JP2002316812A - 炭化珪素微粉末の製造方法 - Google Patents

炭化珪素微粉末の製造方法

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JP2002316812A
JP2002316812A JP2001118144A JP2001118144A JP2002316812A JP 2002316812 A JP2002316812 A JP 2002316812A JP 2001118144 A JP2001118144 A JP 2001118144A JP 2001118144 A JP2001118144 A JP 2001118144A JP 2002316812 A JP2002316812 A JP 2002316812A
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silicon carbide
particles
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English (en)
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Masayuki Ishigami
正幸 石上
Shigetaka Wada
重孝 和田
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Toyota Central R&D Labs Inc
Aisin Chemical Co Ltd
Original Assignee
Toyota Central R&D Labs Inc
Aisin Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 微粉でかつ粒径が均一な炭化珪素微粉末、特
に平均粒径が1μm以下の炭化珪素微粉末を容易に製造
することのできる方法を提供する。 【解決手段】 0.2質量%以上の酸素を含有するシリ
コン粒子からなるシリコン粉末と、炭素粉末とを混合し
て混合粉末を得る混合工程と、該混合粉末を加熱して炭
化珪素微粉末を合成する加熱工程と、から炭化珪素微粉
末を製造する。シリコン粒子に含まれる酸素、特に粒子
表面の酸化膜によって、加熱工程におけるシリコンの融
点以下での反応が十分に抑えられ、シリコンの融点以上
でのシリコンとカーボンとの液相反応を十分に行わせる
ことができる。その結果として、平均粒径が1μm以下
の炭化珪素微粉末など、微粉でかつ粒径が均一な炭化珪
素微粉末が合成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微粉研磨材や炭化
珪素焼結用原料、塗料及び樹脂用充填材などに利用でき
る炭化珪素微粉末の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】炭化珪素微粉末は、微粉研磨材や炭化珪
素焼結用原料、塗料及び樹脂用充填材などに用いられて
いるが、それらを高品質なものとするために微細な炭化
珪素微粉末が求められている。特にSiCセラミックス
用には、平均粒径が1μm以下の炭化珪素微粉末が求め
られている。
【0003】ところで、従来より炭化珪素微粉末を製造
する方法としては、シリコン・炭素直接反応法やアチソ
ン法、シリカ還元法などが主として用いられている。
【0004】シリコン・炭素直接反応法は、珪素源とし
てシリコン粉末を使用し、炭素と反応させる方法であ
る。この方法では、シリコンの融点以下の温度で炭化珪
素を反応合成させるために、一次粒子が数μm程度の炭
化珪素微粒子よりなる炭化珪素微粉末が得られる。これ
をさらに微粉化するためには、合成された炭化珪素粉末
をボールミルなどにより粉砕処理する必要があり、粉砕
処理に鉄系のボールを使用した場合には、不純物の混入
の問題が生じるため、精製処理や脱酸素処理などが必要
である。また、未反応シリコンが残留するという欠点を
有し、それを除去する必要もあった。これら炭化珪素合
成後の処理は微粉末原料の高コスト化を招いている。
【0005】他方、アチソン法は、珪素源としてシリカ
(SiO2)を使用し、炭素と反応させる方法である。
具体的には、シリカとコークスの混合物を黒鉛心の周囲
