JPH1173980A - 固体電解質型燃料電池セル - Google Patents

固体電解質型燃料電池セル

Info

Publication number
JPH1173980A
JPH1173980A JP9234628A JP23462897A JPH1173980A JP H1173980 A JPH1173980 A JP H1173980A JP 9234628 A JP9234628 A JP 9234628A JP 23462897 A JP23462897 A JP 23462897A JP H1173980 A JPH1173980 A JP H1173980A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sealing member
cell
cell body
cylindrical
cylindrical portion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP9234628A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3389469B2 (ja
Inventor
Yuji Tateishi
勇二 立石
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP23462897A priority Critical patent/JP3389469B2/ja
Publication of JPH1173980A publication Critical patent/JPH1173980A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3389469B2 publication Critical patent/JP3389469B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

Abstract

(57)【要約】 【課題】セル本体のガスシールを容易かつ確実に行うこ
とができ、ガスシールの確認が容易な固体電解質型燃料
電池セルを提供する。 【解決手段】円筒状の固体電解質2の片面に空気極1、
他面に燃料極3が形成されるとともに、空気極1または
燃料極3に電気的に接続され、かつ外面に露出する集電
体4を具備する円筒状のセル本体8の一端部外周面に、
基底部14と円筒部13からなるセラミックス製の封止
部材11を外嵌してなり、該封止部材11の全長を
1 、円筒部13の深さをL2 、基底部14の外径をD
1 、円筒部13の外径をD2 、円筒部13の内径をD3
とした時、D1 /D2 が0.78〜0.84、L2 /L
1 が0.3〜0.7、L2 /D3 が0.3〜0.7の範
囲を満足するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有底筒状の固体電
解質型燃料電池セルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、固体電解質燃料電池はその作
動温度が900〜1050℃と高温であるため発電効率
が高く、第3世代の発電システムとして期待されてい
る。
【0003】一般に、固体電解質型燃料電池セルには、
円筒型と平板型が知られている。平板型燃料電池セル
は、発電の単位体積当たり出力密度が高いという特徴を
有するが、実用化に関してはガスシール不完全性やセル
内の温度分布の不均一性などの問題がある。それに対し
て、円筒型燃料電池セルでは、出力密度は低いもののセ
ルの機械的強度が高く、またセルの温度の均一性が保て
るという特徴がある。
【0004】両形状の固体電解質型燃料電池セルとも、
それぞれの特徴をを生かして積極的に研究開発が進めら
れている。
【0005】円筒型燃料電池の単セルは、図3に示した
ように、LaMnO3 系材料からなる多孔性の空気極1
を形成し、その表面にY2 3 部分安定化ZrO2 から
なる固体電解質2を被覆し、さらにこの表面に多孔性の
Ni−ジルコニアの燃料極3が設けられている。燃料電
池モジュールにおいては、各単セルはLaCrO3 系の
集電体(インターコネクター)4を介して接続される。
発電は円筒の内部に空気(酸素)6を、外部に燃料(水
素)7を流し、900〜1050℃の温度で行われる。
【0006】空気極材料であるLaMnO3 系材料はセ
ルの支持管としての働きを有する。
