JP2002087807A - 複層黒鉛、その製造方法およびそれを用いた非水電解質二次電池 - Google Patents
複層黒鉛、その製造方法およびそれを用いた非水電解質二次電池Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 リチウムイオン二次電池などの非水電解質二
次電池の負極活物質として用いた場合に、大電流時の放
電特性が優れ、かつサイクル特性が優れた材料およびそ
れを用いて上記特性を有する非水電解質二次電池を提供
する。 【解決手段】 基材となる黒鉛の表面にホウ素化合物を
有するメソフェーズピッチを被覆した後、高温で焼成す
ることによって、基材となる黒鉛の表面にメソフェーズ
ピッチとホウ素化合物に基づくホウ素含有黒鉛被覆層を
形成して複層黒鉛にし、その複層黒鉛を負極活物質とし
て用いて非水電解質二次電池を構成する。上記ホウ素含
有黒鉛被覆層の厚みは10〜500nmが好ましい。
次電池の負極活物質として用いた場合に、大電流時の放
電特性が優れ、かつサイクル特性が優れた材料およびそ
れを用いて上記特性を有する非水電解質二次電池を提供
する。 【解決手段】 基材となる黒鉛の表面にホウ素化合物を
有するメソフェーズピッチを被覆した後、高温で焼成す
ることによって、基材となる黒鉛の表面にメソフェーズ
ピッチとホウ素化合物に基づくホウ素含有黒鉛被覆層を
形成して複層黒鉛にし、その複層黒鉛を負極活物質とし
て用いて非水電解質二次電池を構成する。上記ホウ素含
有黒鉛被覆層の厚みは10〜500nmが好ましい。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、基材となる黒鉛の
表面にメソフェーズピッチとホウ素化合物に基づくホウ
素含有黒鉛被覆層を有する複層黒鉛、その製造方法およ
びそれを用いた非水電解質二次電池に関する。
表面にメソフェーズピッチとホウ素化合物に基づくホウ
素含有黒鉛被覆層を有する複層黒鉛、その製造方法およ
びそれを用いた非水電解質二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】リチウムイオン二次電池に代表される非
水電解質二次電池の負極活物質としては、天然黒鉛、人
造黒鉛、メソフェーズカーボンマイクロビーズ(MCM
B)、メソフェーズカーボン繊維(MCF)などの黒鉛
系材料が用いられ、高容量で、かつ充放電サイクル特性
が優れた二次電池としてその需要がますます増える傾向
にある。
水電解質二次電池の負極活物質としては、天然黒鉛、人
造黒鉛、メソフェーズカーボンマイクロビーズ(MCM
B)、メソフェーズカーボン繊維(MCF)などの黒鉛
系材料が用いられ、高容量で、かつ充放電サイクル特性
が優れた二次電池としてその需要がますます増える傾向
にある。
【0003】しかしながら、最近は、この非水電解質二
次電池に対してもより高容量化する要請が高くなってき
ている。このような背景から、上記に例示した黒鉛系材
料の中からリチウム(Li)イオンを吸蔵・放出できる
容量が大きな天然黒鉛や高温焼成によって天然黒鉛と同
じような形態を持たせた人造黒鉛を負極活物質として用
いる方向に傾向が移ってきている。このような黒鉛は放
電容量が350mAh/g以上あり、中には360mA
h/gを超える材料も提案されている。これらの黒鉛の
特徴は、黒鉛化度が大きく、鱗片状の形態を持っている
点にある。
次電池に対してもより高容量化する要請が高くなってき
ている。このような背景から、上記に例示した黒鉛系材
料の中からリチウム(Li)イオンを吸蔵・放出できる
容量が大きな天然黒鉛や高温焼成によって天然黒鉛と同
じような形態を持たせた人造黒鉛を負極活物質として用
いる方向に傾向が移ってきている。このような黒鉛は放
電容量が350mAh/g以上あり、中には360mA
h/gを超える材料も提案されている。これらの黒鉛の
特徴は、黒鉛化度が大きく、鱗片状の形態を持っている
点にある。
【0004】ところが、このような鱗片状の黒鉛を負極
活物質として用いた場合、次に挙げるような問題点があ
る。すなわち、上記黒鉛を負極活物質としてリチウムイ
オン二次電池などの非水電解質二次電池に用いる場合、
上記黒鉛をポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロ
エチレン、スチレンブタジエン系ゴムなどのバインダー
と溶剤の存在下で混合して負極合剤含有ペーストを調製
し、その負極合剤含有ペーストを銅箔などからなる集電
体に塗布し、乾燥して負極合剤層を形成することによ
り、集電体と負極合剤層とが一体となった負極を作製し
ている。しかしながら、鱗片状の黒鉛を負極活物質とし
て用いた場合、鱗片状の黒鉛が集電体の表面に平行に配
列するため、集電体と負極合剤層との間の接着力が弱
く、充放電の繰り返しに伴い負極合剤層が集電体から離
れ、サイクル特性が悪くなるという問題がある。
活物質として用いた場合、次に挙げるような問題点があ
る。すなわち、上記黒鉛を負極活物質としてリチウムイ
オン二次電池などの非水電解質二次電池に用いる場合、
上記黒鉛をポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロ
エチレン、スチレンブタジエン系ゴムなどのバインダー
と溶剤の存在下で混合して負極合剤含有ペーストを調製
し、その負極合剤含有ペーストを銅箔などからなる集電
体に塗布し、乾燥して負極合剤層を形成することによ
り、集電体と負極合剤層とが一体となった負極を作製し
ている。しかしながら、鱗片状の黒鉛を負極活物質とし
て用いた場合、鱗片状の黒鉛が集電体の表面に平行に配
列するため、集電体と負極合剤層との間の接着力が弱
く、充放電の繰り返しに伴い負極合剤層が集電体から離
れ、サイクル特性が悪くなるという問題がある。
【0005】上記のような接着力の弱さはバインダー量
を増加することによって補うことができるが、バインダ
ー量を多くすると、そのぶん負極活物質量が減少してし
まい、鱗片状の黒鉛の単位重量当たりの容量が大きいと
いう特性が充分に発揮できなくなるという問題がある。
また、このような鱗片状の黒鉛はリチウムイオンが黒鉛
層間に出入りできるサイトがエッジ面に限られるため、
大電流放電時にリチウムイオンの電解液からの供給が追
いつかず、大電流時の放電特性が悪いという問題もあっ
た。
を増加することによって補うことができるが、バインダ
ー量を多くすると、そのぶん負極活物質量が減少してし
まい、鱗片状の黒鉛の単位重量当たりの容量が大きいと
いう特性が充分に発揮できなくなるという問題がある。
また、このような鱗片状の黒鉛はリチウムイオンが黒鉛
層間に出入りできるサイトがエッジ面に限られるため、
大電流放電時にリチウムイオンの電解液からの供給が追
いつかず、大電流時の放電特性が悪いという問題もあっ
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のような問題を解
決すべく、天然黒鉛の表面に低結晶性カーボンを被覆し
た材料や天然黒鉛の表面に化学気相法(CVD)によっ
て黒鉛被覆層を形成した材料が提案されている。これら
の被覆層を有する天然黒鉛は、表面性状が改質されてい
るので接着性は改善されているものの、被覆層の黒鉛化