におき、通電加熱する方法で、約2200℃で反応させ
るため、α型の炭化珪素が合成される。こうして得られ
た炭化珪素は、インゴットの状態であり、部位により純
度が異なるため、粉砕、選別、脱炭、精製などの後処理
が必要である。特に、平均粒径が1μm以下の微粉末と
するためには、長時間の粉砕と粒度の選別や洗浄が必須
となり、結果的に高コストとなっている。
【0006】シリカ還元法も、アチソン法と同じく珪素
源としてシリカ(SiO2)を使用し、炭素と反応させ
る方法であるが、一般的には縦型の炉が使用され、17
00℃程度までの比較的低温で合成されるため、β型の
炭化珪素が得られる。この方法では、微粉な炭化珪素微
粉末が合成されるが、粒度の分布が大きく、粒径が均一
な微粉末が得られにくいという不具合があった。また、
シリカを還元するために過剰なカーボンを添加する必要
があり、炭化珪素が合成された後、未反応の残留カーボ
ンを除くための処理も必要であった。
【0007】その他に直接微粉末を製造する方法とし
て、気相反応法や有機ポリマー熱分解法などがある。し
かし、これらの方法においても原料が高価であったり、
合成効率が低いなどの問題があり、微粉末を製造するの
にコストが高いものとなっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記実情に鑑
みてなされたものであり、微粉でかつ粒径が均一な炭化
珪素微粉末を容易に製造することのできる炭化珪素微粉
末の製造方法を提供する。特に、平均粒径が1μm以下
の炭化珪素微粉末を容易に製造することのできる炭化珪
素微粉末の製造方法を提供する。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の炭化珪素微粉末の製造方法は、シリコン粉末と炭素
粉末とを混合して混合粉末を得る混合工程と、該混合粉
末を加熱して炭化珪素微粉末を合成する加熱工程と、か
ら構成される炭化珪素微粉末の製造方法において、前記
シリコン粉末は、0.2質量%以上の酸素を含有するシ
リコン粒子からなることを特徴とする。なお、ここでい
う酸素の含有量は、O2分子としての含有量ではなく、
元素としての含有量を意味する。
【0010】前記シリコン粒子は、粒子表面に粒子状ま
たはクラスター状の酸化物を備えるものであってもよい
が、粒子表面に酸化膜を備えることが特に望ましい。ま
た、酸素は必ずしも表面部分(酸化膜)にのみ含まれて
いる必要はなく、粒子内部にも存在していてもよい。
【0011】シリコン粒子に含まれる酸素は、シリコン
の融点以下での反応を抑え、シリコンの融点以上でのシ
リコンとカーボンとの液相反応を可能にする。しかしな
がら、シリコン粒子の酸素含有量が0.2質量%未満で
あると、酸素量が不十分で、シリコンとカーボンの固相
状態での熱反応がシリコンの融点以下で活発になり、平
均粒径が数μm程度の炭化珪素粒子よりなる炭化珪素粉
末が形成されてしまう。
【0012】特に、シリコン粒子の表面に十分な酸化膜
が存在しないシリコン粉末を用いてカーボンと熱反応さ
せた場合、1300℃程度の加熱温度で反応が固相状態
で開始し、平均粒径が数μm程度の炭化珪素粒子よりな
る炭化珪素粉末が形成される。こうして得られた炭化珪
素粉末は、粉砕によっても解砕しにくいものである。
【0013】本発明では、シリコン粒子の酸素含有量が
0.2質量%以上にあるため、加熱工程においてシリコ
ンの融点以下での反応が十分に抑えられ、シリコンの融
点以上でのシリコンとカーボンとの液相反応を十分に行
わせることができる。その結果として、微粉でかつ粒径
が均一な炭化珪素微粉末が合成される。
【0014】特に、シリコン粒子の表面に存在する酸化
膜は、シリコンの融点以下での反応を抑えやすく、シリ
コンの融点以上でのシリコンとカーボンとの液相反応を
効果的に行わせることができる。その結果として、微粉
でかつ粒径が均一な炭化珪素微粉末が容易に合成される
上、その炭化珪素微粒子の平均粒径は1μm程度又は1
μm以下とすることが容易である。さらには、その一次
粒子径を100nm以下にもすることができる。
【0015】従って本発明によれば、従来の製造方法よ
りもさらに容易に、微粉でかつ粒径が均一な炭化珪素微
粉末を製造することができる。特に、混合工程で用いる
