JPH1177919A - 塩化ビニル系樹脂成形品 - Google Patents

塩化ビニル系樹脂成形品

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JPH1177919A
JPH1177919A JP24830697A JP24830697A JPH1177919A JP H1177919 A JPH1177919 A JP H1177919A JP 24830697 A JP24830697 A JP 24830697A JP 24830697 A JP24830697 A JP 24830697A JP H1177919 A JPH1177919 A JP H1177919A
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克宏 藤原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塩化ビニル系樹脂成形品表面の汚染を防止
し、耐水性およびその持続性に優れ、且つ、基体と樹脂
被膜との密着性に優れた塩化ビニル系樹脂成形品提供。 【解決手段】 塩化ビニル系樹脂成形品表面に、特定ア
ルキル(メタ)アクリレートモノマー1〜30重量%、
メチルメタクリレート50〜95重量%、ヒドロキシル
アルキル(メタ)アクリレートモノマー4〜30重量
%、分子内に1個もしくは2個以上のカルボキシル基を
含むα,β−不飽和カルボン酸0〜20重量%、および
残部がこれら化合物と共重合可能な他のビニル系モノマ
ーを共重合して得られたアクリル系重合体[A]とフッ
化ビニリデン系樹脂[B]の2成分を主成分とする組成
物の被膜が形成されてなる塩化ビニル系樹脂成形品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塩化ビニル系樹脂
成形品に関する。更に詳しくは、可塑剤などの表面移行
を防止し、成形品表面の汚染を防止し、且つ、耐水性に
優れた塩化ビニル系樹脂成形品に関するものである。
【0002】
【従来技術】塩化ビニル系樹脂は、比較的安価で、化学
的変化を起こしにくく、可塑剤の量を変えて配合するこ
とにより、硬質から軟質まで広範囲に性質を変えること
が出来る。そのため、例えば硬質のパイプ、床材、シー
ト、フィルム、軟質のビニルクロス、繊維、壁材、シー
ト、フィルム、日用品雑貨等、硬軟ともに多くの用途が
ある。
【0003】しかし、可塑剤を配合した塩化ビニル系樹
脂成形品は、長時間経過すると、可塑剤が、成形品表面
にブリードアウトし、他の物質に移行したり、水や溶剤
などに抽出されるなどして、好ましくない現象を呈する
という欠点がある。例えば、ABS樹脂、耐衝撃性ポリ
スチレン又は一般用ポリスチレン等のスチレン系樹脂よ
りなるテレビジョン、ビデオデッキ、パーソナルコンピ
ューター等の電気製品のハウジングに軟質塩化ビニル系
樹脂成形品が接触すると、ハウジングに可塑剤が移行す
る。この移行により、ハウジングには汚染が生じたりし
て美観を損ね、商品価値を著しく低下させ、場合によっ
ては機能を低下させることもある。
【0004】また、塩化ビニル系樹脂よりなる成形品
が、床材、壁材などの内層材料、テント等の屋外で使用
されるものである場合は、成形品表面にブリード・アウ
トした可塑剤に塵が付着して汚染されるという欠点があ
り、また、成形品が包装用に使用される場合には、ブリ
ード・アウトした可塑剤がフィルムへの印刷性を低下さ
せたり、ヒートシール法によって接着した部分の強度を
低下させる。
【0005】更に、成形品が防水帆布テント、簡易水
槽、止水板、遮水シート、などの耐水性が要求される用
途に使用された場合には、雨水の影響によって可塑剤が
流亡され、成形品が白化したり、もろくなって破損する
などの問題が生起する。これらの問題を解決する方法と
して、下記のような塩化ビニル系樹脂成形品の表面を、
特定の樹脂や塗料で被覆する方法が提案されている。 (I)アクリル系樹脂を塗布する方法(特公昭46-29639
号公報、特公昭50-28117号公報等) (II)接着層を介してフッ素樹脂を塗布する方法(特開
