JPH117236A - 持ち方矯正被把持棒および被把持棒の持ち方矯正補助具 - Google Patents

持ち方矯正被把持棒および被把持棒の持ち方矯正補助具

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JPH117236A
JPH117236A JP32482997A JP32482997A JPH117236A JP H117236 A JPH117236 A JP H117236A JP 32482997 A JP32482997 A JP 32482997A JP 32482997 A JP32482997 A JP 32482997A JP H117236 A JPH117236 A JP H117236A
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gripped
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rod
finger
holding
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JP32482997A
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English (en)
Inventor
Aki Takashima
喩 高嶋
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JIDO KAKIKATA KENKYUSHO KK
Original Assignee
JIDO KAKIKATA KENKYUSHO KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ペン・鉛筆などの各種筆記具やスプーン・箸
などといった被把持棒の持ち方を正しい持ち方に矯正す
ることにより、被把持棒の使用の際に身体に悪影響を及
ぼさず、日常的に使用可能で、かつ、使い易くする。 【解決手段】 筆記具などの被把持棒1が把持される被
把持部4に突出部3が形成されるとともに、この突出部
3の被把持棒1における後端側となる部位には、親指を
載置可能とする親指当接面3aが形成されている。この
突出部3の上側面3bと、該上側面3bに連なる被把持
棒1の上側面2aとが、人差指を当接可能とするほぼ平
坦な人差指当接面5として形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ペン・鉛筆などの
各種筆記具やスプーン・箸などといった被把持棒の持ち
方を正しい持ち方に矯正することにより、被把持棒の使
用の際に身体に悪影響を及ぼさず、日常的に使用可能
で、かつ、使い易くすることができる持ち方矯正被把持
棒と、被把持棒に装着することにより上記の効果が得ら
れる被把持棒の持ち方矯正補助具とに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】被把持棒の正しい持ち方、たとえば、鉛
筆の正しい持ち方は、一般に図30に示すような持ち方
が適切とされている。この場合、正しい持ち方の要点、
すなわち、被把持棒を把持するときの要点としては以下
に示すものが挙げられる。 鉛筆を把持する位置(筆記具の把持位置) 鉛筆を把持したときにできる手の形と力の入れ具合 鉛筆を把持したときに鉛筆と紙面とがなす角度(筆記
具の把持角度) なお、上記把持角度とは、紙面に対する筆記具の傾斜角
度である。
【0003】ここで、本発明者が従来から独自に研究を
続けて得られた調査結果によると、幼児・学童の約99
%、さらに、指導者の約90%(専門職を含む)が筆記
具を正しく把持できない状態にある。このような誤った
筆記具の持ち方の原因としては、特に、幼児・学童の場
合、筆記具を把持する位置の誤り、すなわち、上記要点
に問題があることが多い。
【0004】たとえば、鉛筆を正しく把持できない幼児
・学童の約80%は、図31(a)・(b)に示すよう
に、鉛筆の先の削りしろ部を把持している。これは、幼
児・学童が鉛筆を把持する際に、指が小さく指先に力が
ないため、保持し易い、削って細くなった部分を無意識
に把持するからである。
【0005】上記図30に示す正しい持ち方では、筆記
具を動かして筆記を行う際には、人差指および中指が主
導的な働きを担い、親指は、筆記具を支えるための補助
的な働きをすることになる。しかしながら、図31
(a)・(b)に示す誤った持ち方では、親指が主導的
な働きを担うことになる。この結果、筆記具を滑らかに
動かすことが困難となり、文字を上手に書くことができ
なくなる。
【0006】加えて、図31(a)・(b)に示す筆記
具の持ち方では、親指が人差指より前に出てくることに
なる。この場合、人差指自体の位置が正しくても、親指
が人差指の前に出ているため、人差指の第二関節が尖る
ように曲がるとともに、小指と薬指とを握り込んでしま
う。この結果、腕に余計な負担がかかり、筆記の際に身
体に悪影響が及ぼされる。このような悪影響は、肩こり
や目、腰、背柱の疲れ、あるいは、腱鞘炎などの病気を
招来することになる。
【0007】つまり、上記要点の「筆記具の把持位
置」に問題が生じると筆記具の持ち方が誤ったものにな
るが、さらに、要点に問題に伴い要点の「手の形と
力の入れ具合」にも問題が生じる。このため、上手に文
字が書けなくなるとともに、身体にまで悪影響が及ぼさ
れる。さらに、上記要点・に問題が生じれば、要点
の「筆記具の把持角度」にも悪影響が及ぼされること
は明らかである。
【0008】そこで、上記の問題点を考慮した従来の被
把持棒の持ち方練習具(以下、練習具と略記する)とし
ては、特願平6−157568号に示されたものがあ
る。この練習具101は、弾性材料にて形成され、たと
えば、図32(a)・(b)に示すように、筆記具など
の被把持棒を装着するための上下方向に貫通した孔10
2とこの孔102を取り巻く外周部104と孔102の
径方向の外方へ突出する突出部103とを有し、この突
出部103の少なくとも上面には、上記孔102に装着
された被把持棒が把持されたときに親指を載置可能なほ
ぼ平坦な当接面103aが形成されている。
【0009】上記構成によれば、図32(c)に示すよ
うに、上記孔102に被把持棒である、たとえば鉛筆1
06を適当な位置まで差し込んで把持したとき、この孔
102をほぼ円形に取り巻く外周部104に中指と人差
指とを当接することができる。また、上記当接面103
aに親指を載置し、中指と人差指とを上記外周部104
に配することにより、人差指が親指よりも前に位置する
ことになる。
【0010】これによって、被把持棒を把持するときの
手の形が、図30に示すような正しい形に設定される。
このため、使用者は、被把持棒の正しい把持位置を維持
することができる。また、この状態で把持された被把持
棒は、紙面に対して50°〜60°に傾斜した状態とな
り、正しい把持角度を実現することができる。
【0011】同様に、正しい箸の持ち方についても、上
記筆記具の持ち方と基本的には同じことを言うことがで
きる。すなわち、箸を把持した際には、下方の箸(以
下、下方箸とする)がほとんど不動の状態となり、親
指、人差指および中指で支持される上方の箸(以下、上
方箸とする)が動かされることにより操作されるが、こ
のとき、親指は上方箸に軽く当てがわれているだけであ
る。また、上記人差指と中指の自由度が大きく保証され
ており、主に人差指と中指によって上方箸が動かされ
る。このように、正しい箸の持ち方によって、箸を円滑
に操作することができる。
【0012】これに対して、好ましくない箸の持ち方と
して多く見られる例は、下方箸において、親指よりも箸
の先端よりに位置する薬指を正しい位置に置くことがで
きない持ち方である(たとえば、握り箸、交わり箸な
ど)。
【0013】このような問題点を考慮した従来の箸の持
ち方練習具としては実開昭61−176578号公報に
開示されたものなどが知られている。また、上記の問題
点を考慮した持ち方練習箸としては、従来からしつけ箸
と称されるものが知られている。
【0014】さらに、箸の持ち方練習具としては、特開
平9−44078号公報に開示されたものが知られてい
る。この箸の持ち方練習具(以下、単に練習具とする)
は、たとえば、図35(a)・(b)に示すように、下
方箸を装着するための孔204を有する外周部205
と、この外周部205から孔204の径方向の外方へ突
出する突出部206とを有している指案内部材202が
2個からなっている。上記突出部206の上面206a
および下面206bは、いずれもほぼ平坦となるように
形成されている。
【0015】この指案内部材202は、図36に示すよ
うに、箸201のうちの下方箸201bの先後方向に2
個、手のひらの大きさに応じた所定間隔を有して、かつ
互いの突出部206・206がほぼ120°の回転角度
を有して対向するように嵌着自在に取り付けられてい
る。
【0016】このように指案内部材202・202が取
り付けられた箸を把持すると、各突出部206・206
の突出方向に対して親指の付け根付近の指腹部外側、お
よび薬指の先端部付近の指腹部をほぼ直交するように当
接させることができる。そのため、下方箸201bを安
定して把持することができ、下方箸201bを絶えず不
動状態とすることができる。このように下方箸201b
が不動状態となると、上方箸201aを支持するための
親指・中指・人差指の3本の指先を容易に規定すること
ができる。その結果、箸201を正しく把持することが
容易となる。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記筆記具
の正しい持ち方においては、人差指が親指の前に位置し
ているため、人差指が当接する際に、該人差指の指腹部
が筆記具の上側面から若干ずれることになる。これによ
り、人差指の指腹部全体が筆記具の上側面に当接するこ
とができなくなり、筆記具を把持する際に、人差指の当
接状態が不安定になる。
【0018】また、上記特願平6−157568号に示
された練習具101は、図32(c)に示すように、筆
記具などの被把持棒106を孔102に差し込んだ際
に、被把持棒106の上側面に上記外周部104による
段差105が生じる。この段差105の位置は、図33
に示すように、該筆記具を把持する部分において、人差
指が当接する位置に相当する。このため、通常の筆記具
においても不安定となる人差指の当接状態は、上記の段
差105のためにより不安定となる。
【0019】人差指の当接状態がより不安定となると、
筆記具を動かして筆記を行う際に、人差指が主導的な働
きを担うことが困難となる。したがって、上手に文字を
書くことができなくなる。さらに、人差指の位置がより
不安定になれば、同じく外周部104に接する中指の位
置も不安定になるとともに、筆記具に接することのない
小指、薬指の位置にも影響が及ぼされるおそれがある。
【0020】それゆえ、上記練習具101を用いた場
合、使用者は、被把持棒の正しい把持位置をある程度は
維持することが可能となる。しかしながら、筆記具を長
期間使用するなどした場合、正しい把持位置の維持は未
だ不十分であるという問題点を招来している。
【0021】また、上記練習具101などは、筆記具な
どの被把持棒を正しく把持するための練習用のものであ
る。そのため、練習具101を常時、実用的な筆記に使
用することは煩わしく、正しい持ち方が習慣付くまで該
練習具101を継続的に使用することが困難であるとい
う問題点も招来している。
【0022】さらに、被把持棒の正しい持ち方が維持で
きなければ、被把持棒の使用によって、前述したように
腕に余計な負担がかかり、筆記の際に身体に悪影響が及
ぼされるという問題点も招来することになる。
【0023】一方、従来からの箸の持ち方練習具や持ち
方練習箸の多くは、上方箸の自由度が小さくなるなどの
問題点を有しており、正しい箸の持ち方を習得するため
の構造としては不十分である。これに対して、特開平9
−44078号公報に開示された練習具では、上記の問
題点の発生を回避し、正しい箸の持ち方を容易に実現す
ることができる。しかしながら、突出部206により、
親指の付け根付近の指腹部外側を規定するだけでは、親
指を正確な位置に置くには未だ不十分となっているとい
う問題点を有している。
【0024】本発明は上記の問題点に鑑みてなされたも
のであって、その目的は、被把持棒の持ち方を正しい持
ち方に矯正することにより、被把持棒の使用の際に身体
に悪影響を及ぼさず、日常的に使用可能で、かつ、使い
易くすることができる持ち方矯正被把持棒と、被把持棒
に装着することにより上記の効果を得ることができる被
把持棒の持ち方矯正補助具とを提供することにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
持ち方矯正被把持棒は、上記の課題を解決するために、
被把持棒が把持される部位に突出部が形成されるととも
に、上記突出部の被把持棒における後端側となる部位に
は、親指を載置可能とする親指当接面が形成される一
方、上記突出部の上側面と、該突出部の上側面に連なる
被把持棒の上側面とが、人差指を当接可能とするほぼ平
坦な人差指当接面として形成されていることを特徴とし
ている。
【0026】上記の請求項1記載の構成によれば、上記
被把持棒を把持した際に、親指、人差指、中指の3指と
持ち方矯正被把持棒との位置関係は物理的に規定され
る。このとき、上記突出部の上側面と、該突出部の上側
面に連なる被把持棒の上側面とが、ほとんど段差のない
平面状の人差指当接面となっている。すなわち、突出部
の上側面は、被把持棒の上側面の延長面として形成され
る。このため、人差指当接面の面積は、被把持棒の元の
上側面よりも広くなる。それゆえ、上記筆記具の正しい
持ち方において、人差指が親指の前に位置しても、人差
指の指腹部全体が筆記具の上側面に当接することができ
る。このため、従来よりも人差指の当接状態が安定化す
