JPH1191773A - 被覆アルミニウムシームレス缶及びその製造方法 - Google Patents

被覆アルミニウムシームレス缶及びその製造方法

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JPH1191773A
JPH1191773A JP9253948A JP25394897A JPH1191773A JP H1191773 A JPH1191773 A JP H1191773A JP 9253948 A JP9253948 A JP 9253948A JP 25394897 A JP25394897 A JP 25394897A JP H1191773 A JPH1191773 A JP H1191773A
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亮 小林
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亘 黒川
Ikumi Motosu
郁美 本巣
Katsuhiro Imazu
勝宏 今津
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 側壁部が高度に薄肉化されていながら、予め
施された内面有機樹脂被覆のアルミニウム基材への密着
性やカバーレッジの完全さ並びに耐デント性に優れてお
り、耐内容物性に優れたアルミニウム製シームレス缶並
びにその製造方法を提供する。 【解決手段】 樹脂被覆アルミニウム板を絞りしごき成
形してなり、缶底部、薄肉化された缶胴側壁部、ネック
部及びフランジ部を備えてなるシームレス缶において、
容器アルミニウム板内面の所定部分の表面粗さが規定さ
れ、有機被覆が、缶底部で測定した、B/A(A,Bは
それぞれ赤外線吸収スペクトルにおける波数793.8
cm−1,848.4cmの吸収度を表す)で定義され
る吸光度比が0.9以下である熱可塑性ポリエステル層
からなることを特徴とする被覆アルミニウムシームレス
缶。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂被覆アルミニ
ウム板を絞りしごき加工してなるシームレス缶及びその
製造法に関するもので、より詳細には、側壁部が高度に
薄肉化されていながら、予め施された内面有機樹脂被覆
のアルミニウム基材への密着性やカバーレッジの完全さ
並びに耐内容物性に優れ、且つ缶胴はバルジ加工等の二
次加工性にも優れているアルミニウム製シームレス缶並
びにこのシームレス缶を少ない工程数と高い生産性をも
って製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム製のツーピース缶(シーム
レス缶)は、ビールや炭酸飲料等の自生圧力を有する内
容物を充填する缶詰用の缶として広く使用されている。
このシームレス缶は、アルミニウム板を、絞りダイスと
ポンチとの間で少なくとも1段の絞り加工に付して、側
面継目のない胴部と、該胴部に継目なしに一体に接続さ
れた底部とからなるカップに形成し、次いでカップを小
径のカップに絞り成形したのちに、しごきポンチとダイ
スとの間でしごき加工を加えて、容器胴部を薄肉化する
ことにより製造されている。
【0003】金属素材を節約し、容器を軽量化するに
は、側壁部を可及的に薄肉化することが好ましく、この
ため高度のしごき加工が望まれている。高度のしごき加
工には、潤滑と冷却操作が必要であり、この目的のため
に、水性媒体中に潤滑剤を分散したクーラントと呼ばれ
る液体が使用されている。
【0004】側面無継目缶の有機被覆法としては、一般
に広く使用されている成形後の缶に有機塗料を施す方法
の他に、成形前の金属素材に予め樹脂フィルムをラミネ
ートする方法が知られており、特公昭59−34580
号公報には、金属素材にテレフタル酸とテトラメチレン
グリコールとから誘導されたポリエステルフィルムをラ
ミネートしたものを用いることが記載されている。ま
た、曲げ伸ばしによる再絞り缶の製造に際して、ビニル
オルガノゾル、エポキシ、フェノリクス、ポリエステ
ル、アクリル等の被覆金属板を用いることも知られてい
る。
【0005】ポリエステル被覆金属板の製造について
も、多くの提案があり、例えば、特公昭59−3458
0号公報には、金属素材にテレフタル酸とテトラメチレ
ングリコールとから誘導されたポリエステルフィルムを
ラミネートしたものを製缶に用いることが記載されてい
る。
【0006】また、特開平5−4229号公報には、表
面に二軸配向が残存しているポリエチレンテレフタレー
トより成る塗膜が記載され、更に特開平6−17255
6号公報には、極限粘度[η]が0.75以上のポリエ
ステルフィルムを金属ラミネートに用いることが提案さ
れている。
【0007】更に、特開平3−101930号公報に
は、金属板と、エチレンテレフタレート単位を主体とす
るポリエステルフィルム層と、必要により金属板とポリ
エステルフィルムとの間に介在する接着プライマー層と
の積層体から成り、該ポリエステルフィルム層は、式 Rx =IA /IB 式中、IA はポリエステルフィルム表面に平行な、面間
隔約0.34nm(CuKαX線回折角が24゜から2
8゜)の回折面によるX線回折強度、IB はポリエステ
ルフィルム表面に平行な、面間隔約0.39nm(Cu
KαX線回折角が21.5゜から24゜)の回折面によ
るX線回折強度、で定義されるX線回折強度が0.1乃
至15の範囲内にあり且つ結晶の面内配向の異方性指数
が30以下であるフィルム層から成ることを特徴とする
絞り缶用被覆金属板が記載されており、また、上記被覆
金属板を絞り再絞り成形し、且つ再絞り成形に際して缶
胴側壁部を曲げ伸ばしにより薄肉化して成る薄肉化絞り
缶が記載されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、アルミ
ニウム板にクーラントの存在下に絞りしごき加工を行う
方法では、工程数が多く、生産性の点でも、環境衛生の
点でも好ましいものではない。即ち、成形後の缶胴には
前述したクーラントが付着しているので、脱脂洗浄の工
程とそれに続く乾燥の工程とが必要であり、更に缶胴内
面には内面保護のための塗装、缶胴外面にも塗装印刷等
の工程やそれらの塗料の焼き付け等の工程が必要であ
る。缶胴の内面の塗装はスプレー塗装による他はなく、
この塗装工程でも或いは焼き付け工程においても、溶剤
等が大気中に放出されるという問題がある。
【0009】一方、上記有機樹脂被覆板を使用する従来
の提案は、成形前の金属素材に樹脂フィルムを施せばよ
く、通常の塗装処理のように、塗膜の焼き付け炉や塗料
排ガスの処理施設が不要で、大気汚染がなく、また成形
後の缶体に塗装処理を行わなくてもよいという利点を与
えるものであり、スチール素材については成功を収めて
いるが、アルミニウム素材に対しては、未だ十分な成功
を収めるに至っていない。
【0010】即ち、アルミニウムとスチールでは、金属
の基本的物性が異なり、更に加工に対する適性も大きく
相違するのである。即ち、アルミニウムはヤング率がス
チールの約1/3であり、前記先行技術にみられるよう
な大きな曲げ伸ばし荷重に耐えることができず、スチー
ルの場合に比して破胴を生じやすくなるという傾向があ
る。また、薄肉化されたアルミニウム製シームレス缶の
製造にしごき加工が使用されている主な理由でもある
が、アルミニウムは曲げ伸ばしにより薄肉化する加工で
は表面の肌粗れを生じ易いことにも起因し許容度が低
く、圧延(しごき加工も1種の圧延である)に対する許
容度が大きいという加工上の特性がある。
【0011】ところが、有機樹脂を予め施したアルミニ
ウム板に対して、裸のアルミニウム板と同様な高度のし
ごき加工を行なうと、アルミニウム素材有機樹脂層との
接着性がTFSと比較して一般に劣ることから有機樹脂
層に、クラックやボイドが発生する(これらは樹脂層の
白化として検出される)と共に、樹脂層とアルミニウム
基材との間に剥離を生じて、耐腐食性が著しく低下す
る。この傾向は、しごき成形後の缶胴上部にネックイン
加工やフランジ加工を行う場合に特に顕著に現れる。
【0012】ラミネートを実際の缶詰製品に適用した場
合に要求される実用的な耐衝撃性として、耐デント性と
呼ばれるものがある。これは、缶詰製品を落下して、或
いは缶詰製品同士が相互に衝突して、缶詰製品に打痕と
呼ばれる凹みが生じた場合にもなお、被覆の密着性やカ
バレージが完全に保たれることが要求されるという特性
である。即ち、デント試験で被覆が剥離し或いは被覆に
ピンホールやクラックが入る場合には、この部分から金
属溶出や孔食による漏洩等を生じて、内容物の保存性を
失うという問題を生じるのである。また、樹脂層とアル
ミニウム基材との間に密着性が不十分であると、カバレ
ージが十分な場合でもアンダー・フィルム・コロージョ
ンの問題が生じる。
【0013】次に、缶詰用缶の場合、被覆への熱処理の
影響を避けることができない。即ち、缶の外面に内容物
等を表示する印刷を施すのが普通であり、印刷インクを
焼き付けるための加熱の影響が、ポリエステルフィルム
に生じる。また、実際の製缶においては、樹脂被覆の歪
み除去安定化等を目的として、缶の加熱が行われる場合
もあり、この加熱によるポリエステルへの影響も無視で
きない。ポリエステルは、加熱により熱劣化、即ち分子
量が低下する傾向や結晶化が進む傾向があり、これによ
り耐デント性が低下し、金属基体との密着性低下或いは
被覆性低下やネックイン加工、巻締加工等の際の加工性
が低下する。一方で、最近では缶胴にバルジ加工等の二
次加工を施すことで他の容器との形状的な差別化を狙っ
たり、素缶に過剰なまでのホワイトコート等の下塗りを
施すことでインキの発色性等の印刷適性を向上させるこ
とが要求されている。
【0014】従って、本発明の目的は、側壁部が高度に
薄肉化されていながら、予め施された内面有機樹脂被覆
のアルミニウム基材への密着性やカバーレッジの完全さ
並びに耐デント性に優れており、耐内容物性に優れたア
ルミニウム製シームレス缶並びにその製造方法を提供す
るにある。本発明の他の目的は、従来技術におけるクー
ラントの使用なしに、ドライの状態において、有機樹脂
被覆アルミニウム板の絞りしごき加工を行いうると共
に、成形後の缶体に塗装を施すことも不要であり、シー
ムレス缶を少ない工程数と高い生産性をもって製造する
ことができると共に、環境保全にも優れた製造方法を提
供するにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、樹脂被
覆アルミニウム板を絞りしごき成形してなり、缶底部、
薄肉化された缶胴側壁部、ネック部及びフランジ部を備
えてなるシームレス缶において、容器アルミニウム板内
面が、下記式(1) 、(2) 及び(3) Ra(B)≦0.5μm … (1) Ra(W)<Ra(F) … (2) 及び (Rz(F)/Ra(F))≧(Rz(B)/Ra(B)) … (3) 式中、Ra(B) は缶底部表面の中心線平均粗さ、Ra(W) は
缶胴側壁最薄肉部表面の中心線平均粗さ、Ra(F) は缶胴
ネック肩部表面の中心線平均粗さを示し、また、Rz(B)
は缶底部表面の十点平均粗さ、Rz(F) は缶胴ネック部直
下表面の十点平均粗さを示す、を同時に満たし、且つ前
記有機被覆が、缶底部で測定して、下記式(4) Dc = B/A … (4) 式中、Aは赤外線吸収スペクトルにおける波数793.8cm
-1の吸光度を表し、Bは赤外線吸収スペクトルにおける
波数848.4cm-1の吸光度を表すで定義される吸光度比
(Dc)が0.9以下である熱可塑性ポリエステル層か
