JPH06211574A - 半導体製造用炭化珪素焼結体の製造方法 - Google Patents

半導体製造用炭化珪素焼結体の製造方法

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JPH06211574A
JPH06211574A JP5006264A JP626493A JPH06211574A JP H06211574 A JPH06211574 A JP H06211574A JP 5006264 A JP5006264 A JP 5006264A JP 626493 A JP626493 A JP 626493A JP H06211574 A JPH06211574 A JP H06211574A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 炭化珪素粉末の成形体を仮焼して多孔質体と
し、次いで溶融金属シリコンの含浸により反応焼結させ
て、半導体治具製造用の炭化珪素焼結体を製造する方法
において、半導体製造に有害な各金属元素の含有量が1
ppm 以下の焼結体を得る。 【構成】 原料の炭化珪素粉末として、好ましくは液状
の珪素含有原料と、半導体製造に有害な元素を含まない
触媒を用いて合成された重合性または架橋性の有機化合
物からなる液状の炭素含有原料からなる原料混合物の加
熱硬化と非酸化性雰囲気下での焼成により得た、平均粒
径 0.5〜20μm、遊離炭素含有量20重量%以下、半導体
製造に有害な各金属元素の含有量1ppm 以下、の炭化珪
素粉末を使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体治具などの半導
体製造用部品の製造に有用な半導体製造用炭化珪素焼結
体とその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体製造工程においては、従来は石英
ガラス製またはシリコン製の治具および他の半導体製造
用部品が主に使用されてきた。半導体治具の例には、ウ
ェハーボート、マザーボート、縦型ロングボート、プロ
セスチューブ、ライナーチューブ、フォーク、引出し棒
などの熱処理用治具がある。また、半導体製造装置に用
いられる半導体製造用部品としては、ハンド、真空チャ
ック、ベルジャースペイサー、固定・位置決め用治具な
どがある。
【0003】しかし、石英ガラス製の治具および部品
は、石英のひずみ点が約1100℃と低いことから、熱処理
中に変形や歪を生じ易い上、高温に長時間保持されると
α−クリストバライトへの転移のために失透して破壊す
ることがある。そのため、特に熱処理用治具の場合に
は、高温度熱処理の使用条件下では寿命がかなり制限さ
れている。一方、シリコン製の治具および部品について
は、靱性が低く、成形加工上の制約が多いことなど、工
業的には解決すべきいくつかの問題を抱えていた。
【0004】これに対し、炭化珪素は高温において化学
的に安定で耐食性に優れており、しかも高温度における
強度、剛性が石英ガラスに比べてはるかに高いことか
ら、一部では炭化珪素焼結体による治具も使用されてい
るが、現状では拡散熱処理時に金属不純物ガスを発生す
ることがしばしばあることから、高品質のウェハーの製
造工程にはあまり使用されていない。従って、炭化珪素
焼結体の原料として、金属不純物を実質的に含まない
(即ち、金属不純物含有量が各1ppm 以下の) 高純度の
炭化珪素粉末が望まれていた。
【0005】炭化珪素には高温側で安定なα型(六方晶
系)と低温側で安定なβ型(立方晶系)の二つの結晶形
があるが、工業的には低温側で安定なβ型の方がより均
質で高純度な粉末を得やすいため、治具の製造にはβ型
炭化珪素粉末が適している。炭化珪素粉末の製造方法と
しては、(1) SiO2とCとの反応、(2) 金属SiとCとの反
応、(3) Si化合物 (例、四塩化珪素) と炭化水素とを気
相で反応させる気相合成法、などが知られているが、工
業的には、原料が安価であり、反応制御が容易な前記
(1) の方法によって炭化珪素粉末が製造されている。
【0006】この(1) のSiO2とCとの反応による炭化珪
素粉末の製造は、高温における次の反応により進行する
といわれている。 SiO2 +C → SiO(g) +CO(g) ・・・ (a) SiO(g) +2C → SiC+CO(g) ・・・ (b) 但し、上記式中、(g) はガスを意味する。
【0007】これらの反応は上記(b) の固体−気体反応
を含んでおり、固体側の拡散が反応の律速となるので、
固体側の粒径が大きいと、均質な粉末が得られにくくな
る恐れがある。
【0008】これらの反応による炭化珪素の製造方法と
して最もよく知られているのはアチソン法である。アチ