【0007】支持管としての機能を有する空気極とし
て、LaをCaで20原子%またはSiで10〜15原
子%置換したLaMnO3 固溶体材料が用いられる。
【0008】上記のような燃料電池セルを作製する方法
としてはLaMnO3 系材料からなる絶縁粉末を押出し
成形法等により円筒形に成形後、これを焼成して円筒状
の空気極からなる支持体を作製し、この円筒状空気極支
持体の外周面に固体電解質、燃料極、集電体のスラリー
を塗布して順次焼成して積層するか、あるいは円筒状空
気極支持体の表面に電気化学的蒸着法(EDV法)やプ
ラズマ溶射法等により固体電解質、燃料極、集電体を順
次形成することも行われている。
【0009】最近ではセルの製造工程を簡略化するため
に、各構成材料のうち少なくとも2つを同じ焼成すると
いう共焼結法も提案されている。この共焼結法は、例え
ば円筒状空気極支持管の成形体に固体電解質成形体およ
び集電体成形体をロール状に巻き付けて同時焼成を行
い、その後固体電解質表面に燃料極層を形成する方法で
ある。この共焼結法は製造工程が少なくなるためにセル
の製造時の歩留まり向上、コスト低減に有利である。
【0010】そして、従来、セルの一端封止は、焼結し
て得られた円筒状のセル本体を実際に発電を行う炉内の
取付部材にセットし、取付部材に形成されたガラス層を
セル本体の一端に当接し、発電を行う際の昇温時に前記
ガラス層を溶融させ、セル本体の一端を前記取付部材に
より封止していた。
【0011】また、空気極成形体、および空気極成形体
と同一材料により有底筒状の封止部材成形体を作製し、
空気極成形体の一端と封止部材用成形体の一端を当接し
焼成した後、前述のように電気化学的蒸着法(EDV
法)やプラズマ溶射法等により封止部材の表面に緻密質
セラミックス層を形成し、封止部材からのガスリークを
防止していた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、燃料電
池セルの一端をガラス材を用いて取付部材により封止す
る従来の方法では、実際に発電を行う時に封止すること
になるため、完全に封止がなされているか否かの確認が
困難であり、シール不良による単セルの出力低下が生じ
易く、特にスタック化した場合には封止個所の増加によ
りシール不良の発生確率が高くなり、結果として出力が
低下するという問題があった。
【0013】また、空気極成形体の一端と封止部材成形
体の一端を当接した状態で焼成する方法では、空気極成
形体と封止部材との接合が困難であり、しかも、ガスリ
ークを防止するため、電気化学的蒸着法(EDV法)や
プラズマ溶射法等により封止部材の表面に緻密質セラミ
ック層を形成する必要があり、封止工程が面倒であり、
コスト高であるという問題があった。
【0014】本発明は、セル本体のガスシールを容易か
つ確実に行うことができるとともに、ガスシールの確認
が容易な固体電解質型燃料電池セルを提供することを目
的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記問題点に
対して検討を重ねた結果、セル本体の一端部外周面に、
封止部材用のセラミック成形体を外嵌して焼成し、封止
部材の焼成収縮により、セル本体の一端部に嵌着するこ
とにより、セル本体の一端を容易かつ確実に封止するこ
とができ、しかも封止状態を容易に確認し得ることを見
い出し、本発明に至った。
【0016】即ち、本発明の固体電解質型燃料電池セル
は、円筒状の固体電解質の片面に空気極、他面に燃料極
が形成されるとともに、前記空気極または前記燃料極に
電気的に接続され、かつ外面に露出する集電体を具備す
る円筒状のセル本体の一端部外周面に、基底部と円筒部
からなるセラミックス製の封止部材を外嵌してなり、該
封止部材の全長をL1 、前記円筒部の深さをL2 、前記
基底部の外径をD1 、前記円筒部の外径をD2 、前記円
筒部の内径をD3 とした時、D1 /D2 が0.78〜
0.84、L2 /L1 が0.3〜0.7、L2 /D3
0.3〜0.7の範囲を満足するものである。ここで、
セル本体の一端部外周面に、セラミックスからなるガス
シール層を介して封止部材を外嵌してなることが望まし
い。
【0017】
【作用】本発明の固体電解質型燃料電池セルは、従来の
ように、発電用セル本体を炉内にセットし発電を行う際
にセル本体の一端を取付部材により封止するのではな
く、セル製造段階でセル本体の一端を緻密質セラミック
スにより封止するため、セル本体の一端の封止を容易か
つ確実に行うことができるとともに、発電用セル本体を
