JP2008232020A - 遠心式送風機 - Google Patents

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Abstract

【課題】遠心式送風機におけるファン効率の向上および騒音の低減を図る。
【解決手段】遠心式多翼ファンの内径寸法を略一定とする一定部13a、および、内径寸法を拡大させる方向に内周側を傾斜させた傾斜部13bを有して構成されるブレード13のうち、傾斜部13bの内周側端部13cの周方向厚み寸法(第1厚み寸法T1)を、回転軸12からの距離(半径)が傾斜部13bの内周側端部13cと同一となる部位の一定部13aの周方向厚み寸法(第2厚み寸法T2)よりも小さくなるように形成する。これにより、傾斜部13bへ流入する吸入空気が内周側端部13cに衝突しにくくなりスムーズに流れ、遠心式送風機の騒音の低減およびファン効率の向上を図ることができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、回転軸周りに多数枚のブレードが配置された遠心式多翼ファンを有する遠心式送風機に関する。
従来、特許文献1に、回転軸周りに多数枚のブレードが配置された遠心式多翼ファンと、この遠心式多翼ファンを収容するとともに、回転軸方向の一端側に吸入口が形成されたスクロールケーシングとを有し、吸入口の開口径寸法を遠心式多翼ファンの最小内径寸法よりも大きく形成した遠心式送風機が開示されている。
さらに、特許文献1の遠心式送風機では、ブレードに遠心式多翼ファンの内径寸法を一定寸法とする一定部と、一定部に対して遠心式多翼ファンの内径寸法が拡大するように形成された傾斜部とを設けることで、吸入口側のブレード端部から吸入される副流空気による不安定な渦の発生を抑制して、遠心式多翼ファンの内径側から吸入される主流空気と副流空気との干渉による騒音を低減している。
特開2000−291590号公報
しかしながら、本発明者らの検討によれば、特許文献1(以下、従来技術という。)の遠心式送風機では、ブレードに傾斜部を設けることで主流空気と副流空気との干渉による騒音を低減できるものの、傾斜部における風切り音の発生、および、傾斜部から各ブレード間へ流入する吸入空気の圧力損失の増加を抑制できないことが判った。
ここで、本発明者らの検討内容について詳述する。まず、本発明者らは、従来技術の遠心式送風機において、送風機へ吸入される吸入空気の流れ解析を行った。図11は、流れ解析結果を示す遠心式送風機の模式的な断面図であり、具体的には、後述する実施形態の図2のZ−Z断面に相当する。なお、図11では、後述する第1実施形態と同一もしくは均等部分には同一の符号を付している。これは他の図面においても同様である。
図11に示す各矢印は、吸入空気の流れ方向を示し、矢印が太いほど流速が速いことを示している。図11によれば、相対的に流速が速い吸入空気の流れは、吸入口の開口外縁部を形成するベルマウス21の近傍から、ブレード13の傾斜部13bへ流入する吸入空気の流れであることが判った。
次に、従来技術の遠心式送風機のブレード13の形状について図12により説明する。図12(a)は、ブレード13の側面図であり、図12(b)は、図12(a)のA矢視図およびB−B〜F−Fの各断面図である。
図12に示すように、従来技術のブレード13では、回転軸12に垂直な断面において所定の2次元形状となっている一定部13aを、単に、回転軸方向に対して所定の傾斜角度を有するように切り落とすことで傾斜部13bを形成している。このため、傾斜部13bの内周側端部13cの形状は、一定部13aを斜めに切り落とした際の成り行きの形状になっている。
このことから、本発明者らは、相対的に流速の速い吸入空気が、傾斜部13bへ流入する際に、内周側端部13cに衝突することによって、傾斜部13bにおいて風切り音を発生させ、傾斜部13bからブレード13へ流入する空気の圧力損失を増加させていることを見い出した。
つまり、従来技術のように、内周側端部13cの形状が、上述した成り行きの形状になっていると、図13に示すように、吸入空気Xが傾斜部13bの内周側端部13cに衝突して、吸入空気がブレード13から剥離する剥離域(図13(a)の領域W)を拡大させてしまう。このため、各ブレード13間の有効吸い込み面積が縮小してしまい、各ブレード13間へ吸入空気が流入しにくくなってしまう。
なお、図13(a)は傾斜部13aを略流線に平行な断面における吸入空気Xの流れを示す説明図であり、具体的には、図13(b)に示す遠心式送風機10の断面図におけるY−Y断面図である。
その結果、傾斜部13bにおいて風切り音が発生し、傾斜部13bからブレード13へ流入する空気の圧力損失が増加してしまう。さらに、このような風切り音の発生は遠心式送風機全体としての騒音増加の招き、圧力損失はファン効率低下を招いてしまう。