ソン法は、珪素質原料 (SiO2またはSiO2供給源) と炭素
質原料 (CまたはC供給源) の2種類の固体原料の混合
物を、非連続式のアチソン型電気抵抗炉内で加熱して反
応させることにより炭化珪素を製造する方法である。こ
の方法は、直接通電加熱のため温度制御の精度は余りよ
くないが、高温反応となるので、高温側で安定なα型炭
化珪素が塊状で生成する。しかし、使用する2種類の固
体原料のいずれにも多量の金属不純物が含まれている
上、生成した塊状の高強度の炭化珪素を粉砕して微粉化
する必要があるが、この粉砕中にさらに多くの金属不純
物が混入する。従って、この方法で得られた粉末には、
かなりの量の金属不純物の混入が避けられないという、
大きな欠点があった。しかも、1回の反応ごとに炉の側
壁を取り外して塊状の生成物を回収するため、作業性が
極めて悪いという、労働環境面での別の問題があった。
【0009】作業効率の改善については、特公昭58−18
325 号および同58−34405 号の各公報に、ピッチ等の結
合剤を用いて原料混合物を固形化することにより、粉砕
工程を必要とせずに、β型炭化珪素粉末を連続的に製造
することが提案されている。特開昭61−6110号公報に
は、連続製造の改良法として、珪素質固体原料と炭素質
固体原料に、さらに液状珪素化合物と、重合または架橋
により硬化する官能基含有有機化合物とを配合した原料
混合物を用い、この原料混合物を予め加熱して官能基含
有有機化合物を硬化させることにより固形化し、得られ
た固形物を非酸化性雰囲気中で焼成することにより、β
型炭化珪素粉末を連続的に製造する方法が記載されてい
る。
【0010】また、粒径や形状の均一な炭化珪素粉末を
製造するために、液状の原料を使用して原料混合物を均
質化することも知られている。例えば、特開昭57−8801
9 号公報には、炭素質原料を珪酸液で処理して得た原料
混合物を、非酸化雰囲気下で加熱焼成して、炭化珪素粉
末を製造することが提案されている。この公報には、好
ましい方法として、炭素質原料も液状のものを使用し、
混合を液相で行うことが記載されている。特公平1−42
886 号公報には、上記反応においてシリカゾルが若干生
成する欠点を改善するために、液状の珪素質原料と、加
熱により炭素を生成する液状の有機化合物と、この有機
化合物と均一に溶化する重合または架橋触媒とを含む混
合液を反応させて得た、Si、OおよびCを含む硬化物を
炭化珪素前駆体として使用し、これを非酸化性雰囲気中
で焼成することによりβ型炭化珪素粉末を製造する方法
が記載されている。
【0011】しかし、上述した各種のβ型炭化珪素粉末
の製造方法のいずれも、最終生成物中には、半導体製造
工程では許容できない量、例えば、少なくとも一つの金
属種について3ppm 以上の金属不純物の残存が確認され
ており、金属不純物含有量がすべての金属について1pp
m 以下という、望ましい高純度のβ型炭化珪素粉末を製
造することは困難であった。不純物の除去には洗浄が有
効であるが、不純物含有量を洗浄で1ppm 以下に低減さ
せるのは、工業的には極めて困難である。このような粉
末原料を使用するため、半導体治具や部品の製作に用い
る炭化珪素焼結体 (炭化珪素粉末の成形と焼結により得
られる) についても、金属不純物含有量が各金属いずれ
も1ppm 以下という望ましい水準にすることはできなか
った。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、半導
体製造に有害な各金属元素の含有量が1ppm 以下のβ型
炭化珪素粉末を用いた、半導体製造に有害な各金属元素
の含有量が1ppm 以下という半導体製造工程で使用する
のに十分な高純度を備えた半導体製造用炭化珪素焼結体
の製造方法を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく検討したところ、β型炭化珪素粉末に含ま
れている金属不純物は、そのほとんどが炭素質原料に由
来することを究明した。即ち、珪素質原料の方は、工業
的に高純度化が可能であり、半導体製造に有害な不純物
金属を実質的に含有しないものが容易に得られるのに対
し、固体の炭素質原料として好適な各種の有機樹脂類
(例、フェノール樹脂) には、製造時の触媒に由来する
相当量の半導体製造に有害な金属不純物が含まれてお
り、これを例えば1ppm 以下まで減少させることは工業
的には困難である。しかも、炭素は金属などを容易に吸
着するため、最終生成物の炭化珪素粉末中には半導体製
造に有害な金属不純物が不可避的に残存することにな
る。その上、炭化珪素粉末から成形、仮焼、溶融金属シ
リコン含浸による反応焼結の工程を経て炭化珪素焼結体
を製造するプロセスにおいても、半導体製造に有害な金
属不純物が外部から混入する可能性があり、この点につ