る。
【0027】また、親指は突出部の親指当接面に軽く当
接する状態となっている。このため、被把持棒の正しい
持ち方において補助的な働きをする親指に必要以上の力
がかけられることは回避される。これによって、主導的
な役目をする人差指、中指の働きを自由にすることがで
きる。すなわち、人差指は、被把持棒を安定して上下運
動させることができ、中指は、被把持棒を安定して左右
運動させることができる。
【0028】その結果、基本となる線を書く場合に、各
指に必要以上の力がかけられることなく滑らかに線を書
くことができるため、上手に文字を書くことができる。
また、各指の当接状態が安定していることにより、被把
持棒の正しい持ち方を維持し易くなる。このため、上記
持ち方矯正被把持棒を長時間使用しても腕に余計な負担
がかからなくなり、身体に悪影響が及ぼされることが回
避される。
【0029】さらに、上記構成の持ち方矯正被把持棒
は、被把持棒に予め突出部が形成されているため、従来
のように、被把持棒に持ち方矯正のための練習具を改め
て装着する必要が回避される。このため、把持し易い被
把持棒として、日常的な使用が可能となる。このため、
被把持棒の正しい持ち方の練習のみならず、日常的な使
用によって被把持棒の正しい持ち方が習慣化され身に付
けることができる。
【0030】本発明の請求項2記載の持ち方矯正被把持
棒は、上記の課題を解決するために、上記請求項1記載
の構成に加えて、親指当接面および/または人差指当接
面が、各指の形状に適合した形状に形成されていること
を特徴としている。
【0031】上記の請求項2記載の構成によれば、各指
の当接面が各指の形状に適合した形状となっていること
により、各指がより明確かつ正確に被把持棒に当接され
ることになる。そのため、被把持棒の使用に不慣れな使
用者、たとえば、幼児・学童などにとって、各指を配す
る位置が明確に認識できる。このため、上記使用者にと
ってより把持し易い被把持棒とすることができる。
【0032】本発明の請求項3記載の持ち方矯正被把持
棒は、上記の課題を解決するために、上記請求項1また
は2記載の構成に加えて、上記突出部は、被把持棒が把
持される部位に備えられている着脱可能な緩衝材上に形
成されていることを特徴としている。
【0033】上記の請求項3記載の構成によれば、持ち
方矯正被把持棒から緩衝材ごと突出部を取外すことが可
能となる。そのため、たとえば、突出部が破損した場合
でも緩衝材を取り替えることによって突出部を新しく取
り付けることができる。また、緩衝材として、突出部が
形成されていないものに取り替えることもできる。さら
に、突出部の形状をさまざまなものに取り替えることも
できる。
【0034】本発明の請求項4記載の被把持棒の持ち方
矯正補助具は、上記の課題を解決するために、弾性材料
にて形成され、被把持棒を装着するための先端から後端
へ貫通した孔と、この孔を取り巻く外周部と、この外周
部から上記孔の径の外方へ突出する第1突出部を備えて
おり、上記第1突出部には、被把持棒が把持されたとき
に、該第1突出部の被把持棒における後端側となる部位
に第1当接面が形成され、被把持棒の先端側から見て、
第1突出部を上方に位置した際に、該第1突出部の向か
って左側となる側面と、この側面に連なる上記外周部の
側面とによりほぼ平坦な第2当接面が形成され、さら
に、上記第2当接面の面積は、当接される指の指腹部の
面積にほぼ対応していることを特徴としている。
【0035】上記請求項4記載の構成によれば、上記孔
に被把持棒を適切な位置まで差し込んで把持することに
より、親指、人差指、中指の3指と被把持棒との位置関
係が上記持ち方矯正補助具によって物理的に規定され
る。このため、突出部の形成されていない通常の被把持
棒においても、上記請求項1記載の持ち方矯正被把持棒
と同様の効果を得ることができる。
【0036】また、上記持ち方矯正補助具は、様々な被
把持棒に装着することが可能であり、特に、鉛筆など、
使用するにつれてその長さが変化するような被把持棒に
対しても好適に用いることができる。
【0037】さらに、上記持ち方矯正補助具は被把持棒
において、その位置を適宜変化させることができるた
め、被把持棒を同じ部位で使用することが回避される。
その結果、たとえば、ボールペンにおいて、ボールの受
皿部が同一の部位のみ摩耗することを抑制できるなどと
いった、被把持棒の使用に伴う特定の部位のみの摩耗を
抑制することができる。
【0038】本発明の請求項5記載の被把持棒の持ち方
矯正補助具は、上記の課題を解決するために、上記請求
項4記載の構成に加えて、さらに、上記外周部から上記
孔の径の外方へ突出する第2突出部を備えており、被把
持棒の先端側から見て、第1突出部を上方に位置した際
に、該第1突出部の向かって右側となる側面と、この側
面に連なる上記外周部の側面と、該外周部の側面に連な
る上記第2突出部における側面とにより、上記第1当接
面よりも広い面積を有している第3当接面が形成され、
上記第2突出部における上記側面と対向する側の側面
と、この側面に連なる上記外周部の側面により第4当接
面が形成され、上記第2突出部の被把持棒における後端
側となる部位に第5当接面が形成され、上記第2突出部
の被把持棒における先端側となる部位に第6当接面が形
成されていることを特徴としている。
【0039】上記の請求項5記載の構成によれば、上記
持ち方矯正補助具は2つの突出部を有しているため、上
記のように第1ないし第6当接面を有している。そのた
め、上記各当接面に適宜、各指を載置または当接させる
ことにより、被把持棒の種類に応じた正しい持ち方とす
ることができる。それゆえ、様々な被把持棒に装着する
ことが可能となり、汎用性を向上させることができる。
したがって、筆記具だけでなく、該筆記具とは持ち方が
異なるような、たとえば箸などの被把持棒に対しても好
適に用いることができる。
【0040】本発明の請求項6記載の被把持棒の持ち方
矯正補助具は、上記の課題を解決するために、上記請求
項5記載の構成に加えて、上記第1突出部と第2突出部
とによって形成される角度は、90°以上180°以下
となる範囲内であることを特徴としている。
【0041】上記請求項6記載の構成によれば、第1突
出部と第2突出部とによって形成される角度が上記の範
囲内であれば、各突出部に形成されている当接面に各指
を適宜当接させることによって、正しい持ち方をより一
層容易に実現することができる。しかも、上記の構成で
は、持ち方矯正補助具の装着方向を変化させることによ
って、該持ち方矯正補助具の使用者が右利きの場合だけ
でなく、左利きの場合であっても好適に用いることがで
きる。
【0042】本発明の請求項7記載の被把持棒の持ち方
矯正補助具は、上記の課題を解決するために、上記請求
項5または6記載の構成に加えて、上記第1当接面と第
6当接面との間の間隔は、親指の付け根と人差指の付け
根との間から中指の付け根と薬指の付け根との間までの
距離の半分よりも大きく、かつ、親指の付け根と人差指
の付け根との間から薬指の付け根までの距離の半分より
も小さい距離となっていることを特徴としている。
【0043】上記請求項7記載の構成によれば、幼児、
学童あるいは大人などの手のひらの大きさは千差万別で
あるが、持ち方矯正補助具の上記第1当接面と第6当接
面との間の間隔を上記所定の距離に設定して形成するこ
とによって、使用者の手のひらの大きさに対応した持ち
方矯正補助具を得ることができる。そのため、より一層
被把持棒を正しい持ち方で把持することができる。
【0044】また、上記持ち方矯正補助具における被把
持棒に平行となる方向の長さを短くするものを用いるこ
とによって、該持ち方矯正補助具を、被把持棒の把持部
における先端側と後端側とに2個装着して、第1当接面
と第6当接面との間の間隔を適宜変化させることが可能
である。このとき、上記各当接面の間隔を、上記所定の
距離に設定することによって、使用者の手のひらの大き
さに対応した持ち方矯正補助具とすることがより容易と
なり、該持ち方矯正補助具の汎用性を向上させることが
できる。
【0045】本発明の請求項8記載の被把持棒の持ち方
矯正補助具は、上記の課題を解決するために、上記請求
項5または6記載の構成に加えて、上記外周部、第1突
出部および第2突出部には、被把持棒に平行となる方向
に直交する方向に、溝状の印が一定の間隔で形成されて
いることを特徴としている。
【0046】上記請求項8記載の構成によれば、被把持
棒の使用者の手のひらの大きさに応じて、上記持ち方矯
正補助具を適当な長さに切断することが可能となる。そ
のため、上記持ち方矯正補助具の汎用性をより向上させ
ることができる。
【0047】本発明の請求項9記載の持ち方矯正被把持
棒は、上記の課題を解決するために、被把持棒の把持さ
れる部位に第1突出部および第2突出部が形成されると
ともに、上記第1突出部の被把持棒における後端側とな
る部位に第1当接面が形成され、上記第2突出部の被把
持棒における後端側となる部位に第2当接面が形成され
ている一方、上記第2突出部の被把持棒の先端側となる
部位に、第3当接面が形成されていることを特徴として
いる。
【0048】上記の請求項9記載の構成によれば、上記
被把持棒を把持した際に、親指、人差指、中指の3指と
持ち方矯正被把持棒との位置関係は物理的に規定され
る。このため、特に、上記被把持棒が箸である場合に
は、正しい持ち方で使用することがより容易にできると
ともに、この持ち方を習得することによって、容易に正
しい箸の持ち方を身に付けることができる。
【0049】本発明の請求項10記載の持ち方矯正被把
持棒は、上記の課題を解決するために、上記請求項9記
載の構成に加えて、上記第1突出部と第2突出部とによ
って形成される角度は、90°以上180°以下となる
範囲内であることを特徴としている。
【0050】上記請求項10記載の構成によれば、第1
突出部と第2突出部とによって形成される角度が上記の
範囲内であれば、各突出部に形成されている当接面に各
指を適宜当接させることによって、正しい持ち方をより
一層容易に実現することができる。しかも、上記の構成
では、持ち方矯正被把持棒の使用方向を変化させること
によって、該持ち方矯正補助具の使用者が右利きの場合
だけでなく、左利きの場合であっても好適に用いること
ができる。
【0051】
【発明の実施の形態】
〔実施の形態1〕本発明の実施の一形態について、図1
ないし図6に基づいて説明すれば、以下の通りである。
なお、これによって本発明が限定されるものではない。
本実施の形態の筆記具は、親指の位置がわかる突出部を
この筆記具を把持する部分(以下、被把持部とする)に
設けるとともに、人差指を被把持部に当接し易くするこ
とにより、特に練習具を使用しなくても正しい持ち方が
理解でき、かつ、習慣化できるものである。
【0052】本実施の形態の持ち方矯正被把持棒として
の筆記具1は、図1(a)に示すように、被把持棒であ
る筆記具本体としてのボールペン2において、被把持部
4に突出部3が形成されている。この突出部3は、図1
(b)に示すように、たとえば、ボールペン2が六角形
状の横断面を有しているとすると、六角形の1つの辺で
ある該ボールペン2の上側面2aと突出部3の上側面3
bとが人差指当接面5を形成するようになっている。
【0053】上記突出部3は、予めボールペン2に形成
されている。この突出部3は、ゴム・軟質ウレタン・コ
ルクなどの弾性材料からなっていることが好ましいが特
に限定されるものではない。たとえば、突出部3の材料
としては、ボールペン2の本体に用いられている材料と
同様のものを用いても構わない。つまり、筆記具1を持
ったときに被把持部4の違和感が大きいため、該筆記具
1が持ち難くなることが回避されればよい。
【0054】この突出部3のボールペン2における後端
側となる部位には、親指を載置可能とする親指当接面3
aが形成されている。この親指当接面3aの形状は特に
限定されるものではないが、たとえば、図1(a)に示
すように、当接される親指の形状に適合した凹面の形状
となっていることが好ましい。
【0055】また、上記突出部3の上側面3bと、該上
側面3bに連なるボールペン2の上側面2aとが、その
上部に人差指を当接可能とするほぼ平坦な人差指当接面
5として形成されている。この人差指当接面5は、元の
ボールペン2の上側面2aと比較して、上記上側面3b
と連なって1つの面状となっているため、より広くなっ
ており、これによって、人差指先端のほぼ指腹部全体が
当接し得るようになっている。
【0056】上記筆記具1の使用方法について以下に説
明する。この筆記具1を把持する場合には、図2に示す
ように、人差指先端の中指側の指腹部を人差指当接面5
に当接し、中指第1関節部付近の人差指側の側腹部とを
ボールペン2の横側面に当接する。さらに、親指第1関
節部を親指当接面3aに載置する。
【0057】これによって、親指、人差指、中指の3指
と筆記具1との位置関係が物理的に規定される。したが
って、筆記具1の「正しい把持位置」が決定され、「把
持したときの手の形」および「適切な把持角度」が設定
される。
【0058】このとき、図2に示す各指の配置では、特
に、親指は突出部3の親指当接面3aに軽く接するだけ
の状態となる。つまり、突出部3は、親指のすべり止め
として機能する。このため、親指に必要以上の力がかけ
られることは回避される。たとえば、図31(a)・
(b)に示すような誤った持ち方における力の配分を1
0とするとならば、本発明の上記筆記具1では、約半分
の5程度の力の配分で筆記することができる。これによ
って、筆記具1の「力の入れ具合」が適度なものとな
る。すなわち、親指は筆記具1を支えるための補助的な
働きをすることになる。
【0059】一方、被把持棒の正しい持ち方では、人差
指が親指の前に位置することから人差指先端が筆記具の
上側面から若干ずれることになる。このため、従来の筆
記具では人差指の当接状態が不安定となっていた。これ
に対して、本実施の形態の筆記具1では、突出部3の上
