JPH06100646A - ゴム分散型p−置換フェノール変性フェノール樹脂の製造法 - Google Patents
ゴム分散型p−置換フェノール変性フェノール樹脂の製造法Info
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- JPH06100646A JPH06100646A JP4251158A JP25115892A JPH06100646A JP H06100646 A JPH06100646 A JP H06100646A JP 4251158 A JP4251158 A JP 4251158A JP 25115892 A JP25115892 A JP 25115892A JP H06100646 A JPH06100646 A JP H06100646A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 耐熱性、耐酸化性、柔軟性に優れたゴム分散
型p−置換フェノール変性フェノール樹脂の製造法を提
供する。 【構成】 p−置換フェノール類にホルムアルデヒドを
付加反応させ、得られる付加反応物に対して前記p−置
換フェノール類よりもホルムアルデヒドとの反応性の高
いフェノール類を添加して、遷移金属、IIA族元素、
IIIA族元素、IVA族元素、VA族元素及びVIA
族元素からなる群から選ばれる金属元素及び酸の存在下
で反応させた後、界面活性剤を含有するゴムラテックス
を添加しながら脱水し、更に未反応フェノール類を除去
するゴム分散型p−置換フェノール変性フェノール樹脂
の製造法。
型p−置換フェノール変性フェノール樹脂の製造法を提
供する。 【構成】 p−置換フェノール類にホルムアルデヒドを
付加反応させ、得られる付加反応物に対して前記p−置
換フェノール類よりもホルムアルデヒドとの反応性の高
いフェノール類を添加して、遷移金属、IIA族元素、
IIIA族元素、IVA族元素、VA族元素及びVIA
族元素からなる群から選ばれる金属元素及び酸の存在下
で反応させた後、界面活性剤を含有するゴムラテックス
を添加しながら脱水し、更に未反応フェノール類を除去
するゴム分散型p−置換フェノール変性フェノール樹脂
の製造法。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はゴム分散型p−置換フェ
ノール変性フェノール樹脂の製造法に関し、更に詳しく
は、高炭素化樹脂であるp−置換フェノール変性フェノ
ール樹脂にゴムラテックスを安定かつ均一に分散させる
ことにより、電子部品、電気部品、自動車部品等に使用
され、特に摩擦材用樹脂に使用される耐熱性、耐酸化性
及びアブレーション特性に優れたゴム分散型p−置換フ
ェノール変性フェノール樹脂の製造法に関する。
ノール変性フェノール樹脂の製造法に関し、更に詳しく
は、高炭素化樹脂であるp−置換フェノール変性フェノ
ール樹脂にゴムラテックスを安定かつ均一に分散させる
ことにより、電子部品、電気部品、自動車部品等に使用
され、特に摩擦材用樹脂に使用される耐熱性、耐酸化性
及びアブレーション特性に優れたゴム分散型p−置換フ
ェノール変性フェノール樹脂の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】フェノール樹脂は、ノボラック型フェノ
ール樹脂及びレゾール型フェノール樹脂に大別され、そ
のどちらも有機又は無機基材用結合剤として優れた性能
を有している。近年フェノール樹脂は、より高い耐熱性
や強度が要求されるなど厳しいものになっている。これ
らの性能を向上させるために、パラ位にフェニル基等を
有するものを導入することが考えられるが、レゾール樹
脂やノボラック樹脂を合成するため、従来の触媒である
酸又は金属酸化物、金属塩化物、金属水酸化物、アミン
等を単独で用いた場合には、p−置換フェノールの反応
性がフェノールに比べて小さいために、p−置換フェノ
ールがフェノール樹脂と共縮合し難く、分子量の大きな
