JPH1192623A - フェノール樹脂とシリカとの複合体の製造方法 - Google Patents

フェノール樹脂とシリカとの複合体の製造方法

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JPH1192623A
JPH1192623A JP25990997A JP25990997A JPH1192623A JP H1192623 A JPH1192623 A JP H1192623A JP 25990997 A JP25990997 A JP 25990997A JP 25990997 A JP25990997 A JP 25990997A JP H1192623 A JPH1192623 A JP H1192623A
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silica
composite
phenol resin
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phenolic resin
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Sukeaki Usami
祐章 宇佐見
Kazutoshi Haraguchi
和敏 原口
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明が解決しようとする課題は、優れた機
械的特性を有する、フェノール樹脂とシリカとの複合体
を、実質的に溶媒を用いずに、簡便に製造する方法を提
供することにある。 【解決手段】 溶融フェノール樹脂中で、シリコンアル
コキシド類の加水分解及び重縮合を行わせることを特徴
とする、フェノール樹脂とシリカとの複合体の製造方
法、及びフェノール樹脂とシリカとの複合体に、硬化剤
を添加した後に、加熱成形することを特徴とする、フェ
ノール樹脂とシリカとの複合体硬化物の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶融させたフェノ
ール樹脂中で、シリコンアルコキシド類の加水分解及び
重縮合を行わせることを特徴とする、フェノール樹脂と
シリカとの複合体の製造方法であり、特にノボラック型
フェノール樹脂中にシリカが微細に分散する複合体の製
造方法であり、本製造方法で作られる複合体は、成形材
料、摩擦・摺動材料等の種々の分野で有用である。
【0002】
【従来の技術】従来、フェノール樹脂の性能を改良する
目的で、耐熱性や機械的性質等に優れた炭酸カルシウ
ム、シリカ、チタニア、アルミナ等の粉末状無機材料を
樹脂中に混合することが広く行われてきた。そこでは、
改質効果を向上させるために、より小さな無機材料を均
質に分散させることが重要であるが、無機材料は微粒子
にするほど樹脂中で均質分散させることが困難となる問
題がある。
【0003】かかる問題を解決するために、我々は、フ
ェノール樹脂溶液中でシリコンアルコキシド又はその低
縮合物を in-situ で反応させ、シリカをフェノール樹
脂中に均質に微細分散させた複合体を調製する方法、及
びそれらの複合体が優れた機械的特性を有することを見
い出し、それらを特開平8−259782号公報に示し
た。しかしながら、フェノール樹脂を溶媒に溶解させた
後、樹脂中でシリコンアルコキシド又はその低縮合物を
in-situ 反応させることでフェノール樹脂と複合化す
る方法は、多量の溶媒を使用しなくてはならないという
製造上の課題を有していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、優れた機械的特性を有する、フェノール樹
脂とシリカとの複合体を、実質的に溶媒を用いずに、簡
便に製造する方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