シリコン粉末として、粒子表面に酸化膜を備えるととも
に0.2質量%以上の酸素を含有する酸化膜シリコン粒
子を用いれば、平均粒径が1μm程度又は1μm以下の
炭化珪素微粒子からなる炭化珪素微粉末を容易に製造す
ることができる。さらには、一次粒子径が100nm以
下の炭化珪素微粒子からなる炭化珪素微粉末をも製造す
ることができる。
【0016】ところで、シリコンとカーボンとの反応は
発熱反応であり、反応が開始すれば、シリコン粉末とカ
ーボン粉末の混合粉末の温度が上昇するので、必ずしも
シリコンの融点である1410℃以上に加熱温度を設定
しなくてもよく、混合粉末の加熱温度をシリコンの融点
より低い温度にすることができる。
【0017】また、本反応により残留した未反応シリコ
ンは、溶融させることにより蒸発させることができ、合
成した炭化珪素微粉末中に未反応シリコンの残留物をな
くすことができる。こうして得られた炭化珪素微粉末は
凝集があり、平均粒径が数μmであるものの非常に容易
に解砕することができる。それゆえ、凝集状態で得られ
た炭化珪素微粉末を適当な方法で解砕することにより、
平均粒径が1μm以下の炭化珪素微粒子からなる炭化珪
素微粉末を容易に得ることができる。
【0018】本発明では、上記のように、1410℃以
下の温度においては酸化膜の働きにより十分に微粉な炭
化珪素微粉末を合成できることはもちろんのこと、14
10℃以上でも十分に微粉な炭化珪素微粉末を合成する
ことができるため、加熱温度を広範囲に選択できるよう
になる。
【0019】このうち特に反応温度として1410℃以
下の比較的低い温度を選択すれば、加熱設備の簡素化や
省エネをも図ることができ、加熱工程の低コスト化も可
能になる。その結果、炭化珪素微粉末をさらに安価に製
造することができるようになる。
【0020】さらに、1410℃以下の温度でシリコン
を溶融させることなく十分に炭素と反応させた後に、1
410℃以上に加熱してシリコンを溶融することにより
未反応シリコンの残留物を除けば、十分に微粉な炭化珪
素微粉末を高純度で得ることができる。
【0021】
【発明の実施の形態】混合工程で用いるシリコン粉末
は、0.2質量%以上の酸素を含有するシリコン粒子か
らなるものであるが、そのシリコン粒子はその粒子表面
に酸化膜を備えることが望ましい。ただし、必ずしもそ
の粒子表面が完全に酸化膜で覆われている必要はなく、
シリコンの融点以下での反応を抑えるのに十分な表面積
をもてばよい。
【0022】また、前記酸素の含有量は0.5質量%以
上であることが望ましい。酸素の含有量が0.5重量以
上になると、シリコンの融点以下での反応がさらに効果
的に抑えられ、シリコンの融点以上でのシリコンとカー
ボンとの液相反応が効率的に起こる。一方、酸素の含有
量の上限は特にないが酸化珪素に近ずくとカーボン量の
配合を増やす必要等が生じ、あまりに多量の酸素量は好
ましくない。試みた結果では数重量%の酸素量のもので
も炭化珪素が得られた。
【0023】さらに、前記シリコン粒子は、平均粒径が
100μm以下にあることが望ましい。平均粒径が10
0μmを超えると、カーボンとの混合が不十分となり、
反応を阻害する恐れがある上、酸素含有量が0.2質量
%以上にあっても、合成される炭化珪素粒子の凝集体が
解砕しにくくなってしまい、1μm以下の微粉が得られ
にくくなるからである。これらのことを回避するために
は、その平均粒径が10μm以下にあることがより一層
望まれる。
【0024】シリコン粒子の表面に酸化膜を形成する方
法についても特に限定されるものではないが、シリコン
よりなるシリコン粒子を、大気雰囲気など酸化雰囲気中
において室温で放置するか、あるいは適当な温度で加熱
することにより、その粒子表面を酸化して酸化膜を形成
する方法が挙げられる。さらには、化学気相法などによ
り酸化シリコンをシリコン粒子の表面に蒸着して酸化膜
を形成する方法も考えられる。
【0025】これらの方法の中でも、シリコン粉末の粒
子表面に酸化膜を形成することにより、表面に酸化膜を
備えたシリコン粒子(以下、酸化膜シリコン粒子と称す
る。)よりなるシリコン粉末を形成する方法が好まし
い。この方法によれば、粒子表面に酸化膜を備えるとと
もに0.2質量%以上の酸素を含有する酸化膜シリコン
