JPH1168150A - 半導体発光素子およびその製造方法 - Google Patents

半導体発光素子およびその製造方法

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JPH1168150A
JPH1168150A JP21654597A JP21654597A JPH1168150A JP H1168150 A JPH1168150 A JP H1168150A JP 21654597 A JP21654597 A JP 21654597A JP 21654597 A JP21654597 A JP 21654597A JP H1168150 A JPH1168150 A JP H1168150A
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light emitting
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cladding layer
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Takanobu Kamakura
倉 孝 信 鎌
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ダブルヘテロ型の発光素子において、クラッ
ド層から活性層への不純物の拡散侵入を効果的に抑制す
ることにより、発光特性の劣化を防ぎ、高輝度且つ長寿
命を有する半導体発光素子およびその製造方法を提供す
ることを目的とする。 【解決手段】 活性層の上下に積層されるクラッド層に
おいて、活性層近傍に、成長中断や、格子定数の調節に
より形成する歪み格子層を導入することにより、クラッ
ド層にドープされた不純物がトラップされ、活性層への
拡散侵入が阻止されて、高輝度且つ長寿命の半導体発光
素子を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体発光素子お
よびその製造方法に関する。より具体的には、本発明
は、従来トレードオフの関係にあった発光輝度とその寿
命とをいずれも改善し、長寿命かつ高輝度を実現できる
半導体発光素子およびその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】半導体発光素子は、コンパクト且つ低消
費電力であり、信頼性に優れるなどの多くの利点を有
し、近年では、高い発光輝度が要求される室内外の表示
板、鉄道/交通信号、車載用灯具などについても広く応
用されている。
【0003】これらの半導体発光素子の基本構成として
は、活性層を上下からクラッド層で挟んだ、いわゆる
「ダブルヘテロ構造」が一般的に採用されている。活性
層及びクラッド層に使用される材料としては、古くから
利用されているGaAs、GaP、AlGaAsに加え
て、最近はlnGaAlP系、lnGaAs系、lnG
aAlN系などの材料が開発され、実用化されている。
活性層とクラッド層とにバンドギャップの異なる材料を
それぞれ用いたダブルヘテロ構造では、活性層に注入さ
れたキャリアが活性層に閉じこめられるために、キャリ
アの再結合の確率が高まり、高い発光輝度が得られる。
【0004】図5は、従来のダブルヘテロ型半導体発光
素子の断面構造を表す概略図である。すなわち、発光素
子100は、n型GaAs基板112上にn型GaAs
バッファ層114、n型lnGaAlP/GaAs光反
射層116、n型InGaAlPクラッド層118、ア
ンドープのInGaAlP活性層120、p型InGa
AlPクラッド層122、p型AlGaAs電流拡散層
124、p型InGaAlP耐湿層126、およびp型
GaAsコンタクト層128を順次積層させた構造を有
する。
【0005】ここで、n型InGaAlP/GaAs光
反射層116は、n型InAlP層とn型GaAs層と
が交互に積層された構成を有し、それぞれの層は、活性
層120で発光した光の波長の1/4n(nは屈折率)
の厚さに設定されてブラッグ反射を生ずるようにされて
いる。また、上述した構造でp型lnGaAlPクラッ
ド層122とp型AlGaAs電流拡散層124との間
に、図示しないn型GaAs層を部分的に形成して、電
流狭窄を行う構造も実施されている。
【0006】また、p型コンタクト層128の上には金
・亜鉛合金からなるp側電極130が形成され、n型G
aAs基板112の裏面には金・ゲルマニウム合金から
なるn側電極132が形成されている。
【0007】図5に示した発光素子100は、図示しな
