JP3781955B2 - 非水電解質電池 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シート状で活物質密度の高い正極、負極およびセパレータからなる3層が捲回されている非水電解質電池、特に断面が略楕円形になるように捲回されている非水電解質電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯用電子機器の電源として利用されている非水電解質電池は、正極にリチウム含有遷移金属酸化物を用い、負極にリチウムの吸蔵・放出が可能な炭素材料を用いているため、高出力で高エネルギー密度である。しかし、これらの電池においても、充放電サイクルの繰り返しに伴う容量の減少、出力の低下などの問題が残されている。
【0003】
非水電解質電池の正極としては、活物質であるリチウム含有遷移金属酸化物、活物質同士を互いに結着させる結着剤、導電剤、電極の形成を容易にする増粘剤などを含む正極合剤を金属箔などからなる集電体に塗着したものが多用されている。また、前記結着剤としては、ポリビニリデンジフルオライド(PVDF)や水に分散させた変性アクリルゴムなどが用いられている(特開平11−25956号公報)。なかでも正極合剤を有機溶剤と混合してから正極集電体へ塗工する方法が主流であるため、水分を含まないPVDFを使用するのが一般的である。正極合剤の塗工時に水を使用すると、電池内部でのガス発生の原因となる。
【0004】
しかし、活物質同士を充分な強度で結着しようとすると、結着剤の使用量が多くなり、例えばPVDFの場合、活物質100重量部あたり、2〜5重量部を要する。結着剤の使用量が多くなると、正極合剤中に占める活物質の割合(活物質密度)が減少し、電極の容量が減少してしまう。また、電極の空隙率も減少し、電池の出力が低下してしまう。
【0005】
一方、結着剤の使用量を少なくして活物質密度を高くすると、正極合剤の圧延等の加工が困難となり、また、製造工程中に正極集電体から正極合剤が剥離し、生産歩留まりが低下する。従って、正極合剤の活物質密度が3.0以上と高密度の正極、負極およびセパレータからなる3層が捲回されている非水電解質電池は、製造が困難であり、寿命も短くなるという問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、シート状で正極合剤における活物質密度の高い正極、負極およびセパレータからなる3層が捲回された極板群を有し、寿命が長く、高エネルギー密度で高出力な非水電解質電池を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
従来は活物質密度を高くすると正極の製造が困難となり、その強度も弱くなると考えられていた。本発明は、かかる状況において、結着剤として少量の変性アクリルゴムを用いることにより、従来は製造が困難であった正極合剤における活物質密度の高い正極、負極およびセパレータからなる3層が捲回された構造を有する非水電解質電池が容易に得られるという発見に基づいてなされたものである。
【0008】
すなわち、本発明は、活物質としてリチウム含有遷移金属酸化物および結着剤として変性アクリルゴムを含む正極合剤からなるシート状正極、炭素材料を含む負極合剤からなるシート状負極、前記正極と負極との間に介在するセパレータおよびリチウム塩を含む非水電解質を具備する非水電解質電池であって、前記正極、負極およびセパレータからなる3層が捲回されており、前記正極合剤における活物質密度が3.4〜4.0g/mlであり、前記正極、負極およびセパレータからなる3層が、断面が略楕円形になるように捲回されており、前記略楕円の短径に対する長径の比が、4〜10であることを特徴とする非水電解質電池に関する。
【0009】
本発明は、前記正極、負極およびセパレータが積層され、かつ、断面が略楕円形になるように捲回されている場合に特に有効である。ここで、断面とは、前記正極、負極およびセパレータからなる3層の捲回方向に対して平行な面における断面をいい、また、前記略楕円形には長方形の相対向する2つの短辺を円弧状に膨らませた後述する図1に示すような形状なども含む。また、本発明は、前記略楕円の短径に対する長径の比が、4〜10である場合に特に有効である。
【0010】