炉内にセットする前に封止状態を確認することができ、
発電の際のガスシール性が十分に保証される。
【0018】即ち、本発明の固体電解質型燃料電池セル
では、セル本体の一端部外周面に、封止部材用セラミッ
クス成形体を外嵌して焼成することにより、封止部材用
セラミックスが、該封止部材の全長をL1 、前記円筒部
の深さをL2 、前記基底部の外径をD1 、前記円筒部の
外径をD2 、前記円筒部の内径をD3 とした時、D1
2 が0.78〜0.84、L2 /L1 が0.3〜0.
7、L2 /D3 が0.3〜0.7の範囲を満足するもの
である。
【0019】セル本体の一端部に封止部材の円筒部が嵌
着すると同時に、焼成時にセル本体の外面と封止部材円
筒部の内側面とが接続するため、セル本体の一端の封止
を容易かつ確実に行うことができる。また、セル本体の
先端面と封止部材の基底部の内底面が接着することによ
り、封止部材をセル本体に強固に固定させることができ
る。
【0020】特に、本発明の固体電解質型燃料電池セル
では、セル本体の一端部外周面にセラミックススラリー
を塗布し、セラミックスからなるガスシール層を形成
し、その外周面に封止部材を嵌着することにより、集電
体がセル本体から突出する等によりセル本体の外周面に
凸凹が形成されている場合でも、ガスシール層により封
止部材が嵌着される部分のセル本体外周面が平坦化さ
れ、封止部材とセル本体を隙間なくより密着させること
ができ、ガスシール性を向上できる。
【0021】また、本発明によれば、例えば、封止部材
としてZrO2 やLaCrO3 系の磁器を用いた場合
は、この磁器の焼成温度(1300℃以上)は、実際の
発電温度(1000℃)より高いので、発電時における
ガスリークの発生の怖れがなく、結果としてセル出力の
信頼性、長寿命化が図れる。さらに、複数のセルを用い
てスタックを組む際においては、発電を行う段階でのシ
ール箇所を極力少なくすることができるためにシステム
設計を容易にすることが可能となる。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明におけるセル本体は、円筒
状の空気極の表面に固体電解質を形成し、この固体電解
質の表面に燃料極を形成し、さらに、空気極と電気的に
接続する集電体を設けてセル本体が形成されている。
【0023】そして、図1に示すように、セル本体8の
一端部の外周面にはセラミックスからなるガスシール層
9が形成され、このガスシール層9の表面には.キャッ
プ形状の緻密質セラミックスからなる封止部材11が外
嵌されており、セル本体8とガスシール層9、封止部材
11が焼成により、一体化されている。即ち、セル本体
8の一端部外周面にセラミックススラリーを塗布するこ
とにより、セル本体8外周面の凸凹を無くし、平坦化し
た後、封止部材用セラミックス成形体を外嵌して焼成す
ることにより、封止部材用セラミックスが焼成収縮し、
セル本体8の一端部に嵌着すると同時に、焼成時にセル
本体8の外周面と封止部材11の内面とが、ガスシール
層9を介して接合している。
【0024】ガスシール層9は、例えば、部分安定化Z
rO2 や安定化ZrO2 、LaCrO3 系などの種々の
材料を用いることができるが、特には、熱膨張率の観点
から固体電解質材料と同一の材料から構成することが望
ましい。ガスシール層9の厚みはセル本体8の外表面の
凸凹をなくす程度あればよいが、50〜300μmが望
ましい。
【0025】封止部材11はガスリークを防止するため
緻密質セラミックスからなるものであるが、緻密質セラ
ミックスとは、例えば、ガスシール層9と同様の材料を
用いることができる。また、ガスシール層9と同様に、
熱膨張率の観点から固体電解質材料と同一の材料から構
成することが望ましい。また、封止部材11、ガスシー
ル層9の熱膨張率は、Y2 3 部分安定化ZrO2 の場
合、Y2 3 とZrO2 の比を変化させることにより調
整できる。
【0026】封止部材11は、セル本体8が挿入される
円筒部13と基底部14とから構成されている。ここ
で、封止部材11の全長をL1 、円筒部13の深さをL
2 、基底部14の外径をD1 、円筒部13の外径を
2 、円筒部13の内径をD3 とした時、D1 /D2
0.78〜0.84、L2 /L1 が0.3〜0.7、L
2 /D3 が0.3〜0.7の範囲を満足する。
【0027】基底部14の外径D1 と円筒部13の外径
2 との比(D1 /D2 )を0.78〜0.84とした
のは、この範囲内ならばセル本体8の外面に封止部材1