いリードフレームなどの実装部材に、n側電極132が
銀ペーストなどを介して接続される。また、p側電極1
30は、実装部材のリードピンなどにワイアで接続さ
れ、最後にこの構造体全体がレジン等の樹脂によって封
止されて発光装置として完成する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、高い発光輝度
が要求される室内外の表示板や、鉄道/交通信号、車載
用灯具などに対して、図5に示したような従来のダブル
ヘテロ構造による発光素子を用いると、クラッド層11
8、122にドーピングした不純物が通電による熱や電
界によって活性層120に拡散し、発光効率が低下し、
発光特性の劣化が生ずるという問題があった。このよう
な不純物の拡散は、高輝度型素子の場合は、駆動電流が
高いために、特に顕著に生ずる傾向があった。
【0009】この問題に対して、特願平7−89510
号にあるようにクラッド層を多段にして劣化を抑制せん
とする検討もされている。しかしながらこの方法による
と、発光特性の劣化を十分に抑制することができず、製
造ロットによって劣化率が不安定に変動するという問題
があった。
【0010】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
である。すなわち、本発明は、ダブルヘテロ型の発光素
子において、クラッド層から活性層への不純物の拡散侵
入を効果的に抑制することにより、発光特性の劣化を防
ぎ、高輝度且つ長寿命を有する半導体発光素子およびそ
の製造方法を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の半導
体発光素子は、基板と、前記基板上に形成されたIII
−V族化合物半導体からなる第1のクラッド層と、前記
第1のクラッド層の上に形成されたIII−V族化合物
半導体からなる活性層と、前記活性層の上に形成された
III−V族化合物半導体からなる第2のクラッド層
と、を備えた半導体発光素子であって、前記第1のクラ
ッド層と前記第2のクラッド層のうちの少なくともいず
れかにおいて、前記クラッド層から不純物が前記活性層
に拡散侵入することを防ぐように、結晶欠陥を有する格
子歪み層が設けられていることを特徴とするものとして
構成され、クラッド層から活性層への不純物の拡散侵入
が極めて効果的に抑制され、高輝度、長寿命を達成する
ことができる。
【0012】また、この格子歪み層は、成長中断層とし
て構成することができ、このような中断層は、ドーパン
トがパイルアップしているものとして構成されている。
【0013】あるいは、この格子歪み層は、半導体の組
成を変化させて格子定数をずらした層として構成するこ
ともできる。
【0014】このような格子歪み層は、クラッド層と活
性層の界面から0.001μm以上であって0.1μm
以内の位置に形成することにより、効果的に不純物の拡
散を防止することができる。
【0015】また、このような格子歪み層を1層以上1
0層以下積層することによって、さらに不純物の拡散を
効果的に抑制することができる。
【0016】III−V族化合物半導体としては、In
GaAlP系、InGaAlN系、InGaAsP系お
よびAlGaAs系のうちのいずれかを用いることによ
り、高輝度で長寿命の半導体発光素子を形成することが
できる。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明によれば、活性層の上下に
積層されるクラッド層において、活性層近傍に格子歪み
層を導入することにより、クラッド層にドープされた不
純物がトラップされ、活性層への拡散侵入が阻止され
て、高輝度且つ長寿命の半導体発光素子を得ることがで
きる。
【0018】以下に図面を参照しつつ、本発明の実施の
形態について説明する。図1は、本発明による半導体発
光素子の断面構造を表す概略図である。図5に表したよ
うな従来の発光素子との相違点は、活性層とクラッド層
との界面近傍に格子歪み層を形成した点にある。
【0019】すなわち、本発明による発光素子10は、
n型GaAs基板12上にn型GaAsバッファ層1
4、n型lnGaAlP/GaAs光反射層16、n型
InGaAlPクラッド層18、アンドープInGaA
lP活性層20、p型InGaAlPクラッド層22、
p型AlGaAs電流拡散層24、p型InGaAlP
耐湿層26、およびp型GaAsコンタクト層28を順
次積層させた構造を有する。さらに、p側電極30とn
側電極32とがそれぞれ形成されている。
【0020】ここで、n型InGaAlP/GaAs光