ものが得られず、耐熱性や耐酸化性が向上しない等の問
題がある。
ール樹脂及びレゾール型フェノール樹脂に大別され、そ
のどちらも有機又は無機基材用結合剤として優れた性能
を有している。近年フェノール樹脂は、より高い耐熱性
や強度が要求されるなど厳しいものになっている。これ
らの性能を向上させるために、パラ位にフェニル基等を
有するものを導入することが考えられるが、レゾール樹
脂やノボラック樹脂を合成するため、従来の触媒である
酸又は金属酸化物、金属塩化物、金属水酸化物、アミン
等を単独で用いた場合には、p−置換フェノールの反応
性がフェノールに比べて小さいために、p−置換フェノ
ールがフェノール樹脂と共縮合し難く、分子量の大きな
ものが得られず、耐熱性や耐酸化性が向上しない等の問
題がある。
【0003】また、フェノール樹脂は他のポリマに比べ
て脆く、耐衝撃性や柔軟性に劣る。そこで、耐衝撃性や
柔軟性を高めるため、特開昭60−184533号公報、特開昭
53−184533号公報、特開平3−17149号公報等に示される
ように、ゴムを混合したフェノール系樹脂が用いられて
いる。上述のゴム混合方法としては、加熱溶融したフ
ェノール系樹脂にゴムを混合する(例えば特開昭53−10
1051号公報)、フェノール系樹脂にNBRを粉砕混合
する(例えば特開昭53−101051号公報)、熱ロールに
よってフェノール系樹脂にNBRを練り込み混合する
(例えば特開昭53−101051号公報、特開昭60−184533号
公報)、フェノール系樹脂とNBRとを溶剤に溶解し
て混合する(例えば特開昭53−101051号公報)等の方法
が実用化されている。
て脆く、耐衝撃性や柔軟性に劣る。そこで、耐衝撃性や
柔軟性を高めるため、特開昭60−184533号公報、特開昭
53−184533号公報、特開平3−17149号公報等に示される
ように、ゴムを混合したフェノール系樹脂が用いられて
いる。上述のゴム混合方法としては、加熱溶融したフ
ェノール系樹脂にゴムを混合する(例えば特開昭53−10
1051号公報)、フェノール系樹脂にNBRを粉砕混合
する(例えば特開昭53−101051号公報)、熱ロールに
よってフェノール系樹脂にNBRを練り込み混合する
(例えば特開昭53−101051号公報、特開昭60−184533号
公報)、フェノール系樹脂とNBRとを溶剤に溶解し
て混合する(例えば特開昭53−101051号公報)等の方法
が実用化されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
混合されたゴムの粒径は100μm以上と大きく、かつ
フェノール樹脂との相溶性がないので、分散性が非常に
悪くなっている。そのため、耐衝撃性、柔軟性が思うよ
うに上がらず、より多量のゴムを必要とし、これが逆に
耐熱性を悪化させている。本発明は、分子量を大きくし
ても共縮合が円滑に進み、かつゲル化しない、耐熱性、
耐酸化性が優れ、かつゴムとの相溶性があるp−置換フ
ェノール変性フェノール樹脂中に、10μm以下の微粒
状ゴムを均一に分散させることによって、耐衝撃性、柔
軟性及び耐熱性に優れ、かつ安価なゴム分散型p−置換
フェノール変性フェノール樹脂の製造法を提供すること
を目的とする。
混合されたゴムの粒径は100μm以上と大きく、かつ
フェノール樹脂との相溶性がないので、分散性が非常に
悪くなっている。そのため、耐衝撃性、柔軟性が思うよ
うに上がらず、より多量のゴムを必要とし、これが逆に
耐熱性を悪化させている。本発明は、分子量を大きくし
ても共縮合が円滑に進み、かつゲル化しない、耐熱性、
耐酸化性が優れ、かつゴムとの相溶性があるp−置換フ
ェノール変性フェノール樹脂中に、10μm以下の微粒
状ゴムを均一に分散させることによって、耐衝撃性、柔
軟性及び耐熱性に優れ、かつ安価なゴム分散型p−置換
フェノール変性フェノール樹脂の製造法を提供すること
を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、p−置換フェ
