JPH1190149A - 自動車用空気清浄器のエアインテーク構造 - Google Patents

自動車用空気清浄器のエアインテーク構造

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JPH1190149A
JPH1190149A JP25397697A JP25397697A JPH1190149A JP H1190149 A JPH1190149 A JP H1190149A JP 25397697 A JP25397697 A JP 25397697A JP 25397697 A JP25397697 A JP 25397697A JP H1190149 A JPH1190149 A JP H1190149A
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博幸 嬉野
Yasuyuki Fukuda
康之 福田
Takafumi Saeki
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ファン騒音が少なく、かつ、風量損失を抑制
できるエアインテーク構造の提供を図る。 【解決手段】 スクロール室6のスクロール入口部7の
上壁内面19aを、遠心式多翼ファン11から吹出され
る空気の吹出し角度と略同一の角度θ1 で急傾斜して形
成してあるので整流作用が得られて騒音を著しく低減で
きる。スクロール出口部8側ではその上壁内面19bが
前記角度θ1 よりも緩やかな角度θ2 となるように上壁
内面19を角度θ1 からθ2 へと漸次緩傾斜に徐変させ
て形成してあるため、該スクロール出口部8側ではスク
ロール断面積が拡大されて内圧が上昇し、2次渦の発生
による運動量の損失を抑制することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は車室内の空気を清浄
化するため、車室後部のリヤパーセルシェルフに組付け
られる自動車用空気清浄器のエアインテーク構造に関す
る。
【0002】
【従来の技術】自動車用空気清浄器の中には、例えば特
開平4−222615号公報、特開平4−131115
号公報等に示されているように、ケース内にファンと隣
接してフィルターを横置きに配置して、ケース高さを極
力小さくして車室内の上下方向の設置スペースを可及的
に狭められるようにしたものが知られている。
【0003】前述のファンとしては、ケース上壁に設け
た吸気口から取り入れた空気の軸方向流成分を径方向流
成分に変換する周方向に複数枚のブレードを備えた遠心
式多翼ファンが用いられ、該遠心式多翼ファンをスクロ
ール室に配設して吸入空気をこのスクロール室の通路断
面積の小さなスクロール入口部から、通路断面積の大き
なスクロール出口部へ流通させることによって圧力を増
大させ、該スクロール出口部から隣接するフィルター室
へ流入させるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】遠心式多翼ファンの場
合、各ブレード間から流出する風速分布がブレードの下
側が上側よりも風速が大きくなる分布となることから、
ブレードの上側で乱流が発生し、騒音の発生原因となる
ばかりでなくファン効率が低下してしまう。
【0005】このようなことから、図5に示すようにス
クロール室30の上壁内面(31)をスクロール入口部
側からスクロール出口部側に亘って全体的に遠心式多翼
ファン32の各ブレード33間から流出する空気流Aの
吹出し角度と略同一の角度θ1 で急傾斜して形成するこ
とにより、該空気流Aの整流作用を行わせるようにした
ものが知られている(特開平5−302600号公報参
照)。
【0006】ところが、このようにスクロール室30の
上壁内面31をスクロール室30のスクロール入口部側
からスクロール出口部側に亘って全体的に前記角度θ1
で急傾斜して形成した場合、スクロール室30内には図
5の矢印で示すように角運動量保存の法則にもとづいて
各ブレード33間から流出する空気流Aと逆向きの2次
渦aが発生し、これら空気流Aと2次渦aとの衝突によ
って運動量の損失が生じてしまうことは否めない。
【0007】そこで、本発明はファン騒音が少なく、か
つ、運動量の損失を可及的に抑制できることができる遠
心式多翼ファンを備えた自動車用空気清浄器のエアイン
テーク構造を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明にあっては、ケー
スの上壁に形成した吸気口の下側に周方向に複数枚のブ
レードを有する遠心式多翼ファンを配設したスクロール
室を設け、前記遠心式多翼ファンにより吸気口から吸い
込んだ空気をスクロール室を経由して、スクロール出口
部から該スクロール室に隣設したフィルター室に流入さ
せるようにした自動車用空気清浄器のエアインテーク構
造において、前記スクロール室の上壁内面を、スクロー
ル入口部側の上壁内面を前記遠心式多翼ファンの各ブレ