度が不充分であって、基材の天然黒鉛に比べて容量が低
いことや黒鉛化度が異なることから、サイクル時に膨張
・収縮の度合いが基材の天然黒鉛と被覆層との間で異な
り、充放電サイクルの増加に伴い粒子形が容易に崩壊す
るため、サイクル特性が悪くなるという問題点が依然残
っていた。
決すべく、天然黒鉛の表面に低結晶性カーボンを被覆し
た材料や天然黒鉛の表面に化学気相法(CVD)によっ
て黒鉛被覆層を形成した材料が提案されている。これら
の被覆層を有する天然黒鉛は、表面性状が改質されてい
るので接着性は改善されているものの、被覆層の黒鉛化
度が不充分であって、基材の天然黒鉛に比べて容量が低
いことや黒鉛化度が異なることから、サイクル時に膨張
・収縮の度合いが基材の天然黒鉛と被覆層との間で異な
り、充放電サイクルの増加に伴い粒子形が容易に崩壊す
るため、サイクル特性が悪くなるという問題点が依然残
っていた。
【0007】さらに、上記のような被覆層を有する天然
黒鉛でも大電流時での放電特性は充分でなく、より優れ
た大電流放電特性が必要とされる。
黒鉛でも大電流時での放電特性は充分でなく、より優れ
た大電流放電特性が必要とされる。
【0008】したがって、本発明は、例えばリチウムイ
オン二次電池などの非水電解質二次電池の負極活物質と
して用いた場合に、大電流時の放電特性が優れ、かつサ
イクル特性が優れた材料を提供することを目的とする。
オン二次電池などの非水電解質二次電池の負極活物質と
して用いた場合に、大電流時の放電特性が優れ、かつサ
イクル特性が優れた材料を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため鋭意研究を重ねた結果、基材となる黒鉛
の表面にホウ素化合物を含有するメソフェーズピッチを
被覆した後、高温で焼成することによって、基材となる
黒鉛の表面にメソフェーズピッチとホウ素化合物に基づ
くホウ素含有黒鉛被覆層を形成して複層黒鉛にするとき
は、上記課題を解決できることを見出した。
を解決するため鋭意研究を重ねた結果、基材となる黒鉛
の表面にホウ素化合物を含有するメソフェーズピッチを
被覆した後、高温で焼成することによって、基材となる
黒鉛の表面にメソフェーズピッチとホウ素化合物に基づ
くホウ素含有黒鉛被覆層を形成して複層黒鉛にするとき
は、上記課題を解決できることを見出した。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明のメソフェーズピッチとホ
ウ素化合物に基づくホウ素含有黒鉛被覆層を有する複層
黒鉛は、以下のようにして製造することができる。
ウ素化合物に基づくホウ素含有黒鉛被覆層を有する複層
黒鉛は、以下のようにして製造することができる。
【0011】まず、基材となる黒鉛の表面にホウ素化合
物を含有するメソフェーズピッチを被覆する。この被覆
にあたっては、例えば、基材となる黒鉛とメソフェーズ
ピッチとホウ素化合物を混合し、メカノケミカル反応に
よって基材となる黒鉛の表面にホウ素化合物を含有する
メソフェーズピッチを被覆する。また、メソフェーズピ
ッチにホウ素化合物を添加して混合することによりメソ
フェーズピッチにホウ素化合物を含有させておいてか
ら、それを基材となる黒鉛に被覆してもよい。上記ホウ
素化合物としては、例えば、B4 C、B2 O3 などを用
いることができる。このホウ素化合物を含有するメソフ
ェーズピッチの基材となる黒鉛への被覆にあたっては、
例えば、ニーダー、メカノフュージョン、ヘンシェルミ
キサー、ボールミル、振動ミルなどの装置を用いること
ができる。
物を含有するメソフェーズピッチを被覆する。この被覆
にあたっては、例えば、基材となる黒鉛とメソフェーズ
ピッチとホウ素化合物を混合し、メカノケミカル反応に
よって基材となる黒鉛の表面にホウ素化合物を含有する
メソフェーズピッチを被覆する。また、メソフェーズピ
ッチにホウ素化合物を添加して混合することによりメソ
フェーズピッチにホウ素化合物を含有させておいてか
ら、それを基材となる黒鉛に被覆してもよい。上記ホウ
素化合物としては、例えば、B4 C、B2 O3 などを用
いることができる。このホウ素化合物を含有するメソフ
ェーズピッチの基材となる黒鉛への被覆にあたっては、
例えば、ニーダー、メカノフュージョン、ヘンシェルミ
キサー、ボールミル、振動ミルなどの装置を用いること
ができる。
【0012】そして、上記のように、ホウ素含有化合物
を含有するメソフェーズピッチを被覆した黒鉛をアチェ
ソン炉で代表される黒鉛化炉にて黒鉛化が充分に進行す
る温度で焼成することによって、基材となる黒鉛の表面
にメソフェーズピッチとホウ素化合物に基づくホウ素含
有黒鉛被覆層を有する複層黒鉛を得ることができる。こ
こで黒鉛化が充分に進行する温度とはおおよそ2500
℃以上であって、2800〜3200℃が好ましい。そ
して、焼成後の複層黒鉛を適度な粒度になるまで粉砕す
ることによって使用に適した複層黒鉛を得ることができ
る。
を含有するメソフェーズピッチを被覆した黒鉛をアチェ
ソン炉で代表される黒鉛化炉にて黒鉛化が充分に進行す
る温度で焼成することによって、基材となる黒鉛の表面
にメソフェーズピッチとホウ素化合物に基づくホウ素含
有黒鉛被覆層を有する複層黒鉛を得ることができる。こ
こで黒鉛化が充分に進行する温度とはおおよそ2500
℃以上であって、2800〜3200℃が好ましい。そ
して、焼成後の複層黒鉛を適度な粒度になるまで粉砕す
ることによって使用に適した複層黒鉛を得ることができ
る。
【0013】このようにして製造された複層黒鉛のホウ
素含有黒鉛被覆層は、ホウ素が含有されていることによ
って黒鉛化度がホウ素を含まない場合に比べて高くな
り、かつ若干の乱層構造となっているものと考えられ
る。その結果、容量が大きくなるとともに、リチウムイ
オンの挿入・脱離サイトが増えることによって大電流時
の放電特性が改善される。さらに、表面のホウ素含有黒
鉛被覆層がメソフェーズピッチに近い構造をとるので、
集電体との接着性が大きく改善され、それによって、サ
イクル特性が向上する。
素含有黒鉛被覆層は、ホウ素が含有されていることによ
って黒鉛化度がホウ素を含まない場合に比べて高くな
り、かつ若干の乱層構造となっているものと考えられ
る。その結果、容量が大きくなるとともに、リチウムイ
オンの挿入・脱離サイトが増えることによって大電流時
の放電特性が改善される。さらに、表面のホウ素含有黒
鉛被覆層がメソフェーズピッチに近い構造をとるので、
集電体との接着性が大きく改善され、それによって、サ
イクル特性が向上する。
【0014】上記ホウ素含有黒鉛被覆層の厚みは電子線
エネルギー損失分光法(以下、「EELS」という)に
よる分析でホウ素が検出される厚みを測ることによって
求めることができる。この分析により検出されるホウ素
含有黒鉛被覆層の厚みを10nm以上とすることによ
り、本発明の効果がより得られやすくなり、また、50
0nm以下の厚みのホウ素含有黒鉛被覆層を有する複層
黒鉛が製造しやすいことから、ホウ素含有黒鉛被覆層の
厚みは10〜500nmとするのが好ましい。
エネルギー損失分光法(以下、「EELS」という)に
よる分析でホウ素が検出される厚みを測ることによって
求めることができる。この分析により検出されるホウ素