前記変性アクリルゴムとしては、2−エチルヘキシルアクリレート、アクリル酸およびアクリロニトリルの共重合体が好適である。また、前記変性アクリルゴムは、そのFT−IR測定で得られる吸収スペクトルにおいて、2−エチルヘキシルアクリレート単位およびアクリル酸単位のC=O伸縮振動に基づく吸収強度が、アクリロニトリル単位のC≡N伸縮振動に基づく吸収強度の3〜50倍であることが特に好ましい。ここで、吸収強度とは、スペクトルのベースラインから見た任意の吸収ピークの高さをいう。
変性アクリルゴムは架橋させてもよい。
変性アクリルゴムの正極合剤中における含有割合は、リチウム含有遷移金属酸化物100重量部に対して0.4〜2重量部であるのが好適である。
正極合剤は、さらにポリエチレン骨格を有する増粘剤を含むことが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の非水電解質電池は、正極、負極およびセパレータからなる3層が捲回された極板群を有し、正極合剤における活物質密度が3.〜4.0g/mlである点に特徴を有する。ここで、正極合剤における活物質密度とは、単位体積(ml)あたりの正極合剤に含まれる活物質(リチウム含有遷移金属酸化物)の重量(g)をいう。正極合剤は、通常、活物質、結着剤、増粘剤および導電剤を含んでいる。活物質密度は、正極合剤の組成が同じでも、芯材に正極合剤を塗布した後の圧延操作によっても変化する。正極を充分に圧延して薄くすれば、それだけ電池の小型化に有利となるが、その分、活物質密度が上昇することになる。
【0012】
活物質であるリチウム含有遷移金属酸化物としては、例えばLiCoO2、LiNiO2、LiMn24などが用いられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0013】
前記変性アクリルゴムとしては、2−エチルヘキシルアクリレート、アクリル酸およびアクリロニトリルの共重合体が好ましい。また、そのFT−IR測定で得られる吸収スペクトルにおいては、結着剤粒子の粘着性とゴム弾性とのバランスの観点から、2−エチルヘキシルアクリレート単位およびアクリル酸単位のC=O伸縮振動に基づく吸収強度が、アクリロニトリル単位のC≡N伸縮振動に基づく吸収強度の3〜50倍であることが好ましい。前記C=O伸縮振動に基づく吸収強度が、前記C≡N伸縮振動に基づく吸収強度の3倍未満になると、結着剤の結着力が低下し、50倍を超えると、結着剤のゴム弾性が不充分となり、正極合剤の強度が弱くなる。
【0014】
FT−IR測定において、変性アクリルゴムの吸収スペクトルは、例えば変性アクリルゴムをKBr板上に塗布したものを用いて測定すればよい。ここで、一般に2−エチルヘキシルアクリレート単位およびアクリル酸単位のC=O伸縮振動に基づく吸収は、1700〜1760cm-1付近に見られ、アクリロニトリル単位のC≡N伸縮振動に基づく吸収は、2200〜2280cm-1付近に見られる。
【0015】
変性アクリルゴムは、水や有機溶媒を分散媒とする分散液として入手できるが、有機溶媒を分散媒とする分散液の方が好ましい。
また、変性アクリルゴムは、0.05〜0.3μmの平均粒径を有するものが、結着力、活物質密度および空隙率のバランスのよい正極を得ることができる点で好ましい。
変性アクリルゴムの配合量は、正極活物質100重量部に対して0.4〜2重量部が好適である。変性アクリルゴムの配合量が0.4重量部未満になると、充分な結着力が得られず、2重量部をこえると、正極の空隙率が小さくなり、正極の機能が低下する。
【0016】
増粘剤としては、例えばカルボキシメチルセルロースなどのセルロース系増粘剤、エチレンとビニルアルコールとの共重合体に代表されるポリエチレン骨格品などが用いられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのうちでは前記ポリエチレン骨格品が、結着剤である変性アクリルゴムとの相性がよく、好適である。また、なかでもエチレン単位10〜90モル%とビニルアルコール単位10〜90モル%からなる重合体が好適である。前記ポリエチレン骨格品は、例えば所定のエチレン−酢酸ビニル共重合体をケン化すれば得ることができる。
増粘剤の配合量は、正極活物質100重量部に対して0.1〜1重量部が好適である。増粘剤の配合量が0.1重量部未満になると、芯材に正極合剤を塗布する作業が困難になり、1重量部をこえると、正極活物質が増粘剤で覆われてしまい、正極の機能が低下する。
【0017】
導電剤としては、例えば鱗片状黒鉛などの天然黒鉛、気相成長黒鉛などの人造黒鉛、アセチレンブラックなどのカーボンブラック類などが用いられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