昭56-86748号公報、特開昭46-65161号公報、特公昭57-1
2646号公報等) (III) フッ素樹脂とアクリル系樹脂の混合物を塗布する
方法(特開昭63-21143号公報、特開昭46-65161号公報、
特公昭63-236号公報等)
【0006】しかしながら、(I)では、基材の可塑剤
等の成形品表面へのブリード・アウトを防止するのに十
分でなく、(II)では、可塑剤等が接着層に移行する影
響で、接着層を介してもフッ素樹脂と基材の固着一体化
は、実用的に十分なものではなかった。これらの改良と
して(III) が提案されたが、アクリル系樹脂とフッ素樹
脂とが溶解しにくいために被膜が不透明であり、また、
基材とフッ素樹脂混合物との界面接着が不十分である欠
点があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、かかる
状況にあって、塩化ビニル系樹脂成形品表面の汚染を防
止し、耐水性およびその持続性に優れ、且つ、基体と樹
脂被膜との密着性に優れた塩化ビニル系樹脂成形品を提
供することを目的として、鋭意検討した結果、本発明を
完成するに至ったものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】しかして、本発明の要旨
とするところは、塩化ビニル系樹脂成形品表面に、前記
一般式(I)で示されるアルキル(メタ)アクリレート
モノマー1〜30重量%、メチルメタクリレート50〜
95重量%、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート
モノマー4〜30重量%、分子内に1個もしくは2個以
上のカルボキシル基を含むα,β−不飽和カルボン酸0
〜20重量%、および残部がこれら化合物と共重合可能
な他のビニル系モノマーを共重合して得られたアクリル
系重合体[A]とフッ化ビニリデン系樹脂[B]の2成
分を主成分とする組成物の被膜が形成されてなる塩化ビ
ニル系樹脂成形品に存する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。 1.塩化ビニル系樹脂 本発明において塩化ビニル系樹脂とは、ポリ塩化ビニル
のほか、塩化ビニルが主成分を占める共重合体をいう。
塩化ビニルと共重合しうる単量体化合物としては、塩化
ビニリデン、エチレン、プロピレン、アクリロニトリ
ル、マレイン酸、イタコン酸、アクリル酸、メタクリル
酸、酢酸ビニル等があげられる。これら塩化ビニル系樹
脂は、乳化重合法、懸濁重合法、溶液重合法、塊状重合
法等の従来公知の製造法のうち、いずれの方法によって
製造されたものであってもよい。
【0010】上記基体となる塩化ビニル系樹脂には、柔
軟性を付与するために、この樹脂100重量部に対し
て、20〜60重量部の可塑剤が配合される。可塑剤の
配合量を上記範囲にすることにより、目的の軟質塩化ビ
ニル系樹脂成形品に、優れた柔軟性と機械的性質を付与
させることができる。可塑剤としては、例えば、ジーn
−オクチルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレ
ート、ジベンジルフタレート、ジイソデシルフタレート
等のフタル酸誘導体;ジオクチルフタレート等のイソフ
タル酸誘導体;ジーn−ブチルアジペート、ジオクチル
アジペート等のアジピン酸誘導体;ジ−n−ブチルマレ
ート等のマレイン酸誘導体;トリーnーブチルシトレー
ト等のクエン酸誘導体;モノブチルイタコネート等のイ
タコン酸誘導体;ブチルオレエート等のオレイン酸誘導
体;グリセリンモノリシノレート等のリシノール酸誘導
体;その他、エポキシ化大油、エポキシ樹脂系可塑剤等
があげられる。
【0011】また、樹脂フィルムに柔軟性を付与するた
めに、上述の可塑剤に限られるものでなく、例えば熱可
塑性ポリウレタン樹脂、ポリ酢酸ビニル等を使用するこ
ともできる。上記塩化ビニル系樹脂には、前記可塑剤の
ほかに、必要に応じて、成形用の合成樹脂に通常配合さ
れる公知の樹脂添加物、例えば、滑剤、熱安定剤、酸化
防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、光安定剤、界面活
