JP5569515B2 - リチウムイオン二次電池用電極 - Google Patents

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Description

本発明は、多孔膜を有するリチウムイオン二次電池用電極に関し、さらに詳しくは高い柔軟性とレート特性を有する多孔膜層を有するリチウムイオン二次電池用電極に関する。
また本発明は、かかる多孔膜層を有する電極を備えたリチウムイオン二次電池に関する。
実用化されている電池の中でも、リチウムイオン二次電池は最も高いエネルギー密度を示し、特に小型エレクトロニクス用途に多く使用されている。また、小型エレクトロニクス用途に加えて自動車用途への展開も期待されている。その中で、リチウムイオン二次電池のハイレート化、高容量化、長寿命化を更に向上しつつも安全性の向上が要望されている。
リチウムイオン二次電池は、一般に集電体に担持された電極活物質層を含む、正極および負極、セパレータ並びに非水電解液を具備する。電極活物質層は、平均粒径5〜50μm程度の電極活物質と結着剤とを含む。電極は集電体上に粉末の電極活物質を含んだ活物質層形成用スラリーを塗布して電極活物質層を形成して作製される。また、正極と負極とを隔離するためのセパレータとしては、延伸ポリエチレン樹脂などからなる厚さ10〜50μm程度の非常に薄いセパレータが使用されている。リチウムイオン二次電池は、電極とセパレータとの積層工程や所定の電極形状に裁断する裁断工程等を経て製造される。しかし、この一連の製造工程を経る間に、電極活物質層から活物質が脱落し、脱落した活物質の一部が異物として電池内に含まれてしまうことがある。
このような異物は、粒径が5〜50μm程度であり、セパレータの厚みと略同程度であるため、組み立てられた電池内でセパレータを貫通し、短絡を引き起こすという問題を誘発する。また、電池の作動時には、発熱を伴う。この結果、延伸ポリエチレン樹脂などからなるセパレータも加熱される。延伸ポリエチレン樹脂などからなるセパレータは、概して150℃以下の温度でも収縮しやすく、電池の短絡を導きやすい。また、釘のような鋭利な形状の突起物が電池を貫いた時(例えば釘刺し試験時)、瞬時に短絡し、反応熱が発生し、短絡部が拡大する。
そこで、このような課題を解決するため、セパレータ上またはセパレータ中に非導電性粒子を含有させることが提案されている。非導電性粒子としてアルミナなどの無機粒子を含有させることでセパレータの強度が上がり、安全性が向上する。また、セパレータ上に非導電性粒子をコートするよりも電極上に非導電性粒子を含んでなる多孔膜層をコートすることで、多孔膜層は熱による収縮が全く起こらないことから短絡の危険性ははるかに減少し、大幅な安全性向上が見込まれる。更に、多孔膜層を設けることで、電池の作成過程における活物質の脱落を防止することも可能である。これらの多孔膜層の導入により安全性の向上に加えて高容量化・長寿命化・ハイレート特性の向上の要求にみあった材料開発が求められている。また、誘電率の低いアルミナに替えて誘電率の高い酸化チタンや酸化亜鉛等を含む多孔膜層をセパレータ及び電極へコートさせる検討も各種行われている。
たとえば、特許文献1では、電極上に酸化チタンなどの微粒子と結着剤としてPVDFやポリエチレンを用いて形成されてなる多孔性保護膜が開示されている。また、特許文献2では、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化マグネシウムなどの無機フィラーにアクリロニトリルを含む熱架橋型樹脂を用いて電極上の保護膜を形成させる検討もされている。
しかし、誘電率の低い無機フィラーを用いた場合は、無機フィラーの分散性及び多孔膜強度が不十分である為に多孔膜から無機フィラーの脱落が起こりやすい。また、自動車用途への開発に向けてレート特性・サイクル特性の更なる向上が求められている。
特開2000−149906号公報 特開2005−353584号公報(対応米国特許出願公開第2008/44733号明細書)
本発明は、上記のような従来技術に鑑みてなされたものであって、リチウムイオン二次電池に用いられる多孔膜を有する電極において、柔軟性やレート特性・サイクル特性に寄与しうる多孔膜を有するリチウムイオン二次電池用電極を提供することを目的としている。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、鋭意検討の結果、前記多孔膜が、特定の共重合体を結着剤として含み、かつ特定の非導電性粒子を含むものとすることにより、多孔膜の柔軟性が向上し、それにより捲回時の多孔膜中の非導電性粒子の脱落を低減でき、電池内での結着剤中の電解液保持性が向上することにより、高いレート特性とサイクル特性を示すことを見いだし、本発明を完成するに至った。
上記課題を解決する本発明は、下記事項を要旨として含む。
(1)集電体上に、電極活物質層と、誘電率が10以上の非導電性粒子及び結着剤を含む多孔膜とがこの順に積層されてなり、前記結着剤が、(メタ)アクリロニトリル単量体単位及び(メタ)アクリル酸エステル単量体単位を含み、かつ、前記(メタ)アクリロニトリル単量体単位の含有割合が50質量%未満である共重合体を含んでなるリチウムイオン二次電池用電極。
(2)前記結着剤が、加熱またはエネルギー線照射により架橋可能なものである上記(1)に記載のリチウムイオン二次電池用電極。
(3)前記結着剤に含まれる共重合体が、熱架橋性の架橋性基を含み、前記熱架橋性の架橋性基が、エポキシ基、N−メチロールアミド基、及びオキサゾリン基からなる群から選ばれる少なくとも1種である上記(2)に記載のリチウムイオン二次電池用電極。
(4)前記結着剤に含まれる共重合体が、更に、カルボン酸基、水酸基及びスルホン酸基からなる群から選ばれる親水性基を少なくとも1種含むものである上記(1)〜(3)のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池用電極。
(5)前記結着剤に含まれる共重合体のガラス転移温度が15℃以下である上記(1)〜(4)のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池用電極。
(6)誘電率が10以上の非導電性粒子、結着剤及び溶媒を含み、前記結着剤が、(メタ)アクリロニトリル単量体単位及び(メタ)アクリル酸エステル単量体単位を含み、かつ、前記(メタ)アクリロニトリル単量体単位の含有割合が50重量%未満である共重合体を含んでなる多孔膜用スラリー。
(7)上記(6)に記載の多孔膜用スラリーを電極活物質層上に塗布し、次いで乾燥することを特徴とするリチウムイオン二次電池用電極の製造方法。
(8)正極、負極及び電解液を備えてなるリチウムイオン二次電池であって、正極及び負極の少なくとも一方が、上記(1)に記載の電極である、リチウムイオン二次電池。
本発明によれば、捲回時の多孔膜層の脱落を抑制することができる多孔膜が提供される。かかる多孔膜は、二次電池電極の表面に形成され、電極の保護膜として機能し、多孔膜表層部において高い非導電性粒子保持性を有し、捲回時の脱落を防止することができる。
以下に本発明を詳述する。
本発明のリチウムイオン二次電池用電極は、集電体上に、電極活物質層と、誘電率が10以上の非導電性粒子及び結着剤を含む多孔膜とがこの順に積層されてなる。
(非導電性粒子)
本発明に用いる誘電率が10以上の非導電性粒子は、リチウムイオン二次電池の使用環境下で安定して存在し、電気化学的にも安定であることが望まれる。各種の非導電性の無機粒子を使用することができる。
誘電率が10以上の無機粒子としては、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化チタン等の酸化物粒子、ダイヤモンド等の共有結合性結晶粒子が用いられる。これらの粒子は必要に応じて元素置換、表面処理、固溶体化されていてもかまわず、また単独で用いても2種以上の組合せで用いてもよい。これらの中でも電解液中での安定性と電位安定性の観点から酸化物粒子であることが好ましい。誘電率は、20以上500未満であることが好ましく、30以上500未満であることがより好ましく、50以上200未満であることが特に好ましい。非導電性粒子の誘電率が上記範囲内であることにより、非導電性粒子の分散性及び多孔膜の強度に優れる。一方、非導電性粒子の誘電率が10未満であると、非導電性粒子の分散性及び多孔膜の強度が不十分となり、多孔膜から非導電性粒子の脱落が起こりやすくなる。
またカーボンブラック、グラファイト、SnO、ITO、金属粉末などの導電性金属及び導電性を有する化合物や酸化物の微粉末の表面を、非導電性の物質で表面処理することによって、電気絶縁性を持たせて使用することも可能である。これらの非導電性粒子は、これらを2種以上併用して用いてもかまわない。
本発明に用いる非導電性粒子の平均粒子径(体積平均のD50平均粒子径)は、好ましくは5nm以上10μm以下、より好ましくは10nm以上5μm以下である。非導電性粒子の平均粒子径を前記範囲とすることにより、分散状態の制御が容易になり、均質な所定の厚みの膜が得られ易くなる。非導電性粒子の平均粒子径を、50nm以上2μm以下の範囲にすると、分散性、塗布容易性、空隙のコントロール性に優れるので特に好ましい。
また、これらの粒子のBET比表面積は、粒子の凝集を抑制し、スラリーの流動性を好適化する観点から具体的には、0.9〜200m/gであることが好ましく、1.5〜150m/gであることがより好ましい。
本発明に用いる非導電性粉子の形状は球状、針状、棒状、防錐状、板状等、特に限定されないが球状、針状、防錐状等が好ましい。また多孔性粒子を使用することもできる。
多孔膜における非導電性粒子の含有割合は、好ましくは5〜99質量%、より好ましくは50〜98質量%である。多孔膜における非導電性粒子の含有割合を、前記範囲とすることにより、高い熱安定性と強度を示す多孔膜を得ることができる。
(結着剤)
本発明で用いる結着剤は、(メタ)アクリロニトリル単量体単位及び(メタ)アクリル酸エステル単量体単位を含む共重合体を含んでなる。この共重合体は、少なくとも、(メタ)アクリロニトリル単量体単位を与える単量体と、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位を与える単量体とを共重合して得られるものである。本発明において、「(メタ)アクリル酸」は、アクリル酸、メタクリル酸を意味し、「(メタ)アクリロ」は、アクリロ、メタクリロを意味する。
