JP5119769B2 - 炭化ケイ素ナノ粒子分散液の製造方法 - Google Patents
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Description
これらの構造材料はいずれも人工的に合成された炭化ケイ素粉末が出発原料であり、炭化ケイ素粉末の工業的製造方法としては、アチソン法、シリカ還元法、シリコン炭化法等が知られているが、これらの方法は、微細化のために粉砕や解砕等のプロセスを必要とするため、平均粒子径はサブミクロン・オーダーまでが限界であり、したがって、平均粒子径がサブミクロン以上の粉末が主流であった。
ナノサイズの炭化ケイ素粒子を得る方法としては、非酸化雰囲気下にて、高温、高活性を有し、高速冷却プロセスの導入が容易な熱プラズマを利用した熱プラズマ法が挙げられる(例えば特許文献1参照)。この製造方法は、平均粒径5〜100nm程度の結晶性に優れた炭化ケイ素ナノ粒子を製造する方法として有用であり、高純度原料を選択することによって不純物の含有量が極めて少ない炭化ケイ素ナノ粒子を得ることが可能である。
また、有機ケイ素化合物、ケイ酸ゾル、ケイ酸ヒドロゲル等のケイ素を含む物質と、フェノール樹脂等の炭素を含む物質と、炭化ケイ素の粒成長を抑制するリチウム等の金属化合物とを含む混合物を非酸化性雰囲気下にて焼成して炭化ケイ素粒子を得るシリカ前駆体焼成法が挙げられる(例えば特許文献2参照)。この製造方法は、非常に微細かつ粗大粒子を含まない炭化ケイ素粉末が得られるという特徴を有する。
また、ナノサイズの炭化ケイ素粒子を溶媒中に分散させた炭化ケイ素分散液が提案されている(例えば特許文献3参照)。この分散液では、炭化ケイ素粒子の分散性を高めるために、炭化ケイ素粒子を酸化雰囲気下で酸化することによって表面酸化層を形成し、溶液への親和性を高めている。
また、セラミックス薄膜としては、炭化ケイ素等を主成分とする薄膜中のセラミックス成分の微細結晶粒子の存在割合が表層に向かって傾斜的に増大しているセラミックス薄膜が提案されている(例えば特許文献4参照)。
また、プラスチックの摺動部材としては、炭化ケイ素等の無機粒子を各種樹脂材料に混入させた組成物が提案されている(例えば特許文献5参照)。
また、炭化ケイ素薄膜を被処理物に直接形成する方法としては、被処理物の表面に、各種CVD法、スパッタリング法、各種MBE法等を用いて炭化ケイ素薄膜を形成する方法が提案されている(例えば特許文献6、7参照)。
また、得られた炭化ケイ素ナノ粒子は、副生成物としてフリーカーボンなどの炭素質を数重量%程度含有しており、これら炭化ケイ素ナノ粒子と炭素質を同時に溶液中に分散させることが難しく、分散安定性は必ずしも十分ではないという問題点があった。
また、従来のセラミックス薄膜では、有機珪素重合体を熱処理にて無機化する際の熱処理温度が基板の耐熱温度に限定されてしまい、その結果、良好な結晶性を有するセラミックス薄膜、すなわち、耐摩耗性、耐擦傷性、表面硬度に優れた薄膜を得ることが困難であり、また、最表層の微粒子が摺動に際して脱粒した場合、耐摩耗性、耐擦傷性、硬度が急激に劣化するという問題点があった。
また、従来の炭化ケイ素薄膜を直接形成する方法では、高品位な炭化ケイ素薄膜を得ることが可能であるが、被処理物を600℃〜1200℃以上の高温に加熱する必要があるため、被処理物に制約を受けるという問題点があった。また、非常に高価な製造設備が必要であり、しかも成膜速度が遅いことから、製造コストが高くなるという問題点もあった。
前記表面酸化層が除去された炭化ケイ素ナノ粒子を、湿式法により前記分散媒中に分散させることが好ましい。
