JPH1180336A - ブロック共重合ポリエステル及びその製造方法 - Google Patents
ブロック共重合ポリエステル及びその製造方法Info
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- JPH1180336A JPH1180336A JP24850697A JP24850697A JPH1180336A JP H1180336 A JPH1180336 A JP H1180336A JP 24850697 A JP24850697 A JP 24850697A JP 24850697 A JP24850697 A JP 24850697A JP H1180336 A JPH1180336 A JP H1180336A
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Abstract
労性等に優れているブロック共重合ポリエステルの耐熱
性を損なうことなく、耐加水分解性と耐寒性とが向上し
たブロック共重合ポリエステルを提供すること。 【解決手段】 ソフトセグメントとハードセグメントと
が重量比で(80:20)〜(20:80)の範囲で共
重合されたブロック共重合ポリエステルであって、ソフ
トセグメントを構成するポリエステル部分に、ダイマー
酸及び/又はダイマージオールを、該ポリエステル部分
の全酸成分を基準として5〜30モル%共重合する。
Description
エステルに関し、更に、詳しくは、耐加水分解性と耐寒
性とが同時に改善されたブロック共重合ポリエステル及
びその製造方法に関する。
とし脂肪族ポリエーテルをソフトセグメントとするブロ
ック共重合ポリエステルは、その耐寒性、耐屈曲疲労
性、弾性回復性能、機械強度および熱可塑性樹脂と同様
の成形が可能であることなどからエンジニアリングプラ
スチックとして種々の用途に使用されている。
らなるブロック共重合ポリエステルは上記のような優れ
た特性を有するものの、エーテル結合に由来する耐熱性
の点では必ずしも十分とは言えないのが実状である。
ステルとして特開平4−33919号公報にて、ソフト
セグメントの組成がイソフタル酸及び/又はフタル酸を
主たる酸成分とし、炭素数6〜12の脂肪族α,ω−ジ
オールを主たるグリコール成分とするブロック共重合ポ
リエステルが提案されている。
ステルはベンゼン環を含む芳香族ジカルボン酸をソフト
セグメントを構成するポリエステルの繰り返し単位とし
ているためにガラス転移温度が高く、低温領域での物性
の点では十分とは言えなかった。
特開平5−32770号公報において、ソフトセグメン
トの酸成分に炭素数6〜12の脂肪族ジカルボン酸が共
重合されたブロック共重合ポリエステルが提案されてい
る。また、特開平8−269176号公報においてソフ
トセグメントの成分として分岐メチル基を含む脂肪族ジ
カルボン酸からなるブロック共重合ポリエステルが提案
されている。これらの脂肪族ジカルボン酸成分をソフト
セグメントに共重合したブロック共重合ポリエステル
は、低温領域における物性の低下は改善されるが、耐加
水分解性あるいは耐熱性の点では必ずしも満足できるも
のとは言えず、十分な耐熱性と低温領域における十分な
機械物性とを兼備したブロック共重合ポリエステルは未
だ提案されていなかった。
従来技術が有していた問題点を解決し、弾性回復性能、
機械強度、耐油性、耐屈曲疲労性等に優れているブロッ
ク共重合ポリエステルの耐熱性を損なうことなく、耐加
水分解性と耐寒性とが向上したブロック共重合ポリエス
テルを提供することにある。更に、本発明の他の目的
は、上述のブロック共重合ポリエステルの製造方法を提
供することにある。
技術が有していた問題点に鑑み、特に、ブロック共重合
ポリエステルへの共重合成分について鋭意検討した結
果、ソフトセグメントを構成するポリエステルにダイマ
ー酸及び/又はダイマージオールを共重合させたとき、
上記の効果が奏されることを見出し、本発明を完成する
に至った。
満足する非晶性ポリエステル部分(A)よりなるソフト
セグメントと、ブチレンテレフタレート単位を主たる繰
り返し単位とする結晶性ポリエステル部分(B)よりな
るハードセグメントとが重量比で(80:20)〜(2
0:80)の範囲で共重合されたブロック共重合ポリエ
ステルであって、該非晶性ポリエステル部分(A)は、
ダイマー酸及び/又はダイマージオールを、該ポリエス
テル部分(A)の全酸成分を基準として5〜30モル%