含有黒鉛被覆層の厚みを10nm以上とすることによ
り、本発明の効果がより得られやすくなり、また、50
0nm以下の厚みのホウ素含有黒鉛被覆層を有する複層
黒鉛が製造しやすいことから、ホウ素含有黒鉛被覆層の
厚みは10〜500nmとするのが好ましい。
【0015】本発明のホウ素含有黒鉛被覆層を有する複
層黒鉛を製造するにあたって基材となる黒鉛としては、
例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、繊維状黒鉛などを用いる
ことができ、中でも、本発明は基材となる黒鉛として天
然黒鉛などのように鱗片状の黒鉛を用いる場合に特に有
効である。
層黒鉛を製造するにあたって基材となる黒鉛としては、
例えば、天然黒鉛、人造黒鉛、繊維状黒鉛などを用いる
ことができ、中でも、本発明は基材となる黒鉛として天
然黒鉛などのように鱗片状の黒鉛を用いる場合に特に有
効である。
【0016】また、本発明のホウ素含有黒鉛被覆層を有
する複層黒鉛を製造するにあたって使用するメソフェー
ズピッチの量は、最終的に得られるホウ素含有黒鉛被覆
層の厚みが10〜500nmの範囲になる量であること
が好ましい。ホウ素含有黒鉛被覆層の厚みは、用いるメ
ソフェーズペッチの粒径や起源によっても異なるため、
メソフェーズピッチの使用量を一概に規定することは難
しいが、最終的に得られる複層黒鉛において0.5〜3
0重量%程度が好ましい。
する複層黒鉛を製造するにあたって使用するメソフェー
ズピッチの量は、最終的に得られるホウ素含有黒鉛被覆
層の厚みが10〜500nmの範囲になる量であること
が好ましい。ホウ素含有黒鉛被覆層の厚みは、用いるメ
ソフェーズペッチの粒径や起源によっても異なるため、
メソフェーズピッチの使用量を一概に規定することは難
しいが、最終的に得られる複層黒鉛において0.5〜3
0重量%程度が好ましい。
【0017】メソフェーズピッチに対するホウ素化合物
の添加量はホウ素の重量としてメソフェーズピッチに対
して0.3重量%(メソフェーズピッチ100重量部に
対してホウ素0.3重量部)以上が好ましく、3重量%
以上で7重量%以下がより好ましい。すなわち、ホウ素
は黒鉛骨格の炭素を最大2.7重量%まで置換できるの
で、ホウ素含有黒鉛被覆層を形成する工程での収率を考
慮すると、ホウ素化合物の添加量は上記範囲にするのが
好ましい。
の添加量はホウ素の重量としてメソフェーズピッチに対
して0.3重量%(メソフェーズピッチ100重量部に
対してホウ素0.3重量部)以上が好ましく、3重量%
以上で7重量%以下がより好ましい。すなわち、ホウ素
は黒鉛骨格の炭素を最大2.7重量%まで置換できるの
で、ホウ素含有黒鉛被覆層を形成する工程での収率を考
慮すると、ホウ素化合物の添加量は上記範囲にするのが
好ましい。
【0018】上記のようなメソフェーズピッチとホウ素
化合物に基づくホウ素含有黒鉛被覆層を有する複層黒鉛
は、例えば、リチウムイオン二次電池などの非水電解質
二次電池の負極活物質としては好適に用いられる。
化合物に基づくホウ素含有黒鉛被覆層を有する複層黒鉛
は、例えば、リチウムイオン二次電池などの非水電解質
二次電池の負極活物質としては好適に用いられる。
【0019】つぎに、上記ホウ素含有黒鉛被覆層を有す
る複層黒鉛を負極活物質として用いて非水電解質二次電
池を構成する場合について説明する。正極の作製にあた
り、活物質としては、リチウムイオン二次電池などの非
水電解質二次電池の正極活物質として用いられているも
のをいずれも用いることができる。その具体例を挙げる
と、例えば、LiCoO2 、LiMn2 O4 、LiNi
O2 、Lix Niy Mnz Oa などのリチウム含有複合
金属酸化物などが好適な正極活物質として挙げられる。
る複層黒鉛を負極活物質として用いて非水電解質二次電
池を構成する場合について説明する。正極の作製にあた
り、活物質としては、リチウムイオン二次電池などの非
水電解質二次電池の正極活物質として用いられているも
のをいずれも用いることができる。その具体例を挙げる
と、例えば、LiCoO2 、LiMn2 O4 、LiNi
O2 、Lix Niy Mnz Oa などのリチウム含有複合
金属酸化物などが好適な正極活物質として挙げられる。
【0020】正極は、上記正極活物質に、必要に応じ
て、例えば鱗片状黒鉛、アセチレンブラックなどの導電
助剤と、例えばポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフル
オロエチレンなどのバインダーを加えて混合し、得られ
た正極合剤を適宜の手段で成形することによって作製さ
れる。例えば、上記正極合剤を成形するか、または上記
正極合剤を溶剤に分散させてペーストにし(この場合、
バインダーはあらかじめ溶剤に溶解させておいてから正
極活物質などと混合してもよい)、その正極合剤含有ペ
ーストを基体としての作用を兼ねる集電体に塗布し、乾
燥して正極合剤層を形成する工程を経る方法によって正
極が作製される。ただし、正極の作製方法は、上記例示
の方法に限られることなく、他の方法によってもよい。
て、例えば鱗片状黒鉛、アセチレンブラックなどの導電
助剤と、例えばポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフル
オロエチレンなどのバインダーを加えて混合し、得られ
た正極合剤を適宜の手段で成形することによって作製さ
れる。例えば、上記正極合剤を成形するか、または上記
正極合剤を溶剤に分散させてペーストにし(この場合、
バインダーはあらかじめ溶剤に溶解させておいてから正
極活物質などと混合してもよい)、その正極合剤含有ペ
ーストを基体としての作用を兼ねる集電体に塗布し、乾
燥して正極合剤層を形成する工程を経る方法によって正
極が作製される。ただし、正極の作製方法は、上記例示
の方法に限られることなく、他の方法によってもよい。
【0021】負極は、上記ホウ素含有黒鉛被覆層を有す
る複層黒鉛からなる負極活物質に、必要に応じて、前記
正極の場合と同様のバインダーなどを加えて混合し、得
られた負極合剤を適宜の手段で成形することによって作
製される。例えば、上記負極合剤を加圧成形するか、ま
たは上記負極合剤を溶剤に分散させてペーストにし(こ
の場合、バインダーはあらかじめ溶剤に溶解させておい
てから負極活物質などと混合してもよい)、その負極合
剤含有ペーストを基体としての作用を兼ねる集電体に塗
布し、乾燥して負極合剤層を形成する工程を経る方法に
よって負極が作製される。ただし、負極の作製方法は、
上記例示の方法に限られることなく、他の方法によって
もよい。
る複層黒鉛からなる負極活物質に、必要に応じて、前記
正極の場合と同様のバインダーなどを加えて混合し、得
られた負極合剤を適宜の手段で成形することによって作
製される。例えば、上記負極合剤を加圧成形するか、ま
たは上記負極合剤を溶剤に分散させてペーストにし(こ
の場合、バインダーはあらかじめ溶剤に溶解させておい
てから負極活物質などと混合してもよい)、その負極合
剤含有ペーストを基体としての作用を兼ねる集電体に塗
布し、乾燥して負極合剤層を形成する工程を経る方法に
よって負極が作製される。ただし、負極の作製方法は、
