JPH1180066A - イソブチルアルデヒドの製造法 - Google Patents

イソブチルアルデヒドの製造法

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JPH1180066A
JPH1180066A JP9242717A JP24271797A JPH1180066A JP H1180066 A JPH1180066 A JP H1180066A JP 9242717 A JP9242717 A JP 9242717A JP 24271797 A JP24271797 A JP 24271797A JP H1180066 A JPH1180066 A JP H1180066A
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catalyst
metal complex
reaction
propylene
preparation example
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JP9242717A
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Toshio Hidaka
敏雄 日高
Hiroaki Kudo
博章 工藤
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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Mitsubishi Gas Chemical Co Inc
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 触媒の回収が容易で、直鎖アルデヒドに対す
る分岐鎖アルデヒドの割合に富むイソブチルアルデヒド
の製造法を提供する。 【解決手段】 ピリジン環を繰り返し構成単位として含
むポリマーに固定化した金属錯体触媒を用いて、プロピ
レンのヒドロホルミル化反応を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はイソブチルアルデヒ
ドの製造法に関する。より詳しくは、プロピレンと一酸
化炭素、水素のヒドロホルミル化反応に於いて、直鎖ア
ルデヒドに対する分岐鎖アルデヒドの割合に富むイソブ
チルアルデヒドの製造法に関する。イソブチルアルデヒ
ドは、例えば、ネオペンチルグリコール、イソブタノー
ル等の塗料、溶剤や可塑剤用途向けの化学原料として重
要である。
【0002】
【従来の技術】イソブチルアルデヒドはプロピレンと一
酸化炭素、水素とのヒドロホルミル化反応、所謂、オキ
ソ法の副生成物として工業的に生産されている。トリフ
ェニルホスフィン等の配位子を持つ金属錯体を用いる典
型的な低圧オキソ法では、主生成物は直鎖のn−ブチル
アルデヒドであり、分岐構造のイソブチルアルデヒドの
生成割合は僅かである。従来は、直鎖と分岐アルデヒド
の生成割合を制御する為に、例えば特開平8−9214
6号公報に見られる様にパージガスの制御によって直鎖
/分岐鎖の割合を変えたり、或いは特開平6−2620
86号公報やUSP 4777175号公報等の様に特
定の配位子を用いる方法が提案されている。しかし、上
記の方法では分岐アルデヒド、即ち、イソブチルアルデ
ヒドの生成割合は不充分な場合が多く、しかも触媒回収
の為に大規模な装置が必要となり、小規模でイソブチル
アルデヒドを経済的に生産する事は、従来の技術では困
難であった。
【0003】またヒドロホルミル化反応触媒の回収が容
易になれば、工程の簡略化、機器の小型化や建設費の低
減等が期待されるので、従来から高分子担体にロジウム
等の金属錯体を固定化する試みが種々なされている。し
かし、生成する直鎖/分岐アルデヒドの割合は1から
1.5程度である場合が多く、金属錯体触媒を固定化し
ても直鎖、又は分岐アルデヒドの何れかを上記割合より
有利に製造する事は困難であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者等は上記のオ
キソ法の課題、即ち、触媒を容易に回収し分岐アルデヒ
ドの生成割合を増やし、低コストでアルデヒド類を製造
する方法について鋭意検討を重ねた。その結果、特定の
金属錯体を、ピリジン環を繰り返し構成単位とする高分
子担体に固定化した触媒が該反応における上記の課題を