本発明は、上記点に鑑み、遠心式送風機の騒音の低減およびファン効率の向上を図ることを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明では、回転軸(12)周りに環状に配置された複数枚のブレード(13、23、33)を有する遠心式多翼ファン(11)と、遠心式多翼ファン(11)を収容するとともに、回転軸(12)方向の一端側に空気を吸入する吸入口(19)が形成された渦巻き状のスクロールケーシング(16)とを備え、吸入口(19)の開口径寸法(φD)は、遠心式多翼ファン(11)の最小内径寸法(φd)よりも大きく形成され、ブレード(13、23、33)は、遠心式多翼ファン(11)の内径寸法を略一定とする一定部(13a、23a、33a)、および、一定部(13a、23a、33a)よりも吸入口(19)側に形成されて、吸入口(19)側に向かうほど遠心式多翼ファン(11)の内径寸法を拡大させる傾斜部(13b、23b、33b)を有する遠心式送風機であって、
回転軸(12)に垂直な断面における傾斜部(13b、23b、33b)の回転軸(12)周方向の厚み寸法のうち、傾斜部(13b、23b、33b)の内周側端部(13c、23c、33c)の厚み寸法を第1厚み寸法(T1)とし、回転軸(12)に垂直な断面における一定部(13a、23a、33a)の回転軸(12)周方向の厚み寸法のうち、回転軸(12)からの距離が傾斜部(13b、23b、33b)の内周側端部(13c、23c、33c)までの距離と同一となる部位の厚み寸法を第2厚み寸法(T2)としたときに、第1厚み寸法(T1)が、第2厚み寸法(T2)よりも小さく形成されていることを第1の特徴とする。
これによれば、第1厚み寸法(T1)が、第2厚み寸法(T2)よりも小さく形成されているので、後述する第1実施形態の図6で説明するように、吸入口(19)から傾斜部(13b、23b、33b)へ流入する吸入空気が内周側端部(13c、23c、33c)に衝突しにくくなりスムーズに流れる。
従って、従来技術に対して、傾斜部(13b、23b、33b)における風切り音の発生を抑制できるとともに、吸入空気がブレード(13、23、33)から剥離する剥離域(W)の拡大を抑制して、傾斜部(13b)からブレード(13、23、33)へ流入する吸入空気の圧力損失を低減させることができる。その結果、遠心式送風機の騒音の低減およびファン効率の向上を図ることができる。
なお、本発明における「内径寸法を略一定とする」とは、内径寸法を必ずしも完全に一定とすることを意味するものではなく、製造誤差、組付誤差などによって完全な一定に対して微小にずれるものも含む意味である。
さらに、上述の第1の特徴の遠心式送風機において、回転軸(12)に垂直な断面における一定部(13a、23a)の回転軸(12)周方向の厚み寸法のうち、一定部(13a、23a)の内周側端部の厚み寸法を第3厚み寸法(T3)としたときに、第3厚み寸法(T3)は、第2厚み寸法(T2)よりも小さく形成されていてもよい。
これによれば、第3厚み寸法(T3)が、第2厚み寸法(T2)よりも小さく形成されているので、一定部(13a、23a)の内周側端部を薄肉化でき、各ブレード(13)間の吸い込み面積を拡大できる。その結果、より一層、ファン効率を向上させることができる。
また、本発明では、回転軸(12)周りに環状に配置された複数枚のブレード(13、23、33)を有する遠心式多翼ファン(11)と、遠心式多翼ファン(11)を収容するとともに、回転軸(12)方向の一端側に空気を吸入する吸入口(19)が形成された渦巻き状のスクロールケーシング(16)とを備え、吸入口(19)の開口径寸法(φD)は、遠心式多翼ファン(11)の最小内径寸法(φd)よりも大きく形成され、ブレード(13、23、33)は、遠心式多翼ファン(11)の内径寸法を略一定とする一定部(13a、23a、33a)、および、一定部(13a、23a、33a)よりも吸入口(19)側に形成されて、吸入口(19)側に向かうほど遠心式多翼ファン(11)の内径寸法を拡大させる傾斜部(13b、23b、33b)を有する遠心式送風機であって、
吸入口(19)から傾斜部(13b)へ流入する空気の流れ方向に平行な断面(Y−Y)における傾斜部(13b、23b、33b)の内周側の断面形状は、傾斜部(13b、23b、33b)の内周側端部(13c、23c、33c)から外周側へ向かって徐々に広がる形状になっていることを第2の特徴とする。
これによれば、吸入口(19)から傾斜部(13b、23b、33b)へ流入する空気の流れ方向に平行な断面(Y−Y)における傾斜部(13b、23b、33b)の内周側の断面形状が、傾斜部(13b、23b、33b)の内周側端部(13c、23c、33c)から外周側へ向かって徐々に広がる形状になっているので、第1の特徴の遠心式送風機と同様に、吸入口(19)から傾斜部(13b、23b、33b)へ流入する吸入空気が内周側端部(13c、23c、33c)に衝突しにくくなりスムーズに流れる。
従って、第1の特徴の遠心式送風機と同様に、遠心式送風機の騒音の低減およびファン効率の向上を図ることができる。