を行った結果、溶融フェノール樹脂中で、シリコンアル
コキシド類の加水分解及び重縮合を行わせることによ
り、フェノール樹脂中に微細なシリカが分散した複合体
を、実質的に溶媒を用いることなく、より容易に製造で
きることを見い出し本発明を完成するに至った。
【0006】即ち、本発明は、 (イ)溶融フェノール樹脂中で、シリコンアルコキシド
類の加水分解及び重縮合を行わせることを特徴とする、
フェノール樹脂とシリカとの複合体の製造方法、 (ロ)フェノール樹脂が、ノボラック型フェノール樹脂
であることを特徴とする(イ)に記載のフェノール樹脂
とシリカとの複合体の製造方法、
【0007】(ハ)シリコンアルコキシド類が、平均重
合度2〜20のテトラアルコキシシランの低縮合物、又
は平均重合度2〜20のテトラアルコキシシランの低縮
合物とモノアルキルトリアルコキシシランとの混合物で
あることを特徴とする(イ)又は(ロ)に記載のフェノ
ール樹脂とシリカとの複合体の製造方法、
【0008】(ニ)含まれるシリカの平均粒子径が20
00nm以下であり、複合体中のシリカの含有量が1重
量%〜30重量%であることを特徴とする、(イ)〜
(ハ)のいずれか一つに記載のフェノール樹脂とシリカ
との複合体の製造方法、 (ホ)上記の(イ)〜(ニ)のいずれか一つに記載の製
造方法により得られたフェノール樹脂とシリカとの複合
体に、硬化剤を添加した後に、加熱成形することを特徴
とする、フェノール樹脂とシリカとの複合体硬化物の製
造方法、及び、
【0009】(ヘ)含まれるシリカの大きさが2000
nm以下であり、シリカ含有量が1重量%〜30重量%
であることを特徴とする(ホ)に記載のフェノール樹脂
とシリカとの複合体硬化物の製造方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明は、溶融フェノール樹脂中
で、シリコンアルコキシド類の加水分解及び重縮合を行
わせることを特徴とする、フェノール樹脂とシリカとの
複合体の製造方法である。
【0011】本発明で用いるフェノール樹脂は、一般的
に使用されているストレート型ノボラック樹脂、アルキ
ルフェノール型ノボラック樹脂、ハイオルト型ノボラッ
ク樹脂等の何れでのタイプでも良く、又、フェノールと
ホルムアルデヒドのモル比、反応時のpH、温度、触媒
種及び触媒量、重合度等は何れも公知慣用に使用される
もので良い。これらのフェノール樹脂の溶融温度は、1
20〜200℃であり、好ましくは150〜180℃が
用いられる。
【0012】本発明に用いられる硬化剤は、ノボラック
型フェノール樹脂用の硬化剤を用いることができ、例え
ば、ヘキサメチレンテトラミンが使用される。又、これ
らの硬化剤に加えて、イミダゾール化合物、トリフェニ
ルフォスフィド等の公知慣用の硬化促進剤を用いること
も可能である。硬化条件は、熱処理温度及び熱処理時
間、硬化剤の種類や量、硬化促進剤の種類や量等を、通
常用いられる範囲で選択すれば良いが、例えば、硬化温
度としては100〜350℃、好ましくは150〜25
0℃である。
【0013】本発明で用いるシリコンアルコキシド類と
しては、一般式、Si(OR)4(式中、Rは一般式Cm
2m+1で表されるアルキル基、mは1〜6の整数を示
す)で示されるテトラアルコキシシランの低縮合物が用
いられ、好ましくは平均重合度2〜20のシリコンアル
コキシド低縮合物が、より好ましくは平均重合度3〜1
0のシリコンアルコキシド低縮合物が用いられる。
【0014】テトラアルコキシシランモノマー、例え
ば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランは沸
点が各々122℃、165℃であり、本発明の製造方法
による複合化において、収率良く複合体中にシリカを生
成させることは難しい。また、テトラアルコキシシラン
の平均重合度が20以上では、複合体調製中にゲル化が
生じたり、粒径制御が困難になる為、良好な複合体が得
られにくくなる。