上記例示の方法に限られることなく、他の方法によって
もよい。
【0022】上記正極合剤含有ペーストや負極合剤含有
ペーストを導電性基体に塗布する際の塗布方法として
は、例えば、押出しコーター、リバースローラー、ドク
ターブレードなどをはじめ、各種の塗布方法を採用する
ことができる。また、正極、負極の集電体として、例え
ば、アルミニウム、ニッケル、ステンレス鋼、チタン、
銅などの金属の網、パンチドメタル、エキスパンドメタ
ル、フォームメタル、箔などが用いられるが、正極の集
電体としては特にアルミニウム箔が適しており、負極の
集電体としては特に銅箔が適している。
ペーストを導電性基体に塗布する際の塗布方法として
は、例えば、押出しコーター、リバースローラー、ドク
ターブレードなどをはじめ、各種の塗布方法を採用する
ことができる。また、正極、負極の集電体として、例え
ば、アルミニウム、ニッケル、ステンレス鋼、チタン、
銅などの金属の網、パンチドメタル、エキスパンドメタ
ル、フォームメタル、箔などが用いられるが、正極の集
電体としては特にアルミニウム箔が適しており、負極の
集電体としては特に銅箔が適している。
【0023】非水電解質としては、液状電解質、ゲル状
ポリマー電解質、固体電解質のいずれも用い得るが、特
に液状電解質やゲル状ポリマー電解質などが好ましい。
特に液状電解質が多用されることから、まず、この液状
電解質から電解液という表現で以下に詳細に説明する。
ポリマー電解質、固体電解質のいずれも用い得るが、特
に液状電解質やゲル状ポリマー電解質などが好ましい。
特に液状電解質が多用されることから、まず、この液状
電解質から電解液という表現で以下に詳細に説明する。
【0024】本発明において、電解液は、例えば、有機
溶媒などの非水溶媒にリチウム塩などの電解質塩を溶解
させることによって調製される。上記電解液の構成溶媒
としての非水溶媒は、特に限定されるものではないが、
鎖状エステルを主溶媒として用いることが特に適してい
る。そのような鎖状エステルとしては、例えば、ジエチ
ルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチル
カーボネート、酢酸エチル、プロピオン酸メチルなどの
鎖状のCOO−結合を有する有機溶媒が挙げられる。
溶媒などの非水溶媒にリチウム塩などの電解質塩を溶解
させることによって調製される。上記電解液の構成溶媒
としての非水溶媒は、特に限定されるものではないが、
鎖状エステルを主溶媒として用いることが特に適してい
る。そのような鎖状エステルとしては、例えば、ジエチ
ルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチル
カーボネート、酢酸エチル、プロピオン酸メチルなどの
鎖状のCOO−結合を有する有機溶媒が挙げられる。
【0025】また、上記鎖状エステル以外の溶媒として
は、誘電率の高いエステルを用いることが好ましく、そ
のような誘電率の高いエステルとしては、例えば、エチ
レンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレン
カーボネート、γ−ブチロラクトン、エチレングリコー
ルサルファイトなどが挙げられ、特にエチレンカーボネ
ート、プロピレンカーボネートなどの環状構造のものが
好ましい。
は、誘電率の高いエステルを用いることが好ましく、そ
のような誘電率の高いエステルとしては、例えば、エチ
レンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレン
カーボネート、γ−ブチロラクトン、エチレングリコー
ルサルファイトなどが挙げられ、特にエチレンカーボネ
ート、プロピレンカーボネートなどの環状構造のものが
好ましい。
【0026】さらに、上記誘電率の高いエステル以外に
併用可能な溶媒としては、例えば、1,2−ジメトキシ
エタン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、
2−メチル−テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルな
どが挙げられる。そのほか、アミン系またはイミド系有
機溶媒や、含イオウ系または含フッ素系有機溶媒なども
用いることができる。
併用可能な溶媒としては、例えば、1,2−ジメトキシ
エタン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、
2−メチル−テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルな
どが挙げられる。そのほか、アミン系またはイミド系有
機溶媒や、含イオウ系または含フッ素系有機溶媒なども
用いることができる。
【0027】電解液の調製にあたって上記非水溶媒に溶
解させる電解質塩としては、例えば、LiClO4 、L
iPF6 、LiBF4 、LiAsF6 、LiCF3 SO
3 、LiC4 F9 SO3 、LiCF3 CO2 、Li2 C
2 F4 (SO3 )2 、LiN(CF3 SO2 )2 、Li
C(CF3 SO2 )3 、LiCn F2n+1SO3 (n≧
2)、LiN(RfOSO2 )2 〔ここでRfはフルオ
ロアルキル基〕などが単独でまたは2種以上混合して用
いられるが、特にLiPF6 やLiC4 F9 SO 3 など
が好ましい。電解液中における電解質塩の濃度は、特に
限定されるものではないが、0.4mol/l以上が好
ましく、また、1.7mol/l以下が好まし。
解させる電解質塩としては、例えば、LiClO4 、L
iPF6 、LiBF4 、LiAsF6 、LiCF3 SO
3 、LiC4 F9 SO3 、LiCF3 CO2 、Li2 C
2 F4 (SO3 )2 、LiN(CF3 SO2 )2 、Li
C(CF3 SO2 )3 、LiCn F2n+1SO3 (n≧
2)、LiN(RfOSO2 )2 〔ここでRfはフルオ
ロアルキル基〕などが単独でまたは2種以上混合して用
いられるが、特にLiPF6 やLiC4 F9 SO 3 など
が好ましい。電解液中における電解質塩の濃度は、特に
限定されるものではないが、0.4mol/l以上が好
ましく、また、1.7mol/l以下が好まし。
【0028】ゲル状ポリマー電解質は、電解液をゲル化
剤によってゲル化したものに相当するが、そのゲル化に
あたっては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチ
レンオキサイド、ポリアクリロニトリルなどの直鎖状ポ
リマーまたはそれらのコポリマー、紫外線や電子線など
の活性光線の照射によりポリマー化する多官能モノマー
(例えば、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、
ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、エトキ
シ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペン
タエリスリトールヒドロキシペンタアクリレート、ジペ
ンタエリスリトールヘキサアクリレートなどの四官能以
上のアクリレートおよび上記アクリレートと同様の四官