粒子を、短時間でかつ大量に形成することが容易とな
り、そうした酸化膜シリコン粒子よりなるシリコン粉末
を安価にかつ大量に調製することができるようになる。
その結果、炭化珪素微粉末の製造量を容易に大きくする
ことができる上、その製造コストを低くすることができ
る。
【0026】特に、前記酸化膜は、シリコン粉末を酸化
雰囲気において700〜900℃で加熱することによ
り、該シリコン粉末の粒子表面を酸化して形成すること
が望ましい。この方法によれば、前記酸化膜シリコン粒
子を高効率で形成することができ、酸化膜シリコン粒子
よりなるシリコン粉末を歩留まり良く調製することがで
きるようになる。その結果、炭化珪素微粉末の製造コス
トをさらに低くすることができる。
【0027】酸化膜シリコン粒子の形状は特に限定され
るものではなく、球形や多面体のものが挙げられる。
【0028】なお、炭化珪素微粉末の用途によっては、
混合工程で用いるシリコン粉末として、0.2質量%以
上の酸素を含有する酸化膜シリコン粒子の他に、シリコ
ン粒子や0.2質量%未満の酸素を含有する酸化膜シリ
コン粒子などが含有しているものを用いてもよい。
【0029】他方、前記炭素粉末は、一次粒子径が1μ
m以下の炭素粒子からなることが望ましい。カーボンが
1μm以上にあると、炭化珪素粒子が1μm以下の微粉
として合成されにくくなるからである。
【0030】ところで、シリコン粉末と炭素粉末とを混
合する方法については特に限定されるものではないが、
例えばボールミルやビーズミル、ミキサーなどを用いる
方法が挙げられる。
【0031】次に、加熱工程であるが、混合工程で得ら
れた混合粉末を加熱する手段も特に限定されるものでは
ないが、例えば炉を用いて加熱する方法が挙げられる。
【0032】また、加熱温度についても先述したように
シリコンの融点より低くても高くてもいずれでもよい
が、1400〜1800℃の加熱温度で加熱することが
望ましい。
【0033】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。
【0034】本実施例の炭化珪素微粉末の製造方法は、
シリコン粉末の粒子表面に酸化膜を形成することによ
り、表面に酸化膜を備えた酸化膜シリコン粒子よりなる
酸化膜シリコン粉末を形成する酸化膜シリコン粉末形成
工程と、前記酸化膜シリコン粉末と炭素粉末とを混合し
て混合粉末を得る混合工程と、該混合粉末を加熱して微
粉末状の炭化珪素を合成する加熱工程と、から構成され
る。 (実施例1〜4、比較例1〜2) [酸化膜シリコン粉末形成工程]先ず、平均粒径が60
μmで高純度のシリコン粒子よりなるシリコン粉末を用
意した。このシリコン粉末をアルミナ製のるつぼ(30
ml)に約10g入れ、大気雰囲気炉(モトヤマ、Supe
r-C)を使用して加熱した。ここでは700℃、750
℃、800℃及び900℃の各条件で2時間保持した。
また、比較のため、加熱しなかったものも用意した。
【0035】いずれのシリコン粉末においても、そのシ
リコン粒子表面が酸化され、粒子表面に酸化膜が形成さ
れたが、酸素含有量については表1に示す結果を得た。
なお、ここでは不活性ガス中搬送融解−ガスクロマトグ
ラフ法により酸素含有量を測定した。
【0036】
【表1】
【0037】表1より、加熱しなかったものは0.20
%を下回る酸素含有量であったが、上記加熱温度で加熱
したものはいずれも0.2%以上にある。これらの結果
から、大気中において、少なくとも700〜900℃の
温度範囲で加熱すれば、0.2%以上の酸素含有量が得
られることがわかる。なお、これらのシリコン粉末は、
平均粒径が60μmの酸化膜シリコン粒子よりなる。
【0038】こうして、0.2質量%未満の酸素を含有
する酸化膜シリコン粒子よりなるシリコン粉末(比較例
1及び比較例2用)と、0.2質量%以上の酸素を含有
する酸化膜シリコン粒子よりなるシリコン粉末とをそれ
ぞれ得た(実施例1〜4用)。[混合工程]上述のよう
にして得られた酸化膜シリコン粉末を28gと、炭素粉
末を12gづつ秤量し、それぞれ1Lのプラスチックビ
ンに投入した。なお、炭素粉末には、平均粒径が0.1
μmのカーボンブラック粒子よりなるものを用いた。ま
た、プラスチックビンには、あらかじめφ15mmの鉄
心入りナイロン製ボールがプラスチックビンの半分程度
