JP2536849B2 - 焼結用β晶炭化ケイ素粉末 - Google Patents

焼結用β晶炭化ケイ素粉末

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は炭化ケイ素粉末、特に無加圧焼結において容
易に緻密化しうるβ晶炭化ケイ素粉末に関する。
(従来の技術) 炭化ケイ素は、その優れた高温安定性、化学的安定
性、高熱伝導性、高硬度性等によりエンジン部品、熱交
換器チューブ、耐摩耗部品等に有望な材質といわれ、現
在多くの研究開発が行われている。構造部材に炭化ケイ
素焼結体を用いるには強度が高くしかもバラツキが小さ
いことが必要であるが、それには焼結体の密度が高く均
一で微細な微細組織を有することが重要とされている。
そのような焼結体を得るためには原料となる炭化ケイ素
粉末の特性が特に重要であると認識され、例えば(1)
高純度、(2)微細、(3)粒度分布が狭い、(4)凝
集がなく、かつ(5)球形等の特性を有する粉末がよい
と提案されている。このような基準は酸化物粉末の焼結
からの類推により定性的には一般に受け入れられている
が、実際にどの程度有効なものか定量的には明確ではな
い。
例えば、ジョン・アレン・コッポラ等は、特公昭58−
14390号でα晶炭化ケイ素を50%以上含有する炭化ケイ
素粉末の場合につき、0.10〜2.50ミクロンの平均粒度お
よび2〜50m2/gr.の表面積を有しかつ不純物がSiO2で2
%以下、遊離ケイ素で0.25%以下、鉄又は鉄酸化物で鉄
として0.20%以下、且つアルカリ及びアルカリ土類金属
又はそれらの酸化物で金属として0.50%以下の炭化ケイ
素粉末が好ましい旨開示している。しかしながら該公告
公報第6欄第36〜39行目にかけて「約1ミクロン以下の
程度をもつ炭化ケイ素に対しては正確な粒度分布を得る
ことは困難であるので、表面積は適当な材料を決定する
に際し適切な因子になると考えることができる。」と述
べられているようにこの場合の平均粒径とは明確なもの
ではなく、結局は1ミクロン以下の平均粒子径をもつも
のに対しては比表面積のみが有効な指標になるとしてい
るのである。
一方、β晶炭化ケイ素粉末については、比表面積基準
で算出された平均粒子径(比表面積相当径)が1ミクロ
ン以下のものが好ましい旨の記載は時々見られる。しか
しながら、後述する実施例よりも明らかなように、単に
比表面積のみでは炭化ケイ素粉末の焼結性を判断でき
ず、従って工業的に粉末を生産し又は焼結対を製造する
際に製品のバラツキの原因となり経済的でない。
(発明の目的) 本発明の目的は上記のような欠点を改良し、バラツキ
の小さい易焼結性のβ晶炭化ケイ素粉末を提供すること
にある。
(発明の構成) 本発明者等は上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねた
結果,比表面積相当径(DBET)と遠心沈降法による粒度
分布測定で求めた重量粒度分布曲線から得られる50%径
(D50)の間にある特定の関係がある時にのみ、焼結特
性に関し極めて満足すべき良好な結果を得ることができ
ることを知見し本発明を完成した。即ち、本発明は、 次式で定義する指数Fagが10以下であることを特徴と
するβ晶を主に含有する炭化ケイ素粉末を用いる焼結方
法である。
Fag=D50/DBET ここに、 D50;遠心沈降法による粒度分布測定で求めた重量粒度分
布曲線より得られる50%径。
DBET;B.E.T.法比表面積相当径であり炭化ケイ素粉末と
しては、好ましくは、B.E.T.法比表面積が5m2/gr.以上
である炭化ケイ素粉末であり、 より好ましくは、 指数Fagが8以下である、炭化ケイ素粉末であり、さ
らに好ましくは、 比表面積が7m2/gr.以上で且つ指数Fagが7以下であ
る、炭化ケイ素粉末、である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明においては、炭化ケイ素の焼結特性を定量的に
判断する因子として、本発明者等によってあらたに導入
された次式で定義する指数Fagを使用する。