反射層16は、n型InAlP層とn型GaAs層とが
交互に積層されたブラッグ反射層であり、その詳細は、
前述した通りである。また、光反射層16においては、
InGaAlP層の代わりにガリウムを含まないInA
lP層を用いても良い。同様に、クラッド層18、22
においても、ガリウムを含まないInAlP層を用いて
も良い。
【0021】また、p型InGaAlP耐湿層26は、
その下層にあるp型AlGaAs電流拡散層24が湿気
により酸化することを防ぐために設けられる。さらに、
p型lnGaAlPクラッド層22とp型AlGaAs
電流拡散層24との間に、図示しないn型GaAs層を
部分的に形成して、電流狭窄を行うことができる点も同
様である。
【0022】本発明においては、クラッド層18と22
のそれぞれにおいて、活性層20側に格子歪みを有する
層18Aおよび22Aが設けられている。これらの歪み
層18A、22Aは、ドーパントがパイルアップして、
点欠陥やミスフィット転位が高い密度で存在する層、あ
るいは、クラッド層の他の部分とは格子定数が異なり、
結晶欠陥が存在する層のいずれかとして構成することが
できる。歪み層の厚さは、おおむね7〜8原子層、すな
わち、約2〜3nmとすることが望ましい。歪み層がこ
れよりも薄いと、不純物のトラップが不十分であり、こ
れよりも厚いと、格子歪みが過剰となり、クラッド層や
隣接する活性層の結晶性に悪影響を及ぼすからである。
また、その形成位置は、後に詳述するように、クラッド
層と活性層との界面から、0.001μm以上で0.1
μm以下とすることが望ましい。本発明によれば、この
ような歪み層18A、22Aを設けることにより、クラ
ッド層18、22にドーピングされている不純物がトラ
ップされて、活性層20に拡散侵入することがなくな
る。その結果として、前述したような発光特性の劣化が
抑制され、高輝度且つ長寿命の発光素子を実現すること
ができるようになる。
【0023】次に、本発明による半導体発光素子の製造
方法について図1を参照しつつ説明する。まず、GaA
s基板12上に各層を成長する。結晶成長法としては、
例えば、有機金属化学気相成長法(MOCVD)、ハイ
ドライド化学気相成長法(HCVD)、化学ビーム・エ
ピタキシャル法(CBE)、液相成長法(LPE)など
を用いることできる。以下の説明では、MOCVD法を
用いる場合を例に挙げて説明する。
【0024】MOCVD法においては、III族元素の
原料として、例えば、トリメチルインジウム(TM
I)、トリメチルアルミニウム(TMA)、トリメチル
ガリウム(TMG)を用いることができる。また、V族
元素の原料としては、例えば、アルシン(AsH3 )、
ホスフィン(PH3 )を用いることができ、ドーピング
ガスとしては、シラン(SiH4 )、ジメチル亜鉛(D
MZ)を用いることができる。
【0025】基板となるGaAsウェーハは、MOCV
D装置の反応炉内に設置され、水素雰囲気のもとで、約
800℃まで昇温される。前述した各種の原料ガスは、
水素などのキャリアガスと共に、反応炉内に適宜導入さ
れ、GaAs基板上で熱分解を生じて所定の結晶が成長
する。
【0026】本実施形態においては、例えば、n型Ga
As基板12上にまず、n型GaAsバッファ層14を
成長する。その膜厚は約0.5μmで、キャリア濃度は
約4×1017cm-3とすることができる。さらに、n型
lnGaAlP/GaAs光反射層16(キャリア濃度
約4×1017cm-3)、n型InGaAlPクラッド層
18(膜厚約0.6μm、キャリア濃度約4×1017
-3)、アンドープInGaAlP活性層20(膜厚約
0.6μm、キャリア濃度1×1017cm-3以下)、p
型InGaAlPクラッド層22(膜厚約0.6μm、
キャリア濃度約4×1017cm-3)、p型AlGaAs
電流拡散層24(膜厚約5μm、キャリア濃度約4×1
18cm-3)、p型InGaAlP耐湿層26(膜厚約
0.1μm、キャリア濃度約2×1018cm-3)、およ
びp型GaAsコンタクト層28(膜厚約0.1μm、
キャリア濃度約2×1018cm-3)を順次エピタキシャ
ル成長する。
【0027】ここで、クラッド層18、22と電流拡散
層24および耐湿膜26は、それぞれ、活性層20より
もバンド・ギャップが大きくなるか、あるいは光学遷移
が間接遷移型となるようにその組成を調整する。
【0028】本発明においては、歪み層18A、22A
を形成するために以下に挙げるいずれかの方法を採用す
ることができる。
【0029】まず第1の方法としては、クラッド層の成
長に際して活性層20の成長の前後、すなわち、クラッ