導電剤の配合量は、正極活物質100重量部に対して2.1〜7重量部が好適である。導電剤の配合量が2.1重量部未満になると、正極内で伝導ネットワークが充分に形成されず、7重量部をこえると、正極が割れやすくなり、正極の機能が低下する。
【0018】
正極合剤における活物質密度は、3.〜4.0g/mlである。活物質密度が4.0g/mlをこえると、正極が崩壊しやすくなる。正極の導電性と強度とのバランスがよくなることから、活物質密度は3.4〜3.7g/mlであることが特に好ましい。
【0019】
本発明に係る正極合剤は、変性アクリルゴムを結着剤として用いているため、正極と非水電解質との親和性の観点からも優れた正極を得ることができる。正極と非水電解質との親和性は、正極の表面と非水電解質(非水電解液)との接触角によって評価することができる。接触角の値は、非水電解質の種類、活物質密度等によって変化するが、10〜30°が好適範囲である。接触角が低すぎると、正極が非水電解質を吸収し過ぎて電池のレート特性が不充分となり、接触角が大きすぎると、正極が非水電解質をほとんど吸収しないため、やはり電池のレート特性が低下する。
【0020】
得られた正極合剤を金属箔などの芯材の両面に塗着して圧延し、切断すれば、シート状正極が得られる。電池の小型軽量化の観点から、芯材の厚さは10〜25μmとするのが一般的であり、正極の厚さは80〜200μmとするのが一般的である。
【0021】
一方、シート状負極は、炭素材料を活物質として含む負極合剤を芯材の両面に塗着して圧延し、切断すれば得られる。電池の小型軽量化の観点から、芯材の厚さは8〜20μmとするのが一般的であり、負極の厚さは80〜200μmとするのが一般的である。
【0022】
得られたシート状正極およびシート状負極を、両者の間にセパレータを介在させて積層し、捲回すれば極板群が得られる。セパレータとしては、ポリエチレン製微多孔膜などが用いられ、厚さは一般に10〜40μmである。角形電池を得る場合、捲回された極板群は、断面が略楕円形になるように一方向から圧縮される。このとき略楕円の短径に対する長径の比は、一般に4以上である。また、本発明によれば、活物質密度が高いにもかかわらず、正極の強度を低下させずに前記比を6〜10にすることも可能である。
【0023】
本発明の非水電解質電池の一例である角形電池を極板群の捲回方向に対して平行な面で切断した横断面図を図1に示す。図中、1は角形の電池ケースを示し、その内部に極板群が充填されている。極板群は、シート状正極2およびシート状負極3を、両者の間にセパレータ4を介在させて積層し、捲回し、さらに一定の偏平率に圧縮したものである。
【0024】
リチウム塩を含む非水電解質は、従来からリチウムイオン二次電池などで用いられている非水電解質を特に制限なく用いることができる。一般には、リチウム塩および非水溶媒からなり、リチウム塩としては、例えばLiPF6、LiBF6などが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、非水溶媒としては、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、プロピレンカーボネートなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0025】
【実施例】
次に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0026】
《実施例1》
まず、100重量部のLiCoO2に対し、結着剤として変性アクリルゴム粒子(平均粒径0.2μm)0.5重量部、増粘剤(ポリエチレン骨格品)0.3重量部および導電剤としてアセチレンブラックと鱗片状黒鉛のそれぞれ2重量部を配合し、正極合剤を得た。
変性アクリルゴム粒子としては、そのFT−IR測定で得られる吸収スペクトルにおいて、2−エチルヘキシルアクリレート単位およびアクリル酸単位のC=O伸縮振動に基づく吸収ピーク強度が、アクリロニトリル単位のC≡N伸縮振動に基づく吸収ピーク強度の10倍である共重合体(日本ゼオン(株)製のBM500B(商品名))を用いた。そのスペクトルを図2に示す。
【0027】
測定条件は、サンプルスキャン回数32、バックグラウンドスキャン回数32、分解能4000、サンプルゲイン1.0であり、測定装置は、顕微FT−IR(Continuμm(ニコレー社製)、光源:AVATAR−360)を用いた。また、測定用の試料は、変性アクリルゴムをN−メチルピロリドンに溶かしたものをKBr板上に塗布し、乾燥したものを用いた。図2中、2240cm-1付近に見られる吸収ピークがアクリロニトリルのC≡N伸縮振動に基づくものであり、1733cm-1付近に見られる吸収ピークが2−エチルヘキシルアクリレートおよびアクリル酸のC=O伸縮振動に基づくものである。
