JP2000272965A - Si含有ガラス状カーボン材 - Google Patents

Si含有ガラス状カーボン材

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JP2000272965A
JP2000272965A JP11080930A JP8093099A JP2000272965A JP 2000272965 A JP2000272965 A JP 2000272965A JP 11080930 A JP11080930 A JP 11080930A JP 8093099 A JP8093099 A JP 8093099A JP 2000272965 A JP2000272965 A JP 2000272965A
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Kunihiro Fujitsuka
公仁弘 藤塚
Takeshi Matsuoka
武志 松岡
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Tokai Carbon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 組織中にSiが連続相として均一に分布した
均質緻密な複合組織構造を備え、耐酸化性や耐プラズマ
性などの化学的安定性に優れたSi含有ガラス状カーボ
ン材を提供する。 【解決手段】 熱硬化性樹脂に有機シラン化合物を混合
して調製した原料樹脂液を成形し、加熱硬化したのち、
非酸化性雰囲気下で焼成炭化して得られたSi含有ガラ
ス状カーボン材であって、含有される原子レベルのSi
がガラス状カーボンの組織中に0.5〜15wt%の割合
で均一に分布し、かつ存在する酸素原子の含有量(y)
wt%が、Si原子の含有量(x)wt%と下記 (1)式の関
係にあることを特徴とするSi含有ガラス状カーボン
材。x+2≧y≧x−2…(1) 但し、y>0である。ま
た、その組織構造は、X線回折法によるパターン解析に
より金属Si及びSi化合物に帰属する回折線が検出さ
れず、透過型電子顕微鏡(TEM)の観察によって粒状組織
が識別できない組織性状を備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、ガラス状カーボン
の組織中にSi成分が均一に分散複合して均質緻密な複
合組織構造を備え、耐酸化性や耐プラズマ性などの化学
的安定性に優れたSi含有ガラス状カーボン材に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ガラス状カーボン材は、熱硬化性樹脂の
成形体を非酸化性雰囲気下で加熱し、焼成炭化して得ら
れる巨視的にガラス質の緻密な組織構造を有する炭素材
料であり、一般の炭素材料に比べてガス不透過性、耐摩
耗性、耐蝕性、潤滑性、表面平滑性及び堅牢性などに優
れており、その特性を生かして多様の分野で各種工業部
材として有用されている。また、近年では組織から微小
な炭素粒子が離脱することのない非汚染性の材質性状に
着目して、シリコンウエハーのプラズマエッチング用電
極やイオン注入装置用部材など汚染を嫌う半導体分野で
好適に用いられている。
【0003】しかしながら、ガラス状カーボン材は一般
のカーボン材と同様に高温酸化雰囲気中では速やかに酸
化が進行して物性を損ねる炭素材固有の材質的欠点があ
る。このため、ガラス状カーボン組織中にセラミックス
成分を複合させて物性の改善を図る試みがなされてい
る。しかしながら、原料となる熱硬化性樹脂に乾式もし
くは湿式法でセラミックスの微粒子を混合し、これを硬
化した成形体を焼成炭化する方法ではセラミックス微粒
子を炭素組織に均一に分散させることができず、またセ
ラミックス微粒子と炭素組織間に粒界が存在するため過
酷な使用条件では材質破壊を起こしたり、セラミックス
微粒子が離脱するなどの現象が生じる難点があった。
【0004】そこで、熱硬化性樹脂に珪素含有化合物を
混合して原料系とすることにより均一組織のSi含有ガ
ラス状カーボン材を得る方法が提案されている。例えば
特開昭61−6111号公報には、液状珪素化合物、官
能基を有し加熱により炭素化する液状有機化合物、およ
び重合または架橋用の触媒を溶化したSi、OおよびC
を含む前駆体物質を炭化して耐酸化性の炭素材料を製造