【0015】また、一般式、SiR’(OR)3(式
中、R、R’は一般式Cm2m+1で表されるアルキル
基、mは1〜6の整数を示す)で表される、モノアルキ
ルトリアルコキシシランを1〜20モル%混合して用い
ることは、複合体の靱性を向上させる上で有効である。
【0016】またシリコンアルコキシド類をフェノール
樹脂と複合化する場合、水及び/又は酸性触媒を含む水
溶液、又はそれらと少量の溶媒とを併用して用いること
はシリカの収率、粒径、分散状態等を制御するのに有効
である。水の量としては用いるシリコンアルコキシド類
に対して0.1〜6倍モル量が用いられ、好ましくは
0.5〜4倍モル量が良好である。本発明においては、
水は溶液として反応系に加える他に、気体中に含有させ
て反応系にガス状で添加することもできる。
【0017】本発明に用いる触媒としては、ギ酸、酢酸
等の有機酸、塩酸等の無機酸の酸性触媒が好ましく、用
いるシリコンアルコキシド類に対して、通常、0.00
1〜0.5倍モル量が用いられる。
【0018】また、本発明の製造方法は、溶媒を必須と
するものではないが、シリコンアルコキシド類と水とを
均一に混和させる為に、少量の溶媒を用いることは好ま
しい。これらの溶媒は、あくまでシリコンアルコキシド
類と水とを均一に混和させる為に要する最小量で有れば
良く、従来の本発明者らのフェノール樹脂を溶解させる
多くの溶媒量を意味しない。
【0019】これらの溶媒としては、シリコンアルコキ
シドと水を混和させることが可能な、例えばメタノー
ル、エタノール等のアルコール類、アセトン、2−ブタ
ノン等のケトン系溶媒、或いはテトラヒドロフラン、ジ
メチルホルムアミド、ピリジン等の親水性有機溶媒が用
いられ、使用量としてはアルコキシド類と水を混和させ
得る最小量が用いられ、例えば、テトラメトキシシラン
の低縮合物(平均重合度4)100重量部と、水3〜1
0重量部に対して、溶媒5〜20、好ましくは15〜2
0重量部が使用される。
【0020】また、一般式、SiR’(OR)3(式
中、R、R’は一般式Cm2m+1で表されるアルキル
基、mは1〜6の整数を示す)で表される、モノアルキ
ルトリアルコキシシランを混合して用いる場合には、例
えば、テトラメトキシシランの低縮合物(平均重合度
4)100重量部と、水3〜20重量部に対して、溶媒
5〜30重量部、好ましくは15〜30重量部が使用
し、予め加水分解・重縮合を進めたものを作成し、溶融
フェノール樹脂とともに複合化することが好ましい。
【0021】本発明においてシリコンアルコキシド類の
重縮合は、溶融したフェノール樹脂中で進み、フェノー
ル樹脂との複合化が行われる。該複合体中のフェノール
樹脂の硬化工程を経て、最終的にフェノール樹脂硬化物
中にシリカが微細分散した、フェノール樹脂とシリカと
の複合体硬化物が得られる。
【0022】シリカ含有率としては1〜30重量%が良
好であり、特に好ましくは5〜20重量%が用いられ
る。シリカ含有率が1重量%以下では充分なシリカの複
合効果が得られず、30重量%以上ではゲル化が起こり
やすくなったり、加熱成形の際にクラックの発生等が生
じ均質良好なハイブリットが得られにくい。
【0023】本発明で得られる複合体、又は複合体硬化
物中のシリカは、球状及び/又は複雑形状をした微細粒
子であり、フェノール樹脂マトリックス中に均質に分散
しており、またその界面は剥離することなく強く密着し
ている。本発明の複合体に含まれるシリカの粒子径は、
2000nm以下であり、好ましくは500nm以下、
特に好ましくは200nm以下の大きさである。大きさ
の最小値は特に規定されず、透過型電子顕微鏡観察で確
認可能な5nm以下の大きさでも良い。
【0024】本発明の製造方法による、フェノール樹脂
とシリカとの複合体を得る方法をより具体的に説明すれ
ば、 ノボラック型フェノール樹脂100重量部を攪拌可
能になるように、例えば150〜180℃で溶融させた