【0028】
増粘剤としては、エチレンおよびビニルアルコールの共重合体(日本ゼオン(株)製のBM700H(商品名))を用いた。そのFT−IR測定で得られる透過スペクトルを図3に示す。測定条件、測定装置等は前記と同様である。図3中、2852cm-1付近および2930cm-1付近に見られる2種の吸収ピークは、エチレン単位に結合したビニルアルコール単位のOH基に基づくものである。
【0029】
一方、100重量部の球状人造黒鉛に対し、結着剤としてスチレン−ブタジエンゴム(SBR)3重量部および増粘剤としてカルボキシメチルセルロース1.3重量部を配合し、負極合剤を得た。
【0030】
次いで、シート状正極を作製した。シート状正極は、前記正極合剤を厚さ20μmのアルミニウム箔の芯材の両面に塗布し、正極合剤における活物質密度(LiCoO2の密度)が3.5g/mlになるように圧延し、幅4cm、長さ46cmに切断したものである。活物質密度は、正極合剤中の活物質重量を正極合剤の体積で割って算出した。正極には芯材と同材質の正極リードを接続した。
【0031】
一方、シート状負極は、前記負極合剤を厚さ15μmの銅箔の芯材の両面に塗布し、厚さ140μmに圧延し、所定の長さに切断したものである。負極には芯材と同材質の負極リードを接続した。
【0032】
得られたシート状正極およびシート状負極は、両者の間にセパレータを介在させて積層し、捲回して極板群を得た。セパレータとしては、厚さ27μmのポリエチレン製微多孔膜を用いた。捲回された極板群は、断面が略楕円形になるように一方向から圧縮した。前記略楕円の短径に対する長径の比は6.3である。
【0033】
また、等体積のエチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとの混合物に1mol/リットルの濃度になるように六フッ化リン酸リチウムを溶解した非水電解質を用意した。
【0034】
前記極板群は、絶縁リングをその上部および底部に配して所定のアルミニウム製ケース内に3.2gの非水電解質とともに収容した。そして、負極リードおよび正極リードを所定の箇所に接続したのち、ケースの開口部を封口板で封口し、非水電解質電池(実施例の電池A)を完成した。この電池は、幅30mm、高さ48mm、厚さ5mmの角形であり、電池の公称容量は600mAhである。
【0035】
次に、作製した正極および非水電解質電池について、以下の評価を行った。
正極の評価
(割れ発生時偏平率)
得られた正極を一巻きして直径8cmの筒状にし、その筒状体の底面が略楕円形になるように、筒状体の側面に対して垂直な方向から圧力をかけた。そして、筒状体に割れが発生したときの筒状体底面の略楕円の短径に対する長径の比(偏平率)を求めた。結果を表1に示す。
【0036】
(接触角)
25℃における正極表面に対する非水電解質の接触角を求めた。用いた非水電解質は、非水電解質電池の作製で用いたものと同じである。接触角の測定は、正極表面に非水電解質を0.2ml滴下した後、30秒後に行った。結果を表1に示す。
【0037】
非水電解質電池の評価
(レート特性)
得られた非水電解質電池について、600mAで電池電圧が4.2Vになるまで充電し、120mAで電池電圧が3Vになるまで放電した。次いで、同様の充電を行い、1200mAで電池電圧が3Vになるまで放電した。それぞれの場合について、放電容量を求め、後者の前者に対する比(容量比)を求めた。結果を100分率で表1に示す。
【0038】
(容量維持率)
得られた非水電解質電池について、600mAで電池電圧が4.2Vになるまで充電し、600mAで電池電圧が3Vになるまで放電する操作を100回繰り返した。そして、一回目の放電容量に対する100回目の放電容量の比を求めた。結果を100分率で表1に示す。
【0039】
【表1】
Figure 0003781955
【0040】
《実施例2〜および比較例1〜4
正極合剤における活物質密度(LiCoO2の密度)を表1に示すように変化させたこと以外、実施例1と同様の正極および非水電解質電池(電池B〜G)を作製し、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
【0041】