ノール類にホルムアルデヒドを付加反応させ、得られる
付加反応物に対して前記p−置換フェノール類よりもホ
ルムアルデヒドとの反応性の高いフェノール類を添加
し、遷移金属、IIA族元素、IIIA族元素、IVA
族元素、VA族元素及びVIA族元素から選ばれる金属
元素及び酸の存在下で反応させた後、界面活性剤を含有
するゴムラテックスを添加しながら脱水し、更に未反応
フェノール類を除去するゴム分散型p−置換フェノール
変性フェノール樹脂の製造法に関する。
ノール類にホルムアルデヒドを付加反応させ、得られる
付加反応物に対して前記p−置換フェノール類よりもホ
ルムアルデヒドとの反応性の高いフェノール類を添加
し、遷移金属、IIA族元素、IIIA族元素、IVA
族元素、VA族元素及びVIA族元素から選ばれる金属
元素及び酸の存在下で反応させた後、界面活性剤を含有
するゴムラテックスを添加しながら脱水し、更に未反応
フェノール類を除去するゴム分散型p−置換フェノール
変性フェノール樹脂の製造法に関する。
【0006】本発明において、p−置換フェノール類と
しては、p−フェニルフェノール、p−クレゾール、p
−ブチルフェノール、p−オクチルフェノール、p−ア
ミルフェノール等が用いられる。フェノール全体量1モ
ルに対してホルムアルデヒド源の1.3モル以上を塩基
性触媒の存在下で付加反応させる。次に、得られた付加
反応物にp−置換フェノール類よりもホルムアルデヒド
との反応性の高いフェノール類を共縮合反応させる。こ
のフェノール類の量はp−置換フェノール類に対してモ
ル比で0.5〜10.0が好ましい。より好ましくは
1.0〜5.0である。フェノール類の割合が小さいと
架橋密度が低過ぎて、必要とする硬化後の強度が得られ
なくなる。反対に多過ぎるとp−置換フェノール変性の
意味がなくなる。ホルムアルデヒド源としては特に制限
がないが、ホルマリン、パラホルムアルデヒド、トリオ
キサン等が使用される。またフェノール類も特に制限が
なく、レゾルシン、カテコール、m−クレゾール、o−
クレゾール、ノニルフェノール、tert−ブチルフェノー
ル、キシレノール、フェノール等、通常のフェノール樹
脂合成に用いられるものであれば使用できる。
しては、p−フェニルフェノール、p−クレゾール、p
−ブチルフェノール、p−オクチルフェノール、p−ア
ミルフェノール等が用いられる。フェノール全体量1モ
ルに対してホルムアルデヒド源の1.3モル以上を塩基
性触媒の存在下で付加反応させる。次に、得られた付加
反応物にp−置換フェノール類よりもホルムアルデヒド
との反応性の高いフェノール類を共縮合反応させる。こ
のフェノール類の量はp−置換フェノール類に対してモ
ル比で0.5〜10.0が好ましい。より好ましくは
1.0〜5.0である。フェノール類の割合が小さいと
架橋密度が低過ぎて、必要とする硬化後の強度が得られ
なくなる。反対に多過ぎるとp−置換フェノール変性の
意味がなくなる。ホルムアルデヒド源としては特に制限
がないが、ホルマリン、パラホルムアルデヒド、トリオ
キサン等が使用される。またフェノール類も特に制限が
なく、レゾルシン、カテコール、m−クレゾール、o−
クレゾール、ノニルフェノール、tert−ブチルフェノー
ル、キシレノール、フェノール等、通常のフェノール樹
脂合成に用いられるものであれば使用できる。
【0007】次に、本発明のフェノール樹脂の製造法に
おいて、触媒として使用される金属元素としては、クロ
ム、ニッケル、コバルト、亜鉛、鉄、銅等の遷移金属、
ベリリウム、マグネシウム、カルシウムなどのIIA族
元素、アルミニウム、ガリウム、インジウム等のIII
A族元素、珪素、ゲルマニウム、錫、鉛等のIVA族元
素、燐、砒素、アンチモン等のVA族元素、硫黄、セレ
ン、テルル等のVIA族元素であり、反応系においてそ
の単独又は二種以上の混合物として用いる。上記触媒の
使用量については特に制限はない。一般にはフェノール
類とp−置換フェノール類との合計1モルに対して0.