なお、この形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
本発明の炭化ケイ素ナノ粒子分散液の製造方法は、炭化ケイ素ナノ粒子の表面に酸化処理を施して表面酸化層を形成し、次いで、この炭化ケイ素ナノ粒子の表面酸化層を除去し、次いで、この表面酸化層が除去された炭化ケイ素ナノ粒子を分散媒中に分散させる方法である。
この酸化処理の対象となる炭化ケイ素ナノ粒子の一次粒子の平均粒径は、5〜500nmであることが好ましく、より好ましくは10〜200nm、さらに好ましくは15〜100nmである。
ここで、炭化ケイ素ナノ粒子の一次粒子の平均粒径を5〜500nmと限定した理由は、平均粒径が5nmより小さいと、炭化ケイ素の結晶性が劣ったものとなり、この粒子を用いて粒子膜を作製した際に、膜の耐摩耗性及び硬質性が低下するからであり、一方、平均粒径が500nmを超えると、この粒子を分散液に分散させた際に分散液中における炭化ケイ素ナノ粒子の凝集傾向が非常に強くなり、均一な膜形成が困難となるからであり、さらに、この分散液を用いて膜を形成すると、形成された膜の表面粗さが増大し、その結果、摺動することによる炭化ケイ素ナノ粒子の脱離が発生し、膜の摩擦抵抗が増大するからである。
この酸化性雰囲気としては、酸素または水分を含有する雰囲気であれば良く、経済性を考慮すると大気中の雰囲気が最も好ましい。
ここで、酸化処理の温度を300℃以上かつ800℃以下と限定した理由は、300℃未満では、酸化が不十分で、炭化ケイ素ナノ粒子を作製する際に生じる副生成物であるフリーカーボン等の炭素質を燃焼除去することができないからであり、一方、800℃を超えると、炭化ケイ素ナノ粒子が酸化され過ぎてしまい、後工程である表面酸化層を除去する際にロスが大きくなるからである。
この炭化ケイ素ナノ粒子11の表面に形成された表面酸化層3は、次のような問題を生じさせる。
a.これらの炭化ケイ素ナノ粒子の表面酸化層同士が融着し、炭化ケイ素ナノ粒子が凝集する。
b.表面酸化層が脆弱なことから、炭化ケイ素ナノ粒子が本来有している耐摩耗性、耐擦傷性、表面硬さ(高硬度)等の諸特性が劣化する。さらに、炭化ケイ素ナノ粒子が脱落することにより、膜自体の特性が大幅に低下する。
そこで、この炭化ケイ素ナノ粒子の表面に形成された表面酸化層を除去する。
(1)熱処理による方法
炭化ケイ素ナノ粒子の表面酸化層を、還元性雰囲気下または不活性雰囲気下にて熱処理し、この表面酸化層を除去する。
この還元性雰囲気としては、例えば、水素、一酸化炭素などの単体ガス、あるいはメタン、エタンなどの炭化水素ガスが好適に用いられ、これらのガスのうち1種または2種以上を選択して用いることができる。
また、不活性雰囲気としては、例えば、窒素などの不活性ガス、アルゴン、ネオン、キセノンなどの希ガス等が好適に用いられる。
ここで熱処理の温度を1500℃以上かつ2000℃以下と限定した理由は、1500℃未満では、酸化物の昇華が不十分で、表面酸化層を完全に除去することができないからであり、一方、2000℃を超えると、表面酸化層が完全に除去されるのみならず、炭化ケイ素ナノ粒子自体が焼結してしまい、分散性に優れた炭化ケイ素ナノ粒子が得られなくなるからである。
炭化ケイ素ナノ粒子の表面酸化層を、フッ酸、フッ化アンモニウム、硝酸の群から選択された1種または2種以上を含む溶液を用いて溶解し、表面酸化層を除去する。
この方法では、表面酸化層が形成された炭化ケイ素ナノ粒子を、フッ酸、フッ化アンモニウム、硝酸の群から選択された1種または2種以上を含む溶液に浸漬させることにより、炭化珪素ナノ粒子の表面に形成された表面酸化層(シリカ層)を溶解除去することが可能である。
なお、必要により、表面酸化層3を溶解除去した後に、炭化ケイ素ナノ粒子11の表面を、水やアルコールなどの溶液を用いて洗浄しても良い。