らなることを特徴とする被覆アルミニウムシームレス缶
が提供される。本発明の樹脂被覆アルミニウムシームレ
ス缶においては、 1.前記缶胴部におけるアルミニウム外表面が、正反射
光除去方式により測定した反射率から、D65光源およ
び2°視野の条件により算出した値であるL* * *
表色系色度で表わして、明度L* 値が60よりも大き
く、下記式(5) c* =(a*2+b*21/2 ‥(5) で定義される彩度c* が5よりも小さいこと、 2.上記樹脂被覆アルミニウム板が、下記成分 Si 0.05 〜 1.5 重量% Fe 0.05 〜 1.0 重量% Mg 0.20 〜 5.5 重量% Cu 0 〜 0.35重量% Mn 0 〜 2.0 重量% を含有するアルミニウム合金を基材とするものであり、
缶胴側壁部の最小金属厚みが0.06乃至0.16mm
であり且つ缶胴部の最小板厚みが原板の70%以下であ
る缶体であって、この缶の周方向を長手方向とし、1/
2缶高さの位置で缶底の圧延方向と直角方向が中央とな
る様にとった平行部の幅6mmの引っ張り試験片におい
て、下記式(6) εw=ln(tb/tw) … (6) 式中、twは試験片の金属厚みを、tbは試験片延性破
断面の金属厚みを示す、で定義される缶胴極限変形能ε
w及び最大引張荷重Fkgfが、下記式(7)、(8)及び
(9) εw≦0.06F−2.1 … (7) 15≦F<30 … (8) 及び εw≦−0.7 … (9) を同時に満たすこと、3.缶底部の内面側ポリエステル
層の重量平均分子量(M1 )とネックイン加工部直下の位
置における内面側ポリエステル層の重量平均分子量(M
2)とが下記式(10)、(11) M1 ≧ 50000 … (10) M2/M1 ≧ 0.9 … (11) を同時に満たすこと、4.樹脂被覆アルミニウム板が少
なくとも一種の非硫黄系酸化防止剤を含有するポリエス
テル組成物を金属素材上に押出しコートすることにより
形成されたものであること、が好ましい。本発明によれ
ばまた、アルミニウム板の両面に熱可塑性ポリエステル
を押出しコートし、この積層板について、実質上ドライ
の状態で、1ストロークで絞り成形としごき成形とを同
時に行う手段を、第一段から最終段まで複数にわたって
行うことを特徴とする被覆アルミニウムシームレス缶の
製造方法が提供される。
【0016】
【発明の実施の形態】
[作用]本発明の被覆アルミニウムシームレス缶では、
缶内面のアルミニウム表面が、缶底部、缶胴側壁最薄肉
部及びネック肩部において、前記式(1)、(2)及び
(3)の全てを満足する表面粗さに保持されているこ
と、及び有機被覆が前記式(4)で定義される吸光度比
(Dc)が0.9以下である熱可塑性ポリエステルであ
ることが顕著な特徴である。
【0017】本発明では、被覆アルミニウムシームレス
缶において、基材であるアルミニウム内面の表面状態を
上記の特定の範囲に選択し、その上の樹脂被覆を特定の
熱可塑性ポリエステルに選択し、これらを組み合わせる
ことにより、側壁部が高度に薄肉化されており、また種
々の熱処理を受けている場合にも、予め施された内面有
機樹脂被覆のアルミニウム基材への密着性やカバーレッ
ジをほぼ完全なものとすることができると共に、耐デン
ト性を顕著に向上させ、耐内容物性に優れたシームレス
缶を提供することができる。
【0018】材料の表面状態の特性の重要なものの一つ
として、表面粗さがあるが、日本工業規格 JIS B
0601では、この表面粗さとして、中心線平均粗さ
(Ra)、最大高さ(Rmax)および十点平均粗さ
(Rz)の三つの定義と表示とを規定しているが、本明
細書では、これらの内、中心線平均粗さ(Ra)および
十点平均粗さ(Rz)を採用するものである。
【0019】i)中心線平均粗さRa これは、粗さ曲線からその中心線の方向に測定長さLの
部分を抜き取り、この抜き取り部分の中心線をx軸、縦
倍率の方向をy軸とし、粗さ曲線をy=f(x)で表わ
したとき、次の式(12)によって求められる値をマイクロ
メートル(μm)で表わしたものである。
【0020】ii)十点平均粗さRz、これは、断面曲
線から基準長さだけ抜き取った部分において、平均線に
平行、かつ、断面曲線を横切らない直線から縦倍率の方
向に測定した最高から5番目まての山頂の標高の平均値
と最深から5番目までの谷底の標高の平均値との差の値
をマイクロメートル(μm)で表わしたものであり、下
記式(13)で与えられる。 式中、R1 ‥R5 最高から5番目までの標高、 R6 ‥R10 最深から5番目までの標高。
【0021】本発明においては、容器内面側のアルミニ
ウム面について、缶胴部については、圧延目に対して9
0゜の位置について測定を行い、測定方向は缶底部及び
缶胴部の両方について圧延目に直角方向とし、測定条件
としては、カットオフ=0.8mm、測定長さ=2m
m、各点とも5回以上測定の上で平均を求めた。
【0022】表面粗さの内、中心線平均粗さRaは表面
の粗さ曲線の山谷の面積の合計を測定長さで割った値で
あり、一方十点平均粗さRzは粗さ曲線の大きい方の5
点のそれぞれ山と谷の差の値の平均値であって、中心線
平均粗さRaと十点平均粗さRzとは、表面粗さの異な
る特性を表している。即ち、十点平均粗さRzは、中心
線平均粗さRaに比して大きい山谷の影響を表している
ということができ、また実際にもRzはRaよりも大き
い値をとる。
【0023】本発明のアルミニウムシームレス缶では、
式(1)に示すとおり、缶底部の中心線平均粗さRa
(B)が0.5以下であることが基本的に重要である。
缶底部の中心線平均粗さRa(B)は、絞りしごき成形
に使用するアルミニウム基材の中心線平均粗さにほぼ対
応しているが、缶胴側壁最薄肉部及びネック直下部の表
面粗さは原板(底部)の粗さの影響を受け、加工時にお
ける特定部位への応力集中等を回避し、円滑な絞りしご
き加工を可能にするには、Ra(B)が0.5以下であ
ることが不可欠である。
【0024】次に、式(2)に示すとおり、缶胴側壁最
薄肉化部の中心線平均粗さRa(W)が缶胴ネック肩部
の、中心線平均粗さRa(F)よりも小さいことが、缶
胴側壁最薄肉化部の加工に際して、粗さに起因した破胴
やデラミの発生を防止する上で重要である。一般に、深
絞り加工、特に曲げ伸ばしを伴う深絞り加工では、加工
による歪みが大きくなる缶胴の上部ほど表面粗さが大き
くなる。一方で、しごき加工では、しごきの程度が大き
いほど平滑化する傾向があり、従って表面粗さも小さく
なる傾向がある。前記式(2)に示す関係は、絞り効果
による厚肉化のためにしごき率の高くなりやすいネック
・フランジ加工部分と比較して、後述の種々の方法によ
り缶胴側壁に一層有効にしごきを与えることで、破胴や
デラミの発生が防止されたことを示している。
【0025】前記式(1)及び(2)は、アルミニウム
素材の加工性に関して表面状態を規定するものである
が、式(3)に示す十点平均粗さ/中心線平均粗さの比
(Rz/Ra)は、アルミニウム基材と有機樹脂との密
着性や有機樹脂層の加工性に関して、これを規定するも
のである。即ち、後述する例に示すとおり、前記式
(3)を満足しないアルミニウムシームレス缶において
は、ポリエステル層が白化したり、或いは白化しない場
合でもアンダー・フィルム・コロージョンが発生して、
耐腐食性が不満足であるのに対して、前記式(3)を満
足する場合には、ポリエステル層が白化するのが防止さ
れるばかりではなく、耐腐食性や耐デント性に関しても
極めて満足しうる結果が得られる。これは、次のように
考えられる。十点平均粗さ/中心線平均粗さの比が、缶
底部に比して缶胴肩部の方において大きいということ
は、大きい山谷の部分とより平滑な部分とが混在した状
態になっていることを示すものと認められ、山谷の部分
では樹脂層との密着に対してアンカー効果乃至くさび効
果による密着の増大と、アルミ新生面の発生によるより
強い密着面の増加がもたらされ、さらに当然ながら平滑
な部分では良好な密着が保持されている。また、ネック
イン加工やフランジ加工、更には巻締等の2次加工に際
しても、被膜或いは被膜と基材の界面に作用する力を山
谷部が支えることで加工性を向上させていると考えられ
る。
【0026】前記式(1)乃至(3)の全ての表面特性
を有するアルミニウムシームレス缶は、必ずしもこれに
限定されないが、積層板について、実質上ドライの状態
で、1ストロークで絞り成形としごき成形とを同時に行
う手段を、第一段から最終段まで複数にわたって行うこ
とより形成される。
【0027】被覆アルミニウムシームレス缶の耐腐食性
及び耐デント性に関しては、アルミニウム基材の表面特
性に加えて、有機樹脂被覆の選択も重要であり、本発明
では、この被覆が前記式(4)の吸光度比(Dc)が
0.9以下の熱可塑性ポリエステルであることも重要で
ある。
【0028】後述する比較例や図1に示すとおり、同じ
熱可塑性ポリエステルに属する、或いは同じ樹脂構成を
とるものであっても、この吸光度比(Dc)が0.9を上
回る場合には容器用被覆材として問題点が多い。吸光度
比(Dc)が0.9を上回る場合には以下の2つの原因が
ある。即ち二軸延伸フィルムの残存配向量が多すぎる場
合と過度の熱結晶化が進行した場合である。前者の場合
には図1に示すように製缶工程時にデラミを発生するな
ど加工密着性に劣り、後者の場合には比較例5に示すよ
うに白化やクレーズ、割れが生じて耐食性に著しく劣る
容器となる。これに対して、ポリエステル被覆のDcが
0.9以下に抑制されていると、満足すべき耐食性と加
工密着性が得られるのである。
【0029】前記式(4)の吸光度比(Dc)におい
て、波数848.4cm-1の吸光度Bは、熱可塑性ポリエステ
ルの所謂結晶化バンドの特性吸収を示すものであり、一
方波数793.8cm-1の吸光度Aは熱可塑性ポリエステルを
規格化するための特性吸収を示すものであるから、この
吸光度比(Dc)は規格化された形で熱可塑性ポリエス
テルの結晶化の程度を表している。なお、PETにPB
Tがブレンドされているポリエステル樹脂系において
は、一般にPETの結晶化ピークとして知られている97
3cm-1のピーク強度はPBTの影響を受けることが分
かっており、本発明における評価方法としては使用でき
ない。
【0030】ポリエステル被覆アルミニウム積層体の絞
りしごき成形では、絞り成形で積層体が缶軸方向に引き
延ばされ、これに伴ってポリエステル層も軸方向に延伸
され、しごき成形で積層体が厚み方向に圧延され、これ
に伴ってポリエステル層も圧延配向され、その結果ポリ
エステル被覆層は高度に配向結晶化されている。更に、
成形された被覆シームレス缶は、印刷インクを焼き付け
るための加熱や、樹脂被覆の歪み除去安定化等を目的と
して、缶の加熱が行われ、この加熱により、結晶化が著
しく進行する傾向がある。
【0031】本発明においては、この熱可塑性ポリエス
テルの結晶化をDcとして0.9以下に抑制することに
より、ポリエステル層が脆くなる傾向を抑え、ネックイ
ン加工やフランジ加工に対する耐性を向上させ、耐デン
ト性も向上させたものである。
【0032】本発明は、以上説明したとおり、耐内容物
性に関して最も重要なポリエステル被覆シームレス缶の
内面構造及び特性を顕著に改善したものであるが、それ
と同時に、ポリエステル被覆シームレス缶の外面にも全
く新規な特性、特に印刷適性を付与することができる。
【0033】即ち、本発明のポリエステル被覆シームレ
ス缶の外面は、正反射光除去方式により測定した反射率
から、D65光源および2°視野の条件により算出した
値であるL* * * 表色系色度で表わして、明度L*
値が60よりも大きく、下記式(5) c* =(a*2+b*21/2 ‥(5) で定義される彩度c* が5よりも小さいという特徴を有