ド層18の成長の終期、およびクラッド層22の成長の
初期において、成長を停止することにより歪み層18
A、22Aを導入することができる。具体的には、II
I族ガスを停止し、V族ガスのみを流すことにより、数
10秒の間結晶成長を停止する。このようにすると、成
長表面の化学量論的組成比が変動して、表面層に結晶欠
陥が導入される。このようにして形成される歪み層の厚
さは、約7〜8原子層、すなわち約2〜3nmである。
この歪み層においては、ドーパントが成長表面に蓄積さ
れた結果として、ドーパントの濃度が高いパイルアップ
層が形成されている。このようなドーパントのパイルア
ップ層は、例えば、2次イオン質量分析法(SIMS)
によって検出することができる。
【0030】成長停止の際に、ドーピングガスを供給し
続けると、ドーパントが成長済みのクラッド層内に拡散
され、クラッド層のキャリア濃度が不必要に上昇してし
まう。従って、III族ガスと共にドーパントの原料ガ
スも停止することが望ましい。このようにして形成した
歪み層18A、22Aは、クラッド層からの不純物をト
ラップし、活性層の発光特性の劣化を防ぐ役割を果た
す。
【0031】歪み層を形成する第2の方法としては、ク
ラッド層18、22の材料であるIn0.5 (Ga1-x
x 0.5 Pの混晶系のIn組成を変化される方法が挙
げられる。In組成の変化は、5〜10%の範囲内とす
ることが望ましい。これ以下であると、歪み量が不十分
であり、これ以上であると歪み量が大きすぎて、活性層
の結晶性に悪影響を与えるからである。このようなIn
組成の調節は、前述した各原料ガスの供給のバランスを
変化させることにより実施できる。歪み層の成長中もド
ーパントガスを流して、ドーピングを実施しても良い。
また、その歪み層の厚さは、前述の場合と同様に、約7
〜8原子層、すなわち約2〜3nmとすることが望まし
い。歪み層がこれよりも薄いと、不純物のトラップが不
十分であり、これよりも厚いと、格子歪みが過剰とな
り、クラッド層や隣接する活性層の結晶性に悪影響を及
ぼすからである。
【0032】また、後に詳述するように、これらの方法
により導入する歪み層18A、22Aは、クラッド層と
活性層との界面から、約0.001μm〜0.1μm程
度の位置に形成することが望ましい。さらに、このよう
な歪み層は、単層でなく、多層構造としても良い。この
場合に、歪み層の積層数としては、2層〜10層程度と
することが望ましい。
【0033】以上説明したような結晶成長工程の後に、
金・亜鉛合金などの電極金属を堆積し、写真食刻法によ
りパターニングを施して、p側電極30を形成し、ま
た、基板裏面に金・ゲルマニウム合金などの電極金属を
堆積することによりn側電極32を形成する。電極金属
の堆積方法としては、例えば、真空蒸着法を用いること
ができる。
【0034】次に、ダイシング法によって一辺が約30
0μmの正方形状のチップに切り出して発光素子10が
完成する。この発光素子は、例えば、ステムなどの図示
しない実装部材に実装し、ワイア・ボンディング、樹脂
封止によって直径約5mmのLEDランプとすることが
できる。
【0035】本発明者は、本発明において、歪み層18
A、22Aを形成する位置を定量的に変化させ、発光素
子の寿命を評価する試作実験を行った。
【0036】図2は、歪み層の形成位置と発光素子の寿
命との関係を表すグラフ図である。すなわち、同図の横
軸はクラッド層・活性層の界面から歪み層までの距離を
表す。ここで、横軸のマイナスの値は、歪み層が活性層
領域に形成されている場合を表す。また、同図の縦軸は
1000時間動作後の相対輝度を表す。ここで、「相対
輝度」とは、初期の発光輝度に対する、1000時間連
続動作後の発光輝度の割合を表す。評価に用いたサンプ
ルは、前述したような樹脂封止LEDランプであり、動
作周囲温度は室温で、動作電流は30ミリアンペアとし
た。また、同図における各プロットは、それぞれ30個
のサンプルの評価結果の平均値を表す。
【0037】図2から分かるように、歪み層の形成位置
が、クラッド層・活性層の界面から約0.005μm以
上0.1μm以下の範囲にある場合に、発光輝度の低下
が極めて少なく、長寿命化が実現されている。つまり、
歪み層の位置がこの範囲にある場合には、クラッド層か
ら活性層への不純物の拡散が効果的に抑制されていると
いえる。ここで、歪み層の最適位置に関して、このよう
な上限と下限とが存在するのは、歪み層が活性層に近す
ぎると活性層に悪影響を及ぼし、また、活性層から遠す
ぎると、その間に存在する不純物が活性層に拡散侵入し
て発光輝度を低下させるからであると考えられる。