解決し得る事を知り本発明に到達した。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明はプロピレ
ンのヒドロホルミル化反応に於いて、ピリジン環を繰り
返し構成単位として含むポリマーに固定化した金属錯体
触媒を用いる事を特徴とするイソブチルアルデヒドの製
造法であり、更に詳しくは該金属錯体がコバルト、ロジ
ウム、イリジウム等の9族金属からなり、かつ配位子と
して酢酸、トリフルオロ酢酸、アセチルアセトネート、
トリフェニルホスフィン、ヘキサメチル亜燐酸トリフェ
ニル、モルホリンの中、一種類以上を含むものであるポ
リマー固定化触媒を用いるものであり、該ポリマーがビ
ニルピリジン、或いはアミノピリジンを構成単位として
含有してなるものであるイソブチルアルデヒドの製造法
である。
【0006】本発明のポリマー固定化金属錯体触媒と
は、9族金属(Co、Rh、Ir)原子に特定の配位子
が結合した錯体を、ピリジン環を繰り返し構成単位とす
る高分子化合物に担持させたものである。該金属錯体と
してコバルト、ロジウム、又はイリジウム原子に配位子
として酢酸、トリフルオロ酢酸、モルフォリン、ヘキサ
メチル亜燐酸トリフェニル、アセチルアセトネートトリ
フェニルホスフィン等にカルボニル基が配位した構造の
ものが好ましい。この様な金属錯体は、例えば、酢酸ロ
ジウム2量体、トリフルオロ酢酸ロジウム2量体、ヒド
リドカルボニルトリストリフェニルホスフィンロジウ
ム、クロロ−カルボニルトリストリフェニルホスフィン
ロジウム、クロロカルボニルビストリフェニルホスフィ
ンロジウム、ロジウムアセチルアセトナート、ロジウム
ビス−カルボニルアセチルアセトナート等であり、また
同様の構造を有するコバルト、イリジウム錯体等であ
る。更にはこれらをヘキサメチル亜燐酸トリフェニル
(HMPT)、モルフォリン、イミダゾール等の化合物
と配位子交換反応を行って所望の配位子からなる金属錯
体としたもの等である。
【0007】これ等の金属錯体を担持し得る高分子化合
物は、ポリスチレン、ポリスチレン−ジビニルベンゼン
共重合体等種々知られているが反応の選択性、耐熱性や
金属の溶出等の点から特にピリジン環を繰り返し構成単
位とするポリマーが好ましい。具体的には2−ビニルピ
リジンや4−ビニルピリジンポリマー、或いはこれらの
メチル化4級塩のポリマーや4−アミノピリジン分岐ポ
リスチレン等がある。この様なピリジン環を繰り返し構
成単位とするポリマーは広栄化学やレイリー社の製品と
して市販されている。例えば、レイリー社の REILLEX 4
02、425 、HPQ、PLYDMAP 、或いは広栄化学社のKEX 212
、316 等が入手可能である。
【0008】この様なポリマーに、前述の金属錯体を担
持するには該錯体を適当な溶剤を用い、例えばトルエン
やエタノール、アセトニトリル等に溶解、若しくは分散
させた後、該樹脂と混合し一酸化炭素を充填して加熱す
る方法が簡便である。上記の方法で該樹脂に含まれるコ
バルト、ロジウム、イリジウム等の金属の担持量は主と
して最適な反応速度と触媒費用を考慮して決められ特に
制限はないが、通常0.1重量%以上、好ましくは0.
5から20重量%の範囲である。反応は気相、又は液相
に於いて回分反応、半回分反応、或いは流通反応のいず
れで行っても良いが特に液相流通反応が生産性の点で好
ましい。反応温度は、通常60から190℃が好まし
く、特に100から160℃の範囲が好ましい。反応は
液相状態を保つ為に加圧下で反応を行う事が好ましいが
常圧から20MPaが好ましく、特に1から6MPaが
好ましい。使用する一酸化炭素と水素ガスの混合割合は
任意であるが、モル比で0.1から10が好ましく、
0.3から3の範囲が特に好ましい。
【0009】反応溶媒は用いずに反応を行う事も出来る
が生成物を溶解し、かつオキソ反応に不活性なものを使
用する事が好ましく、例えば、ベンゼン、トルエン、キ
シレンヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の炭化水
素類、テトラヒドロフラン、ジフェニルエーテル、アニ
ソール等のエーテル類、アセトン、エチルメチルケトン
アセトフェノン等のケトン類、安息香酸メチル、酪酸メ
チル、イソ酪酸メチル、ペンテン酸メチル、2,2,4
−トリメチル−1,3−ペンタンジオールジイソブチレ
ート(TPIB)等のエステル類、或いはアセトニトリ