している。
【0034】一般に、色は色相、明度、彩度の三属性の
組み合わせにより正確に数値として表すことができる。
* * * 表色系(JIS Z 8729)において
は、L* は、明度、即ち明るさの度合(0〜100)を
表わし、a* * は、色相と彩度を表す色度に関する単
位であり、a* * は夫々色の方向を示し(+60〜−
60)、a* は赤−緑方向を示し、b* は黄−青方向を
示す。 a* 値とb*値が交差する点が色度となり、中
心とこの点を結ぶ線の角度が色相を示す角度となる。彩
度c* は前記式(5)の値となる。
【0035】本発明においては、シームレス缶の胴部外
面の中央部について、MlNOLTA株式会社製 CM
−3700d(色彩管埋ソフトウエアーCM−S3W)
の分光測色計を用いて、正反射光除去方式により測定し
た反射率から、D65光源および2°視野の条件により
算出してL* * * を求めた。
【0036】本発明のシームレス缶では、ポリエステル
層を通して入射した光線はアルミニウム基材表面で反射
され、この反射光が色となって知覚されるが、正反射光
除去方式で測定して、明度L* が60よりも大きく、し
かも彩度c* が5よりも小さいという特性は、アルミニ
ウムシームレス缶としては、全く予想外の特性であると
いうことができる。
【0037】即ち、従来のアルミニウムシームレス缶で
は、後述する比較例に示すとおり、正反射光除去方式の
測定において、明度L* が60よりも小さく、しかも彩
度c * が5よりも大きい特性を示し、黒っぽい外観を与
える。これは、従来のアルミニウム缶では、正反射の比
率が極めて大きいためと考えられる。これに対して、本
発明のシームレス缶では、明るくしかも彩度が小さいた
め、外面印刷に際して、従来ホワイトコーティングと呼
ばれる明度を向上させるための下塗りコーティングを施
す必要なしに、鮮明な印刷像を形成しうることを意味し
ている。
【0038】本発明のアルミニウムシームレス缶は、 Si 0.05 〜 1.5 重量% Fe 0.05 〜 1.0 重量% Mg 0.20 〜 5.5 重量% Cu 0 〜 0.35重量% Mn 0 〜 2.0 重量% を含有するアルミニウム合金を基材とするものであるこ
とが加工性と耐食性との点で好ましい。
【0039】また、缶胴側壁部の最小金属厚みは0.0
6〜0.16mmの範囲にあり、且つ缶胴壁の最小板厚
が原板の板厚の70%以下であることが好ましい。本発
明では、缶胴側壁を薄肉化できるが、缶胴側壁部の最小
金属厚みが0.06mmより小さいと缶高さ方向の軸強
度が弱くなり、缶巻締め時に座屈する傾向がある。一
方、缶胴側壁部の最小金属厚みが0.16mmより大き
いと、缶体の軽量化が不十分で、材料使用の量も多くな
り、経済的でない。容器の軽量化及び経済性の点で、缶
胴側壁の最小板厚が原板の板厚の70%以下となるよう
に薄肉化されているべきである。
【0040】ネックイン加工、フランジ加工、バルジ加
工、ビード加工、周状多面体壁加工等の二次加工性の点
では、以下に述べる缶胴極限変形能εw及び最大引っ張
り荷重Fkgfが前記式(7)、(8)及び(9)を同
時に満たす関係にあることが望ましい。
【0041】缶胴極限変形能εwの測定は、次の通り行
う。即ち、缶高さHmmのシームレス缶について、高さ
H/2付近の缶胴中央部より、缶の周方向を長手方向と
し且つ缶底の圧延方向と直角方向が中央となるように、
平行部の巾6mm、金属部の板厚twmmの引張試験片
をサンプリングする。この引張試験片について引張試験
を行う。引張試験結果は、引張速度により左右され、板
厚が非常に薄い場合には、特にそうであるので、チャッ
クスピードとして、0.5〜1.2mm/minの速度
で試験を行う。この引張試験により、最大引張荷重FK
gfと試験片延性破断面の金属厚tbmmが計測され
る。図1は試験片の引張試験により中央で切断した半切
を示す。胴部の金属厚さはtwであり、引張試験により
切断した部分の金属厚さはtbとなっている。tbは、
延性破断面、すなわち、走査型電子顕微鏡により観察し
たときに、板厚方向全体が延性ディンプル破面となって
いる部分の厚さである。この計測値から、缶胴極限変形
能εwは、下記式(6) εw=ln(tb/tw) ‥(6) から容易に求められる。缶胴極限変形能εwは、tb<
twであるから、必ず負の値をとる。
【0042】図2は、引張荷重と缶胴極限変形能の関係
を示すグラフであって、このグラフには、各実施例及び
比較例の番号も同時にプロットされている。直線1はε
w=0.06F−2.1の直線であり、直線2はF=1
5の線であり、直線3はεw=−0.7の線であり、且
つ直線4はF=30の線である。直線1よりも上の領域
では、二次加工性が悪くなる傾向があり、直線3よりも
上の領域では、ネックイン加工に際してしわが発生した
り、缶胴が座屈する傾向がある。また、直線2より右側
では容器剛性が不足する。直線4よりも左側の領域で
は、加工性や剛性の点では問題がないが、板厚が大きく
なりすぎて、容器重量が増大し、また経済的に不利とな
る。各直線の内側且つ下側、即ち前記式(7)、(8)
及び(9)を同時に満たす範囲では、二次加工性、剛性
及び容器軽量化の点で満足すべき結果が得られる。
【0043】本発明では、アルミニウム板の両面に熱可
塑性ポリエステルを押出コートし、この積層板につい
て、実質上ドライの状態で、1ストロークで絞り成形と
しごき成形とを同時に行う手段を、第一段から最終段ま
で複数にわたって行うことにより、被覆アルミニウムシ
ームレス缶を製造する。
【0044】本発明では、絞りしごき成形のどの段階で
も、1ストロークで絞り成形としごき成形とが同時に行
われ、これにより、ポリエステル層にダメージを与える
ことなく、トータルとして側壁部の高度の薄肉化が可能
となる。これは、アルミニウム基材に対しては勿論、ポ
リエステル被覆層に対しても、種類の異なる2種の成
形、即ち絞りよる軸方向への引き延ばし変形としごきに
よる厚み方向への圧延とが、一工程毎にバランスよく行
われるためと考えられる。更に、既に指摘したとおり、
この加工方法では、シームレス缶のアルミニウム内面に
前述した表面粗さを有する表面を形成できると共に、外
面にも新規な特性、即ち優れた印刷適性を付与すること
が可能となる。
【0045】本発明の製造法では、ポリエステル層を押
出コートでアルミニウム基材の表面に被覆することも重
要である。押出コートされたポリエステル層は、溶融状
態から急冷(過冷却)されるので、非晶質であり、絞り
しごき加工に対する加工性に優れていると共に、成形さ
れた缶の状態においても結晶化度が低い状態に抑制され
ており、2次加工等に対する加工性にも優れている。
【0046】本発明の方法では、アルミニウム素材が、
加工工具と直接接触することなく、絞りしごき成形が行
われる。このため、実質上ドライの状態、即ち、クーラ
ント等によるウエットな状態での潤滑・冷却を行うこと
なく、ドライ潤滑の状態で絞りしごき成形を行うことが
可能となる。勿論、このようなドライの状態での絞りし
ごき成形も、1ストローク毎に絞り成形としごき成形と
を同時に行うことにより、初めて可能となるものであ
る。1ストローク毎に絞り成形としごき成形とを同時に
行う工程は、所望の径と所望の側壁部の薄肉化とが達成
されるまで、複数段にわたって行われ、これにより所望
の被覆アルミニウムシームレス缶が得られる。
【0047】かくして、本発明の方法によれば、従来技
術におけるクーラントの使用なしに、ドライの状態にお
いて、有機樹脂被覆アルミニウム板の絞りしごき加工を
行いうるため、脱脂洗浄及び乾燥等の工程が不要とな
り、また成形後の缶体に塗装を施すことも不要であり、
シームレス缶を少ない工程数と高い生産性をもって製造
することができる。このため、本発明の方法は、省資源
が可能であり、また塗装排気の排出もないため、環境に
優しい製造方法を提供するものである。
【0048】本発明のシームレス缶における耐デント
性、落下衝撃等による打痕が発生した場合にも、尚優れ
た耐食性を示すという性質は、延伸配向の効果に加え
て、用いたポリエステルではなく、実際に缶内面に存在
しているポリエステル層の分子量にも依存することが分
かった。押出しラミネート法を用いて作成した未配向樹
脂積層体から缶成形をおこなった場合、延伸加工の後に
熱処理を受けることによってポリエステルの分子量低下
が生じることが見出され、この結果ネックイン加工部直
下の耐デント性が劣る傾向がある。本発明において、缶
底部の内面側ポリエステル層の重量平均分子量(M1 )と
ネックイン加工部直下の位置における内面側ポリエステ
ル層の重量平均分子量(M2)とが下記式(10)、(11) M1 ≧ 50000 … (10) M2/M1 ≧ 0.9 … (11) を同時に満たす場合には、優れた耐デント性が維持され
る。
【0049】実際に缶内面に存在するポリエステル樹脂
被覆層は、極めて苛酷な加工もさることながら、種々の
熱処理による熱減成による劣化の影響も極めて大であ
る。この熱減成は、少なくとも一種の非硫黄系酸化防止
剤を含有するポリエステル組成物を金属素材上に押出し
コートすることにより防止できる。
【0050】[アルミニウム板]アルミニウム基材とし
ては、従来シームレス缶の製造に使用されているアルミ
ニウム合金板の内、耐腐食性と加工性とに優れているも
のが使用される。勿論、このアルミニウム板の表面粗さ
Raが0.5以下のものでなければならない。
【0051】本発明では、はアルミニウム原板として、
下記組成 Si 0.05〜1.5 重量% Fe 0.05〜1.0 重量% Mg 0.2 〜5.5 重量% Cu 0.35〜0 重量% Mn 2.0〜 0 重量% を有するアルミニウム原板を使用するのが望ましい。
【0052】Siが0.05重量%よりも少ないものは
工業用材料としては入手することが困難であり、一方、
1.5重量%を越えるものでは加工性が低下し、耐食性
も劣る傾向がある。また、Feが0.05重量%よりも
少ないものは工業材料として入手することが困難であ
り、一方、1.0重量%を越えるものでは加工性が低下
し、耐食性も劣る傾向がある。更に、Mgが5.5重量
%を上回ると加工性が低下し、0.2重量%を下回ると
強度が不足するので、何れも好ましくない。また、Cu
が0.35重量%を上回ると耐食性が劣る傾向があるの
で好ましくない。更にまた、Mnが2:0重量%を上回
ると金属間化合物が粗大化し、フランジクラックが生じ
やすくなるので好ましくない。
【0053】また、アルミニウム板としては、厚みが
0.2乃至0.8mm、特に0.2乃至0.3mmの範
囲にあるものが好適に使用される。
【0054】用いるアルミニウム板は、表面にそれ自体
公知の任意の化成処埋層を有することが望ましい。化成
処埋被膜としては、加工性の他に、耐水性あるいは耐食
性を有することが特に重要であり、例えば、従来より塗
装下地用の化成処理として利用されているリン酸クロメ
ート、あるいはジルコニウムやチタンの酸化物を主成分
とする化成被膜あるいはポリアクリル酸−ジルコニウム
塩の複合被膜等がある。被膜量としては、被膜構成主金
属成分の重量として、5〜300mg/m2 程度が好ま
しい。
【0055】本発明では、最大引張強さTS Kg/m
2 が式(13) 25≦TS≦45 ‥(13) にあるアルミニウム原板を使用するのが、缶体としての
強度特性の点で好ましい。
【0056】[熱可塑性ポリエステル]本発明に用いる
ポリエステル層は、シームレス缶の内面被覆の状態で前
記式(4)で表される吸光度比(Dc)が0.9以下の
ものであり、好ましくは、前記式(10)及び(12)