いても注意が必要である。
【0014】この2点に着目してさらに研究を進めた結
果、炭素質原料として、金属触媒を使用しないで製造
された、重合または架橋により硬化する有機化合物を使
用することにより、目的とする高純度のβ型炭化珪素粉
末を得ることができること、この粉末を用いて成形、
仮焼、高純度溶融金属シリコン含浸の含浸による反応焼
結の各工程を経て炭化珪素焼結体を製造する際、外部か
ら混入する不純物量は、十分な注意をすれば、工程中ま
たは工程終了後の高純化処理(例、HClガス雰囲気中で
の熱処理或いは洗浄)によって除去可能なレベルに容易
に抑制できるので、半導体製造に有害な量の金属不純物
を含まない、高純度の半導体製造用炭化珪素焼結体が製
造できることを見出し、本発明を完成した。
【0015】ここに、本発明の要旨は、炭化珪素粉末を
成形して得た成形体を非酸化性雰囲気下で仮焼し、得ら
れた多孔質体に溶融金属シリコンを含浸させて反応焼結
させることからなる、半導体製造用炭化珪素焼結体の製
造方法であって、前記炭化珪素粉末が、(a) 液状珪素化
合物と、加水分解性珪素化合物より合成された珪素質固
体とからなる群より選ばれた少なくとも1種の珪素含有
原料、および(b) 半導体製造に有害な元素を含まない触
媒を用いて合成された重合性または架橋性の有機化合物
から選ばれた少なくとも1種の炭素含有原料、からな
る、炭素および珪素を含有し、少なくとも1成分が液状
である原料混合物を、加熱および/または触媒もしくは
架橋剤を用いて固化させ、得られた固形物を非酸化性雰
囲気下で加熱焼成することにより得た、平均粒径が 0.5
〜20μm、遊離炭素含有量が20重量%以下、半導体製造
に有害な各金属元素の含有量が1ppm 以下、の炭化珪素
粉末 (以下、この炭化珪素粉末を「高純度プリカーサ法
粉末」という)であり、仮焼後に得られた多孔質体は炭
素微粒子を含まないか又は多孔質炭化珪素の母相に1μ
m以下の炭素微粒子が均一分散された組織を有すること
を特徴とする、半導体製造用炭化珪素焼結体の製造方法
である。
【0016】本発明の好適態様によれば、上記の高純度
プリカーサ法粉末を使用して成形、仮焼、金属シリコン
含浸、反応焼結の各工程を経て炭化珪素焼結体を製造す
る際に、外部からの不純物の混入を可及的に避け、また
混入が避けられない場合でも除去が容易な不純物となる
ように配慮し、雰囲気 (不活性ガス又は真空) 中での熱
処理や洗浄、必要であればハロゲンガス中の熱処理など
による高純度化処理などにより不純物の除去を行うこと
で、反応焼結後に得られた炭化珪素焼結体が、β型炭化
珪素の母相50〜80重量%、反応炭化珪素相0〜30重量
%、および金属シリコン相0〜40重量%から構成され、
かつこの組織中の各不純物元素の含有量が全部の相の合
計で1ppm 以下である、高純度の半導体製造用炭化珪素
焼結体を得ることができる。
【0017】本発明において、半導体製造に有害な元素
(以下、『有害元素』と言う)は、ウェハーの熱処理工
程で塩化物などとなって気化し、ウェハーに不純物とし
て取り込まれ、Siウェハーの絶縁抵抗の低下やSiO2の耐
電圧低下を引き起こし易い元素のことである。この『有
害元素』の具体例としては、Fe、Ni、Cu、Cr、V、Wな
どの重金属元素、Li、Na、Kなどのアルカリ金属元素、
ならびにBe、Mg、Ca、B、Al、Gaなどのアルカリ土類も
しくは両性金属元素などが挙げられる。
【0018】本発明の方法で用いる原料混合物は、(a)
液状珪素化合物と、加水分解性珪素化合物より合成され
た珪素質固体とからなる群から選ばれた少なくとも1種
の珪素含有原料と、(b) 『有害元素』を含まない触媒を
用いて合成された、重合性または架橋性の有機化合物か
ら選ばれた少なくとも1種の炭素含有原料とからなり、
原料混合物中の少なくとも1成分は液状の成分である。
目的とする『有害元素』含有量が各元素につき1ppm 以
下のβ型炭化珪素粉末を得るには、すべての使用原料の
『有害元素』含有量が各1ppm 以下であることが特に好
ましい。
【0019】(a)成分の液状珪素化合物としては、その
製造工程で『有害元素』を含まない原料と、必要であれ
ば『有害元素』を含まない触媒とを用いて合成された、
『有害元素』の含有量が各1ppm 以下のものを使用する
ことが好ましい。液状珪素化合物の例としては、加水
分解性珪酸化合物をトリメチル化して得られる1群のポ
リマー、加水分解性珪酸化合物と1価もしくは多価ア
ルコール(ジオール、トリオールなど)とのエステル、
例えば、四塩化珪素とエタノールとの反応で合成される
エチルシリケート、加水分解性珪素化合物と有機化合
物との反応で得られたエステル以外の反応生成物(例、
テトラメチルシラン、ジメチルジフェニルシラン、ポリ
ジメチルシラン)が挙げられる。