また、上述した第1、第2の特徴の遠心式送風機において、回転軸(12)に垂直な断面における傾斜部(23b)の内周側端部(23c)の形状は、回転軸(12)に向かって凸状の略円弧形状になっていてもよい。
これによれば、傾斜部(23b)の内周側端部(23c)の形状が、回転軸(12)の内周側に向かって凸状の略円弧形状、すなわち、R面取りされた形状となるので、吸入口(19)から傾斜部(23b)へ流入する吸入空気が内周側端部(23c)に衝突してしまうことを、より一層、防止できる。
また、上述した第1、第2の特徴の遠心式送風機において、遠心式多翼ファン(11)は、複数枚のブレード(13)の吸入口(19)側端部に設けられた環状のシュラウド(15)を有し、シュラウド(15)には、吸入口(19)側へ向かって突出した突出部(15a)が設けられ、吸入口(19)の開口外縁部には、ベルマウス(21)が形成され、回転軸(12)に平行な断面におけるベルマウス(21)の内壁側断面形状は、突出部(15a)との間に微小隙間を介して、突出部(15a)の断面形状に沿うよう形成されていてもよい。
これによれば、ベルマウス(21)の内壁側断面形状が、突出部(15a)との間に微小隙間を介して、突出部(15a)の断面形状に沿うよう形成されているので、この微小隙間によってラビリンスシール構造を構成できる。その結果、送風空気がブレード(13)の外周側から微小隙間を介して吸入口(19)側へ逆流してしまうことを防止できるので、より一層、ファン効率を向上させることができる。
また、上述した第1、第2の特徴の遠心式送風機において、吸入口(19)の開口外縁部には、吸入口(19)へ吸入される空気をガイドするガイド部(22)が形成され、ガイド部(22)の回転軸(12)に平行な断面における吸入口(19)側断面形状は、略円弧状に形成されていてもよい。
これによれば、空気が物体に沿って流れようとする性質(コアンダ効果)によって、吸入空気が吸入口19から傾斜部13bへ流入しやすくなるので、より一層、ファン効率を向上させることができる。
具体的には、ガイド部(22)の回転軸(12)に平行な断面における吸入口(19)側断面形状は、回転軸(12)に向かって凸状の略円弧状に形成されており、ガイド部(22)の回転軸(12)側壁面うち回転軸(12)側へ最も突出した部位によって形成される吸入口(19)の最小開口径寸法(φD−min)とガイド部(22)の回転軸(12)側壁面うち遠心式多翼ファン(11)側端部によって形成される吸入口(19)の開口径寸法(φD−tip)との関係が、
φD−min<φD−tip
となっていればよい。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
(第1実施形態)
図1〜図6により、本発明の第1実施形態について説明する。図1は、本実施形態の遠心式送風機10の断面図であり、図2は図1の概略上面図である。なお、本実施形態の遠心式送風機10は、車両用空調装置に適用されており、車室内へ向けて空気を送風する機能を果たす。また、遠心式送風機10の送風空気は、図示しない蒸発器、ヒータコア等の熱交換手段により温度調整されて車室内へ吹き出される。
図1に示すように、遠心式送風機10は、遠心式多翼ファン11、スクロールケーシング16、電動モータ20等から構成される。まず、遠心式多翼ファン11は、回転駆動されることによって径内周側に吸入した空気を径外周側へ吹き出すものである。
この遠心式多翼ファン11は、図1、2に示すように、遠心式多翼ファン11の回転軸12回りに一定間隔で環状に配置された複数枚のブレード13、回転軸12方向一端側から複数枚のブレード13を保持する保持プレート14、保持プレート14に対して回転軸12方向反対側に配置されたシュラウド15等を有して構成される。
なお、本実施形態では、ブレード13として、回転軸12に垂直な断面において、遠心式多翼ファン11の回転方向Vに対して逆向きに凸となるように湾曲し、さらに、外周側端部の方向が遠心式多翼ファン11の回転方向Vに向かって傾いた前向き羽根(JIS B 0132 5234)を採用している。
このブレート13の詳細については図3により説明する。図3(a)は、ブレード13の側面図であり、図3(b)は、図3(a)のA矢視図およびB−B〜F−Fの各断面図である。つまり、図3は、前述した従来技術のブレードを示す図12と同様の図示方法で本実施形態のブレード13を示したものである。
図3に示すように、本実施形態のブレード13は、従来技術のブレードと同様に、回転軸12方向から見て略円弧状の形状で、遠心式多翼ファン11の内径寸法を略一定とする一定部13aおよび一定部13aに対して遠心式多翼ファン11の内径寸法が拡大する方向に内周側を回転軸12方向に対して傾斜させた傾斜部13bを有している。