1が密着固定し、ガスの漏出がないからである。D1
2 が0.78よりも小さい場合には円筒部13と基底
部14の間に亀裂が発生し、燃料電池セルの還元処理試
験において破損するからであり、0.84よりも大きい
場合には.円筒部13によるセル本体8の締め付け力が
弱く、セル本体8と円筒部13との間からガスが漏出す
る虞があるからである。D1 /D2 の値は、ガスシール
性を向上し、かつ封止部材11の破損を防止する点、お
よび、高温負荷試験、サイクル試験において優れている
という点から0.80〜0.82が望ましい。
【0028】封止部材11の全長L1 と円筒部13の深
さL2 との比(L2 /L1 )を0.3〜0.7としたの
は、この比が0.3よりも小さい場合には燃料電池セル
の還元処理において破損するからであり、また、セル本
体8に封止部材用セラミック成形体31を挿入時に安定
しないからであり、セル本体8を横倒した場合に封止部
材用成形体31を安定してセル本体8の一端に挿入する
ことができないからである。一方、L2 /L1 が0.7
よりも大きい場合には、燃料極の形成面積が小さくな
り、発電能力が低下するからである。
【0029】円筒部13の深さL2 と円筒部13の内径
3 の比(L2 /D3 )を0.3〜0.7としたのは、
2 /D3 が0.3よりも小さい場合には、燃料電池セ
ルの還元処理において破損するからであり、さらに、セ
ル本体に封止部材用セラミック成形体31を挿入時に安
定しないからであり、セル本体8を横倒した場合に封止
部材用成形体31を安定してセル本体8の一端に挿入す
ることができないからである。一方、L2 /D3 が0.
7よりも大きい場合には、燃料極の形成面積が小さくな
り、発電能力が低下するからである。また、封止部材成
形体31の切削加工が困難となり、また、封止部材成形
体31の保管時に破損しやすくなるからである。
【0030】即ち、L2 /L1 およびL2 /D3 を0.
3以上としたのは以下の理由による。封止部材用成形体
を挿入したセル本体の焼成時の姿勢は、長い円筒を直立
させる姿勢より、横倒しの姿勢とした方が安全である。
その場合、封止部材用成形体31は横倒しのセル本体8
の一端に挿入しても十分安定な形状をとる必要がある。
また、セル本体8の先端面と封止部材11の円筒部13
の内底面の接触が不十分だと、焼成後のセル本体8と封
止部材11の一体化が不完全となり、セル本体8と封止
部材11の接着が破壊する怖れがある。セルが横倒しの
姿勢でも、焼結前に挿入した封止部材用成形体31が安
定して一端部にあるためには、焼結させた後の封止部材
11の円筒部13の内径D3 に対して封止部材11の円
筒部13の深さL2 が30%以上を有し、封止部材11
の全長L1 に対して封止部材11の円筒部13の深さL
2 が30%以上である必要があるからである。
【0031】封止部材11にセル本体8を挿入したとき
の安定性より、L2 /L1 は0.4以上、L2 /D3
0.4以上が望ましい。また、封止部材用成形体31の
作製時の容易さから、L2 /L1 は0.6以下、L2
3 は0.6以下が望ましい。
【0032】また、セル本体8の外表面に当接する封止
部材11の円筒部13の厚みtは、セルの直径の増大を
抑え、焼結時の収縮の応力で破損しないようにするため
に、0.3〜1.2mmが望ましい。
【0033】このような固体電解質型燃料電池セルの製
造方法について詳述する。まず、セル本体を作製するた
めに、自己支持管としての機能を有する円筒状の空気極
成形体を押し出し成形により作製し、その後1200〜
1300℃の温度で5〜20時間程度脱バインダー・仮
焼をおこない、空気極仮焼体を作製する。この空気極仮
焼体は、ペロブスカイト型結晶相を主相とするLaCr
3 系の材料で、その平均結晶粒径は2〜30μm、特
に、5〜15μmであることが望ましい。これは主結晶
相の粒径が2μmより小さいと強度は高いもののガスの
透過性が低く、30μmを越えるとガス透過性は高くな
るものの強度が不十分となるためである。なお、空気極
の開気孔率は20〜45%、特に30〜40%が適当で
ある。また、平均細孔径は1.0〜5.0μmの範囲が
ガス透過性に優れる。
【0034】次に空気極仮焼体の表面に固体電解質を構
成する材料の成形体層を形成する。
【0035】この固体電解質成形体層は、平均粒径が
0.5〜3μmのY2 3 等の周知の安定化剤により安
定化されたZrO2 からなる粉体を用いてスラリーを調