この分散工程は、湿式法によることが好ましい。
この湿式法で用いられる分散機は、開放型、密閉型のいずれも使用可能であり、例えば、ボールミル、攪拌ミル等が挙げられる。ボールミルとしては、転動ボールミル、振動ボールミル、遊星ミル等が挙げられる。また、攪拌ミルとしては、塔式ミル、攪拌槽型ミル、流通管式ミル、管状ミル等が挙げられる。
メディアの材質は、ガラス、ジルコニア等のセラミックス、あるいはステンレス等の金属が使用可能であるが、耐摩耗性に優れ、化学的に安定である点からジルコニアを使用することが好ましい。
上記の有機溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ジアセトンアルコール、フリフリルアルコール、エチレングリコール、へキシレングリコール等のアルコール類、酢酸メチルエステル、酢酸エチルエステル等のエステル類、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル(メチルセロソルブ)、エチレングリコールモノエチルエーテル(エチルセロソルブ)、エチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等のエーテルアルコール類、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、アセチルアセトン、アセト酢酸エステル等のケトン類、N,N−ジメチルホルムアミド等の酸アミド類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素等が好適に用いられ、これらの溶媒のうち1種または2種以上を用いることができる。
また、上記のオリゴマーとしては、ウレタンアクリレート系オリゴマー、エポキシアクリレート系オリゴマー、アクリレート系オリゴマー等が好適に用いられる。
この炭化ケイ素ナノ粒子分散液は、上述した炭化ケイ素ナノ粒子分散液の製造方法により作製されたものである。
この炭化ケイ素ナノ粒子分散液に、炭化ケイ素ナノ粒子の分散性を阻害しないバインダー成分、例えば、シリカ微粒子、ケイ素有機化合物等のシリカゾル、あるいは熱硬化性樹脂等を添加してもよい。
この炭化ケイ素ナノ粒子分散液は、高純度であると共に、分散性及び分散安定性に優れたものであり、その結果、長期間に亘って分散液の諸特性を維持し続けることができる。
この炭化ケイ素ナノ粒子膜は、被処理物上に上述した炭化ケイ素ナノ粒子分散液を塗布して形成された塗膜を、熱処理することで得られる。
被処理物としては、熱処理温度に耐える材質であればよく、ガラス等のセラミックス、金属等が好適に用いられる。なお、熱処理温度が300℃以下のように低温の場合には、熱変形が生じないのであれば、耐熱性ポリマーやプラスチックも用いることができる。
この被処理物の形状としては、2次元の平板形状、3次元の立体形状のいずれも用いることが可能である。
塗布に際しては、耐摩耗性、耐擦傷性、耐熱性、硬度の各特性が満たされれば特に限定されないが、炭化ケイ素ナノ粒子膜の膜厚が0.1〜10μmとなるように塗布量を調整することが好ましい。
熱処理温度は、100℃以上が好ましい。その理由は、100℃未満の温度で熱処理すると、添加しているバインダーの硬化反応が生じ難くなり、目的とする表面硬度が得られなくなるからである。塗膜の密着性やバインダーの硬化性の観点からは、熱処理温度は高い方が望ましく、熱処理温度の上限は選択される被処理物の耐熱温度付近であることが好ましい。
(炭化珪素ナノ粒子分散液の調製)
平均粒径30nm、炭素質2重量%の炭化ケイ素ナノ粒子(住友大阪セメント製:熱プラズマ法)を大気中、600℃にて5時間熱処理を行い、炭化ケイ素ナノ粒子の表面に酸化層を形成した。