【0020】(a) 成分として使用する加水分解性珪素化
合物より合成された珪素質固体も同様に、『有害元素』
の含有量が各1ppm 以下のものを使用することが好まし
い。かかる珪素質固体は、高温の非酸化性雰囲気中で炭
素と反応して炭化珪素を生成するものであればよい。好
ましい珪素質固体の例は、四塩化珪素の加水分解により
得られる無定型シリカ微粉末である。
【0021】(b) 成分は、『有害元素』を含まない触媒
を用いて合成された、加熱および/または触媒もしくは
架橋剤により重合または架橋して硬化しうる任意の1種
もしくは2種以上の有機化合物から構成され、モノマ
ー、オリゴマー、ポリマーのいずれでもよい。かかる有
機化合物の好適な具体例としては、『有害元素』を含ま
ない触媒を用いて合成されたフェノール樹脂、フラン樹
脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹
脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂などの硬化性樹
脂が挙げられる。なかでも、残炭率が高く、作業性に優
れているレゾール型またはノボラック型フェノール樹脂
が好ましい。
【0022】本発明に有用なレゾール型フェノール樹脂
は、フェノール、クレゾール、キシレノール、レゾルシ
ン、ビスフェノールAなどの1価または2価のフェノー
ル類とホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズア
ルデヒドなどのアルデヒド類とを、『有害元素』を含ま
ない触媒としてアンモニアまたは有機アミンの存在下で
反応させて製造することができる。従来のレゾール型フ
ェノール樹脂は、一般にアルカリ金属化合物を触媒とし
て用いて製造されてきたが、このような従来のレゾール
型フェノール樹脂は、『有害元素』の含有量が1ppm を
超えるため、本発明で用いるのには適さない。
【0023】触媒として用いる有機アミンは、第一級、
第二級、および第三級アミンのいずれでもよい。代表的
なアミンとしては、ジメチルアミン、トリメチルアミ
ン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルモノ
エタノールアミン、モノメチルジエタノールアミン、N
−メチルアニリン、ピリジン、モルホリン等が例示され
る。フェノール類とアルデヒド類とをアンモニアまたは
有機アミンの存在下に反応させてレゾール型フェノール
樹脂を合成する方法は、使用触媒が異なる以外は、従来
公知の方法がそのまま採用できる。即ち、フェノール類
1モルに対し、1〜3モルのアルデヒド類と0.02〜0.2
モルの有機アミンまたはアンモニアを加え、60〜100 ℃
に加熱すればよい。
【0024】一方、本発明に有用なノボラック型フェノ
ール樹脂の製造は、上記と同様の1価または2価フェノ
ール類とアルデヒド類とを混合し、『有害元素』を含ま
ない塩酸、硫酸、p−トルエンスルホン酸またはシュウ
酸などの酸類を触媒として反応させて製造することがで
きる。このノボラック型フェノール樹脂の製造にも従来
公知の方法がそのまま採用できる。即ち、フェノール類
1モルに対し、 0.5〜0.9 モルのアルデヒド類と0.02〜
0.2 モルの『有害元素』を含まない無機酸または有機酸
を加え、60〜100 ℃に加熱すればよい。
【0025】本発明の高純度プリカーサ法粉末の製造に
おいては、(a) 成分と(b) 成分のうち少なくとも1種の
原料、好ましくは全部の原料、が液状である原料混合物
を使用する。例えば、(a) 成分として液状珪素化合物を
使用するか、および/または(b) 成分として液状樹脂、
例えば、液状レゾール型フェノール樹脂を使用する。或
いは、ノボラック型フェノール樹脂のように固体成分の
場合には、適当な有機溶媒に溶解して溶液状で使用す
る。原料混合物を構成する成分がすべて固体であると、
原料成分の均質な混合が困難となり、最終生成物として
得られた炭化珪素粉末の粒径や形状が不均一となる。
【0026】上記の(a) 成分(珪素含有原料)と(b) 成
分(炭素含有原料)とを混合し、必要に応じて重合また
は架橋用の触媒または架橋剤を加え、炭化珪素製造用の
原料混合物を調製する。(b) 成分がレゾール型フェノー
ル樹脂のように液状である場合には、(a) 成分と(b) 成
分とを混合し、好ましくは極めて十分に撹拌して、組成
が均一な原料混合物を得る。(b) 成分がノボラック型フ
ェノール樹脂のように固体である場合には、好ましくは
(b) 成分を適当な溶剤(例、ノボラック型フェノール樹
脂の場合にはアルコール)にとかしてから、得られた溶
液を(a) 成分と混合し、好ましくは極めて十分に撹拌す
る。
【0027】(b) 成分が加熱のみで速やかに固化する場