製し、その後ドクターブレード法などにより作製された
グリーンシートを巻き付けて形成される。
【0036】そして、空気極/固体電解質成形体を10
00〜1300℃の温度で1〜3時間程度仮焼し、その
後集電体の積層箇所となる固体電解質仮焼体の表面を平
滑に研磨し、空気極仮焼体を露出させ、固体電解質仮焼
体および空気極仮焼体の表面に集電体用成形体を積層す
る。集電体用成形体はLaCrO3 系の材料を使用し、
固体電解質成形体と同様にグリーンシートを積層して形
成される。
【0037】この様にして作製した積層体は、大気など
の酸化雰囲気中、1300〜1600℃の温度で3〜1
5時間程度同時焼成することにより共焼結させ、円筒状
のセル本体8を作製する。
【0038】また、燃料極はNiを30〜80重量%含
有し残部が安定化ZrO2 (Y2 3 等の安定化剤含
む)からなる多孔質のサーメット材料を使用し、前記積
層焼結体の所定箇所に成形体を形成して焼結させるか、
あるいは前記空気極/固体電解質/集電体成形体を形成
した後、さらに燃料極成形体を積層し、これらを同時に
焼成し、円筒状のセル本体8を作製することもできる。
【0039】次に、例えば、固体電解質成形体と同様の
スラリーを用い、たとえば、スラリー中にセル本体8の
一端部を浸潰(ディッピング)することにより、セル本
体8の一端部の外表面にセラミックスラリーを塗布し、
100〜150℃で1〜3時間乾燥する。セラミックス
スラリーを塗布する方法としては、他にスプレー、刷毛
などによる塗布がある。セラミックススラリーは、封止
部材が外嵌される部分よりもわずかに広い面積で塗布さ
れることが望ましい。塗布厚みについては、セル本体8
外周面の凸凹が無くなる程度であれば、特に限定されな
い。本発明においては、このようなセラミックススラリ
ーの塗布工程(ガスシール層)は必ずしも必要ではない
が、よりガスシールを確実に行うという点から、ある事
が望ましい。
【0040】封止部材11は発電の際にガスシール性を
要求されるため、例えば平均結晶粒径が0.5〜3μm
程度のZrO2 系やLaCrO3 系酸化物粉末を押し出
し成形や静水圧成形(ラバープレス)等により成形し、
キャップ形状に切削加工を行い封止部材用成形体31を
作製する。ガスシール層および封止部材は、イットリア
部分安定化ジルコニアを用いることが望ましい。
【0041】この時の封止部材用成形体31は、セル本
体8の外周面に当接し、締め付ける円筒部13の成形体
厚みは、0.7〜2.0mmであることが望ましい。こ
れは、0.7mmよりも薄い時には焼成時に封止部材1
1が壊れる場合があり、また、2.0mmより厚い場合
には、複数の固体電解質型燃料電池セルによりスタック
を作製する際のセル間の間隔が大きくなって電気的な接
続が困難になるからである。また、円筒部13の厚みの
分だけ外径が増大するため、なるべく外径の増大をなく
すため封止部材11の円筒部13の厚みを薄くすること
が要求され、薄くても十分な強度を有するイットリア部
分安定化ジルコニアが望ましい。
【0042】また、セル本体8の一端が挿入される封止
部材用セラミックス成形体の円筒部33の内径は、セル
本体8の外径の1.05から1.25倍であることが望
ましい。これは、円筒部33の内径がセル本体8の1.
05倍より小さい場合には、封止部材11に歪みによる
われが生じやすく、また、1.25倍より大きい場合に
は、封止部材11とセル本体8の間に隙間が生じ、封止
できなくなる場合があるからである。また、封止部材1
1を単独で焼結させた場合の円筒部13の内径は、セル
本体8の外径よりも小さくなるように、封止部材用成形
体31の寸法、材料などが決定されている。
【0043】この後、図2に示すように、セル本体8の
一端部を封止部材用成形体31の円筒部33に挿入し、
大気などの酸化雰囲気中、1300〜1600℃の温度
で1〜5時間程度焼成し、図1に示したように、セル本
体8の一端部に、ガスシール層9を介して封止部材11
を嵌着し、本発明の固体電解質型燃料電池セルを得る。
焼成時のセル本体の姿勢は横倒しの安定な姿勢をとらせ
ることができる。
【0044】封止部材用セラミックス成形体の焼成温度
は、特に1350〜1500℃の範囲で行うことが望ま
しい。即ち、セル本体8の焼結後に改めて封止部材11
を焼結させるため、ガスシール層9や封止部材11の焼
結温度はセル本体18の焼結温度以下であることが要求
される。例えばLaCrO3 系材料を用いた燃料電池セ
ルなどは1500℃程度で焼結されるが、イットリア部