(メタ)アクリル酸エステル単量体単位を与える単量体としては、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸パーフルオロアルキルエステルおよび側鎖に官能基を有する(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。中でも、(メタ)アクリル酸アルキルエステルが好ましく、電解液への膨潤によるリチウムイオンの伝導性を示すこと、小粒径の分散においてポリマーによる橋架け凝集を起こしにくいことから、(メタ)アクリル酸アルキルエステルまたは(メタ)アクリル酸パーフルオロアルキルエステルの非カルボニル性酸素原子に結合するアルキル基またはパーフルオロアルキル基の炭素数は好ましくは1〜14、更に好ましくは1〜5である。
非カルボニル性酸素原子に結合するアルキル基またはパーフルオロアルキル基の炭素数が1〜5である(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、およびアクリル酸t−ブチルなどのアクリル酸アルキルエステル;アクリル酸2−(パーフルオロブチル)エチル、アクリル酸2−(パーフルオロペンチル)エチルなどのアクリル酸2−(パーフルオロアルキル)エチル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、およびメタクリル酸t−ブチルなどのメタクリル酸アルキルエステル;および、メタクリル酸2−(パーフルオロブチル)エチル、メタクリル酸2−(パーフルオロペンチル)エチルメタクリル酸2−(パーフルオロアルキル)エチルなどのメタクリル酸2−(パーフルオロアルキル)エチル;が挙げられる。
その他の(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ノニル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸シクロヘキシル、およびアクリル酸イソボルニルなどの非カルボニル性酸素原子に結合するアルキル基の炭素数が6〜18であるアクリル酸アルキルエステル;メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸イソデシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸ステアリル、およびメタクリル酸シクロヘキシルなどの非カルボニル性酸素原子に結合するアルキル基の炭素数が6〜18であるメタクリル酸アルキルエステル;アクリル酸2−(パーフルオロヘキシル)エチル、アクリル酸2−(パーフルオロオクチル)エチル、アクリル酸2−(パーフルオロノニル)エチル、アクリル酸2−(パーフルオロデシル)エチル、アクリル酸2−(パーフルオロドデシル)エチル、アクリル酸2−(パーフルオロテトラデシル)エチル、アクリル酸2−(パーフルオロヘキサデシル)エチルなどの非カルボニル性酸素原子に結合するパーフルオロアルキル基の炭素数が6〜18であるアクリル酸2−(パーフルオロアルキル)エチル;メタクリル酸2−(パーフルオロヘキシル)エチル、メタクリル酸2−(パーフルオロオクチル)エチル、メタクリル酸2−(パーフルオロノニル)エチル、メタクリル酸2−(パーフルオロデシル)エチル、メタクリル酸2−(パーフルオロドデシル)エチル、メタクリル酸2−(パーフルオロテトラデシル)エチル、メタクリル酸2−(パーフルオロヘキサデシル)エチルなどの非カルボニル性酸素原子に結合するパーフルオロアルキル基の炭素数が6〜18であるメタクリル酸2−(パーフルオロアルキル)エチル;が挙げられる。
本発明に用いる(メタ)アクリロニトリル単量体単位を与える単量体としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリルが挙げられる。
本発明では、共重合体中の(メタ)アクリロニトリル単量体単位の含有割合は、50質量%未満であることが必要である。共重合体中の(メタ)アクリロニトリル単量体単位の含有割合が50質量%以上になると、結着剤の柔軟性が低下し、多孔膜の粉落ちが生じる。本発明において、共重合体中の(メタ)アクリロニトリル単量体単位の含有割合は、好ましくは5質量%以上40質量%以下、より好ましくは10質量%以上20質量%以下である。共重合体中の(メタ)アクリロニトリル単量体単位の含有割合を前記範囲とすることにより、誘電率の高い非導電性粒子に対して高い分散性を示し、多孔膜の均一性も向上する。
本発明において、共重合体中の(メタ)アクリロニトリル単量体単位と(メタ)アクリル酸エステル単量体単位との比率(=(メタ)アクリロニトリル単量体単位/(メタ)アクリル酸エステル単量体単位)は、質量比で、好ましくは5/95〜50/50、より好ましくは5/95〜30/70、さらに好ましくは10/90〜20/80の範囲である。(メタ)アクリロニトリル単量体単位と(メタ)アクリル酸エステル単量体単位との比率を前記範囲にすることにより、結着剤が電解液の液保持性を示しながらも溶出せず、得られた二次電池が優れたレート特性とサイクル特性を示す。
本発明において、共重合体中の(メタ)アクリロニトリル単量体単位及び(メタ)アクリル酸エステル単量体単位の合計含有割合が、50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましく、75質量以上であることが特に好ましい。また、共重合体中の(メタ)アクリロニトリル単量体単位及び(メタ)アクリル酸エステル単量体単位の含有割合を前記範囲にすることで、非導電性粒子の分散性及び多孔膜の柔軟性を共に向上させることができる。
本発明で用いる結着剤は、加熱またはエネルギー線照射により架橋可能であることが好ましい。加熱またはエネルギー線照射により架橋可能な結着剤を架橋して用いることで、加熱やエネルギー線照射の強度により架橋密度を調節できる。また、架橋密度が高いほど膨潤度が小さくなるので、架橋密度を変えることにより膨潤度を調節することができる。
加熱またはエネルギー線照射により架橋可能な結着剤は、結着剤中に架橋剤を含有させる、及び/又は結着剤を構成する共重合体中に架橋性基を含有させることにより得ることができる。
これら中でも、結着剤中に、結着剤を構成する共重合体に加えて熱架橋性の架橋性基を含有する架橋剤を含有させる、及び/又は結着剤を構成する共重合体中に熱架橋性の架橋性基を含有させると、多孔膜形成後に多孔膜に加熱処理を行うことにより、多孔膜を架橋させることができ、さらに電解液への溶解を抑制できるので、強靱で柔軟な多孔膜が得られるので好ましい。
結着剤中に、結着剤を構成する共重合体に加えて架橋性基を含有する架橋剤を含有させる場合において、用いる架橋剤としては、特に限定されないが、有機過酸化物、熱や光により効果を発揮する架橋剤などが用いられる。これらの中でも、熱架橋性の架橋性基を含有する点で、有機過酸化物や熱により効果を発揮する架橋剤が好ましい。
有機過酸化物としては、例えば、メチルエチルケトンパーオキシド、シクロヘキサノンパーオキシドなどのケトンパーオキシド類;1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタンなどのパーオキシケタール類;t−ブチルハイドロパーオキシド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジハイドロパーオキシドなどのハイドロパーオキシド類;ジクミルパーオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、α,α′ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼンなどのジアルキルパーオキシド類:オクタノイルパーオキシド、イソブチリルパーオキシドなどのジアシルパーオキシド類;パーオキシジカーボネートなどのパーオキシエステル類;が挙げられる。これらの中でも、架橋後の樹脂の性能から、ジアルキルパーオキシドが好ましく、アルキル基の種類は、成形温度によって変えるのがよい。
熱により効果を発揮する架橋剤(硬化剤)は、加熱によって架橋反応させうるものであれば特に限定されないが、ジアミン、トリアミンまたはそれ以上の脂肪族ポリアミン、脂環族ポリアミン、芳香族ポリアミンビスアジド、酸無水物、ジカルボン酸、ジオール、多価フェノール、ポリアミド、ジイソシアネート、ポリイソシアネートなどが挙げられる。具体的な例としては、例えば、ヘキサメチレンジアミン、トリエチレンテトラアミン、ジエチレントリアミン、テトラエチレンペンタアミンなどの脂肪族ポリアミン類;ジアミノシクロヘキサン、3(4),8(9)−ビス(アミノメチル)トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン;1,3−(ジアミノメチル)シクロヘキサン、メンセンジアミン、イソホロンジアミンN−アミノエチルピペラジン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタンなどの脂環族ポリアミン類;4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、α,α′−ビス(4−アミノフェニル)−1,3−ジイソプロピルベンゼン、α,α′−ビス(4−アミノフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン、4,4′−ジアミノジフェニルスルフォン、メタフェニレンジアミン等の芳香族ポリアミン類;4,4−ビスアジドベンザル(4−メチル)シクロヘキサノン、4,4′−ジアジドカルコン、2,6−ビス(4′−アジドベンザル)シクロヘキサノン、2,6−ビス(4′−アジドベンザル)−4−メチル−シクロヘキサノン、4,4′−ジアジドジフェニルスルホン、4,4′−ジアジドジフェニルメタン、2,2′−ジアジドスチルベンなどのビスアジド類;無水フタル酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、ナジック酸無水物、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、無水マレイン酸変性ノルボルネン樹脂等の酸無水物類;フマル酸、フタル酸、マレイン酸、トリメリット酸、ハイミック酸等のジカルボン酸類;1,3′−ブタンジオール、1,4′−ブタンジール、ヒドロキノンジヒドロキシジエチルエーテル、トリシクロデカンジメタノールなどのジオール類;1,1,1−トリメチロールプロパンなどのトリオール類;フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂などの多価フェノール類;トリシクロデカンジオール、ジフェニルシランジオール、エチレングリコール及びその誘導体、ジエチレングリコール及びその誘導体、トリエチレングリコール及びその誘導体などの多価アルコール類;ナイロン−6、ナイロン−66、ナイロン−610、ナイロン−11、ナイロン−612、ナイロン−12、ナイロン−46、メトキシメチル化ポリアミド、ポリヘキサメチレンジアミンテレフタルアミド、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド等のポリアミド類;ヘキサメチレンジイソシアネート、トルイレンジイソシアネートなどのジイソシアネート類;ジイソシアネート類の2量体もしくは3量体、ジオール類もしくはトリオール類へのジイソシアネート類のアダクト物などのポリイソシアネート類;イソシアネート部をブロック剤により保護したブロック化イソシアネート類などが挙げられる。