能以上のメタクリレートなど)などが用いられる。ただ
し、モノマーの場合、モノマーそのものが電解液をゲル
化させるのではなく、上記モノマーをポリマー化したポ
リマーがゲル化剤として作用する。
剤によってゲル化したものに相当するが、そのゲル化に
あたっては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチ
レンオキサイド、ポリアクリロニトリルなどの直鎖状ポ
リマーまたはそれらのコポリマー、紫外線や電子線など
の活性光線の照射によりポリマー化する多官能モノマー
(例えば、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、
ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、エトキ
シ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペン
タエリスリトールヒドロキシペンタアクリレート、ジペ
ンタエリスリトールヘキサアクリレートなどの四官能以
上のアクリレートおよび上記アクリレートと同様の四官
能以上のメタクリレートなど)などが用いられる。ただ
し、モノマーの場合、モノマーそのものが電解液をゲル
化させるのではなく、上記モノマーをポリマー化したポ
リマーがゲル化剤として作用する。
【0029】上記のように多官能モノマーを用いて電解
液をゲル化させる場合、必要であれば、重合開始剤とし
て、例えば、ベンゾイル類、ベンゾインアルキルエーテ
ル類、ベンゾフェノン類、ベンゾイルフェニルフォスフ
ィンオキサイド類、アセトフェノン類、チオキサントン
類、アントラキノン類などを使用することができ、さら
に重合開始剤の増感剤としてアルキルアミン類、アミノ
エステル類なども使用することもできる。
液をゲル化させる場合、必要であれば、重合開始剤とし
て、例えば、ベンゾイル類、ベンゾインアルキルエーテ
ル類、ベンゾフェノン類、ベンゾイルフェニルフォスフ
ィンオキサイド類、アセトフェノン類、チオキサントン
類、アントラキノン類などを使用することができ、さら
に重合開始剤の増感剤としてアルキルアミン類、アミノ
エステル類なども使用することもできる。
【0030】非水電解質としては、上記の電解液(液状
電解質)やゲル状ポリマー電解液以外に、固体電解液も
用いることができる。その固体電解質としては、無機系
固体電解質、有機系固体電解質のいずれも用いることが
できる。
電解質)やゲル状ポリマー電解液以外に、固体電解液も
用いることができる。その固体電解質としては、無機系
固体電解質、有機系固体電解質のいずれも用いることが
できる。
【0031】通常、上記正極と負極との間にセパレータ
を介在させるが、そのセパレータとしては、特に限定さ
れることはないが、強度が充分でしかも電解液を多く保
持できるものがよく、そのような観点から、厚さが10
〜50μmで、開孔率が30〜70%のポリプロピレン
製、ポリエチレン製、またはプロピレンとエチレンとの
コポリマー製の微孔性フィルムや不織布などが好まし
い。
を介在させるが、そのセパレータとしては、特に限定さ
れることはないが、強度が充分でしかも電解液を多く保
持できるものがよく、そのような観点から、厚さが10
〜50μmで、開孔率が30〜70%のポリプロピレン
製、ポリエチレン製、またはプロピレンとエチレンとの
コポリマー製の微孔性フィルムや不織布などが好まし
い。
【0032】非水二次電池は、例えば、上記のようにし
て作製された正極および負極をセパレータを介して、積
層または巻回して作製した電極体を金属製の電池ケース
内あるいはアルミニウム箔などの金属箔を芯材とするラ
ミネートフィルムで構成される外装材内に収容し、電解
液を注入した後、密閉する工程を経て作製される。上記
電極体を電池ケースに収容して非水電解質二次電池を構
成する場合、電池ケースの封口にあたって使用する封口
体には開裂ベントを設けておくことが好ましい。
て作製された正極および負極をセパレータを介して、積
層または巻回して作製した電極体を金属製の電池ケース
内あるいはアルミニウム箔などの金属箔を芯材とするラ
ミネートフィルムで構成される外装材内に収容し、電解
液を注入した後、密閉する工程を経て作製される。上記
電極体を電池ケースに収容して非水電解質二次電池を構
成する場合、電池ケースの封口にあたって使用する封口
体には開裂ベントを設けておくことが好ましい。
【0033】
【実施例】以下に本発明の実施例に関して説明する。た
だし、本発明はそれらの実施例のみに限定されるもので
はない。
だし、本発明はそれらの実施例のみに限定されるもので
はない。
【0034】実施例1 基材となる黒鉛には天然黒鉛を用い、この天然黒鉛と平
均粒径5μmに粉砕した軟化点300℃のメソフェーズ
ピッチとB4 Cを重量比99:0.997:0.003
で混合し、メカノケミカル反応により天然黒鉛の粒子表
面にB4 Cを含有するメソフェーズピッチを被覆させ
た。その後、1000℃で一次黒鉛化を行い、粉砕した
後、アルゴン雰囲気中3000℃で1時間焼成し、B4
Cを含有するメソフェーズピッチ層を黒鉛化させ、基材
となる天然黒鉛の粒子表面にメソフェーズピッチとホウ
素化合物に基づくホウ素含有黒鉛被覆層を有する複層黒
鉛Aを得た。この複層黒鉛Aのホウ素の分布をEELS
によって測定したところ、表面層から12nmまでホウ
素が検出された。
均粒径5μmに粉砕した軟化点300℃のメソフェーズ
ピッチとB4 Cを重量比99:0.997:0.003
で混合し、メカノケミカル反応により天然黒鉛の粒子表
面にB4 Cを含有するメソフェーズピッチを被覆させ
た。その後、1000℃で一次黒鉛化を行い、粉砕した
後、アルゴン雰囲気中3000℃で1時間焼成し、B4
Cを含有するメソフェーズピッチ層を黒鉛化させ、基材
となる天然黒鉛の粒子表面にメソフェーズピッチとホウ
素化合物に基づくホウ素含有黒鉛被覆層を有する複層黒
鉛Aを得た。この複層黒鉛Aのホウ素の分布をEELS
によって測定したところ、表面層から12nmまでホウ
素が検出された。
【0035】この複層黒鉛Aとバインダーとしてのポリ
フッ化ビニリデンを重量比90:10で混合して負極合
剤を調製し、それをN−メチル−2−ピロリドンに分散
させて負極合剤含有ペーストを調製し、得られた負極合
剤含有ペーストを厚さ10μmの銅箔からなる負極集電
体の片面に塗布し、乾燥して負極集電体の片面に負極合
剤層を形成した後、カレンダーでプレスしてシート状の
負極を得た。この負極を作用極とし、対極および参照極
にリチウム箔を用い、LiPF6 をエチレンカーボネー
トとメチルエチルカーボネートとの体積比1:2の混合
溶媒に1.2mol/lの濃度に溶解させた非水溶液を
電解液とし、モデルセルを作製して、複層黒鉛Aの放電
容量を調べた。この放電容量の測定は、電流密度0.1
mA/cm2 で5mVまで充電した後、5mVで電流密
度が0.01mA/cm2 になるまで充電し、その後、
電流密度0.1mA/cm2 で2Vまで放電することに
よって行った。その結果を後記の比較例1の放電容量の
測定結果とともに後記の表1に示す。
フッ化ビニリデンを重量比90:10で混合して負極合