側面3bと、該上側面3bに連なるボールペン2の上側
面2aとが、ほとんど段差のない平面状の人差指当接面
5となっている。すなわち、突出部3の上側面3bは、
ボールペン2の上側面2aの延長面として形成される。
それゆえ、人差指当接面5は上記のようにもとのボール
ペン2の上側面2aよりも広くなっている。このため、
筆記具1を把持した際に人差指が親指の前に位置して
も、人差指の指腹部が全て人差指当接面5に当接するこ
とができる。この結果、筆記具1に対する人差指の当接
状態が安定化する。
【0060】したがって、筆記具1を上下に動かすため
の人差指の運動を安定して行うことが可能となる。さら
に、親指および人差指の位置が安定化することによっ
て、筆記具1に対する中指の当接も安定化する。このた
め、筆記具1を左右に動かすための中指の運動も安定し
て行うことが可能となる。
【0061】その結果、上記筆記具1を使用すると、基
本となる線を書く場合に、各指に必要以上の力がかけら
れることが回避され、滑らかに線を書くことができる。
したがって、筆記の際に上手に文字を書くことができ
る。また、各指の当接状態が安定していることにより、
被把持棒の正しい持ち方が維持し易くなる。このため、
上記筆記具1を長時間使用しても腕に余計な負担がかか
らなくなり、身体に悪影響が及ぼされることを回避でき
る。
【0062】また、本実施の形態の持ち方矯正被把持棒
は、前記のように、突出部3が被把持棒であるたとえば
ボールペン2に予め形成されている。このため、従来の
被把持棒の持ち方矯正練習具(以下、練習具とする)と
比較した場合、練習具を装着するなどの煩わしさが回避
される。それゆえ、使用者は、筆記具1を筆記具の正し
い持ち方の練習用として使用するのみならず、把持し易
い筆記具として日常的に使用することができる。さら
に、上記筆記具1を日常的に使用することによって、筆
記具の正しい持ち方が習慣化され身に付けることができ
る。
【0063】加えて、突出部3が弾性材料により形成さ
れていれば、親指および人差指を配したときの感触に違
和感が少なくなる。
【0064】上述したような、筆記具の正しい持ち方を
まとめると、次のようになる。 1.親指は、人差指、中指の働きを補助して筆記具を支
え、かつ、人差指、中指の運動を妨げることなく自由性
を保障するために用いられる。 2.人差指は、上から下方向に書く線(曲線、直線およ
び異方向線)を書く場合に用いられる。 3.中指は、下から上方向に書く線(曲線、直線および
異方向線)を書く場合に用いられる。
【0065】つまり、筆記具を正しく把持して筆記を行
うときは、親指、人差指、中指の3指の働きの分担はそ
れぞれ異なっている。なかでも、親指および人差指の被
把持棒に対する位置関係が重要となる。それゆえ、この
2本の指の位置関係が残りの指に影響を与えることにな
る。
【0066】これに対して、本実施の形態では、親指の
位置を変える、すなわち、補助的な働きをする親指の指
先が当接する部分を規定することにより、主導的な役目
をする人差指、中指の働きを自由にすることができる。
これによって、5本の指の関節15カ所と手首とを含め
た関節を自由自在に動かすことができる。このような手
の状態は、文字を書くときの正しい手の動きが行える状
態である。
【0067】さらに、このとき、人差指の当接する人差
指当接面5が元の筆記具よりも広い面積を有しているた
め、人差指の当接状態が安定化し、人差指をより自由に
動かすことができる。
【0068】なお、上記突出部3の形状は、親指が当接
できる、上記親指当接面3aに相当する部分が形成さ
れ、かつ、人差指当接面5となるほぼ段差のない平面が
形成されていれば特に限定されるものではない。しかし
ながら、筆記具の使用者として幼児・学童を想定する場
合は、図2に示すように、親指の形状に適合した凹状の
形状を有する親指当接面3aが形成されていることが好
ましい。
【0069】つまり、幼児・学童は筆記具などの被把持
棒の使用に不慣れなことが多い。そのため、筆記具を把
持する際に、親指や人差指を配する位置を明確にするこ
とによって、幼児・学童は各指の配置をより正確に行う
ことができる。したがって、幼児・学童にとってより把
持し易い筆記具とすることができる。
【0070】本実施の形態の持ち方矯正被把持棒の他の
例としては、図3(a)に示すように、被把持棒である
筆記具本体としてのボールペン2に代えて、シャープペ
ンシル12を用いた筆記具11であってもよい。このと
き、上記突出部3に相当する突出部13は、筆記具11
の被把持部4に備えられている着脱可能な緩衝材6上に
形成されている。つまり、緩衝材6は、親指や人差指を
筆記具11の被把持部4に当接させた際に、各指と被把
持部4との当接状態を緩和できる材料からなっているも
のである。なお、緩衝材6の詳細については、実施の形
態2において説明する。
【0071】上記突出部13は、前述したように、ゴム
などの弾性材料で形成されていることが好ましいが、上
記緩衝材6と同じ材質で形成されていることがより好ま
しい。加えて、突出部13と緩衝材6とが一体化されて
いてもよい。
【0072】この突出部13のシャープペンシル12に
おける後端側となる部位には、親指を載置可能とする親
指当接面13aが形成されている。この突出部13は、
図3(b)に示すように、緩衝材6の上側面と該突出部
13の上側面とがほぼ平坦な人差指当接面14を形成す
るようになっている。
【0073】従来の筆記具、すなわち、上記突出部13
が設けられていないシャープペンシル12のみの筆記具
では、図34に示すように、親指が人差指の前に出てく
ることになる。この状態では、親指や人差指、中指に強
い力をかけなければシャープペンシル12を把持するこ
とができない。このとき、シャープペンシル12には上
記緩衝材6が設けられているが、各指に強い力がかけら
れているため、緩衝材6によっては、各指のすべりをほ
とんど抑制することはできない。それゆえ、シャープペ
ンシル12を把持するときの力は軽減されず、腕に余計
な負担をかけることになる。
【0074】これに対して本実施の形態の筆記具11に
は、上記緩衝材6に突出部13が設けられている。この
ため、前記図2と同様に、筆記具11を持った使用者
は、突出部13の親指当接面13aに親指を軽く当接
し、かつ、人差指を人差指当接面14に当接するだけ
で、正しい持ち方ができるようになるとともに、筆記の
際に身体に悪影響が及ぼされることを回避できる。しか
も、このように各指を配するだけで、該筆記具11をほ
とんどすべることなく把持することができる。
【0075】さらに、この状態では、上記突出部13に
よって、親指、人差指および中指にかけられる力が適度
なものになる。このため、筆記具11を把持する際に各
指に強い力をかける必要が回避され、従来のシャープペ
ンシル12でほとんど機能しなかったすべり止めとして
の緩衝材6は、人差指および中指に対して、すべり止め
として有効に機能することができる。
【0076】さらに、突出部13は、上述したように、
着脱可能な緩衝材6上に形成されているため、上記筆記
具11から緩衝材6ごと突出部13を取外すことが可能
となる。そのため、たとえば、突出部13が破損して持
ち方矯正被把持棒として機能しなくなったとしても、緩
衝材6を取り替えることによって突出部13を新しく取
り付けることができる。また、緩衝材6として突出部1
3が形成されていないものに取り替えることもできる。
さらに、突出部13の形状を他の形状のものに取り替え
ることもできる。
【0077】本実施の形態の持ち方矯正被把持棒の他の
例としては、図4(a)に示すように、被把持棒である
筆記具本体として毛筆22を用いた筆記具21であって
もよい。
【0078】上記筆記具21には、前記筆記具1および
筆記具11と同様に、突出部23が形成され、該突出部
23の毛筆22における後端側となる部位には、親指を
載置可能とする親指当接面23aが形成されている。こ
の突出部23は、図4(b)に示すように、毛筆22の
上側面と突出部23の上側面とがほぼ平坦な人差指当接
面24を形成するようになっている。
【0079】この場合、人差指および中指の当接は、前
記筆記具1または筆記具11の場合と同様であるが、図
5に示すように、親指は、毛筆22に対して直交するよ
うに突出部23の親指当接面23aに当接される。この
状態で把持された毛筆22は、紙面に対して70°〜8
0°に傾斜した状態で筆記を行うことになる。これによ
って、正しい持ち方で毛筆を把持することができるとと
もに、筆記の際に身体に悪影響が及ぼされることを回避
できる。
【0080】本実施の形態の持ち方矯正被把持棒の他の
例としては、図6(a)に示すように、被把持棒である
筆記具本体として筆ペン27を用いた筆記具26であっ
てもよい。
【0081】上記筆記具26には、前記各筆記具と同様
に、突出部28が形成され、該突出部28の筆ペン27
における後端側となる部位には、親指を載置可能とする
親指当接面28aが形成されている。この突出部28
は、図6(b)に示すように、筆ペン27の筆ペン外装
部27aにおける上側面と突出部28の上側面とがほぼ
平坦な人差指当接面29を形成するようになっている
が、この筆ペン外装部27aと突出部28とが一体化さ
れていてもよい。
【0082】さらに、人差指当接面29は、人差指が当
接し易いように、人差指の形状に適合したゆるやかな凹
部として形成されていてもよい。加えて、人差指が当接
しない側の突出部28の側面である下側面は、筆ペン外
装部27aの下側面とほぼ平坦な平面を形成する必要は
なく、たとえば、親指当接面28aの面積を広くして、
より親指を当接し易くするために凸部28bが形成され
ていてもよい。また、図示しないが、筆ペン外装部27
aに中指が当接し易くなるような、たとえば、中指の形
状に適合した凹部などが形成されていてもよい。
【0083】つまり、突出部28は、その上側面が、少
なくとも筆ペン27の上側面(すなわち、筆ペン外装部
27aの上側面)とほぼ段差のない平坦な人差指当接面
29を形成するように形成されていればよく、各指が当
接し難くならない限り、その形状および材質は特に限定
されるものではない。また、上記のように、親指、ある
いは中指が当接し易いような構成が付与されていてもよ
い。
【0084】以上のように、本実施の形態の筆記具は、
従来の練習具と比較して、特に人差指が当接し易いもの
となっている。そのため、筆記具を持ったときに、各指
をより正しい位置に配することができ、筆記具をより正
しい持ち方で把持することができる。
【0085】これに加えて、本実施の形態の筆記具は、
日常的な使用が可能となる実用的なものである。そのた
め、筆記具の持ち方の矯正および練習に加えて、通常の
筆記にも使用することが可能となり、これによって、筆
記具の正しい持ち方が習慣化する。また、筆記の際に身
体に及ぼされる悪影響のほとんどは、筆記具の持ち方に
誤りがあることに由来するものである。それゆえ、上記
筆記具を使用することによって、筆記作業に伴う疲れ
や、腱鞘炎などの病気の招来が回避できる。
【0086】〔実施の形態2〕本発明の他の実施の形態
について図7ないし図14に基づいて説明すれば、以下
の通りである。なお、これによって本発明が限定される
ものではない。本実施の形態では、上記実施の形態1の
持ち方矯正被把持棒において、被把持棒に直接形成され
ていた突出部が被把持棒から着脱可能とできるような構
成となっている。すなわち、上記突出部は、被把持棒の
持ち方矯正補助具(以下、補助具と略記する)として形
成されており、被把持棒である筆記具とは別体となって
いる。
【0087】本実施の形態の補助具31は、弾性材料に
て形成され、たとえば、図7(a)に示すように、筆記
具としてたとえばボールペン32を装着するための先端
から後端へ貫通した孔34aと、この孔34aを取り巻
く外周部34と、この外周部34から上記孔34aの径
の外方へ突出する突出部(第1突出部)33とを備えて
いる。
【0088】この突出部33の上側面と、該突出部33
の上側面に連なる上記外周部34の上側面とが、図7
(b)に示すように、その上部に人差指を当接可能とす
るほぼ平坦な人差指当接面(第2当接面)35として形
成されている。このとき、人差指当接面35の面積は、
後述するように、少なくとも人差指の指腹部の面積にほ
ぼ対応している必要がある。
【0089】外周部34は、ゴム・軟質ウレタン・コル
クなどの弾性材料にて形成されている。たとえば、上記
外周部34には、すべり止めとしての緩衝材を用いるこ
とができる。また、上記突出部33も外周部34と同様
に、弾性材料により形成されていることが好ましい。さ
らに、上記孔34aは、使用対象として想定される筆記
具、たとえば、図7(a)に示すようなボールペン32
などの径よりもやや小さく形成されている。
【0090】なお、外周部34は、図7(a)・(b)
に示すような円筒状である必要はなく、被把持棒に装着
できるのであれば、たとえば、横断面がC状となった外
周部であってもよい。すなわち、上記の人差指当接面3
5が形成されており、かつ、筆記具に装着可能であるな
らば、その形状は特に限定されるものではない。
【0091】また、この突出部33には、筆記具である
ボールペン32が把持されたときに、突出部33のボー
ルペン32における後端側となる部位に親指を載置可能
とする親指当接面(第1当接面)33aが形成されてい
る。
【0092】上記補助具31は、図8に示すように、ボ
ールペン32が孔34aに差し込まれ、持った際に補助
具31が正しい把持位置となるように装着される。この
とき、補助具31を筆記具に装着した場合、被把持部で
ある補助具31の外周部34の径が元のボールペン32
における被把持部の径と比較して若干大きくなる程度
で、被把持部の軸が太くなりすぎないようになってい
る。
【0093】そして、図9に示すように、人差指先端の
中指側の指腹部を人差指当接面35に当接し、中指第1
関節部付近の人差指側の側腹部とをボールペン32の横