0001〜0.05モルが好ましく、より好ましくは
0.005〜0.002モルの量で使用される。また、
併用する酸触媒は特に制限はないが、蓚酸、酒石酸、琥
珀酸、枸櫞酸、塩酸、硫酸、パラトルエンスルホン酸な
どを用いる。上記酸触媒の使用量については特に制限は
ないが、用いる金属元素の0.0001〜100倍モル
使用することが好ましい。
おいて、触媒として使用される金属元素としては、クロ
ム、ニッケル、コバルト、亜鉛、鉄、銅等の遷移金属、
ベリリウム、マグネシウム、カルシウムなどのIIA族
元素、アルミニウム、ガリウム、インジウム等のIII
A族元素、珪素、ゲルマニウム、錫、鉛等のIVA族元
素、燐、砒素、アンチモン等のVA族元素、硫黄、セレ
ン、テルル等のVIA族元素であり、反応系においてそ
の単独又は二種以上の混合物として用いる。上記触媒の
使用量については特に制限はない。一般にはフェノール
類とp−置換フェノール類との合計1モルに対して0.
0001〜0.05モルが好ましく、より好ましくは
0.005〜0.002モルの量で使用される。また、
併用する酸触媒は特に制限はないが、蓚酸、酒石酸、琥
珀酸、枸櫞酸、塩酸、硫酸、パラトルエンスルホン酸な
どを用いる。上記酸触媒の使用量については特に制限は
ないが、用いる金属元素の0.0001〜100倍モル
使用することが好ましい。
【0008】本発明に用いるゴムラテックスは、天然ゴ
ムラテックス、イソプレンゴムラテックス、ブタジエン
ゴムラテックス、スチレン−ブタジエンゴムラテック
ス、カルボキシ変性スチレン−ブタジエンゴムラテック
ス、スチレン−ブタジエン−ビニルピリジンラテック
ス、アクリロニトリル−ブタジエンゴムラテックス、カ
ルボキシ変性アクリロニトリル−ブタジエンゴムラテッ
クス、クロロプレンラテックス、アクリルラテックス、
アクリレート−ブタジエンゴムラテックス、酢酸ビニル
系ラテックス等より選択される。ゴムラテックスの添加
量は、固形分としてp−置換フェノール変性フェノール
樹脂粗製品100重量部に対し1〜50重量部が好まし
い。添加量が少ないと耐衝撃性、柔軟性の効果が期待で
きず、また多過ぎると耐熱性が低下する。
ムラテックス、イソプレンゴムラテックス、ブタジエン
ゴムラテックス、スチレン−ブタジエンゴムラテック
ス、カルボキシ変性スチレン−ブタジエンゴムラテック
ス、スチレン−ブタジエン−ビニルピリジンラテック
ス、アクリロニトリル−ブタジエンゴムラテックス、カ
ルボキシ変性アクリロニトリル−ブタジエンゴムラテッ
クス、クロロプレンラテックス、アクリルラテックス、
アクリレート−ブタジエンゴムラテックス、酢酸ビニル
系ラテックス等より選択される。ゴムラテックスの添加
量は、固形分としてp−置換フェノール変性フェノール
樹脂粗製品100重量部に対し1〜50重量部が好まし
い。添加量が少ないと耐衝撃性、柔軟性の効果が期待で
きず、また多過ぎると耐熱性が低下する。
【0009】ゴムラテックスに含有させる界面活性剤と
しては、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、
ポリカルボン酸塩、ポリオキシエチルアルキルエーテル
硫酸エステル塩、アルキルフェニルエーテル硫酸エステ
ル塩、燐酸エステル系、ポリオキシエチレンアルキルフ
ェニルエーテル系、多鎖型高分子量物、ラウリン酸ナト
リウム、アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルカンス
ルホン酸塩類等が使用できる。界面活性剤の適量の添加
は、p−置換フェノール変性フェノール樹脂に添加する
ゴムラテックスの凝集、析出を防ぎ、微粒状のゴムラテ
ックスを安定に分散させる効果がある。界面活性剤はゴ
ムラテックスの固形分100重量部に対し0.1〜10
重量部添加することが好ましい。
しては、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、
ポリカルボン酸塩、ポリオキシエチルアルキルエーテル
硫酸エステル塩、アルキルフェニルエーテル硫酸エステ
ル塩、燐酸エステル系、ポリオキシエチレンアルキルフ
ェニルエーテル系、多鎖型高分子量物、ラウリン酸ナト