さらに、本実施形態のブレード13では、図3(b)のC−C断面図に示すように、回転軸12に垂直な断面における傾斜部13bの内周側端部13cの周方向厚み寸法T1(以下、第1厚み寸法T1という。)が、一定部13aの周方向厚み寸法のうち、回転軸12からの距離(半径)が傾斜部13bの内周側端部13cと同一となる部位の周方向厚み寸法T2(以下、第2厚み寸法T2という。)よりも小さく形成されている。
なお、図3(b)では、図示の都合上、C−C断面のみに第1厚み寸法T1および第2厚み寸法T2の符号を付しているが、T1とT2との寸法関係はB−B断面およびD−D断面においても同様である。
さらに、本実施形態のブレード13では、図3(b)のE−E断面図に示すように、回転軸12に垂直な断面における一定部13aの内周側端部の周方向厚み寸法T3(以下、T3という)が、第2厚み寸法T2よりも小さく形成されている。つまり、回転軸12に垂直な断面におけるブレード13の一定部13の内周側の断面形状は、内周側から外周側へ向かって徐々に広がる形状になっている。
なお、図3(b)では、図示の都合上、E−E断面のみに第2厚み寸法T2および第3厚み寸法T3の符号を付しているが、T2とT3との寸法関係はF−F断面においても同様である。
保持プレート14は、図1に示すように、中央側が複数枚のブレード13の内周側へ窪んだ略円錐形状に形成され、ブレード13のうち一定部13aが形成された回転軸12方向一端側から複数枚のブレード13を保持している。
さらに、保持プレート14の中央部には、後述する電動モータ20の回転軸が嵌合されるボス部14aが設けられている。なお、電動モータ20の回転軸とボス部14aとは、D穴嵌合などによって回り止めされており、電動モータ20の回転軸が回転すると、保持プレート14(遠心式多翼ファン11)が連動して回転する。
シュラウド15は、その断面が回転軸12方向から回転軸12径外周側に湾曲する略円弧状に形成された環状部材である。従って、回転軸12に対して外周側に向かうほどブレード13の回転軸12方向長さhが縮小している。また、シュラウド15は、ブレード13のうち傾斜部13bが形成された回転軸12方向一端側、すなわち保持プレート14に対して回転軸12方向反対側に配置されている。
さらに、シュラウド15は、ブレード13の傾斜部13b側の端部を連結して、保持プレート14とともに複数枚のブレード13を保持する機能を果たすだけでなく、遠心式多翼ファン11の内周側から外周側へブレード13内を流れる空気の流れ方向をガイドする機能も果たす。また、シュラウド15の回転軸12方向端部には、ブレード13よりも回転軸方向に突出した円筒状の突出部15aが設けられている。
なお、本実施形態では、ブレード13、保持プレート14およびシュラウド15を、樹脂(例えば、ポリプロピレン樹脂)にて一体に成形している。もちろん、ブレード13、保持プレート14およびシュラウド15を別体で構成して、接着などで一体に構成してもよい。さらに、ブレード13、保持プレート14およびシュラウド15を金属にて形成してもよい。
次に、スクロールケーシング16は、遠心式多翼ファン11と同じ樹脂で形成され、遠心式多翼ファン11を回転可能に収容するとともに、遠心式送風機10の外殻を形成するものである。
このスクロールケーシング16には、遠心式多翼ファン11から外周側に吹き出された空気が通過する渦巻き状の送風空気通路17、送風空気通路17の巻き終わり側に設けられて空気を吹き出す吹出口18、遠心式多翼ファン11の内周側に空気をさせる吸入口19が形成されている。
なお、図2に示すように、遠心式多翼ファン11はスクロールケーシング16の中心部に位置するように配置されている。また、スクロールケーシング16の外形壁16aは、回転軸12からの距離(スクロール半径)Rsが遠心式多翼ファン11の回転方向Vに向かって徐々に拡大する形状になっており、これにより渦巻き状の送風空気通路17が形成されている。
従って、送風空気通路17の通路断面積は、スクロールの巻き始め側から巻き終わり側へ向かうほど拡大し、遠心式多翼ファン11から吹き出された空気を効率良く集合させて、送風空気通路17の最下流側に配置された吹出口18から吹き出すことができる。
吸入口19は、スクロールケーシング16の回転軸12に垂直な端面のうち、ブレード13の傾斜部13bが設けられた側(シュラウド15が配置された側)に開口している。従って、ブレード13の傾斜部13bは、一定部13aに対して吸入口19側に形成され、吸入口19側に向かうほど遠心式多翼ファン11 の内径寸法を拡大させている。
さらに、吸入口19の開口径寸法φDは、遠心式多翼ファン11の最小内径寸法φdよりも大きく形成されている。また、吸入口19の開口外縁部には、遠心式多翼ファン11の内周側に空気を導く導入通路を形成するベルマウス21がスクロールケーシング16に一体成形されている。
このベルマウス21の回転軸12に平行な断面の内壁側断面形状は、図1に示すように、上述したシュラウド15の突出部15aとの間に微小隙間を保ちながら、突出部15aの断面形状に沿うよう形成されている。