側面に当接する。さらに、親指第1関節部を親指当接面
33aに載置し、ボールペン32を把持する。これによ
って、親指、人差指、中指の3指とボールペン32との
位置関係を物理的に規定して、正しい持ち方でボールペ
ン32を把持することができる。
【0094】つまり、本実施の形態の補助具31は、ボ
ールペン32など通常に用いられている筆記具に装着す
るだけで、前記実施の形態1の持ち方矯正被把持棒と同
一の効果を得ることができる。特に、本実施の形態の補
助具31は、上記のように弾性材料で形成されているた
め、異なる形状、具体的には、横断面が円形、正方形、
あるいは三角形などの各筆記具に対応することができ
る。また、用いる筆記具の径が異なっている場合でも、
所定の範囲内であれば対応することができる。これによ
って、親指および人差指を配したときの感触に違和感が
少なくなる。加えて、外周部34が緩衝材からなってい
れば、補助具31を使用することにより各指にかけられ
る力が適度なものになるため、筆記具を把持する際にす
べり止めの効果を与えることができる。
【0095】また、本実施の形態の補助具31は、被把
持棒においてその位置を適宜変化させることができる。
このため、前記実施の形態1の持ち方矯正被把持棒と比
較して、筆記具を同じ部位で使用することが回避され
る。そのため、筆記具の特定の部位のみが摩耗するよう
な状態、たとえば、ボールペン32などでは、ボールの
受皿部が同一の部位のみ摩耗してインクが出にくくなる
などの問題点が生ずることを抑制することができる。
【0096】ところで、最近の文具市場の傾向として、
把持し易さを特徴とした筆記具の商品化が多くなされて
いる。このような筆記具には、筆記具の被把持部に特別
な構成が付与されている。たとえば、ボールペンなどに
おいて、該ボールペンにおける被把持部の横断面が三角
形の形状にされたり、被把持部にすべり止めの緩衝材が
用いられたり、同じく溝が形成されたり、あるいは、被
把持部の軸が太くされるなどの商品が販売されている。
【0097】上記の各構成は筆記具を把持し易くするた
めのものである。たとえば、緩衝材としてはゴムなどの
弾性材料が用いられており、指の当接状態を緩和する効
果を与える。また、被把持部への溝の形成は、指を当接
した際に指腹部と当接面との摩擦を大きくしてすべり止
めの効果を与える。さらに、被把持部の横断面を三角形
にしたり、被把持部を太くしたりすることは、被把持部
を把持し易くする効果を与える。
【0098】そのため、該構成を有する筆記具は、筆記
の際に力を入れても腕に負担がかからなかったり、筆記
の際にかける力が軽減されるなどの効果が得られると考
えられている。それゆえ、筆記具は把持し易くなり、該
筆記具の使用に伴う疲れや書き難さを解消することがで
きるといわれている。
【0099】このような文具市場の傾向は、前述した筆
記の際に身体に及ぼす悪影響が社会問題化していること
に由来していると考えられる。しかし、身体に及ぼす悪
影響のほとんどは筆記具などの被把持棒の持ち方に誤り
があるためである。このため、筆記具の被把持部に特別
な構成を付与しても、被把持棒の持ち方を正しく矯正し
ない限り、筆記具が把持し易くなることは考えられな
い。したがって、上記のような把持し易いと言われる筆
記具は、人間工学的または医学的見地から考慮しても何
ら根拠のないものである。
【0100】特に、被把持部の軸を太くした筆記具の場
合、この筆記具を把持した際に、被把持部の軸が太すぎ
るため、各指にかけられる力を適宜加減することが困難
となる。このような筆記具は、指先に力のない幼児・学
童などにとっては把持し易いものとなっているが、各指
に適度な力をかけることができる大人にとっては、上記
の筆記具を使用すると逆に筆記の妨げとなってしまうこ
とになる。
【0101】ここで、本実施の形態の補助具31が装着
されたボールペン32などの筆記具は、その被把持部の
径が元の筆記具の被把持部の径よりも若干大きくなって
いる程度である。このため、筆記具の被把持部が太くな
りすぎず、筆記具を把持した際に各指にかけられる力を
適宜加減することが可能になる。このため、ボールペン
32などの筆記具を正しい持ち方で把持することができ
るとともに、より上手に文字を書くことができる。
【0102】加えて、上記補助具31は、外周部34が
緩衝材からなっていれば、より確実な筆記具のすべり止
めとして使用することができる。このため、従来の練習
具などと比較して、単なる筆記具の持ち方の練習だけで
なく、該筆記具を把持したときのすべり止めとしても機
能する、より実用的な被把持棒の持ち方矯正補助具とし
て使用することができる。そのため、上記補助具31を
装着したボールペン32などの筆記具の使用者は、日常
的に使い易い筆記具として該筆記具を使用することがで
きる。さらに、この筆記具を日常的に使用することで、
筆記具の正しい持ち方が習慣化して身に付くことにな
る。
【0103】また、本実施の形態の補助具は、図10
(a)・(b)に示すように、突出部37と外周部38
とが一体化された補助具36であってもよい。突出部3
7には、上記補助具31と同様に、親指当接面(または
第1当接面)37aが形成されている。また、この突出
部37は、図10(b)に示すように、外周部38の上
側面と突出部37の上側面とが、ほぼ段差のない人差指
当接面(または第2当接面)39を形成するようになっ
ている。さらに、外周部38には、筆記具を装着するた
めの孔38aが形成されている。
【0104】このとき、図11(a)に示すように、人
差指当接面39の面積は、当接される人差指の指腹部4
0の面積にほぼ対応している必要がある。具体的には、
上記補助具36において、外周部38の長さは、前記図
7(a)に示した補助具31と比較して短くなっていて
も構わないが、外周部38と突出部37とからなる人差
指当接面39の面積が、斜線の範囲で示した人差指の指
腹部の大部分を覆うようになっていればよい。
【0105】このような広い面積を有する人差指当接面
39であれば、筆記具を正しい持ち方で把持したときに
人差指はより当接し易くなる。このため、親指より前に
位置することによって、人差指の当接が不安定になるこ
とは抑制され、人差指の当接状態がより安定化する。し
たがって、筆記具の正しい持ち方で把持することが行い
易くなる。
【0106】これに対して、従来の練習具101では、
図11(b)に示すように、人差指に当接する外周部1
04は、上記指腹部40のほぼ半分程度の面積しか有し
ていない。このため、図33に示すように、人差指の当
接位置が不安定となる。
【0107】また、本実施の形態の補助具は、図12
(a)・(b)に示すように、突出部42の下側面が突
出して凸部42bを形成している補助具41であっても
よい。すなわち、突出部42と外周部43との上側面に
より形成される人差指当接面(第2当接面)44がほぼ
平面となっていて、突出部42に親指当接面(第1当接
面)42aとなる部分が形成されていれば、その形状は
限定されるものではない。上記凸部42bが形成されて
いることによって、親指当接面42aの面積が広くな
り、より親指を載置し易くなる。
【0108】さらに、図示しないが、上記親指当接面3
3a・37a・42aおよび人差指当接面35・39・
44には、親指または人差指が当接し易いように、各指
の形状に適合したゆるやかな凹部が形成されていてもよ
い。また、図示しないが、補助具31・36・41に中
指が当接し易くなるように、たとえば、中指の形状に適
合した凹部などが形成されていてもよい。
【0109】以上のように、本実施の形態の被把持棒の
持ち方矯正補助具は、通常用いられている筆記具に装着
することによって前記実施の形態1の筆記具と同様の効
果を奏することができる。そのため、一つの補助具で様
々な筆記具を持ち易くすることができるとともに、たと
えば、鉛筆など、使用するにつれてその長さが変化する
ような筆記具に対しても好適に用いることができる。
【0110】さらに、上記補助具は、従来の練習具など
のように、単に、各指の位置を規定するためだけのもの
ではなく、すべり止めとしても機能する。このため、上
記補助具を装着した筆記具の使用者は、筆記具の正しい
持ち方の練習だけでなく、日常的に使用する把持し易い
筆記具として、該筆記具を使用することができる。さら
に、上記筆記具を日常的に使用することによって、筆記
具の正しい持ち方が習慣化して身に付くことになる。
【0111】〔実施の形態3〕本発明の他の実施の形態
について図13ないし図16に基づいて説明すれば、以
下の通りである。なお、これによって本発明が限定され
るものではない。本実施の形態では、前記実施の形態2
における被把持棒の持ち方矯正補助具(補助具)におい
て、各指の位置を規定する突出部が複数設けられている
場合について説明する。
【0112】まず、図13(a)・(b)に示すよう
に、本実施の形態の補助具46は、前記実施の形態2の
補助具31における突出部33に相当する突出部を2つ
備えている。この補助具46は、円筒状の外周部48に
筆記具を差し込むための孔48aと、外周部48から外
側へ突出するように、第1突出部47aおよび第2突出
部47bとを備えている。
【0113】上記第1および第2突出部47a・47b
は、それぞれ外周部48の長手方向に沿うように設けら
れている。これら第1および第2突出部47a・47b
は互いに平行となるように設けられていてもよいが、図
13(a)に示すように、一方の突出部(第1突出部4
7a)が上記長手方向に対して若干傾斜するように形成
されていてもよい。具体的には、図13(b)に示すよ
うに、傾斜している第1突出部47aは、補助具46を
筆記具に装着した際における筆記具の先端側となる端部
が、第2突出部47bに近接するように傾斜している。
【0114】換言すれば、上記第1突出部47aと第2
突出部47bとは、円筒状の外周部48における断面の
円の中心部から放射状に突出しているが、この突出状態
は、完全な放射状となっている必要はなく、適宜、放射
状となる状態からずれていてもよい。また、上記第1突
出部47aと第2突出部47bとによって形成される角
度は90°〜180°範囲内であることが好ましく、1
20°前後であることが特に好ましい。
【0115】ここで、図13(a)・(b)において、
上記補助具46を筆記具に装着した際に、筆記具の先端
側となる側を補助具46の前側とする。これに対して、
筆記具の後端側となる側を補助具46の後側とする。な
お、このような補助具46の前後関係については、図
中、矢印で示している。
【0116】上記第1突出部47aにおける後側の面
は、第1当接面49aとなっている。また、図13
(b)に示すように、補助具46を前側から見た際に、
第1突出部47aを上方に位置した際に、該第1突出部
47aにおける向かって左側となる側面と、この側面に
連なる外周部48の側面とで、第2当接面49bが形成
されている。
【0117】一方、補助具46を前側から見た際に、第
1突出部47aを上方に位置した際に、該第1突出部4
7aにおける向かって右側となる側面と、この側面に連
なる外周部48の側面と、この外周部48の側面に連な
る第2突出部47bの側面とで、第3当接面49cが形
成されている。また、第2突出部47bにおける上記側
面と対向する側の側面と、この側面に隣接する外周部4
8の側面とで、第4当接面49dが形成されている。
【0118】なお、上記第2突出部47bの後側の面に
第5当接面が形成され、この第5当接面とは対向する側
の面、すなわち、第2突出部47bの前側の面には第6
当接面が形成されているが、本実施の形態における筆記
具の把持には関与しないため、図13(a)・(b)で
は省略する。
【0119】筆記具として鉛筆50を用いた場合に、上
記補助具46を使用したとすると、図14(a)・
(b)に示すように、2種類の持ち方で把持することが
できる。まず、図14(a)に示すように、第1の持ち
方としては、補助具46を装着した鉛筆50を把持した
際に、第1当接面49aに親指を当接し、第2当接面4
9bに人差指を当接し、第4当接面49dに中指を当接
している。
【0120】この場合、第1当接面49aに親指を載置
することにより、人差指および中指の位置が、第2当接
面49bおよび第4当接面49dで自然に決定されるこ
とになる。そのため、親指、人差指、中指の3指全ての
位置が、補助具46一つによって、より正確かつ明確に
規定されることになる。このため、該補助具46を装着
した鉛筆50では、該鉛筆50の「正しい把持位置」が
決定され、「把持したときの手の形」および「適切な把
持角度」が設定される。その結果、鉛筆50に対する
「力の入れ具合」が適度なものとなる。
【0121】一方、図14(b)に示すように、第2の
持ち方として、第3当接面49cに親指を載置する方法
がある。このとき、人差指および中指は、図14(b)
では明確に図示していないが、上記第1の持ち方と同様
に、第2当接面49bおよび第4当接面49dに当接し
ている。この把持方法によっても、親指、人差指、中指
の3指全ての位置が補助具46によって決定されること
になる。
【0122】上記第1の持ち方と第2の持ち方とは、補
助具46の使用者の手のひらの大きさによって適宜使い
分けることができる。たとえば、手のひらの大きい人の
場合、補助具46を装着した鉛筆50を把持する場合
に、第2当接面49bに親指を載置すると、補助具46
の長手方向の長さが手のひらの大きさより小さくなっ
て、人差指および中指を当接する第2および第4当接面
49b・49dに自然に各指が当接しないおそれがあ
る。
【0123】しかしながら、第1当接面49aに親指を
載置すると、図14(a)に示すように、補助具46の
長手方向の長さが手のひらの大きさに対応して、人差指
および中指が第2および第4当接面49b・49dに自
然に当接させることができる。
【0124】これに対して、児童など手のひらの小さい
人の場合には、第1当接面49aに親指を当接させる
と、補助具46の長手方向の長さが大きすぎることによ