次いで、この表面酸化層付き炭化ケイ素ナノ粒子を、混酸(フッ酸:硝酸=5:1(重量比))に浸漬し、1時間室温にて攪拌して、表面酸化層の溶解除去を行った。
次いで、混酸をホットプレート上で蒸発させ、乾燥した炭化ケイ素ナノ粒子を回収し、その後、0.1N−アンモニア水にて洗浄を行った。洗浄後、真空乾燥し、易分散性の炭化ケイ素ナノ粒子を得た。
次いで、この原料液にジルコニアビーズ(直径0.1mm)400重量部を加え、開放型サンドミル分散機にて回転数2500rpmの条件にて7時間、分散処理を行った。その後、ジルコニアビーズを分離した。その結果、得られた分散液中の炭化ケイ素ナノ粒子の濃度は10重量%であった。
この測定結果によれば、分散粒径が100nm未満と微細であることから、分散性に優れていることがわかった。また、この分散液を室温(25℃)にて1ヶ月間放置した後、同様の方法で粒度分布を測定したが、分散粒径に変化はなく、また炭化ケイ素ナノ粒子の顕著な沈降等も認められず、分散安定性も良好であった。
上記の分散液30重量部、メタノール25重量部、エチレングリコール40重量部及びシリカゾル5重量部を混合して、炭化ケイ素ナノ粒子塗料とした。
なお、シリカゾルは、テトラエトキシシラン33重量部をエタノール46重量部で希釈し、この希釈液に1N−アンモニア水を3重量部、純水を18重量部加えて混合し、その後、60℃にて2時間加熱することで得た。
上記の炭化ケイ素ナノ粒子塗料をスピンコート法により、厚み2mmのステンレス基板(SUS304)に塗布し、その後、大気中、200℃にて熱処理し、膜厚が約400nmの炭化ケイ素ナノ粒子膜を作製した。
この炭化ケイ素ナノ粒子膜の表面粗さ(Ra)、表面硬度(GPa)、鉛筆硬度を測定した。また、炭化ケイ素ナノ粒子膜の耐久性を調べるため、磨耗試験及び耐熱試験を行った。
(1)表面粗さ(Ra):日本工業規格JIS B 0601に準じ、表面粗さ測定機(ミツトヨ社製)にて測定した。
(2)表面硬度(GPa):ナノインデンター(MTS社製)にて、表面深さ200nmの硬度を測定した。
(3)鉛筆硬度:日本工業規格JIS K 5400に準じ測定した。
(5)耐熱試験:炭化ケイ素ナノ粒子膜を形成したステンレス基板(SUS304)について、大気中、室温(25℃)から500℃までの昇降温を10回繰り返し、炭化ケイ素ナノ粒子膜の状態を観察した。ここでは、膜剥れやクラックの発生しなかったものを「○」、クラックの発生したものを「△」、膜剥れしたものを「×」とした。
これらの測定結果を表1に示す。
実施例1で、平均粒径30nm、炭素質2重量%の炭化ケイ素ナノ粒子(住友大阪セメント製:熱プラズマ法)を、平均粒径15nm、炭素質4重量%の炭化ケイ素ナノ粒子(住友大阪セメント製:シリカ前駆体焼成法)に替えた他は、実施例1に準じて実施例2の炭化ケイ素ナノ粒子分散液、炭化ケイ素ナノ粒子塗料及び炭化ケイ素ナノ粒子膜を作製した。
この測定結果によれば、分散粒径が100nm未満と微細であることから、分散性に優れていることがわかった。また、この分散液を室温(25℃)にて1ヶ月間放置した後、同様の方法で粒度分布を測定したが、分散粒径に変化はなく、また炭化ケイ素ナノ粒子の顕著な沈降等も認められず、分散安定性も良好であった。
この炭化ケイ素ナノ粒子膜は、表面粗さが小さく、硬度が高いため、膜面に擦傷の発生も無く、耐磨耗性、耐擦傷性、硬質性に優れていた。また、耐熱試験においても炭化ケイ素ナノ粒子膜の剥れやクラックの発生、膜の変質等は認められず、耐熱性が良好であることが示された。