これらは、1種でも2種以上の混合物として使用してもよい。これらの中でも、多孔膜の強度、密着性に優れるなどの理由により、芳香族ポリアミン類、酸無水物類、多価フェノール類、多価アルコール類が好ましく、中でも4,4−ジアミノジフェニルメタン(芳香族ポリアミン類)、無水マレイン酸変性ノルボルネン樹脂(酸無水物)、多価フェノール類などが特に好ましい。
光により効果を発揮する架橋剤(硬化剤)は、g線、h線、i線等の紫外線、遠紫外線、x線、電子線等の活性光線の照射により、本発明の共重合体と反応し、架橋化合物を生成する光反応性物質であれば特に限定されるものではないが、例えば、芳香族ビスアジド化合物、光アミン発生剤、光酸発生剤などが挙げられる。
芳香族ビスアジド化合物の具体例としては、4,4′−ジアジドカルコン、2,6−ビス(4′−アジドベンザル)シクロヘキサノン、2,6−ビス(4′−アジドベンザル)4−メチルシクロヘキサノン、4,4′−ジアジドジフェニルスルフォン、4,4′−ジアジドベンゾフェノン、4,4′−ジアジドジフェニル、2,7−ジアジドフルオレン、4,4′−ジアジドフェニルメタン等が代表例として挙げられる。これらは、1種類でも2種類以上組み合わせても使用できる。
光アミン発生剤の具体例としては、芳香族アミンあるいは脂肪族アミンのo−ニトロベンジロキシカルボニルカーバメート、2,6−ジニトロベンジロキシカルボニルカーバメートあるいはα,α−ジメチル−3,5−ジメトキシベンジロキシカルボニルカーバメート体等が挙げられる。より具体的には、アニリン、シクロヘキシルアミン、ピペリジンなどのo−ニトロベンジロキシカルボニルカーバメート体が挙げられる。これらは、1種類でも2種類以上組み合わせても使用できる。
光酸発生剤とは、活性光線の照射によって、ブレンステッド酸あるいはルイス酸を生成する物質であって、例えば、オニウム塩、ハロゲン化有機化合物、キノンジアジド化合物、α,α−ビス(スルホニル)ジアゾメタン系化合物、α−カルボニル−α−スルホニル−ジアゾメタン系化合物、スルホン化合物、有機酸エステル化合物、有機酸アミド化合物、有機酸イミド化合物等が挙げられる。これらの活性光線の照射により解裂して酸を生成可能な化合物は、単独でも2種類以上混合して用いても良い。
これらの架橋剤は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。架橋剤の配合量は、本発明に用いる共重合体100質量部に対して、通常0.001〜30質量部、好ましくは0.01〜25質量部、より好ましくは1〜20質量部の範囲である。これらの架橋剤の配合量がこの範囲にあるときに、架橋性及び架橋物の電解液中でのリチウム伝導度、電解液溶解性および多孔膜強度などの特性が高度にバランスされ好適である。
本発明において架橋剤を用いる場合に、さらに架橋助剤(硬化助剤)を使用することにより、架橋性及び配合剤の分散性をさらに高めることができるので好適である。本発明で使用する架橋助剤は、特に限定されるものではないが、特開昭62−34924号公報等に開示されている公知のものでよく、例えば、キノンジオキシム、ベンゾキノンジオキシム、p−ニトロソフェノール等のオキシム・ニトロソ系架橋助剤;N,N−m−フェニレンビスマレイミド等のマレイミド系架橋助剤;ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等のアリル系架橋助剤;エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート等のメタクリレート系架橋助剤;ビニルトルエン、エチルビニルベンゼン、ジビニルベンゼンなどのビニル系架橋助剤;等が例示される。これらの中でも、アリル系架橋助剤、メタクリレート系架橋助剤が、均一に分散させやすく好ましい。
架橋助剤の添加量は、架橋剤の種類により適宜選択されるが、架橋剤1質量部に対して、通常、0.1〜10質量部、好ましくは0.2〜5質量部である。架橋助剤の添加量は、少なすぎると架橋が起こりにくく、逆に、添加量が多すぎると、架橋した結着剤のリチウム伝導性、耐水性が低下するおそれが生じる。
結着剤を構成する共重合体中に熱架橋性の架橋性基を含有する場合において、熱架橋性の架橋性基としては、エポキシ基、N−メチロールアミド基、及びオキサゾリン基からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましく、エポキシ基が架橋性及び架橋密度の調節が容易な点でより好ましい。
熱架橋性の架橋性基は、前記共重合体を製造する際に、(メタ)アクリロニトリル単量体単位を与える単量体及び(メタ)アクリル酸エステル単量体単位を与える単量体に、熱架橋性の架橋基を含有する単量体を加え、必要に応じこれらと共重合可能な他の単量体とを共重合することで共重合体中に導入することができる。
エポキシ基を含有する単量体としては、炭素―炭素二重結合およびエポキシ基を含有する単量体とハロゲン原子およびエポキシ基を含有する単量体が挙げられる。
炭素―炭素二重結合およびエポキシ基を含有する単量体としては、たとえば、ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、ブテニルグリシジルエーテル、o−アリルフェニルグリシジルエーテルなどの不飽和グリシジルエーテル;ブタジエンモノエポキシド、クロロプレンモノエポキシド、4,5−エポキシ−2−ペンテン、3,4−エポキシ−1−ビニルシクロヘキセン、1,2−エポキシ−5,9−シクロドデカジエンなどのジエンまたはポリエンのモノエポキシド;3,4−エポキシ−1−ブテン、1,2−エポキシ−5−ヘキセン、1,2−エポキシ−9−デセンなどのアルケニルエポキシド;グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、グリシジルクロトネート、グリシジル−4−ヘプテノエート、グリシジルソルベート、グリシジルリノレート、グリシジル−4−メチル−3−ペンテノエート、3−シクロヘキセンカルボン酸のグリシジルエステル、4−メチル−3−シクロヘキセンカルボン酸のグリシジルエステル、などの、不飽和カルボン酸のグリシジルエステル類;が挙げられる。
ハロゲン原子およびエポキシ基を有する単量体としては、たとえば、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、エピヨードヒドリン、エピフルオロヒドリン、β−メチルエピクロルヒドリンなどのエピハロヒドリン;p−クロロスチレンオキシド;ジブロモフェニルグリシジルエーテル;が挙げられる。
N−メチロールアミド基を含有する単量体としては、N−メチロール(メタ)アクリルアミドなどのメチロール基を有する(メタ)アクリルアミド類が挙げられる。
オキサゾリン基を含有する単量体としては、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−4−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−5−エチル−2−オキサゾリン等が挙げられる。
共重合体中の熱架橋性の架橋性基の含有割合は、重合時の熱架橋性の架橋性基を含有する単量体量として、単量体全量100質量%に対して、好ましくは0.1〜10質量%、更に好ましくは0.1〜5質量%の範囲である。共重合体中の熱架橋性の架橋性基の含有割合は、結着剤を構成する共重合体を製造する時の単量体仕込み比により制御できる。共重合体中の熱架橋性の架橋基の含有割合が、上記範囲内にあることで電解液への溶出を抑制し、優れた多孔膜強度と長期サイクル特性を示すことができる。
本発明において、結着剤として用いる共重合体は、カルボン酸基、水酸基及びスルホン酸基からなる群から選ばれる親水性基の少なくとも1種を更に含むものであることが好ましい。共重合体が前記親水性基を含むことにより、非導電性粒子の分散安定性及び非導電性粒子同士の結着性のいずれをも向上させることができる。また、非導電性粒子の表面が親水性を示しやすいことから、結着剤が前記親水性基を含有することにより、非導電性粒子の表面に結着剤が吸着しやすくなり、非導電性粒子の分散性が高く、電極上に平滑な多孔膜を形成しうる。
親水性基は、カルボン酸基、水酸基、及びスルホン酸基からなる群から選ばれる少なくとも1種である。これらの中でも、非導電性粒子の分散性や結着性をさらに向上できる観点から、スルホン酸基又はカルボン酸基が好ましい。
親水性基は、前記共重合体を製造する際に、(メタ)アクリロニトリル単量体単位を与える単量体、(メタ)アクリル酸エステル単量体単位を与える単量体、親水性基を含有する単量体、必要に応じこれらと共重合可能な他の単量体とを共重合することで導入することができる。
カルボン酸基を含有する単量体としては、モノカルボン酸及びその誘導体やジカルボン酸、その酸無水物、及びこれらの誘導体などが挙げられる。
モノカルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などが挙げられる。モノカルボン酸誘導体としては、2−エチルアクリル酸、2−エチルアクリル酸、イソクロトン酸、α―アセトキシアクリル酸、β−trans−アリールオキシアクリル酸、α−クロロ−β−E−メトキシアクリル酸、β−ジアミノアクリル酸などが挙げられる。
ジカルボン酸としては、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などが挙げられる。
ジカルボン酸の酸無水物としては、無水マレイン酸、アクリル酸無水物、メチル無水マレイン酸、ジメチル無水マレイン酸などが挙げられる。