表1の結果から、活物質密度が2.9g/mlでは、充分な寿命を有する電池が得られないこと、4.2g/mlでは、各特性が低下してしまうことがわかる。また、活物質密度が高くなりすぎると、正極が容易に崩壊してしまうものと考えられる。表1からは、3.4〜4.0g/mlが、活物質密度のより好適な範囲であることがわかる。さらに、活物質密度が高いほど、割れ発生時の偏平率が高くなる傾向があり、高容量かつ小型の角形電池に好適な正極を得ることが期待できる。
【0042】
《実施例
正極合剤における結着剤(変性アクリルゴム粒子)の配合量を表1に示すように変化させ、活物質密度(LiCoO2の密度)が3.4g/mlになるように圧延したこと以外、実施例1と同様の正極および非水電解質電池(実施例の電池H〜L)を作製し、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
【0043】
表1の結果は、変性アクリルゴム粒子の配合量が活物質100重量部に対して0.4重量部以上で、高いレート特性を示す長寿命の電池が得られることを示している。しかし、変性アクリルゴム粒子の配合量が2重量部以上になると、レート特性がやや低下していることから、0.4〜2重量部、特に0.4〜1重量部程度が変性アクリルゴム粒子の好適な配合量であることが示唆される。
【0044】
《比較例
正極合剤における結着剤を4重量部のPVDFに代え、増粘剤を用いず、活物質密度(LiCoO2の密度)を表1に示すように変化させたこと以外、実施例1と同様の正極および非水電解質電池(比較例の電池M〜O)を作製し、実施例1と同様に評価した。結果を表1に示す。
【0045】
PVDFは活物質の結着力が弱いため、正極を作製するには活物質100重量部に対して4重量部程度のPVDFを配合する必要があるが、このように多量の結着剤を用いているにもかかわらず、電池M〜Oの正極はいずれも剛性が高いことがわかる。また、接触角から、電池M〜Oにおいては、非水電解質と正極との親和性が高すぎ、電池内部における非水電解質の分布が不均一になりやすいことがわかる。このことは、レート特性が低い原因と考えられる。一方、実施例の電池については、ほとんどが接触角が10〜30°の適正範囲にあることがわかる。
【0046】
【発明の効果】
本発明によれば、シート状で正極合剤の活物質密度の高い正極、負極およびセパレータからなる3層が捲回された極板群を有し、寿命が長く、高エネルギー密度で高出力な非水電解質電池を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の非水電解質電池の一例の横断面図である。
【図2】結着剤である変性アクリルゴムのFT−IR測定で得られた吸収スペクトルの一例である。
【図3】結着剤であるエチレン−ビニルアルコール共重合体のFT−IR測定で得られた吸収スペクトルの一例である。
【符号の説明】
1 電池ケース
2 正極板
3 負極板
4 セパレータ

Claims (5)

  1. 活物質としてリチウム含有遷移金属酸化物および結着剤として変性アクリルゴムを含む正極合剤からなるシート状正極、炭素材料を含む負極合剤からなるシート状負極、前記正極と負極との間に介在するセパレータおよびリチウム塩を含む非水電解質を具備する非水電解質電池であって、
    前記正極、負極およびセパレータからなる3層が捲回されており、前記正極合剤における活物質密度が3.4〜4.0g/mlであり、
    前記正極、負極およびセパレータからなる3層が、断面が略楕円形になるように捲回されており、
    前記略楕円の短径に対する長径の比が、4〜10である、ことを特徴とする非水電解質電池。
  2. 前記変性アクリルゴムは、2−エチルヘキシルアクリレート、アクリル酸およびアクリロニトリルの共重合体である請求項記載の非水電解質電池。
  3. 前記変性アクリルゴムは、そのFT−IR測定で得られる吸収スペクトルにおいて、2−エチルヘキシルアクリレート単位およびアクリル酸単位のC=O伸縮振動に基づく吸収強度が、アクリロニトリル単位のC≡N伸縮振動に基づく吸収強度の3〜50倍である請求項記載の非水電解質電池。
  4. 前記変性アクリルゴムの正極合剤中における含有割合は、リチウム含有遷移金属酸化物100重量部に対して0.4〜2重量部である請求項1〜のいずれかに記載の非水電解質電池。
  5. 前記正極合剤は、さらにポリエチレン骨格を有する増粘剤を含む請求項1〜のいずれかに記載の非水電解質電池。
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