剤を調製し、それをN−メチル−2−ピロリドンに分散
させて負極合剤含有ペーストを調製し、得られた負極合
剤含有ペーストを厚さ10μmの銅箔からなる負極集電
体の片面に塗布し、乾燥して負極集電体の片面に負極合
剤層を形成した後、カレンダーでプレスしてシート状の
負極を得た。この負極を作用極とし、対極および参照極
にリチウム箔を用い、LiPF6 をエチレンカーボネー
トとメチルエチルカーボネートとの体積比1:2の混合
溶媒に1.2mol/lの濃度に溶解させた非水溶液を
電解液とし、モデルセルを作製して、複層黒鉛Aの放電
容量を調べた。この放電容量の測定は、電流密度0.1
mA/cm2 で5mVまで充電した後、5mVで電流密
度が0.01mA/cm2 になるまで充電し、その後、
電流密度0.1mA/cm2 で2Vまで放電することに
よって行った。その結果を後記の比較例1の放電容量の
測定結果とともに後記の表1に示す。
【0036】また、天然黒鉛とメソフェーズピッチとB
4 Cの比率を後記の表1に示すように変えた以外は、上
記と同様の方法により、天然黒鉛の粒子表面にホウ素含
有黒鉛被覆層を有する複層黒鉛B〜Lを製造し、それら
のホウ素含有黒鉛被覆層の厚みをEELSによって測定
し、かつそれらの複層黒鉛B〜Lのそれぞれを用いて上
記と同様にモデルセルを作製した。そして、それらのモ
デルセルにより、複層黒鉛A〜Lの放電容量を測定し
た。
4 Cの比率を後記の表1に示すように変えた以外は、上
記と同様の方法により、天然黒鉛の粒子表面にホウ素含
有黒鉛被覆層を有する複層黒鉛B〜Lを製造し、それら
のホウ素含有黒鉛被覆層の厚みをEELSによって測定
し、かつそれらの複層黒鉛B〜Lのそれぞれを用いて上
記と同様にモデルセルを作製した。そして、それらのモ
デルセルにより、複層黒鉛A〜Lの放電容量を測定し
た。
【0037】比較例1 実施例1において基材として用いた天然黒鉛をホウ素含
有黒鉛で被覆することなくそのまま用いた以外は、実施
例1と同様にモデルセルを作製し、かつ放電容量を測定
した。その結果を表1に示す。なお、表1においては、
スペース上の関係で実施例1内の試料(複層黒鉛)の相
違は複層黒鉛の記号A〜Lで示し、比較例1に関して
は、天然黒鉛を試料Zとして示す。また、表1には天然
黒鉛、メソフェーズピッチ、B4 Cの比率を示すが、そ
の表示にあたっては、スペース上の関係でメソフェーズ
ピッチを簡略化して「ピッチ」という表現で示す。ま
た、ホウ素含有黒鉛被覆層の厚みも簡略化して「被覆層
厚み」という表現で示す。
有黒鉛で被覆することなくそのまま用いた以外は、実施
例1と同様にモデルセルを作製し、かつ放電容量を測定
した。その結果を表1に示す。なお、表1においては、
スペース上の関係で実施例1内の試料(複層黒鉛)の相
違は複層黒鉛の記号A〜Lで示し、比較例1に関して
は、天然黒鉛を試料Zとして示す。また、表1には天然
黒鉛、メソフェーズピッチ、B4 Cの比率を示すが、そ
の表示にあたっては、スペース上の関係でメソフェーズ
ピッチを簡略化して「ピッチ」という表現で示す。ま
た、ホウ素含有黒鉛被覆層の厚みも簡略化して「被覆層
厚み」という表現で示す。
【0038】
【表1】
【0039】表1に示す結果から明らかなように、基材
となる天然黒鉛の粒子表面にホウ素含有黒鉛被覆層を有
する複層黒鉛A〜Lを負極活物質として用いた場合は、
いずれも、比較例1の天然黒鉛を負極活物質として用い
た場合より、放電容量が大きく、天然黒鉛の表面にホウ
素含有黒鉛被覆層を形成することによって、放電容量が
増加することが明らかであった。
となる天然黒鉛の粒子表面にホウ素含有黒鉛被覆層を有
する複層黒鉛A〜Lを負極活物質として用いた場合は、
いずれも、比較例1の天然黒鉛を負極活物質として用い
た場合より、放電容量が大きく、天然黒鉛の表面にホウ
素含有黒鉛被覆層を形成することによって、放電容量が
増加することが明らかであった。
【0040】実施例2 負極は、前記複層黒鉛A〜Lをそれぞれ負極活物質とし
て用い、実施例1で示した方法と同様の方法で作製し
た。ただし、実施例1では負極合剤層を銅箔からなる負
極集電体の片面のみに形成したが、この実施例2では負
極合剤層を負極集電体の両面に形成した。
て用い、実施例1で示した方法と同様の方法で作製し
た。ただし、実施例1では負極合剤層を銅箔からなる負
極集電体の片面のみに形成したが、この実施例2では負
極合剤層を負極集電体の両面に形成した。
【0041】また、正極は以下に示すようにして作製し
た。正極活物質としてのLiCoO 2 と導電助剤として
の人造黒鉛を重量比9:1で混合し、その混合物をあら
かじめ調製しておいたポリフッ化ビニリデンのN−メチ
ル−2−ピロリドン溶液と混合して正極合剤含有ペース
トを調製した。この正極合剤含有ペースト中の正極合剤
の組成は、LiCoO2 :人造黒鉛:ポリフッ化ビニリ
デン=85.5:9.5:5(重量比)であった。
た。正極活物質としてのLiCoO 2 と導電助剤として
の人造黒鉛を重量比9:1で混合し、その混合物をあら
かじめ調製しておいたポリフッ化ビニリデンのN−メチ
ル−2−ピロリドン溶液と混合して正極合剤含有ペース
トを調製した。この正極合剤含有ペースト中の正極合剤
の組成は、LiCoO2 :人造黒鉛:ポリフッ化ビニリ
デン=85.5:9.5:5(重量比)であった。
【0042】得られた正極合剤含有ペーストを厚さ20
μmのアルミニウム箔からなる正極集電体の両面に塗布
し、乾燥して正極集電体の両面に正極合剤層を形成した
後、カレンダーでプレスしてシート状の正極を得た。
μmのアルミニウム箔からなる正極集電体の両面に塗布
し、乾燥して正極集電体の両面に正極合剤層を形成した
後、カレンダーでプレスしてシート状の正極を得た。
【0043】非水電解質としては、エチレンカーボネー
トとメチルエチルカーボネートとの体積比1:2の混合
溶媒にLiPF6 を1.2mol/l溶解させて調製し
た非水系の電解液を用いた。
トとメチルエチルカーボネートとの体積比1:2の混合
溶媒にLiPF6 を1.2mol/l溶解させて調製し
た非水系の電解液を用いた。
【0044】以上の負極、正極、電解液と、厚さ20μ
mでイオン透過性の微孔性ポリエチレンフィルムからな
るセパレータを用いて、図1の模式図に示すような構造
で高さ50mm、直径14mmの非水電解質二次電池を
作製した。
mでイオン透過性の微孔性ポリエチレンフィルムからな
るセパレータを用いて、図1の模式図に示すような構造
で高さ50mm、直径14mmの非水電解質二次電池を
作製した。
【0045】ここで、図1に示す電池について説明する
と、1は前記の正極で、2は前記の負極である。ただ
し、この図1では、繁雑化を避けるため、正極1や負極
2の作製にあたって使用された集電体などは図示してい
ない。そして、これらの正極1と負極2はセパレータ3
を介して渦巻状に巻回され、渦巻状電極体にして上記特
定の電解液からなる非水電解質4と共に電池ケース5内
に収容されている。
と、1は前記の正極で、2は前記の負極である。ただ
し、この図1では、繁雑化を避けるため、正極1や負極
2の作製にあたって使用された集電体などは図示してい
ない。そして、これらの正極1と負極2はセパレータ3
を介して渦巻状に巻回され、渦巻状電極体にして上記特
定の電解液からなる非水電解質4と共に電池ケース5内
に収容されている。
【0046】電池ケース5はステンレス鋼製で、その底
部には上記渦巻状電極体の挿入に先立って、ポリプロピ
レンからなる絶縁体6が配置されている。封口板7は、
アルミニウム製で円板状をしていて、その中央部に薄肉
部7aを設け、かつ上記薄肉部7aの周囲に電池内圧を
防爆弁9に作用させるための圧力導入口7bとしての孔
が設けられている。そして、この薄肉部7aの上面に防
爆弁9の突出部9aが溶接され、溶接部分11を構成し
ている。なお、上記の封口板7に設けた薄肉部7aや防
爆弁9の突出部9aなどは、図面上での理解がしやすい
ように、切断面のみを図示しており、切断面後方の輪郭
は図示を省略している。また、封口板7の薄肉部7aと
防爆弁9の突出部9aの溶接部分11も、図面上での理
解が容易なように、実際よりは誇張した状態に図示して
いる。
部には上記渦巻状電極体の挿入に先立って、ポリプロピ
レンからなる絶縁体6が配置されている。封口板7は、
アルミニウム製で円板状をしていて、その中央部に薄肉
部7aを設け、かつ上記薄肉部7aの周囲に電池内圧を
防爆弁9に作用させるための圧力導入口7bとしての孔
が設けられている。そして、この薄肉部7aの上面に防
爆弁9の突出部9aが溶接され、溶接部分11を構成し
ている。なお、上記の封口板7に設けた薄肉部7aや防
爆弁9の突出部9aなどは、図面上での理解がしやすい
ように、切断面のみを図示しており、切断面後方の輪郭
は図示を省略している。また、封口板7の薄肉部7aと
防爆弁9の突出部9aの溶接部分11も、図面上での理
解が容易なように、実際よりは誇張した状態に図示して
いる。
【0047】端子板8は、圧延鋼製で表面にニッケルメ
ッキが施され、周縁部が鍔状になった帽子状をしてお
り、この端子板8にはガス排出口8aが設けられてい
る。防爆弁9は、アルミニウム製で円板状をしており、
その中央部には発電要素側(図1では、下側)に先端部
を有する突出部9aが設けられ、かつ薄肉部9bが設け
られ、上記突出部9aの下面が、前記したように、封口
板7の薄肉部7aの上面に溶接され、溶接部分11を構
成している。絶縁パッキング10は、ポリプロピレン製
で環状をしており、封口板7の周縁部の上部に配置さ
れ、その上部に防爆弁9が配置していて、封口板7と防
爆弁9とを絶縁するとともに、両者の間から電解液が漏
れないように両者の間隙を封止している。環状ガスケッ
ト12はポリプロピレン製で、リード体13はアルミニ
ウム製で、前記封口板7と正極1とを接続し、渦巻状電
極体の上部には絶縁体14が配置され、負極2と電池ケ
ース5の底部とはニッケル製のリード体15で接続され
ている。
ッキが施され、周縁部が鍔状になった帽子状をしてお
り、この端子板8にはガス排出口8aが設けられてい
る。防爆弁9は、アルミニウム製で円板状をしており、
その中央部には発電要素側(図1では、下側)に先端部
を有する突出部9aが設けられ、かつ薄肉部9bが設け
られ、上記突出部9aの下面が、前記したように、封口
板7の薄肉部7aの上面に溶接され、溶接部分11を構
成している。絶縁パッキング10は、ポリプロピレン製
で環状をしており、封口板7の周縁部の上部に配置さ
れ、その上部に防爆弁9が配置していて、封口板7と防
爆弁9とを絶縁するとともに、両者の間から電解液が漏
れないように両者の間隙を封止している。環状ガスケッ
ト12はポリプロピレン製で、リード体13はアルミニ
ウム製で、前記封口板7と正極1とを接続し、渦巻状電
極体の上部には絶縁体14が配置され、負極2と電池ケ
ース5の底部とはニッケル製のリード体15で接続され
ている。
【0048】この電池においては、封口板7の薄肉部7
aと防爆弁9の突出部9aとが溶接部分11で接触し、
防爆弁9の周縁部と端子板8の周縁部とが接触し、正極
1と封口板7とは正極側のリード体13で接続されてい
るので、通常の状態では、正極1と端子板8とはリード
体13、封口板7、防爆弁9およびそれらの溶接部分1
1によって電気的接続が得られ、電路として正常に機能
する。
aと防爆弁9の突出部9aとが溶接部分11で接触し、
防爆弁9の周縁部と端子板8の周縁部とが接触し、正極
1と封口板7とは正極側のリード体13で接続されてい
るので、通常の状態では、正極1と端子板8とはリード
体13、封口板7、防爆弁9およびそれらの溶接部分1
1によって電気的接続が得られ、電路として正常に機能
する。
【0049】そして、電池が高温にさらされるなど、電
池に異常事態が起こり、電池内部にガスが発生して電池
の内圧が上昇した場合には、その内圧上昇により、防爆
弁9の中央部が内圧方向(図1では、上側の方向)に変
形し、それに伴って溶接部分11で一体化されている封
口板7の薄肉部7aに剪断力が働いて該薄肉部7aが破
断するか、または防爆弁9の突出部9aと封口板7の薄
肉部7aとの溶接部分11が剥離した後、この防爆弁9
に設けられている薄肉部9bが開裂してガスを端子板8
のガス排出口8aから電池外部に排出させて電池の破裂
を防止することができるように設計されている。
池に異常事態が起こり、電池内部にガスが発生して電池
の内圧が上昇した場合には、その内圧上昇により、防爆
弁9の中央部が内圧方向(図1では、上側の方向)に変
形し、それに伴って溶接部分11で一体化されている封
口板7の薄肉部7aに剪断力が働いて該薄肉部7aが破
断するか、または防爆弁9の突出部9aと封口板7の薄
肉部7aとの溶接部分11が剥離した後、この防爆弁9
に設けられている薄肉部9bが開裂してガスを端子板8
のガス排出口8aから電池外部に排出させて電池の破裂
を防止することができるように設計されている。
【0050】比較例2 実施例1で基材として用いた天然黒鉛をホウ素含有黒鉛
層で被覆することなくそのまま負極活物質として用いた
以外は、実施例1の場合と同様の方法により負極を作製
した。ただし、前記実施例1では、負極集電体の片面に
のみ負極合剤層を形成したが、この比較例2では負極集
電体の両面に負極合剤層を形成した。そして、上記負極
を用いた以外は、実施例2と同様に高さ50mm、直径
14mmの非水電解質二次電池を作製した。
層で被覆することなくそのまま負極活物質として用いた
以外は、実施例1の場合と同様の方法により負極を作製
した。ただし、前記実施例1では、負極集電体の片面に
のみ負極合剤層を形成したが、この比較例2では負極集
電体の両面に負極合剤層を形成した。そして、上記負極
を用いた以外は、実施例2と同様に高さ50mm、直径
14mmの非水電解質二次電池を作製した。
【0051】上記実施例2および比較例2の電池につい
て、600mAで4.1Vまで充電した後、120mA
で2.75Vまで放電(この放電強度を0.2Cと表現
する)。ついで、600mAで2.75Vまで放電した
(この放電強度を1Cと表現する)。さらに、600m
Aで4.1Vまで充電した後、1200mAで2.75
Vまで放電し(この放電強度を2Cと表現する)した。
これらの放電容量の測定結果から0.2Cの放電強度時
の放電容量に対する2Cの放電強度時の放電容量の割合
〔(2Cの放電強度時の放電容量/0.2Cの放電強度
時の放電容量)×100〕を求め、その結果を2C/
0.2Cとして表2に示す。また、0.2Cの放電強度
時の放電容量に対する1Cの放電強度時の割合〔(1C
の放電強度時の放電容量/0.2Cの放電強度時の放電
容量)×100〕求め、その結果を表2に1C/0.2
Cとして示す。これらの2C/0.2Cや1C/0.2
Cの値が大きいほど大電流時の放電特性が良いことを示
している。
て、600mAで4.1Vまで充電した後、120mA
で2.75Vまで放電(この放電強度を0.2Cと表現
する)。ついで、600mAで2.75Vまで放電した
(この放電強度を1Cと表現する)。さらに、600m
Aで4.1Vまで充電した後、1200mAで2.75
Vまで放電し(この放電強度を2Cと表現する)した。
これらの放電容量の測定結果から0.2Cの放電強度時
の放電容量に対する2Cの放電強度時の放電容量の割合
〔(2Cの放電強度時の放電容量/0.2Cの放電強度
時の放電容量)×100〕を求め、その結果を2C/
0.2Cとして表2に示す。また、0.2Cの放電強度
時の放電容量に対する1Cの放電強度時の割合〔(1C
の放電強度時の放電容量/0.2Cの放電強度時の放電
容量)×100〕求め、その結果を表2に1C/0.2
Cとして示す。これらの2C/0.2Cや1C/0.2
Cの値が大きいほど大電流時の放電特性が良いことを示
している。
【0052】また、実施例2および比較例2の電池につ
いて1Cでの充放電を4.1〜2.75Vの間で300
回繰り返し、そのときの放電容量を測定し、それらの放
電容量の測定結果から、充放電を300回繰り返した時
の放電容量の初期の放電容量に対する割合〔(充放電3
00回繰り返した時の放電容量/初期の放電容量)×1
00〕を求め、それを表2に充放電300回後の容量維
持率(%)として示す。
いて1Cでの充放電を4.1〜2.75Vの間で300
回繰り返し、そのときの放電容量を測定し、それらの放
電容量の測定結果から、充放電を300回繰り返した時
の放電容量の初期の放電容量に対する割合〔(充放電3
00回繰り返した時の放電容量/初期の放電容量)×1
00〕を求め、それを表2に充放電300回後の容量維
持率(%)として示す。
【0053】
【表2】
【0054】表2に示すように、実施例2の電池は、複
層黒鉛の種類にかかわらず、天然黒鉛を負極活物質とし
て用いた比較例2の電池に比べて、2C/0.2Cの値
や1C/0.2Cの値が大きく、大電流時の放電特性が
優れていた。また、実施例2の電池は、複層黒鉛の種類
にかかわらず、比較例2の電池に比べて、充放電300
回後の容量維持率が大きく、サイクル特性が優れてい
た。
層黒鉛の種類にかかわらず、天然黒鉛を負極活物質とし
て用いた比較例2の電池に比べて、2C/0.2Cの値
や1C/0.2Cの値が大きく、大電流時の放電特性が
優れていた。また、実施例2の電池は、複層黒鉛の種類
にかかわらず、比較例2の電池に比べて、充放電300
回後の容量維持率が大きく、サイクル特性が優れてい
た。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の基材とな
る黒鉛の表面にメソフェーズピッチとホウ素化合物に基
づくホウ素含有黒鉛被覆層を有する複層黒鉛を負極活物
質として用いることにより、高容量で、かつ大電流時の
放電特性とサイクル特性が良好な非水電解質二次電池を
提供することができる。
る黒鉛の表面にメソフェーズピッチとホウ素化合物に基
づくホウ素含有黒鉛被覆層を有する複層黒鉛を負極活物
質として用いることにより、高容量で、かつ大電流時の
放電特性とサイクル特性が良好な非水電解質二次電池を
提供することができる。
【図1】本発明に係る非水電解質二次電池の一例を模式
的に示す断面図である。
的に示す断面図である。
1 正極 2 負極 3 セパレータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 青山 茂夫 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内 Fターム(参考) 4G046 CA07 CB09 CC05 MA17 MB08 5H029 AJ02 AJ05 AK03 AL07 AM00 AM02 AM03 AM04 AM05 AM07 AM16 CJ02 CJ22 DJ08 EJ03 EJ04 HJ04 5H050 AA02 AA07 BA17 CB08 DA09 EA01 EA08 FA18 GA02 HA04 HA14
Claims (4)
- 【請求項1】 基材となる黒鉛の表面にメソフェーズピ
ッチとホウ素化合物に基づくホウ素含有黒鉛被覆層を有
することを特徴とする複層黒鉛。 - 【請求項2】 ホウ素含有黒鉛被覆層の厚みが10〜5
00nmである請求項1記載の複層黒鉛。 - 【請求項3】 基材となる黒鉛の表面にホウ素化合物を
含有するメソフェーズピッチを被覆した後、2500℃
以上で焼成して、基材となる黒鉛の表面にメソフェーズ
ピッチとホウ素化合物に基づくホウ素含有黒鉛被覆層を
形成することを特徴とする複層黒鉛の製造方法。 - 【請求項4】 請求項1または2記載の複層黒鉛を活物
質とする負極と、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な活
物質を有する正極と、非水電解質を有することを特徴と
する非水電解質二次電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000274326A JP2002087807A (ja) | 2000-09-11 | 2000-09-11 | 複層黒鉛、その製造方法およびそれを用いた非水電解質二次電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000274326A JP2002087807A (ja) | 2000-09-11 | 2000-09-11 | 複層黒鉛、その製造方法およびそれを用いた非水電解質二次電池 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2002087807A true JP2002087807A (ja) | 2002-03-27 |
Family
ID=18760100
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000274326A Withdrawn JP2002087807A (ja) | 2000-09-11 | 2000-09-11 | 複層黒鉛、その製造方法およびそれを用いた非水電解質二次電池 |
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Country | Link |
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-
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- 2000-09-11 JP JP2000274326A patent/JP2002087807A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20071204 |