合は、重合または架橋触媒を添加する必要はないが、多
くの場合は硬化を促進するための重合または架橋用の触
媒または架橋剤を原料混合物に添加し、均一に混合して
おく。触媒としては、『有害元素』を含まない重合また
は架橋反応用の触媒を使用する。例えば、レゾール型フ
ェノール樹脂の硬化触媒としては、塩酸、硫酸などの無
機酸類、有機過酸化物、有機スルホン酸などが適当であ
る。(b) 成分がノボラック型フェノール樹脂の場合に
は、ヘキサメチレンテトラミンなどの架橋剤を配合す
る。
【0028】得られた原料混合物を、次いで室温で放置
するか、或いは加熱することにより、重合または架橋反
応を生じさせ、(b) 成分を硬化させることにより混合物
を固化させ、SiとCと酸素を含有する均一な固形物を炭
化珪素前駆体として得る。例えば、(b) 成分がレゾール
型フェノール樹脂またはノボラック型フェノール樹脂で
ある場合には、通常は単に放置するだけで硬化が進行す
る。加熱する場合の加熱温度は、(b) 成分の硬化に十分
な温度であればよく、樹脂種や触媒・架橋剤に応じて適
宜決定することができる。この段階では、樹脂の分解・
炭化を生ずるほどの高温には加熱しない。加熱雰囲気は
特に制限されず、加熱は大気中でも非酸化性雰囲気中で
も実施できる。
【0029】得られた炭化珪素前駆体となる固形物を、
次いで、非酸化性雰囲気、例えば、真空、窒素、ヘリウ
ムまたはアルゴン中で加熱焼成して、固形物を炭化およ
び珪化することにより、目的とするβ型炭化珪素粉末を
得る。加熱温度は、この焼成に必要な温度であれば特に
制限されないが、一般には約1600〜2000℃である。焼成
時間は一般に約30分〜3時間である。
【0030】この加熱焼成を行う前に、前処理として、
硬化により得られた固形物を、500℃以上、1300℃以下
の温度で熱処理し、主として(b) 成分の有機化合物中に
含まれている炭化しない揮散成分を除去することは、作
業性向上に効果がある。この前処理としての熱処理は、
(b) 成分の樹脂種に応じて適宜実施され、熱処理雰囲気
は、上述したような非酸化性雰囲気とすることが好まし
い。また、揮散成分が少量である場合には、硬化により
得られた固形物をそのまま非酸化性雰囲気中で加熱焼成
することもできる。この熱処理と加熱焼成時の昇温速度
に関しては、特に制限はない。
【0031】(a) 成分と(b) 成分の珪素含有原料と炭素
含有原料の配合比は、原料混合物の硬化によって得た固
形物の試料を非酸化性雰囲気中 800〜1400℃の温度で熱
処理して不揮発分を含まない熱処理物を形成し、この熱
処理物中のSiとCとの原子比を基準にして決定される。
(a) 成分と(b) 成分の配合割合は、かかる熱処理物中の
CとSiとの原子比 (C/Si原子比) が、1<C/Si<1
0、好ましくはC/Si=約3となるように決定すること
が望ましい。炭素質原料のCの一部は、この熱処理中に
揮散して失われるので、実際の(b) 成分の配合量は、熱
処理後の混合物中のC残留率 (残炭率) を考慮して、熱
処理物について決定した配合割合に、さらに失われる分
のC量を加える必要がある。なお、上記の非酸化性雰囲
気中 800〜1400℃の温度での熱処理は、配合割合の決定
を目的として炭化物中のC/Siの原子比を決定するため
に行うものであり、実際の炭化珪素の製造にこのような
熱処理を行う必要があるのではない。ただし、前述した
ように、原料混合物から得られた固形物の加熱焼成前に
熱処理を行う場合には、この条件の範囲内で熱処理を行
うことは可能である。
【0032】加水分解性珪素質固体などの固体原料を原
料混合物に配合する場合には、液状原料 (固体原料を適
当な溶媒にとかして溶液化したものを含む) の割合が全
体の5重量%未満になるような配合割合は、原料の均質
化を阻害するので避けることが好ましい。即ち、液状原
料は、少なくとも5重量%以上、好ましくは少なくとも
15重量%、特に好ましくは100 重量%の割合で存在させ
る。
【0033】上述した方法で最終の加熱焼成工程後に得
られる高純度プリカーサ法粉末は、粒径および形状が比
較的均一なβ型炭化珪素の微粉末からなる。この粉末中
のα型炭化珪素の混入率は、粉末X線解析法によれば1
%以下であり、反応条件を選択すれば、β型炭化珪素単
相の粉末も得ることができる。粉末の平均粒径は主に炭
化珪素化時の加熱焼成温度に依存し、一般に0.5 〜1000
μmの範囲内である。
【0034】(b) 成分として『有害元素』を含まない触
媒を用いて製造された硬化性の有機化合物を使用し、
(a) 成分についても好ましくは『有害元素』含有量が各
1ppm以下の高純度の原料を使用することにより、『有
害元素』含有量が各1ppm 以下の高純度プリカーサ法粉
末を得ることが可能となる。
【0035】前述のように、一部の『有害元素』は高純