をも満足するようなものであり、後述する実施例に示す
ように単層、2層など被覆の層構成を問わない。
【0057】上記ポリエステル乃至ポリエステル組成物
は、被覆層の物性と溶融押出特性の点から、0.5乃至
2.0dl/g、特に0.6乃至1.5dl/gの固有
粘度(IV)を有するのが望ましく、また、耐熱性や加
工性と溶融押出特性の点から、160乃至270℃、特
に200乃至250℃の融点(Tm)を有することが好
ましい。またブレンドされた樹脂の場合であっても上記
範囲に少なくとも一つの融解ピークを持つことが好まし
い。
【0058】ポリエステルが誘導される酸成分として
は、テレフタル酸、イソフタール酸、オルソフタール
酸、P−β−オキシエトキシ安息香酸、ナフタレン−
2,6−ジカルボン酸、ジフェノキシエタン−4,4’
−ジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸等
の二塩基性芳香族ジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタ
ル酸、シクロヘキサンジ酢酸等の脂環族ジカルボン酸、
アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸、トリ
メリット酸、ピロメリット酸、ヘミメリット酸、1,
1,2,2−エタンテトラカルボン酸、1,1,2−エ
タントリカルボン酸、1,3,5−ペンタントリカルボ
ン酸、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン
酸、ビフェニル−3,4,3’,4’−テトラカルボン
酸等の多塩基酸等が挙げられる。勿論、これらは、単独
でも或いは2種以上の組み合わせでも使用される。
【0059】ポリエステルが誘導されるアルコール成分
としては、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、1,6−ヘキシレングリコール、ジエチレングリコ
ール、トリエチレングリコール、シクロヘキサンジメタ
ノール等のジオール類や、ペンタエリスリトール、グリ
セロール、トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキ
サントリオール、ソルビトール、1,1,4,4−テト
ラキス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン等の多価ア
ルコール等が挙げられる。勿論、これらは、単独でも或
いは2種以上の組み合わせでも使用される。
【0060】熱可塑性ポリエステルの具体例としては、
(a)テレフタール酸等の芳香族ジカルボン酸を主体と
する二塩基酸、(b)エチレングリコール及び/または
ブチレングリコールを主体とするジオール、或いは更に
及び(c)三官能以上の多塩基酸及び多価アルコールか
ら成る群より選択された少なくとも1種の分岐乃至架橋
成分から誘導されたポリエステル乃至ポリエステル組成
物が挙げられる。三官能以上の多塩基酸及び多価アルコ
ールとしては、前に例示したものが使用される。
【0061】テレフタール酸等の芳香族ジカルボン酸は
二塩基酸成分の80モル%以上、特に90モル%以上で
存在するのがよく、一方エチレングリコール及び/また
はブチレングリコールはジオール成分の55モル%以
上、特に80モル%以上で存在するのがよい。
【0062】三官能以上の多塩基酸及び多価アルコール
ビスフエノールの多官能成分は、ポリエステル乃至ポリ
エステル全体当たり0.05乃至3.0モル%、好まし
くは0.1乃至3.0モル%含有されていることが好ま
しい。
【0063】本発明で好適に使用されるポリエステル乃
至ポリエステル組成物は、結晶化を低く抑制し、且つ絞
りしごきに対する加工性を向上させる目的で、(I)ポ
リエチレンテレフタレート・セグメントと(II)ブチレ
ングリコールと芳香族二塩基酸とから誘導されたポリエ
ステル・セグメントと(III )ブチレングリコールと脂
肪族二塩基酸とから誘導されたポリエステル・セグメン
トとを、合計量を100重量部として、I:II:III =
30〜80:8〜63:2〜42の重量比で含有する。
【0064】本明細書において、セグメントとは、通常
使用されている意味、即ち、鎖状高分子の特性を統計的
に表現する際に使用される高分子鎖中の最小単位であ
る。前述した各ポリエステル・セグメントは、それぞれ
固有の特性を示すものであることは、既に指摘したとこ
ろであるが、これらの各ポリエステル・セグメントは、
統計的に上記の組成比でポリエステル乃至ポリエステル
組成物に含まれていればよく、その存在状態は特に問わ
ない。例えば、ポリエステル相互のブレンド物でもよ
く、また共重合ポリエステルでもよい。
【0065】しかしながら、本発明においては、(I)
エチレンテレフタレート・セグメントを主体とするポリ
エステル(A)と、ポリエステル・セグメント(II)及
びポリエステル・セグメント(III )を含む共重合ポリ
エステル(B)とのブレンド物であることが好ましいの
で、以下この例について詳細に説明するが、本発明はこ
の場合に限定されない。
【0066】本発明で一方の成分として用いるエチレン
テレフタレート系結晶性ポリエステル(A)は、エステ
ル反復単位の大部分、80モル%以上をエチレンテレフ
タレート単位が占める結晶性ポリエステルが好適であ
る。ホモポリエチレンテレフタレートが耐熱性の点で好
適であるが、エチレンテレフタレート単位以外のエステ
ル単位の少量を含む共重合ポリエステルも使用し得る。
【0067】テレフタル酸以外の酸成分としては、イソ
フタル酸、オルソフタル酸、P−β−オキシエトキシ安
息香酸、ナフタレン2,6−ジカルボン酸、ジフェノキ
シエタン−4,4′−ジカルボン酸、5−ナトリウムス
ルホイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、アジピ
ン酸、セバシン酸、ダイマー酸、トリメリット酸及びピ
ロメリット酸から成る群より選ばれた多塩基酸の少なく
とも1種が好適である。共重合成分としてイソフタル酸
を含むポリエステルは耐内容物性、内容物の香味保持性
等に優れている。
【0068】ジオール成分は、エチレングリコールのみ
からなることが好適であるが、本発明の本質を損なわな
い範囲で、それ以外のジオール成分、例えば、プロピレ
ングリコール、1,4−ブタンジオール、ジエチレング
リコール、1,6−ヘキシレングリコール、ペンタエリ
スリトール、ジペンタエリスリトール、シクロヘキサン
ジメタノール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド
付加物等の1種又は2種以上が含まれていてもよい。
【0069】用いるエチレンテレフタレート系結晶性ポ
リエステル(A)は、フィルム形成範囲の分子量を有す
るべきであり、溶媒として、フェノール/テトラクロロ
エタン混合溶媒を用いて測定した極限粘度〔η〕は0.
5乃至1.5、特に0.6乃至1.5の範囲にあるのが
よい。また、このポリエステル(A)の融点(Tm)
は、200乃至290℃、特に210乃至280℃の範
囲に、またガラス転移点(Tg)は、20乃至90℃、
特に30乃至80℃の範囲にあるのがよい。
【0070】本発明で他方の成分として用いる共重合ポ
リエステル(B)は、(II)ブチレングリコールと芳香
族二塩基酸とから誘導されたエステル単位と(III )ブ
チレングリコールと脂肪族二塩基酸とから誘導されたエ
ステル単位とを前記量比で含む共重合ポリエステルであ
る。
【0071】エステル単位(II)を構成する芳香族二塩
基酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフ
タル酸、P−β−オキシエトキシ安息香酸、ナフタレン
2,6−ジカルボン酸、ジフェノキシエタン−4,4′
−ジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、
トリメリット酸、ピロメリット酸、3,4,3’,4’
−ビフェニルテトラカルボン酸等が挙げれるが、テレフ
タル酸が好適である。
【0072】エステル単位(III )を構成する脂肪族二
塩基酸成分としては、コハク酸、アゼライン酸、アジピ
ン酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸、ドデカン
二酸、テトラデカン二酸、ダイマー酸等をあげることが
できるが、Tgを低下する効果が大きいことから長鎖の
脂肪族二塩基酸が好ましく、工業的生産の見地から特に
アジピン酸が好ましい。
【0073】ジオール成分は、ブチレングリコールのみ
からなることが好適であるが、本発明の本質を損なわな
い範囲内で、ブチレングリコール以外のジオール成分と
しては、エチレングリコール、プロピレングリコール、
ジエチレングリコール、1,6−ヘキシレングリコー
ル、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールAの
エチレンオキサイド付加物等の1種又は2種以上を含有
していてもよい。
【0074】この共重合ポリエステル(B)は、芳香族
エステル単位(II)と 脂肪族エステル単位(III )と
を前記量比で含むことも、結晶性を可及的に低く抑える
ことや、物性の点で重要であり、脂肪族エステル単位
(III) の含有量が上記範囲よりも少ないときには、耐
衝撃性(耐デント性)の改善が不十分であり、一方上記
範囲を上回ると、被覆の耐熱性、加工性、腐食成分に対
するバリアー性等が低下するようになる。
【0075】この共重合ポリエステル(B)も、フィル
ム形成範囲の分子量を有するべきであり、溶媒として、
フェノール/テトラクロロエタン混合溶媒を用いて測定
した極限粘度〔η〕は0.5乃至2.0、特に0.6乃
至2.0の範囲にあるのがよい。 また、共重合ポリエ
ステル(ii)の融点(Tm)は、120乃至230℃、
特に130乃至225℃の範囲に、またガラス転移点
(Tg)は、−30乃至30℃、特に−30乃至20℃
の範囲にあるのがよい。
【0076】本発明では、エチレンテレフタレート系ポ
リエステル(A)と上記の特定の共重合ポリエステル
(B)とを前述した量比となるようにブレンドして使用
する。混合は乾式混合で行っても、或いはメルトブレン
ドによって行ってもよい。
【0077】本発明で用いるポリエステル組成物は、エ
チレンテレフタレート系ポリエステル(A)と共重合ポ
リエステル(B)のブレンドであることに関連して、示
差熱分析に付すると、エチレンテレフタレート系ポリエ
ステル(A)に特有の融点(Tm1 )と、共重合ポリエ
ステル(B)に特有の融点(Tm2 )とを示す。勿論、
各ピークの高さは両成分の配合比に依存する。この事実
は、均一の組成物であっても、エチレンテレフタレート
系ポリエステル(A)と共重合ポリエステル(B)とが
主として互いに独立の相として存在していることを示し
ている。
【0078】各成分の混合乃至混練操作は、ブレンダー
やヘンシェルミキサー等を用いて乾式混合を行った後、
各種ニーダー或いは一軸乃至二軸の押出型溶融混練装置
や射出機用混練装置を用いて、溶融混練を行うことがで
きる。
【0079】(酸化防止剤)本発明に用いる酸化防止剤
は、ポリエステルの溶融押出し時に揮発してしまうのを
防ぐ目的で分子量400以上の酸化防止剤であることが
望ましく、これに限定されるものではないが、高分子フ
ェノール系酸化防止剤、例えば、テトラキス[メチレン
−3(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシ
フェニル)プロピオネート)メタン(分子量1177.