性剤、顔料、染料等を配合することができる。
【0012】滑剤としては、例えば高級脂肪酸またはそ
の金属塩類、各種パラフィン、高級アルコール類、天然
ワックス類、ポリエチレンワックス、脂肪酸エステルお
よび脂肪酸アミド等があげられる。熱安定剤としては、
例えばステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウ
ム、二塩基性ステアリン酸鉛、塩基性亜硫酸鉛、二塩基
性亜リン酸鉛、ジブチルスズジラウレート、ジブチルス
ズマレート、ジブチルスズメルカプタイド、βージケト
ン化合物あるいは、ジオクチルスズマレート系安定剤、
ジオクチルスズラウレート系安定剤、ジオクチルスズメ
ルカプタイド系安定剤等があげられる。
【0013】酸化防止剤としては、例えばフェノール
系、チオジプロピオン酸エステル、脂肪族サルフャイド
およびジサルファイド系の酸化防止剤があげられ、具体
的には、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフ
ェノール、2,2’−メチレンビス(6−tert−ブ
チル−4−エチルフェノール)、ジラウリルチオジプロ
ピオネート等をあげることができる。
【0014】紫外線吸収剤としては、例えばベンゾトリ
アゾール系、ベンゾエート系、ベンゾフェノン系、シア
ノアクリレート系、フェニルサリシレート系等の紫外線
吸収剤があげられる。中でも、ベンゾフェノン系紫外線
吸収剤および/またはベンゾトリアゾール系紫外線吸収
剤が特に好ましい。帯電防止剤としては、例えばポリオ
キシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアル
キルアミド、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、グ
リセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル等
があげられる。
【0015】光安定剤としては、例えば2,2,6,6
ーテトラメチルピペリジン単位含有のヒンダードアミン
系光安定剤があげられ、具体的には、4−アセトキシ−
2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、ビス(2,
2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アジペー
ト、トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペ
リジル)ベンゼン−1,3,5−トリカルボキシレート
等のヒンダードアミン系化合物があげられる。
【0016】界面活性剤としては、非イオン系界面活性
剤があげられ、具体的には、ソルビタン系、グリセリン
系、ポリエチレングリコール系等の界面活性剤およびア
ルキルフェノールのアルキレンオキシド付加物等のいわ
ゆる防曇剤のほか、フッ素系界面活性剤があげられ、具
体的には、通常の界面活性剤の疎水基のCに結合したH
の代わりにその一部または全部をFで置換した界面活性
剤で、特にパーフルオロアルキル基またはパーフルオロ
アルケニル基を含有する界面活性剤があげられる。
【0017】顔料あるいは染料としては、例えば酸化チ
タン、亜鉛華、鉛白、石膏、沈降性シリカ、カーボンブ
ラック、ベンガラ、モリブデン赤、カドミウム黄、黄
鉛、チタン黄、酸化クロム緑、群青等の無機顔料;パー
マネント・レッド4R、ハンザ・イエロー10G、ベン
ジジンイエローGR、パーマネント・カーミンFB、フ
タロシアニン・ブルーB、フタロシアニン・グリーン等
の有機顔料があげられる。
【0018】以上の各種樹脂添加物は、各々1種又は数
種を組み合わせて使用することができる。上記各種樹脂
添加物の添加量は、フィルムの性質を悪化させない範
囲、通常は基体の塩化ビニル系樹脂100重量部に対し
て、10重量部以下の範囲で選ぶことができる。しかし
て、塩化ビニル系樹脂に、可塑剤、その他の樹脂添加剤
を配合し、成形用の塩化ビニル系樹脂配合組成物とする
には、各々必要量を秤量し、例えば、リボンブレンダ
ー、バンバリーミキサー、スーパーミキサー等の従来か