Fag=D50/DBET ここに、 D50;遠心沈降法による粒度分布測定で求めた重量粒度分
布曲線より得られる50%径。
DBET;B.E.T.法比表面積相当径。
すなわち、該指数Fagは、比表面積相当径で、遠心沈
降法による粒度分布測定で求めた重量粒度分布曲線より
得られる50%径を除して算出できるものである。
まず、本発明で言う比表面積相当径算出の基礎となる
比表面積とは、対象粉末単位重量当りの粉末の持つ全表
面積を意味するが、これはいわゆるB.E.T.法により算出
できる。B.E.T.法自体はそれ自身周知であり、例えば慶
伊富長著「吸着」(共立全書、昭和40年)の第6章に詳
細な説明がなされているのでそれを参照することが出来
るが、簡単に言えば測定対象試料粉末を液体窒素温度下
に保ちながら窒素やクリプトンガスを粉末表面に物理吸
着させ、その等温吸着曲線よりある種の仮定したモデル
に基ずいて単分子吸着層を形成するに必要な分子数を求
め、その分子数に分子断面積を乗ずることによって粉末
の表面積を算出する方法である。なお、吸着等温曲線を
精密に測定するのは時間がかかるので、簡便法としてい
わゆるB.E.T.一点法を用いてもよい(この方法も慶伊富
長著「吸着」(共立全書、昭和40年)の第6章に述べら
れている)。
以上のごとくして、B.E.T.法で算出された炭化ケイ素
粉末の比表面積をSBET(m2/gr.)とすれば、 B.E.T.法比表面積相当形DBET(μm)は該比表面積S
BETを次式に代入して算出できるのである。
DBET=(6/d)(1/SBET) ここにdは粉末の真密度で炭化ケイ素においては3.21
gr./cm3である。
一方、本発明でいう遠心沈降法による粒度分布測定で
求めた重量粒度分布曲線から得られる50%径、即ちD50
は次のようにして測定したものである。まず測定対象の
炭ケイ素粉末60mgにn−ブタノール15mlを添加し超音波
細胞破砕器のような強力な超音波分散器にて約10分間そ
の分散液を超音波分散する。得られた分散液の1mlを分
取し、これに更に15mlのn−ブタノールを添加する。こ
の希釈液を再度上記超音波分散器に約10分間かけ炭化ケ
イ素粉末を十分に分散させる。以上の如き前処理をして
最後に得られた液を後記実施例に示すような遠心沈降型
粒度分布測定器にかけ粒度分布を測定し50%径D50を算
出する(なお、粉末の粒度によっては測定の都合上更に
分散液を希釈してもよい)。
その際粒度分布測定器によっては、1μm以上の粒度
と1μm以下の粒度を同時に測定できず、しかも1μm
以上と1μm未満の全粒子の合計が100%にならない場
合がある。このような場合は両者の割合の合計を100%
とみなして各粒度の割合を補正してD50を求める。この
ようにして得られたDBETとD50をもちいて指数Fagを次式
より求める。
Fag=D50/DBET 本発明の最大の特徴は、粉末の焼結特性を定量的に評
価するための因子として、本発明者らによりあらたに定
義された上記の如き指数を使用することなのである。か
かる指数を用いることにより、驚くべきことに、粉末の
焼結特性を極めて再現性よく予め評価出来るのである。
本発明者らの検討によると、この指数の大きさによ
り、焼結特性が変化する。
この指数Fagが大きすぎる粉末を用いた場合には、大
量の焼結助剤の添加や高温で焼結を行わない限り高密度
焼結体が得られないばかりか、しばしば理論密度の90%
にも満たない焼結体しか得られない。また、得られた焼
結体は粒成長が激しく微細組織の粗いものになりやす
い。
本発明においては指数Fagは10以下であることが好ま
しく、8以下であることが更に好ましい。しかして、指
数Fagが6以下である場合には比較的低温焼結でかつ焼
結助剤が少なくても理論密度の95%以上に容易に達する
ので特に好ましい。
また、本発明における炭化ケイ素の結晶型としては、
立方晶系のβ晶炭化ケイ素を主に含むものが好ましい。
β晶炭化ケイ素はα晶炭化ケイ素にくらべ焼結しやす
く、また得られた焼結体が高強度になりやすいためであ
る。
更に、本発明の作用効果をより有効に奏するために