次に、電動モータ20は、遠心式多翼ファン11を回転駆動する駆動手段であって、直流モータで構成されている。なお、電動モータ20は、図示しない制御装置から出力される制御電圧によって回転数制御される。
この電動モータ20の回転軸は、前述の如く、遠心式多翼ファン11の保持プレート14に連結されており、さらに、電動モータ20の本体部は、スクロールケーシング16の回転軸12に垂直な端面のうち、ブレート13に一定部13aが設けられた側(保持プレート14が配置された側)に取り付けられている。
次に、上記構成における本実施形態の作動について説明する。まず、制御装置から電動モータ20に制御電圧が供給されると、遠心式多翼ファン11が図2の矢印V方向に回転駆動する。
遠心式多翼ファン11は回転軸12方向一端側の吸入口19から径内周側に吸入された空気を径外周側へ吹き出す。遠心式多翼ファン11から吹き出された空気は送風空気通路17内を吹出口18側へ向かって流れ、吹出口18から遠心式送風機10の外部へ吹き出される。
次に、図4、5により、上記構成における本実施形態の効果について説明する。図4は、本実施形態の遠心式送風機10と従来技術の遠心式送風機の仕様を比較した図表である。すなわち、従来技術の遠心式送風機の寸法諸元に対する本実施形態の遠心式送風機10の寸法諸元を比で表したものである。
図4に示すように、本実施形態では、第1厚み寸法T1を従来技術に対して小さく形成(具体的には、3分の2程度)としているので、従来技術に対して、傾斜部13bの内周側端部を薄肉化でき、各ブレード13間の吸い込み面積を約2%拡大することができる。
さらに、図5のグラフでは、作動時におけるファン効率ηf、比騒音Ks、圧力係数ψについて、本実施形態の遠心式送風機10と従来技術の遠心式送風機とを比較した結果を示す。なお、図5では、本実施形態の遠心式送風機10の性能を実線(□プロットを滑らかに繋いだ線)で示し、従来技術の遠心式送風機の性能を破線(○プロットを滑らかに繋いだ線)で示している。
図5における横軸は、流量係数φであり、遠心式送風機10の特性上の流量を表す無次元数である(JIS B 0132 2101)。流量係数φは、以下式F1によって求められる。
φ=Q/(A×u)…(F1)
ここで、Qは空気流量、Aは代表面積であり、uは遠心式多翼ファン11の最外径の周速度である。
ファン効率ηfは、遠心式多翼ファン11へ入力したエネルギーに対する遠心式多翼ファン11が出力したエネルギーの割合、すなわちエネルギー変換効率である。ファン効率ηfは、以下式F2によって求められる。
ηf=Q×Pt/(L×N)…(F2)
ここで、Ptはファン全圧、Lは軸動力、Nは回転速度である。
比騒音Ksは、遠心式多翼ファン11の単位風量および単位全圧当たりに発生する機種固有の騒音レベルである(JIS B 0132 4061)。比騒音Ksは、以下式F3によって求められる。
Ks=K−10×log(Q×Pt2)+20…(F3)
ここで、Kは送風機騒音である。
圧力係数ψは、遠心式送風機10特性状の圧力を表す無次元数であり、以下式F4によって求められる。
ψ=Had/(u2/2g)…(F4)
ここで、Hadは等エントロピ(断熱)ヘッドであり、gは重力加速度である。
図5によれば、本実施形態の遠心式送風機10は、従来技術の遠心式送風機に対して、流量係数φの実用領域の全域に亘って、ファン効率ηfが向上し、比騒音Ksが低減し、さらに、圧力係数ψを向上させることができる。
特に、本実施形態の如く、車両用空調装置では、乗員の顔に向かって空調風を送風するモード(以下、FACEモードという。)、乗員の足下に向かって空調風を送風するモード(以下、FOOTモードという。)等が存在し、それぞれのモード毎に流量係数φが異なる。このため、車両用空調装置に適用される遠心送風機10では流量係数φの実用領域が広い。
例えば、本実施形態の車両用空調装置では、FACEモードにおいては、流量係数φが0.3前後となり、FOOTモードにおいては、流量係数φが0.2前後となる。これに対して、本実施形態の遠心式送風機10によれば、いずれのモードにおいても、従来技術の遠心式送風機に対して、ファン効率ηf向上効果、比騒音Ks低減効果、さらに、圧力係数ψ向上効果を得ることができる。
ここで、この効果を得ることができる理由の詳細を図6により説明する。なお、図6(a)は傾斜部13aを略流線に平行な断面で切った断面における吸入空気の流れを示す説明図であり、具体的には、図6(b)のY−Y断面図である。つまり、図6は、前述した従来技術のブレードを示す図13と同様の図示方法で本実施形態のブレード13を示したものである。
前述の如く、本実施形態のブレード13の傾斜部13bでは、第1厚み寸法T1が第2厚み寸法T2よりも小さく形成されているので、図6(a)に示すように、吸入空気が傾斜部13bの内周側端部に衝突することなくスムーズに流れる。これにより、従来技術に対して、吸入空気がブレード13から剥離する剥離域(図6(a)の領域W)を拡大させてしまうことを抑制して、各ブレード13間の有効吸い込み面積を拡大できる。