する方法が開示されている。この方法では、液状珪素化
合物として水ガラスの脱アルカリで得られた珪酸ポリマ
ー、水酸基を含有する有機化合物と珪酸とのエステル、
エチルシリケートのようなSiエステル、四塩化珪素と
エタノールの反応生成物等が挙げられ、触媒として硫
酸、塩酸、有機過酸化物、有機スルホン酸類などの併用
を必須要件としている。
【0005】しかし、この方法はSi、OおよびCを含
む前駆体物質を形成する過程で珪素化合物が相互に結合
して微細な凝集体を形成し、これがそのまま炭化組織中
にSi含有粒状体となって分散する不均一な組織性状に
なり易い。また、シロキサン結合のような複数のSi原
子が連鎖する重合エステルを珪素源として用いた場合に
も、同様に凝集化に伴う不均質な組織になるため、液状
有機化合物に対する配合量を少なくしても、Siが粒子
状態で分散することのない連続相の炭素質組織を得るこ
とはできない。そのうえ、併用する触媒が硫酸や塩酸等
の強酸の場合にはゲル化反応を急激に進行させて組織の
均一性を損ね、ナトリウムエチラートや有機スルホン酸
類などの触媒を使用すると含有無機成分が残留不純物と
なって純度を低下させる要因となる。
【0006】また、特開平2−192411号公報に
は、焼成後高硬度不通気性を有するガラス状硬質炭素を
生成し、かつ高い炭素残査収率を示す熱硬化性樹脂のモ
ノマー又は初期縮重合物と、有機ケイ素樹脂とを混合
後、所望の形状に賦形し、加熱硬化体とした後、不活性
ガス雰囲気中で焼成することから成る炭素系製品の製造
方法が開示されている。しかしながら、この方法におい
てはSi源となる珪素化合物として有機ケイ素樹脂が用
いられるので、ガラス状カーボンの組織中にSiを原子
レベルで分散させ、複合化することはできない。
【0007】特開平5−43319号公報には、熱硬化
性樹脂と有機金属化合物を液状で均一に混合し、加熱
(焼成)して得られる超微細なセラミックスが高度に分
散した状態のガラス状炭素複合材料が開示されている。
この発明では、珪素源となる有機金属化合物として、S
iCを与えるポリカルボシランおよびポリシラン、Si
−Ti−C−Oを与えるTi含有ポリカルボシラン、S
x y 、Si−N−CあるいはSi3 4 −SiCを
与えるポリシラザン類が用いられている。しかしなが
ら、複数のシラン結合を有するポリカルボシランやポリ
シラン等のポリマーを熱硬化性樹脂と混合して原料系と
すると、セラミックス源が分子として分散する状態とな
るため、熱処理後に微細な金属炭化物粒子となって粒界
が生成することが避けられず、セラミックスと炭素が均
質な連続相を呈するガラス状カーボン組織を得ることが
できない。
【0008】上記の実情に鑑み、本出願人は先に−O−
Si−O−で架橋された熱硬化性樹脂の成形体を焼成炭
化して得られ、原子レベルのSiがガラス状カーボン組
織中に0.1〜15重量%の範囲で均一な連続相として
分布する組織性状を備えるSi含有ガラス状カーボン材
と、その製造技術として熱硬化性樹脂と1分子中に単一
のSi原子を有するSiアルコキシドの加水分解物を有
機溶媒中で攪拌混合し、架橋反応により得られるゲル化
物を硬化成形したのち、硬化成形体を非酸化性雰囲気下
で800℃以上の温度で焼成炭化処理する方法(特開平
8−325059号公報)を開発した。
【0009】更に、本出願人は上記技術をベースに開発
研究を進め、Siアルコキシドの加水分解物のゲル化に
代えて1分子中に単一のSi原子を含むアミノシラン化
合物を熱硬化性樹脂液中に滴下して攪拌混合し、該混合
溶液を成形硬化したのち、硬化成形体を非酸化性雰囲気
下で800℃以上の温度により焼成炭化処理することを
特徴とするSi含有ガラス状カーボン材の製造方法(特
開平9−59065 号公報)、アミノシラン化合物を炭化残
留率の高い有機溶媒で混合希釈し、該希釈溶液を熱硬化
性樹脂液中に滴下して攪拌混合するその改良発明(特開
平9−110528号公報)を提案した。しかしながら、アミ
ノ基は熱硬化性樹脂との反応性が高いために急速反応に
伴う局部的組織欠陥等が生じ易い欠点があり、その改良
技術としてアミノシラン化合物に代えて1分子中に単一
のSi原子を含むエポキシシラン化合物を用いる発明
(特開平9−227231号公報)などを開発提案した。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、工業用