は、使用する炭化ケイ素粉末のB.E.T.法比表面積が5m2/
gr.以上あることが望ましい。5m2/gr.未満の比表面積の
粉末を用いた場合には焼結温度をより高くする必要があ
り経済的とはいえないからである。
本発明で使用する上記のような炭化ケイ素粉末を作る
方法として基本的には現在知られている全ての方法を用
いることができる。かかる方法としては、例えばアチソ
ン法、特開昭52−46398号に開示されているような元素
状炭素粉末とシリカ粉末の混合造粒品を竪型反応器に連
続的にフィードして炭化ケイ素を合成する方法、元素状
炭素粉末と金属ケイ素粉末の混合物を不活性雰囲気中で
加熱する方法(この中には自己燃焼法による炭化ケイ素
合成も含む)や高温雰囲気中に炭素及びケイ素の前駆体
をフィードして直接気相より炭化ケイ素粉末を合成する
いわゆる熱CVDやプラズマCVD法などがある。
かかる方法で得られる炭化ケイ素粉末は、往々にして
一時粒子径が1μmをはるかに越えて大きかったり、一
次粒子は小さい凝集粒子径が大きかったりするので、い
ずれも指数Fagが10を越えることがしばしばであり、そ
のままでは、本発明の目的に使用出来ない。かかる場合
には、ボールミル,アトライタ,振動ミル,ジェットミ
ル等の粉砕機を用いて一次粒子を細かくしたり凝集を解
いたりして指数Fagを本発明で規定する特定の範囲のも
のとする必要がある。また、場合によっては分級操作を
適用し、大きい一次粒子や凝集粒子を取り除く操作を併
用することにより、指数Fagを調整することが有効であ
る。
なお、本発明者等が先に提案した通称エーロゾル法
(例えば特開昭58−213621号参照)により、炭素とシリ
カを含有するエーロゾル(混合粉すなわち含炭素組成
物)を作り、これを圧縮成形後不活性雰囲気中で例えば
約1500〜2000℃程度に加熱して得られるβ晶炭化ケイ素
粉末においては、該エーロゾル生成の操作条件や加熱条
件を好適に制御することにより、上記のような機械的な
粉砕や分級をほとんど必要としないで所望の粉末を得る
ことも出来るので特に好ましい。
(発明の実施例) 以下に本発明の実施例を述べる。
実施例1. 第1図に示す反応混合炉(直径300、長さ3m)を用
い、ダクト2より空気を118N/H装入し、また熱風用燃料
としてプロパンを燃焼バーナ3より2.3Nm3/H装入し着火
した。次いでケイ素化合物としてCH3SiCl3を、炭素化合
物としてC9溜分を予め重量比で1:1.8に混合したものを3
6Kg/Hの速度でノズル4より炉内に装入した。炉内に生
成したエーロゾルはダクト6より抜出し、冷却後バック
フィルタで捕集して混合物13.9Kg/H乾燥重量)を得た。
混合物には炭素63.9wt%、ケイ素16.8wt%(単体換算、
式量比(グラムアトムC/グラムアトムSi)=8.9)が含
まれていた(残りは結合性の酸素17.9wt%、炭素付着の
水素0.10%、その他0.10wt%以下)。
バッグフィルタより取り出した混合物の嵩比重は0.10
であった。これを20gr.とり円筒容器内に入れ一軸圧縮
し、嵩比重0.92の圧粉体としたものを7個黒鉛ルツボに
装入し、高周波加熱炉を用いて、窒素雰囲気中1700℃1
時間加熱して炭化ケイ素を合成した後、一旦冷却した後
に空気中で600℃に加熱して残存した単体炭素を燃焼除
去して粗炭化ケイ素粉末63.7gr.を得た。この粗炭化ケ
イ素粉末をフッ化水素水中に一昼夜放置した後濾過洗浄
して精製炭化ケイ素粉末を得た。
この精製炭化ケイ素粉末のB.E.T.法による(窒素の物
理吸着による)比表面積SBETは16.4m2/gr.であり、従っ
て比表面積相当径DBETは0.11μmと算出された。遠心沈
降法による粒度分布測定で求めた重量粒度分布曲線(堀
場製作所製、自動粒度分布測定装置CAPA−500形で測定
した)からえられる50%径D50は0.35μmであった。従
ってこの精製炭化ケイ素粉末の指数Fagは3.2であった。
尚、この粉末のX線回折像はわずかに2H型炭化ケイ素を
含む以外は全てβ晶炭化ケイ素を示した。
この精製炭化ケイ素粉末50gr.に非晶質ホウ素0.1gr.