実施例2で原料液を、易分散性の炭化ケイ素ナノ粒子10重量部、アンモニア水1重量部、純水39重量部及びメタノール50重量部を混合し、全体量を100gとした原料液に替えた他は、実施例2に準じて実施例3の炭化ケイ素ナノ粒子分散液、炭化ケイ素ナノ粒子塗料及び炭化ケイ素ナノ粒子膜を作製した。
この測定結果によれば、分散粒径が100nm未満と微細であることから、分散性に優れていることがわかった。また、この分散液を室温(25℃)にて1ヶ月間放置した後、同様の方法で粒度分布を測定したが、分散粒径に変化はなく、また炭化ケイ素ナノ粒子の顕著な沈降等も認められず、分散安定性も良好であった。
この炭化ケイ素ナノ粒子膜は、表面粗さが小さく、硬度が高いため、膜面に擦傷の発生も無く、耐磨耗性、耐擦傷性、硬質性に優れていた。また、耐熱試験においても炭化ケイ素ナノ粒子膜の剥れやクラックの発生、膜の変質等は認められず、耐熱性が良好であることが示された。
実施例1で用いた平均粒径30nm、炭素質2重量%の炭化ケイ素ナノ粒子(住友大阪セメント製:熱プラズマ法)を、そのまま原料粉末とした。
次いで、この炭化ケイ素ナノ粒子10重量部、セルナD−735(中京油脂社製)1.5重量部、アンモニア水0.1重量部、純水48.4重量部及びエタノール40重量部を混合し、全体量が100gの原料液を得た。
次いで、この原料液を用い、実施例1に準じて比較例1の炭化ケイ素ナノ粒子分散液、炭化ケイ素ナノ粒子塗料及び炭化ケイ素ナノ粒子膜を作製した。
この測定結果によれば、分散粒径が100nm以上と大きく、分散性が悪化していた。また、この分散液を室温(25℃)にて1ヶ月間放置したところ、炭化ケイ素ナノ粒子が沈降し、分散安定性も劣っていた。
この炭化ケイ素ナノ粒子膜は、表面粗さが大きく、塗膜に炭素質が含まれるために硬度が低く、膜面に擦傷が多数発生し、耐摩耗性、耐擦傷性、硬質性に劣ったものであった。また、耐熱試験においても炭化ケイ素ナノ粒子膜に剥れが発生し、熱による劣化が顕著であった。
実施例1で表面酸化層の除去処理を行わなかった他は、実施例1に準じて比較例2の炭化ケイ素ナノ粒子分散液、炭化ケイ素ナノ粒子塗料及び炭化ケイ素ナノ粒子膜を作製した。
この測定結果によれば、分散粒径が100nm以上と大きく、分散性が悪化していた。また、この分散液を室温(25℃)にて1ヶ月間放置したところ、一部の炭化ケイ素ナノ粒子が沈降し、分散安定性も劣っていた。
この炭化ケイ素ナノ粒子膜は、塗膜に表面酸化層によるシリカ分が多く含まれるために、硬度が低く、膜面に擦傷が発生し、耐摩耗性、耐擦傷性、硬質性に劣っていた。また、耐熱試験においても、炭化ケイ素ナノ粒子膜にクラックが発生し、熱による劣化が顕著であった。
2 フリーカーボン等の炭素質
3 表面酸化層
4 分散媒
11 易分散性の炭化ケイ素ナノ粒子
Claims (3)
- 一次粒子の平均粒子径が5nm以上かつ500nm以下の炭化ケイ素ナノ粒子の表面に、酸化性雰囲気下、300℃以上かつ800℃以下の温度範囲での熱処理により酸化処理を施して表面酸化層を形成し、次いで、この炭化ケイ素ナノ粒子の表面酸化層を、還元性雰囲気下または不活性雰囲気下にて熱処理することにより除去し、次いで、この表面酸化層が除去された炭化ケイ素ナノ粒子を分散媒中に分散させることを特徴とする炭化ケイ素ナノ粒子分散液の製造方法。
- 前記炭化ケイ素ナノ粒子の一次粒子の平均粒子径は、5nm以上かつ100nm以下であることを特徴とする請求項1記載の炭化ケイ素ナノ粒子分散液の製造方法。
- 前記表面酸化層が除去された炭化ケイ素ナノ粒子を、湿式法により前記分散媒中に分散させることを特徴とする請求項1または2記載の炭化ケイ素ナノ粒子分散液の製造方法。
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