ら知られている配合機、混合機を使用すればよい。
【0019】塩化ビニル系樹脂配合組成物を成形して、
本発明の塩化ビニル系樹脂成形品にする場合の形状につ
いては特に制限はないが、被膜を成形する行程の容易さ
からシート状、フィルム状、板状、あるいは管状の形態
のものが適している。これらの成形法としては、通常行
われる、例えば、カレンダー成形法、押し出し成形法、
インフレーション成形法、射出成形法等のなかから適宣
採用すればよい。
【0020】2.被膜 2−1.アクリル系重合体[A] 本発明のアクリル系重合体[A]は、アルキル(メタ)
アクリレートモノマー1〜30重量%、メチルメタクリ
レート50〜95重量%、ヒドロキシアルキル(メタ)
アクリレートモノマー4〜30重量%、分子内に1個も
しくは2個以上のカルボキシル基を含むα,β−不飽和
カルボン酸0〜20重量%、および残部がこれら化合物
と共重合可能な他のビニル系モノマーを共重合して得ら
れる共重合体である。
【0021】前記一般式(I)で示されるアルキル(メ
タ)アクリレートモノマー(アクリル酸あるいはメタク
リル酸のアルキルエステル(以下同様))としては、2
−エチルヘキシルアクリレート、デシルアクリレート、
ラウリルアクリレート、ミリスチルアクリレート、パル
ミチルアクリレート等のアルキル基の炭素数が6〜20
のアルキルアクリレートあるいは、2−エチルヘキシル
メタクリレート、デシルメタクリレート、ラウリルメタ
クリレート、ミリスチルメタクリレート、パルミチルメ
タクリレート等のアルキル基の炭素数が6〜20のアル
キルメタクリレートがあげられる。これらは各々単独で
用いても、2種以上の併用であってもよい。
【0022】このアルキル(メタ)アクリレートモノマ
ーが30重量%より多い場合には、防塵性および耐水性
が低下するので好ましくない。メチルメタクリレートが
50重量%より少ない場合には、フッ化ビニリデン系樹
脂との相溶性が低下するために好ましくない。ヒドロキ
シアルキル(メタ)アクリレートモノマーとしては、ヒ
ドロキシメチルアクリレート、ヒドロキシメチルメタク
リレート、2ーヒドロキシエチルアクリレート、2ーヒ
ドロキシエチルメタクリレート、2ーヒドロキシプロピ
ルアクリレート、2ーヒドロキシプロピルメタクリレー
ト、3ーヒドロキシプロピルアクリレート、3ーヒドロ
キシプロピルメタクリレート、2ーヒドロキシブチルア
クリレート、2ーヒドロキシブチルメタクリレート、4
ーヒドロキシブチルアクリレート、4ーヒドロキシブチ
ルメタクリレート、2ーヒドロキシペンチルアクリレー
ト、2ーヒドロキシペンチルメタクリレート、6ーヒド
ロキシヘキシルアクリレート、6ーヒドロキシヘキシル
メタクリレート等があげられる。
【0023】このヒドロキシアルキル(メタ)アクリレ
ートのアクリル系樹脂中で占める割合が、4重量%より
少ない場合は、有機溶媒との溶解性等を充分に発揮し得
ず、他方、30重量%より多い場合にはコスト上昇に比
べて得られる効果は大きくないので好ましくない。分子
内に1個もしくは2個以上のカルボキシル基を含むα,
β−不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリ
ル酸、イタコン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、アコ
ニット酸、フマル酸、クロトン酸等があげられる。
【0024】上述の一般式(I)で示されるアルキル
(メタ)アクリレートモノマー、メチルメタクリレー
ト、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートモノマー
およびα,β−不飽和カルボン酸と共重合可能な他のビ
ニル系単量体としては、例えばメチルアクリレート、エ
チルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプ
ロピルアクリレート等のアルキル基の測鎖が1〜5のア
ルキルアクリレート;エチルメタクリレート、n−プロ
ピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート等の