まで入れられている。
【0039】その中に約100mlのアルコール系溶媒
を加え、ボールミルにより20時間混合した。その後、
混合粉末を乾燥して乳鉢で解砕し、炭化珪素合成用の混
合粉末とした。 [加熱工程]上記混合工程で得られた混合粉末をφ25
mmの金型で成形し、約6gのペレットとした。このペ
レットをカーボン製るつぼに入れ、そのるつぼをカーボ
ン製のサヤに収めた。サヤには、蓋がされている。な
お、混合粉末は、必ずしもペレットに成形する必要はな
く、粉末のままるつぼに入れてもよいが、少し押し固め
た方が好ましい。
【0040】混合粉末(ペレット)の加熱条件として、
昇温速度は15℃/分とし、1100℃まで真空中で加
熱して、アルゴンガスを導入した後、所定の加熱温度ま
で昇温して1時間保持した。その後、炉冷によってペレ
ットを冷却した。
【0041】ここで実施例1〜4では、上記所定の加熱
温度として、表2に示したようにシリコンの融点より高
い温度(1500℃)を選択した。一方、それら実施例
の比較例として調製したシリコン粉末(酸化膜シリコン
粒子が0.1質量の酸素を含有する)を用いて調製した
混合粉末については、上記所定の加熱温度として、シリ
コンの融点より低い温度(1340℃;比較例1)と高
い温度(1500℃;比較例2)とをそれぞれ選択し
た。
【0042】ペレットの温度が室温になったら、乳鉢で
軽くほぐした後、ボールミルで24時間程度解砕して、
炭化珪素微粉末を得た。なお、ここではポット及びボー
ル(φ5mm)ともに炭化珪素製のものを使用した。 [評価]上記で得られた炭化珪素微粉末について、ファ
インセラミックス原料のレーザ回折・散乱法(JIS R 16
29)によりそれらの粒子径分布を調べ、平均粒径を求め
た。それぞれ得られた炭化珪素微粉末(解砕前と解砕
後)の平均粒径を表2に示す。
【0043】
【表2】
【0044】表2より、解砕後にそれぞれ得られた炭化
珪素微粉末について、比較例1及び比較例2ではいずれ
も炭化珪素微粒子の平均粒径が数μmにあることに対
し、実施例1〜4ではいずれも炭化珪素微粒子の平均粒
径が、比較例1及び比較例2で得られた炭化珪素微粉末
のものに対して小さく、1μm以下にあることがわか
る。
【0045】また、電子顕微鏡(SEM)を用いて、本
実施例及び本比較例で得られた炭化珪素微粒子を観察し
た結果、実施例1〜4で得られた炭化珪素微粉末では、
いずれもそれらの炭化珪素微粒子が100nm以下の一
次粒子径をもっていることがわかった。 (実施例5〜8)本実施例では、酸化膜シリコン粉末形
成工程において、シリコン粒子の平均粒径が0.6μ
m、2.1μm、及び3.3μmのシリコン粉末をそれ
ぞれ用意し、適当な加熱温度で一定時間保持して、表3
に示すように酸化膜シリコン粒子が0.2%以上の酸素
を含有するシリコン粉末を得た。
【0046】これらのシリコン粉末を混合工程で用い、
加熱工程において、表3に示したように1500〜18
00℃の温度範囲から加熱温度を選択した他は、実施例
1〜4と同様にして炭化珪素微粉末を得た。こうして得
られた炭化珪素微粉末について、レーザ回折・散乱法
(JIS R 1629)によりそれらの粒子径分布を調べ、平均
粒径を求めた。それぞれ得られた炭化珪素微粉末(解砕
前と解砕後)の平均粒径を表3に併せて示した。
【0047】
【表3】
【0048】表3より、解砕後にそれぞれ得られた炭化
珪素微粉末について、実施例5〜8ではいずれも炭化珪
素微粒子の平均粒径が、比較例1及び比較例2で得られ
た炭化珪素微粉末のものに対して小さいことがわかる。
特に、実施例5〜8で得られた炭化珪素微粉末は、炭化
珪素微粒子の平均粒径が1μm以下にあることがわか
る。
【0049】また、電子顕微鏡(SEM)を用いて、本
実施例で得られた炭化珪素微粒子を観察した結果、実施
例5〜8で得られた炭化珪素微粉末では、いずれもそれ
らの炭化珪素微粒子が100nm以下の一次粒子径をも
っていることがわかった。 (実施例9〜12)本実施例では、酸化膜シリコン粉末
形成工程を実施例7と同様にして行い、表4に示すよう
に酸化膜シリコン粒子が2.1μmの平均粒径をもち、
かつ2.0質量%の酸素を含有するシリコン粉末を得
た。
【0050】一方、混合工程において、平均粒径が0.