7)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキ
シ−5−t−ブチルフェニル)ブタン(分子量544.
8)、1,3,5−トリメチルー2,4,6−トリス
(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)
ベンゼン(分子量775.2)、ビス[3,3’−ビス
−(4’−ヒドロキシ−3’−t−ブチルフェニル)ブ
チリックアシッド]グリコールエステル(分子量79
4.4)、1,3,5−トリス(3’5’−ジ−t−ブ
チル−4’−ヒドロキシベンジル)−s−トリアジン
2,4,6−(1H,3H,5H)トリオン(分子量7
83.0)、トリエチレングリコール−ビス[3−(3
−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート](分子量586.8)、1,6−ヘキ
サンジオール−ビス[3−(3、5−ジ−t−ブチル−
4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート(分子量63
8.9)等を用いることができる。中でも特に、テトラ
キス[メチレン−3(3’,5’−ジ−t−ブチル−
4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)メタンが
好適である。
【0080】分子量400以上の酸化防止剤の他の例と
して、トコフェロール系酸化防止剤、例えばα−型、β
−型、γ−型、δ−型等のトコフェロールを挙げること
ができる。α−トコフェロールが特に好適である。
【0081】これらの酸化防止剤は、前記ポリエステル
乃至ポリエステル組成物100重量部当たり0.01乃
至1.5重量部の量で用いる。
【0082】勿論、このポリエステル組成物には、それ
自体公知の樹脂用配合剤、例えば非晶質シリカ等のアン
チブロッキング剤、二酸化チタン(チタン白)等の顔
料、各種帯電防止剤、滑剤等を公知の処方に従って配合
することができる。
【0083】[積層体及びその製造]本発明の積層体の
断面構造の一例を示す図4において、この積層体1はア
ルミニウム基体2と少なくとも内面側に位置するポリエ
ステル層3及び外面側に位置するポリエステル層4とか
らなっている。積層体の断面構造の他の例を示す図5に
おいて、ポリエステル層3とアルミニウム基体2との間
に接着用プライマーの層5を設けている以外は、図4の
場合と同様である。
【0084】積層体の断面構造の他の例を示す図6にお
いて、ポリエステル組成物層3を下地樹脂層とし、この
ポリエステル組成物層3の上にエチレンテレフタレート
系ポリエステルの表面樹脂層6を設けている以外は図6
の場合と同様である。
【0085】本発明に用いるポリエステル−アルミニウ
ムラミネートは、前記ポリエステル組成物を溶融状態で
アルミニウム基体上に押出しコートして、熱接着させる
ことにより製造することができる。また、好ましい方法
とはいえないが、後述の実施例4に示すように別法とし
て、予め製膜されたポリエステルフィルムをアルミニウ
ム基体に、ポリエステルがほぼ溶融状態で熱接着させる
ことによっても製造することができる。
【0086】本発明において、押出コートに使用するポ
リエステル層は、単層であっても、また多層の積層構造
のものであってもよい。多層の場合、下地樹脂層が前述
したブレンド物から成り、表面樹脂層が前述したエチレ
ンテレフタレート系結晶性ポリエステル或いはエチレン
テレフタレート単位を主体としエチレンイソフタレート
単位を20モル%以下の量で含む共重合ポリエステルか
ら成るのがよい。表面樹脂層は、70℃以上のガラス転
移点(Tg)を有することが好ましい。
【0087】本発明に使用するポリエステル層の厚み
は、全体として、2乃至100μm、特に5乃至50μ
mの範囲にあるのが金属の保護効果及び加工性の点でよ
い。多層の場合、ブレンド物層と、エチレンテレフタレ
ート系ポリエステル層とは、96:4乃至4:96の厚
み比を有するのがよい。
【0088】ポリエステル−金属ラミネートの押出コー
ト法による製造方法を説明するための図7において、金
属板11を必要により加熱装置12により予備加熱し、
一対のラミネートロール13、13間のニップ位置13
aに供給する。一方、ポリエステル組成物は、金属板の
両側に配置された押出機のダイヘッド14、14を通し
て薄膜15、15の形に押し出し、ラミネートロール1
3と金属板11との間に供給され、ラミネートロール1
3により金属板11に圧着される。ラミネートロール1
3は、一定の温度に保持されており、金属板11にポリ
エステル組成物から成る薄膜15を圧着して両者を熱接
着させると共に両側から冷却して積層体16を得る。一
般に、形成される積層体16を更に冷却用水槽18等に
導いて、熱結晶化を防止するため、急冷を行う。
【0089】この押出コート法では、樹脂組成の選択と
ロールや冷却槽による急冷とにより、ポリエステル乃至
ポリエステル組成物の層は、結晶化度が、低いレベルに
抑制されているため、ついで行う絞りしごき加工に対す
る十分な加工性が保証される。勿論、急冷操作は上記例
に限定されるものではなく、形成されるラミネートに冷
却水を噴霧して、ラミネートを急冷することもできる。
【0090】金属基体に対するポリエステル組成物の熱
接着は、溶融ポリエステル層が有する熱量と、金属板が
有する熱量とにより行われる。金属板の加熱温度(T1
)は、一般に90℃乃至290℃、特に100℃乃至
280℃の温度が適当であり、一方ラミネートロールの
温度は10℃乃至150℃の範囲が適当である。
【0091】本発明において、積層体の製造に予め製膜
されたポリエステルフィルムを使用することもできる。
この場合には、ポリエステルの結晶化度を低く抑制する
ため、ポリエステルフィルムをほぼ完全に溶融するよう
にするのがよい。このフィルムは、上記ポリエステル組
成物をT−ダイ法でフィルムに成形し、過冷却された未
配向のキャストフィルムとする。この未配向のフィルム
を熱接着に用いることもできるし、また、このキャスト
フィルムを延伸温度で、逐次或いは同時二軸延伸し、延
伸後のフィルムを熱固定したものをラミネートの製造に
用いることもできる。
【0092】ポリエステルフィルムと金属素材の間に所
望により設ける接着プライマーは、金属素材とポリエス
テル組成物層との両方に優れた接着性を示すものであ
る。密着性と耐腐食性とに優れたプライマー塗料の代表
的なものは、種々のフェノール類とホルムアルデヒドか
ら誘導されるレゾール型フェノールアルデヒド樹脂と、
ビスフェノール型エポキシ樹脂とから成るフェノールエ
ポキシ系塗料であり、特にフェノール樹脂とエポキシ樹
脂とを50:50乃至5:95重量比、特に40:60
乃至10:90の重量比で含有する塗料である。接着プ
ライマー層は、一般に0.01乃至10μmの厚みに設
けるのがよい。接着プライマー層は予め金属素材上に設
けてもよい。
【0093】[絞りしごき缶及びその製造]本発明のシ
ームレス缶の一例を示す図9において、このシームレス
缶21は前述したポリエステル−アルミニウムラミネー
ト1の多段の絞り−しごき加工により形成され、底部2
0と側壁部22とから成っている。側壁部22の上端に
は所望によりネック部23を介してフランジ部24が形
成されている。この缶21では、底部20に比して側壁
部22は曲げ伸ばし−しごき加工により積層体元厚の7
0%以下、特に30乃至70%の厚みとなるように薄肉
化されている。
【0094】この被覆アルミニウムシームレス缶のアル
ミニウム内面が、前記式(1)乃至(3)の表面粗さ特
性を有することは、既に詳述したとおりであり、内面被
覆となる熱可塑性ポリエステルが0.9以下の吸光度比
(Dc)を有することも既に述べたとおりである。
【0095】更に、シームレス缶の外面が、色彩学的特
性を有し、印刷適性に優れていること、及び缶胴が前記
式(7)乃至(9)の極限変形性能を有し二次加工性に
優れていることも既に指摘したとおりである。
【0096】本発明のシームレス缶は、アルミニウム板
の両面に熱可塑性ポリエステルを押出しコートし、この
積層板について、実質上ドライの状態で、1ストローク
で絞り成形としごき成形とを同時に行う手段を、第一段
から最終段まで複数にわたって行うことにより製造され
る。
【0097】この製造工程の一例を説明する図10にお
いて、第1工程(I)で、ラミネート板を大径D0 を有
する浅絞りカップ31に絞りしごき成形し、第2工程
(II)で、第1工程で得られた浅絞りカップを中間の径
1 を有するより深く絞られたカップ32に絞りしごき
成形し、最終工程で工程(III) で、第2工程のカップ
を最終の径D2 を有する深絞りカップ33に絞りしごき
成形する。即ち、これらの全ての工程で、1ストローク
で絞りに次いでしごき加工が同時に行われているのが特
徴である。
【0098】本発明の方法において、上記の同時絞りし
ごき加工はドライの状態で行われることが特徴であり、
公知のDI缶製造において用いられるようなクーラント
(ウエット潤滑)は用いず、絞りしごき成形すべきラミ
ネートに極めて少量の滑剤を塗布することとにより、ド
ライの潤滑状態で加工を行う。滑剤としては、(イ)流
動、天然または合成のワックス類、例えば、パラフィン
ワックス、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレ
ンワックス、羊毛蝋、カルナウバワックス、綿実蝋、ワ
セリン等、(ロ)ステアリン酸、ラウリン酸等の脂肪酸
系のもの、(ハ)ステアリン酸アミド、バルミチン酸ア
ミド、オレイン酸アミド、エシル酸アミド、メチレンビ
スステアロアミド、エチレンビスステアロアミド等の脂
肪酸モノアミド系またはビスアミド系のもの、(ニ)ブ
チルステアレート、硬化ヒマシ油、パーム油、牛脂、豚
脂、エチレングリコールモノステアレート等のエステル
系乃至油脂系のもの、(ホ)セチルアルコール、ステア
リルアルコール等のアルコール系のもの、(ヘ)ステア
リン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム等の金属
石ケンおよび(ト)それらの混合系が一般に用いられ
る。これらの滑剤は、一般に片面当たり、20乃至20
0mg/m2 程度の量で塗布して用いるのが好ましい。
【0099】図10の絞りしごき加工において、第2段
以降の絞りしごき加工においては、絞り成形用のダイス
コーナ部を利用して、絞り成形時に曲げ延ばしを行うこ
とが好ましい。
【0100】ラミネートの同時絞り−しごき成形は次の
手段で行われる。即ち、最終段の絞りしごき成形を示す
図11において、被覆アルミニウム板から成形された前
絞りカップ41は、このカップ内に挿入された環状の保