リウム、アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルカンス
ルホン酸塩類等が使用できる。界面活性剤の適量の添加
は、p−置換フェノール変性フェノール樹脂に添加する
ゴムラテックスの凝集、析出を防ぎ、微粒状のゴムラテ
ックスを安定に分散させる効果がある。界面活性剤はゴ
ムラテックスの固形分100重量部に対し0.1〜10
重量部添加することが好ましい。
【0010】ゴム分散型p−置換フェノール変性フェノ
ール樹脂の反応条件については特に制限はないが、一般
にはp−置換フェノール類とホルムアルデヒドとの付加
反応は20〜100℃の温度が好ましい。また、付加反
応生成物とフェノール類との反応は100〜110℃の
温度で還流下に実施するのが好ましく、還流下の反応時
間は使用した触媒の種類や量により異なるが、通常は1
〜50時間である。このp−置換フェノール変性フェノ
ール樹脂粗製品に、あらかじめ界面活性剤を添加したゴ
ムラテックスを徐々に添加しながら脱水を行う。脱水は
急激な発泡現象が起きないように徐々に温度を上げなが
ら、最終的には130〜200℃まで行う。留出水がな
くなり脱水が完了したら、真空ポンプ等により減圧下で
未反応フェノール等を除去することにより、該ゴムラテ
ックスが10μm以下で均一に分散されたゴム分散型p
−置換フェノール変性フェノール樹脂が得られる。
ール樹脂の反応条件については特に制限はないが、一般
にはp−置換フェノール類とホルムアルデヒドとの付加
反応は20〜100℃の温度が好ましい。また、付加反
応生成物とフェノール類との反応は100〜110℃の
温度で還流下に実施するのが好ましく、還流下の反応時
間は使用した触媒の種類や量により異なるが、通常は1
〜50時間である。このp−置換フェノール変性フェノ
ール樹脂粗製品に、あらかじめ界面活性剤を添加したゴ
ムラテックスを徐々に添加しながら脱水を行う。脱水は
急激な発泡現象が起きないように徐々に温度を上げなが
ら、最終的には130〜200℃まで行う。留出水がな
くなり脱水が完了したら、真空ポンプ等により減圧下で
未反応フェノール等を除去することにより、該ゴムラテ
ックスが10μm以下で均一に分散されたゴム分散型p
−置換フェノール変性フェノール樹脂が得られる。
【0011】本発明の製造法によれば、フェノール類、
p−置換フェノール類とホルムアルデヒドとを、金属及
び酸を触媒に用いて付加縮合反応させることにより、フ
ェノール樹脂分子の化学構造、分子量及び分子量分布を
制御できる。そして、以上のようにして得られたゴム分
散型p−置換フェノール変性フェノール樹脂は、摩擦材
用樹脂、FRP及びC/Cコンポジット用バインダ等、
種々の用途に応用できる。
p−置換フェノール類とホルムアルデヒドとを、金属及
び酸を触媒に用いて付加縮合反応させることにより、フ
ェノール樹脂分子の化学構造、分子量及び分子量分布を
制御できる。そして、以上のようにして得られたゴム分
散型p−置換フェノール変性フェノール樹脂は、摩擦材
用樹脂、FRP及びC/Cコンポジット用バインダ等、
種々の用途に応用できる。
【0012】
【実施例】次に本発明の実施例を説明するが、本発明は
これに限定されるものではない。撹拌器、冷却器、温度
計を備えた2リットルのフラスコに、p−フェニルフェ
ノール213g、37重量%ホルムアルデヒド173
g、水酸化ナトリウム50g及び蒸留水100gを入
れ、65〜75℃で1時間加熱反応させた後、塩酸13
0gを加えて中和水洗した。これにフェノール353
g、37重量%ホルムアルデヒド152g、アルミニウ
ム粉末0.54g及び蓚酸1.26gを加えて4時間還
流反応させた後、アルキルジフェニルエーテルジスルホ
ン酸ナトリウム3gを添加した固形分濃度60重量%の
イソプレンラテックス95gを添加しながら同時に脱水
を行い、更に内容物の温度を200℃まで昇温しなが
ら、700mmHgで減圧脱水し、755gの固形の樹脂
を得た。
これに限定されるものではない。撹拌器、冷却器、温度
計を備えた2リットルのフラスコに、p−フェニルフェ
ノール213g、37重量%ホルムアルデヒド173