分安定化ジルコニアはそれ以下の1400℃で焼結させ
ることができるため、封止部材11やガスシール層9と
してイットリア部分安定化ジルコニアが望ましい。
【0045】封止部材11の円筒部13の内側面とガス
シール層9とは焼成時に一体化し、さらにガスシール層
9とセル本体8一端部の外周面とも焼成時に一体化し、
これにより、封止部材11の円筒部13の内側面がガス
シール層9を介してセル本体8の一端部外周面に接合さ
れることになる。また、封止部材8の基底部14の内底
面とセル本体8の断面が焼成時に一体化することによ
り、封止部材11とセル本体8が強固に固定されること
になる。ガスシール層9、緻密質セラミックスからなる
封止部材11は、ガスリークを防止することができれば
よく、特に開気孔率5%以下であることが望ましい。
【0046】尚、本発明では、燃料極スラリーを、空気
極、固体電解質、集電体を有するセル本体に塗布した
後、セル本体を封止部材用成形体の円筒部に挿入し、燃
料極塗布膜と同時に前記封止部材用成形体を焼成し、燃
料極を固体電解質表面に焼き付けてもよい。この場合に
は、燃料極のみを焼き付けるための前処理行程を省略で
きる。
【0047】
【実施例】円筒形の固体電解質型燃料電池セルを共焼結
により作製するため、まず円筒状空気極成形体を以下の
ようにして作製した。市販の純度99.9%以上のLa
23 、CaCO3 、Mn2 3 を出発原料として、こ
れをLa0.8 Ca0.2 MnO3 の組成になるように秤量
混合した後、1500℃で3時間仮焼し粉砕して平均粒
径が5μmの固溶体粉末を得た。また、この固溶体粉末
にバインダーを添加し、押し出し成型法で円筒状の空気
極成形体を作製した。前記空気極成形体は、乾燥後12
50℃で10時間脱バインダー・仮焼することにより円
筒状の空気極仮焼体を作製した。
【0048】次に、共沈法により得られたY2 3 を8
mol%の割合で含有する平均粒径が1μmのZrO2
粉末に、トルエンとバインダーを添加してスラリーを調
整し、ドクターブレード法により厚み130μmの固体
電解質シートを作製した。
【0049】次に、市販の純度99.9%以上のLa2
3 、Cr2 3 、MgOを出発原料として、これをL
a(Mg0.3 Cr0.7 0.973 の組成になるように秤
量混合した後、1500℃で3時間仮焼し粉砕して、平
均粒径が2μmの固溶体粉末を得た。次に、この固溶体
粉末にトルエンとバインダーを添加してスラリーを調整
し、ドクターブレード法により厚み130μmの集電体
シートを作製した。
【0050】前記円筒状空気極仮焼体に前記固体電解質
シートをロール状に巻き付け、1100℃で3時間の仮
焼を行った。仮焼後、集電体シートの積層箇所となる固
体電解質の表面を平面研磨し、露出した空気極仮焼体ま
で表面上を平面研磨し、前記集電体シートを所定箇所に
帯状に巻き付けた。その後、大気中1500℃で6時間
の条件で共焼結を試みた。
【0051】共焼結後、NiO粉末にZrO2 (10m
ol%Y2 3 含有)粉末を重量比80:20の割合で
混合した混合粉末に水を溶媒として加えて燃料極スラリ
ーを調整し、厚み50μmの燃料極スラリーを積層焼結
体表面に塗布乾燥し、外径約15mm、厚み2mmのセ
ル本体を作製した。
【0052】次に、Y2 3 を3mol%の割合でそれ
ぞれ含有する平均粒径が1μmのZrO2 粉末に水を溶
媒として加えてスラリーを調整し、このスラリーにセル
本体の一端部を浸潰し、ディッピング法により、厚み1
00μmのセラミックススラリーをセルの片端部の外周
面に塗布し、120℃で1時間乾燥した。
【0053】次に、封止部材としてのキャップ形状の成
形体を作製する。まず、前記スラリー組成と同じ組成で
ある、Y2 3 を3mol%の割合でそれぞれ含有する
平均粒径が1μmのZrO2 系の粉末を用いて静水圧成
形(ラバープレス)を行いキャップ形状に切削加工し
た。その後、前記スラリーを被覆した前記セル片端部を
封止部材用成形体に挿入した。
【0054】セル本体の外周面と当接し、セル本体を締
め付ける封止部材用成形体の円筒部の肉厚tを0.7m
mに設定した。
【0055】その後、大気中で1400℃で2時間の焼
成を行うことにより、燃料極層を形成するとともに、セ
ル本体の一端部外周面にガスシール層を介してキャップ
形状成形の封止部材を嵌合した。封止部材の全長を
1 、円筒部の深さをL2 、基底部の外径をD1 、円筒
部の外径をD2 、円筒部の内径をD3 とした時のD1
2 、L2 /L1 、L2 /D3 の値を表1に示す。