【0038】次に、本発明は、歪み層の積層数と素子寿
命との関係について調べた。図3は、歪み層の積層数と
相対輝度との関係を表すグラフ図である。すなわち、同
図の横軸は歪み層の積層数を表す。また、同図の縦軸は
1000時間動作後の相対輝度を表す。評価に用いたサ
ンプルは、図2の場合と同様に、樹脂封止LEDランプ
であり、動作周囲温度は室温で、動作電流は30ミリア
ンペアとした。また、同図における各プロットは、それ
ぞれ30個のサンプルの評価結果の平均値を表す。ここ
で、いずれのサンプルも、歪み層の形成位置は活性層か
ら0.01μmとし、形成間隔は0.05μm、各歪み
層の層厚は、約7〜8原子層とした。
【0039】図3から分かるように、歪み層の積層数が
1〜10層の場合には、発光輝度の低下が極めて少な
く、長寿命化が実現されている。つまり、歪み層の位置
がこの範囲にある場合には、クラッド層から活性層への
不純物の拡散が効果的に抑制されているといえる。ここ
で、歪み層の積層数が12層以上になると寿命が低下す
るのは、歪み層の増加に伴って、活性層の結晶性に悪影
響が及ぶためであると考えられる。
【0040】図4は、本発明による発光素子と、従来の
発光素子との寿命を比較したグラフ図である。すなわ
ち、同図の縦軸は1000時間動作後の相対輝度を表
す。評価に用いたサンプルは、本発明による発光素子
A、BおよびCと比較のための従来の発光素子である。
ここで、本発明による発光素子Aは、前述した成長停止
法によって歪み層を導入したサンプルである。また、発
光素子Bは、インジウムの組成を5%減少させることに
より歪み層を導入したサンプル、発光素子Cは、成長停
止法による歪み層を形成間隔0.05μmで5層積層し
たサンプルである。いずれのサンプルも、樹脂封止LE
Dランプであり、動作周囲温度は室温で、動作電流は3
0ミリアンペアとした。また、同図における各プロット
は、それぞれ30個のサンプルの評価結果の平均値を表
す。
【0041】図4から分かるように、従来の発光素子
は、平均して70%程度の相対輝度であったのに対し
て、本発明による発光素子の相対輝度は、いずれも95
〜100%と極めて高く、長寿命化が実現されている。
つまり、本発明によれば、クラッド層から活性層への不
純物の拡散が効果的に抑制されていることが分かった。
【0042】以上、本発明の実施の形態について、材料
系としてInGaAlP系のダブルヘテロ型構造を用い
た具体例を参照しつつ説明したが、本発明はこれに限定
されるものではない。この他にも、例えば、AlGaA
s系、InGaAsP系、InGaAlN系などのダブ
ルヘテロ型構造を有する発光素子についても、本発明を
適用して同等の効果を得ることができる。
【0043】また、その導電型についても図示した構成
に限定されず、p型とn型とが反転した構造であっても
良い。
【0044】さらに、ダブルヘテロ型構造に限定され
ず、例えば、ヘテロ接合をひとつだけ有する、いわゆる
シングルヘテロ型構造を有する発光素子についても本発
明を適用することができる。その他、本発明の要旨を逸
脱しない範囲で種々に変形して実施することが可能であ
る。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、簡易なプロセスによ
り、クラッド層の不純物が活性層に拡散侵入して、その
発光特性を劣化させる減少を極めて効果的に防ぐことが
できる。その結果として、従来に比べ、大電流で連続動
作させても発光特性の低下が極めて少なく、高輝度で長
寿命の発光素子を提供することができるようになる。
【0046】従って、室内外に設置する各種表示装置
や、道路交通信号、鉄道安全信号、車両用表示灯などの
各種の用途において、高輝度で、交換頻度が低減する発
光素子を提供することができるようになり、産業上のメ
リットは多大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による半導体発光素子の断面構造を表す
概略図である。
【図2】歪み層の形成位置と発光素子の寿命との関係を
表すグラフ図である。
【図3】歪み層の積層数と相対輝度との関係を表すグラ
フ図である。
【図4】本発明による発光素子と、従来の発光素子との
寿命を比較したグラフ図である。
【図5】従来のダブルヘテロ型半導体発光素子の断面構
造を表す概略図である。
【符号の説明】
10、100 半導体発光素子 12、112 基板 14、114 バッファ層 16、116 光反射層 18、118 クラッド層 18A、22A 格子歪み層 20、120 活性層 22、122 クラッド層 24、124 電流拡散層 26、126 耐湿層 28、128 コンタクト層 30、130 電極 32、132 電極