g、水酸化ナトリウム50g及び蒸留水100gを入
れ、65〜75℃で1時間加熱反応させた後、塩酸13
0gを加えて中和水洗した。これにフェノール353
g、37重量%ホルムアルデヒド152g、アルミニウ
ム粉末0.54g及び蓚酸1.26gを加えて4時間還
流反応させた後、アルキルジフェニルエーテルジスルホ
ン酸ナトリウム3gを添加した固形分濃度60重量%の
イソプレンラテックス95gを添加しながら同時に脱水
を行い、更に内容物の温度を200℃まで昇温しなが
ら、700mmHgで減圧脱水し、755gの固形の樹脂
を得た。
【0013】このゴム分散型p−置換フェノール変性フ
ェノール樹脂(A)、及び一般のフェノール樹脂とイソ
プレンゴムとを上記のゴム分散型p−置換フェノール変
性フェノール樹脂と同じ割合で溶剤に溶解し混合したも
の(B)について、マックサイエンス製の熱天秤を用
い、毎分50ccの窒素気流中で毎分10℃の昇温速度で
100℃までの残炭率を測定し、耐熱性を評価した。各
温度での残炭率を表1に示す。次に、同じ熱天秤を用
い、毎分50ccの空気気流中で毎分10℃の昇温速度で
すべての樹脂が燃え尽きるときの温度を測定して、耐酸
化性を求めた。この結果を表1に示す。また、樹脂板を
成形し、DMA(Dynamic Mechanical Analizer、D
u Pont製)を用いて20℃、100℃における弾性率を
測定して、柔軟性を求めた。この結果も表1に示す。
ェノール樹脂(A)、及び一般のフェノール樹脂とイソ
プレンゴムとを上記のゴム分散型p−置換フェノール変
性フェノール樹脂と同じ割合で溶剤に溶解し混合したも
の(B)について、マックサイエンス製の熱天秤を用
い、毎分50ccの窒素気流中で毎分10℃の昇温速度で
100℃までの残炭率を測定し、耐熱性を評価した。各
温度での残炭率を表1に示す。次に、同じ熱天秤を用
い、毎分50ccの空気気流中で毎分10℃の昇温速度で
すべての樹脂が燃え尽きるときの温度を測定して、耐酸
化性を求めた。この結果を表1に示す。また、樹脂板を
成形し、DMA(Dynamic Mechanical Analizer、D
u Pont製)を用いて20℃、100℃における弾性率を
測定して、柔軟性を求めた。この結果も表1に示す。
【0014】
【表1】
【0015】表1から明らかなように、耐熱性及び耐酸
化性を有するp−置換フェノールを変性することで、合
成した樹脂の残炭率が大きく、耐熱性が向上し、かつ耐
酸化性も改善される。更に、ゴムをミクロ分散すること
により低弾性率化が可能になり、柔軟性も良好になった
ことが示される。
化性を有するp−置換フェノールを変性することで、合
成した樹脂の残炭率が大きく、耐熱性が向上し、かつ耐
酸化性も改善される。更に、ゴムをミクロ分散すること
により低弾性率化が可能になり、柔軟性も良好になった
ことが示される。
【0016】
【発明の効果】本発明によれば、分子量を大きくしても
共縮合が円滑に進み、ゲル化せず、また変性フェノール
樹脂はp−置換基を多量に有するため、耐熱性及び耐酸
化性に優れ、かつゴムをミクロ分散することで柔軟性を
有する樹脂を合成することが可能になる。
共縮合が円滑に進み、ゲル化せず、また変性フェノール
樹脂はp−置換基を多量に有するため、耐熱性及び耐酸
化性に優れ、かつゴムをミクロ分散することで柔軟性を
有する樹脂を合成することが可能になる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原 泰啓 茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成 工業株式会社下館研究所内 (72)発明者 栗田 高明 茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成 工業株式会社下館研究所内 (72)発明者 陶 晴昭 茨城県下館市大字小川1500番地 日立化成 工業株式会社下館研究所内
Claims (6)
- 【請求項1】 p−置換フェノール類にホルムアルデヒ
ドを付加反応させ、得られる付加反応物に対して前記p
−置換フェノール類よりもホルムアルデヒドとの反応性
の高いフェノール類を添加し、遷移金属、IIA族元