って、第2および第4当接面49b・49dに当接する
人差指および中指の状態が不自然となるおそれがある。
【0125】一方、第3当接面49cに親指を当接させ
ると、図14(b)に示すように、補助具46を短く把
持することになる。そのため、補助具46の長手方向の
長さが手のひらよりも大きい場合であっても、親指、人
差指、中指の3指全ての位置が補助具46によって決定
することができる。
【0126】しかも、第3当接面49cは、第1当接面
49aよりも広い面積を有しているため、幼児・学童の
ように被把持棒の把持に慣れていない使用者であって
も、親指を載置し易くなる。このため、第3当接面49
cに親指を載置する把持方法は、手のひらが小さくかつ
被把持棒の把持に慣れていない使用者にとって好適な把
持方法となっている。
【0127】このように2つの突出部47a・47bを
有する補助具46では、使用者の手のひらの大きさに対
応して、適宜、把持方法を変えることができる。そのた
め、補助具46を手のひらの大きさに合わせたサイズ毎
に複数種類製造したり、使用者が被把持棒の使用に慣れ
ているか否かに応じて形状を変化させた複数種類を製造
したりする必要がなく、汎用性を向上させることができ
る。
【0128】したがって、上記鉛筆50を使用して筆記
を行う際に、上記補助具46を用いることによって、必
要以上の力がかけられることなく滑らかに文字を書くこ
とができるため、上手な文字を書くことが可能になる。
さらに、上記鉛筆50を長時間使用しても腕に余計な負
担がかからなくなり、身体に悪影響が及ぼされることが
回避される。
【0129】なお、第3当接面により親指をより載置し
易くするために、図15(a)〜(c)に示すように、
第3当接面上に親指の形状にほぼ合致するような、立体
構造が設けられていてもよい。
【0130】たとえば、図15(a)に示すように、補
助具56には、孔58aを備えている外周部58から互
いに平行となるように放射状に突出している第1突出部
57aおよび第2突出部57bを備えており、さらに、
図15(c)に示すように、第1・第2突出部57a・
57bの前側の端部をつなぐように、第3突出部57c
を備えている。同様に、第1・第2突出部57a・57
bの後側の端部をつなぐように、第4突出部57dを備
えている。すなわち、第3・第4突出部57c・57d
は、第1・第2突出部57a・57bに対して直交する
ような方向に設けられている。
【0131】互いに平行となるように設けられている第
1・第2突出部57a・57bと第3・第4突出部57
c・57dとによって、図15(b)に示すように、第
3当接面59c上において、親指の形状にほぼ合致する
ような溝部57eが形成されることになる。ここで、第
1当接面59a、第2当接面59bおよび第4当接面5
9dは、図15(a)〜(c)に示すように、上記補助
具46と同様の位置となるように、第1・第2突出部5
7a・57bによって形成されている。
【0132】このような補助具56の場合では、第3当
接面59cに親指を載置すると、図16に示すように、
溝部57eに親指を沿わせるだけで親指をより載置し易
くなる。それゆえ、幼児・学童などの被把持棒の把持に
慣れていない使用者でも、容易に正しい持ち方で鉛筆5
0(被把持棒)を把持することができる。なお、この補
助具56であっても、第1当接面59aに親指を載置す
る第1の把持方法で使用することが可能である。
【0133】上記のような、補助具46または補助具5
6は、鉛筆50(被把持棒)の把持に必要な3指全ての
位置をより正確かつ明確に規定することができるため、
幼児・学童など筆記具の使用に不慣れな使用者に対して
特に有効である。
【0134】以上のように、本実施の形態の被把持棒の
持ち方矯正補助具は、通常用いられている筆記具に装着
することによって前記実施の形態1の筆記具と同様の効
果を奏することができる。そのため、一つの補助具で様
々な筆記具を持ち易くすることができるとともに、たと
えば、鉛筆など、使用するにつれてその長さが変化する
ような筆記具に対しても好適に用いることができる。
【0135】さらに、上記補助具は、従来の練習具など
のように、単に、各指の位置を規定するためのものでは
なく、すべり止めとしても機能する。このため、上記補
助具を装着した筆記具の使用者は、筆記具の正しい持ち
方の練習だけでなく、日常的に使用する把持し易い筆記
具として、該筆記具を使用することができる。さらに、
上記筆記具を日常的に使用することによって、筆記具の
正しい持ち方が習慣化して身に付くことになる。
【0136】なお、上記補助具の形状は、突出部が備え
られていることにより親指当接面と人差指当接面とに相
当する部分が形成され、かつ、該人差指当接面の面積が
人差指の指腹部の大きさにほぼ対応していれば特に限定
されるものではない。また、その材質や装着状態なども
特に限定されるものではなく、使用する対象となる筆記
具に応じて適宜選択することができる。さらに、突出部
の数も特に限定されるものではなく、補助具を筆記具に
装着したとき、各突出部は、筆記具を把持する際に必要
な3指の位置を全て規定でき、かつ、該筆記具を把持し
た際に使用者が違和感を感じることがなければ3つ以上
形成されていてもよい。
【0137】〔実施の形態4〕本発明のさらに他の実施
の形態について、図17に基づいて説明すれば以下の通
りである。なお、これによって本発明が限定されるもの
ではない。本実施の形態では、前記実施の形態1および
実施の形態2において被把持棒として用いられてきた筆
記具に代えて、被把持棒としてスプーンが用いられてい
る。
【0138】本実施の形態の持ち方矯正被把持棒は、図
17(a)に示すように、被把持棒としてスプーン51
を用い、このスプーン51の柄52が把持される部位に
突出部53が形成されるとともに、この突出部53のス
プーン51における後端側となる部位には、親指を載置
可能とする親指当接面53aが形成されている。
【0139】この突出部53の上側面53bと、該上側
面53bに連なるスプーン51の上側面52aとが、図
17(b)に示すように、その上部に人差指を当接可能
とするほぼ平坦な人差指当接面54として形成されてい
る。
【0140】上記突出部53は弾性材料により形成され
ていることが好ましい。これによって、親指および人差
指を配したときの感触に違和感が少なくなるとともに、
スプーンを把持する際にすべり止めの効果がある。ま
た、上記突出部53は、柄52と同一の材質によって形
成されていてもよい。
【0141】上記スプーン51を使用する際には、人差
指先端の中指側の指腹部を人差指当接面54に当接し、
中指第1関節部付近の人差指側の側腹部とをスプーン5
1の横側面に当接する。さらに、親指第1関節部を親指
当接面53aに載置し、スプーン51を把持する。これ
によって、親指、人差指、中指の3指とスプーン51と
の位置関係を物理的に規定して、正しい持ち方でスプー
ン51を把持することができる。
【0142】このとき、人差指当接面54は、前記実施
の形態1における筆記具1などのように、ほとんど段差
のない平面状であり、かつ、その面積も、もとのスプー
ン51の上側面52aよりも広くなっている。このた
め、人差指の当接状態が安定する。また、親指は突出部
53の親指当接面53aに軽く当接していることによ
り、該親指にも必要以上の力がかけられることはない。
したがって、上記のスプーン51を幼児に把持させ、食
事に日常的に使用させることによって、スプーンの正し
い持ち方が習慣化することになり、また、正しい箸の持
ち方、使い方に移行し易くすることができる。
【0143】なお、図示しないが、通常用いられている
スプーンに対して、前記実施の形態2のような補助具を
装着してもよい。これによっても上記のスプーンと同様
の効果を得ることができる。また、該補助具は、スプー
ンの状態に適応させて、その材質や形状を適宜変化させ
ることができる。
【0144】〔実施の形態5〕本発明のさらに他の実施
の形態について、図18ないし図23に基づいて説明す
れば以下の通りである。なお、これによって本発明が限
定されるものではない。本実施の形態では、前記実施の
形態3における被把持棒の持ち方矯正補助具(以下、補
助具と略記する)において、被把持棒として用いられて
きた筆記具に代えて、被把持棒として箸が用いられてい
る。
【0145】まず、図18(a)〜(c)に示すよう
に、本実施の形態の補助具61は、図13に示す補助具
46と同様に突出部を2つ備えていている。この補助具
61は、円筒状の外周部63に箸を差し込むための孔6
3aと、外周部63から外側へ突出するように、第1突
出部62aおよび第2突出部62bとを備えている。
【0146】上記第1および第2突出部62a・62b
は、それぞれ外周部63の長手方向に沿うように設けら
れている。これら第1および第2突出部62a・62b
は、前記補助具46における突出部47a・47bと同
様に、図18(b)に示すように、第1突出部62aが
上記長手方向に対して若干傾斜するように形成されてい
てもよい。この傾斜している第1突出部62aは、補助
具61を箸に装着した際における箸の先端側となる端部
が、第2突出部62bに近接するように傾斜している。
【0147】換言すれば、上記第1突出部62aと第2
突出部62bとは、円筒状の外周部63における断面の
円の中心部から放射状に突出しているが、この突出状態
は、完全な放射状となっている必要はなく、適宜、放射
状となる状態からずれていてもよい。
【0148】なお、上記第1・第2突出部62a・62
bは、後側から前側に向かって先細りするように形成さ
れていてもよい。さらに、第1・第2突出部62a・6
2bは、外周部63から見て外側へ向かって幅が狭くな
るように形成されていてもよい。このように、第1・第
2突出部62a・62bの形状を適宜変化させることに
よって、補助具61をより使い易くすることができる。
【0149】上記第1突出部62aと第2突出部62b
とによって形成される角度は、前記補助具46と同様に
90°〜180°範囲内であることが好ましく、120
°前後であることが特に好ましい。
【0150】ここで、図18(a)〜(c)において、
前記補助具46と同様に、上記補助具61を箸に装着し
た際に、箸の先端側となる側を補助具61の前側とす
る。これに対して、箸の後端側となる側を補助具61の
後側とする。なお、このような補助具61の前後関係に
ついては、図中、矢印で示している。
【0151】上記第1突出部62aにおける後側の面は
第1当接面64aとなっている。また、上記第2突出部
62bの後側の面に第5当接面64eが形成され、この
第5当接面64eとは対向する側の面、すなわち、第2
突出部62bの前側の面には第6当接面64fが形成さ
れている。
【0152】なお、前記補助具46と同様の位置に第
2、第3および第4当接面が形成されているが、本実施
の形態における箸の把持には関与しないため、図18
(a)〜(c)では省略する。
【0153】上記のように、本実施の形態における箸に
用いられる補助具61は、各指の当接面が異なるだけ
で、前記実施の形態3における筆記具に用いられる補助
具46とほぼ同様の構成となっている。そのため、外周
部63が備えている孔63aの径が、箸の径にも筆記具
の径にも合致するのであれば、前記実施の形態3の各補
助具および本実施の形態の補助具は、箸にも筆記具にも
用いることができる汎用性の高いものとなっている。
【0154】特に、上記外周部が、ゴム、軟質樹脂、ま
たはスポンジなどの弾性材料からなっていれば、孔の径
をある程度変化させることができる。そのため、被把持
棒の径に多少のばらつきがあったり、被把持棒の部位に
よって、その径が変化しているような場合であっても、
充分に対応することができる。また、上記弾性材料で形
成された外周部は、把持した時に使用者にとって違和感
が少ないものとなっている。
【0155】なお、被把持棒として用いられる箸は、先
端部が後端部よりも細くなっていることが多い。そのた
め、上記のように外周部を弾性材料で形成してもよい
が、予め、箸の径の変化に合わせた孔を有する外周部と
してもよい。
【0156】また、本実施の形態の補助具としては、図
18(a)〜(c)に示す補助具61以外に、図19
(a)〜(c)に示す補助具66や、図20(a)〜
(c)に示す補助具71であってもよい。ここで、上記
補助具66や補助具71は、その外周部および箸を差し
込むための孔が箸の形状とほぼ合致するような形状であ
る点が、上記補助具61とは異なっている。
【0157】具体的には、まず、補助具66では、図1
9(a)〜(c)に示すように、外周部68の断面形
状、すなわち孔68aの形状が正三角形状となっている
点が、上記補助具61とは異なっている。この補助具6
6は、断面形状が三角形状の箸に対して好適に用いられ
るものとなっている。
【0158】なお、それ以外の構成は、上記補助具61
と同様であり、第1および第2突出部67a・67b
は、図19(a)・(b)に示す通り、それぞれ外周部
68の長手方向に沿うように、互いに平行となるように
設けられている。また、第1および第2突出部67a・
67bの形状は、上記補助具61と同様に、先細りした
り幅が狭くなるように形成されていてもよい。
【0159】図19(a)〜(c)に示すように、上記
外周部68の断面形状は正三角形状であるため、第1お
よび第2突出部67a・67bによって形成される角度
は、ほぼ120°となっている。上記第1突出部67a
における後側の面は第1当接面69aとなっており、第
2突出部67bにおける後側の面は、第5当接面69e
となっている。また、第2突出部67bにおける前側の
面は、第6当接面69fとなっている。
【0160】一方、補助具71では、図20(a)〜
(c)に示すように、外周部73および孔73aの形状
は上記補助具61と同様であり、その断面形状が円形状
となっている箸に対して好適に用いられるものである。
しかしながら、外周部73および第1・第2突出部72