ード間から流出する空気の吹出し角度に略沿って急傾斜
して形成すると共に、スクロール出口部側の上壁内面が
前記角度よりも緩やかな角度の傾斜面となるように、漸
次緩傾斜に徐変させて形成したことを特徴としている。
【0009】
【発明の効果】通路断面積が小さくかつファン回転に伴
う騒音発生の傾向が高いスクロール室のスクロール入口
部側では、該スクロール室の上壁内面を遠心式多翼ファ
ンの各ブレード間から流出する空気の吹出し角度と略同
一の角度で急傾斜して形成してあるため、該吹出し空気
流の整流作用が得られて騒音を低減することができる。
【0010】一方、このようにスクロール室の上壁内面
を各ブレード間から流出する空気の吹出し角度と略同一
の傾斜角度とした場合でも、角運動量保存の法則にもと
づいて該吹出し空気流と逆向きの2次渦が発生し、吹出
し空気流との衝突により運動量の損失が生じるが、スク
ロール室の上壁内面はスクロール入口部側からスクロー
ル出口部側に至るに従って漸次緩傾斜面となるように傾
斜角度を徐変して形成してあるため、スクロール出口部
側をスクロール入口部側と同じ急傾斜の上壁内面とした
ものと較べて、該スクロール出口部側のスクロール室断
面積が大きくなって内圧が高められ、前記2次渦との衝
突による運動量の損失を可及的に小さくすることができ
る。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面と
共に詳述する。
【0012】図1〜3において、1は平面略長方形に形
成した樹脂製のケースで、アッパケース2とロアケース
3とで構成され、これらアッパケース2とロアケース3
とをそれらの4隅部でビス等の止着手段で着脱自在に締
結固定するようにしてある。
【0013】アッパケース2の上壁2aには吸気口4と
排気口5とを隣接して形成してある。
【0014】ケース1の前記吸気口4の下側には遠心式
多翼ファン11を配設したスクロール室6を形成してあ
る一方、排気口5の下側にはスクロール室6のスクロー
ル出口部8で連通したフィルター室9を形成して、該フ
ィルター室9にフィルター15を横置きに配置し、前記
ファン11により吸気口4から吸い込んだ空気をスクロ
ール室6を経由してスクロール出口部8からフィルター
室9のフィルター15の下側に流入させ、該フィルター
15を通過させて排気口5より排出することにより空気
の清浄化作用を行わせるようにしてある。
【0015】遠心式多翼ファン11は、周方向に列設し
た複数枚のブレード12と、ブレード上端側に設けられ
て各ブレード間から流出する空気流Aの吹出し角度に略
沿った角度θ1 で傾斜成形したシュラウド13と、該ブ
レード12の下端側に設けた底部プレート14とを備え
ている。
【0016】ケース1の内側にはその一側壁から内側に
向けて突出成形されて、前記スクロール室6のスクロー
ル出口部8の一側を構成すると共に、該スクロール室6
のスクロール巻き初めとなるスクロール入口部7と、前
記フィルター室9とを隔成するノーズ部10を形成して
ある。
【0017】ノーズ部10には、その先端からスクロー
ル入口部7の周壁6aの曲面の略延長上に延出するスロ
ープ部16を形成してある。
【0018】このスロープ部16は漸次高さが低くなる
円弧状に形成されて先端がスクロール室6の底面に連な
っている。
【0019】また、該スロープ部16の背面、即ち、フ
ィルター室9側の側面を、弯曲して膨んだ通風ガイド面
17として形成してある。
【0020】更に、ノーズ部10のフィルター室9側の
側面には、スロープ部16の通風ガイド面17に連なっ
て棚部18をフィルター室9内に張り出して形成してあ
り、前記フィルター15の一側部を該棚部18上に載置
して、フィルター15をフィルター室9に斜状に載置固
定できるようにしてある。
【0021】一方、前記吸気口4の口縁部は、遠心式多
翼ファン11のシュラウド13の内周縁に立上がり形成
したフランジ13aを囲繞するベルマウス4aとして形
成してあり、このベルマウス4aに続くスクロール室6
の上壁内面19は、スクロール入口部7側の上壁内面1
9aをシュラウド13と略同じ角度θ1 で急傾斜して形
成すると共に、スクロール出口部8側の上壁内面19b
の傾斜角度θ2 が緩やかになるように、該上壁内面19
bに至るに従って漸次緩斜面に徐変させて形成してあ
る。
【0022】図中、20はフィルター室15の一側に設
けたフィルター挿入口で、常態にあっては図外の着脱自
在なリッドで閉塞されるもので、該挿入口20の一側部
には前記棚部18と共働してフィルター15の一側部を
定置する支持座21を形成してある。
【0023】以上の実施形態の構造によれば、ノーズ部
10の先端に延設したスロープ部16は、スクロール入
口部7の周壁6aの曲面の略延長上に延出してあって、
漸次高さが低くなる円弧状に形成されて先端がスクロー
ル室6の底面に連なるように形成してあるため、スクロ
ール出口部8は実質的に該円弧状のスロープ部16によ