ジカルボン酸誘導体としては、メチルマレイン酸、ジメチルマレイン酸、フェニルマレイン酸、クロロマレイン酸、ジクロロマレイン酸、フルオロマレイン酸などのマレイン酸誘導体;マレイン酸メチルアリル、マレイン酸ジフェニル、マレイン酸ノニル、マレイン酸デシル、マレイン酸ドデシル、マレイン酸オクタデシル、マレイン酸フルオロアルキルなどのマレイン酸エステル;が挙げられる。
水酸基を含有する単量体としては、(メタ)アリルアルコール、3−ブテン−1−オール、5−ヘキセン−1−オールなどのエチレン性不飽和アルコール;アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、マレイン酸−ジ−2−ヒドロキシエチル、マレイン酸ジ−4−ヒドロキシブチル、イタコン酸ジ−2−ヒドロキシプロピルなどのエチレン性不飽和カルボン酸のアルカノールエステル類;一般式CH=CR−COO−(C2nO)−H(mは2ないし9の整数、nは2ないし4の整数、Rは水素またはメチル基を表す)で表されるポリアルキレングリコールと(メタ)アクリル酸とのエステル類; 2−ヒドロキシエチル−2’−(メタ)アクリロイルオキシフタレート、2−ヒドロキシエチル−2’−(メタ)アクリロイルオキシサクシネートなどのジカルボン酸のジヒドロキシエステルのモノ(メタ)アクリル酸エステル類;2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテルなどのビニルエーテル類;(メタ)アリル−2−ヒドロキシエチルエーテル、(メタ)アリル−2−ヒドロキシプロピルエーテル、(メタ)アリル−3−ヒドロキシプロピルエーテル、(メタ)アリル−2−ヒドロキシブチルエーテル、(メタ)アリル−3−ヒドロキシブチルエーテル、(メタ)アリル−4−ヒドロキシブチルエーテル、(メタ)アリル−6−ヒドロキシヘキシルエーテルなどのアルキレングリコールのモノ(メタ)アリルエーテル類;ジエチレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アリルエーテルなどのポリオキシアルキレングリコール(メタ)モノアリルエーテル類;グリセリンモノ(メタ)アリルエーテル、(メタ)アリル−2−クロロ−3−ヒドロキシプロピルエーテル、(メタ)アリル−2−ヒドロキシ−3−クロロプロピルエーテルなどの、(ポリ)アルキレングリコールのハロゲン及びヒドロキシ置換体のモノ(メタ)アリルエーテル;オイゲノール、イソオイゲノールなどの多価フェノールのモノ(メタ)アリルエーテル及びそのハロゲン置換体;(メタ)アリル−2−ヒドロキシエチルチオエーテル、(メタ)アリル−2−ヒドロキシプロピルチオエーテルなどのアルキレングリコールの(メタ)アリルチオエーテル類;などが挙げられる。
スルホン酸基を含有する単量体としては、ビニルスルホン酸、メチルビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、(メタ)アクリル酸−2−スルホン酸エチル、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、3−アリロキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸などが挙げられる。
これらの中でも、親水性基としては、非導電性粒子の分散性や結着性がさらに向上できる観点から、スルホン酸基やカルボン酸基が好ましい。
共重合体中の親水性基の含有割合は、重合時の親水性基を含有する単量体量で、単量体全量100質量%に対して、好ましくは0.1〜40質量%、更に好ましくは0.5〜20質量%の範囲である。共重合体中の親水性基の含有割合は、結着剤を構成する共重合体を製造する時の単量体仕込み比により制御できる。共重合体中の親水性基の含有割合が上記範囲内にあることで、非導電性粒子をより良好に分散させることができる。
本発明に用いる結着剤として用いる共重合体において、(メタ)アクリロニトリル単量体単位及び(メタ)アクリル酸エステル単量体単位の他に、前記した熱架橋性の架橋性基及び親水性基を含むことが好ましい。共重合体が、熱架橋性の架橋性基及び親水性基を含むことにより、より架橋密度を上げ易くなり、高強度な膜を得やすくなる。
本発明に用いる結着剤として用いる共重合体は、上記単量体以外に、その他のこれらと共重合可能な単量体を含んでもよい。その他の共重合可能な単量体としては、スチレン、クロロスチレン、ビニルトルエン、t−ブチルスチレンビニル安息香酸メチル、ビニルナフタレン、クロロメチルスチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン等のスチレン系単量体;エチレン、プロピレン等のオレフィン類;ブタジエン、イソプレン等のジエン系単量体;塩化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン原子含有単量体; 酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビエルエーテル等のビニルエーテル類;メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、ブチルビニルケトン、ヘキシルビニルケトン、イソプロペニルビニルケトン等のビニルケトン類; N−ビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール等の複素環含有ビニル化合物;アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸などのアミド系単量体;が挙げられる。
上記共重合体の製造方法は特に限定はされず、溶液重合法、懸濁重合法、塊状重合法、乳化重合法などのいずれの方法も用いることができる。重合方法としては、イオン重合、ラジカル重合、リビングラジカル重合などいずれの方法も用いることができる。重合に用いる重合開始剤としては、たとえば過酸化ラウロイル、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシピバレート、3,3,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイドなどの有機過酸化物、α,α’−アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ化合物、または過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウムなどがあげられる。
本発明において、結着剤として用いる上記共重合体のガラス転移温度は、室温において多孔膜に柔軟性を与えることができ、ロール巻き取り時や捲回時のひびや、多孔膜層の欠け等を抑制することができる観点より、好ましくは15℃以下、さらに好ましくは0℃以下である。共重合体のガラス転移温度は、共重合体を構成する単量体の使用割合などを変更することによって調製可能である。
多孔膜中の結着剤の含有割合は、好ましくは0.1〜10質量%、更に好ましくは0.5〜5質量%、最も好ましくは0.5〜3質量%である。多孔膜中の結着剤の含有割合が、前記範囲にあることで、非導電性粒子同士の結着性及び電極への結着性と、柔軟性を維持しながらも、Liの移動を阻害し抵抗が増大することを抑制することができる。
多孔膜には、上記成分のほかに、さらに分散剤、レベリング剤、消泡剤や電解液分解抑制等の機能を有する電解液添加剤等の他の成分が含まれていてもよい。これらは電池反応に影響を及ぼさないものであれば特に限られない。
分散剤としてはアニオン性化合物、カチオン性化合物、非イオン性化合物、高分子化合物が例示される。分散剤は用いる非導電性粒子に応じて選択される。多孔膜中の分散剤の含有割合は、電池特性に影響が及ばない範囲が好ましく、具体的には10質量%以下である。
レベリング剤としてはアルキル系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、金属系界面活性剤などの界面活性剤が挙げられる。前記界面活性剤を混合することにより、塗工時に発生するはじきを防止したり、電極の平滑性を向上させることができる。その他には、フュームドシリカやフュームドアルミナなどのナノ微粒子が挙げられる。前記ナノ微粒子を混合することにより多孔膜形成用スラリーのチキソ性をコントロールすることができ、さらにそれにより得られる多孔膜のレベリング性を向上させることができる。
多孔膜中のレベリング剤やナノ微粒子の含有割合は、電池特性に影響が及ばない範囲が好ましく、具体的には10質量%以下である。
(多孔膜の製造方法)
本発明の多孔膜を製造する方法としては、1)誘電率が10以上の非導電性粒子、所定量の(メタ)アクリロニトリル単量体単位及び(メタ)アクリル酸エステル単量体単位を含む共重合体からなる結着剤及び溶媒を含む多孔膜用スラリーを所定の基材上に塗布し、次いで乾燥する方法;2)誘電率が10以上の非導電性粒子、所定量の(メタ)アクリロニトリル単量体単位及び(メタ)アクリル酸エステル単量体単位を含む共重合体からなる結着剤及び溶媒を含む多孔膜用スラリーに基材を浸漬後、これを乾燥する方法;3)誘電率が10以上の非導電性粒子、所定量の(メタ)アクリロニトリル単量体単位及び(メタ)アクリル酸エステル単量体単位を含む共重合体からなる結着剤及び溶媒を含む多孔膜用スラリーを、剥離フィルム上に塗布、成膜し、得られた多孔膜を所定の基材上に転写する方法;が挙げられる。この中でも、1)多孔膜用スラリーを基材に塗布し、次いで乾燥する方法が、多孔膜の膜厚を制御しやすいことから最も好ましい。
本発明の多孔膜の製造方法は、上記多孔膜用スラリーを電極活物質層上に塗布し、次いで乾燥することを特徴とする。
(多孔膜用スラリー)
本発明の多孔膜用スラリーは、誘電率が10以上の非導電性粒子、(メタ)アクリロニトリル単量体単位及び(メタ)アクリル酸エステル単量体単位を含む共重合体からなる結着剤、及び溶媒を含む。誘電率が10以上の非導電性粒子、結着剤としては、多孔膜で例示したものを使用する。
溶媒としては、上記固形分(非導電性粒子及び結着剤)を均一に分散し得るものであれば特に制限されない。
