示されているヒドラゾン類、特開昭56−123544号公報に示されているオキサジアゾール類等をあげることができる。一方、電子輸送物質としては、例えばクロラニル、テトラシアノエチレン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェンなどがある。これらの電荷輸送物質は単独または2種以上組み合わせて用いることができる。
【0100】
【実施例】
次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。
【0101】
実施例1
アゾ化合物(例示化合物(189):B1=B2=A−6)を1重量部とポリエステル樹脂(東洋紡製バイロン200)1重量部をテトラヒドロフラン100重量部に混合し、ペイントコンディショナー装置によりガラスビーズと共に2時間分散した。こうして得た分散液をアプリケーターにて、アルミ蒸着ポリエステル上に塗布して、膜厚約0.2μの電荷発生層を形成した。次にスチルベン化合物(例示化合物(3))を、ポリアリレート樹脂(ユニチカ製U−ポリマー)と1:1の重量比で混合し、ジクロロエタンを溶媒として10%の溶液を作り、上記の電荷発生層の上にアプリケーターで塗布して、膜厚約20μの電荷輸送層を形成した。
【0102】
このようにして作製した積層型感光体を、静電記録試験装置(川口電気製SP−428)により電子写真特性評価を行なった。
測定条件:印加電圧−6kV、スタティックNo. 3(ターンテーブルの回転スピードモード:10m/min )。
その結果、帯電電位V0が−765V、半減露光量E1/2が0.9ルックス・秒と高感度の値を示した。
【0103】
更に同装置を用いて、帯電−除電(除電光:白色光で400ルックス×1秒照射)を1サイクルとする繰返し使用に対する特性評価を行った。5000回での繰返しによる帯電電位の変化を求めたところ、1回目の初期電位V0が−765Vに対し、5000回目の初期電位V0は−750Vであり、繰返しによる電位の低下が少なく安定していることがわかった。また、1回目の半減露光量E1/2が0.9ルックス・秒に対して5000回目の半減露光量E1/2は1.0ルックス・秒とほとんど変化がないことがわかった。
【0104】
実施例2〜10
実施例1のアゾ化合物およびスチルベン化合物の代わりにそれぞれ表15に示す化合物を用いる他は、実施例1と同様にして感光体を作製してその特性を評価した。結果を表15に示す。
【0105】
【表15】
【0106】
実施例11
アゾ化合物(例示化合物(189):B1=B2=A−6)1重量部とテトラヒドロフラン40重量部を、ペイントコンディショナー装置によりガラスビーズと共に4時間分散処理した。こうして得た分散液に、スチルベン化合物(例示化合物(3))を2.5重量部、ポリカーボネート樹脂(PCZ−200;三菱ガス化学製)10重量部、テトラヒドロフラン60重量部を加え、さらに30分間のペイントコンディショナー装置による分散処理を行った後、アプリケーターにて、アルミ蒸着ポリエステル上に塗布して、膜厚約15μの感光体を形成した。この感光体の電子写真特性を、実施例1と同様にして測定した。ただし、印加電圧のみ+5kVに変更した。その結果、1回目の初期電位V0が+300V、半減露光量E1/2が1.1ルックス・秒、5000回繰り返し後の初期電位V0が+280V、半減露光量E1/2が1.1ルックス・秒と、高感度でしかも変化の少ない、優れた特性を示した。
【0107】
実施例12〜20
実施例11のアゾ化合物とスチルベン化合物の代わりに表16に示す化合物を用いる他は、実施例11と同様にして感光体を作製してその特性を評価した。結果を表16に示す。
【0108】
【表16】
【0109】
比較例1
電荷発生物質としてアゾ化合物(例示化合物(189):B1=B2=A−6)を用い電荷輸送物質として下記化合物(196)を用いるほかは、実施例1と同様に感光体を作製して、その特性を評価した。その結果、1回目の初期電位V0は−650V、 半減露光量E1/2は1.4ルックス・秒と比較的良好な結果であったが、5000回目の初期電位V0は−260V、半減露光量E1/2は2.9ルックス・秒であり、繰り返しによる大幅な電位の低下がみられた。
【0110】
比較例2
電荷発生物質としてアゾ化合物(例示化合物(189):B1=B2=A−6)を用い、電荷輸送物質として下記化合物(197)を用いる他は、実施例11と同様にして感光体を作製して、その特性を評価した。その結果初期電位V0が220V、半減露光量E1/2が9.5ルックス・秒と感度不足であった。
【0111】
【化53】
【0112】
【化54】
【0113】
【発明の効果】
以上から明らかなように、本発明によれば高感度で高耐久性を有する電子写真感光体を提供することができる。
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CN102977630B (zh) * | 2007-02-14 | 2014-11-05 | 大日精化工业株式会社 | 有机颜料的分散剂及其使用 |
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CN102977630B (zh) * | 2007-02-14 | 2014-11-05 | 大日精化工业株式会社 | 有机颜料的分散剂及其使用 |
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