持部材42とその下に位置する再絞り−しごきダイス4
3とで保持される。これらの保持部材42及び再絞り−
しごきダイス43と同軸に、且つ保持部材42内を出入
し得るように再絞り−しごきポンチ44が設けられる。
再絞り−しごきポンチ44と再絞り−しごきダイス43
とを互いに噛みあうように相対的に移動させる。
【0101】再絞り−しごきダイス43は、上部に平面
部45を有し、平面部の周縁に曲率半径の小さい作用コ
ーナー部46を備え、作用コーナー部に連なる周囲に下
方に向けて径の減少するテーパー状のアプローチ部47
を有し、このアプローチ部に続いて小曲率部48を介し
て円筒状のしごき用のランド部(しごき部)49を備え
ている。ランド部49の下方には、逆テーパ状の逃げ5
0が設けられている。
【0102】前絞りカップ41の側壁部は、環状保持部
材42の外周面51から、その曲率コーナ部52を経
て、径内方に垂直に曲げられて環状保持部材42の環状
底面55と再絞りダイス43の平面部45とで規定され
る部分を通り、再絞りダイス43の作用コーナ部46に
より軸方向にほぼ垂直に曲げられ、前絞りカップ41よ
りも小径の深絞りカップに成形される。この際、作用コ
ーナー部46において、コーナー部46と接する側の反
対側の部分は、曲げ変形により伸ばされ、一方、作用コ
ーナー部と接する側の部分は、作用コーナー部を離れた
後、戻し変形で伸ばされ、これにより側壁部の曲げ伸ば
しによる薄肉化が行われる。
【0103】曲げ伸ばしにより薄肉化された側壁部は、
その外面が径の次第に減少する小テーパー角のアプロー
チ部47と接触し、その内面がフリーの状態で、しごき
部49に案内される。側壁部がアプローチ部を通過する
行程は続いて行うしごき行程の前段階であり、曲げ伸ば
し後のラミネートを安定化させ、且つ側壁部の径を若干
縮小させて、しごき加工に備える。即ち、曲げ伸ばし直
後のラミネートは、曲げ伸ばしによる振動の影響があ
り、フィルム内部には歪みも残留していて、未だ不安定
な状態にあり、これを直ちにしごき加工に付した場合に
は、円滑なしごき加工を行い得ないが、この具体例によ
れば、側壁部の外面側をアプローチ部47と接触させて
その径を縮小させると共に、内面側をフリーの状態にす
ることにより、振動の影響を防止し、フィルム内部の不
均質な歪みも緩和させて、円滑なしごき加工を可能にす
るものである。
【0104】アプローチ部47を通過した側壁部は、し
ごき用のランド部(しごき部)49と再絞り−しごきポ
ンチ44との間隙に導入され、この間隙(C1)で規制
される厚みに圧延される。本発明では、最終側壁部の厚
みC1は積層体元厚(t)の70%以下、特に30乃至
70%の厚みとなるように定めるが、1工程当たりの厚
みの減少率(8乃至30%)の内、2乃至8割、特に3
乃至7割が曲げ伸ばしにより、残りの8乃至2割、特に
7乃至3割がしごきにより与えられるようにすること
が、ポリエステルの配向のバランスの点で好ましい。
尚、しごき部導入側の小曲率部48は、しごき開始点を
有効に固定しながら、しごき部49への積層体の導入を
円滑に行うものであり、ランド部49の下方の逆テーパ
状の逃げ50は、加工力の過度の増大を防ぐものであ
る。
【0105】再絞り−しごきダイス43の曲率コーナー
部46の曲率半径Rdは、曲げ伸ばしを有効に行う上で
は、ラミネートの肉厚(t)の2.9倍以下であるべき
であるが、この曲率半径があまり小さくなるとラミネー
トの破断が生じることから、ラミネートの肉厚(t)の
1倍以上、特に1.5倍以上であるべきである。
【0106】テーパー状のアプローチ部47のアプロー
チ角度(テーパー角度の1/2)αは2乃至15゜、特
に4乃至10゜を有するべきである。このアプローチ部
角度が上記範囲よりも小さいと、ポリエステルフィルム
層の配向緩和やしごき前の安定化が不十分なものとな
り、アプローチ部角度が上記範囲よりも大きいと、曲げ
伸ばしが不均一な(戻し変形が不十分な)ものとなり、
何れの場合もフィルムの割れや剥離を生じることなし
に、円滑なしごき加工が困難となる。
【0107】小曲率部48の曲率半径Riは、しごき開
始点の固定有効に行う上では、ラミネートの肉厚(t)
の20倍以下、特に10倍以下であるべきである。
【0108】しごき用のランド部49と再絞り−しごき
ポンチ44ポンチとクリアランスは前述した範囲にある
が、ランド長Lは、一般に0.2乃至5mm、特に0.
5乃至3mmの長さを有しているのがよい。この長さが
上記範囲よりも大きいと加工力が過度に大きくなる傾向
があり、一方上記範囲よりも小さいとしごき加工後の戻
りが大きく、好ましくない場合がある。
【0109】本発明において、ネックフランジ形成部
は、過酷な巻締加工を受けることから、缶側壁部に比し
て、最終段のしごき加工を緩和しておくのがよい。この
目的のため、しごき後の缶側壁部の上端に、缶側壁部の
厚みよりも厚いネックフランジ形成部が形成されるよう
にする。即ち、缶側壁部の最薄肉部の厚みをt1 及びフ
ランジ部の厚みをt2 とすると、t2 は0.1乃至0.
3mmの範囲で、t2 /t1 の比は、1.1乃至3.
0、特に1.2乃至2.0の範囲に定めるのがよい。
【0110】再絞り−しごき成形後のシームレス缶を示
す図12、図13及び図14において、シームレス缶6
0は、元板厚とほぼ同じ厚みを有する底部61と、再絞
り−しごき加工により薄肉化された側壁部62とから成
るが、側壁部62の上部には、これよりも厚肉のネック
フランジ形成部63が形成されている。
【0111】フランジ形成部63には、種々の構造があ
り、図12に示した例では、側壁部62の外面とフラン
ジ形成部63の外面とが同一径の円筒面上にあり、フラ
ンジ形成部63の内面は側壁部62の内面よりも小さい
径を有している。このタイプのフランジ形成部63は、
再絞り−しごきポンチ44において、側壁部が伸ばされ
てフランジ形成部63が位置する部分を他の部分に比し
て小径にしておくことにより形成される。
【0112】フランジ形成部63の図13に示した例で
は、側壁部62の内面とフランジ形成部63の内面とが
同一径の円筒面上にあり、フランジ形成部63の外面は
側壁部62の外面よりも大きい径を有している。このタ
イプのフランジ形成部63は、再絞り−しごきダイに続
く部分にさらにランド部よりも小径のしごき部分を設け
て、側壁部62をしごき成形することにより形成され
る。
【0113】フランジ形成部63の図14に示した例で
は、フランジ形成部63の外面は側壁部62の外面より
も大きい径を有すると共に、フランジ形成部63の内面
は側壁部62の内面よりも小さい径を有している。この
タイプのフランジ形成部63は、再絞り−しごきポンチ
44において、側壁部が伸ばされてフランジ形成部63
が位置する部分を他の部分に比して小径にしておくと共
に、再絞り−しごきダイに続く部分にさらにランド部よ
りも小径のしごき部分を設けて、側壁部62をしごき成
形することにより形成される。
【0114】以上は最終段の絞りしごき成形についての
説明であるが、第1段から最終段前の工程においても、
絞り成形としごき成形とが、ポンチの1ストロークで継
続して同時に行われる点では、最終段の場合と何等変わ
りがない。
【0115】本発明の方法において、、下記数式(1
5) 式中、Dは剪断したラミネート材の径であり、dはポン
チ径である、で定義される絞り比RD は一段では1.1
乃至3.0の範囲、トータルでは1.5乃至5.0の範
囲にあるのがよい。
【0116】曲げ伸ばし及びしごきにより、下記数式
(16) 式中、tB は素板厚であり、tW は側壁部の厚みである
で定義されるリダクション率RI がトータルでは、30
乃至70%の厚みになるように薄肉化することが好まし
い。
【0117】カップへの絞り成形性を向上させるため、
ポリエステル被覆絞りカップの温度をPETのガラス転
移点(Tg)以上、特に熱結晶化温度以下の範囲に予め
設定加熱して、樹脂被覆層の塑性流動を容易にした状態
で成形することが有利である。
【0118】成形時のダイスの、被加工材料と接触する
部分の表面温度Td、しわ押え具のダイス平面部と対向
する部分の表面温度Ts、および抜け出し直後のポンチ
表面温度Tpを、合成樹脂被膜のガラス転移温度Tg+
50℃以下で、Tg+10℃以上の温度範囲内の適宜温
度になるようにすると、成形中ダイスおよびしわ押え具
と有機被膜間の滑り摩擦抵抗は比較的小さく、従って滑
り摩擦抵抗が大きいことに基づく破胴が起こり難い。ま
た成形後のポンチのシームレス缶からの抜けが容易とな
る。
【0119】表面温度Td、Ts、Tpがガラス転移温
度Tg+50℃より高いと、合成樹脂被膜が成形の際に
軟化して、しごき加工の際に、外面有機被膜が削り取ら
れたり、あるいはポンチをシームレス缶から抜け出す際
に、内面合成樹脂被膜がポンチに密着して内面合成樹脂
被膜が破壊される等のトラブルが起こり易い。表面温度
Td、Ts、TpがTg+10℃より低いと、しわ押さ
え面や加工コーナー等における滑り摩擦低抗が大きくな
るので、破胴やポンチの抜け出し不良等が起こり易い。
【0120】上記表面温度Td、Ts、Tpの制御は、
成形作業前にダイス、しわ押え具およびポンチ内を加温
し、成形開始直前に加温を冷却に切り替え、成形中冷却
し続けることによって行われる。ダイス、しわ押え具お
よびポンチが室温(例えば真冬の場合約5℃)の工具に
金属カップを装入して、成形を始めると、合成樹脂被膜
の温度がTg+10℃より低く、動摩擦係数が高いた
め、破胴が発生したり、ポンチを成形されたシームレス
缶から抜け出すことができず、以後の成形作業が不可能
になる。
【0121】しかし、ダイス、しわ押え具およびポンチ
内を加温して、表面温度Td、Ts、TpがTg+10
℃以上の、合成樹脂被膜の特性に応した適当な温度にし
ておいた状態で、成形開始直前に加温を冷却に切り替え
て成形を開始すると、開始の瞬間(最初の金属カッブの
成形を行う時)は表面温度Td、Ts、TpがTg+1
0℃以上の適当な温度であるため、トラブルなしに成形
を開始できる。
【0122】成形加工の際、ダイスの被加工材料と接触
する部分、しわ押え具のダイス平面部と対向する部分お
よびポンチの金属カッブの側壁部と接触する部分に非常
に大きな力が加わり、これらの部分およびその近傍にお
ける材料の加工熱と摩擦熱がダイス、しわ押え具、ポン
チの他の部分に熱伝達されて、成形回数の増加ととも
に、ダイス、しわ押え具、ポンチ全体の温度が次第に上
昇する。しかし成形中冷却を続けることによって、表面
温度Td、Ts、Tpを合成樹脂被膜のガラス転移温度
Tg+50℃以下で、Tg+10℃以上の温度範囲内の
適当な温度になるようにすることができる。
【0123】本発明によるシームレス缶は、印刷工程等
を含めて、少なくとも一段の熱処理に付することができ