多孔膜用スラリーに用いる溶媒としては、水および有機溶媒のいずれも使用できる。 有機溶媒としては、芳香族炭化水素系としてはベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンなどが、塩素系脂肪族炭化水素としてはメチレンクロライド、クロロホルム、四塩化炭素等があげられる。その他にはピリジン、アセトン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、メチルエチルケトン、ジイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、n−ブチルフタレート、メチルフタレート、エチルフタレート、テトラヒドロフルフリルアルコール、エチルアセテート、ブチルアセテート、1−ニトロプロパン、二硫化炭素、りん酸トリブチル、シクロヘキサン、シクロペンタン、キシレン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、N−メチルピロリドン等が例示される。これらの溶媒は単独でも混合溶媒でも使用することができる。
これらの溶媒は、単独で使用しても、これらを2種以上混合して混合溶媒として使用してもよい。これらの中でも特に、非導電性粒子の分散性にすぐれ、沸点が低く揮発性が高い溶媒が、短時間でかつ低温で溶媒を除去できるので好ましい。具体的には、アセトン、シクロヘキサノン、シクロペンタン、テトラヒドロフラン、シクロヘキサン、キシレン、水、若しくはN−メチルピロリドン、またはこれらの混合溶媒が好ましい。更に、揮発性が低くスラリー塗工時の作業性に優れる点から、シクロヘキサノン、キシレン、若しくはN−メチルピロリドン、またはこれらの混合溶媒が特に好ましい。
多孔膜用スラリーの固形分濃度は、塗布、浸漬が可能な程度でかつ、流動性を有する粘度になる限り特に限定はされないが、一般的には20〜50質量%程度である。
また、多孔膜用スラリーには、上記誘電率が10以上の非導電性粒子、(メタ)アクリロニトリル単量体単位及び(メタ)アクリル酸エステル単量体単位を含む共重合体を含んでなる結着剤及び溶媒のほかに、さらに分散剤や電解液分解抑制等の機能を有する電解液添加剤等の他の成分が含まれていてもよい。これらは電池反応に影響を及ぼさないものであれば特に限られない。
(多孔膜用スラリー製法)
多孔膜用スラリーの製法は、特に限定はされず、上記、誘電率が10以上の非導電性粒子、所定量の(メタ)アクリロニトリル単量体単位及び(メタ)アクリル酸エステル単量体単位を含む共重合体を含んでなる結着剤、並びに溶媒と必要に応じ添加される他の成分を混合して得られる。
本発明においては、上記成分を用いることにより混合方法や混合順序にかかわらず、非導電性粒子が高度に分散された多孔膜用スラリーを得ることができる。混合装置は、上記成分を均一に混合できる装置であれば特に限定されず、ボールミル、サンドミル、顔料分散機、擂潰機、超音波分散機、ホモジナイザー、プラネタリーミキサーなどを使用することができるが、中でも高い分散シェアを加えることができる、ビーズミル、ロールミル、フィルミックス等の高分散装置を使用することが特に好ましい。
多孔膜用スラリー状態でのスラリー粘度は、均一塗工性、スラリー経時安定性の観点から、好ましくは50mPa・s〜10,000mPa・s、更に好ましくは50〜500mPa・sである。前記粘度は、B型粘度計を用いて25℃、回転数60rpmで測定した時の値である。
本発明の多孔膜の製造方法において、基材は、特に限定はされないが、本発明の多孔膜は特に二次電池電極の表面に形成されることが好ましく、特に電極の電極活物質層の表面に形成されることがより好ましい。
多孔膜用スラリーを電極活物質層上へ塗布する方法は特に制限されない。例えば、ドクターブレード法、ディップ法、リバースロール法、ダイレクトロール法、グラビア法、エクストルージョン法、ハケ塗り法などの方法が挙げられる。中でも、均一な多孔膜が得られる点でディップ法やグラビア法が好ましい。
乾燥方法としては例えば温風、熱風、低湿風による乾燥、真空乾燥、(遠)赤外線や電子線などの照射による乾燥法が挙げられる。乾燥温度は、使用する溶剤の種類によってかえることができる。溶剤を完全に除去するために、例えば溶剤にN−メチルピロリドン等の揮発性の低い溶剤を用いる場合には送風式の乾燥機で120℃以上の高温で乾燥させることが好ましい。逆に揮発性の高い溶剤を用いる場合には100℃以下の低温において乾燥させることもできる。
次いで、必要に応じ、金型プレスやロールプレスなどを用い、加圧処理により電極活物質層と多孔膜との密着性を向上させることもできる。ただし、この際、過度に加圧処理を行うと、多孔膜の空隙率が損なわれることがあるため、圧力および加圧時間を適宜に制御する。
多孔膜の膜厚は、特に限定はされず、多孔膜の用途あるいは適用分野に応じて適宜に設定されるが、薄すぎると均一な膜を形成できず、又厚すぎると電池内での体積(質量)あたりの容量(capacity)が減ることから、0.1〜50μmが好ましく、0.2〜10μmがより好ましく、0.5〜10μmが特に好ましい。
電極活物質層上に形成される多孔膜は、非導電性粒子が結着剤を介して結着されてなり、非導電性粒子間の空隙が形成された構造を有する。この空隙中には電解液が浸透可能であるため、電池反応を阻害することはない。
本発明の多孔膜は、二次電池電極の表面に成膜され、電極活物質層の保護膜あるいはセパレータとして特に好ましく用いられる。多孔膜が成膜される二次電池電極は特に限定はされず、各種の構成の電極に対して、本発明の多孔膜は成膜されうる。また、多孔膜は、二次電池の正極、負極の何れの表面に成膜されてもよく、正極、負極の両者に成膜されてもよい。
(リチウムイオン二次電池)
本発明のリチウムイオン二次電池は、正極、負極、電解液を備えてなり、前記正極及び負極の少なくとも一方が本発明のリチウムイオン二次電池用電極である。
正極、負極は、一般に、電極活物質を必須成分として含む電極活物質層が、集電体に付着してなる。
(電極活物質)
リチウムイオン二次電池用電極に用いられる電極活物質は、電解質中で電位をかける事により可逆的にリチウムイオンを挿入放出できるものであればよく、無機化合物でも有機化合物でも用いることができる。
リチウムイオン二次電池正極用の電極活物質(正極活物質)は、無機化合物からなるものと有機化合物からなるものとに大別される。無機化合物からなる正極活物質としては、遷移金属酸化物、リチウムと遷移金属との複合酸化物、遷移金属硫化物などが挙げられる。上記の遷移金属としては、Fe、Co、Ni、Mn等が使用される。正極活物質に使用される無機化合物の具体例としては、LiCoO、LiNiO、LiMnO、LiMn、LiFePO、LiFeVOなどのリチウム含有複合金属酸化物;TiS、TiS、非晶質MoS等の遷移金属硫化物;Cu、非晶質VO−P、MoO、V、V13などの遷移金属酸化物が挙げられる。これらの化合物は、部分的に元素置換したものであってもよい。有機化合物からなる正極活物質としては、例えば、ポリアセチレン、ポリ−p−フェニレンなどの導電性高分子を用いることもできる。電気伝導性に乏しい、鉄系酸化物は、還元焼成時に炭素源物質を存在させることで、炭素材料で覆われた電極活物質として用いてもよい。また、これら化合物は、部分的に元素置換したものであってもよい。
リチウムイオン二次電池用の正極活物質は、上記の無機化合物と有機化合物の混合物であってもよい。正極活物質の粒子径は、電池の他の構成要件との兼ね合いで適宜選択されるが、負荷特性、サイクル特性などの電池特性の向上の観点から、50%体積累積径が、通常0.1〜50μm、好ましくは1〜20μmである。50%体積累積径がこの範囲であると、充放電容量が大きい二次電池を得ることができ、かつ電極用スラリーおよび電極を製造する際の取扱いが容易である。50%体積累積径は、レーザー回折で粒度分布を測定することにより求めることができる。
リチウムイオン二次電池負極用の電極活物質(負極活物質)としては、たとえば、アモルファスカーボン、グラファイト、天然黒鉛、メゾカーボンマイクロビーズ、ピッチ系炭素繊維などの炭素質材料、ポリアセン等の導電性高分子などがあげられる。また、負極活物質としては、ケイ素、錫、亜鉛、マンガン、鉄、ニッケル等の金属やこれらの合金、前記金属又は合金の酸化物や硫酸塩が用いられる。加えて、金属リチウム、Li−Al、Li−Bi−Cd、Li−Sn−Cd等のリチウム合金、リチウム遷移金属窒化物、シリコン等を使用できる。電極活物質は、機械的改質法により表面に導電付与材を付着させたものも使用できる。負極活物質の粒径は、電池の他の構成要件との兼ね合いで適宜選択されるが、初期効率、負荷特性、サイクル特性などの電池特性の向上の観点から、50%体積累積径が、通常1〜50μm、好ましくは15〜30μmである。
本発明において、電極活物質層は電極活物質の他に、結着剤(以下、「活物質層用結着剤」と記載することがある。)を含むことが好ましい。活物質層用結着剤を含むことにより電極中の電極活物質層の結着性が向上し、電極の捲回時等の工程上においてかかる機械的な力に対する強度が上がり、また電極中の電極活物質層が脱離しにくくなることから、脱離物による短絡等の危険性が小さくなる。
活物質層用結着剤としては様々な樹脂成分を用いることができる。例えば、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、ポリアクリル酸誘導体、ポリアクリロニトリル誘導体などを用いることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
更に、下に例示する軟質重合体も活物質層用結着剤として使用することができる。
ポリブチルアクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリヒドロキシエチルメタクリレート、ポリアクリルアミド、ポリアクリロニトリル、ブチルアクリレート・スチレン共重合体、ブチルアクリレート・アクリロニトリル共重合体、ブチルアクリレート・アクリロニトリル・グリシジルメタクリレート共重合体などの、アクリル酸またはメタクリル酸誘導体の単独重合体またはそれと共重合可能な単量体との共重合体である、アクリル系軟質重合体;
ポリイソブチレン、イソブチレン・イソプレンゴム、イソブチレン・スチレン共重合体などのイソブチレン系軟質重合体;
ポリブタジエン、ポリイソプレン、ブタジエン・スチレンランダム共重合体、イソプレン・スチレンランダム共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体、ブタジエン・スチレン・ブロック共重合体、スチレン・ブタジエン・スチレン・ブロック共重合体、イソプレン・スチレン・ブロック共重合体、スチレン・イソプレン・スチレン・ブロック共重合体などジエン系軟質重合体;
ジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、ジヒドロキシポリシロキサンなどのケイ素含有軟質重合体;