その結果、吸入空気が各ブレード13間へ流入しやすくなり、同一送風量を送風する際に、従来技術の遠心式送風機に対して、ブレード13内部の空気流速を下げることができる。従って、流速の6乗に比例する流体騒音を低減でき、さらに、流速の2乗に比例する圧力損失を低減できる。これにより、本実施形態の遠心式送風機10では、傾斜部13bにおける風切り音の発生を抑制でき、さらに、ファン効率ηfを向上させることができる。
換言すると、本実施形態では、吸入口19から傾斜部13bへ流入する空気の流れ方向に平行な断面(図6(b)のY−Y断面)における傾斜部13bの内周側の断面形状が、内周側端部13cから外周側へ向かって徐々に広がる形状になっていることによって、遠心式送風機10の騒音の低減およびファン効率の向上を図ることができる。
さらに、Y−Y断面は、傾斜部13bの中心軸12に対する傾斜角θに対して、略垂直であることから、Y−Y断面における傾斜部13bの内周側の断面形状は、傾斜部13bの傾斜角θに垂直な断面における傾斜部13bの断面形状と表現することもできる。
また、本実施形態では前述の如く、従来技術に対して第1厚み寸法T1を小さく形成したことによる各ブレード13間の吸い込み面積の拡大によって、より一層、各ブレード13間へ吸入空気を流入しやすくできる。
また、本実施形態では、ベルマウス21の回転軸12に平行な断面の内壁側断面形状が、シュラウド15の突出部15aとの間に微小隙間を保ちながら、突出部15aの断面形状に沿うよう形成されているので、この微小隙間によってラビリンスシール構造を構成できる。これにより、送風空気がブレード13の外周側から微小隙間を介して吸入口19側へ逆流してしまうこと防止できるので、より一層、ファン効率ηfを向上できる。
さらに、本実施形態の遠心式多翼ファン11では、従来形状の遠心式多翼ファンに対して、第1厚み寸法T1を小さくしているだけなので、遠心式多翼ファン11を樹脂の射出成形によって成形する際に下の型抜きだけで容易に一体成形できる。従って、従来技術に対して製造費の増加を招くことがない。
しかも、第1厚み寸法T1を小さくしているので、遠心式多翼ファン11全体としての重量を低減させ、回転時のアンバランス(偏心回転)を少なくできるとともに、材料費も低減できる。
もちろん、本実施形態の遠心式多翼ファン11においても、ブレード13の吸入口19側の端部から吸入される副流空気による不安定な渦の発生を抑制して、ブレード13の内周側から吸入される主流空気と副流空気との干渉による騒音も低減できる。
(第2実施形態)
本実施形態では、上述の第1実施形態のブレード13に対して、図7に示す、ブレード23を採用している。図7(a)は、ブレード23の側面図であり、図7(b)は、図7(a)のA矢視図およびB−B〜F−Fの各断面図である。つまり、図7は、図3と同様に本実施形態のブレード23を示したものである。
本実施形態のブレード23も第1実施形態のブレード13と同様の一定部23aおよび傾斜部23bを有している。さらに、このブレード23は、傾斜部23bの内周側端部23cの形状が、内周側に向かって凸状の略円弧形状になっている。すなわち、図7(b)のD−D断面に例示するように、傾斜部23bの内周側端部23cにR面取りが施されている。
なお、図7(b)では、図示の都合上、D−D断面のみにR面取りを示しているが、内周側端部23cの形状は、B−B断面、C−C断面においても同様にR面取りされている。その他の構成は、第1実施形態と同様である。
従って、本実施形態の遠心式送風機10を作動させても、第1実施形態と同様に、傾斜部23bにおける風切り音の発生および傾斜部23bからブレード23へ流入する吸入空気の圧力損失を抑制して、遠心式送風機10の騒音の低減およびファン効率の向上を図ることができる。
さらに、内周側端部23cがR面取りされているので、吸入口19から傾斜部13bへ流入する吸入空気が傾斜部13bの内周側端部13cに衝突してしまうことを効果的に防止できる。その結果、より一層、ファン効率ηfを向上できる。
(第3実施形態)
本実施形態では、上述の第1実施形態のブレード13に対して、図8に示す、ブレード33を採用している。図8(a)は、ブレード33の側面図であり、図8(b)は、図8(a)のA矢視図およびB−B〜F−Fの各断面図である。つまり、図8は、図3と同様に本実施形態のブレード33を示したものである。
本実施形態のブレード33も第1実施形態のブレード33と同様の一定部33aおよび傾斜部33bを有している。さらに、このブレード33は、回転軸12に垂直な断面における一定部33aの周方向厚み寸法が内周側から外周側へ至るまで変化しない形状になっている。すなわち、第2厚み寸法T2と第3厚み寸法T3が同一になっている。その他の構成は、第1実施形態と同様である。
従って、本実施形態の遠心式送風機10を作動させても、第1厚み寸法T1が第2厚み寸法T2よりも小さく形成されていることの効果によって、遠心式送風機10の騒音の低減およびファン効率の向上を図ることができる。