ルの様なニトリル類等が挙げられる。
【0010】本反応の典型的な実施例では、一酸化炭素
と水素ガス、及びプロピレンを溶剤の共存下に固定化触
媒に接触させた後、生成物は直ちに触媒と分離され、次
の蒸留工程を経て最終製品が得られる。
【0011】
【実施例】次に本発明を、実施例、及び比較例をもって
詳細に説明する。 触媒調製例1 ポリマー担体として4−ビニルピリジン樹脂(REILLEX
425 、レイリー社製品)2g、トリフルオロ酢酸ロジウ
ム2量体0.4gを20gのエタノールに溶解し内容積
100mlの振盪式オートクレーブに仕込んだ。窒素パ
ージ後、一酸化炭素置換を行い、圧力2MPaに充填し
た。次いで、120℃で2時間保持し触媒の固定化を行
った。冷却、落圧後に濾過、エタノール洗浄し、触媒1
を得た(2.33g)。ICP分析によればRh担持率
は3重量%であった。
【0012】触媒調製例2 ポリマー担体として4−ビニルピリジン樹脂であるREIL
LEX 425、金属錯体としてヒドリドカルボニルトリストリ
フェニルホスフィンロジウムを用いた以外は触媒調製例
1と同様にして触媒2を得た。
【0013】触媒調製例3 ポリマー担体として4−ビニルピリジンメチル化4級塩
樹脂であるREILLEX HPQ 、 金属錯体としてトリフルオロ
酢酸ロジウム2量体を用いた以外は触媒調製例1と同様
にして、触媒3を得た。
【0014】触媒調製例4 ポリマー担体として4−ビニルピリジンメチル化4級塩
樹脂であるREILLEX HPQ 、 金属錯体としてロジウムカル
ボニルアセチルアセトナートを用いた以外は触媒調製例
1と同様にして、触媒4を得た。
【0015】触媒調製例5 触媒調製例4で得た触媒4に対して、ヘキサメチル亜燐
酸トリフェニル( HMPT )をロジウムに対して50倍モ
ル加えて一酸化炭素充填圧、2MPaの下、120℃で
2時間配位子交換反応を行い触媒5を得た。
【0016】触媒調製例6 配位子としてモルホリンを用いた以外は触媒調製例5と
同様にして触媒6を得た。
【0017】触媒調製例7 配位子としてトリフェニルホスフィンを用いた以外は触
媒調製例5と同様にして触媒7を得た。
【0018】触媒調製例8 ポリマー担体として4- アミノピリジン分岐ポリスチレ
ンであるREILLEX PLYDMAP 、金属錯体としてロジウム酢
酸2量体を用いた以外は触媒調製例1と同様にして触媒
8を得た。
【0019】触媒調製例9 ポリマー担体として4−ビニルピリジンメチル化4級塩
樹脂であるREILLEX HPQ 、 金属錯体として、ヒドリドカ
ルボニルトリストリフェニルホスフィンイリジウムを用
いた以外は触媒調製例1と同様にして触媒9を得た。
【0020】実施例1 内容積100mlの振盪式オートクレーブに、触媒1を
0.05g、トルエン25ml、プロピレン4gを仕込
んだ。窒素置換、一酸化炭素置換を行った後、一酸化炭
素置換と水素の1:1混合ガスを充填し4MPaとし
た。120℃で6時間、反応を行い、冷却後に濾取した
反応液をガスクロマトグラフによって分析した。プロピ
レン転化率は99.8%、アルデヒド選択率は99.5
%であった。分岐/直鎖アルデヒド比は1.5であっ
た。
【0021】実施例2 溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を用いた以外
は、実施例1に準じた。
【0022】実施例3 触媒2を用いた以外は実施例1に準じて行った。
【0023】実施例4 触媒3を用いた以外は実施例1に準じて行った。
【0024】実施例5 触媒4を用いた以外は実施例1に準じて行った。
【0025】実施例6 触媒4を用い、溶媒として2,2,4−トリメチル−
1,3−ペンタンジオールジイソブチレート(TPI
B)を用いた以外は実施例1に準じて行った。
【0026】実施例7 触媒5を用いた以外は実施例1に準じて行った。
【0027】実施例8 触媒6を用いた以外は実施例1に準じて行った。
【0028】実施例9 触媒7を用いた以外は実施例1に準じて行った。
【0029】実施例10 触媒8を用いた以外は実施例1に準じて行った。
【0030】実施例11 触媒9を用いた以外は実施例1に準じて行った。
【0031】実施例12 触媒9を2g、加圧流通反応管(内径15φ、長さ21
cm)に充填し、温度を120℃に保持した。原料のプ
ロピレンを毎時2.1g、トルエンを毎時20g、一酸