【0056】そして、封止を行わなかった側のセル本体
の開口端から、外気圧に対しセル本体内部の内気圧を外
気圧よりも+1kgf/cm2 高くなるようにAirを
加圧して注入し、これを水没させ、気泡の発生の有無に
より、リークの有無を判断した。
【0057】また、この試料をAir雰囲気1000℃
の高温下に放置し、途中100時間、500時間、10
00時間経過時点で常温まで冷却して取り出し、封止を
行わなかった側の開口端から、外気圧に対しセル本体内
部の内気圧を外気圧よりも+1kgf/cm2 高くなる
ようにAirを加圧して注入し、これを水没させ、気泡
の発生の有無により、リークの有無を判断した(高温負
荷試験)。さらに、Air雰囲気下で、常温から昇温速
度200℃/hで1000℃まで加熱し、そのまま1時
間放置し、その後降温速度200℃/hで1000℃か
ら常温まで冷却し、1時間放置する行程を10サイクル
繰り返した後、上記と同様にしてリークの有無を判断し
た。
【0058】さらに、セル内部をAir雰囲気とし、セ
ル外部をH2 雰囲気として、1000℃で1時間放置し
て還元処理試験を行い、上記と同様にしてリークの有無
を判断した。これらの結果を表1に記載した。
【0059】
【表1】
【0060】この表1より、本発明の試料では、焼結収
縮における応力による破損を防止でき、高温負荷試験、
サイクル負荷試験、還元処理試験においてリークがな
く、また破損もないことが判る。
【0061】一方、L2 /L1 が0.3より小さい場合
や、L2 /D3 が0.3より小さい場合、封止部材が還
元処理試験において破損した。詳細には、封止部材が破
損して円筒部をセル本体に残して基底部がはずれてしま
った。同様の試料を再作製し、各負荷試験を実施する前
に封止部材の内底面とセル本体の断面の界面を観察した
ところ、隙間がみられた。これらは、円筒部の深さが十
分でなかったために、入炉から焼結までの課程で封止部
材がずれやすくなっていたために、封止部材の基底部の
内底面とセル本体の先端面の反応による固着が不十分に
なったためと考えられる。
【0062】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
セル本体の一端の封止を容易かつ確実に行うことができ
るとともに、発電用セル本体を炉内にセットする前に封
止状態を確認することができ、発電の際のガスシール性
が十分に保証され、長期的に安定したセル性能を維持で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の固体電解質型燃料電池セルの断面図で
ある。
【図2】セル本体に封止部材用成形体を挿入した断面図
である。
【図3】固体電解質型燃料電池セルのセル本体を示す斜
視図である。
【符号の説明】
1・・・空気極 2・・・固体電解質 3・・・燃料極 4・・・集電体 8・・・セル本体 9・・・ガスシール層 11・・・封止部材 13・・・円筒部 14・・・基底部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】円筒状の固体電解質の片面に空気極、他面
    に燃料極が形成されるとともに、前記空気極または前記
    燃料極に電気的に接続され、かつ外面に露出する集電体
    を具備する円筒状のセル本体の一端部外周面に、基底部
    と円筒部からなるセラミックス製の封止部材を外嵌して
    なり、該封止部材の全長をL1 、前記円筒部の深さをL
    2 、前記基底部の外径をD1 、前記円筒部の外径を
    2 、前記円筒部の内径をD3 とした時、D1 /D2
    0.78〜0.84、L2 /L1 が0.3〜0.7、L
    2 /D3 が0.3〜0.7の範囲を満足することを特徴
    とする固体電解質型燃料電池セル。
  2. 【請求項2】セル本体の一端部外周面に、セラミックス
    からなるガスシール層を介して封止部材を外嵌してなる
    ことを特徴とする請求項1記載の固体電解質型燃料電池
    セル。
JP23462897A 1997-08-29 1997-08-29 固体電解質型燃料電池セル Expired - Fee Related JP3389469B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23462897A JP3389469B2 (ja) 1997-08-29 1997-08-29 固体電解質型燃料電池セル