共重合していることを特徴とする、ブロック共重合ポリ
エステルにより達成することができる。
の全酸成分を基準として70モル%以上含むこと。 (A−2)オキシエチレン単位2〜5個からなるポリオ
キシエチレングリコール成分を、ポリエステル部分
(A)の全ジオール成分を基準として70モル%以上を
含むこと。
満足するポリエステル(A’)と、ブチレンテレフタレ
ート単位を主たる繰り返し単位とする結晶性ポリエステ
ル(B’)とを重量比で(80:20)〜(20:8
0)の範囲内で溶融混練し、得られるブロック共重合ポ
リエステルの融点が、該ポリエステル(B’)の融点よ
りも2〜40℃低くなった時点でエステル交換反応を終
了することを特徴とする、ブロック共重合ポリエステル
の製造方法により達成される。
の全酸成分を基準として70モル%以上含むこと。 (A’−2)はオキシエチレン単位2〜5個からなるポ
リオキシエチレングリコール成分を、ポリエステル
(A’)の全ジオール成分を基準として70モル%以上
を含むこと。 (A’−3)ダイマー酸及び/又はダイマージオール
を、該ポリエステル(A’)の全酸成分を基準として5
〜30モル%共重合していること。
テルを構成する成分の一つであるソフトセグメントを構
成するポリエステル部分(A)は、酸成分としてテレフ
タル酸成分をポリエステル部分(A)の全酸成分を基準
として70モル%以上含まれており、一方、ジオール成
分として、オキシエチレン単位2〜5個からなるオキシ
エチレングリコール成分がポリエステル(A’)の全ジ
オール成分を基準として70モル%以上含まれてなる
が、本発明においては、更に、ダイマー酸及び/又はダ
イマージオールが、ポリエステル部分(A)を構成する
全酸成分を基準として5〜30モル%の範囲で共重合し
ていることが必要である。
の共重合割合が、ポリエステル(A’)を構成する全酸
成分を基準として5モル%より少ない場合には、得られ
るポリエステルブロック共重合ポリエステルの低温領域
での表面硬化が顕著になり、耐加水分解性向上効果も得
られない。一方、該共重合割合が30モル%を越えると
弾性回復性能が低下する。
は、炭素数15〜21の不飽和脂肪酸を二量化し、次い
で還元することによって得ることができ、該ダイマー酸
及び/又はダイマージオールとして、具体的には、式
(I)で示されるダイマー酸及び/又はダイマージオー
ルを主たる成分とし、その生成の際に副生する下記式
(II)で示される酸成分及び/又はジオール成分も、ダ
イマー酸及び/又はダイマージオールとして含んでよ
い。ここで、「主たる」とは、該成分が、全成分を基準
として60モル%以上を占めていることをいう。
おいてジオール成分はオキシエチレン単位2〜5個から
なるポリオキシエチレングリコール成分を、ポリエステ
ル部分(A)の全ジオール成分を基準として、70モル
%以上含むことが必要である。
位が2個未満であると、得られるブロック共重合ポリエ
ステルの弾性回復性能が低下し、一方、5個を越えると
耐熱性が不十分となるばかりではなく、耐水性が低下す
る。
てテレフタル酸以外の芳香族ジカルボン酸成分、脂肪族
ジカルボン酸成分、ダイマー酸以外の脂環式ジカルボン
酸成分が5モル%未満の範囲で共重合されていてもよ
く、具体的には、イソフタル酸成分、フタル酸成分、ナ
フタレンジカルボン酸成分、炭素数4〜12の直鎖脂肪
族ジカルボン酸成分、シクロヘキサンジカルボン酸成分
等を挙げることができる。
%未満の範囲で前述以外のジオール成分が共重合されて
いてもよく、具体的には、炭素数6〜12以外の脂肪族
グリコール成分、ポリオキシアルキレングリコール成分
等を挙げることができる。
を構成する成分から形成されるポリエステル(A’)の
融点は、得られるブロック共重合ポリエステルの弾性性
能の点から100℃以下であることが好ましく、特に、
50℃以下であることが好ましく、更に非晶性であるこ
とが必要である。
成するもう一方のハードセグメントは、ブチレンテレフ
タレート単位を主たる繰り返し単位とするポリエステル
部分(B)であることが必要である。
が、ポリエステル部分(B)の全繰り返し単位を基準と
して、少なくとも60モル%、好ましくは70%以上を
占めていることをいう。
酸成分以外の芳香族ジカルボン酸成分、ナフタレンジカ
ルボン酸成分、炭素数4〜12の脂肪族グリコール成
分、シクロヘキサンジメタノール等の脂環式グリコール
成分等が共重合されていてもよいが、該共重合成分の割