化熱処理や洗浄で除去され得るが、除去の難易は元素の
種類だけでなく、それら元素の結合状態や存在位置にも
大きく影響される。即ち、付着や吸着した状態にあり、
かつ蒸気圧の高い元素は、高純化熱処理や洗浄で除去さ
れ易いが、原料の炭化珪素多結晶粒内に含まれた有害元
素は一般に除去することが容易でない。とりわけ高温で
も蒸気圧の低い金属元素は、原料の段階で極力低下させ
ておく必要がある。このため炭化珪素粉末に含まれる
『有害元素』含有量を各1ppm 以下とした。
【0036】この炭化珪素粉末中の『有害元素』含有量
の上限は、『有害元素』含有量が各1ppm 以下のβ型炭
化珪素粉末から製造した炭化珪素焼結部材を、現在用い
られているSiウェハーの汚染チェック方法、例えば、ラ
イフタイム法、X線透過法等によって試験したところ、
悪影響が認められなかったことから決定されたものであ
る。『有害元素』は少なければ少ないほど好ましいの
で、使用原料もできるだけ『有害元素』含有量が低いも
のを使用することが望ましい。
【0037】この高純度プリカーサ法粉末から半導体治
具その他の半導体製造用部品の製造に有用な炭化珪素焼
結体を製造するには、冷間等方プレス法、鋳込み法等の
適当な粉末成形方法で上記炭化珪素粉末を成形し、得ら
れた成形体を非酸化性雰囲気下で仮焼することにより多
孔質体とし、この多孔質体に高純度の溶融金属シリコン
を高温で含浸させると同時に反応焼結させて、炭化珪素
焼結体を得る。この炭化珪素焼結体から、適当な成形加
工により所望の治具または部品を製作することができ
る。
【0038】この焼結体の製造工程においては、前述し
たように、外部からの『有害元素』の混入が可及的に防
止されるように留意する。例えば、粉末との接触部や摺
動部には『有害元素』を含まない樹脂等を用いるか、
『有害元素』を含まない樹脂等で被覆すること、鋳込み
法による成形時に使用する解膠剤やバインダーに混入す
る不純物は、高純化処理や洗浄で除去し易い元素に限定
し、しかも除去可能な量に抑えることなどの注意をすれ
ばよい。このようにして、目的とする『有害元素』含有
量が各1ppm 以下の炭化珪素焼結体を得ることができ
る。
【0039】成形に使用する高純度プリカーサ法粉末
は、平均粒径が 0.5〜20μmの範囲内になるように、必
要であれば粒度調整する。平均粒径 0.5μm未満では、
冷間等方プレスで成形した場合には、粉末の流動性の低
下により成形体の密度が不均一になりやすく、鋳込み法
による成形では、粉末と解膠剤とバインダーとを混合し
たスラリーが高粘度となるため、成形体が不均質になり
易い。一方、平均粒径が20μmを越えると、次工程で成
形体を仮焼して多孔質体とする時に、粒と粒の結合総断
面積が減少するため多孔質体の強度が低下し、取扱いが
難しくなって工業的に適さなくなる。
【0040】また、使用する高純度プリカーサ法粉末
は、遊離炭素含有量20重量%以下が望ましい。炭化珪素
粉末中の遊離炭素量は、原料混合物中の(a) の珪素含有
原料と(b) の炭素含有原料との配合比を変動させること
により調整できる。この遊離炭素は、0.01〜0.1 μm程
度の大きさの炭素微粒子として、平均粒径 0.5〜20μm
の炭化珪素の多結晶の周囲に分散状態で分布させること
が好ましい。このような遊離炭素の微粒化は、A成分と
B成分が均質に分散硬化した前駆体粉末を作ることによ
り可能である。
【0041】上記の微粒子状で遊離炭素を含有する炭化
珪素粉末から得られた成形体を非酸化性雰囲気下で多孔
質体に仮焼する際、一部の遊離炭素は吸着された酸素原
子等と反応し、除去されるが、残りは多孔質炭化珪素の
母相に1μm以下の炭素微粒子として均一に分散した状
態で残存する。成形前の炭化珪素粉末中の遊離炭素含有
量が20重量%を越えると、この多孔質体に金属シリコン
を含浸させて反応焼結させる際、含浸させた金属シリコ
ンと遊離炭素との反応により生成した炭化珪素の体積膨
張により割れを引き起こし易くなる。このため、炭化珪
素粉末中の遊離炭素含有量は20重量%以下が望ましい。
遊離炭素含有量の好ましい範囲は0〜10重量%である。
【0042】高純度プリカーサ法粉末の成形体を仮焼し
て多孔質体とする。この仮焼の雰囲気には、例えば、真
空、窒素、アルゴン、ヘリウムなどの非酸化性雰囲気を
使用する。仮焼条件は、成形体の大きさにもよるが、一
般に約 500〜2000℃で約1〜10時間である。この多孔質
体は炭素微粒子を含まないか、又は多孔質炭化珪素の母
相に炭素微粒子が均一分散された組織を有する。
【0043】その後、この多孔質体に溶融状態の高温の
高純度金属シリコンを含浸させることにより反応焼結さ
せると、本発明の方法の目的物である炭化珪素焼結体が
得られる。金属シリコン含浸による反応焼結は、不活性