液状ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、エチレン・α−オレフィン共重合体、プロピレン・α−オレフィン共重合体、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体(EPDM)、エチレン・プロピレン・スチレン共重合体などのオレフィン系軟質重合体;
ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリステアリン酸ビニル、酢酸ビニル・スチレン共重合体などビニル系軟質重合体;
ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、エピクロルヒドリンゴムなどのエポキシ系軟質重合体;
フッ化ビニリデン系ゴム、四フッ化エチレン−プロピレンゴムなどのフッ素含有軟質重合体;
天然ゴム、ポリペプチド、蛋白質、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマーなどのその他の軟質重合体などが挙げられる。これらの軟質重合体は、架橋構造を有したものであってもよく、また、変性により官能基を導入したものであってもよい。
電極活物質層における活物質層用結着剤の量は、電極活物質100質量部に対して、好ましくは0.1〜5質量部、より好ましくは0.2〜4質量部、特に好ましくは0.5〜3質量部である。電極活物質層における活物質層用結着剤量が前記範囲であることにより、電池反応を阻害せずに、電極から活物質が脱落するのを防ぐことができる。
活物質層用結着剤は、電極を作製するために溶液もしくは分散液として調製される。その時の粘度は、通常1mPa・s〜300,000mPa・sの範囲、好ましくは50mPa・s〜10,000mPa・sである。前記粘度は、B型粘度計を用いて25℃、回転数60rpmで測定した時の値である。
本発明において、電極活物質層には、導電性付与材や補強材を含有していてもよい。導電付与材としては、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンブラック、、気相成長カーボン繊維、カーボンナノチューブ等の導電性カーボンを使用することができる。黒鉛などの炭素粉末、各種金属のファイバーや箔などが挙げられる。補強材としては、各種の無機および有機の球状、板状、棒状または繊維状のフィラーが使用できる。導電性付与材を用いることにより電極活物質同士の電気的接触を向上させることができ、リチウムイオン二次電池に用いる場合に放電レート特性を改善したり、することができる。導電性付与材の使用量は、電極活物質100質量部に対して通常0〜20質量部、好ましくは1〜10質量部である。
電極活物質層は、これ単独で存在していてもよいが、通常は集電体に付着した形で存在している。
電極活物質層は、電極活物質及び溶媒を含むスラリー(以下、「活物質層形成用スラリー」と呼ぶことがある。)を集電体に付着させて形成することができる。
溶媒としては、電極活物質層に活物質層用結着剤を含有させる場合は、これを溶解または粒子状に分散するものであればよいが、溶解するものが好ましい。活物質層用結着剤を溶解する溶媒を用いると、活物質層用結着剤が表面に吸着することにより電極活物質などの分散が安定化する。
活物質層形成用スラリーは、溶媒を含有し、電極活物質、活物質層用結着剤及び導電性付与材を分散させる。溶媒としては、前記結着剤を溶解し得るものを用いると、電極活物質や導電性付与材の分散性に優れるので好ましい。活物質層用結着剤が溶媒に溶解した状態で用いることにより、活物質層用結着剤が電極活物質などの表面に吸着してその体積効果により分散を安定化させていると推測される。
活物質層形成用スラリーに用いる溶媒としては、水および有機溶媒のいずれも使用できる。有機溶媒としては、シクロペンタン、シクロヘキサンなどの環状脂肪族炭化水素類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;エチルメチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、γ−ブチロラクトン、ε−カプロラクトンなどのエステル類;アセトニトリル、プロピオニトリルなどのアシロニトリル類;テトラヒドロフラン、エチレングリコールジエチルエーテルなどのエーテル類:メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテルなどのアルコール類;N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド類があげられる。これらの溶媒は、単独または2種以上を混合して、乾燥速度や環境上の観点から適宜選択して用いることができる。中でも、本発明においては水への電極膨張特性の観点から、非水性溶媒を用いることが好ましい。
活物質層形成用スラリーには、さらに増粘剤などの各種の機能を発現する添加剤を含有させることができる。増粘剤としては、活物質層形成用スラリーに用いる有機溶媒に可溶な重合体が用いられる。具体的には、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体水素化物などが用いられる。
さらに、活物質層形成用スラリーには、上記成分の他に、電池の安定性や寿命を高めるため、トリフルオロプロピレンカーボネート、ビニレンカーボネート、カテコールカーボネート、1,6−ジオキサスピロ[4,4]ノナン−2,7−ジオン、12−クラウン−4−エーテル等が使用できる。また、これらは後述する電解液に含有せしめて用いてもよい。
活物質層形成用スラリーにおける溶媒の量は、電極活物質や活物質層用結着剤などの種類に応じ、塗工に好適な粘度になるように調整して用いる。具体的には、活物質層形成用スラリー中の、電極活物質、活物質層用結着剤および他の添加剤を合わせた固形分の濃度が、好ましくは30〜90質量%、より好ましくは40〜80質量%となる量に調整して用いられる。
活物質層形成用スラリーは、電極活物質、必要に応じ添加される活物質層用結着剤、導電性付与材、その他の添加剤、および溶媒を、混合機を用いて混合して得られる。混合は、上記の各成分を一括して混合機に供給し、混合してもよい。活物質層形成用スラリーの構成成分として、電極活物質、活物質層用結着剤、導電性付与材及び増粘剤を用いる場合には、導電性付与材および増粘剤を溶媒中で混合して導電材を微粒子状に分散させ、次いで活物質層用結着剤、電極活物質を添加してさらに混合することがスラリーの分散性が向上するので好ましい。混合機としては、ボールミル、サンドミル、顔料分散機、擂潰機、超音波分散機、ホモジナイザー、プラネタリーミキサー、ホバートミキサーなどを用いることができるが、ボールミルを用いると導電性付与材、電極活物質の凝集を抑制できるので好ましい。
活物質層形成用スラリーの粒度は、好ましくは35μm以下であり、さらに好ましくは25μm以下である。スラリーの粒度が上記範囲にあると、導電材の分散性が高く、均質な電極が得られる。
集電体は、電気導電性を有しかつ電気化学的に耐久性のある材料であれば特に制限されないが、耐熱性を有するとの観点から、例えば、鉄、銅、アルミニウム、ニッケル、ステンレス鋼、チタン、タンタル、金、白金などの金属材料が好ましい。中でも、非水電解質リチウムイオン二次電池の正極用としてはアルミニウムが特に好ましく、負極用としては銅が特に好ましい。集電体の形状は特に制限されないが、厚さ0.001〜0.5mm程度のシート状のものが好ましい。集電体は、電極活物質層の接着強度を高めるため、予め粗面化処理して使用するのが好ましい。粗面化方法としては、機械的研磨法、電解研磨法、化学研磨法などが挙げられる。機械的研磨法においては、研磨剤粒子を固着した研磨布紙、砥石、エメリバフ、鋼線などを備えたワイヤーブラシ等が使用される。また、電極活物質層の接着強度や導電性を高めるために、集電体表面に中間層を形成してもよい。
電極活物質層の製造方法は、前記集電体の少なくとも片面、好ましくは両面に電極活物質層を層状に結着させる方法であればよい。例えば、前記活物質層形成用スラリーを集電体に塗布、乾燥し、次いで、120℃以上で1時間以上加熱処理して電極活物質層を形成する。活物質層形成用スラリーを集電体へ塗布する方法は特に制限されない。例えば、ドクターブレード法、ディップ法、リバースロール法、ダイレクトロール法、グラビア法、エクストルージョン法、ハケ塗り法などの方法が挙げられる。乾燥方法としては例えば温風、熱風、低湿風による乾燥、真空乾燥、(遠)赤外線や電子線などの照射による乾燥法が挙げられる。
次いで、金型プレスやロールプレスなどを用い、加圧処理により電極の電極活物質層の空隙率を低くすることが好ましい。空隙率の好ましい範囲は5%〜15%、より好ましくは7%〜13%である。空隙率が高すぎると充電効率や放電効率が悪化する。空隙率が低すぎる場合は、高い体積容量が得難かったり、電極活物質層が剥がれ易く不良を発生し易いといった問題を生じる。さらに、硬化性の重合体を用いる場合は、硬化させることが好ましい。
電極活物質層の厚みは、正極、負極とも、通常5〜300μmであり、好ましくは10〜250μmである。
(電解液)
電解液としては、有機溶媒に支持電解質を溶解した有機電解液が用いられる。支持電解質としては、リチウム塩が用いられる。リチウム塩としては、特に制限はないが、LiPF、LiAsF、LiBF、LiSbF、LiAlCl、LiClO、CFSOLi、CSOLi、CFCOOLi、(CFCO)NLi、(CFSONLi、(CSO)NLiなどが挙げられる。中でも、溶媒に溶けやすく高い解離度を示すLiPF、LiClO、CFSOLiが好ましい。これらは、二種以上を併用してもよい。解離度の高い支持電解質を用いるほどリチウムイオン伝導度が高くなるので、支持電解質の種類によりリチウムイオン伝導度を調節することができる。
電解液に使用する有機溶媒としては、支持電解質を溶解できるものであれば特に限定されないが、ジメチルカーボネート(DMC)、エチレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート(DEC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、メチルエチルカーボネート(MEC)などのカーボネート類;γ−ブチロラクトン、ギ酸メチルなどのエステル類;1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフランなどのエーテル類;スルホラン、ジメチルスルホキシドなどの含硫黄化合物類;が好適に用いられる。またこれらの溶媒の混合液を用いてもよい。中でも、誘電率が高く、安定な電位領域が広いのでカーボネート類が好ましい。用いる溶媒の粘度が低いほどリチウムイオン伝導度が高くなるので、溶媒の種類によりリチウムイオン伝導度を調節することができる。