合が少ないほどポリエステルブロック共重合体の融点が
高くなること、ブチレンテレフタレート単位が60モル
%未満であると結晶性が低下すること等から、該テトラ
メチレンテレフタレート単位が60モル%以上を占めて
いることが必要である。
成するソフトセグメントとハードセグメントとの共重合
割合は重量比で(20:80)〜(80:20)の範囲
内にある必要がある。該共重合割合が上記範囲外にある
と弾性回復性能が低下して好ましくない。
10℃におけるD硬度が20〜60の範囲にあることが
好ましい。ここで、D硬度とは、JIS−K7215に
記載の方法で測定される表面硬度であって、上記の範囲
内にあると、柔軟すぎず、適度な強度を有し、低温下で
の使用時に硬くなりすぎないので好ましい。
ス転移温度が−40〜0℃の範囲にあることが好まし
い。該ガラス転移温度が上記の範囲内にあると、低温特
性が向上し、該ブロック共重合ポリエステルの製造時の
ペレット化が安易となり、更に、温度変化による物性の
変化が小さくなる。
テルは、120℃沸水中で12時間処理した後の固有粘
度の保持率が70%以上であることが好ましい。該保持
率が70%以上であると、湿熱条件下での物性低下が小
さい。
必要に応じて分岐剤、カチオン可染性を付与するための
スルホン酸塩化合物、難燃性を付与するためのリン化合
物、その他共重合成分が共重合されていてもよく、ま
た、顔料、染料、充填剤、難燃剤、安定剤、抗酸化剤、
光安定剤、鎖延長剤等が含有されていてもよい。
例えば、下記に示すような方法によって製造することが
できる。
造する際は、ポリエステル部分(A)を構成する成分か
ら形成されるポリエステル(A’)とポリエステル部分
(B)を構成する成分から形成されるポリエステル
(B’)とを、230℃〜260℃の温度条件下、1m
mHg以下の高真空下で溶融混練し、ポリエステル
(B’)の融点よりも2℃〜40℃低くなった時点でエ
ステル交換反応を終了させることが好ましい。
と、ポリエステル(B’)が溶融し易いと共にエステル
交換反応の停止も容易に行うことが出来る。
で行うとエステル交換反応速度が早くなるため好まし
い。
の、ポリエステル(B’)の融点を基準とする温度低下
が2〜40℃の範囲にあると、エステル交換反応が十分
進行し、得られる反応混合物は弾性体として十分な弾性
回復性能を示し、ポリエステル部分(B)の分子鎖長も
短くなりすぎないので、結晶性が低下することもない。
いては減圧下で溶融混練できる反応槽や反応押し出し機
で行えば特に問題はないが、二軸のベント付き押し出し
機を用いるのが好ましい。
造方法においては、ポリエステル(A’)とポリエステ
ル(B’)とのエステル交換反応を制御するため、該エ
ステル交換反応触媒としては、チタン化合物、スズ化合
物、亜鉛化合物、マンガン化合物等を用い、リン酸、亜
リン酸、ホスフォン酸、ホスフィン酸、及びこれらの誘
導体を触媒失活剤を添加することが好ましい。該触媒失
活剤は触媒としてのチタン化合物、スズ化合物、亜鉛化
合物、マンガン化合物などの金属に対して当モル以上添
加することが好ましい。添加量が当モル未満の場合、触
媒失活の効果が小さく、得られるブロック共重合ポリエ
ステルの融点はエステル交換反応槽からの吐出時や、再
溶融成形時に重合度が大きく低下するため好ましくな
い。
するが、本発明はこれにより何等限定を受けるものでは
ない。尚、実施例中の各種特性は下記の通り測定した。 固有粘度:オルトクロロフェノール中35℃で測定した
溶液粘度から求めた。 融点:示差走査熱量計(TAインスツルメント社製DS
C2920型)を用いて20℃/分で昇温測定し、結晶
の融解に相当する吸熱ピークの頂点から求めた。 ガラス転移温度:示差走査熱量計を用いてブロック共重
合ポリエステルを一度溶融後、急冷し10℃/分で昇温
測定して求めた。 表面硬度:JIS−K7215記載の方法に準拠して測
定した。
部、ダイマー酸26.5重量部、トリエチレングリコー
ル25.6重量部をチタンテトラブトキサイド0.04
重量部を触媒として用いてエステル交換反応を行い、引
き続いて265℃、1mmHg以下高真空下で重縮合反
応を行って、ソフトセグメント用のポリエステル
(A’)を製造した。このポリエステル70.0重量部
と別途重縮合して得られたポリエステル(B’)として
のポリブチレンテレフタレート30.0重量部とを溶融
混練し、250℃、1mmHg以下の高真空下でエステ
ル交換反応を行った後、触媒のモル数を基準として1.