部材としてより苛酷な条件下に使用するためには更に材
質性状の改善が必要である。例えば、シリコンウエハー
のプラズマエッチング装置やプラズマCVD装置などの
部材として使用する場合、プラズマ密度の高度化に伴い
化学的に浸食されてパーティクルが発生し、製品歩留り
の低下を招くこととなる。
【0011】そこで、本発明者らはSi含有ガラス状カ
ーボン材の材質性状について更に研究を進めた結果、ガ
ラス状カーボン材の組織中にSiおよびOが存在し、S
iが特定の割合でガラス状カーボンの組織中に均一に分
布するとともに併存するOが含有されるSi量と特定の
量比関係にあると、耐酸化性や耐プラズマ性などが向上
し、更に消耗時にパーティクルの発生が抑制されること
を見出した。
【0012】本発明は上記の知見に基づいて完成したも
のであり、その目的はガラス状カーボンの組織中にSi
が連続相として均一に分布した均質緻密な複合組織構造
を備え、強度特性が高く、特に耐酸化性や耐プラズマ性
などの化学的安定性に優れたSi含有ガラス状カーボン
材を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明のSi含有ガラス状カーボン材は、熱硬化性
樹脂に有機シラン化合物を混合して調製した原料樹脂液
を成形し、加熱硬化したのち、非酸化性雰囲気下で焼成
炭化して得られたSi含有ガラス状カーボン材であっ
て、含有される原子レベルのSiがガラス状カーボンの
組織中に0.5〜15wt%の割合で均一に分布し、かつ
存在する酸素原子の含有量(y)wt%が、Si原子の含
有量(x)wt%と下記(1) 式の関係にあることを構成上
の特徴とする。 x+2≧y≧x−2…(1) 但し、y
>0
【0014】また、その複合組織構造は、Si含有ガラ
ス状カーボンの組織中に実質的に黒鉛構造以外の結晶構
造が存在せず、X線回折法によるパターン解析により金
属Si及びSi化合物に帰属する回折線が検出されず、
透過型電子顕微鏡(TEM) の観察によって粒状組織が識別
できない組織性状を備えたものである。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明のSi含有ガラス状カーボ
ン材は、ガラス状カーボンの組織中にSiが原子レベル
で均一な連続相として分布した組織性状を備えたもので
あり、Siの含有量(x)wt%はガラス状カーボンに対
して0.5〜15wt%の範囲に設定される。Siの含有
量が0.5wt%を下回ると化学的安定性がもたらされ
ず、一方15wt%を超えるとSiを原子レベルでガラス
状カーボンの組織中に安定分散させることが困難になる
ためである。
【0016】本発明は、このようにSiが連続相として
原子レベルで均一に分散複合したガラス状カーボン材に
おいて、酸素原子がSi原子に対して特定の量比で複合
した組織性状を備えている点に特徴がある。具体的に
は、ガラス状カーボンの組織中に分散したSi含有量に
対して酸素原子を±2wt%の範囲内で存在させると、す
なわち存在する酸素原子の含有量(y)wt%が、Si原
子の含有量(x)wt%と、x+2≧y≧x−2の量比関
係(但し、x>0、y>0である)にあると耐酸化性や
耐プラズマ性などの化学的安定性の向上がもたらされ
る。
【0017】酸素原子の含有量(y)wt%がこの範囲を
外れるとガラス状カーボンの組織中で金属Si及びSi
2 やSiCなどのSi化合物粒子の凝集が起こり易く
なるために、化学的安定性が充分に改善されないばかり
でなく、消耗時に粒子の脱落によるパーティクルの発生
が増大することとなる。
【0018】このSi含有ガラス状カーボン材の組織構
造は、ガラス状カーボンの組織中にSi成分が微粒子状
態で分散することなく、組織内にSiとCの粒界が存在
しない連続固溶相を呈した組織状態、すなわち、巨視的
にはガラス状カーボン単独の組織構造と実質的な相違は
ないが、微視的にはガラス状カーボン組織の一部がSi
に置換結合された複合形態を示している。したがって、
その組織構造は、具体的には、Si含有ガラス状カーボ
ンの組織中に実質的に黒鉛構造以外の結晶構造が存在せ
ず、X線回折法によるパターン解析により金属Si及び
Si化合物に帰属する回折線が検出されず、透過型電子
顕微鏡(TEM) の観察によって粒状組織が識別できない組
織性状を備えたものである。
【0019】本発明のSi含有ガラス状カーボン材は熱
硬化性樹脂に有機シラン化合物を混合して調製した原料