a・72bの長手方向に直交する方向に一定の間隔Jで
溝状の印(以下、溝状印とする)73bが形成されてい
る点が補助具71とは異なっている。この溝状印73b
は、補助具71を適当な長さに切断するために用いられ
るものである。
【0161】この溝状印73bは、たとえば、上記間隔
Jが5mm〜10mm程度となるように形成されてい
る。このとき、外周部73の厚さKが、たとえば2mm
程度であったとすると、溝状印73bの深さMは、約1
mm弱程度の深さとなるように形成する。また、このと
きの溝状印73bの溝幅Nとしては、約1mm弱程度と
なっている。
【0162】上記溝状印73bの深さMについては、補
助具71を箸に装着したり、取り外したりする際に、溝
状印73bで容易に補助具71が切断されないととも
に、カッターなどで補助具71を切断する際には、切断
のための長さの指標となり得るように形成されている。
【0163】上記のように溝状印73bが形成されてい
れば、被把持棒の使用者の手のひらの大きさに応じて、
補助具71を適当な長さに切断することが可能となる。
しかも、溝状印73bの深さMは、補助具71の使用に
おいて容易に切断されない程度の深さで形成されてい
る。そのため、補助具71の汎用性をより向上させるこ
とが可能となる。なお、上述した溝状印73bの形成に
かかる各条件(間隔Jや深さM、溝幅Nなど)について
は、適宜変更できる設計事項であるため、これに限定さ
れるものではない。
【0164】また、上記補助具61および補助具66と
同様に、第1および第2突出部72a・72bは、図2
0(a)・(b)に示す通り、それぞれ外周部73の長
手方向に沿うように、互いに平行となるように設けられ
ている。さらに、第1および第2突出部72a・72b
の形状は、上記補助具61と同様に、先細りしたり幅が
狭くなるように形成されていてもよい。
【0165】図20(a)〜(c)に示すように、上記
第1突出部72aにおける後側の面は第1当接面74a
となっている。また、上記第2突出部72bの後側の面
に第5当接面74eが形成され、この第5当接面74e
とは対向する側の面、すなわち、第2突出部72bの前
側の面には第6当接面74fが形成されている。
【0166】ここで、第1・第2突出部72a・72b
はその断面がほぼ正方形状となっている。そのため、上
記補助具61や補助具66と比較して、第1・第2突出
部72a・72bにおける各指の当接面は、より広い面
積を有するようになっている。
【0167】また、第1および第2突出部72a・72
bによって形成される角度は、90°〜180°の範囲
内であることが好ましく、ほぼ120°であることが特
に好ましい。本実施の形態の補助具71については、図
20(c)に示すように、突出部72a・72bにより
形成されている角度が約120°となっている。
【0168】上記各補助具(補助具61・66・71)
を使用する際には、図21(a)・(b)および図22
(a)・(b)に示すように、箸60を把持した場合に
下側となる下方箸60bに該補助具を装着する。
【0169】この箸60に対する補助具の取り付けは、
補助具の後側の端部が、箸60の長さのほぼ1/4の位
置となるように取り付けることが好ましい。これは、補
助具の後側の端部には、箸60を把持した際に親指の位
置を決定する第1当接面(第1当接面64a・69a・
74a)が形成されており、親指の位置としてこの位置
が本来的に好ましいためである。
【0170】ここで、上記補助具(補助具61・66・
71)における第1当接面と第6当接面との間の間隔L
は、手のひらの大きさに応じて親指の側腹付け根および
薬指の第1間接の側腹の正しい位置における所定の距離
となっている。
【0171】すなわち、箸60を正しく持つためには、
上記間隔Lが、図23に示すように、親指の付け根と人
差指の付け根との間の点Pから中指の付け根との間の点
Qまでの距離の半分よりも大きく、かつ、親指の付け根
と人差指の付け根との間の点Pから手のひらにおける薬
指の付け根との間の点Rまでの距離の半分よりも小さい
距離となることが好ましい。
【0172】つまり、 PQ/2≦L≦PR/2 となることが好ましい。
【0173】幼児、学童あるいは大人などの手のひらの
大きさは千差万別であるが、上記間隔Lを上述したよう
な所定の距離となるように、外周部の長さ(箸に平行と
なる方向の長さ)を設定することによって、使用者の手
のひらの大きさに対応した持ち方矯正補助具とすること
ができる。そのため、より一層被把持棒を正しい持ち方
で把持することができる。
【0174】従来の補助具である特開平9−44708
号公報に開示されている補助具(指案内部材)202
(図35(a)・(b)および図36に示す)の場合で
は、図23に示す親指の付け根の位置Sと、薬指の指腹
部の位置とを規定するものであった。これに対し、本実
施の形態の補助具(補助具61・66・71)では、突
出部が2つ形成されていることから、親指と人差指との
間の指の股近傍の位置Tをさらに規定することが可能と
なっているため、より正しい箸の持ち方で箸を使用する
ことができる。
【0175】たとえば、補助具66では、図21(a)
に示すように、第1当接面69aによって親指の付け根
の位置Sを規定し、第6当接面69fによって薬指の指
腹部の位置を規定することが可能であることは、従来の
補助具と同様である。これに加えて、補助具66では、
第5当接面79eによって親指と人差指との間の指の股
近傍の位置Tを規定することになる(位置SおよびTは
図示せず)。そのため、親指の位置をより正しく規定す
ることが可能となっている。
【0176】また、図示しない第2当接面に中指を載置
しても構わないため、箸60を把持した際に中指の位置
の規定も可能となる。そのため、手のひら全体におい
て、正しい箸60の持ち方をより正確に規定することが
できる。その結果、中指の自由度を維持しながら、親
指、中指および薬指による下方箸60bの不動状態を維
持しつつ、親指、中指および人差指により上方箸60a
を動かして箸60を良好に操作することができる。
【0177】同様に、図22(a)に示すように、補助
具71の場合でも、第1当接面74aと第5・第6当接
面74e・74fとにより、従来の補助具と比較して、
正しい箸60の持ち方をより正確に規定することができ
る。
【0178】しかも、上記各補助具(補助具61・66
・71)のうち、補助具66および補助具71について
は、図21(b)および図22(b)に示すように、右
手で箸を把持する際だけでなく、左手で箸を把持するこ
とも可能である。
【0179】これは、補助具66および補助具71にお
ける各突出部(突出部67a・67bおよび突出部72
a・72b)がそれぞれ平行となるように形成されてお
り、かつ、各突出部で形成される角度がほぼ120°で
あるためである。
【0180】補助具66について説明すると、図21
(a)に示すように、右手で箸60を持つ場合、すなわ
ち、使用者が右利きの場合では、第1突出部67aにお
ける第1当接面69aによって、上記親指の付け根の位
置Sを規定し(図中□の側)、第2突出部における第5
当接面69eによって、人差指との間の指の股近傍の位
置Tを規定している(図中△の側)。これに対して、左
手で箸60を持つ場合、すなわち、使用者が左利きの場
合、図21(b)に示すように、第5当接面69eが親
指の付け根の位置Sを規定し、第1当接面69aが人差
指との間の指の股近傍の位置Tを規定することになる。
【0181】つまり、左手で箸60を把持する場合に
は、第1当接面69aと第5当接面69eとの役割が逆
転する。一方、薬指の位置を規定する第6当接面69f
は、第2突出部67bに形成されているが(図中△の
側)、図21(b)に示すように、左手で箸60を持つ
場合、第1突出部67aの前側の面が第6当接面69f
の役割を果たすことになる(図中□の側)。
【0182】補助具71についても補助具66と同様で
あり、図22(a)に示すように、右手で箸60を持つ
場合、すなわち、使用者が右利きの場合では、第1当接
面74aによって、上記親指の付け根の位置Sを規定
し、第2突出部における第5当接面74fによって、人
差指との間の指の股近傍の位置Tを規定している。これ
に対して、左手で箸60を持つ場合、すなわち、使用者
が左利きの場合、図22(b)に示すように、第5当接
面74eが親指の付け根の位置Sを規定し、第1当接面
74aが人差指との間の指の股近傍の位置Tを規定する
ことになる。なお、第6当接面74fについても同様で
ある。
【0183】このように、補助具における2つの突出部
がそれぞれ平行となるように形成されており、かつ、各
突出部で形成される角度がほぼ120°であれば、右利
きの使用者だけでなく、左利きの使用者についても好適
に用いることが可能である。そのため、補助具の汎用性
を向上させることができる。さらに、補助具の外周部
が、上記のように弾性材料からなっていれば、箸の形状
に影響されず、右手でも左手でも使用することが可能で
ある。
【0184】なお、補助具61は、第1突出部62aと
第2突出部62bとが互いに平行となっていないため、
使用者が左利きの場合には用いることができない。ただ
し、第1・第2突出部62a・62bが互いに線対称と
なるように傾斜しており、かつ、第1・第2突出部62
a・62bにより形成される角度がほぼ120°となる
場合には、使用者が右利きの場合でも左利きの場合でも
好適に用いることができる。
【0185】〔実施の形態6〕本発明のさらに他の実施
の形態について、図24ないし図27に基づいて説明す
れば以下の通りである。なお、これによって本発明が限
定されるものではない。本実施の形態では、前記実施の
形態5における被把持棒の持ち方矯正補助具(補助具)
において、使用者の手のひらの大きさに対応して各指の
位置を規定できるように、より汎用性を向上させた場合
について説明する。
【0186】前記実施の形態5では、補助具における第
1当接面と第6当接面との間の間隔Lは、親指の付け根
と人差指の付け根との間から中指の付け根と薬指の付け
根との間までの距離の半分よりも大きく、かつ、親指の
付け根と人差指の付け根との間から薬指の付け根までの
距離の半分よりも小さい距離となっている。
【0187】しかしながら、この間隔Lは、前記の補助
具の場合、外周部の長さ(箸に平行となる方向の長さ)
により固定されていることになる。そのため、補助具と
しての汎用性、すなわち、一つの補助具で様々な手のひ
らの大きさの使用者に対応させるには、あまり適してい
ないことになる。
【0188】そこで、上記外周部の長さを前記実施の形
態5の場合よりも短くし、この短くした補助具を2個用
いる。これによって、被把持棒の把持部における先端側
と後端側とに上記2個の補助具を装着して、第1当接面
と第6当接面との間の間隔Lを適宜変化させることが可
能となる。そして、上記各当接面の間隔Lを、上記所定
の距離に設定することによって、使用者の手のひらの大
きさに対応した持ち方矯正補助具とすることがより容易
となり、該持ち方矯正補助具の汎用性を向上させること
ができる。
【0189】なお、前記実施の形態5における各補助具
のほうが、各当接面の位置が安定しているため、本実施
の形態の補助具よりも使用し易いものとなっている。し
かしながら、補助具の汎用性を重視した場合、前記実施
の形態5における各補助具は不十分である。そこで、本
実施の形態における補助具の構成によって、前記補助具
とほぼ同一の効果を得ながら、汎用性を向上させること
ができる。
【0190】まず、図24(a)〜(c)に示すよう
に、本実施の形態の補助具76は、図19に示す補助具
76とほとんど同一の構成を有しているが、外周部78
の長さが、補助具76における外周部78の長さよりも
短くなっている。その代わりに、上記補助具76は2つ
組み合わせて使用することにより、上記補助具76と同
様の効果を得るようになっている。
【0191】上記外周部78の長さは、2個の補助具7
6・76を互いに連続して並べたときに、2個の補助具
76・76全体の長さが、上記所定の間隔Lよりも短く
なるように形成されておれば、特に限定されるものでは
ない。
【0192】この補助具76は、前記補助具66と同様
に、三角形状の断面を有する外周部78に箸を差し込む
ための孔78aと、外周部78から外側へ突出するよう
に、第1突出部77aおよび第2突出部77bとを備え
ている。
【0193】上記第1および第2突出部77a・77b
は、それぞれ箸に平行となる方向に沿うように、互いに
平行となるように設けられている。上記第1突出部77
aと第2突出部77bとによって形成される角度は、前
記補助具66と同様に、外周部78の断面が正三角形状
となっているため、ほぼ120°となっている。
【0194】上記補助具76における各指の当接面につ
いても、前記補助具76と同様である。ただし、この補
助具76・76は、2つ用いることによって、前記補助
具66と同様の効果を奏するものとなっている。そのた
め、一方の補助具76が親指の位置を規定し、他方の補
助具76が薬指の位置を規定するようになっている。な
お、補助具76・76はどちらも同一の形状を有してい
るため、下方箸60bに装着する場合には、どちらが先
端側に位置しても構わない。
【0195】上記各当接面としては、具体的には、図2
4(a)〜(c)に示すように、第1突出部77aの後
側の面が第1当接面79aとなっており、第2突出部7
7bの後側の面が第5当接面79eとなっている。ま
た、第2突出部77bにおける前側の面は、第6当接面
79fとなっている。
【0196】本実施の形態の補助具としては、上記補助
具76に限定されるものではなく、図25(a)〜
(c)に示すように、外周部の断面が円形状となってい
る補助具81や、図26(a)〜(c)に示すように、
突出部の断面がほぼ正方形状となっている補助具86で
あってもよい。なお、これら補助具81・86について
は、上記補助具76とほとんど同一の構成であるため、
その説明を省略する。