3μm、0.6μm、1μm及び2μmの平均粒径をそ
れぞれもつ4種類の炭素粉末を用意し、実施例1〜4と
同様にして上記のシリコン粉末とそれぞれ混合し、4種
類の混合粉末を得た。
【0051】加熱工程において、表4に示したように1
500〜1800℃の温度範囲から加熱温度を選択した
他は、実施例1〜4と同様にして炭化珪素微粉末を得
た。こうして得られた炭化珪素微粉末について、レーザ
回折・散乱法(JIS R 1629)によりそれらの粒子径分布
を調べ、平均粒径を求めた。それぞれ得られた炭化珪素
微粉末(解砕前と解砕後)の平均粒径を表4に併せて示
した。
【0052】
【表4】
【0053】表4より、解砕後にそれぞれ得られた炭化
珪素微粉末について、実施例9〜12ではいずれも炭化
珪素微粒子の平均粒径が、比較例1及び比較例2で得ら
れた炭化珪素微粉末のものに対して小さいことがわか
る。特に、実施例9〜12で得られた炭化珪素微粉末
は、炭化珪素微粒子の平均粒径が1μm以下にあること
がわかる。
【0054】また、電子顕微鏡(SEM)を用いて、本
実施例で得られた炭化珪素微粒子を観察した結果、実施
例9〜12で得られた炭化珪素微粉末では、いずれもそ
れらの炭化珪素微粒子が100nm以下の一次粒子径を
もっていることがわかった。
【0055】
【効果】本発明によれば、平均粒径が1μ程度又は1μ
m以下の炭化珪素微粒子からなる炭化珪素微粉末など、
微粉でかつ粒径が均一な炭化珪素微粉末を従来の製造方
法よりもさらに容易に製造することができるため、そう
した炭化珪素微粉末の製造コストをさらに安価にするこ
とができる。
【0056】また、混合工程で用いる混合粉末を大量に
調製し、その混合粉末を十分に加熱できる設備を用意す
れば、平均粒径が1μm以下の炭化珪素微粒子よりなる
炭化珪素微粉末など、微粉でかつ粒径が均一な炭化珪素
微粉末を大量に製造することができる。
【0057】こうして製造された炭化珪素微粉末を用い
れば、微粉研磨材や炭化珪素焼結用原料、塗料及び樹脂
用充填材などを、さらに高品質なものとして安価にかつ
大量に製造することができるようになる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 和田 重孝 愛知県愛知郡長久手町大字長湫字横道41番 地の1株式会社豊田中央研究所内 Fターム(参考) 4G030 AA47 CA04 GA01 GA11 4G046 MA14 MB02 MB03 MC04 4J037 AA01 AA17 DD05 DD20 EE02 EE19 EE25 EE28 EE44

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコン粉末と炭素粉末とを混合して混
    合粉末を得る混合工程と、該混合粉末を加熱して炭化珪
    素微粉末を合成する加熱工程と、から構成される炭化珪
    素微粉末の製造方法において、 前記シリコン粉末は、0.2質量%以上の酸素を含有す
    るシリコン粒子からなることを特徴とする炭化珪素微粉
    末の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記シリコン粒子は、粒子表面に酸化膜
    を備える請求項1に記載の炭化珪素微粉末の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記酸化膜は、シリコン粉末を酸化雰囲
    気において700〜900℃で加熱することにより、該
    シリコン粉末の粒子表面を酸化して形成する請求項2に
    記載の炭化珪素微粉末の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記酸素の含有量は、0.5質量%以上
    である請求項1及び請求項2のいずれかに記載の炭化珪
    素微粉末の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記シリコン粒子は、平均粒径が100
    μm以下にある請求項1に記載の炭化珪素微粉末の製造
    方法。
  6. 【請求項6】 前記炭素粉末は、一次粒子径が1μm以
    下の炭素粒子からなる請求項1に記載の炭化珪素微粉末
    の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR101106898B1 (ko) 2009-01-22 2012-01-25 명 근 김 메탈 실리콘석 용해액을 사용한 카본의 제조방법
JP2013503099A (ja) * 2009-08-26 2013-01-31 エルジー イノテック カンパニー リミテッド 炭化ケイ素粉体製造方法及びシステム
CN113264527A (zh) * 2021-05-27 2021-08-17 西安博尔新材料有限责任公司 一种碳化硅粉体颗粒的整形方法

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