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23462897A JP3389469B2 (ja) 1997-08-29 1997-08-29 固体電解質型燃料電池セル

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH1173980A true JPH1173980A (ja) 1999-03-16
JP3389469B2 JP3389469B2 (ja) 2003-03-24

Family

ID=16974023

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP23462897A Expired - Fee Related JP3389469B2 (ja) 1997-08-29 1997-08-29 固体電解質型燃料電池セル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3389469B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005327529A (ja) * 2004-05-13 2005-11-24 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 円筒型燃料電池およびその製造方法
US7566509B2 (en) 2003-11-18 2009-07-28 National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology Tubular fuel cell and method of producing the same

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7566509B2 (en) 2003-11-18 2009-07-28 National Institute Of Advanced Industrial Science And Technology Tubular fuel cell and method of producing the same
JP2005327529A (ja) * 2004-05-13 2005-11-24 National Institute Of Advanced Industrial & Technology 円筒型燃料電池およびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3389469B2 (ja) 2003-03-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100281493B1 (ko) 전극 구조체상에 조밀한 고온의 전기 전도성 상호접속부를 부착하는 방법 및 자기지지형 통기성 전기전도성 전극
JP2706197B2 (ja) セラミック薄膜の形成方法
JP4462727B2 (ja) 固体電解質形燃料電池セル
JP3238086B2 (ja) 固体電解質型燃料電池セル
JP3389469B2 (ja) 固体電解質型燃料電池セル
JP3238087B2 (ja) 固体電解質型燃料電池セル
JP3725997B2 (ja) 固体電解質型燃料電池セルの製造方法
JP2017188437A (ja) 電気化学セル
JP3638489B2 (ja) 固体電解質型燃料電池セル
JPH11283640A (ja) 円筒状固体電解質型燃料電池セル
JP4748863B2 (ja) 固体電解質型燃料電池セルおよび燃料電池
JPH0997621A (ja) 円筒型燃料電池セル
JP3285779B2 (ja) 固体電解質型燃料電池セルおよびその製造方法
JP3281814B2 (ja) 固体電解質型燃料電池セルおよびその製造方法
JP3389468B2 (ja) 固体電解質型燃料電池セル
JP2003036863A (ja) 固体電解質型燃料電池セル及び燃料電池
JPH103932A (ja) 円筒横縞型固体電解質燃料電池
JP4822633B2 (ja) 固体電解質形燃料電池セル及び燃料電池
JP4721487B2 (ja) 固体電解質形燃料電池セルおよび燃料電池
JP3217695B2 (ja) 円筒型燃料電池セル
JP3725994B2 (ja) 固体電解質型燃料電池セル
JP3285856B2 (ja) 固体電解質型燃料電池セル
JP3339995B2 (ja) 円筒型燃料電池セルおよびその製造方法
JP3595215B2 (ja) 固体電解質型燃料電池セル
JPH11111308A (ja) 円筒型燃料電池セル

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090117

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090117

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100117

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110117

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110117

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120117

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120117

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130117

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees