JP2002216757A - 非水二次電池 - Google Patents

非水二次電池

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JP2002216757A
JP2002216757A JP2001014058A JP2001014058A JP2002216757A JP 2002216757 A JP2002216757 A JP 2002216757A JP 2001014058 A JP2001014058 A JP 2001014058A JP 2001014058 A JP2001014058 A JP 2001014058A JP 2002216757 A JP2002216757 A JP 2002216757A
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graphite
secondary battery
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JP2001014058A
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Toshihiro Koyama
俊洋 小山
Haruo Sakakoshi
治雄 阪越
Tohyo Kyo
東彪 姜
Shigeo Aoyama
青山  茂夫
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Hitachi Maxell Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 負荷特性およびサイクル特性が優れた非水二
次電池を提供する。 【解決手段】 リチウムイオンを吸蔵・放出可能な正極
活物質を用いた正極と負極と非水系の電解質を有する非
水二次電池において、前記負極の負極活物質として粒子
の平均円形度が0.93以上の黒鉛を用い、かつ、負極
は負極集電体の少なくとも一部に負極合剤層を形成する
ことによって作製し、その負極合剤層と負極集電体との
JIS K 5400の「8.5.2」に規定されるク
ロスカットテープ法による接着強度を8以上にする。上
記粒子の平均円形度が0.93以上の黒鉛の材質として
は、天然黒鉛であることが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非水二次電池に関
し、さらに詳しくは、負荷特性およびサイクル特性が優
れた非水二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】リチウムイオン二次電池に代表される非
水二次電池の負極活物質としては、放電容量が比較的小
さい天然黒鉛、人造黒鉛、メソフェーズカーボン黒鉛化
品、メソフェーズカーボン繊維などの黒鉛系材料が用い
られてきた。
【0003】ところが、最近は、この非水二次電池に対
してもより高容量化させることが強く要請され、そのよ
うな背景から、上記に例示した黒鉛系材料の中からリチ
ウム(Li)イオンを吸蔵・放出できる容量が大きな天
然黒鉛や天然黒鉛と同じような形態を持たせた人造黒鉛
を負極活物質として用いる方向に移ってきた。このよう
な高容量化が可能な黒鉛は放電容量が350mAh/g
以上あり、中には360mAh/gを超えるものも提案
されているが、次に示すような問題点を有している。す
なわち、それらの高容量タイプの黒鉛は、一般に黒鉛化
度が高く、Liイオンの放電容量が理論放電容量に近づ
くにつれて、粒子形状が鱗片状になってくる。黒鉛を非
水二次電池の負極活物質として用いる場合には、黒鉛を
ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、
スチレンブタジエン系ゴムなどのバインダーと溶剤の存
在下で混合して負極合剤含有ペーストを調製し、その負
極合剤含有ペーストを銅箔などからなる負極集電体に塗
布し、乾燥して負極合剤層を形成することにより、負極
合剤層と負極集電体とを一体化して負極としている。し
かしながら、鱗片状の黒鉛を負極活物質として用いた場
合は、負極合剤層と負極集電体との間の接着強度が弱い
ため、電池製造時に負極集電体から負極合剤層が剥離し
やすく、生産性が悪くなる。また、電池の充放電の繰り
返し時に負極合剤層が負極集電体から剥離して、サイク
ル特性が悪くなる。
【0004】負極合剤層と負極集電体との接着強度はバ
インダー量を多くすると強くなるが、バインダー量を多
くすると、それに伴って、負極合剤中の負極活物質量が
減少してしまい、高容量黒鉛の単位重量当たりの容量が
大きいという特性が電池では発揮できなくなってしまう
という問題がある。また、このような鱗片状の黒鉛はリ
チウムイオンが黒鉛層間に出入りできるサイトがエッジ
面に限られるため、大電流放電時にリチウムイオンの電
解液(液状電解質)からの供給が追いつかず、大電流時
の放電特性が悪いという問題もあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のような問題を解
決するため、天然黒鉛の表面に低結晶性カーボンを被覆
した複合黒鉛材料や天然黒鉛の表面に化学気相法(CV
D)によって黒鉛被覆層を形成した複合黒鉛材料が提案
されている。これらの被覆層を有する複合黒鉛材料は、
表面性状が改質されているので接着性は改善されている
ものの、被覆層の黒鉛化度が不充分であって、基材の天
然黒鉛に比べて容量が低いことや黒鉛化度が異なること
から、サイクル時に膨張・収縮の度合いが基材の天然黒
鉛と被覆層とで異なり、その粒子が容易に崩壊し、サイ
クル特性が悪いという問題が依然として残っている。さ
らに、この複合黒鉛材料も大電流時での放電特性が充分
でなく、より高い大電流時の放電特性が必要とされる。
【0006】本発明は、上記のような従来の非水二次電
池の問題点を解決し、大電流時の放電特性を向上させて
負荷特性が優れ、かつ負極合剤層と負極集電体との接着
強度を高めてサイクル特性が優れた非水二次電池を提供
することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、リチウムイオ
ンを吸蔵・放出可能な正極活物質を用いた正極を有する
非水二次電池において、負極の負極活物質として粒子の
平均円形度が0.93以上の黒鉛を用い、かつ、負極の
負極合剤層と負極集電体のクロスカットテープ法による
接着強度を8以上にすることによって、上記課題を解決
したものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明において、負極活物質とし
て用いる黒鉛は、その粒子の平均円形度が0.93以上
であることを要するが、その材質は天然黒鉛、メソフェ
ーズカーボン黒鉛化品、メソフェーズカーボン黒鉛化品
以外の人造黒鉛などのいずれであってもよい。ただし、
メソフェーズカーボン黒鉛化品を含む人造黒鉛は一般に
放電容量が天然黒鉛に比べて小さいため、天然黒鉛が特
に好ましい。また、天然黒鉛とメソフェーズカーボン黒
鉛化品を含む人造黒鉛を混合したものであってもよい。
ただし、この場合でも混合黒鉛粒子の平均円形度は0.
93以上である必要がある。さらに、これらの黒鉛の表
面を適当な表面処理剤で処理して用いてもよい。
【0009】このような粒子の平均円形度が0.93以
上の黒鉛は、その製造時の粉砕工程を制御することによ
って得ることができる。例えば、天然黒鉛の場合、黒鉛
鉱山より産出した天然黒鉛を精製した後ジェットミルな
どの汎用の乾式粉砕機によって粉砕して、粒子が所望の
平均円形度を有する天然黒鉛として製造することができ
る。また、乾式粉砕の前または後にメディアミルなどの
湿式粉砕を併用してもよい。さらに、粉砕にあたって、
適当な粉砕助剤を加えてもよく、また、乾式、湿式の分
級機を用いて、円形度を低下させるフラクションを除く
ことが好ましい。
【0010】本発明において、黒鉛粒子の平均円形度と
は、次の式(1)で定義される各黒鉛粒子の円形度の全
粒子にわたる平均値である。
【0011】円形度=粒子の円相当径から求めた円の周
囲長/粒子投影像の周囲長 (1)ここでいう、粒子投
影像の周囲長は黒鉛粒子を二次元平面に投影して、その
画像解析から求める。また、円形度は、1の場合に真円
であり、1に近づくほど真円に近い形状をしていて、本
発明においてより好適に用いられる。また、平均円形度
の測定は、例えば、シスメックス社製フロー式粒子像分
析装置によって求めることができる。
【0012】粒子の平均円形度が0.93より小さい場
合は、粒子形状が鱗片状に近付くため、負極合剤層と銅
箔などからなる集電体との接着力が弱くなり、電池を作
製した時にサイクル特性が悪くなる。
【0013】つぎに、上記粒子の平均円形度が0.93
以上の黒鉛を負極活物質として用いて非水二次電池を構
成する場合について説明する。まず、負極について説明
すると、負極は、前記の粒子の平均円形度が0.93以
上の黒鉛を負極活物質とし、該負極活物質に、必要に応
じて、例えばポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオ
ロエチレンなどのバインダーなどを加えて混合し、得ら
れた負極合剤を溶剤に分散させてペーストにし(バイン
ダーはあらかじめ溶剤に溶解させておいてから負極活物
質などと混合してもよい)、その負極合剤含有ペースト
を基体としての作用を兼ねる負極集電体に塗布し、乾燥
して負極合剤層を形成する工程を経る方法によって作製
される。ただし、負極の作製方法は、上記例示の方法に
限られることなく、他の方法によってもよい。
【0014】本発明においては、上記負極における負極
合剤層と負極集電体との接着強度はクロスカットテープ
法で8以上であることを必要とする。このクロスカット
テープ法は、JIS K 5400の「8.5.2」に
規定されている塗膜の接着強度を評価する試験方法であ
り、そのクロスカットテープ法による接着強度の8とは
交点にわずかにはがれがあることを示すが、負極におけ
る負極合剤層と負極集電体との接着強度がクロスカット
テープ法で8以上であれば、電池においては充分な接着
強度と考えられ、従来の非水二次電池におけるようなサ
イクル特性の低下を抑制することができる。
【0015】つぎに、正極の作製方法について説明する
と、正極の作製にあたっては、正極活物質として、リチ
ウムイオンの吸蔵・放出が可能でリチウムイオン二次電
池などの非水二次電池の正極活物質として用いられてい
るものをいずれも用いることができる。その具体例を挙
げると、例えば、LiCoO2 、LiMn2 4 、Li
NiO2 、Lix Niy Mnz a などのリチウム含有
複合金属酸化物などが好適な正極活物質として挙げられ
る。
【0016】正極は、上記正極活物質に、必要に応じ
て、例えば鱗片状黒鉛、アセチレンブラックなどの導電
助剤と、前記負極の場合と同様のバインダーを加えて混
合し、得られた正極合剤を溶剤に分散させてペーストに
し(バインダーはあらかじめ溶剤に溶解させておいてか
ら正極活物質などと混合してもよい)、その正極合剤含
有ペーストを基体としての作用を兼ねる正極集電体に塗
布し、乾燥して正極合剤層を形成する工程を経る方法に
よって作製される。ただし、正極の作製方法は、上記例
示の方法に限られることなく、他の方法によってもよ
い。
【0017】上記正極合剤含有ペーストや負極合剤含有
ペーストを導電性基体に塗布する際の塗布方法として
は、例えば、押出しコーター、リバースローラー、ドク
ターブレードなどをはじめ、各種の塗布方法を採用する
ことができる。また、正極、負極の集電体として、例え
ば、アルミニウム、ニッケル、ステンレス鋼、チタン、
銅などの金属の網、パンチドメタル、エキスパンドメタ
ル、フォームメタル、箔などが用いられるが、正極の集
電体としては特にアルミニウム箔が適しており、負極の
集電体としては特に銅箔が適している。
【0018】非水系の電解質としては、一般に電解液と
呼ばれる液状電解質、その液状電極をゲル化剤でゲル化
したゲル状ポリマー電解質、固体電解質のいずれも用い
得るが、液状電解質やゲル状ポリマー電解質が好まし
い。特に、本発明においては、液状電解質が多用される
ことから、まず、この液状電解質から「電解液」という
表現で以下に詳細に説明する。
【0019】本発明において、電解液は、例えば、有機
溶媒などの非水溶媒にリチウム塩などの電解質塩を溶解
させることによって調製される。上記電解液の構成溶媒
としての非水溶媒は、特に限定されるものではないが、
鎖状エステルを主溶媒として用いることが特に適してい
る。そのような鎖状エステルとしては、例えば、ジエチ
ルカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチル
カーボネート、酢酸エチル、プロピオン酸メチルなどの
鎖状のCOO−結合を有する有機溶媒が挙げられる。
【0020】また、上記鎖状エステル以外の溶媒として
は、誘電率の高いエステルを用いることが好ましく、そ
のような誘電率の高いエステルとしては、例えば、エチ
レンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレン
カーボネート、γ−ブチロラクトン、エチレングリコー
ルサルファイトなどが挙げられ、特にエチレンカーボネ
ート、プロピレンカーボネートなどの環状構造のものが
好ましい。
【0021】さらに、上記誘電率の高いエステル以外に
併用可能な溶媒としては、例えば、1,2−ジメトキシ
エタン、1,3−ジオキソラン、テトラヒドロフラン、
2−メチル−テトラヒドロフラン、ジエチルエーテルな
どが挙げられる。そのほか、アミン系またはイミド系有
機溶媒や、含イオウ系または含フッ素系有機溶媒なども
用いることができる。
【0022】電解液の調製にあたって上記非水溶媒に溶
解させる電解質塩としては、例えば、LiClO4 、L
iPF6 、LiBF4 、LiAsF6 、LiCF3 SO
3 、LiC4 9 SO3 、LiCF3 CO2 、Li2
2 4 (SO3 2 、LiN(CF3 SO2 2 、Li
C(CF3 SO2 3 、LiCn 2n+1SO3 (n≧
2)、LiN(RfOSO2 2 〔ここでRfはフルオ
ロアルキル基〕などが単独でまたは2種以上混合して用
いられるが、特にLiPF6 やLiC4 9 SO 3 など
が好ましい。電解液中における電解質塩の濃度は、特に
限定されるものではないが、0.4mol/l以上が好
ましく、また、1.7mol/l以下が好まし。
【0023】ゲル状ポリマー電解質は、電解液をゲル化
剤によってゲル化したものに相当するが、そのゲル化に
あたっては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチ
レンオキサイド、ポリアクリロニトリルなどの直鎖状ポ
リマーまたはそれらのコポリマー、紫外線や電子線など
の活性光線の照射によりポリマー化する多官能モノマー
(例えば、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、
ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、エトキ
シ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペン
タエリスリトールヒドロキシペンタアクリレート、ジペ
ンタエリスリトールヘキサアクリレートなどの四官能以
上のアクリレートおよび上記アクリレートと同様の四官
能以上のメタクリレートなど)などが用いられる。ただ
し、モノマーの場合、モノマーそのものが電解液をゲル
化させるのではなく、上記モノマーをポリマー化したポ
リマーがゲル化剤として作用する。
【0024】上記のように多官能モノマーを用いて電解
液をゲル化させる場合、必要であれば、重合開始剤とし
て、例えば、ベンゾイル類、ベンゾインアルキルエーテ
ル類、ベンゾフェノン類、ベンゾイルフェニルフォスフ
ィンオキサイド類、アセトフェノン類、チオキサントン
類、アントラキノン類などを使用することができ、さら
に重合開始剤の増感剤としてアルキルアミン類、アミノ
エステル類なども使用することもできる。
【0025】非水系の電解質としては、上記の電解液
(液状電解質)やゲル状ポリマー電解質以外に、固体電
解液も用いることができる。その固体電解質としては、
無機系固体電解質、有機系固体電解質のいずれも用いる
ことができる。
【0026】本発明の非水二次電池においては、通常、
正極と負極との間にセパレータを介在させる。そのセパ
レータとしては、特に限定されることはないが、強度が
充分でしかも電解液を多く保持できるものがよく、その
ような観点から、厚さが10〜50μmで、開孔率が3
0〜70%のポリプロピレン製、ポリエチレン製、また
はプロピレンとエチレンとのコポリマー製の微孔性フィ
ルムや不織布などが好ましい。
【0027】非水二次電池は、例えば、上記のようにし
て作製された正極および負極をセパレータを介して、積
層または巻回して作製した電極体を金属製の電池ケース
内あるいはアルミニウム箔などの金属箔を芯材とするラ
ミネートフィルムで構成される外装材内に収容し、電解
液を注入した後、密閉する工程を経て作製される。上記
電極体を電池ケースに収容して非水二次電池を構成する
場合、電池ケースの封口にあたって使用する封口体には
開裂ベントを設けておくことが好ましい。
【0028】
【実施例】つぎに、実施例を挙げて本発明をより具体的
に説明する。ただし、本発明はそれらの実施例のみに限
定されるものではない。
【0029】実施例1 表1に示す5種類の黒鉛(サンプルA〜E)について平
均円形度の測定とモデルセル試験による放電容量の測定
を行った。その結果も表1に併せて示す。なお、平均円
形度の測定方法やモデルセル試験の詳細は次の通りであ
る。
【0030】まず、平均円形度は、それぞれの黒鉛粉末
を20mg秤量し、それに分散剤であるポリオキシエチ
レン(10)オクチルフェニルエーテル(通称トリトン
X−100、和光純薬社製)2滴を滴下し、蒸留水50
mlを加え、超音波バス(160W)にて2分間分散処
理して、黒鉛の分散液を得た。この分散液をスターラー
で攪拌しながら、シスメックス社製フロー式粒子像解析
装置FPIA−2100(商品名)によって円形度を測
定した。その際の測定レンジは0.6〜400μmと
し、平均円形度はそのレンジ内に入る黒鉛の全粒子の平
均をとった。
【0031】また、モデルセル試験は以下のように行っ
た。まず、黒鉛とバインダーとしてのポリフッ化ビニリ
デンを含むN−メチル−2−ピロリドン溶液〔KF♯9
306(商品名)、呉羽化学社製〕を固形分の重量比で
90:10となるように混合し、負極合剤を調製し、そ
れをN−メチル−2−ピロリドンに分散させて負極合剤
含有ペーストを調製し、得られた負極合剤含有ペースト
を厚さ10μmの銅箔(古河サーキットフォイル社製)
からなる負極集電体の片面に塗布し、乾燥して負極集電
体の片面に負極合剤層を形成した後、カレンダーでプレ
スして負極合剤層の密度を1.55±0.05g/cm
3 としたシート状の負極を得た。この負極を作用極と
し、対極および参照極にリチウム箔を用い、LiPF6
をエチレンカーボネートとメチルエチルカーボネートと
の体積比1:2の混合溶媒に1.2mol/lの濃度に
溶解させて調製した電解液を電解質とし、モデルセルを
作製した。
【0032】得られたモデルセルを用いて、黒鉛の放電
容量を調べた。この放電容量の測定は、電流密度0.5
mA/cm2 で5mVまで充電した後、5mVで電流密
度が0.05mA/cm2 になるまで充電し、その後、
電流密度0.5mA/cm2で0.5Vまで放電するこ
とによって行った。この放電容量の測定結果を表1に示
す。また、表1には、上記負極における負極合剤層と銅
箔からなる負極集電体との接着強度をJIS K 54
00の「8.5.2」に規定されているクロスカットテ
ープ法(64ハッチ)によって調べた結果も示す。
【0033】比較例1 平均円形度0.923の天然黒鉛(サンプルZ)を負極
活物質として用いた以外は、実施例1と同様にモデルセ
ルによる放電容量の測定およびクロスカットテープ法に
よる負極合剤層と負極集電体との接着強度の測定を行っ
た。その結果を表1に実施例1の結果と併せて示す。な
お、表1においては、スペース上の関係で、上記負極に
おける負極合剤層と負極集電体とのクロスカットテープ
法に接着強度を簡略化して「クロスカットテープ法によ
る接着強度」として表示する。
【0034】
【表1】
【0035】表1中のクロスカットテープ法による接着
強度を示す評価値の「10」は「はがれがまったくな
い」ことを示し、「8」は「交点にわずかなはがれがあ
る」ことを示し、「4」は「ひっかききずの巾が広く、
はがれが15〜35%ある」ことを示すが、表1に示す
結果から明らかなように、本発明による黒鉛(サンプル
A〜E)を負極活物質として用いた場合には、サンプル
Zで示す天然黒鉛をそのまま用いた場合に比べて、負極
合剤層と負極集電体との接着強度が大きく向上し、非水
二次電池の製造が容易になり、生産性が向上することが
わかる。
【0036】実施例2 負極活物質として前記表1に示す黒鉛(サンプルA〜
E)を用いて、以下のような方法で5種類の非水二次電
池を製造した。
【0037】負極は、実施例1で示した方法と同様の方
法で作製した。ただし、実施例1では負極合剤層を銅箔
からなる負極集電体の片面のみに形成したが、この実施
例2では負極合剤層を負極集電体の両面に形成した。
【0038】また、正極は以下に示すようにして作製し
た。正極活物質としてのLiCoO 2 と導電助剤として
の人造黒鉛を重量比90:10の比率で混合し、その混
合物をあらかじめ調製しておいたポリフッ化ビニリデン
のN−メチル−2−ピロリドン溶液と混合して正極合剤
含有ペーストを調製した。この正極合剤含有ペースト中
の正極合剤の組成は、LiCoO2 :人造黒鉛:ポリフ
ッ化ビニリデン=85.5:9.5:5(重量比)であ
った。
【0039】得られた正極合剤含有ペーストを厚さ20
μmのアルミニウム箔からなる正極集電体の両面に塗布
し、乾燥して正極集電体の両面に正極合剤層を形成した
後、カレンダーでプレスしてシート状の正極を得た。
【0040】非水系の電解質としては、エチレンカーボ
ネートとメチルエチルカーボネートとの体積比1:2の
混合溶媒にLiPF6 を1.2mol/l溶解させて調
製した非水系の電解液を用いた。
【0041】以上の負極、正極、電解液と、厚さ20μ
mでイオン透過性の微孔性ポリエチレンフィルムからな
るセパレータを用いて、図1の模式図に示すような構造
で高さ50mm、直径14mmの非水二次電池を作製し
た。
【0042】ここで、図1に示す電池について説明する
と、1は前記の正極で、2は前記の負極である。ただ
し、この図1では、繁雑化を避けるため、正極1や負極
2の作製にあたって使用された集電体などは図示してい
ない。そして、これらの正極1と負極2はセパレータ3
を介して渦巻状に巻回され、渦巻状電極体にして上記特
定の電解液からなる電解質4と共に電池ケース5内に収
容されている。
【0043】電池ケース5はステンレス鋼製で、その底
部には上記渦巻状電極体の挿入に先立って、ポリプロピ
レンからなる絶縁体6が配置されている。封口板7は、
アルミニウム製で円板状をしていて、その中央部に薄肉
部7aを設け、かつ上記薄肉部7aの周囲に電池内圧を
防爆弁9に作用させるための圧力導入口7bとしての孔
が設けられている。そして、この薄肉部7aの上面に防
爆弁9の突出部9aが溶接され、溶接部分11を構成し
ている。なお、上記の封口板7に設けた薄肉部7aや防
爆弁9の突出部9aなどは、図面上での理解がしやすい
ように、切断面のみを図示しており、切断面後方の輪郭
は図示を省略している。また、封口板7の薄肉部7aと
防爆弁9の突出部9aの溶接部分11も、図面上での理
解が容易なように、実際よりは誇張した状態に図示して
いる。
【0044】端子板8は、圧延鋼製で表面にニッケルメ
ッキが施され、周縁部が鍔状になった帽子状をしてお
り、この端子板8にはガス排出口8aが設けられてい
る。防爆弁9は、アルミニウム製で円板状をしており、
その中央部には発電要素側(図1では、下側)に先端部
を有する突出部9aが設けられ、かつ薄肉部9bが設け
られ、上記突出部9aの下面が、前記したように、封口
板7の薄肉部7aの上面に溶接され、溶接部分11を構
成している。絶縁パッキング10は、ポリプロピレン製
で環状をしており、封口板7の周縁部の上部に配置さ
れ、その上部に防爆弁9が配置していて、封口板7と防
爆弁9とを絶縁するとともに、両者の間から電解液が漏
れないように両者の間隙を封止している。環状ガスケッ
ト12はポリプロピレン製で、リード体13はアルミニ
ウム製で、前記封口板7と正極1とを接続し、渦巻状電
極体の上部には絶縁体14が配置され、負極2と電池ケ
ース5の底部とはニッケル製のリード体15で接続され
ている。
【0045】この電池においては、封口板7の薄肉部7
aと防爆弁9の突出部9aとが溶接部分11で接触し、
防爆弁9の周縁部と端子板8の周縁部とが接触し、正極
1と封口板7とは正極側のリード体13で接続されてい
るので、通常の状態では、正極1と端子板8とはリード
体13、封口板7、防爆弁9およびそれらの溶接部分1
1によって電気的接続が得られ、電路として正常に機能
する。
【0046】そして、電池が高温にさらされるなど、電
池に異常事態が起こり、電池内部にガスが発生して電池
の内圧が上昇した場合には、その内圧上昇により、防爆
弁9の中央部が内圧方向(図1では、上側の方向)に変
形し、それに伴って溶接部分11で一体化されている封
口板7の薄肉部7aに剪断力が働いて該薄肉部7aが破
断するか、または防爆弁9の突出部9aと封口板7の薄
肉部7aとの溶接部分11が剥離した後、この防爆弁9
に設けられている薄肉部9bが開裂してガスを端子板8
のガス排出口8aから電池外部に排出させて電池の破裂
を防止することができるように設計されている。
【0047】このようにして製造した非水二次電池を6
00mAで4.2Vまで充電した後、120mAで3.