とレゾール型フェノールレジン5gr.(炭化率は約50%)
を添加し、更にエタノールを200ml加えたスラリをポリ
エチレン製ボールミルで一昼夜撹拌混合した。該スラリ
を乾燥して約100μmの顆粒にし、その約38gr.を直径70
mmの金型につめ約200kg/cm2で一軸成形後、金型から取
り出した。次いで、この成形品を2ton/cm2で静水圧プレ
スして焼結用圧粉体を得た。この圧粉体の見かけ密度は
2.05gr./cm3であった。
この圧粉体をアルゴン雰囲気下2000℃30分無加圧焼結
したものの密度は理論密度の98.8%にあたる3.17gr./cm
3であった。
比較例1. CH3SiCl3とC9溜分の重量比を1:0.8と炭素源の割合を
減少させた以外は実施例1と全く同様にしてエーロゾル
を得た。このものの式量比(グラムアトムの比)C/Siは
4.0(実施例1においてはC/si=8.9)であった。これを
実施例1と全く同様にして圧粉体にし(嵩比重は0.61で
あった)、実施例1と全く同様にして精製炭化ケイ素を
得た。但し、今回は高周波加熱炉の温度を1650℃にした
が、その結果得られた炭化ケイ素粉末を実施例1と全く
同様にして分析したところ比表面積SBETは12.1m2/gr.で
あり(比表面積相当径DBETは0.15μm)、遠心沈降法に
よる粒度分布測定で求めた重量粒度分布曲線から得られ
る50%径D50は1.62μmであった。従ってこの精製炭化
ケイ素粉末の指数Fagは10.8であった。尚、この粉末の
X線回折像は実施例1のものとほとんどかわらなかっ
た。
このような特性値をもつ炭化ケイ素粉末を非晶質ホウ
素の添加量を0.25gr.と増やしまた焼結温度を2200℃と
高く変えた以外は実施例1と全く同様にして焼結した。
しかしながら、その結果得られた焼結体の見かけ密度は
2.91gr./cm3と低かった。
比較例2 ファーネスブラック(三井東圧化学(株)社製商品名
コンチネックスISAF)480gr.にエチレンボトムを210gr.
及び混合キシレン140gr.を添加し更にシリカ(富田製薬
(株)製商品名マイコンF)240gr.を加えた混合物をニ
ーダで約4時間撹拌混合した。この混合物を実施例1と
全く同様にして圧粉体にし(嵩比重は0.82であった)、
実施例1と全く同様にして精製炭化ケイ素粉末を得た。
但し、今回は高周波加熱炉の温度を1600℃にした。得ら
れた粗炭化ケイ素粉末の比表面積は、 8.5m2/gr.であ
った。この粗炭化ケイ粗粉末をボールミルで5時間粉砕
した後塩酸−フッ酸混合水溶液に一昼夜放置し、その後
ろ過乾燥して精製炭化ケイ素粉末を得た。この精製炭化
ケイ素粉末を、実施例1と全く同様にして分析したとこ
ろ、比表面積SBETは16.9m2/gr.であり( 比表面積相当
径DBETは0.11μm)、遠心沈降法による粒度分布測定で
求めた重量粒度分布曲線から得られる50%径D50は1.27
μmであった。従ってこの精製炭化ケイ素粉末の指数Fa
gは11.5であった。尚、この粉末のX線回折像は実施例
1のものとほとんどかわらなかった。
このような特性値をもつ炭化ケイ素粉末を非晶質ホウ
素の添加量を0.25gr.とし焼結温度を2200℃に変えた以
外は実施例1と全く同様にして焼結した。しかしなが
ら、その結果得られた焼結体の見かけ密度は2.78gr./cm
3と低いものであった。
実施例2. 比較例2と同様にして得られた精製炭化ケイ素粉末を
水の中に超音波分散し濃度10Wt%のスラリを作った。こ
のスラリを遠心分離器(国産遠心器(株)製H−103NR
型;チューブ容量50ml)にかけ500rpmで1分間遠心分離
し、上澄み液のみを濾過後乾燥した。このようにして得
られた乾燥炭化ケイ素粉末の比表面積SBETは20.2m2/gr.