ものに、例えば平均重合度4のテトラメトキシシランの
低縮合物と水と溶媒からなる均質溶液(例えば26/2
/5重量比)を、滴下混合する。
【0025】 攪拌しながら、シリコンアルコキシド
類の加水分解・重縮合を進め、且つ、フェノール樹脂中
に該重縮合物を固定化した後、系全体がゲル化してしま
う前に取り出して冷却することにより、フェノール樹脂
とシリカとの複合体を得る。 次いで、該フェノール樹脂とシリカとの複合体10
0重量部の粉末に対して10重量部程度の硬化剤粉末を
添加混合した後、加熱成形することで、フェノール樹脂
とシリカとの複合体の硬化物を得る。
【0026】また、本発明の製造方法において、アミノ
アルコキシシラン、エポキシアルコキシシラン、ビニル
アルコキシシラン、メルカプトアルコキシシラン等の有
機シラン化合物を併用して複合化することにより、熱硬
化樹脂と金属酸化物の親和性を更に向上させることも可
能である。
【0027】本発明の製造方法を用いることにより、フ
ェノール樹脂の製造過程中においても、容易にシリカを
複合化させることができ、実質的に溶媒を用いずに、簡
便にフェノール樹脂と微細なシリカの複合体を製造する
ことができる。
【0028】
【実施例】以下に本発明を実施例及び比較例により、よ
り具体的に説明するが、もとより本発明は、以下に示す
実施例にのみ限定されるものではない。
【0029】(実施例1)フェノール樹脂(プライオー
フェン5510、大日本インキ化学工業株式会社製、ノ
ボラック型)100重量部を環流管を付けたフラスコに
入れ、180℃のオイルバス中にて溶融させた後、その
温度に保持しながらメタノール5重量部、テトラメトキ
シシランの低縮合物(平均重合度約4、三菱化学株式会
社製MS51)28重量部、水2重量部からなる均質溶
液をゆっくり滴下混合した。
【0030】180℃にて50分間攪拌保持した後、ア
ルミシャーレ上に流延し放冷することによりフェノール
樹脂とシリカとの複合体とした。得られたフェノール樹
脂とシリカとの複合体中のシリカ含有量(空気中800
℃、3時間焼成後の残量)は8.8重量%であった。
【0031】更に該複合体を粉砕機を用いて粉末化した
もの100重量部に、粉末状の硬化剤ヘキサメチレンテ
トラミン10重量部を混合した。該混合物を金型(10
mm×60mm×2mm)に充填し、180℃、40k
g/cm2で加熱プレス成形することでフェノール樹脂
/シリカ複合体の硬化物を得た。硬化物中のシリカ含有
量は8.0重量%であった。硬化物の超薄切片の透過型
電子顕微鏡観察により、平均粒径が70nmの複雑形状
を有するシリカが均質に分散し、また、その界面はマト
リックスのフェノール樹脂と強く密着した良好なフェノ
ール樹脂とシリカとの複合体の硬化物であることが確認
された。
【0032】(実施例2)フェノール樹脂(IH122
5、大日本インキ化学工業株式会社製、ノボラック型)
100重量部を環流管を付けたフラスコに入れ、180
℃のオイルバス中にて溶融させた後、その温度に保持し
ながらメタノール5重量部、テトラメトキシシランの低
縮合物(平均重合度約4、三菱化学株式会社製MS5
1)27重量部、水2重量部からなる均質混合溶液をゆ
っくり滴下混合した。180℃にて40分間攪拌保持し
た後、アルミシャーレ上に流延し放冷することによりフ
ェノール樹脂とシリカとの複合体とした。
【0033】得られた複合体中のシリカ含有量(空気中
800℃、3時間焼成後の残量)は9.0重量%であっ
た。該混合物を金型に充填し、180℃、40kg/c
2で加熱プレス成形することでフェノール樹脂とシリ
カとの複合体の硬化物を得た。硬化物中のシリカ含有量
は8.2重量%であった。硬化物の超薄切片の透過型電
子顕微鏡観察により、界面が入り組んだ構造を持つ平均
粒径が200nmの球状シリカが均質に分散し、また、
その界面はマトリックスのフェノール樹脂と強く密着し
た良好なフェノール樹脂とシリカとの複合体硬化物であ
ることが確認された。