ガスあるいは真空雰囲気下 (ただし窒素はシリコンと反
応するので好ましくない) で行うことが好ましく、処理
温度条件は一般に温度約1450〜1600℃、処理時間約1〜
10時間である。金属シリコンの含浸量は一般に全重量の
20〜50重量%程度である。
【0044】金属シリコンの含浸による反応焼結では、
多孔質体に残留する微粒状の遊離炭素が金属シリコンと
反応して炭化珪素化されると同時に、溶融金属シリコン
により炭化珪素粒が焼結される。従って、反応焼結後に
得られる焼結体は、炭化珪素粉末に起因する炭化珪素母
相、遊離炭素と金属シリコンとの反応により生じた反応
炭化珪素相、および金属シリコン相の3相から構成され
ることになる。炭化珪素粉末に含まれる残存酸素量が1
重量%以下の場合で、遊離炭素の99重量%以上が炭化珪
素となるから、これら3相の構成比は、炭化珪素母相50
〜80重量%、反応炭化珪素相0〜30重量%および金属シ
リコン相0〜40重量%の範囲内となる。好ましい構成比
は、炭化珪素母相50〜70重量%、反応炭化珪素相0〜10
重量%および金属シリコン相10〜40重量%である。
【0045】金属シリコンの不純物を0.1 ppm 未満にす
ることは容易であり、しかもこの焼結体を製造する際に
混入する有害元素量を高純化処理や洗浄などで除去され
る量を超えないように調整することは著しく困難ではな
いので、使用する炭化珪素粉末のが高純度(即ち、『有
害元素』含有量が各1ppm 以下)でありさえすれば、焼
結体に含まれる半導体製造に有害な元素量を上記3相の
合計で1ppm 以下とすることは工業的に比較的容易に実
現可能である。
【0046】本発明の方法で得られた高純度の炭化珪素
焼結体は、各種の形状に容易に成形加工できる。特に10
00℃以上の高温度領域では石英よりも変形が小さく、高
強度であり、その強度も1350℃程度まで保持され、しか
も半導体製造に有害な元素のガス発生も生じないので、
ウェハーボート、マザーボート、縦型ロングボート、プ
ロセスチューブ、ライナーチューブ、フォーク、引出し
棒等の半導体製造用熱処理治具に適用した場合に、その
強度と耐熱性が生かされる。
【0047】さらに1000℃未満〜室温の温度領域でも、
従来使用されている石英よりも強度が優れており、しか
も高純度であることから、ハンド、真空チャック、べル
ジャー、スペイサー、固定・位置決め用治具等の他の半
導体製造装置部品の製造に適用することも可能である。
【0048】とりわけ、集積密度の高いウェハーの製造
工程などで要求されるより高純度の半導体製造装置の材
料として、本発明の方法で得られた炭化珪素焼結体を適
用することは、工業的に見て合理的である。
【0049】
【実施例】次に実施例および比較例を挙げて、本発明を
さらに具体的に説明する。実施例中、部と%は特に指定
がなければ重量部および重量%である。
【0050】実施例1 原料として、液状珪素化合物であるエチルシリケート
(SiO2含有量40%、『有害元素』は実質的に含有せず)
と、不揮発分65%のレゾール型フェノール樹脂Aを用い
た。このフェノール樹脂Aは、高純度のフェノールとホ
ルムアルデヒドから触媒としてトリエチルアミンを使用
した以外は、常法により合成したものであった。
【0051】エチルシリケート62部にフェノール樹脂A
38部を加えて均一に混合した後、触媒として『有害元
素』を実質的に含まない33%濃度のp−トルエンスルホ
ン酸水溶液16部をさらに加え、十分に撹拌・混合して、
均一な原料混合物を得た。この原料混合物を室温で約30
分間放置して硬化させた。得られた樹脂状固体を、電気
炉により窒素雰囲気下で昇温速度10℃/minで1000℃まで
加熱して、不揮発分を含まない熱処理物を得た。この熱
処理物は、均質で緻密な固体で、CとSiの含有量は、残
炭率からC/Si=3と推定された。この熱処理物を、上
と同じ炉を用いてAr雰囲気下で10℃/minの昇温速度で18
00℃まで昇温加熱し、30分保持後、放冷して1600℃に4
時間保持した後、放冷して、高純度炭化珪素粉末Aを得
た。
【0052】得られた炭化珪素粉末Aは、X線回折によ
り調べたところ実質的にβ型炭化珪素のみからなり、そ
の平均粒径は約5μm、遊離炭素含有量は10%であっ
た。この炭化珪素粉末Aの放射化分析による不純物分析
結果を表1に示す。
【0053】上で得た炭化珪素粉末A60部に、解膠剤と
してポリカルボン酸アンモニウム塩3部、バインダーと
してアクリル系水溶性エマルジョン3部、および水24部
を混合し、スラリーを生成した。このスラリーを鋳型で
鋳込成形し、成形体を1000℃以上の真空雰囲気下で3時
間仮焼した。得られた多孔質体に、1500℃で全重量に対
して30%の量の高純度シリコン(不純物含有量テンナイ
ン)を1時間かけて含浸させ、反応焼結させた。得られ