5倍モルのフェニルホスフォン酸を失活剤として添加
し、ブロック共重合ポリエステルを得た。得られたブロ
ック共重合ポリエステルの固有粘度は0.85、融点は
187℃、ガラス転移温度は−23℃であった。−10
℃でのD硬度は43、120℃で12時間処理した後の
固有粘度は0.72であり、固有粘度保持率は85%で
あった。
酸から代えてダイマージオールを20モル%共重合する
こと以外は同様の操作を行ってブロック共重合ポリエス
テルを得た。得られたブロック共重合ポリエステルの物
性を表1に示す。
ジオールの共重合量を10モル%に変更すること以外は
同様の操作を行ってブロック共重合ポリエステルを得
た。得られたブロック共重合ポリエステルの物性を表1
に示す。
酸及び/又はダイマージオールを共重合しないこと以外
は同様の操作を行って、ブロック共重合ポリエステルを
得た。得られたブロック共重合体の物性を表1に示す。
表1からも明らかな通りダイマー酸及び/又はダイマー
ジオールが共重合されていない場合、得られるブロック
共重合ポリエステルのガラス転移温度は高く、低温にお
いて高硬度のブロック共重合ポリエステルとなるばかり
でなく、沸水処理における重合度の低下も大きく、耐加
水分解性に劣るものとなる。
ジオールを共重合すること無く、平均分子量1000の
ポリオキシテトラメチレングリコール10モル%を共重
合すること以外は実施例1と同様の操作を行ってブロッ
ク共重合ポリエステルを得た。得られたブロック共重合
ポリエステルの物性を表1に示す。表1からも明らかな
通り、得られるブロック共重合ポリエステルはポリテト
ラメチレングリコールの共重合によりガラス転移温度が
低下し、低温における表面硬化については改善されてい
るものの、沸水処理における重合度低下が大きく、耐加
水分解性に劣るものとなる。
機械強度、耐油性、耐屈曲疲労性に優れるブロック共重
合ポリエステルの耐加水分解性、耐寒性を同時に改善で
きる。
Claims (5)
- 【請求項1】 下記要件を満足する非晶性ポリエステル
部分(A)よりなるソフトセグメントと、ブチレンテレ
フタレート単位を主たる繰り返し単位とする結晶性ポリ
エステル部分(B)よりなるハードセグメントとが重量
比で(80:20)〜(20:80)の範囲で共重合さ
れたブロック共重合ポリエステルであって、 該非晶性ポリエステル部分(A)は、ダイマー酸及び/
又はダイマージオールを、該ポリエステル部分(A)の
全酸成分を基準として5〜30モル%共重合しているこ
とを特徴とする、ブロック共重合ポリエステル。 ポリエステル部分(A)の要件: (A−1)テレフタル酸成分をポリエステル部分(A)
の全酸成分を基準として70モル%以上含むこと。 (A−2)オキシエチレン単位2〜5個からなるポリオ
キシエチレングリコール成分を、ポリエステル部分
(A)の全ジオール成分を基準として70モル%以上を
含むこと。 - 【請求項2】 −10℃におけるD硬度が20〜60の
範囲にある、請求項1記載のブロック共重合ポリエステ
ル。 - 【請求項3】 ガラス転移温度が−40〜0℃の範囲に
ある、請求項1記載のブロック共重合ポリエステル。 - 【請求項4】 120℃沸水中で12時間処理した後の
固有粘度の保持率が70%以上である、請求項1記載の
ブロック共重合ポリエステル。 - 【請求項5】 下記要件を満足するポリエステル
(A’)と、ブチレンテレフタレート単位を主たる繰り
返し単位とする結晶性ポリエステル(B’)とを重量比
で(80:20)〜(20:80)の範囲内で溶融混練
し、得られるブロック共重合ポリエステルの融点が、該
ポリエステル(B’)の融点よりも2〜40℃低くなっ
た時点でエステル交換反応を終了することを特徴とす
る、ブロック共重合ポリエステルの製造方法。 ポリエステル(A’)の要件: (A’−1)テレフタル酸成分をポリエステル(A’)
の全酸成分を基準として70モル%以上含むこと。 (A’−2)はオキシエチレン単位2〜5個からなるポ
リオキシエチレングリコール成分を、ポリエステル
(A’)の全ジオール成分を基準として70モル%以上
を含むこと。 (A’−3)ダイマー酸及び/又はダイマージオール
を、該ポリエステル(A’)の全酸成分を基準として5
〜30モル%共重合していること。
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JP24850697A JP3749601B2 (ja) | 1997-09-12 | 1997-09-12 | ブロック共重合ポリエステル及びその製造方法 |
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