【0034】(実施例3)フェノール樹脂(プライオー
フェン5510、大日本インキ化学工業株式会社製、ノ
ボラック型)100重量部を環流管を付けたフラスコに
入れ、150℃のオイルバス中にて溶融させた後、その
温度に保持しながらテトラメトキシシランの低縮合物
(平均重合度約4、三菱化学株式会社製MS51)60
重量部をゆっくり添加混合し、含水窒素(水をバブリン
グさせた窒素)を流通しながら1時間攪拌保持した。そ
の後、アルミシャーレ上に流延し放冷することによりフ
ェノール樹脂とシリカとの複合体とした。得られた複合
体中のシリカ含有量(空気中800℃、3時間焼成後の
残量)は15.0重量%であった。
【0035】更に該複合体を粉砕機を用いて粉末化した
もの100重量部に、粉末状の硬化剤ヘキサメチレンテ
トラミン10重量部を混合した。該混合物を金型に充填
し、180℃、40kg/cm2で加熱プレス成形する
ことでフェノール樹脂とシリカとの複合体の硬化物を得
た。硬化物中のシリカ含有量は13.6重量%であっ
た。硬化物の超薄切片の透過型電子顕微鏡観察により、
平均粒径が100nmの複雑形状を有するシリカが均質
に分散し、また、その界面はマトリックスのフェノール
樹脂と強く密着した良好なフェノール樹脂とシリカとの
複合体硬化物であることが確認された。
【0036】(実施例4)シリコンアルコキシドとして
テトラエトキシシランの低縮合物(平均重合度約5、コ
ルコート株式会社製ES40)33重量部を用い、反応
温度を180℃で30分とした以外は実施例3と同様に
してフェノール樹脂とシリカとの複合体を得た。得られ
たフェノール樹脂とシリカとの複合体中のシリカ含有量
(空気中800℃、3時間焼成後の残量)は8.4重量
%であった。
【0037】更に該複合体を粉砕機を用いて粉末化した
もの100重量部に、粉末状の硬化剤ヘキサメチレンテ
トラミン10重量部を混合した。該混合物を金型に充填
し、180℃、40kg/cm2で加熱プレス成形しフ
ェノール樹脂とシリカとの複合体の硬化物を得た。硬化
物中のシリカ含有量は7.3重量%であった。
【0038】(実施例5)フェノール樹脂(プライオー
フェン5510、大日本インキ化学工業株式会社製、ノ
ボラック型)100重量部を環流管を付けたフラスコに
入れ、180℃のオイルバス中にて溶融させた後、その
温度に保持しながらメタノール5重量部、テトラメトキ
シシランの低縮合物(平均重合度約9、三菱化学株式会
社製MS56)30重量部、水1重量部からなる均質混
合溶液をゆっくり滴下混合した。50分間180℃にて
攪拌保持した後、アルミシャーレ上に流延し放冷するこ
とによりフェノール樹脂とシリカとの複合体とした。得
られた複合体中のシリカ含有量(空気中800℃、3時
間焼成後の残量)は12.2重量%であった。
【0039】更に該複合体を粉砕機を用いて粉末化した
もの100重量部に、粉末状の硬化剤ヘキサメチレンテ
トラミン10重量部を混合した。該混合物を金型に充填
し、180℃、40kg/cm2で加熱プレス成形する
ことでフェノール樹脂とシリカとの複合体の硬化物を得
た。硬化物中のシリカ含有量は10.7重量%であっ
た。破断面の走査型電子顕微鏡観察により、平均粒径が
1μmの球状シリカが均質に分散し、また、その界面は
マトリックスのフェノール樹脂と強く密着した良好なフ
ェノール樹脂とシリカとの複合体硬化物であることが確
認された。
【0040】(実施例6)シリコンアルコキシド類の均
質溶液としてメタノール8重量部、テトラメトキシシラ
ンの低縮合物(平均重合度約4、三菱化学株式会社製M
S51)30重量部、モノメチルトリメトキシシラン
(和光純薬工業株式会社製、特級試薬)1.2重量部、
水5重量部からなる均質混合溶液を25℃にて24時間
攪拌保持し加水分解・重縮合を進めた均質溶液を使用し
た以外は、実施例5と同様にしてフェノール樹脂とシリ
カとの複合体を得た。得られたフェノール樹脂とシリカ
との複合体中のシリカ含有量(空気中800℃、3時間