(第4実施形態)
上述の第1〜第3実施形態では、断面略円弧状の環状のシュラウド15を採用しているが、本実施形態では、断面略直線状の筒状のシュラウド25を採用している。なお、本実施形態では、図9に示すように、第1実施形態の遠心式多翼ファン11にシュラウド25を適用している。その他の構成は第1実施形態と同様である。
このシュラウド25を採用しても、第1厚み寸法T1が第2厚み寸法T2よりも小さく形成されていることの効果によって、遠心式送風機10の騒音の低減およびファン効率の向上を図ることができる。
さらに、シュラウド25の形状が、第1実施形態のシュラウド15に対して簡略化されたことにより、より一層、容易に遠心式多翼ファン11を成形できる。もちろん、シュラウド25を第2、第3実施形態の遠心式多翼ファン11に適用してもよい。
(第5実施形態)
本実施形態では、第1実施形態の遠心式送風機10に対して、図10に示すように、スクロールケーシング16のベルマウス21に吸入口19へ吸入される空気をガイドするガイド部22が形成されている。なお、図10は、本実施形態の遠心式送風機10の軸方向断面図である。その他の構成は第1実施形態と同様である。
このガイド部22は、吸入口19の開口外縁部を形成するベルマウス21に沿って、環状に形成されている。さらに、回転軸12に平行な断面における吸入口19側断面形状は、回転軸12に向かって凸状の略円弧状に形成されている。これにより、吸入口19の開口径寸法φDは、回転軸12方向に向かって、徐々に縮小して再び拡大する形状となる。
より具体的には、ガイド部22の回転軸12側壁面うち回転軸12側へ最も突出した部位によって形成される吸入口19の最小開口径寸法φD−minとガイド部22の回転軸12側壁面うち遠心式多翼ファン11側端部によって形成される吸入口19の開口径寸法φD−tipとの関係が、以下式F5の関係になっている。
φD−min<φD−tip…(F5)
本実施形態の遠心色送風機10を作動させると、第1実施形態と全く同様の効果を得ることができるだけなく、空気が物体に沿って流れようとする性質(コアンダ効果)によって、吸入空気が吸入口19から傾斜部13bへ流入しやすくなるので、より一層、第1厚み寸法T1が第2厚み寸法T2よりも小さく形成されていることの効果を得やすい。
(他の実施形態)
上述の実施形態では、シュラウド15の突出部15aとベルマウス21の内周側壁面によってラビリンスシール構造を構成しているが、このラビリンスシール構造は、構成されていなくてもよい。また、上述の実施形態では、本発明の遠心式送風機10を車両用空調装置に適用しているが、本発明の適用はこれに限定されない。
第1実施形態の遠心式送風機の軸方向断面図である。 第1実施形態の遠心式送風機の上面図である。 (a)は、第1実施形態のブレードの側面図であり、(b)は、(a)のA矢視図およびB−B〜F−F断面図である。 第1実施形態の遠心式送風機と従来技術の遠心式送風機の仕様を比較した図表である。 流量係数とファン効率、比騒音および圧力係数との関係を示すグラフである。 (a)は、(b)のY−Y断面図であり、(b)は、第1実施形態の遠心式送風機の軸方向断面図である。 (a)は、第2実施形態のブレードの側面図であり、(b)は、(a)のA矢視図およびB−B〜F−F断面図である。 (a)は、第3実施形態のブレードの側面図であり、(b)は、(a)のA矢視図およびB−B〜F−F断面図である。 (a)は、第4実施形態のブレードの側面図であり、(b)は、(a)のA矢視図およびB−B〜F−F断面図である。 第5実施形態の遠心式送風機の軸方向断面図である。 従来技術の遠心式送風機における流れ解析結果を示す軸方向断面図である。 (a)は、従来技術のブレードの側面図であり、(b)は、(a)のA矢視図およびB−B〜F−F断面図である。 (a)は、(b)のY−Y断面図であり、(b)は、従来技術の遠心式送風機の軸方向断面図である。
符号の説明
11…遠心式多翼ファン、12…回転軸、
13、23、33…ブレード、13a、23a、33a…一定部、
13b、23b、33b…傾斜部、13c、23c、33c…内周側端部、
15…シュラウド、15a…突出部、16…スクロールケーシング、
19…吸入口、21…ベルマウス、22…ガイド部、
T1…第1厚み寸法、T2…第2厚み寸法、T3…第3厚み寸法。

Claims (7)

  1. 回転軸(12)周りに環状に配置された複数枚のブレード(13、23、33)を有する遠心式多翼ファン(11)と、
    前記遠心式多翼ファン(11)を収容するとともに、前記回転軸(12)方向の一端側に空気を吸入する吸入口(19)が形成された渦巻き状のスクロールケーシング(16)とを備え、
    前記吸入口(19)の開口径寸法(φD)は、前記遠心式多翼ファン(11)の最小内径寸法(φd)よりも大きく形成され、
    前記ブレード(13、23、33)は、前記遠心式多翼ファン(11)の内径寸法を略一定とする一定部(13a、23a、33a)、および、前記一定部(13a、23a、33a)よりも前記吸入口(19)側に形成されて、前記吸入口(19)側に向かうほど前記遠心式多翼ファン(11)の内径寸法を拡大させる傾斜部(13b、23b、33b)を有する遠心式送風機であって、
    前記回転軸(12)に垂直な断面における前記傾斜部(13b、23b、33b)の前記回転軸(12)周方向の厚み寸法のうち、前記傾斜部(13b、23b、33b)の内周側端部(13c、23c、33c)の厚み寸法を第1厚み寸法(T1)とし、
    前記回転軸(12)に垂直な断面における前記一定部(13a、23a、33a)の前記回転軸(12)周方向の厚み寸法のうち、前記回転軸(12)からの距離が前記傾斜部(13b、23b、33b)の内周側端部(13c、23c、33c)までの距離と同一となる部位の厚み寸法を第2厚み寸法(T2)としたときに、
    前記第1厚み寸法(T1)が、前記第2厚み寸法(T2)よりも小さく形成されていることを特徴とする遠心式送風機。
  2. さらに、前記回転軸(12)に垂直な断面における前記一定部(13a、23a)の前記回転軸(12)周方向の厚み寸法のうち、前記一定部(13a、23a)の内周側端部の厚み寸法を第3厚み寸法(T3)としたときに、
    前記第3厚み寸法(T3)は、前記第2厚み寸法(T2)よりも小さく形成されていることを特徴とする遠心式送風機。
  3. 回転軸(12)周りに環状に配置された複数枚のブレード(13、23、33)を有する遠心式多翼ファン(11)と、
    前記遠心式多翼ファン(11)を収容するとともに、前記回転軸(12)方向の一端側に空気を吸入する吸入口(19)が形成された渦巻き状のスクロールケーシング(16)とを備え、
    前記吸入口(19)の開口径寸法(φD)は、前記遠心式多翼ファン(11)の最小内径寸法(φd)よりも大きく形成され、
    前記ブレード(13、23、33)は、前記遠心式多翼ファン(11)の内径寸法を略一定とする一定部(13a、23a、33a)、および、前記一定部(13a、23a、33a)よりも前記吸入口(19)側に形成されて、前記吸入口(19)側に向かうほど前記遠心式多翼ファン(11)の内径寸法を拡大させる傾斜部(13b、23b、33b)を有する遠心式送風機であって、
    前記吸入口(19)から前記傾斜部(13b、23b、33b)へ流入する空気の流れ方向に平行な断面(Y−Y)における前記傾斜部(13b、23b、33b)の内周側の断面形状は、前記傾斜部(13b、23b、33b)の内周側端部(13c、23c、33c)から外周側へ向かって徐々に広がる形状になっていることを特徴とする遠心式送風機。
  4. 前記回転軸(12)に垂直な断面における傾斜部(23b)の内周側端部(23c)の形状は、前記回転軸(12)に向かって凸状の略円弧形状になっていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の遠心式送風機。
  5. 前記遠心式多翼ファン(11)は、前記複数枚のブレード(13)の前記吸入口(19)側端部に設けられた環状のシュラウド(15)を有し、
    前記シュラウド(15)には、前記吸入口(19)側へ向かって突出した突出部(15a)が設けられ、
    前記吸入口(19)の開口外縁部には、ベルマウス(21)が形成され、
    前記回転軸(12)に平行な断面におけるベルマウス(21)の内壁側断面形状は、前記突出部(15a)との間に微小隙間を介して、前記突出部(15a)の断面形状に沿うよう形成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに記載の遠心式送風機。
  6. 前記吸入口(19)の開口外縁部には、前記吸入口(19)へ吸入される空気をガイドするガイド部(22)が形成され、
    前記ガイド部(22)の前記回転軸(12)に平行な断面における前記吸入口(19)側断面形状は、略円弧状に形成されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の遠心式送風機。
  7. 前記ガイド部(22)の前記回転軸(12)に平行な断面における前記吸入口(19)側断面形状は、前記回転軸(12)に向かって凸状の略円弧状に形成されており、
    前記ガイド部(22)の前記回転軸(12)側壁面うち前記回転軸(12)側へ最も突出した部位によって形成される前記吸入口(19)の最小開口径寸法(φD−min)と前記ガイド部(22)の前記回転軸(12)側壁面うち前記遠心式多翼ファン(11)側端部によって形成される前記吸入口(19)の開口径寸法(φD−tip)との関係が、
    φD−min<φD−tip
    となっていることを特徴とする請求項6に記載の遠心式送風機。
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