る。この熱処理には、種々の目的があり、加工により生
じるフィルムの残留歪を除去すること、加工の際用いた
滑剤を表面から揮散させること、表面に印刷した印刷イ
ンキを乾燥硬化させること等が主たる目的である。この
熱処理には、赤外線加熱器、熱風循環炉、誘導加熱装置
等それ自体公知の加熱装置を用いることができる。ま
た、この熱処理は一段で行ってもよく、2段或いはそれ
以上の多段で行うこともできる。熱処理の温度は、18
0乃至240℃の範囲が適当である。熱処理の時間は、
一般的にいって、1秒乃至5分間のオーダーである。熱
処理後の容器は急冷してもよく、また放冷してもよい。
即ち、フィルムや積層板の場合には急冷操作が容易であ
るが、容器の場合には、三次元状でしかも金属による熱
容量も大きいため、工業的な意味での急冷操作は面倒な
ものであるが、本発明では急冷操作なしでも、結晶成長
が抑制され、優れた組合せ特性が得られるのである。勿
論、所望によっては、冷風吹付、冷却水散布等の急冷手
段を採用することは任意である。
【0124】本発明による積層体の内、押出コート法に
よるものやキャストフィルムを用いたものでは、ポリエ
ステル組成物層は本質的に未配向なものであるが、前述
した絞り加工或いは再絞り加工の際、側壁部のポリエス
テル層が缶軸方向に一軸配向され、この分子配向によ
り、薄肉化された側壁部のポリエステル組成物層の機械
的強度や腐食成分に対するバリアー性の点で多くの利点
が奏される。勿論、シームレス缶の缶底部のポリエステ
ル層は実質上未配向の状態で残留するが、前述した理由
により、缶底部のポリエステル層も耐デント性に優れた
状態に維持されることはいうまでもない。このタイプの
シームレス缶の側壁部におけるポリエステル層は、複屈
折法で測定した下記式(17)、 Δn=n1 −n2 ‥‥(17) n1 はフィルムの最大配向方向の複屈折率であり、n2
はフィルムの厚 み方向の複屈折率である、による配向
度(Δn)が0.02乃至0.3の範囲にあることが好
適である。
【0125】得られた缶は、所望により、一段或いは多
段のネックイン加工に付し、フランジ加工を行って、巻
締用の缶とする。また、ネックイン加工に先立って缶胴
のバルジ成形等の二次加工を施すことができ、缶の意匠
性が独特のものとなるという利点がある。
【0126】
【実施例】本発明を次の例で説明する。本発明の特性値
は以下の測定法による。
【0127】[製造方法について] (積層体の製造)実施例及び比較例に挙げる各容器は表
1に示すアルミニウム合金板及び被覆樹脂を用いてそれ
ぞれの積層方法によって得られた積層体により製造され
る。表1中のラミネート方法の欄で「押出し」は以下の
方法を指す。250℃に加熱した表1に示されるアルミ
合金板上に、表1に示される組成の樹脂を、0.2重量
%の酸化防止剤(商品名:Irganox1010)とドライブレ
ンドしてエクストリュージョン・ラミネーション設備を
備えた65mmφ押出し機に供給し、表1に示される厚
さとなるように溶融押出しを行いアルミ板片面側にラミ
ネートした。次いで、エクストリュージョン・ラミネー
ション設備を備えた65mmφ押出し機に供給した後、
板温度を樹脂の融点より30℃低い温度に加熱し、表1
に示される厚さとなるように溶融押出しを行い、もう一
方の面にラミネートし、直ちに水冷することによりラミ
ネート金属板を得た。なお、2層構成の場合はマルチマ
ニホールド形式の2層Tダイを備えた二層押し出し機を
使用した。表1中のラミネート方法の欄で「フィルムラ
ミ」は以下の方法を指す。表1に示されるポリエステル
樹脂について、押し出し機を用いて樹脂温度260℃に
て約110μm厚みのキャストフィルムを作成した。キ
ャストフィルムは冷却ドラムを用いて直ちに急冷した
後、フィルムを予熱しながら常法により表1に示される
厚さとなるように二軸延伸フィルムを作成した。その際
の延伸倍率は縦3.0倍、横3.0倍とし、熱固定温度
は180℃とした。その後、表1に示されるアルミ合金
板の両面に上記二軸延伸フィルムを、板温240℃、ラ
ミネートロール温度150℃、通板速度40m/mi
n.で両面同時にラミネートし、直ちに水冷することに
よりラミネート金属板を得た。 (缶体の製造)上記積層板を用い表2に示す製造方法に
て、それぞれの側壁厚み及び最終平均薄肉化率になるよ
うに成形を行った。成形の際の潤滑については表2中潤
滑の欄で、「ドライ」ではワックスを、「ウエット」で
はDI缶成形用の公知の潤滑剤を使用した。また、最終
容器の内径及び高さを同じにするために(内径66mm
・トリム前高さ127mm)、最終平均薄肉化率62%
では140mm、48%では152mm、35%では166mm、
20%では179mmのブランク径のものを用いた。また、
表2中の各工程における製造方法の略号は以下の通り
で、表2中のしごき欄の数字は各工程における側壁の平
均薄肉化率の増分のうち、しごきによる薄肉化率分を示
す。 D ; 絞り SD ; 薄肉化を伴う絞り(Rd/t0=1.0〜2.9) I ; しごき(I*3はしごき率の異なるしごきを3回
繰り返すの意) D+I ; 同時絞りしごき SD+I; 同時薄肉化絞りしごき 得られた絞りカップを常法に従いドーミング成形を行
い、樹脂の歪み除去の目的で熱処理を行った。その後、
開口端縁部のトリミング加工、曲面印刷、ネック加工、
フランジング加工を行って350gツーピース缶を作成
した。最終形態まで問題なく加工出来るかどうか、また
製缶加工工程中、および缶の樹脂被覆面の異常の有無を
目視にて評価した。 (測定方法) (1) 内面表面粗さ JIS B0601-1994に記載されている方法により、
Ra、Rzを測定した。測定個所を切り出し、過酸化水
素で煮沸処理を施し樹脂被膜を除去し、単離金属基体を
得た。測定はアルミニウム面の圧延の条痕に対して直角
の方向におこない、底部(Ra(B)、Rz(B))は缶底内面
の中央部で、缶胴部(Ra(F)、Rz(F)、Ra(W)、Rz
(W))はその方向が容器の高さ方向となる位置(圧延条痕
に対し90°方向)でおこない、カットオフ0.8mm、測定
長さ2mm、各点とも5回測定して平均する。 (2) 吸光度比 フーリエ変換赤外分光装置1650型(パーキンエルマ
ー社製)を用いた。缶底中央部を15mm角に切り出し、希
釈塩酸(濃塩酸と水を1対4の体積比で混合)を用いて金
属基材を溶解し十分に水洗した後、室温で真空乾燥して
単離樹脂膜を得た。透過法にて赤外分光測定をおこな
い、795cm-1 に現れるピーク高さを基準吸光度Aとし、
トランス配置のエチレングリコールセグメントのロッキ
ングモードに対応する848cm-1 のピーク高さを吸光度B
とした。なお、PETとPBTのブレンド系において
は、一般に良く用いられるPETの972cm-1のピークはブレ
ンド共存するPBTの影響を受けるため結晶化程度の測
定に適さないことが知られている。 (3) 製缶加工試験 前記缶体の製造方法に従って、積層体を缶成形した。工
程中の問題点を目視にて評価した。 (4) 外面色彩 分光測色計CM-3700d型(ミノルタ株式会社製)と色彩管
理ソフトウエアCM−S3Wを使用した。正反射光除去
方式により測定した反射率から、D65光源およびで2
°視野の条件により算出した。 (5) 印刷適性 3色のインキ(紅・黄金・浅葱)において、印刷色見本と
の比較による外観目視にて色の再現性の比較をおこな
い、以下の基準で評価した。 ◎ ; ほとんど見分けがつかない ○ ; 注意すれば識別できるが実用可能 × ; 明らかに色の再現性が悪い (6) 引張試験、極限変形能ε、引張荷重F 缶胴部において、引張試験片は図2に示すように1/2
缶高さの位置で缶の周方向が長手方向となるようにとっ
た。この時の試験片のつかみ部の幅16mm、平行部の
幅6mm・長さ25mmとし、その中央が缶底の圧延方
向と直角な方向(90°)が中央となる様にした。この試
験片に対し100kgfのロードセルを用いて、1mm
/minのチャックスピードで引張試験をおこなった。
さらに、図3に例を示す引張破断後の試験片を走査型電
子顕微鏡により観察し、延性ディンプル破断面の幅tb
を求め、式 εw=ln(tb/tw) により缶胴極限変
形能εwを求めた。 (7) バルジ加工性試験 図5に示すように、缶体に軸荷重をかけながら成形型に
膨張押圧具により押圧してバルジ加工をおこなった。試
験は、缶径に対する成形型の径を5%、6%、7%と変
化させて各3缶おこない、以下の基準で評価した。 ◎ ; 7%で3缶とも破胴しない。 ○ ; 6%で3缶とも破胴しない。 △ ; 5%で3缶とも破胴しない。 × ; 5%でも破胴缶が発生する。
【0128】実施例1 表1に示される材料仕様で前記積層体の製造方法によっ
て積層体を作成した。この積層体を用いて前記缶体の製
造方法に従い缶体を作成した。製缶試験の結果、内面表
面粗さの測定結果を及び内面側フィルムの赤外吸光度比
を表3に、また外面印刷を施した缶について印刷適性の
評価結果を表4に示す。製缶工程中、金属材料の破断に
伴う破胴や樹脂被膜のデラミ、白化、破断等は発生しな
かった。ネック加工の際にも特に問題は発生しなかっ
た。印刷適性にも優れていた。
【0129】実施例2 表1に示した材料構成と表2に示す加工条件を使用した
他は、実施例1と同様にした。実施例1の金属基材を変
えた例である。製缶試験の結果、内面表面粗さの測定結
果を及び内面側フィルムの赤外吸光度比を表3に、また
外面印刷を施した缶について印刷適性の評価結果を表4
に示す。製缶工程中、金属材料の破断に伴う破胴や樹脂
被膜のデラミ、白化、破断等は発生しなかった。ネック
加工の際にも特に問題は発生しなかった。印刷適性につ
いても5000系アルミニウム特有の若干の黒みを帯び
ているものの問題は無かった。
【0130】実施例3 表1に示した材料構成と表2に示す加工条件を使用した
他は、実施例1と同様にした。実施例1の樹脂構成を変
えることにより吸光度比を変えた例である。製缶試験の
結果、内面表面粗さの測定結果を及び内面側フィルムの
赤外吸光度比を表3に、また外面印刷を施した缶につい
て印刷適性の評価結果を表4に示す。製缶工程中、金属
材料の破断に伴う破胴や樹脂被膜のデラミ、白化、破断
等は発生しなかった。ネック加工の際にも特に問題は発
生しなかった。印刷適性にも優れていた。
【0131】実施例4 表1に示した材料構成と表2に示す加工条件を使用した
他は、実施例1と同様にした。実施例1の樹脂被覆層を
二軸延伸フィルムの熱ラミネートに変えた例である。製
缶試験の結果、内面表面粗さの測定結果を及び内面側フ
ィルムの赤外吸光度比を表3に、また外面印刷を施した
缶について印刷適性の評価結果を表4に示す。製缶工程
中、金属材料の破断に伴う破胴や樹脂被膜のデラミ、白
化、破断等は発生しなかった。ネック加工の際にも特に