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板と、前記基板上に形成されたIII−
    V族化合物半導体からなる第1のクラッド層と、前記第
    1のクラッド層の上に形成されたIII−V族化合物半
    導体からなる活性層と、前記活性層の上に形成されたI
    II−V族化合物半導体からなる第2のクラッド層と、
    を備えた半導体発光素子であって、 前記第1のクラッド層と前記第2のクラッド層のうちの
    少なくともいずれかにおいて、前記クラッド層から前記
    活性層に不純物が拡散侵入することを防ぐように、結晶
    欠陥を有する格子歪み層が設けられていることを特徴と
    する半導体発光素子。
  2. 【請求項2】前記格子歪み層は、前記クラッド層の結晶
    成長工程において結晶の成長を中断することによりドー
    パントがパイルアップしている層として構成されている
    ことを特徴とする請求項1記載の発光素子。
  3. 【請求項3】前記格子歪み層は、前記クラッド層の結晶
    成長工程において前記III−V族化合物半導体の組成
    を変化させることにより、前記クラッド層の他の部分と
    比較して格子定数が5%以上で10%以下の範囲でずれ
    ている層として構成されていることを特徴とする請求項
    1記載の発光素子。
  4. 【請求項4】前記格子歪み層は、前記クラッド層と前記
    活性層との界面から0.001μm以上であって0.1
    μm以内の位置に形成されていることを特徴とする請求
    項1〜3のいずれか1つに記載の発光素子。
  5. 【請求項5】前記第1のクラッド層と前記第2のクラッ
    ド層のうちの少なくともいずれかにおいて、1層以上で
    10層以下の前記格子歪み層が積層されていることを特
    徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の発光素
    子。
  6. 【請求項6】前記III−V族化合物半導体は、InG
    aAlP系、InGaAlN系、InGaAsP系およ
    びAlGaAs系からなる群のうちから選択された1つ
    であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに
    記載の発光素子。
  7. 【請求項7】基板上にIII−V族化合物半導体からな
    る第1のクラッド層を成長する第1の工程と、 前記第1のクラッド層の上にIII−V族化合物半導体
    からなる活性層を成長する第2の工程と、 前記活性層の上にIII−V族化合物半導体からなる第
    2のクラッド層を成長する第3の工程と、を備えた半導
    体発光素子の製造方法であって、 前記第1の工程と前記第3の工程のうちの少なくともい
    ずれかは、前記クラッド層の成長の途中に、前記クラッ
    ド層内に結晶欠陥を有する格子歪み層を形成する格子歪
    み層形成工程を含むことを特徴とする半導体発光素子の
    製造方法。
  8. 【請求項8】前記第1〜第3の工程における前記成長
    は、有機金属化学気相成長法により行い、 前記格子歪み層形成工程は、前記クラッド層を構成する
    III族元素の原料ガスを遮断してV族元素の原料ガス
    のみを供給することにより行うことを特徴とする請求項
    7記載の方法。
  9. 【請求項9】前記第1〜第3の工程における前記成長
    は、有機金属化学気相成長法により行い、 前記格子歪み層形成工程は、前記クラッド層を構成する
    III族元素の原料ガスとV族元素の原料ガスとの流量
    比を変化させることにより行うことを特徴とする請求項
    7記載の方法。
  10. 【請求項10】前記格子歪み層形成工程は、1層以上1
    0層以下の前記格子歪み層を互いに所定の間隔を設けて
    形成する工程を有することを特徴とする請求項7〜9の
    いずれか1つに記載の方法。
  11. 【請求項11】前記III−V族化合物半導体は、In
    GaAlP系、InGaAlN系、InGaAsP系お
    よびAlGaAs系からなる群のうちから選択された1
    つであることを特徴とする請求項7〜10のいずれか1
    つに記載の方法。
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