【0197】上記補助具76・76を箸60における下
方箸60bに装着すると、図27(a)・(b)に示す
ように、2つの補助具76・76のうち、箸60の後端
側に装着される補助具76は、親指の位置を規定する。
これに対して、箸60の先端側に装着される補助具76
は、中指および薬指の位置を規定する。
【0198】このような各指の規定に関しては、前記実
施の形態5の補助具66と同様であるが、本実施の形態
の補助具76・76では、上記補助具66における外周
部68の長さ、すなわち第1当接面69aと第6当接面
69fとの間の間隔Lを、補助具76・76間の距離を
手のひらの大きさに応じて適宜変化させることによっ
て、設定することができる構成となっている。
【0199】すなわち、前記実施の形態5においては、
たとえば、補助具66では、親指の位置を規定する第1
・第5当接面69a・69eと、薬指の位置を規定する
第6当接面69fとの間の間隔Lは、外周部の長さによ
って決定されている(間隔Lについて図示せず)。しか
しながら、この外周部の長さが使用者の手のひらの大き
さに合致しない場合には、外周部の長さを適宜変化させ
た補助具を数種類製造するか、図20に示すような補助
具71のように、外周部73および第1・第2突出部7
2a・72bに溝状印73bを形成して、使用者が、補
助具71を適当な長さに切断するなどして、上記間隔L
と使用者の手のひらの大きさとを対応させていた。
【0200】これに対して、本実施の形態の補助具76
では、図27(a)に示すように、手のひらの小さい使
用者に対しては、補助具76・76の間の距離Vを小さ
くすることができる。これに対して、図27(b)に示
すように、手のひらの大きい使用者に対しては、補助具
76・76の間の距離Vを大きくすることができる。こ
のように、補助具76・76間の距離Vを変化させるこ
とによって、親指の位置を規定する第1・第5当接面7
9a・79eと、薬指の位置を規定する第6当接面79
fとの間の間隔Lを、使用者の手のひらの大きさに適宜
対応させることができる。
【0201】そのため、前記実施の形態5の各補助具の
ように、上記間隔Lと使用者の手のひらの大きさを合わ
せるために数種類の補助具を製造したり、補助具を適宜
切断したりする必要がなく、使用者の手のひらに最適な
各指の位置の規定を行うことができる。また、本実施の
形態の補助具76・81・86はそれぞれ、右利きの使
用者であっても左利きの使用者であっても好適に用いる
ことができるものであることはいうまでもない。
【0202】なお、特開平9−44078号公報に開示
されている補助具202(図35(a)・(b)に示
す)でも、上記間隔Lを適宜変化させることが可能であ
る。しかしながら、上記補助具202は、突出部が1つ
しか形成されておらず、また外周部の長さが本実施の形
態の補助具と比較して短すぎるので、各指の当接状態を
本実施の形態の補助具76・76のように、より正確に
規定することができない。それゆえ、本実施の形態の補
助具76・76のほうが、従来の補助具よりもより優れ
た補助具であるといえる。
【0203】〔実施の形態7〕本発明のさらに他の実施
の形態について、図28および図29に基づいて説明す
れば、以下の通りである。なお、これによって本発明が
限定されるものではない。本実施の形態の被把持棒は、
前記実施の形態5および6における第1・第2突出部に
相当する突出部を箸に固定した構成を有している。
【0204】具体的には、図28(a)・(b)に示す
ように、被把持棒である箸90における下方箸90bの
被把持部となる位置に、該下方箸90bの断面の中心部
から放射状に突出している4つの突出部91a・91b
および突出部92a・92bが形成されている。
【0205】第1突出部91は、上記突出部91a・9
1bからなっており、第2突出部92は、上記突出部9
2a・92bからなっている。上記突出部91aと突出
部92aの後側の面が、それぞれ第1当接面94aと第
2当接面94e(前記補助具61における第5当接面6
4eに相当)となっている。また、突出部92bの先端
側の面が第3当接面94f(前記補助具61における第
6当節面64fに相当)となっている。なお、上記第1
・第2突出部91・92の形状は、上述したような構造
に限定されるものではない。
【0206】この箸90を把持すると、図29に示すよ
うに、第1・第2当接面94a・94eによって親指の
位置が規定される。一方、第3当接面94fによって薬
指の位置が規定される(各当接面は明示せず)。これに
よって、箸90を把持した際に、上方箸90aおよび下
方箸90bに対して各指が正しい位置に規定され、正し
い持ち方で箸90を把持することができる。
【0207】しかも、従来の持ち方矯正被把持棒として
の箸は、突出部が箸の先端部と後端部にそれぞれ1つし
か形成されていないため、各指の当接状態を本実施の形
態の箸90のように、より正確に規定することができな
い。それゆえ、本実施の形態箸90は従来よりもより正
確に箸の正しい持ち方を規定することができる。
【0208】このように、箸に対して、第1・第2突出
部が固定されていれば、各指の当接をより安定化するこ
とができる。そのため、前記実施の形態5・6の各補助
具と比較した場合に、その汎用性には劣るけれども、特
に、幼児・学童など、被把持棒の使用に不慣れな使用者
にとってより好適なものとなる。
【0209】さらに、小学校などにおいて実施されてい
る学校給食は教育の一環でもあるため、箸の持ち方につ
いても教育がなされることになるが、この学校給食にお
いて、本実施の形態の箸90のような第1・第2突出部
が下方箸に固定されている持ち方矯正被把持棒を用いる
と、より一層、正しい箸の持ち方を身に付け易くするこ
とができる。
【0210】ここで、本実施の形態の箸90は、前記実
施の形態5および6における補助具のように、右利きの
使用者のみならず、左利きの使用者に対しても好適に用
いることができるものとなっている。これは、箸90の
断面が、図28(c)に示すように、正三角形状である
ため、第1突出部91および第2突出部92により形成
される角度がほぼ120°となっているためである。
【0211】なお、箸の断面としては、円形状や六角形
状であれば、上記各突出部により形成される角度を12
0°とすることができるが、箸の断面が正方形状であれ
ば、上記角度を120°とすることができない。そのた
め、右利きの使用者用として製造された箸では、左利き
の使用者には用いることができない。このように、箸の
断面が正方形状である場合は、前記補助具を箸に装着す
ることで、右手でも左手でも使用することが可能とな
る。
【0212】
【発明の効果】本発明の請求項1記載の持ち方矯正被把
持棒は、以上のように、被把持棒が把持される部位に突
出部が形成されるとともに、上記突出部の被把持棒にお
ける後端側となる部位には、親指を載置可能とする親指
当接面が形成される一方、上記突出部の上側面と、該突
出部の上側面に連なる被把持棒の上側面とが、人差指を
当接可能とするほぼ平坦な人差指当接面として形成され
ている構成である。
【0213】それゆえ、上記構成では、上記被把持棒を
把持した際に、親指、人差指、中指の3指と持ち方矯正
被把持棒との位置関係は物理的に規定される。このと
き、人差指当接面の面積は、被把持棒の元の上側面より
も広くなるため、人差指が当接し易くなる。また、親指
は突出部の親指当接面に軽く当接する状態となってい
る。このため、人差指と親指の当接状態が安定化し、被
把持棒を正しく把持することができる。
【0214】その結果、基本となる線を書く場合に、各
指に必要以上の力がかけられることなく滑らかに線を書
くことができるため、上手に文字を書くことができる。
また、上記持ち方矯正被把持棒を長時間使用しても腕に
余計な負担がかからなくなり、身体に悪影響が及ぼされ
ることが回避されるという効果を奏する。
【0215】さらに、上記構成の持ち方矯正被把持棒
は、被把持棒に予め突出部が形成されているため、従来
のように、被把持棒に持ち方矯正のための練習具を改め
て装着する必要が回避される。このため、把持し易い被
把持棒として、日常的な使用が可能となる。このため、
被把持棒の正しい持ち方の練習のみならず、日常的な使
用によって被把持棒の正しい持ち方が習慣化され身に付
けることができるという効果を奏する。
【0216】本発明の請求項2記載の持ち方矯正被把持
棒は、以上のように、上記請求項1記載の構成に加え
て、親指当接面および/または人差指当接面が、各指の
形状に適合した形状に形成されている構成である。
【0217】それゆえ、上記構成では、各指の当接面が
各指の形状に適合した形状となっていることにより、各
指がより明確かつ正確に被把持棒に当接される。そのた
め、被把持棒の使用に不慣れな使用者、たとえば、幼児
・学童などにとって、各指を配する位置が明確に認識で
き、より把持し易い被把持棒とすることができるという
効果を奏する。
【0218】本発明の請求項3記載の持ち方矯正被把持
棒は、以上のように、上記請求項1または2記載の構成
に加えて、上記突出部は、被把持棒が把持される部位に
備えられている着脱可能な緩衝材上に形成されている構
成である。
【0219】それゆえ、上記構成では、持ち方矯正被把
持棒から緩衝材ごと突出部を取外すことが可能となる。
そのため、たとえば、突出部が破損した場合でも緩衝材
を取り替えることによって突出部を新しく取り付けるこ
とができる。また、緩衝材として、突出部が形成されて
いないものに取り替えることもできる。さらに、突出部
の形状をさまざまなものに取り替えることもできるとい
う効果を奏する。
【0220】本発明の請求項4記載の被把持棒の持ち方
矯正補助具は、以上のように、弾性材料にて形成され、
被把持棒を装着するための先端から後端へ貫通した孔
と、この孔を取り巻く外周部と、この外周部から上記孔
の径の外方へ突出する第1突出部を備えており、上記第
1突出部には、被把持棒が把持されたときに、該第1突
出部の被把持棒における後端側となる部位に第1当接面
が形成され、被把持棒の先端側から見て、第1突出部を
上方に位置した際に、該第1突出部の向かって左側とな
る側面と、この側面に連なる上記外周部の側面とにより
ほぼ平坦な第2当接面が形成され、さらに、上記第2当
接面の面積は、当接される指の指腹部の面積にほぼ対応
している構成である。
【0221】それゆえ、上記構成では、上記孔に被把持
棒を適切な位置まで差し込んで把持することにより、親
指、人差指、中指の3指と被把持棒との位置関係が上記
持ち方矯正補助具によって物理的に規定される。このた
め、突出部の形成されていない通常の被把持棒において
も、上記請求項1記載の持ち方矯正被把持棒と同様の効
果を得ることができる。
【0222】また、上記持ち方矯正補助具は、様々な被
把持棒に装着することが可能であり、特に、鉛筆など、
使用するにつれてその長さが変化するような被把持棒に
対しても好適に用いることができる。
【0223】さらに、上記持ち方矯正補助具は被把持棒
において、その位置を適宜変化させることができるた
め、被把持棒を同じ部位で使用することが回避される。
その結果、たとえば、ボールペンにおいて、ボールの受
皿部が同一の部位のみ摩耗することを抑制できるなどと
いった、被把持棒の使用に伴う特定の部位のみの摩耗を
抑制することができるという効果を奏する。
【0224】本発明の請求項5記載の被把持棒の持ち方
矯正補助具は、以上のように、上記請求項4記載の構成
に加えて、さらに、上記外周部から上記孔の径の外方へ
突出する第2突出部を備えており、被把持棒を先端から
見て、第1突出部を上方に位置した際に、該第1突出部
における向かって右側となる側面と、この側面に連なる
上記外周部の側面と、該外周部の側面に連なる上記第2
突出部における側面とにより、上記第1当接面よりも広
い面積を有している第3当接面が形成され、上記第2突
出部における上記側面と対向する側の側面と、この側面
に連なる上記外周部の側面により第4当接面が形成さ
れ、上記第2突出部の被把持棒における後端側となる部
位に第5当接面が形成され、上記第2突出部の被把持棒
における先端側となる部位に第6当接面が形成されてい
る構成である。
【0225】それゆえ、上記構成では、上記持ち方矯正
補助具は2つの突出部を有しているため、上記のように
第1ないし第6当接面を有している。そのため、様々な
被把持棒に装着することが可能となり、汎用性を向上さ
せることができる。したがって、筆記具だけでなく、箸
などの被把持棒に対しても好適に用いることができると
いう効果を奏する。
【0226】本発明の請求項6記載の被把持棒の持ち方
矯正補助具は、以上のように、上記請求項5記載の構成
に加えて、上記第1突出部と第2突出部とによって形成
される角度は、90°以上180°以下となる範囲内で
ある構成である。
【0227】それゆえ、上記構成では、第1突出部と第
2突出部とによって形成される角度が上記の範囲内であ
れば、各突出部に形成されている当接面に各指を適宜当
接させることによって、正しい持ち方をより一層容易に
実現することができる。しかも、上記の構成では、持ち
方矯正補助具の装着方向を変化させることによって、該
持ち方矯正補助具の使用者が右利きの場合だけでなく、
左利きの場合であっても好適に用いることができるとい
う効果を奏する。
【0228】本発明の請求項7記載の被把持棒の持ち方
矯正補助具は、以上のように、上記請求項5または6記
載の構成に加えて、上記第1当接面と第6当接面との間
の間隔は、親指の付け根と人差指の付け根との間から中
指の付け根と薬指の付け根との間までの距離の半分より
も大きく、かつ、親指の付け根と人差指の付け根との間
から薬指の付け根までの距離の半分よりも小さい距離と
なっている構成である。
【0229】それゆえ、上記構成では、使用者の手のひ
らの大きさに対向させた持ち方矯正補助具とすることが
できる。そのため、より一層被把持棒を正しい持ち方で
把持することができる。また、該持ち方矯正補助具の汎
用性を向上させることができる。
【0230】本発明の請求項8記載の被把持棒の持ち方
矯正補助具は、以上のように、上記請求項5または6記
載の構成に加えて、上記外周部、第1突出部および第2
突出部には、被把持棒に平行となる方向に直交する方向
に、溝状の印が一定の間隔で形成されている構成であ
る。
【0231】それゆえ、上記構成では、被把持棒の使用
者の手のひらの大きさに応じて、上記持ち方矯正補助具
を適当な長さに切断することが可能となる。そのため、
上記持ち方矯正補助具の汎用性をより向上させることが
できるという効果を奏する。
【0232】本発明の請求項9記載の持ち方矯正被把持
棒は、以上のように、被把持棒の把持される部位に第1
突出部および第2突出部が形成されるとともに、上記第
1突出部の被把持棒における後端側となる部位に第1当
接面が形成され、上記第2突出部の被把持棒における後
端側となる部位に第2当接面が形成されている一方、上
記第2突出部の被把持棒の先端側となる部位に、第3当
接面が形成されている構成である。
【0233】それゆえ、上記構成では、上記被把持棒を
把持した際に、親指、人差指、中指の3指と持ち方矯正
被把持棒との位置関係は物理的に規定される。このた
め、特に、上記被把持棒が箸である場合には、正しい持
ち方で使用することがより容易にできるとともに、この
持ち方を習得することによって、容易に正しい箸の持ち
方を身に付けることができるという効果を奏する。
【0234】本発明の請求項10記載の持ち方矯正被把
持棒は、以上のように、上記請求項9記載の構成に加え
て、上記第1突出部と第2突出部とによって形成される
角度は、90°以上180°以下となる範囲内である構
成である。
【0235】それゆえ、上記構成では、第1突出部と第
2突出部とによって形成される角度が上記の範囲内であ
れば、各突出部に形成されている当接面に各指を適宜当
接させることによって、正しい持ち方をより一層容易に
実現することができる。しかも、上記の構成では、持ち
方矯正被把持棒の使用方向を変化させることによって、
該持ち方矯正補助具の使用者が右利きの場合だけでな
く、左利きの場合であっても好適に用いることができる
という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明の実施の一形態である持ち方
矯正被把持棒である筆記具を示す説明図であり、(b)
は、(a)に示した筆記具のA−A線矢視断面図であ
る。
【図2】図1に示した筆記具の使用状態を示す説明図で
ある。
【図3】(a)は、持ち方矯正被把持棒の他の例である
筆記具を示す説明図であり、(b)は、(a)に示した
筆記具のB−B線矢視断面図である。
【図4】(a)は、持ち方矯正被把持棒のさらに他の例
である筆記具を示す説明図であり、(b)は、(a)に
示した筆記具のC−C線矢視断面図である。
【図5】図4に示した筆記具の使用状態を示す説明図で
ある。
【図6】(a)は、持ち方矯正被把持棒のさらに他の例
である筆記具を示す説明図であり、(b)は、(a)に
示した筆記具のD−D線矢視断面図である。
【図7】(a)は、本発明の実施の他の形態である被把
持棒の持ち方矯正補助具を示す説明図であり、(b)
は、(a)に示した補助具のE−E線矢視断面図であ
る。
【図8】図7に示した補助具をボールペンに適用した場
合の装着状態を示す説明図である。
【図9】図7に示した補助具をボールペンに適用した場
合の使用状態を示す説明図である。
【図10】(a)は、被把持棒の持ち方矯正補助具の他
の例を示す説明図であり、(b)は、(a)に示した補
助具のF−F線矢視断面図である。
【図11】(a)は、図10に示した被把持棒の持ち方
矯正補助具における人差指当接面と人差指の指腹部との
面積の比較を示す説明図であり、(b)は、従来の把持
棒の持ち方矯正練習具における外周部と人差指の指腹部
との面積の比較を示す説明図である。
【図12】(a)は、被把持棒の持ち方矯正補助具のさ
らに他の例を示す説明図であり、(b)は、(a)に示
した補助具のG−G線矢視断面図である。
【図13】(a)は、被把持棒の持ち方矯正補助具のさ
らに他の例を示す説明図であり、(b)は、(a)に示
した補助具を前側から見た状態を示す説明図である。
【図14】(a)は、図13に示した補助具を鉛筆に適
用した場合の第1の持ち方による使用状態を示す説明図
であり、(b)は、第2の持ち方による使用状態を示す
説明図である。
【図15】(a)・(b)は、図13に示した被把持棒
の持ち方矯正補助具の変形例を示す説明図であり、
(c)は、(a)・(b)に示した補助具を前側から見
た状態を示す説明図である。
【図16】図15(a)〜(c)に示した補助具を鉛筆
に適用した場合の第2の持ち方による使用状態を示す説
明図である。
【図17】(a)は、本発明の実施のさらに他の形態を
示す持ち方矯正被把持棒としてのスプーンを示す説明図
であり、(b)は、(a)に示したスプーンのH−H線
矢視断面図である。
【図18】(a)・(b)は、被把持棒の持ち方矯正補
助具のさらに他の例を示す説明図であり、(c)は、
(a)・(b)に示した補助具を前側から見た状態を示
す説明図である。
【図19】(a)・(b)は、図18に示した被把持棒
の持ち方矯正補助具の変形例を示す説明図であり、
(c)は、(a)・(b)に示した補助具を前側から見
た状態を示す説明図である。
【図20】(a)・(b)は、図18に示した被把持棒
の持ち方矯正補助具の他の変形例を示す説明図であり、
(c)は、(a)・(b)に示した補助具を前側から見
た状態および断面の状態を示す説明図である。
【図21】(a)は、図19に示した補助具を箸に適用
した場合において、箸を右手で把持している際の使用状
態を示す説明図であり、(b)は、上記箸を左手で把持
している際の使用状態を示す説明図である。
【図22】(a)は、図20に示した補助具を箸に適用
した場合において、箸を右手で把持している際の使用状
態を示す説明図であり、(b)は、上記箸を左手で把持
している際の使用状態を示す説明図である。
【図23】図18ないし図20に示した補助具における
第1当接面と第6当接面との間の所定間隔を算出するた
めの説明図である。
【図24】(a)・(b)は、被把持棒の持ち方矯正補
助具のさらに他の例を示す説明図であり、(c)は、
(a)・(b)に示した補助具を前側から見た状態を示
す説明図である。
【図25】(a)・(b)は、図24に示した被把持棒
の持ち方矯正補助具の変形例を示す説明図であり、
(c)は、(a)・(b)に示した補助具を前側から見
た状態を示す説明図である。
【図26】(a)・(b)は、図24に示した被把持棒
の持ち方矯正補助具の変形例を示す説明図であり、
(c)は、(a)・(b)に示した補助具を前側から見
た状態を示す説明図である。
【図27】(a)・(b)は、図24に示した補助具を
箸に適用した場合の使用状態を示す説明図である。
【図28】(a)・(b)は、持ち方矯正被把持棒のさ
らに他の例を示す説明図であり、(c)は、(a)に示
した持ち方矯正被把持棒のW−W線矢視断面図である。
【図29】図28に示した持ち方矯正被把持棒の使用状
態を示す説明図である。
【図30】鉛筆の正しい持ち方を示す説明図である。
【図31】(a)および(b)は、鉛筆の誤った持ち方
を示す説明図である。
【図32】(a)は、従来の被把持棒の持ち方矯正練習
具の正面図であり、(b)は、(a)に示した従来の練
習具の側面図であり、(c)は、(a)および(b)に
示した従来の練習具を鉛筆に適用した場合の装着状態を
示す説明図である。
【図33】図32(a)〜(c)に示した従来の練習具
を鉛筆に適用した場合の使用状態を示す説明図である。
【図34】従来の筆記具の使用状態を示す説明図であ
る。
【図35】(a)は、従来の被把持棒の持ち方矯正練習
具の正面図であり、(b)は、(a)に示した従来の練
習具の側面図である。
【図36】図35(a)・(b)に示した従来の練習具
を箸に適用した場合の使用状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 筆記具(持ち方矯正被把持棒) 2 ボールペン(被把持棒) 3 突出部 3a 親指当接面 4 被把持部 5 人差指当接面 6 緩衝材 31 被把持棒の持ち方矯正補助具(補助具) 32 ボールペン(被把持棒) 33 突出部(第1突出部) 33a 親指当接面(第1当接面) 34 外周部 35 人差指当接面(第2当接面) 40 人差指の指腹部 46 被把持棒の持ち方矯正補助具(補助具) 47a 第1突出部 47b 第2突出部 48 外周部 49a 第1当接面 49b 第2当接面 49c 第3当接面 49d 第4当接面 50 鉛筆(被把持棒) 51 スプーン(持ち方矯正被把持棒) 53 突出部 53a 親指当接面 54 人差指当接面 60 箸(被把持棒) 66 被把持棒の持ち方矯正補助具(補助具) 67a 第1突出部 67b 第2突出部 68 外周部 69a 第1当接面 69e 第5当接面 69f 第6当接面 71 被把持棒の持ち方矯正補助具(補助具) 72a 第1突出部 72b 第2突出部 73 外周部 73b 溝状の印 74a 第1当接面 74e 第5当接面 74f 第6当接面 90 箸(持ち方矯正被把持棒) 91 第1突出部 92 第2突出部

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被把持棒の把持される部位に突出部が形成
    されるとともに、 上記突出部の被把持棒における後端側となる部位には、
    親指を載置可能とする親指当接面が形成される一方、 上記突出部の上側面と、該突出部の上側面に連なる被把
    持棒の上側面とが、人差指を当接可能とするほぼ平坦な
    人差指当接面として形成されていることを特徴とする持
    ち方矯正被把持棒。
  2. 【請求項2】上記親指当接面および/または人差指当接
    面が、各指の形状に適合した形状に形成されていること
    を特徴とする請求項1記載の持ち方矯正被把持棒。
  3. 【請求項3】上記突出部は、被把持棒の把持される部位
    に備えられている着脱可能な緩衝材上に形成されている
    ことを特徴とする請求項1または2記載の持ち方矯正被
    把持棒。
  4. 【請求項4】弾性材料にて形成され、被把持棒を装着す
    るための先端から後端へ貫通した孔と、この孔を取り巻
    く外周部と、この外周部から上記孔の径の外方へ突出す
    る第1突出部を備えており、 上記第1突出部には、被把持棒が把持されたときに、該
    第1突出部の被把持棒における後端側となる部位に第1
    当接面が形成され、 被把持棒の先端側から見て、第1突出部を上方に位置し
    た際に、該第1突出部の向かって左側となる側面と、こ
    の側面に連なる上記外周部の側面とによりほぼ平坦な第
    2当接面が形成され、 さらに、上記第2当接面の面積は、当接される指の指腹
    部の面積にほぼ対応していることを特徴とする被把持棒
    の持ち方矯正補助具。
  5. 【請求項5】さらに、上記外周部から上記孔の径の外方
    へ突出する第2突出部を備えており、 被把持棒の先端側から見て、第1突出部を上方に位置し
    た際に、該第1突出部の向かって右側となる側面と、こ
    の側面に連なる上記外周部の側面と、該外周部の側面に
    連なる上記第2突出部における側面とにより、上記第1
    当接面よりも広い面積を有している第3当接面が形成さ
    れ、 上記第2突出部における上記側面と対向する側の側面
    と、この側面に連なる上記外周部の側面により第4当接
    面が形成され、 上記第2突出部の被把持棒における後端側となる部位に
    第5当接面が形成され、 上記第2突出部の被把持棒における先端側となる部位に
    第6当接面が形成されていることを特徴とする請求項4
    記載の被把持棒の持ち方矯正補助具。
  6. 【請求項6】上記第1突出部と第2突出部とによって形
    成される角度は、90°以上180°以下となる範囲内
    であることを特徴とする請求項5記載の被把持棒の持ち
    方矯正補助具。
  7. 【請求項7】上記第1当接面と第6当接面との間の間隔
    は、親指の付け根と人差指の付け根との間から中指の付
    け根と薬指の付け根との間までの距離の半分よりも大き
    く、かつ、親指の付け根と人差指の付け根との間から薬
    指の付け根までの距離の半分よりも小さい距離となって
    いることを特徴とする請求項5または6記載の被把持棒
    の持ち方矯正補助具。
  8. 【請求項8】上記外周部、第1突出部および第2突出部
    には、被把持棒に平行となる方向に直交する方向に、溝
    状の印が一定の間隔で形成されていることを特徴とする
    請求項5または6記載の被把持棒の持ち方矯正補助具。
  9. 【請求項9】被把持棒の把持される部位に第1突出部お
    よび第2突出部が形成されるとともに、 上記第1突出部の被把持棒における後端側となる部位に
    第1当接面が形成され、 上記第2突出部の被把持棒における後端側となる部位に
    第2当接面が形成されている一方、 上記第2突出部の被把持棒の先端側となる部位に、第3
    当接面が形成されていることを特徴とする持ち方矯正被
    把持棒。
  10. 【請求項10】上記第1突出部と第2突出部とによって
    形成される角度は、90°以上180°以下となる範囲
    内であることを特徴とする請求項9記載の持ち方矯正被
    把持棒。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102273888A (zh) * 2010-12-20 2011-12-14 冯能建 一种旅行笔筷

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