アルキル基の測鎖が1〜5のアルキルメタクリレート;
エチレンスルホン酸のようなα,β−エチレン性不飽和
ホスホン酸類;アクリル酸又はメタクリル酸のヒドロキ
シエチル等の水酸基含有ビニル単量体;アクリロニトリ
ル類;アクリルアマイド類;(メタ)アクリル酸のグリ
シジルエステル類等がある。これら単量体は単独で用い
ても、又は2種以上の併用でもよい。
【0025】2−2.アクリル系重合体[A]の重合 単量体を所定量配合して、有機溶剤とともに重合缶に仕
込み、重合開始剤、必要に応じて分子量調節剤を加え
て、攪拌しつつ加熱し、重合する。重合は、通常公知の
方法、例えば懸濁重合法、溶液重合法などが採用され
る。この際、使用しうる重合開始剤としては、α,αー
アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイ
ド、クメンハイドロパーオキサイド等のラジカル生成触
媒があげられ、分子量調節剤としては、ブチルメルカプ
タン、n−ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメル
カプタン、β−メルカプトエタノール等があげられる。
【0026】重合に用いる有機溶媒としては、メタノー
ル、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノー
ル、n−ブタノール、sec −ブタノール、tert−ブタノ
ール、n−アミルアルコール、イソアミルアルコール、
tert−アミルアルコール、n−ヘキシルアルコール、シ
クロヘキサノール等のアルコール類;ベンゼン、トルエ
ン、キシレン等の芳香族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸
ブチル等の酢酸エステル類;アセトン、メチルエチルケ
トン、メチル−n−プロピルケトン、2−ヘキサノン、
3−ヘキサノン、ジーn−プロピルケトン、ジーn−ア
ミルケトンシクロヘキサノン等のケトン類;テトラヒド
ロフラン等があり、これらは、1種もしくは2種以上混
合して使用することができる。
【0027】2−3.フッ化ビニリデン系樹脂[B] フッ化ビニリデン系樹脂[B]とは、フッ化ビニリデン
の単独重合体、もしくはフッ化ビニリデンと他のフッ素
系不飽和単量体および/もしくはフッ素を含有しない共
重合可能な単量体との共重合体、更にこれら重合体の一
部を改質もしくは変成した重合体も包含される。これら
フッ化ビニリデン系樹脂は1種もしくは2種以上で用い
ることができ、又、他のフッ素を含有した樹脂、例えば
テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレ
ン、フルオロエチレン等と混合して用いても構わない。
【0028】2−4.被膜 アクリル系重合体[A]とフッ化ビニリデン系樹脂
[B]の配合量は、[A]5〜50重量部、[B]50
〜95重量部であることが好ましい。樹脂[B]に対す
る重合体[A]の割合が少なすぎると、形成被膜の基材
表面への密着性が劣り、被膜が容易に剥がれて好ましく
ない。他方、樹脂[B]に対する重合体[A]の割合が
多すぎると、形成被膜の可塑剤等の移行防止性、耐汚染
性、耐水性の効果が十分でなく好ましくない。
【0029】上記被膜組成物には、これら成分の他に、
補助的な成分、例えば酸化防止剤、中和剤、紫外線吸収
剤、光安定剤、帯電防止剤、顔料、染料、発泡剤、滑剤
等配合することができる。有機溶剤に分散および/又は
溶解して用いることができる。有機溶剤としては、例え
ば脂肪族炭化水素としてヘプタン、シクロヘキサン等;
芳香族炭化水素としてベンゼン、トルエン、キシレン
等;アルコール類としてメタノール、エタノール、イソ
プロピルアルコール、ポリオキシエチレングリコール
等:ハロゲン化炭化水素としてクロロホルム、四塩化炭
化水素、クロロベンゼン等;エステル類としてメチルア
セテート、アリルアセテート、エチルステアレート等;
アミン類としてトリメチルアミン、ジフェニルアミン、
ヘキサメチレンジアミン等;その他ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルアセトアミド、ジオキサン、ジエチルエー