樹脂液を所望の形状に成形し、加熱硬化したのち非酸化
性雰囲気下で800℃以上の温度で焼成炭化することに
より製造される。熱硬化性樹脂は焼成炭化処理によりガ
ラス状カーボンに転化する炭素源となるもので、ガラス
状カーボン製造用に通常使用される各種の樹脂、例えば
フェノール系樹脂、フラン系樹脂、ポリイミド系樹脂、
エポキシ系樹脂、ポリカルボジイミド系樹脂、あるいは
これらの混合樹脂、などが用いられる。
【0020】また、有機シラン化合物はガラス状カーボ
ン組織中にSi、O成分を均一に分散複合化するSi源
となる原料成分であり、有機シラン化合物を熱硬化性樹
脂液中に混合して均一に分散させて原料樹脂液が調製さ
れる。有機シラン化合物としては1分子中に少なくとも
1個のSi原子を含み、かつそのSi原子に1個以上の
O原子が結合する、例えば下記の一般式で表される有機
シラン化合物が用いられる。但し、下記一般式において
1 〜R4 はC、H、O、N、Siのいずれかを含み、
かつR1 〜R4 のうちの最低一つはSi原子と結合する
末端にOが存在する有機官能基である。この場合、1分
子中のSi原子の数は3を超えないことが望ましい。1
分子中のSi原子の数が3を超えるとSi原子の凝集が
起こり易くなり、Si成分がナノレベル、マイクロレベ
ルで凝集して分散するようになり結果的にSiを原子レ
ベルで分散させることが困難となる。
【0021】上記の製造方法において、原料樹脂液を調
製する際に1分子中に含有するSiとOの量比の異なる
有機シラン化合物を用いることによりガラス状カーボン
材に存在するSiとOの量比を調節することができる。
また、用いる有機シラン化合物は単体での使用に限ら
ず、複数種類の有機シラン化合物を混合したものを用い
てもよい。その際には上記の有機シラン化合物を1種類
以上使用すれば、その他の有機シラン化合物については
1分子中に1〜3個のSiを含むものであればなんでも
よく、Si源選択の幅を広げることができる。
【0022】したがって、熱硬化性樹脂に混合する有機
シラン化合物を適宜数種類併用して、それらの混合割合
を制御することにより原子レベルのSiがガラス状カー
ボンの組織中に0.5〜15wt%の割合で均一に分布
し、かつ存在する酸素原子の含有量(y)wt%が、Si
原子の含有量(x)wt%と、x+2≧y≧x−2の関係
を充足するSi含有ガラス状カーボン材を得ることがで
きる。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施例を比較例と対比して具
体的に説明する。
【0024】実施例1〜2、比較例2〜3 有機シラン化合物としてメチルトリメトキシシランとト
リエチルエトキシシランを異なる混合比で混合し、この
有機シラン化合物をフェノール樹脂液に滴下しながら1
時間攪拌混合した。その後、室温で緩やかに攪拌しなが
ら穏やかな流動状態で45時間保存放置して原料樹脂液
の均質性を高めた。このようにして調製した原料樹脂液
を成形型に注入し、真空装置内で脱泡したのち70〜1
80℃の温度に加熱して硬化した。得られた硬化成形体
を窒素雰囲気に保持した加熱炉に入れ、1000℃に加
熱して焼成炭化したのち、塩素/ヘリウムの混合ガス雰
囲気中で2000℃に加熱して高純度化処理を行い、S
i原子およびO原子の含有量の異なるSi含有ガラス状
カーボン材を製造した。
【0025】実施例3〜4、比較例4〜5 有機シラン化合物としてテトラエトキシシランとテトラ
エチルシランを用いたほかは、実施例1と同じ方法でS
i原子およびO原子の含有量の異なるSi含有ガラス状
カーボン材を製造した。
【0026】比較例1 有機シラン化合物を使用しないほかは、実施例1と同じ
方法でガラス状カーボン材を製造した。
【0027】このようにして製造したSi含有ガラス状
カーボン材、および比較例1のガラス状カーボン材につ
いて、下記の方法によりSi原子やO原子の含有量、組
織性状、耐酸化性や耐プラズマ性などを測定、評価し
た。得られた結果を表1に示した。
【0028】(1)Si含有量;試料を恒量となるまで灰
化し、以下の方法でSiを定量する。 灰化サンプルに炭酸ナトリウムとほう酸を加えて溶融
する。 次いで塩酸および硝酸を加えて溶解した後、過塩素酸
で脱水処理する。 沈殿物を灰化した後、秤量する(a)。 ふっ酸処理した後、秤量する(b)。 (a)−(b)を求め、試料中のSi量を算出する。 (2)O含有量;堀場製作所製、酸素分析装置 EMGA-2800
で測定する。
【0029】(3)X線測定;日本学術振興会第117委
員会が定める人造黒鉛の格子定数及び結晶子の測定方法
により金属Si及びSi化合物に帰属する回折線の有無
を観察して、結晶性Si及びSi化合物の有無を確認し
た。 (4)TEM観察;試料を切断して、破断面を300万倍
の倍率で無作為に10箇所観察し、粒状構造の有無を確
認した。
【0030】(5)耐酸化性;マッフル炉を用いて、静止
空気雰囲気中950℃の温度で1時間熱処理した際の重
量減少率を測定した。(試料サイズ ; 15 ×15×2mm ) (6)耐プラズマ性;プラズマエッチング装置にセットし
て、反応ガス;CF4 、キャリアガス;Ar、反応チャンバ
ー内ガス圧;1Torr、電源周波数;13.5MHz の条件でエ
ッチング処理を行い、100時間経過後の肉厚減少量を
測定した。(試料サイズ ; 15 ×15×2mm )
【0031】
【表1】
【0032】表1の結果から、Si含有ガラス状カーボ
ン材中のSi含有量(x)が0.5〜15wt%の範囲に
あり、かつO含有量(y)がSi含有量(x)の±2wt
%の範囲内にある実施例1〜4のSi含有ガラス状カー
ボン材は、酸化消耗およびプラズマ消耗が少なく、化学
的安定性に優れていることが認められる。また、その組
織構造もSi化合物や粒状組織が観察されず、ガラス状
カーボンの組織中にSiが原子レベルで均一な連続相と
して分布した組織性状を備えたものであることが判る。
【0033】これに対して、Siを含まない比較例1、
Si含有量が15wt%を超える比較例2、O含有量がS
i含有量の±2wt%の範囲内にない比較例3〜5では、
いずれも酸化による消耗およびプラズマによる消耗が著
しいことが認められ、その組織構造もSi化合物および
粒状組織が存在し、均一性に劣るものであった。
【0034】
【発明の効果】以上のとおり、本発明によれば、ガラス
状カーボンの組織中にSiが連続相として均一に分布し
た均質緻密な複合組織構造を備えたSi含有ガラス状カ
ーボン材において、酸素原子の含有量(y)wt%とSi
原子の含有量(x)wt%とを、x+2≧y≧x−2の量
比関係に設定制御することにより、耐酸化性や耐プラズ
マ性などを著しく向上し、更に消耗時にパーティクルの
発生が抑制される。したがって、例えばシリコンウエハ
ーのプラズマエッチング装置やプラズマCVD装置など
の耐熱部材をはじめ、苛酷な条件下で使用される各種の
工業用部材として極めて有用である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱硬化性樹脂に有機シラン化合物を混合
    して調製した原料樹脂液を成形し、加熱硬化したのち、
    非酸化性雰囲気下で焼成炭化して得られたSi含有ガラ
    ス状カーボン材であって、含有される原子レベルのSi
    がガラス状カーボンの組織中に0.5〜15wt%の割合
    で均一に分布し、かつ存在する酸素原子の含有量(y)
    wt%が、Si原子の含有量(x)wt%と下記(1) 式の関
    係にあることを特徴とするSi含有ガラス状カーボン
    材。 x+2≧y≧x−2…(1) 但し、y>0
  2. 【請求項2】 Si含有ガラス状カーボンの組織中に実
    質的に黒鉛構造以外の結晶構造が存在せず、X線回折法
    によるパターン解析により金属Si及びSi化合物に帰
    属する回折線が検出されず、透過型電子顕微鏡(TEM) の
    観察によって粒状組織が識別できない組織性状を備え
    る、請求項1記載のSi含有ガラス状カーボン材。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002029843A (ja) * 2000-07-17 2002-01-29 Tokai Carbon Co Ltd プラズマ処理装置用保護部材
JP2002029844A (ja) * 2000-07-17 2002-01-29 Tokai Carbon Co Ltd 気相成長装置用部材
JP2003027270A (ja) * 2001-07-13 2003-01-29 Tokai Carbon Co Ltd 電解セル用炭素電極

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