た炭化珪素焼結体Aは、炭化珪素母相56重量%、反応炭
化珪素相18重量%および金属シリコン相26重量%であっ
た。この炭化珪素焼結体Aの断片を放射化分析で分析し
た結果を表1に示す。表1に示した焼結体の不純物含有
量は、いずれも上記3相の合計量である。
【0054】比較例1 比較材として市販の高純度炭化珪素粉末Bを前記と同様
の工程で、混合、成形、仮焼、金属シリコン含浸、反応
焼結させ、得られた炭化珪素焼結体Bの断片を放射化分
析で分析した結果を表1に併せて示す。
【0055】
【表1】
【0056】本発明に従って、『有害元素』を含まない
触媒を用いて合成した『有害元素』含有量各1ppm 以下
のフェノール樹脂を炭素質原料とした場合には『有害元
素』含有量が各1ppm 以下の炭化珪素粉末 (高純度プリ
カーサ法粉末) を得ることができ、この粉末から、成
形、仮焼、金属シリコン含浸と反応焼結の工程を経て
『有害元素』含有量各1ppm 以下の炭化珪素焼結体が得
られることが確認できた。
【0057】これに対し、比較例のように、市販の高純
度炭化珪素粉末には、少なくとも1種の『有害元素』が
1ppm を越える量で含まれており、得られた炭化珪素焼
結体の『有害元素』含有量も少なくとも1種の元素につ
いて1ppm を超え、半導体製造用の治具として使用する
のは不適当な品質のものであった。
【0058】
【発明の効果】以上に詳述したように、特定の方法で得
られた特定性状の高純度プリカーサ法粉末を焼結粉末原
料として、成形、仮焼、および金属シリコンの含浸と反
応焼結という工程により、『有害元素』含有量が各1pp
m 以下の炭化珪素焼結体を得ることができた。この焼結
体より製造された治具は、『有害元素』含有量が低いた
め、ウェハーを汚染する心配がなく、高品質ウェハーの
製造にも十分に利用できる。これにより、高温での安定
性、耐食性および強度に優れ、しかもウェハーを汚染し
ない、高性能の半導体治具が提供され、産業上極めて有
用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // H01L 21/22 M 9278−4M (72)発明者 狩野 治之 茨城県鹿島郡鹿島町大字光3番地 住金化 工株式会社内 (72)発明者 宮崎 忠昭 東京都小平市小川東町3丁目1番1号 株 式会社ブリヂストン内 (72)発明者 和田 宏明 東京都小平市小川東町3丁目1番1号 株 式会社ブリヂストン内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭化珪素粉末を成形して得た成形体を非
    酸化性雰囲気下で仮焼し、得られた多孔質体に溶融金属
    シリコンを含浸させて反応焼結させることからなる、半
    導体製造用炭化珪素焼結体の製造方法であって、 前記炭化珪素粉末が、(a) 液状珪素化合物と、加水分解
    性珪素化合物より合成された珪素質固体とからなる群よ
    り選ばれた少なくとも1種の珪素含有原料、および(b)
    半導体製造に有害な元素を含まない触媒を用いて合成さ
    れた重合性または架橋性の有機化合物から選ばれた少な
    くとも1種の炭素含有原料、からなる、炭素および珪素
    を含有し、少なくとも1成分が液状である原料混合物
    を、加熱および/または触媒もしくは架橋剤を用いて固
    化させ、得られた固形物を非酸化性雰囲気下で加熱焼成
    することにより得た、平均粒径が 0.5〜20μm、遊離炭
    素含有量が20重量%以下、半導体製造に有害な各金属元
    素の含有量が1ppm 以下、の炭化珪素粉末であり、 仮焼後に得られた多孔質体は炭素微粒子を含まないか又
    は多孔質炭化珪素の母相に炭素微粒子が均一分散された
    組織を有することを特徴とする、半導体製造用炭化珪素
    焼結体の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の方法で製造された半導体
    製造用炭化珪素焼結体であって、β型炭化珪素母相50〜
    80重量%、反応炭化珪素相0〜30重量%、および金属シ
    リコン相0〜40重量%から構成され、かつ半導体製造に
    有害な各金属元素の含有量が全部の相の合計で1ppm 以
    下であることを特徴とする、半導体製造用炭化珪素焼結
    体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101981309B1 (ko) * 2018-01-10 2019-05-22 강릉원주대학교산학협력단 메탈실리콘으로 합성된 SiC 분말을 이용한 저온용 발열체 제조방법

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