電解液中における支持電解質の濃度は、通常1〜30質量%、好ましくは5質量%〜20質量%である。また、支持電解質の種類に応じて、通常0.5〜2.5モル/Lの濃度で用いられる。支持電解質の濃度が低すぎても高すぎてもイオン導電度は低下する傾向にある。用いる電解液の濃度が低いほど重合体粒子の膨潤度が大きくなるので、電解液の濃度によりリチウムイオン伝導度を調節することができる。
リチウムイオン二次電池の具体的な製造方法としては、例えば、多孔膜付正極と多孔膜付負極とをセパレータを介して重ね合わせ、これを電池形状に応じて巻く、折るなどして電池容器に入れ、電池容器に電解液を注入して封口する方法が挙げられる。また必要に応じてエキスパンドメタルや、ヒューズ、PTC素子などの過電流防止素子、リード板などを入れ、電池内部の圧力上昇、過充放電の防止をする事もできる。電池の形状は、コイン型、ボタン型、シート型、円筒型、角形、扁平型など何れであってもよい。
前記セパレータとしては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂や芳香族ポリアミド樹脂を含んでなるセパレータなどの公知のものが用いられる。なお、本発明の多孔膜は、セパレータとしての機能も有するため、セパレータの使用を省略することもできる。
(実施例)
以下に、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。尚、本実施例における部および%は、特記しない限り質量基準である。
実施例および比較例において、各種物性は以下のように評価する。
<多孔膜電極特性:柔軟性>
電極を幅1cm×長さ5cmの矩形に切って試験片とする。試験片の集電体側の面を下にして机上に置き、長さ方向の中央(端部から2.5cmの位置)、集電体側の面に直径1mm のステンレス棒を短手方向に横たえて設置する。このステンレス棒を中心にして試験片を多孔膜付電極活物質層が外側になるように180度折り曲げる。10枚の試験片について試験し、各試験片の活物質層の折り曲げた部分について、ひび割れまたは剥がれの有無を観察し、下記の基準により判定する。ひび割れまたは剥がれが少ないほど、電極が柔軟性に優れることを示す。
A:10枚中全てにひび割れまたは剥がれがみられない。
B:10枚中1〜3枚にひび割れまたは剥がれがみられる。
C:10枚中4〜9枚にひび割れまたは剥がれがみられる。
D:10枚中全てにひび割れまたは剥がれがみられる。
<多孔膜スラリー特性:沈降性>
直径1cmの試験管内に高さ5cmまで多孔膜用スラリーを入れ、5本ずつ試験サンプルとする。前記試験サンプルを机上に垂直に設置する。1日置きに10日間スラリーの状態を観測し下記の基準により判定する。2相分離が見られないほど沈降性に優れることを示す。
A:10日後にも2相分離がみられない。
B:5〜10日後に2相分離がみられる。
C:2〜5日後に2相分離がみられる。
D:1日後に2相分離がみられる。
E:3時間以内に2相分離が見られる。
<電池特性:レート特性>
10セルのフルセルコイン型電池を0.1Cの定電流法によって4.3Vまで充電しその後0.1Cにて3.0Vまで放電し、0.1C放電容量aを求める。その後0.1Cにて4.3Vまで充電しその後4Cにて3.0Vまで放電し、1C放電容量bを求める。10セルの平均値を測定値とし、1C放電容量bと0.1C放電容量aの電気容量の比(b/a(%))で表される容量保持率を求め、これをレート特性の評価基準とする。この値が高いほどレート特性に優れている。
A:90%以上
B:80%以上90%未満
C:50%以上80%未満
D:50%未満
<電池特性:高温サイクル特性>
10セルのフルセルコイン型電池を50℃雰囲気下、0.2Cの定電流法によって4.3Vに充電し、3.0Vまで放電する充放電を繰り返し電気容量を測定した。10セルの平均値を測定値とし、50サイクル終了時の電気容量と5サイクル終了時の電気容量の比(%)で表される充放電容量保持率を求め、これをサイクル特性の評価基準とする。この値が高いほど高温サイクル特性に優れている。
A:80%以上
B:70%以上80%未満
C:50%以上70%未満
D:30%以上50%未満
E:30%未満
(実施例1)
<重合体の作製>
撹拌機付きのオートクレーブに、イオン交換水300部、アクリル酸n−ブチル41部、アクリル酸エチル41.5部、アクリロニトリル15部、グリシジルメタクリレート2.0部、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸0.5部、分子量調整剤としてt−ドデシルメルカプタン0.05部、及び重合開始剤として過硫酸カリウム0.3部を入れ、十分に撹拌した後、70℃に加温して重合し、重合体粒子水分散液を得た。固形分濃度から求めた重合転化率はほぼ99%であった。この重合体粒子水分散液100部にN−メチルピロリドン(以下、「NMP」と記載することがある。)320部を加え、減圧下に水を蒸発させて、共重合体(以下、「重合体A」という。)NMP溶液を得た。重合体Aの溶液の濃度は8質量%であった。また、この重合体Aのガラス転移温度は−5℃であった。重合体A中の(メタ)アクリロニトリル単量体単位の含有割合は15%、熱架橋性の架橋基(エポキシ基)の含有割合は熱架橋性の架橋性基を含有する単量体(グリシジルメタクリレート)の割合で2%、親水性基(スルホン酸基)の含有割合は親水性基を含有する単量体(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸)の割合で0.5%であった。
<多孔膜用スラリーの作製>
非導電性粒子(酸化チタン,平均粒径0.3μm、誘電率100)、重合体Aの溶液とを、100:2の含有割合(固形分相当比)となるように混合し、更にN−メチルピロリドンを固形分濃度が40%になるように混合させてビーズミルを用いて分散させ多孔膜用スラリー1を調製した。得られた多孔膜用スラリーの沈降性を測定した。結果を表1に示す。
<負極用電極組成物および負極の製造>
負極活物質として粒子径20μm、比表面積4.2m/gのグラファイト95部と、活物質層用結着剤としてPVDF(ポリフッ化ビニリデン)を固形分相当で5部とを混合し、更にNMPを加えてプラネタリーミキサーで混合してスラリー状の負極用電極組成物(負極活物質層形成用スラリー)を調製した。この負極用電極組成物を厚さ10μmの銅箔の片面に塗布し、110℃で3時間乾燥した後、ロールプレスして厚さ60μmの負極活物質層を有する負極を得た。
<正極用電極組成物および正極の製造>
正極活物質としてLiCoO 95部と、活物質層用結着剤としてPVDF(ポリフッ化ビニリデン)を固形分相当で3部とを加え、さらに、アセチレンブラック2部、N−メチルピロリドン20部を加えて、プラネタリーミキサーで混合してスラリー状の正極用電極組成物(正極活物質層形成用スラリー)を調製した。この正極用電極組成物を厚さ18μmのアルミニウム箔に塗布し、120℃で3時間乾燥した後、ロールプレスして厚さ70μmの正極活物質層を有する正極を得た。
<多孔膜付電極の作製>
前記多孔膜用スラリー1を、負極に負極活物質層が完全に覆われるように、厚さ3μmで塗工し、次いで110℃で20分間乾燥することにより、多孔膜を形成し多孔膜付電極を作製した。作製した多孔膜付電極の柔軟性を評価した。結果を表1に示す。
<電池の作製>
次いで、得られた正極を直径13mm、負極を14mmφの円形に切り抜いた。正極電極の正極活物質層面側に直径18mm、厚さ25μmの円形ポリプロピレン製多孔膜からなるセパレーターを介在させて、互いに電極活物質層が対向し、外装容器底面に正極のアルミニウム箔が接触するように配置し、更に負極の銅箔上にエキスパンドメタルを入れ、ポリプロピレン製パッキンを設置したステンレス鋼製のコイン型外装容器(直径20mm、高さ1.8mm、ステンレス鋼厚さ0.25mm)中に収納した。この容器中に電解液(EC/DEC=1/2、1M LiPF)を空気が残らないように注入し、ポリプロピレン製パッキンを介して外装容器に厚さ0.2mmのステンレス鋼のキャップをかぶせて固定し、電池缶を封止して、直径20mm、厚さ約3.2mmのリチウムイオン二次電池を製造した(コインセルCR2032)。得られた電池についてレート特性及び高温サイクル特性を測定した。結果を表1に示す。
(実施例2)
撹拌機付きのオートクレーブに、イオン交換水300部、アクリル酸n−ブチル51部、アクリル酸エチル41.5部、アクリロニトリル5部、グリシジルメタクリレート2.0部、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸0.5部、分子量調整剤としてt−ドデシルメルカプタン0.05部、及び重合開始剤として過硫酸カリウム0.3部を入れ、十分に撹拌した後、70℃に加温して重合し、重合体粒子水分散液を得た。固形分濃度から求めた重合転化率はほぼ99%であった。この重合体粒子水分散液100部にNMP320部を加え、減圧下に水を蒸発させて、共重合体(以下、「重合体B」という。)NMP溶液を得た。重合体Bの溶液の濃度は8質量%であった。また、この重合体Bのガラス転移温度は−25℃であった。重合体B中の(メタ)アクリロニトリル単量体単位の含有割合は5%、熱架橋性の架橋基(エポキシ基)の含有割合は熱架橋性の架橋性基を含有する単量体(グリシジルメタクリレート)の割合で2%、親水性基(スルホン酸基)の含有割合は親水性基を含有する単量体(2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸)の割合で0.5%であった。
結着剤として重合体Aのかわりに重合体Bを用いた他は、実施例1と同様に多孔膜用スラリー、多孔膜付電極及び電池を作製した。そして、作製した多孔膜用スラリーにおける沈降性、多孔膜付電極の柔軟性、並びに電池のレート特性及び高温サイクル特性を評価した。結果を表1に示す。
(実施例3)
撹拌機付きのオートクレーブに、イオン交換水300部、アクリル酸n−ブチル83部、アクリロニトリル15部、グリシジルメタクリレート2.0部、分子量調整剤としてt−ドデシルメルカプタン0.05部、及び重合開始剤として過硫酸カリウム0.3部を入れ、十分に撹拌した後、70℃に加温して重合し、重合体粒子水分散液を得た。固形分濃度から求めた重合転化率はほぼ99%であった。この重合体粒子水分散液100部にNMP320部を加え、減圧下に水を蒸発させて、共重合体(以下、「重合体C」という。)NMP溶液を得た。重合体Cの溶液の濃度は9質量%であった。また、重合体Cのガラス転移温度は−15℃であった。重合体C中の(メタ)アクリロニトリル単量体単位の含有割合は15%、熱架橋性の架橋基(エポキシ基)の含有割合は熱架橋性の架橋性基を含有する単量体(グリシジルメタクリレート)の割合で2%、親水性基の含有割合は0%であった。
結着剤として重合体Aのかわりに重合体Cを用いた他は、実施例1と同様に多孔膜用スラリー、多孔膜付電極及び電池を作製した。そして、作製した多孔膜用スラリーにおける沈降性、多孔膜付電極の柔軟性、並びに電池のレート特性及び高温サイクル特性を評価した。結果を表1に示す。
(実施例4)
撹拌機付きのオートクレーブに、イオン交換水300部、アクリル酸エチル84.5部、アクリロニトリル15部、アリルグリシジルエーテル0.5部、分子量調整剤としてt−ドデシルメルカプタン0.05部、及び重合開始剤として過硫酸カリウム0.3部を入れ、十分に撹拌した後、70℃に加温して重合し、重合体粒子水分散液を得た。固形分濃度から求めた重合転化率はほぼ99%であった。この重合体粒子水分散液100部にNMP320部を加え、減圧下に水を蒸発させて、共重合体(以下、「重合体D」という。)NMP溶液を得た。重合体Dの溶液の濃度は10質量%であった。また、この重合体Dのガラス転移温度は2℃であった。重合体D中の(メタ)アクリロニトリル単量体単位の含有割合は15%、熱架橋性の架橋基の含有割合は熱架橋性の架橋性基を含有する単量体(アリルグリシジルエーテル)の割合で0.5%、親水性基の含有割合は0%であった。
結着剤として重合体Aのかわりに重合体Dを用いた他は、実施例1と同様に多孔膜用スラリー、多孔膜付電極及び電池を作製した。そして、作製した多孔膜用スラリーにおける沈降性、多孔膜付電極の柔軟性、並びに電池のレート特性及び高温サイクル特性を評価した。結果を表1に示す。
(実施例5)
撹拌機付きのオートクレーブに、イオン交換水300部、アクリル酸n−ブチル59部、アクリロニトリル40部、グリシジルメタクリレート1部、分子量調整剤としてt−ドデシルメルカプタン0.05部、及び重合開始剤として過硫酸カリウム0.3部を入れ、十分に撹拌した後、70℃に加温して重合し、重合体粒子水分散液を得た。固形分濃度から求めた重合転化率はほぼ99%であった。この重合体粒子水分散液100部にNMP320部を加え、減圧下に水を蒸発させて、共重合体(以下、「重合体E」という。)NMP溶液を得た。重合体Eの溶液の濃度は8質量%であった。また、この重合体のガラス転移温度は30℃であった。共重合体中の(メタ)アクリロニトリル単量体単位の含有割合は40%、熱架橋性の架橋基の含有割合は熱架橋性の架橋性基を含有する単量体(グリシジルメタクリレート)の割合で1.0%、親水性基の含有割合は0%であった。
結着剤として重合体Aのかわりに重合体Eを用いた他は、実施例1と同様に多孔膜用スラリー、多孔膜付電極及び電池を作製した。そして、作製した多孔膜用スラリーにおける沈降性、多孔膜付電極の柔軟性、並びに電池のレート特性及び高温サイクル特性を評価した。結果を表1に示す。
(実施例6)
非導電性粒子として酸化チタンの代わりに酸化亜鉛(平均粒径0.3μm、誘電率36)を用いた他は、実施例2と同様に多孔膜用スラリー、多孔膜付電極及び電池を作製した。そして、作製した多孔膜用スラリーにおける沈降性、多孔膜付電極の柔軟性、並びに電池のレート特性及び高温サイクル特性を評価した。結果を表1に示す。
(実施例7)
非導電性粒子として酸化チタンの代わりに酸化ジルコニウム(平均粒径0.3μm、誘電率27)を用いた他は、実施例2と同様に多孔膜用スラリー、多孔膜付電極及び電池を作製した。そして、作製した多孔膜用スラリーにおける沈降性、多孔膜付電極の柔軟性、並びに電池のレート特性及び高温サイクル特性を評価した。結果を表1に示す。
(実施例8)
非導電性粒子として酸化チタンの代わりに酸化マグネシウム(平均粒径0.3μm、誘電率10)を用いた他は、実施例2と同様に多孔膜用スラリー、多孔膜付電極及び電池を作製した。そして、作製した多孔膜用スラリーにおける沈降性、多孔膜付電極の柔軟性、並びに電池のレート特性及び高温サイクル特性を評価した。結果を表1に示す。
(比較例1〜3)
結着剤として重合体Aのかわりに表1記載のポリマーを用いた他は、実施例1と同様に多孔膜用スラリー、多孔膜付電極及び電池を作製した。そして、作製した多孔膜用スラリーにおける沈降性、多孔膜付電極の柔軟性、並びに電池のレート特性及び高温サイクル特性を評価した。結果を表1に示す。
なお、表1中の「PBA」はポリブチルアクリレート、「PVDF」はポリフッ化ビニリデン、「PAN」はポリアクリロニトリルを表す。
(比較例4)
撹拌機付きのオートクレーブに、イオン交換水300部、アクリル酸n−ブチル30部、アクリロニトリル70部、分子量調整剤としてt−ドデシルメルカプタン0.05部、及び重合開始剤として過硫酸カリウム0.3部を入れ、十分に撹拌した後、70℃に加温して重合し、重合体粒子水分散液を得た。固形分濃度から求めた重合転化率はほぼ99%であった。この重合体粒子水分散液100部にNMP320部を加え、減圧下に水を蒸発させて、共重合体(以下、「重合体F」という。)NMP溶液を得た。重合体Fの溶液の濃度は8質量%であった。また、この重合体のガラス転移温度は100℃であった。共重合体中の(メタ)アクリロニトリル単量体単位の含有割合は70%、熱架橋性の架橋基の含有割合は熱架橋性の架橋性基を含有する単量体(グリシジルメタクリレート)の割合で0%、親水性基の含有割合は0%であった。
結着剤として重合体Aのかわりに重合体Fを用いた他は、実施例1と同様に多孔膜用スラリー、多孔膜付電極及び電池を作製した。そして、作製した多孔膜用スラリーにおける沈降性、多孔膜付電極の柔軟性、並びに電池のレート特性及び高温サイクル特性を評価した。結果を表1に示す。
(比較例5)
非導電性粒子を酸化チタンの代わりに酸化アルミニウム(平均粒径0.3μm、誘電率9)を用いた他は、実施例2と同様に多孔膜用スラリー、多孔膜付電極及び電池を作製した。そして、作製した多孔膜用スラリーにおける沈降性、多孔膜付電極の柔軟性、並びに電池のレート特性及び高温サイクル特性を評価した。結果を表1に示す。
Figure 0005569515
表1の結果より、多孔膜に用いる非導電性粒子として誘電率が10以上のものを用い、結着剤として(メタ)アクリロニトリル単量体単位及び(メタ)アクリル酸エステル単量体単位を含み、(メタ)アクリロニトリル単量体単位の含有割合が所定の範囲内である共重合体を用いると、多孔膜付電極の柔軟性が向上しスラリーの沈降も見られない。実施例の中でも更に架橋性基及び親水性基を含有する実施例1では柔軟性、沈降性、高温寿命特性及びレート特性が最も優れる。

Claims (11)

  1. 集電体上に、電極活物質層と、誘電率が10以上の非導電性粒子及び結着剤を含む多孔膜とがこの順に積層されてなり、
    前記結着剤が、(メタ)アクリロニトリル単量体単位及び(メタ)アクリル酸エステル単量体単位を含み、かつ、前記(メタ)アクリロニトリル単量体単位の含有割合が50質量%未満であり、エポキシ基、N−メチロールアミド基、及びオキサゾリン基からなる群から選ばれる少なくとも1種の熱架橋性の架橋性基を含み、カルボン酸基、水酸基及びスルホン酸基からなる群から選ばれる親水性基を少なくとも1種含む、共重合体を含んでなるリチウムイオン二次電池用電極。
  2. 前記共重合体中の(メタ)アクリロニトリル単量体単位と(メタ)アクリル酸エステル単量体単位との比率((メタ)アクリロニトリル単量体単位/(メタ)アクリル酸エステル単量体単位)が質量比で5/95〜50/50である請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用電極。
  3. 前記共重合体中の熱架橋性の架橋性基の含有割合は、重合時の熱架橋性の架橋性基を含有する単量体量として、単量体全量100質量%に対して、0.1〜10質量%である請求項1または2に記載のリチウムイオン二次電池電極。
  4. 前記共重合体中の親水基の含有割合は、重合時の親水基を含有する単量体量として、単量体全量100質量%に対して、0.1〜40質量%である請求項1〜3のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池電極。
  5. 前記結着剤に含まれる共重合体のガラス転移温度が15℃以下である請求項1〜4のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池用電極。
  6. 誘電率が10以上の非導電性粒子、結着剤及び溶媒を含み、
    前記結着剤が、(メタ)アクリロニトリル単量体単位及び(メタ)アクリル酸エステル単量体単位を含み、かつ、前記(メタ)アクリロニトリル単量体単位の含有割合が50質量%未満であり、エポキシ基、N−メチロールアミド基、及びオキサゾリン基からなる群から選ばれる少なくとも1種の熱架橋性の架橋性基を含み、カルボン酸基、水酸基及びスルホン酸基からなる群から選ばれる親水性基を少なくとも1種含む、共重合体を含んでなる、リチウムイオン二次電池用電極の多孔膜形成用スラリー。
  7. 前記共重合体中の(メタ)アクリロニトリル単量体単位と(メタ)アクリル酸エステル単量体単位との比率((メタ)アクリロニトリル単量体単位/(メタ)アクリル酸エステル単量体単位)が質量比で5/95〜50/50である請求項6に記載の多孔膜形成用スラリー。
  8. 前記共重合体中の熱架橋性の架橋性基の含有割合は、重合時の熱架橋性の架橋性基を含有する単量体量として、単量体全量100質量%に対して、0.1〜10質量%である請求項6または7に記載の多孔膜形成用スラリー。
  9. 前記共重合体中の親水基の含有割合は、重合時の親水基を含有する単量体量として、単量体全量100質量%に対して、0.1〜40質量%である請求項6〜8のいずれかに記載の多孔膜形成用スラリー。
  10. 請求項6〜9のいずれかに記載の多孔膜形成用スラリーを電極活物質層上に塗布し、次いで乾燥することを特徴とするリチウムイオン二次電池用電極の製造方法。
  11. 正極、負極及び電解液を備えてなるリチウムイオン二次電池であって、正極及び負極の少なくとも一方が、請求項1に記載の電極である、リチウムイオン二次電池。

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