問題は発生しなかった。印刷適性にも優れていた。
【0132】比較例1 表1に示した材料構成と表2に示す加工条件を使用した
他は、実施例1と同様にした。実施例1のアルミ基材の
表面粗度を大きくした(Ra0.24→Ra0.75)例である。製缶
試験の結果を表3に示す。製缶工程中、2nd工程で約7
割に破胴が発生した。残った2ndカップを3rd工程に供し
たが全数が破胴した。
【0133】比較例2 表1に示した材料構成と表2に示す加工条件を使用した
他は、実施例1と同様にした。実施例1の缶胴成形にお
いて、1st及び2ndでしごきを施さなかった例であ
る。製缶試験の結果を表3に示す。製缶工程中、3rd
工程で約8割が破胴した。破胴しなかったものについて
も缶胴壁(Tw)部分の荒れが著しく、樹脂被膜のデラミも
観察された。
【0134】比較例3 表1に示した材料構成と表2に示す加工条件を使用した
他は、実施例1と同様にした。実施例1の両面被覆材料
をウエット成形に供した例である。製缶試験の結果を表
3に示す。ウエット成形法では外面被覆へのダメージが
大きく、外面の被覆ケズレが多発した。本例は最終平均
薄肉化率20%の例であるが、経済性を考慮すると50
%近い最終平均薄肉化率が必要となり、本結果からウエ
ット成形では不可能と判断される。
【0135】比較例4 表1に示した材料構成と表2に示す加工条件を使用した
他は、実施例4と同様にした。実施例4の二軸延伸フィ
ルムの残存配向を大きくした例である。製缶試験の結果
を表3に示す。製造工程中に被膜のデラミが多く、特に
熱処理時にほとんどの缶でデラミが発生した。
【0136】比較例5 表1に示した材料構成と表2に示す加工条件を使用した
他は、実施例4と同様にした。実施例4の積層体に熱処
理を施しフィルムの結晶化程度を大きくした例である。
製缶試験の結果を表3に示す。製造工程中に被膜の白化
やクレーズ発生が目立ち、甚だしい場合にはフィルム破
断や破胴が発生した。
【0137】比較例6 表1に示した材料構成と表2に示す加工条件を使用した
他は、実施例1と同様にした。内面被覆のみの材料をウ
エット成形に供した例である。製缶試験の結果、内面表
面粗さの測定結果を及び内面側フィルムの赤外吸光度比
を表3に、また外面印刷を施した缶について印刷適性の
評価結果を表4に示す。製缶工程中、金属材料の破断に
伴う破胴や樹脂被膜のデラミ、白化、破断等は発生しな
かった。またネック加工の際にも特に問題は発生しなか
った。しかし、缶外面は正反射光による金属光沢の強い
外面にはなったが、印刷面としての外観は非常に暗いも
のとなり、印刷適性に劣っていた。
【0138】実施例5 実施例1で作成した缶をバルジ加工性評価試験に供し
た。アルミ材料の原板組成及び缶胴部の板厚、極限変形
能と張り出し成形結果を表5に示す。バルジ加工試験の
結果、6%では3缶中すべてが破胴無く加工可能であ
り、7%では3缶中1缶に破胴が生じた。バルジ加工性
は良好と判断される。
【0139】実施例6 実施例2で作成した缶をバルジ加工性評価試験に供し
た。実施例5の金属基材を変えた例である。アルミ材料
の原板組成及び缶胴部の板厚、極限変形能と張り出し成
形結果を表5に示す。バルジ加工試験の結果、7%でも
3缶すべてが破胴無く加工可能であり、バルジ加工性は
非常に良好であった。
【0140】比較例7 表1に示した材料構成と表2に示す加工条件を使用した
他は、実施例1と同様にした。実施例5のアルミ基材
を、3004H19材の範囲内でケイ素と銅の含有量を増加し
中間焼鈍過程を取り入れることで原板の強度を高くした
ものに変えた例である。製缶は問題なく、作成した缶を
二次加工性評価試験に供した。アルミ材料の原板組成及
び缶胴部の板厚、極限変形能と張り出し成形結果を表5
に示す。バルジ加工試験の結果、5%でも3缶中2缶に
破胴が発生し、バルジ加工性は不良と判断される。
【0141】
【表1】
【0142】
【表2】
【0143】
【表3】
【0144】
【表4】
【0145】
【表5】
【0146】
【発明の効果】本発明によれば、側壁部が高度に薄肉化
されていながら、予め施された内面有機樹脂被覆のアル
ミニウム基材への密着性やカバーレッジの完全さ並びに
耐デント性に優れており、耐内容物性に優れたアルミニ
ウム製シームレス缶、さらには独自のパール状で明るい
外観による優れた印刷適性を有し、さらに、缶胴のバル
ジ成形等の二次加工性に優れた被覆アルミニウムシーム
レス缶が提供される。また、本発明によれば、従来技術
におけるクーラントの使用なしに、ドライの状態におい
て、有機樹脂被覆アルミニウム板の絞りしごき加工を行
いうると共に、成形後の缶体に塗装を施すことも不要で
あり、シームレス缶を少ない工程数と高い生産性をもっ
て製造することができると共に、環境保全にも優れた製
造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】缶底樹脂被膜の吸光度比と缶成形時樹脂層剥離
との関係を示すグラフである。
【図2】極限変形能の測定に使用した試験片の缶体から
の取り位置を示す図である。
【図3】極限変形能の測定に使用した試験片の引張試験
により中央で切断した半切を示す斜視図である。
【図4】シームレス缶について、缶胴極限変形能εwと
最大引張荷重Fとの関係を示すグラフである。
【図5】本発明の実施例中で述べたバルジ成形性試験の
概要を示す図である。
【図6】本発明に使用する積層体(ラミネート)の断面構
造の一例を示す拡大断面図である。
【図7】本発明に使用する積層体(ラミネート)の断面構
造の他の例を示す拡大断面図である。
【図8】本発明に使用する積層体(ラミネート)の断面構
造の更に他の例を示す拡大断面図である。
【図9】本発明の方法に使用する押出しコートによるラ
ミネート装置の一例を示す側面図である。
【図10】本発明の被覆アルミニウムシームレス缶の一
部断面側面図である。
【図11】本発明の製造工程の工程図である。
【図12】本発明に用いる同時絞りしごき成形装置の要
部を示す断面図である。
【図13】本発明におけるネックフランジ形成部の構造
の一例を示す側断面図である。
【図14】本発明におけるネックフランジ形成部の構造
の他の例を示す側断面図である。
【図15】本発明におけるネックフランジ形成部の構造
の更に他の例を示す側断面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 本巣 郁美 神奈川県横浜市神奈川区西神奈川1−5− 10 (72)発明者 今津 勝宏 神奈川県横浜市泉区和泉町6205−1

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂被覆アルミニウム板を絞りしごき成
    形してなり、缶底部、薄肉化された缶胴側壁部、ネック
    部及びフランジ部を備えてなるシームレス缶において、
    容器アルミニウム板内面が、下記式(1) 、(2) 及び
    (3) Ra(B)≦0.5μm … (1) Ra(W)<Ra(F) … (2) 及び (Rz(F)/Ra(F))≧(Rz(B)/Ra(B)) … (3) 式中、Ra(B) は缶底部表面の中心線平均粗さ、Ra(W) は
    缶胴側壁最薄肉部表面の中心線平均粗さ、Ra(F) は缶胴
    ネック肩部表面の中心線平均粗さを示し、また、Rz(B)
    は缶底部表面の十点平均粗さ、Rz(F) は缶胴ネック部直
    下表面の十点平均粗さを示す、を同時に満たし、且つ前
    記有機被覆が、缶底部で測定して、下記式(4) Dc = B/A … (4) 式中、Aは赤外線吸収スペクトルにおける波数793.8cm
    -1の吸光度を表し、Bは赤外線吸収スペクトルにおける
    波数848.4cm-1の吸光度を表すで定義される吸光度比が
    0.9以下である熱可塑性ポリエステル層からなること
    を特徴とする被覆アルミニウムシームレス缶。
  2. 【請求項2】 樹脂被覆アルミニウム板を絞りしごき成
    形してなるシームレス缶において、前記缶胴部における
    アルミニウム外表面が、正反射光除去方式により測定し
    た反射率から、D65光源および2°視野の条件により
    算出した値であるL* * * 表色系色度で表わして、
    明度L* 値が60よりも大きく、下記式(5) c* =(a*2+b*21/2 で定義される彩度c* が5よりも小さいことを特徴とす
    る請求項1記載のシームレス缶。
  3. 【請求項3】 上記樹脂被覆アルミニウム板が、 Si 0.05 〜 1.5 重量% Fe 0.05 〜 1.0 重量% Mg 0.20 〜 5.5 重量% Cu 0 〜 0.35重量% Mn 0 〜 2.0 重量% を含有するアルミニウムを主成分とし、缶胴側壁部の最
    小金属厚みが0.06乃至0.16mmであり且つ缶胴
    部の最小板厚みが原板の70%以下である缶体であっ
    て、この缶の周方向を長手方向とし、1/2缶高さの位
    置で缶底の圧延方向と直角方向が中央となる様にとった
    平行部の幅6mmの引っ張り試験片において、下記式
    (6) εw=ln(tb/tw) … (6) 式中、twは試験片の金属厚みを、tbは試験片延性破
    断面の金属厚みを示す、で定義される缶胴極限変形能ε
    w及び最大引張荷重Fkgfが、下記式(7)、(8)及び
    (9) εw≦0.06F−2.1 … (7) 15≦F<30 … (8) 及び εw≦−0.7 … (9) を同時に満たすことを特徴とする缶胴壁よりなる請求項
    1乃至2に記載のシームレス缶。
  4. 【請求項4】 缶底部の内面側ポリエステル層の重量平
    均分子量(M1 )とネックイン加工部直下の位置における
    内面側ポリエステル層の重量平均分子量(M2)とが下記
    式(10)、(11) M1 ≧ 50000 … (10) M2/M1 ≧ 0.9 … (11) を同時に満たすことを特徴とする請求項1乃至3記載の
    シームレス缶。
  5. 【請求項5】 樹脂被覆アルミニウム板が少なくとも一
    種の非硫黄系酸化防止剤を含有するポリエステル組成物
    を金属素材上に押出しコートすることにより形成された
    ものである請求項1乃至4記載のシームレス缶。
  6. 【請求項6】 アルミニウム板の両面に熱可塑性ポリエ
    ステルを押出しコートし、この積層板について、実質上
    ドライの状態で、1ストロークで絞り成形としごき成形
    とを同時に行う手段を、第一段から最終段まで複数にわ
    たって行うことを特徴とする被覆アルミニウムシームレ
    ス缶の製造方法。
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