JPH1186907A - 非水系二次電池 - Google Patents
非水系二次電池Info
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- JPH1186907A JPH1186907A JP9256188A JP25618897A JPH1186907A JP H1186907 A JPH1186907 A JP H1186907A JP 9256188 A JP9256188 A JP 9256188A JP 25618897 A JP25618897 A JP 25618897A JP H1186907 A JPH1186907 A JP H1186907A
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- Y02—TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
- Y02E—REDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
- Y02E60/00—Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
- Y02E60/10—Energy storage using batteries
Abstract
(57)【要約】
【課題】 特に低温における充放電サイクルの劣化を伴
わずに、低温における出力特性の改善された非水系二次
電池を提供することである。 【解決手段】 正極活物質と導電剤を含む正極と、負極
活物質を含む負極と、非水系電解質であるテトラフルオ
ロほう酸リチウムとヘキサフルオロ燐酸リチウムから構
成される非水系二次電池において、テトラフルオロほう
酸リチウムの濃度が0.05mol/リットル以上0.
6mol/リットル以下で、ヘキサフルオロ燐酸リチウ
ムの濃度が0.5mol/リットル以上2.0mol/
リットル以下であり、かつ正極活物質の比表面積が0.
4m2 /g以下である構成を採用することからなる。
わずに、低温における出力特性の改善された非水系二次
電池を提供することである。 【解決手段】 正極活物質と導電剤を含む正極と、負極
活物質を含む負極と、非水系電解質であるテトラフルオ
ロほう酸リチウムとヘキサフルオロ燐酸リチウムから構
成される非水系二次電池において、テトラフルオロほう
酸リチウムの濃度が0.05mol/リットル以上0.
6mol/リットル以下で、ヘキサフルオロ燐酸リチウ
ムの濃度が0.5mol/リットル以上2.0mol/
リットル以下であり、かつ正極活物質の比表面積が0.
4m2 /g以下である構成を採用することからなる。
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、正極活物質と導電
剤を含む正極と、負極活物質を含む負極と、非水系電解
質とから構成される非水系二次電池であって、特に低温
における充放電サイクルの劣化を伴わずに、低温におけ
る出力特性の改善されたものに関する。 【0002】 【従来の技術】近年、非水系二次電池、特にリチウムを
用いた二次電池は、高電圧、高エネルギー密度を有する
ことから注目を集めている。リチウム二次電池における
重要な特性の一つとして、低温下における使用を考慮し
て、低温における放電出力特性の改良への要求がある。 【0003】従来、これらの改良を目指して、多孔質負
極として、主として炭素網面の面間隔d002が0.3
37nm未満の黒鉛質粒子からなり、かつその負極の空
孔率が10%以上60%未満であって、空孔径0.1μ
m から10μm の範囲にある空孔の占める体積の全空孔
体積に対する百分率が80%以上であるものを使用する
技術(特開平6−295744号公報、特開平6−23
1766号公報)、有機溶媒として、主として炭酸エチ
レンおよび−20℃において液体でかつ常圧における沸
点が160℃以上の有機溶媒を用いる技術(特開平6−
267589号公報)などが提案されているが、未だ充
分に満足のいく結果が得られていないのが現状である。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、非水
系二次電池において、特に低温における充放電サイクル
の劣化を伴わずに、低温における出力特性の改善された
ものを提供することである。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決しようとして、電解質の種類および濃度と正極活
物質の平均粒径および窒素ガス吸着BET比表面積に着
目し、鋭意研究を重ねたところ、2種類の電解質を混合
し該電解質濃度がある特定の範囲にあり、かつ正極活物
質の平均粒径と窒素ガス吸着BET比表面積が各々ある
特定の範囲にあるとき、特に低温における充放電サイク
ルの劣化を伴わずに、低温における出力特性に優れた非
水系二次電池を得ることを見いだし、本発明を完成する
に至ったものである。 【0006】即ち、本発明は、正極活物質と導電剤を含
む正極と、負極活物質を含む負極と、非水系電解質であ
るテトラフルオロほう酸リチウムとヘキサフルオロ燐酸
リチウムから構成される非水系二次電池において、テト
ラフルオロほう酸リチウムの濃度が0.05mol/リ
ットル以上0.6mol/リットル以下で、ヘキサフル
オロ燐酸リチウムの濃度が0.5mol/リットル以上
2.0mol/リットル以下であり、かつ正極活物質の
比表面積が0.4m2 /g以下であることを特徴とする
ものである。 【0007】以下、本発明を詳細に説明する。上記正極
活物質としては、電気化学的にリチウムイオンを吸蔵・
放出可能な公知のもの全てを使用することができるが、
中でもリチウムを含んだ材料が好ましい。例えば、一般
式LiX MY NZ O2 (Mは、遷移金属元素のCo、N
i、Fe、Mn、Cr、V、Ti、Cu、Zrの中から
選ばれた少なくとも1種類の金属、Nは、Al、In、
Sn、B、Mg、Si、Ge、Ga、Y、La、Ce、
Pr、Nd、Smの中から選ばれた少なくとも1種類の
金属、0<X≦1.1、0.5≦Y≦1.0、0≦Z≦
0.1)を有するリチウム複合金属酸化物が好ましく、
さらには一般式LiX CoY NZ O2 (Nは、Al、I
n、Sn、B、Mg、Si、Ge、Ga、Y、La、C
e、Pr、Nd、Smの中から選ばれた少なくとも1種
類の金属、0<X≦1.1、0.5≦Y≦1.0、0≦
Z≦0.1)を有するコバルト酸リチウム類がより好ま
しい。 【0008】上記正極活物質の比表面積については、そ
れが0.4m2 /g以上であると低温(0℃)でのサイ
クル特性が悪化し、実用的でなくなる。上記導電剤とし
ては、グラファイトや活性炭、各種コークス、カーボン
ブラック、アセチレンブラック等の非黒鉛炭素質材料が
使用できる。更に、正極には、その1〜5重量%のLi
2 CO3 を配合しておくと、過充電等に基づく正極の電
位上昇時に容易に分解して炭酸ガスを発生するので、電
流遮断弁に作用して電池内電流を速やかに遮断するので
安全対策上望ましい。 【0009】上記負極活物質としては、電気化学的にリ
チウムイオンを吸蔵・放出可能な公知のもの全てを使用
することができるが、例えば黒鉛粉末、メソフェーズ炭
素繊維、メソフェーズ小球体等のカーボンおよび金属、
合金、酸化物、窒化物等が好ましく用いられる。 【0010】上記非水系溶媒としては、同じく特に制限
はなく従来公知のいずれのものでも使用することがで
き、例えばエチレンカーボネート、プロピレンカーボネ
ート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネー
ト、γ−ブチロラクトン、1,2−ジメトキシエタン、
1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,
3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラ
ン、ジエチルエーテル、スルホラン、メチルスルホラ
ン、アセトニトリル、プロピオニトリル等の一種または
二種以上を混合して使用することができる。 【0011】上記電解質は、上記非水系溶媒の溶液の形
で用いられるが、固体状、例えばゾル状、ゲル状等、あ
るいは固体状と上記非水系溶媒の溶液の混合系でも用い
ることができる。特に、イオン伝導性を有する固体電解
質、もしくは固体高分子膜中にイオン伝導体を分散した
ようなゲル状固体電解質等を、単独もしくは上記非水系
溶媒の溶液との混合系で用いるような、電極界面のイン
ピーダンスが大きな電池系においては、上記電解質を用
いると当該インピーダンスが減少するので、室温および
低温での放電性能を改善する効果が大きく好ましい。ま
た、上記電解質のテトラフルオロほう酸リチウム(Li
BF4 )濃度は、0.05mol/リットルより小さい
ときには低温における出力特性の改善効果が少なくな
り、0.6mol/リットルより大きいときには高温保
存時の各種電池特性が悪くなるので、0.05mol/
リットル以上0.6mol/リットル以下であることが
好ましい。ヘキサフルオロ燐酸リチウム(LiPF6 )
の濃度に関しては、0.5mol/リットルより小さい
と、低温における出力特性の改善効果が少なくなると共
に室温での充放電サイクル特性が悪くなり、2.0mo
l/リットルより大きくなると非水系溶媒の粘度が高く
なるなど製造上困難となるので、0.5mol/リット
ル以上2.0mol/リットル以下であることが好まし
い。 【0012】正極集電体としては、アルミニウム、チタ
ン、ステンレス等の金属箔、エキスパンドメタル、パン
チメタル、発泡メタル、カーボンクロス、カーボンペー
パー等が用いられる。また、負極集電体としては、銅、
ニッケル、ステンレスなどの金属箔、エキスパンドメタ
ル、パンチメタル、発泡メタル、カーボンクロス、カー
ボンペーパー等が用いられる。 【0013】セパレーターは、通常ポリエチレン、ポリ
プロピレン等のポリオレフィン樹脂の微多孔膜が用いら
れるが、セルロース、芳香族ポリアミド、フッ素樹脂、
ポリオレフィン等の樹脂、またはアルミナ、シリカ等の
無機物の少なくとも1種もしくはこれらの混合物で構成
される不織布、抄紙、多孔膜等の構造体、固体電解質の
フィルム等、いずれの形態であってもかまわない。イオ
ンの透過性が高く、かつ正極と負極を電気的に隔離する
機能を有するものであればよい。 【0014】 【実施例】 以下、本発明を実施例、比較例によりさら
に詳しく説明する。 (実施例1 )まず正極は、平均粒径10μm 、窒素ガス
吸着BET 比表面積0.24m2 /gの正極活物質LiC
oO2 を100重量部に対して、導電剤として平均粒径
18.0μm のグラファイト6重量部と平均粒径0.0
4μm の非黒鉛炭素質粉末2.5重量部を混ぜ合わせて
コンパウンドとした。このコンパウンドに対してポリフ
ッ化ビニリデン2重量部を含むN −メチルピロリドン溶
液にこのコンパウンドを分散させ、この分散液を厚さ1
5μm のAl箔に塗布量277g/m2 となるよう均一
に塗布した後、塗布部分の厚みが87μmとなるようプ
レスすることにより作製した。 【0015】次に、負極は平均粒径14μm の繊維状グ
ラファイトカーボン85重量部とそれに対して平均粒径
4μm の黒鉛粉末を15重量部混合したものに対して、
バインダーとしてカルボキシメチルセルロース1.2重
量部と、スチレン−ブタジエンの架橋ゴムラテックス粒
子1.75重量部を含む水溶液に分散させ、その分散液
を厚さ12μm のCu箔に塗布量120g/m2 となるよ
う均一に塗布した後、塗布部分の厚みが86μmとなる
ようプレスすることにより作製した。 【0016】続いて、以上のように作製した正極、負極
の幅約55mm長さ約80cmのものを、厚さ25μm のポ
リエチレン微多孔膜のセパレータを介してロール上に径
約17mmで巻き取った。このロールを、径18mm長さ6
5mmの鉄製の円筒缶に入れ、さらにエチレンカーボネー
ト/メチルエチルカーボネート(体積比1:2)混合溶
媒1 リットルに電解質として1.0molのLiPF6
と0.5molのLiBF4 を溶解した電解液を入れ含
浸させ、封口して図1に示すような電池を組み立てた。 【0017】この電池を、1サイクル目は20℃で充電
0.3CmA定電流の後、4.2V定電圧でトータル充
電時間8時間、放電0.5CmA定電流で、放電終止電
圧3.0Vの条件でおこない、2 サイクル目を20℃で
充電1CmA定電流の後、4.2V定電圧でトータル充
電時間3時間、放電1CmA定電流で、放電終止電圧
3.0Vの条件でおこなった。その後、3 サイクル目の
充電を20℃で1CmA定電流の後、4.2V定電圧で
トータル充電時間3時間でおこない、放電は−10℃で
1CmA定電流で、放電終止電圧3.0Vの条件でおこ
なった。この構成では、1CmAは1350mAに相当
する。 【0018】このときの、−10℃における1CmA定
電流での出力特性を(3 サイクル目の放電容量)/(2
サイクル目の放電容量)×100(%)として、−10
℃における1CmA定電流での出力特性を測定した。こ
の電池において、この値は60%であった。 【0019】また、この電池の0℃サイクルにおける容
量維持率を以下のように測定した。1サイクル目は20
℃で充電0.3CmA定電流の後、4.2V定電圧でト
ータル充電時間8時間、放電0.5CmA定電流で、放
電終止電圧3.0Vの条件でおこない、2〜7サイクル
目を20℃で充電1CmA定電流の後、4.2V定電圧
でトータル充電時間3時間、放電1CmA定電流で、放
電終止電圧3.0Vの条件でおこなった。その後、8〜
30サイクル目を0℃で充電1CmA定電流の後、4.
2V定電圧でトータル充電時間3時間、放電1CmA定
電流で、放電終止電圧3.0Vの条件でおこなった。こ
のときの、0℃における容量維持率を(30サイクル目
の放電容量)/(8サイクル目の放電容量)×100
(%)として、0℃における容量維持率を測定した。こ
の電池においてこの値は、97%であった。 【0020】(比較例1 )電解液として、エチレンカー
ボネート/メチルエチルカーボネート(体積比1:2)
混合溶媒1 リットルに電解質として1.5molのLi
PF6 を溶解したものを使用する以外は、実施例1 と同
様にして非水系二次電池を作製し、−10℃の出力特性
を実施例1 と同様の方法で測定した。 【0021】(比較例2)電解液として、エチレンカー
ボネート/メチルエチルカーボネート(体積比1:2)
混合溶媒1 リットルに電解質として1.5molのLi
BF4 を溶解したものを使用する以外は、実施例1 と同
様にして非水系二次電池を作製し、−10℃の出力特性
を実施例1 と同様の方法で測定した。 【0022】(実施例2)平均粒径20μm 、窒素ガス
吸着BET 比表面積0.18m2 /gの正極活物質LiC
oO2 を使用する以外は実施例1 と同様の方法で正極を
作製し、この正極を用いて実施例1 と同様の方法で非水
系二次電池を作製した。この電池における−10℃の出
力特性および0℃における容量維持率を実施例1 と同様
の方法で測定した。 【0023】(比較例3)電解液として、エチレンカー
ボネート/メチルエチルカーボネート(体積比1:2)
混合溶媒1 リットルに電解質として1.5molのLi
PF6 を溶解したものを使用する以外は、実施例2 と同
様にして非水系二次電池を作製し、−10℃の出力特性
を実施例1 と同様の方法で測定した。 【0024】(比較例4)平均粒径3.4μm 、窒素ガ
ス吸着BET 比表面積0.70m2 /gの正極活物質Li
CoO2 を使用する以外は実施例1 と同様の方法で正極
を作製し、この正極を用いて実施例1 と同様の方法で非
水系二次電池を作製した。この電池における−10℃の
出力特性を実施例1 と同様の方法で測定した結果、この
値は62%であった。しかし、0℃における容量維持率
を実施例1 と同様の方法で測定すると67%であり、こ
の電池は実用上問題があった。 【0025】(比較例5)電解液として、エチレンカー
ボネート/メチルエチルカーボネート(体積比1:2)
混合溶媒1 リットルに電解質として1.5molのLi
PF6 を溶解したものを使用する以外は比較例4 と同様
の方法で非水系二次電池を作製した。この電池における
−10℃の出力特性を実施例1と同様の方法で測定し
た。この値は、63%であった。しかし、0℃における
容量維持率を実施例1 と同様の方法で測定すると72%
であり、この電池は実用上問題があった。 【0026】(実施例3)電解液として、エチレンカー
ボネート/メチルエチルカーボネート(体積比1:2)
混合溶媒1 リットルに電解質として1.4molのLi
PF6 と0.1molのLiBF4 を溶解したものを使
用する以外は、実施例1 と同様にして非水系二次電池を
作製し、−10℃の出力特性を実施例1 と同様の方法で
測定した。 【0027】(実施例4)電解液として、エチレンカー
ボネート/メチルエチルカーボネート(体積比1:2)
混合溶媒1 リットルに電解質として1.0molのLi
PF6 と0.2molのLiBF4 を溶解したものを使
用する以外は、実施例1 と同様にして非水系二次電池を
作製し、−10℃の出力特性を実施例1 と同様の方法で
測定した。 【0028】(実施例5)電解液として、エチレンカー
ボネート/メチルエチルカーボネート(体積比1:2)
混合溶媒1 リットルに電解質として0.7molのLi
PF6 と0.3molのLiBF4 を溶解したものを使
用する以外は、実施例1 と同様にして非水系二次電池を
作製し、−10℃の出力特性を実施例1 と同様の方法で
測定した。 【0029】(比較例6)電解液として、エチレンカー
ボネート/メチルエチルカーボネート(体積比1:2)
混合溶媒1 リットルに電解質として1.0molのLi
PF6 と0.01molのLiBF4 を溶解したものを
使用する以外は、実施例1 と同様にして非水系二次電池
を作製し、−10℃の出力特性を実施例1 と同様の方法
で測定した。 【0030】(比較例7)電解液として、エチレンカー
ボネート/メチルエチルカーボネート(体積比1:2)
混合溶媒1 リットルに電解質として1.5molのLi
PF6 と0.01molのLiBF4 を溶解したものを
使用する以外は、実施例1 と同様にして非水系二次電池
を作製し、−10℃の出力特性を実施例1 と同様の方法
で測定した。 【0031】(比較例8)電解液として、エチレンカー
ボネート/メチルエチルカーボネート(体積比1:2)
混合溶媒1リットルに電解質として0. 4molのLi
PF6 と0. 5molのLiBF4 を溶解したものを使
用する以外は、実施例1と同様にして非水系二次電池を
作製し、−10℃の出力特性を実施例1と同様の方法で
測定した。これらの値を、表1および表2に示す。 【0032】 【表1】 【0033】 【表2】 【0034】(実施例6)上記電解質のLiBF4 の濃
度に関して、さらに以下のような方法で径17mm、長
さ67mmの円筒型電池を作製し、交流インピーダンス
を測定した。正極は、平均粒径10μm の正極活物質L
iCoO2 を100重量部に対して、導電剤として平均
粒径18.0μm のグラファイト6重量部と平均粒径
0.04μm の非黒鉛炭素質粉末2.5重量部を混ぜ合
わせてコンパウンドとした。このコンパウンドに対して
ポリフッ化ビニリデン2重量部を含むN −メチルピロリ
ドン溶液にこのコンパウンドを分散させ、この分散液を
厚さ15μm のAl箔に塗布量277g/m2 となるよ
う均一に塗布した後、塗布部分の厚みが87μmとなる
ようプレスすることにより作製した。 【0035】次に、負極は平均粒径18μm の繊維状グ
ラファイトカーボン80重量部とそれに対して平均粒径
4μm の黒鉛粉末を20重量部混合したものに対して、
バインダーとしてカルボキシメチルセルロース1.2重
量部と、スチレン−ブタジエンの架橋ゴムラテックス粒
子1.75重量部を含む水溶液に分散させ、その分散液
を厚さ12μm のCu箔に塗布量120g/m2 となるよ
う均一に塗布した後、塗布部分の厚みが86μmとなる
ようプレスすることにより作製した。 【0036】続いて、以上のように作製した正極、負極
の幅約57mm長さ約72cmのものを、厚さ25μm のポ
リエチレン微多孔膜のセパレータを介してロール上に径
約16mmで巻き取った。このロールを、径17mm長さ6
7mmの鉄製の円筒缶に入れ、さらにエチレンカーボネー
ト/メチルエチルカーボネート(体積比1:2)混合溶
媒1 リットルに電解質としてLiBF4 とLiPF6 の
合計の濃度を1mol/リットルとして、LiBF4 と
LiPF6 の濃度を変化させて溶解した数種類の電解液
を作製し、それぞれを円筒缶に入れ含浸させ、封口して
図1に示すような、電解質の異なる数種類の電池を組み
立てた。 【0037】その電池缶を20℃で充電0.3CmA定
電流の後、4.2V定電圧でトータル充電時間8時間、
放電0.5CmA定電流で、放電終止電圧3.0Vの条
件で行い、その後充電1CmA定電流の後、4.0V定
電圧でトータル充電時間3時間の充電をおこなった。こ
の構成では、1CmAは1200mAに相当する。 【0038】その後、−20℃の環境下で周波数を2m
Hz〜100Hzまで変化させ、最大振幅電圧4mV
で、正極・負極間の交流インピーダンスを測定し、2m
Hzの値をLiBF4 の濃度に対してプロットすると図
2の様になった。この図から、LiBF4 の濃度は0.
05mol/リットル以上0.6mol/リットル以下
であるとセルのインピーダンスが低くなり、放電性能を
改善する効果が大きく好ましい。 【0039】 【発明の効果】以上説明したように、本発明は、テトラ
フルオロほう酸リチウムの濃度が0.05mol/リッ
トル以上0.6mol/リットル以下で、ヘキサフルオ
ロ燐酸リチウムの濃度が0.5mol/リットル以上
2.0mol/リットル以下であり、かつ正極活物質の
比表面積が0.4m2 /g以下とするものであって、こ
のことにより低温における充放電サイクルの劣化を伴わ
ずに、低温における出力特性の改善された非水系二次電
池を得ることができる。
剤を含む正極と、負極活物質を含む負極と、非水系電解
質とから構成される非水系二次電池であって、特に低温
における充放電サイクルの劣化を伴わずに、低温におけ
る出力特性の改善されたものに関する。 【0002】 【従来の技術】近年、非水系二次電池、特にリチウムを
用いた二次電池は、高電圧、高エネルギー密度を有する
ことから注目を集めている。リチウム二次電池における
重要な特性の一つとして、低温下における使用を考慮し
て、低温における放電出力特性の改良への要求がある。 【0003】従来、これらの改良を目指して、多孔質負
極として、主として炭素網面の面間隔d002が0.3
37nm未満の黒鉛質粒子からなり、かつその負極の空
孔率が10%以上60%未満であって、空孔径0.1μ
m から10μm の範囲にある空孔の占める体積の全空孔
体積に対する百分率が80%以上であるものを使用する
技術(特開平6−295744号公報、特開平6−23
1766号公報)、有機溶媒として、主として炭酸エチ
レンおよび−20℃において液体でかつ常圧における沸
点が160℃以上の有機溶媒を用いる技術(特開平6−
267589号公報)などが提案されているが、未だ充
分に満足のいく結果が得られていないのが現状である。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、非水
系二次電池において、特に低温における充放電サイクル
の劣化を伴わずに、低温における出力特性の改善された
ものを提供することである。 【0005】 【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決しようとして、電解質の種類および濃度と正極活
物質の平均粒径および窒素ガス吸着BET比表面積に着
目し、鋭意研究を重ねたところ、2種類の電解質を混合
し該電解質濃度がある特定の範囲にあり、かつ正極活物
質の平均粒径と窒素ガス吸着BET比表面積が各々ある
特定の範囲にあるとき、特に低温における充放電サイク
ルの劣化を伴わずに、低温における出力特性に優れた非
水系二次電池を得ることを見いだし、本発明を完成する
に至ったものである。 【0006】即ち、本発明は、正極活物質と導電剤を含
む正極と、負極活物質を含む負極と、非水系電解質であ
るテトラフルオロほう酸リチウムとヘキサフルオロ燐酸
リチウムから構成される非水系二次電池において、テト
ラフルオロほう酸リチウムの濃度が0.05mol/リ
ットル以上0.6mol/リットル以下で、ヘキサフル
オロ燐酸リチウムの濃度が0.5mol/リットル以上
2.0mol/リットル以下であり、かつ正極活物質の
比表面積が0.4m2 /g以下であることを特徴とする
ものである。 【0007】以下、本発明を詳細に説明する。上記正極
活物質としては、電気化学的にリチウムイオンを吸蔵・
放出可能な公知のもの全てを使用することができるが、
中でもリチウムを含んだ材料が好ましい。例えば、一般
式LiX MY NZ O2 (Mは、遷移金属元素のCo、N
i、Fe、Mn、Cr、V、Ti、Cu、Zrの中から
選ばれた少なくとも1種類の金属、Nは、Al、In、
Sn、B、Mg、Si、Ge、Ga、Y、La、Ce、
Pr、Nd、Smの中から選ばれた少なくとも1種類の
金属、0<X≦1.1、0.5≦Y≦1.0、0≦Z≦
0.1)を有するリチウム複合金属酸化物が好ましく、
さらには一般式LiX CoY NZ O2 (Nは、Al、I
n、Sn、B、Mg、Si、Ge、Ga、Y、La、C
e、Pr、Nd、Smの中から選ばれた少なくとも1種
類の金属、0<X≦1.1、0.5≦Y≦1.0、0≦
Z≦0.1)を有するコバルト酸リチウム類がより好ま
しい。 【0008】上記正極活物質の比表面積については、そ
れが0.4m2 /g以上であると低温(0℃)でのサイ
クル特性が悪化し、実用的でなくなる。上記導電剤とし
ては、グラファイトや活性炭、各種コークス、カーボン
ブラック、アセチレンブラック等の非黒鉛炭素質材料が
使用できる。更に、正極には、その1〜5重量%のLi
2 CO3 を配合しておくと、過充電等に基づく正極の電
位上昇時に容易に分解して炭酸ガスを発生するので、電
流遮断弁に作用して電池内電流を速やかに遮断するので
安全対策上望ましい。 【0009】上記負極活物質としては、電気化学的にリ
チウムイオンを吸蔵・放出可能な公知のもの全てを使用
することができるが、例えば黒鉛粉末、メソフェーズ炭
素繊維、メソフェーズ小球体等のカーボンおよび金属、
合金、酸化物、窒化物等が好ましく用いられる。 【0010】上記非水系溶媒としては、同じく特に制限
はなく従来公知のいずれのものでも使用することがで
き、例えばエチレンカーボネート、プロピレンカーボネ
ート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネー
ト、γ−ブチロラクトン、1,2−ジメトキシエタン、
1,2−ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,
3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラ
ン、ジエチルエーテル、スルホラン、メチルスルホラ
ン、アセトニトリル、プロピオニトリル等の一種または
二種以上を混合して使用することができる。 【0011】上記電解質は、上記非水系溶媒の溶液の形
で用いられるが、固体状、例えばゾル状、ゲル状等、あ
るいは固体状と上記非水系溶媒の溶液の混合系でも用い
ることができる。特に、イオン伝導性を有する固体電解
質、もしくは固体高分子膜中にイオン伝導体を分散した
ようなゲル状固体電解質等を、単独もしくは上記非水系
溶媒の溶液との混合系で用いるような、電極界面のイン
ピーダンスが大きな電池系においては、上記電解質を用
いると当該インピーダンスが減少するので、室温および
低温での放電性能を改善する効果が大きく好ましい。ま
た、上記電解質のテトラフルオロほう酸リチウム(Li
BF4 )濃度は、0.05mol/リットルより小さい
ときには低温における出力特性の改善効果が少なくな
り、0.6mol/リットルより大きいときには高温保
存時の各種電池特性が悪くなるので、0.05mol/
リットル以上0.6mol/リットル以下であることが
好ましい。ヘキサフルオロ燐酸リチウム(LiPF6 )
の濃度に関しては、0.5mol/リットルより小さい
と、低温における出力特性の改善効果が少なくなると共
に室温での充放電サイクル特性が悪くなり、2.0mo
l/リットルより大きくなると非水系溶媒の粘度が高く
なるなど製造上困難となるので、0.5mol/リット
ル以上2.0mol/リットル以下であることが好まし
い。 【0012】正極集電体としては、アルミニウム、チタ
ン、ステンレス等の金属箔、エキスパンドメタル、パン
チメタル、発泡メタル、カーボンクロス、カーボンペー
パー等が用いられる。また、負極集電体としては、銅、
ニッケル、ステンレスなどの金属箔、エキスパンドメタ
ル、パンチメタル、発泡メタル、カーボンクロス、カー
ボンペーパー等が用いられる。 【0013】セパレーターは、通常ポリエチレン、ポリ
プロピレン等のポリオレフィン樹脂の微多孔膜が用いら
れるが、セルロース、芳香族ポリアミド、フッ素樹脂、
ポリオレフィン等の樹脂、またはアルミナ、シリカ等の
無機物の少なくとも1種もしくはこれらの混合物で構成
される不織布、抄紙、多孔膜等の構造体、固体電解質の
フィルム等、いずれの形態であってもかまわない。イオ
ンの透過性が高く、かつ正極と負極を電気的に隔離する
機能を有するものであればよい。 【0014】 【実施例】 以下、本発明を実施例、比較例によりさら
に詳しく説明する。 (実施例1 )まず正極は、平均粒径10μm 、窒素ガス
吸着BET 比表面積0.24m2 /gの正極活物質LiC
oO2 を100重量部に対して、導電剤として平均粒径
18.0μm のグラファイト6重量部と平均粒径0.0
4μm の非黒鉛炭素質粉末2.5重量部を混ぜ合わせて
コンパウンドとした。このコンパウンドに対してポリフ
ッ化ビニリデン2重量部を含むN −メチルピロリドン溶
液にこのコンパウンドを分散させ、この分散液を厚さ1
5μm のAl箔に塗布量277g/m2 となるよう均一
に塗布した後、塗布部分の厚みが87μmとなるようプ
レスすることにより作製した。 【0015】次に、負極は平均粒径14μm の繊維状グ
ラファイトカーボン85重量部とそれに対して平均粒径
4μm の黒鉛粉末を15重量部混合したものに対して、
バインダーとしてカルボキシメチルセルロース1.2重
量部と、スチレン−ブタジエンの架橋ゴムラテックス粒
子1.75重量部を含む水溶液に分散させ、その分散液
を厚さ12μm のCu箔に塗布量120g/m2 となるよ
う均一に塗布した後、塗布部分の厚みが86μmとなる
ようプレスすることにより作製した。 【0016】続いて、以上のように作製した正極、負極
の幅約55mm長さ約80cmのものを、厚さ25μm のポ
リエチレン微多孔膜のセパレータを介してロール上に径
約17mmで巻き取った。このロールを、径18mm長さ6
5mmの鉄製の円筒缶に入れ、さらにエチレンカーボネー
ト/メチルエチルカーボネート(体積比1:2)混合溶
媒1 リットルに電解質として1.0molのLiPF6
と0.5molのLiBF4 を溶解した電解液を入れ含
浸させ、封口して図1に示すような電池を組み立てた。 【0017】この電池を、1サイクル目は20℃で充電
0.3CmA定電流の後、4.2V定電圧でトータル充
電時間8時間、放電0.5CmA定電流で、放電終止電
圧3.0Vの条件でおこない、2 サイクル目を20℃で
充電1CmA定電流の後、4.2V定電圧でトータル充
電時間3時間、放電1CmA定電流で、放電終止電圧
3.0Vの条件でおこなった。その後、3 サイクル目の
充電を20℃で1CmA定電流の後、4.2V定電圧で
トータル充電時間3時間でおこない、放電は−10℃で
1CmA定電流で、放電終止電圧3.0Vの条件でおこ
なった。この構成では、1CmAは1350mAに相当
する。 【0018】このときの、−10℃における1CmA定
電流での出力特性を(3 サイクル目の放電容量)/(2
サイクル目の放電容量)×100(%)として、−10
℃における1CmA定電流での出力特性を測定した。こ
の電池において、この値は60%であった。 【0019】また、この電池の0℃サイクルにおける容
量維持率を以下のように測定した。1サイクル目は20
℃で充電0.3CmA定電流の後、4.2V定電圧でト
ータル充電時間8時間、放電0.5CmA定電流で、放
電終止電圧3.0Vの条件でおこない、2〜7サイクル
目を20℃で充電1CmA定電流の後、4.2V定電圧
でトータル充電時間3時間、放電1CmA定電流で、放
電終止電圧3.0Vの条件でおこなった。その後、8〜
30サイクル目を0℃で充電1CmA定電流の後、4.
2V定電圧でトータル充電時間3時間、放電1CmA定
電流で、放電終止電圧3.0Vの条件でおこなった。こ
のときの、0℃における容量維持率を(30サイクル目
の放電容量)/(8サイクル目の放電容量)×100
(%)として、0℃における容量維持率を測定した。こ
の電池においてこの値は、97%であった。 【0020】(比較例1 )電解液として、エチレンカー
ボネート/メチルエチルカーボネート(体積比1:2)
混合溶媒1 リットルに電解質として1.5molのLi
PF6 を溶解したものを使用する以外は、実施例1 と同
様にして非水系二次電池を作製し、−10℃の出力特性
を実施例1 と同様の方法で測定した。 【0021】(比較例2)電解液として、エチレンカー
ボネート/メチルエチルカーボネート(体積比1:2)
混合溶媒1 リットルに電解質として1.5molのLi
BF4 を溶解したものを使用する以外は、実施例1 と同
様にして非水系二次電池を作製し、−10℃の出力特性
を実施例1 と同様の方法で測定した。 【0022】(実施例2)平均粒径20μm 、窒素ガス
吸着BET 比表面積0.18m2 /gの正極活物質LiC
oO2 を使用する以外は実施例1 と同様の方法で正極を
作製し、この正極を用いて実施例1 と同様の方法で非水
系二次電池を作製した。この電池における−10℃の出
力特性および0℃における容量維持率を実施例1 と同様
の方法で測定した。 【0023】(比較例3)電解液として、エチレンカー
ボネート/メチルエチルカーボネート(体積比1:2)
混合溶媒1 リットルに電解質として1.5molのLi
PF6 を溶解したものを使用する以外は、実施例2 と同
様にして非水系二次電池を作製し、−10℃の出力特性
を実施例1 と同様の方法で測定した。 【0024】(比較例4)平均粒径3.4μm 、窒素ガ
ス吸着BET 比表面積0.70m2 /gの正極活物質Li
CoO2 を使用する以外は実施例1 と同様の方法で正極
を作製し、この正極を用いて実施例1 と同様の方法で非
水系二次電池を作製した。この電池における−10℃の
出力特性を実施例1 と同様の方法で測定した結果、この
値は62%であった。しかし、0℃における容量維持率
を実施例1 と同様の方法で測定すると67%であり、こ
の電池は実用上問題があった。 【0025】(比較例5)電解液として、エチレンカー
ボネート/メチルエチルカーボネート(体積比1:2)
混合溶媒1 リットルに電解質として1.5molのLi
PF6 を溶解したものを使用する以外は比較例4 と同様
の方法で非水系二次電池を作製した。この電池における
−10℃の出力特性を実施例1と同様の方法で測定し
た。この値は、63%であった。しかし、0℃における
容量維持率を実施例1 と同様の方法で測定すると72%
であり、この電池は実用上問題があった。 【0026】(実施例3)電解液として、エチレンカー
ボネート/メチルエチルカーボネート(体積比1:2)
混合溶媒1 リットルに電解質として1.4molのLi
PF6 と0.1molのLiBF4 を溶解したものを使
用する以外は、実施例1 と同様にして非水系二次電池を
作製し、−10℃の出力特性を実施例1 と同様の方法で
測定した。 【0027】(実施例4)電解液として、エチレンカー
ボネート/メチルエチルカーボネート(体積比1:2)
混合溶媒1 リットルに電解質として1.0molのLi
PF6 と0.2molのLiBF4 を溶解したものを使
用する以外は、実施例1 と同様にして非水系二次電池を
作製し、−10℃の出力特性を実施例1 と同様の方法で
測定した。 【0028】(実施例5)電解液として、エチレンカー
ボネート/メチルエチルカーボネート(体積比1:2)
混合溶媒1 リットルに電解質として0.7molのLi
PF6 と0.3molのLiBF4 を溶解したものを使
用する以外は、実施例1 と同様にして非水系二次電池を
作製し、−10℃の出力特性を実施例1 と同様の方法で
測定した。 【0029】(比較例6)電解液として、エチレンカー
ボネート/メチルエチルカーボネート(体積比1:2)
混合溶媒1 リットルに電解質として1.0molのLi
PF6 と0.01molのLiBF4 を溶解したものを
使用する以外は、実施例1 と同様にして非水系二次電池
を作製し、−10℃の出力特性を実施例1 と同様の方法
で測定した。 【0030】(比較例7)電解液として、エチレンカー
ボネート/メチルエチルカーボネート(体積比1:2)
混合溶媒1 リットルに電解質として1.5molのLi
PF6 と0.01molのLiBF4 を溶解したものを
使用する以外は、実施例1 と同様にして非水系二次電池
を作製し、−10℃の出力特性を実施例1 と同様の方法
で測定した。 【0031】(比較例8)電解液として、エチレンカー
ボネート/メチルエチルカーボネート(体積比1:2)
混合溶媒1リットルに電解質として0. 4molのLi
PF6 と0. 5molのLiBF4 を溶解したものを使
用する以外は、実施例1と同様にして非水系二次電池を
作製し、−10℃の出力特性を実施例1と同様の方法で
測定した。これらの値を、表1および表2に示す。 【0032】 【表1】 【0033】 【表2】 【0034】(実施例6)上記電解質のLiBF4 の濃
度に関して、さらに以下のような方法で径17mm、長
さ67mmの円筒型電池を作製し、交流インピーダンス
を測定した。正極は、平均粒径10μm の正極活物質L
iCoO2 を100重量部に対して、導電剤として平均
粒径18.0μm のグラファイト6重量部と平均粒径
0.04μm の非黒鉛炭素質粉末2.5重量部を混ぜ合
わせてコンパウンドとした。このコンパウンドに対して
ポリフッ化ビニリデン2重量部を含むN −メチルピロリ
ドン溶液にこのコンパウンドを分散させ、この分散液を
厚さ15μm のAl箔に塗布量277g/m2 となるよ
う均一に塗布した後、塗布部分の厚みが87μmとなる
ようプレスすることにより作製した。 【0035】次に、負極は平均粒径18μm の繊維状グ
ラファイトカーボン80重量部とそれに対して平均粒径
4μm の黒鉛粉末を20重量部混合したものに対して、
バインダーとしてカルボキシメチルセルロース1.2重
量部と、スチレン−ブタジエンの架橋ゴムラテックス粒
子1.75重量部を含む水溶液に分散させ、その分散液
を厚さ12μm のCu箔に塗布量120g/m2 となるよ
う均一に塗布した後、塗布部分の厚みが86μmとなる
ようプレスすることにより作製した。 【0036】続いて、以上のように作製した正極、負極
の幅約57mm長さ約72cmのものを、厚さ25μm のポ
リエチレン微多孔膜のセパレータを介してロール上に径
約16mmで巻き取った。このロールを、径17mm長さ6
7mmの鉄製の円筒缶に入れ、さらにエチレンカーボネー
ト/メチルエチルカーボネート(体積比1:2)混合溶
媒1 リットルに電解質としてLiBF4 とLiPF6 の
合計の濃度を1mol/リットルとして、LiBF4 と
LiPF6 の濃度を変化させて溶解した数種類の電解液
を作製し、それぞれを円筒缶に入れ含浸させ、封口して
図1に示すような、電解質の異なる数種類の電池を組み
立てた。 【0037】その電池缶を20℃で充電0.3CmA定
電流の後、4.2V定電圧でトータル充電時間8時間、
放電0.5CmA定電流で、放電終止電圧3.0Vの条
件で行い、その後充電1CmA定電流の後、4.0V定
電圧でトータル充電時間3時間の充電をおこなった。こ
の構成では、1CmAは1200mAに相当する。 【0038】その後、−20℃の環境下で周波数を2m
Hz〜100Hzまで変化させ、最大振幅電圧4mV
で、正極・負極間の交流インピーダンスを測定し、2m
Hzの値をLiBF4 の濃度に対してプロットすると図
2の様になった。この図から、LiBF4 の濃度は0.
05mol/リットル以上0.6mol/リットル以下
であるとセルのインピーダンスが低くなり、放電性能を
改善する効果が大きく好ましい。 【0039】 【発明の効果】以上説明したように、本発明は、テトラ
フルオロほう酸リチウムの濃度が0.05mol/リッ
トル以上0.6mol/リットル以下で、ヘキサフルオ
ロ燐酸リチウムの濃度が0.5mol/リットル以上
2.0mol/リットル以下であり、かつ正極活物質の
比表面積が0.4m2 /g以下とするものであって、こ
のことにより低温における充放電サイクルの劣化を伴わ
ずに、低温における出力特性の改善された非水系二次電
池を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電池の組み立て図である。
【図2】LiBF4 濃度とセルインピーダンスとの関係
図である。
図である。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 脇本 祐二
神奈川県川崎市川崎区夜光1丁目3番1号
旭化成工業株式会社内
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 【請求項1 】 正極活物質と導電剤を含む正極と、負極
活物質を含む負極と、非水系電解質であるテトラフルオ
ロほう酸リチウムとヘキサフルオロ燐酸リチウムから構
成される非水系二次電池において、テトラフルオロほう
酸リチウムの濃度が0.05mol/リットル以上0.
6mol/リットル以下で、ヘキサフルオロ燐酸リチウ
ムの濃度が0.5mol/リットル以上2.0mol/
リットル以下であり、かつ正極活物質の比表面積が0.
4m2 /g以下であることを特徴とする非水系二次電
池。 【請求項2】 正極活物質がリチウム複合金属酸化物L
iX MY NZ O2 (Mは、遷移金属元素のCo、Ni、
Fe、Mn、Cr、V、Ti、Cu、Zrの中から選ば
れた少なくとも1種類の金属、Nは、Al、In、S
n、B、Mg、Si、Ge、Ga、Y、La、Ce、P
r、Nd、Smの中から選ばれた少なくとも1種類の金
属、0<X≦1.1、0.5≦Y≦1.0、0≦Z≦
0.1)であることを特徴とする請求項1記載の非水系
二次電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9256188A JPH1186907A (ja) | 1997-09-05 | 1997-09-05 | 非水系二次電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9256188A JPH1186907A (ja) | 1997-09-05 | 1997-09-05 | 非水系二次電池 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1186907A true JPH1186907A (ja) | 1999-03-30 |
Family
ID=17289138
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9256188A Withdrawn JPH1186907A (ja) | 1997-09-05 | 1997-09-05 | 非水系二次電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1186907A (ja) |
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- 1997-09-05 JP JP9256188A patent/JPH1186907A/ja not_active Withdrawn
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