素、IIIA族元素、IVA族元素、VA族元素及びV
IA族元素からなる群から選ばれる金属元素及び酸の存
在下で反応させた後、界面活性剤を含有するゴムラテッ
クスを添加しながら脱水し、更に未反応フェノール類を
除去することを特徴とするゴム分散型p−置換フェノー
ル変性フェノール樹脂の製造法。 - 【請求項2】 p−置換フェノール類がp−フェニルフ
ェノール、p−クレゾール、p−ブチルフェノール、p
−オクチルフェノール及びp−アミルフェノールからな
る群から選ばれる請求項1記載のゴム分散型p−置換フ
ェノール変性フェノール樹脂の製造法。 - 【請求項3】 ホルムアルデヒド源がホルマリン、パラ
ホルムアルデヒド及びトリオキサンからなる群から選ば
れる請求項1記載のゴム分散型p−置換フェノール変性
フェノール樹脂の製造法。 - 【請求項4】 フェノール類がレゾルシン、カテコー
ル、m−クレゾール、o−クレゾール、ノニルフェノー
ル、tert−ブチルフェノール、キシレノール及びフェノ
ールからなる群から選ばれる請求項1記載のゴム分散型
p−置換フェノール変性フェノール樹脂の製造法。 - 【請求項5】 ゴムラテックスの添加量が、固形分とし
てp−置換フェノール変性フェノール樹脂100重量部
に対し1〜50重量部である請求項1記載のゴム分散型
p−置換フェノール変性フェノール樹脂の製造法。 - 【請求項6】 ゴムラテックス中の界面活性剤の含有量
が、ゴムラテックスの固形分100重量部に対し0.1
〜10重量部である請求項1記載のゴム分散型p−置換
フェノール変性フェノール樹脂の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4251158A JPH06100646A (ja) | 1992-09-21 | 1992-09-21 | ゴム分散型p−置換フェノール変性フェノール樹脂の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4251158A JPH06100646A (ja) | 1992-09-21 | 1992-09-21 | ゴム分散型p−置換フェノール変性フェノール樹脂の製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH06100646A true JPH06100646A (ja) | 1994-04-12 |
Family
ID=17218541
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4251158A Pending JPH06100646A (ja) | 1992-09-21 | 1992-09-21 | ゴム分散型p−置換フェノール変性フェノール樹脂の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH06100646A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH06316665A (ja) * | 1993-05-07 | 1994-11-15 | Hitachi Chem Co Ltd | ゴム分散型p−置換フェノール変性フェノール樹脂の製造方法 |
JP2008214590A (ja) * | 2007-03-07 | 2008-09-18 | Bridgestone Corp | ゴム組成物及びそれを用いた空気入りタイヤ |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPS6260289A (ja) * | 1985-09-10 | 1987-03-16 | 日立化成工業株式会社 | マルチワイヤ配線板の製造法 |
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-
1992
- 1992-09-21 JP JP4251158A patent/JPH06100646A/ja active Pending
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