ってスクロール室6のスクロール出口部8の近傍の奥部
から徐々に開口が絞られるようになり、該スクロール出
口部8とフィルター室9との連通部分で圧力の急激な変
化が抑制される。
【0024】しかも、スロープ部16のフィルター室9
側の側面は弯曲して膨んだ通風ガイド面17として形成
してあるため、スクロール出口部8の一側では該スクロ
ール出口部8からフィルター室9に流入する空気流が、
図1の矢印で示すようにこの通風ガイド面17の弯曲面
に沿って流れるようになって、ノーズ部10の背面の下
流側で乱流が発生することがなく、従って、この乱流の
発生に起因する空気流の剥離現象が生じるのを回避する
ことができる。
【0025】この結果、前述のスクロール出口部8での
急激な圧力変化を抑制できることと相俟って騒音を著し
く低減することができて、品質感および信頼性を一段と
高めることができる。
【0026】また、この実施形態によれば、フィルター
15の一側部を定置する棚部18は、スロープ部16の
通風ガイド面17に連なってフィルター室9内に張り出
して形成してあるため、専用のフィルターサポート部材
をフィルター室9に設けるものと異なり、前記棚部18
がスクロール出口部8からフィルター室9に流入してく
る空気流の通気抵抗および乱流発生源となることがな
く、従って、風量の低下や騒音の発生を伴うことなくフ
ィルター15を確実に定置固定することができる。
【0027】ここで、前述の遠心式多翼ファン11を配
設したエアインテーク部分では、通路断面積が小さくフ
ァン回転に伴う騒音発生の傾向が高いスクロール室6の
スクロール入口部7は、その上壁内面19aを遠心式多
翼ファン11の各ブレード12間から流出する空気流A
の吹出し角度と略同一の傾斜角度θ1 で急傾斜して形成
してあるため、該吹出し空気流の整流作用が得られて騒
音を低減することができる。
【0028】一方、このようにスクロール室6のスクロ
ール入口部7側の上壁内面19aを各ブレード12間か
ら流出する空気流Aの吹出し角度と略同一の傾斜角度θ
1 とした場合でも、角運動量保存の法則にもとづいて該
吹出し空気流Aと逆向きの2次渦aが発生し、吹出し空
気流Aとの衝突により運動量の損失が生じるが、スクロ
ール室6の上壁内面19はスクロール入口部7側からス
クロール出口部8側に至るに従って漸次緩傾斜面となる
ように傾斜角度θ1 からθ2 へと徐変させて形成してあ
るため、図3の鎖線で示すようにスクロール出口部8側
をスクロール入口部7側と同じ急傾斜の上壁内面19b
としたものと較べて、該スクロール出口部8側のスクロ
ール室断面積が大きくなって内圧が高められるから、前
記2次渦aとの衝突による運動量の損失を可及的に小さ
くすることができる。
【0029】なお、図4に示すようにスクロール出口部
8側の上壁内面19bを傾斜の途中から平坦に、即ち、
傾斜角度を0にするようにしても騒音の上昇を伴うこと
なく前述と等価の効果を奏せられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す分解斜視図。
【図2】同実施形態のアッパケースを下側から見た斜視
図。
【図3】同実施形態のエアインテーク部分の断面図。
【図4】本発明の第2実施形態のエアインテーク部分の
断面図。
【図5】従来のエアインテーク構造を示す部分断面図。
【符号の説明】
1 ケース 4 吸気口 6 スクロール室 7 スクロール入口部 8 スクロール出口部 9 フィルター室 11 遠心式多翼ファン 12 ブレード 19 スクロール室の上壁内面 19a スクロール入口部側の上壁内面 19b スクロール出口部側の上壁内面

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケース(1)の上壁(2a)に形成した
    吸気口(4)の下側に周方向に複数枚のブレード(1
    2)を有する遠心式多翼ファン(11)を配設したスク
    ロール室(6)を設け、前記遠心式多翼ファン(11)
    により吸気口(4)から吸い込んだ空気をスクロール室
    (6)を経由して、スクロール出口部(8)から該スク
    ロール室(6)に隣設したフィルター室(9)に流入さ
    せるようにした自動車用空気清浄器のエアインテーク構
    造において、前記スクロール室(6)の上壁内面(1
    9)を、スクロール入口部(7)側の上壁内面(19
    a)を前記遠心式多翼ファン(11)の各ブレード(1
    2)間から流出する空気の吹出し角度に略沿った角度θ
    1 で急傾斜して形成すると共に、スクロール出口部
    (8)側の上壁内面(19b)が前記角度(θ1 )より
    も緩やかな角度(θ2 )の傾斜面となるように、漸次緩
    傾斜に徐変させて形成したことを特徴とする自動車用空
    気清浄器のエアインテーク構造。
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