焼成後の残量)は11.5重量%であった。
【0041】更に該複合体を粉砕機を用いて粉末化した
もの100重量部に、粉末状の硬化剤ヘキサメチレンテ
トラミン10重量部を混合した。該混合物を金型に充填
し、180℃、40kg/cm2で加熱プレス成形する
ことでフェノール樹脂とシリカとの複合体の硬化物を得
た。硬化物中のシリカ含有量は10.2重量%であっ
た。
【0042】(実施例7)実施例1で得られたフェノー
ル樹脂とシリカとの複合体の硬化物(プレス成形物)に
ついて、三点曲げ試験(サンプル形状=10mm×60
mm×2mm:スパン距離30mm)を行った結果を表
1に示す。また、プレス成型物の摩擦磨耗試験(JIS
K−7218に準拠:サンプル形状=50mm×50
mm×2mm、炭素鋼材S−45C使用、炭素鋼材の回
転速度V=50mm/min)を面間接触圧力(P(k
g/cm2))と速度(V(m/min))との積であ
るPV=500kg/cm2・m/minの時とPV=1
000kg/cm2・m/minの時で行った結果を磨耗
量と共に表2に示す。
【0043】同様な方法で実施例3、4、5、6で得ら
れたフェノール樹脂とシリカとの複合体の硬化物(プレ
ス成形物)、及びフェノール樹脂単体について、三点曲
げ試験を行った結果を表1に、摩擦磨耗試験を行った結
果を表2に示す。
【0044】
【表1】
【0045】
【表2】
【0046】
【発明の効果】本発明は、優れた機械的特性を有する、
フェノール樹脂とシリカとの複合体を、実質的に溶媒を
用いずに、簡便に製造する方法を提供することができ
る。本発明の製造方法によれば、フェノール樹脂の製造
過程中においても、フェノール樹脂中に容易にシリカを
複合化させることができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融フェノール樹脂中で、シリコンアル
    コキシド類の加水分解及び重縮合を行わせることを特徴
    とする、フェノール樹脂とシリカとの複合体の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 フェノール樹脂が、ノボラック型フェノ
    ール樹脂であることを特徴とする請求項1に記載のフェ
    ノール樹脂とシリカとの複合体の製造方法。
  3. 【請求項3】 シリコンアルコキシド類が、平均重合度
    2〜20のテトラアルコキシシランの低縮合物、又は平
    均重合度2〜20のテトラアルコキシシランの低縮合物
    とモノアルキルトリアルコキシシランとの混合物である
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載のフェノール樹
    脂とシリカとの複合体の製造方法。
  4. 【請求項4】 含まれるシリカの平均粒子径が2000
    nm以下であり、複合体中のシリカの含有量が1重量%
    〜30重量%であることを特徴とする、請求項1〜3の
    いずれか一つに記載のフェノール樹脂とシリカとの複合
    体の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか一つに記載の製
    造方法により得られたフェノール樹脂とシリカとの複合
    体に、硬化剤を添加した後に、加熱成形することを特徴
    とする、フェノール樹脂とシリカとの複合体硬化物の製
    造方法。
  6. 【請求項6】 含まれるシリカの大きさが2000nm
    以下であり、シリカ含有量が1重量%〜30重量%であ
    ることを特徴とする請求項5に記載のフェノール樹脂と
    シリカとの複合体硬化物の製造方法。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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