テル、ジエチレンジチオグリコール、ジアセトンアルコ
ール、ベンゾニトリル、ジメチルスルホキサイド等があ
り、これは単独もしくは2種以上の併用で使うことがで
きる。
【0030】塩化ビニル系樹脂成形品表面に被膜を形成
するには、成形品の形状に応じて公知の各種方法が適用
される。例えば、溶液状態で被膜を形成する場合は、ド
クターブレードコート法、グラビアロールコート法、エ
ヤナイフコート法、リバースロールコート法、デイプコ
ート法、カーテンロールコート法、スプレイコート法、
ロッドコート法等の塗布方法が用いられる。
【0031】また、溶液状態とせず上記被膜組成物を単
独の被膜として形成する場合は、共押出し法、押出しコ
ーティング法、押出しラミネート法、ラミネート法が用
いられる。被膜形成法としては、塗布方式を用いた場合
の溶剤の乾燥方法としては、例えば自然乾燥法、熱風乾
燥法、赤外線乾燥法、遠赤外線乾燥法等があるが、乾燥
速度、安全性を勘案すれば熱風乾燥法が有利である。こ
の場合の温度条件は、50℃〜200℃の範囲とし、時
間は、10秒〜15分の間で選ぶのがよい。
【0032】上記樹脂被膜組成物を塩化ビニル系樹脂成
形品の表面に塗布して被膜とする場合の塗布量は、アン
ダーコートを施す場合、そのコート分を別にして、塗布
方式で乾燥固化後の量として、0.1〜10g/m2
範囲とするのが好ましい。0.1g/m2 より少ない
と、塩化ビニル樹脂成形品中の可塑剤の表面移行を防止
する効果が不十分であり、また、10g/m2 以上であ
ると、被覆量が多すぎて、経済的に不利となり、特に被
覆される塩化ビニル系樹脂成形品がフィルム状の構造物
である場合は、その機械的強度が低下することがあり、
好ましくない。特に、0.5〜5g/m2 の範囲の範囲
が好ましい。
【0033】なお、上記被膜組成物を塗布する前に、塩
化ビニル系樹脂成形品の表面を予め、アルコールまたは
水で洗浄したり、プラズマ放電処理、あるいはコロナ放
電処理したり、他の塗料あるいはプライマーを下塗りす
る等の前処理を施してもよい。
【0034】
【発明の効果】本発明に係わる塩化ビニル系樹脂成形品
は、基体フィルムとその表面に形成された被膜組成物に
由来する被膜との密着性に富むので、被膜は、剥離しに
くく、長期間性能を高水準に維持することができるの
で、例えば、床材、壁材、デスクマット、電線用被覆材
等の成形品としての利用価値は極めて大きい。
【0035】
【実施例】以下、本発明を実施例にもとづいて詳細に説
明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の例
に限定されるものではない。 実施例1〜4、比較例1〜4
【0036】 I.基体フィルムの調整 ポリ塩化ビニル(平均重合度=1400) 100重量部 ジオクチルフタレート 50重量部 エポキシ化大豆油 3重量部 バリウム−亜鉛系複合液状安定剤 1.5重量部 ステアリン酸バリウム 0.2重量部 ステアリン酸亜鉛 0.4重量部 よりなる樹脂組成物を準備し、これを、スーパーミキサ
ーで10分間攪拌混合した後、180℃に加温したミル
ロール上で混練し、厚さ0.3mmの基体フィルムを調
整した。
【0037】II.アクリル系重合体[A]の調整 温度計、攪拌機、環流冷却器および原材料添加用ノズル
を備えた反応器に、メチルエチルケトン70重量部、ト
ルエン30重量部、過酸化ベンゾイル1.0重量部およ
び第1表に示した各単量体の混合物100重量物を仕込
み、窒素ガス気流下で攪拌しつつ、70℃で3時間更に
過酸化ベンゾイルを0.5重量部添加して反応を約3時
間、同温度で継続して第1表に示したアクリル系重合体
を得た。
【0038】
【表1】
【0039】III .被膜の形成 第2表に示した種類および量のアクリル系重合体[A]
と市販されているフッ化ビニリデン系樹脂[B]を配合
し、これに固形分が20重量%になるようにメチルエチ
ルケトンを加え、被膜組成物を得た。前記の方法で調整
した基体フィルムの片面に、上記被覆組成物を、#5バ
ーコーターを用いて、各々塗布した。塗布したフィルム
を130℃のオーブン中にて1分間保持して、溶剤を揮