(従ってDBETは0.09μm)であり遠心沈降法による粒度
分布測定で求めた重量粒度分布曲線から得られる50%径
D50は0.70μmとなり、従ってFagは7.6であった。この
もののX線回折像は実施例1のものとほとんど変わらな
かった。
このような特性値をもつ炭化ケイ素粉末を非晶質ホウ
素の添加量を0.25gr.とし焼結温度を2200℃に変えた以
外は実施例1と全く同様にして焼結した。その結果得ら
れた焼結体の見かけ密度は3.10gr./cm3であった。
実施例3 実施例2と同様にして実験を行った。但し、今回は遠
心分離条件を4500rpm30分とした。得られた炭化ケイ素
粉末は比表面積SBETは25.6m2/gr.(従ってDBETは0.07μ
m)、遠心沈降法による粒度分布測定で求めた重量粒度
分布曲線から得られる50%径D50は0.43μm、従ってFag
は5.9であった。
実施例2と全く同様にして焼結をおこなったところ焼
結体密度は3.14gr./cm3であった。
実施例4〜14 混合粉(炭素とシリカの微粉末のエーロゾル混合物)
製造時の原料仕込み比、炭化ケイ素粉末合成時の温度、
焼結時のホウ素添加量及び焼結温度を表−1のように変
更したほかは、実施例1と同様に実験を行った。ただ
し、得られた炭化ケイ素粉末の結晶組成はいずれも主に
β晶炭化ケイ素を含むものであった。
得られた結果を表−1に示す。
(産業上の利用可能性) 上記の実施例及び比較例より明らかなように、 本発明で定義された指数Fagが10以下のβ晶炭化ケイ
素粉末を焼結用原料に用いることによって、比較的低温
でかつ少ない焼結助剤を添加して焼結しているにもかか
わらず、焼結体密度が少なくとも3.00gr./cm3以上の高
密度焼結体を、DBETのみを評価因子とした場合に比較し
てはるかにバラツキなく得ることができ、信頼性の高い
焼結体を経済的に生産できるものである。すなわち、本
発明は炭化ケイ素を構造部材として使用出来る可能性を
飛躍的に増加せしめたものであり、そのファインセラミ
ックスの技術分野における利用可能性は極めて大きいも
のがある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例で使用した反応混合炉1例の断
面図である。 図面において 1……炉材,2……ダクト,3……焼焼バー
ナ,4……ノズル,5……ノズル,6……ダクトを示す。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次式で定義する指数Fagが10以下であるこ
    とを特徴とするβ晶を主に含有する炭化ケイ素粉末を用
    いる焼結方法。 Fag=D50/DBET ここに D50;遠心沈降法による粒度分布測定で求めた重量粒度分
    布曲線より得られる50%径。 DBET;B.E.T.法比表面積相当径。
  2. 【請求項2】炭化ケイ素粉末が、B.E.T.法比表面積で5m
    2/gr.以上のものである特許請求の範囲第1項記載の方
    法。
  3. 【請求項3】指数Fagが8以下である特許請求の範囲第
    2項記載の方法。
  4. 【請求項4】炭化ケイ素粉末が、B.E.T.法比表面積で7m
    2/gr.以上で、且つ指数Fagが7以下のものである特許請
    求の範囲第3項記載の方法。
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JP5119769B2 (ja) * 2007-07-06 2013-01-16 住友大阪セメント株式会社 炭化ケイ素ナノ粒子分散液の製造方法
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