0Vまで放電した(この放電強度を0.2Cと表現す
る)。ついで、600mAで4.2Vまで充電した後、
600mAで3.0Vまで放電した(この放電強度を1
Cと表現する)。さらに、600mAで4.2Vまで充
電した後、1200mAで3.0Vまで放電した(この
放電強度を2Cと表現する)。これらの放電容量の測定
結果から、0.2Cの放電強度時の放電容量に対する2
Cの放電強度時の放電容量の割合〔(2Cの放電強度時
の放電容量/0.2Cの放電強度時の放電容量)×10
0〕を求め、その結果を2C/0.2Cとして表2に示
す。また、0.2Cの放電強度時の放電容量に対する1
Cの放電強度時の割合〔(1Cの放電強度時の放電容量
/0.2Cの放電強度時の放電容量)×100〕求め、
その結果を表2に1C/0.2Cとして示す。これらの
2C/0.2Cや1C/0.2Cの値が大きいほど大電
流時の放電特性、すなわち、負荷特性が優れていること
を示す。
【0048】また、この実施例2の電池について、1C
での充放電を4.2〜3.0Vの間で300回繰り返
し、そのときの放電容量を測定し、それらの放電容量の
測定結果から、充放電を300回繰り返した時の放電容
量の初期の放電容量に対する割合〔(充放電を300回
繰り返した時の放電容量/初期の放電容量)×100〕
を求め、それを表2に充放電300回後の容量維持率
(%)として示す。
【0049】比較例2 負極活物質として天然黒鉛をそのまま(表1のサンプル
Z)用いた以外は、実施例2と同様に非水二次電池を作
製し、かつ実施例2と同様に負荷特性およびサイクル特
性を調べた。その結果を表2に示す。
【0050】
【表2】
【0051】表2に示すように、本発明による黒鉛(サ
ンプルA〜E)を負極活物質として用いた場合、2C/
0.2C値、1C/0.2C値とも大きく、かつ充放電
300回後の容量維持率も高く、負荷特性およびサイク
ル特性が優れた非水二次電池が得られることが明らかで
あった。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、生産
性が高く、かつ負荷特性およびサイクル特性が優れた非
水二次電池を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る非水二次電池の一例を模式的に示
す断面図である。
【符号の説明】
1 正極 2 負極 3 セパレータ 4 電解質
フロントページの続き (72)発明者 姜 東彪 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内 (72)発明者 青山 茂夫 大阪府茨木市丑寅一丁目1番88号 日立マ クセル株式会社内 Fターム(参考) 5H029 AJ02 AJ05 AK03 AL07 AM03 AM04 AM05 AM07 AM16 BJ02 BJ14 CJ02 CJ22 EJ01 EJ04 EJ12 HJ00 5H050 AA02 AA07 BA17 BA18 CA08 CB08 DA03 DA04 EA09 EA24 FA05 GA02 GA22 HA00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リチウムイオンを吸蔵・放出可能な正極
    活物質を用いた正極と負極と非水系の電解質を有する非
    水二次電池において、前記負極の負極活物質として粒子
    の平均円形度が0.93以上の黒鉛を用い、かつ、負極
    は負極集電体の少なくとも一部に前記負極活物質を含む
    負極合剤層を形成してなり、該負極合剤層と負極集電体
    とのクロスカットテープ法による接着強度が8以上であ
    ることを特徴とする非水二次電池。
  2. 【請求項2】 粒子の平均円形度が0.93以上の黒鉛
    の材質が天然黒鉛であることを特徴とする請求項1記載
    の非水二次電池。
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