散させた。得られた各フィルムの被膜の量は、約3g/
2 であった。
【0040】
【表2】
【0041】V.フィルムの評価 以下の方法においてフィルムの性能を評価し、その結果
を第3表に示した。初期外観 フィルムの外観を肉眼で観察した。この評価基準は、次
のとおりである。 ◎・・・無色で透明性に優れるもの。 ○・・・やや白色を呈するが、透明性を有するもの。 △・・・白色を呈し、半透明であるもの。 ×・・・白濁し、失透しているもの。
【0042】被膜の柔軟性 各フィルムを、幅5cm、長さ15cmに切断し、長さ
方向に対して直角に、2cmの間隔で相互に折り返し
た。この状態で、上から2kgの荷重をかけ、15℃に
保持した恒温槽内に24時間放置した。ついで、荷重を
取り、フィルムの折り目をのばして、被膜の外観を肉眼
で観察した。この試験での評価基準は、次の通りであ
る。 ◎・・・折り目部分の被膜に変化が全く認められないも
の。 △・・・折り目部分の被膜にクラックが認められるも
の。 ×・・・折り目部分の被膜にクラックが著しく認められ
るもの。
【0043】耐汚染性 フィルムの被膜面に、各汚染物質を付着させ、24時間
室温に放置した後、汚染物質を脱脂綿で拭き取って、痕
跡を観察した。この評価基準は、次の通りである。 ◎・・・痕跡が全く認められないもの。 ○・・・被膜の2/3以上に、痕跡が認められないも
の。 △・・・被膜の2/3以上に、痕跡が認められるもの。 ×・・・被膜全面に痕跡が認められるもの。
【0044】耐水性試験 4cm×5cmの大きさの試験片を多数枚準備し、50
℃に保持した恒温水槽中に浸漬し、12時間後、24時
間後にそれぞれの種類のフィルムにつき、数枚のフィル
ムを取り出し、乾燥したのち、被膜の外観を肉眼で観察
した。この試験での評価基準は、次の通りである。 ◎・・・被膜に外観変化が全く認められないもの。 ○・・・被膜の一部に白化が認められるもの。 △・・・被膜の全面に白化が認められるもの。 ×・・・被膜の全面に白化が認められ、部分的に被膜剥
離が認められるもの、もしくは、被膜が完全に剥離して
いるもの。
【0045】密着性評価(促進試験) 500ccビーカーに300ccの水(50℃)を入
れ、被膜の形成された面がビーカーの内側になるように
検体にてビーカーを被覆した後、恒温水槽(50℃)に
ビーカーを地表面から10度傾斜させて底部から2/3
の部分まで水浸させ、25℃恒温室に5時間放置する。
得られたフィルムを用い、被膜を形成した面にセロハン
テープを接着し、このセロハンテープを剥がした時に、
被膜の剥離状況を肉眼で観察した。この評価基準は、次
のとおりである。 ◎・・・被膜が全く剥離せず、完全に残ったもの。 ○・・・被膜の一部(1/3未満)が剥離したもの。 △・・・被膜の1/3以上2/3未満が剥離したもの。 ×・・・被膜の2/3が剥離したもの。
【0046】
【表3】

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニル系樹脂成形品表面に、一般式
    (I)で示されるアルキル(メタ)アクリレートモノマ
    ー1〜30重量%、メチルメタクリレート50〜95重
    量%、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートモノマ
    ー4〜30重量%、分子内に1個もしくは2個以上のカ
    ルボキシル基を含むα,β−不飽和カルボン酸0〜20
    重量%、および残部がこれら化合物と共重合可能な他の
    ビニル系モノマーを共重合して得られたアクリル系重合
    体[A]とフッ化ビニリデン系樹脂[B]の2成分を主
    成分とする組成物の被膜が形成されてなる塩化ビニル系
    樹脂成形品。 【化1】 (式中のR1 は水素又はメチル基を、nは6〜20の整
    数を各々意味する。)
  2. 【請求項2】 成分[A]が5〜50重量部、成分
    [B]が50〜95重量部であることを特徴とする請求
    項1記載の塩化ビニル系樹脂成形品。
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