化炭素と水素の1対1混合ガスを空間速度、毎時20,
000で供給し系の圧力を3MPaに保った。定常状態
に達した後、1時間に渡ってサンプルを採取した。プロ
ピレン転化率は約70%、分岐/直鎖アルデヒド比は
3.2であった。
【0032】比較例1 デグサ社のマクロポーラス型ポリシロキサンにロジウム
錯体を固定化した触媒(品番Deloxane HKI)を0.07
5g、溶媒トルエン 25g、プロピレン 4.2gを
用い、実施例1に準じて反応を行った。
【0033】比較例2 触媒10を0.05g用い、110℃で1時間反応させ
た以外は比較例1と同様に行った。
【0034】比較例3 触媒10を0.05g用い、配位子としてヘキサメチル
亜燐酸トリメチル(HMPT)0.07gを用いた以外は比較
例3と同様に行った。以上の触媒調製例を表1に、又実
施例と比較例に於けるオキソ反応生成物であるアルデヒ
ドの分岐/直鎖比等を表2に纏めて記載した。
【0035】
【表1】 表1 調製した触媒一覧 担体樹脂 金属錯体 担持率 触媒調製例1 REILLEX 425 [Rh(CF3COO)2]2 3 wt% 触媒調製例2 REILLEX 425 [HRh(CO)(PPh3)3] 2 wt% 触媒調製例3 REILLEX HPQ [Rh(CF3COO)2]2 10 wt% 触媒調製例4 REILLEX HPQ [Rh(CO)2(acac)] 3 wt% 触媒調製例5 REILLEX HPQ [Rh(CO)2(acac)]+HMPT 3 wt% 触媒調製例6 REILLEX HPQ [Rh(CO)2(acac)]+morphorin 3 wt% 触媒調製例7 REILLEX HPQ [Rh(CO)2(acac)]+トリフェニルホスフィン 3 wt% 触媒調製例8 REILLEX PLYDMAP [Rh(CF3COO)2]2 5 wt% 触媒調製例9 REILLEX HPQ [HIrRh(CO)(PPh3)3] 3 wt%
【0036】
【表2】 表2 実施例、及び比較例の物性値一覧 項目 反応条件 触媒 溶媒 分岐/直鎖アルデヒド比 実施例 1 120 ℃、6h 1 トルエン 1.5 実施例 2 120 ℃、6h 1 THF 2.0 実施例 3 110 ℃、6h 2 トルエン 1.3 実施例 4 110 ℃、5h 3 トルエン 1.5 実施例 5 120 ℃、5h 4 トルエン 1.7 実施例 6 110 ℃、5h 4 TPIB 2.4 実施例 7 110 ℃、5h 5 トルエン 2.2 実施例 8 110 ℃、5h 6 トルエン 2.9 実施例 9 110 ℃、5h 7 トルエン 2.0 実施例 10 110 ℃、5h 8 トルエン 1.6 実施例 11 110 ℃、5h 9 トルエン 2.6 実施例 12 120 ℃、1h 9 トルエン 3.2 比較例 1 110 ℃、6h Deloxane HKI トルエン 1.25 比較例 2 110 ℃、1h 10 トルエン 0.10 比較例 3 110 ℃、1h 10+HMPT トルエン 0.75
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、従来の様な煩雑な触媒
回収操作が不要となる為、製造工程の簡略化、機器類の
小型化や建設費の低減によって小規模でも経済的にイソ
ブチルアルデヒドを製造する事が出来る。従って本発明
は工業的にも優れた方法であり、その意義は非常に大き
い。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プロピレンのヒドロホルミル化反応にお
    いて、ピリジン環を繰り返し構成単位として含むポリマ
    ーに固定化した金属錯体触媒を用いる事を特徴とするイ
    ソブチルアルデヒドの製造法。
  2. 【請求項2】 金属錯体が、9族金属からなり、かつ配
    位子として酢酸、トリフルオロ酢酸、アセチルアセトネ
    ート、トリフェニルホスフィンヘキサメチル亜燐酸トリ
    フェニル、モルホリンの中、一種類以上を含むものであ
    る請求項1記載の製造法。
  3. 【請求項3】 ポリマーが、ビニルピリジンを構成単位
    としてなるものである請求項1記載の製造法。
  4. 【請求項4】 ポリマーが、アミノピリジンを構成単位
    としてなるものである請求項1記載の製造法。
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