JP4123235B2 - 半導体発光素子の製造方法 - Google Patents

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本発明は、低順方向電圧、高輝度、高信頼性の半導体発光素子を製造する方法、特に光反射層の成長温度を工夫して発光部へのAsの混入を防止する技術に関するものである。
最近、AlGaInP系エピタキシャルウエハを用いて製造する高輝度の赤色から緑色の発光ダイオード(LED)の需要が大幅に伸びている。主な需要は、携帯電話の液晶用バックライト、表示灯、交通用信号灯、自動車のブレーキランプなどである。
AlGaInPは、窒化物を除くV/III族化合物半導体の中で最大のバンドギャップを有する直接遷移型半導体であり、従来のGaPや、AlGaAsなどの間接遷移型半導体を用いた発光ダイオードと比較して、赤色から緑色に相当する可視波長域において高輝度の発光が可能である。
また一般に製造販売されている高輝度発光ダイオードの内部量子効率は極めて高い値にあり、これまで以上の高輝度化を求めるには、内部量子効率を向上させるよりも、外部量子効率を向上させた方が効果的である。そこで、従来、この外部量子効率を向上させる方法がいくつか提案されている。すなわち、特開平3−114277号公報(特許文献1)には、基板と発光層との間に異なる組成の交互積層膜からなる光反射層を形成する技術が開示され、また特開平11−87767号公報(特許文献2)には、光反射多層膜を行使する2種類の材料から成る膜の厚みを活性層に近い層ほど厚くすることにより、結晶性の良い部分を活性層の近くに配置する技術が開示され、そして特開平7−86638号公報(特許文献3)には、半導体多層反射膜を基板側の広反射帯域特性を有する第1のブラッグ型反射鏡と高反射率特性を有する第2のブラッグ型反射鏡によって構成する技術が開示されている。
上記特許文献に開示されている発光ダイオードの典型的な構造例を、図5に示す。この図5の全てのエピタキシャル層は、有機金属気相成長法(以降MOVPE法と書く)によって成長されている。
図5に示すように、従来のAlGaInP系発光ダイオードは、n型GaAs基板(第一導電型基板)1上に、MOVPE法によって、n型GaAsバッファ層(第一導電型バッファ層)2、DBR層から成るn型光反射層(第一導電型光反射層)3、n型AlGaInPクラッド層(第一導電型クラッド層)4、アンドープAlGaInP活性層(活性層)5、p型AlGaInPクラッド層(第二導電型クラッド層)6、p型GaP電流分散層(第二導電型電流分散層)8を順次積層し、p型GaP電流分散層8の表面の一部に第一電極たる表面電極(p側オーミック接触電極)9を、またn型基板1の裏面全面に第二電極たる裏面電極(n側共通電極)10を設けた構造となっている。4、5、6がAlGaInP4元ダブルヘテロ構造部分(発光部)をなす。
図5における発光ダイオードでは、n型GaAs基板1の上にn型GaAsバッファ層2が成長され、その上にn型光反射層3が積層されている。このn型光反射層3は、活性層5からn型GaAs基板1に向かう光を反対方向へ反射させる役割を担い、これにより、光がn型GaAs基板1に吸収されることなく発光ダイオードの外部に取り出される。
例えば上記特許文献の開示例では、n型光反射層3を構成する2種類の半導体材料A、Bの組み合わせとして、Al0.5In0.5P層とGaAs層のペアとしたものと、Al0.5In0.5P層と(Al0.4Ga0.60.5In0.5P層のペアとしたものの、何れかが用いられている。
この第一導電型光反射層3での光反射率を良くするためには、異なる半導体材料A及びBの屈折率の差が大きければ大きいほど光反射の効果が大きい。つまり屈折率差を考慮すると、Al0.5In0.5P層とGaAs層のペア、又は、AlAs層とGaAs層のペアで製作した第一導電型光反射層の方が優れている(Al0.5In0.5Pの屈折率:約3.18、AlAsの屈折率:約3.11、(Al0.4Ga0.60.5In0.5Pの屈折率:約3.38、GaAsの屈折率は約3.85)。
しかし、n型光反射層3としてGaAs層を用いると、発光波長に対して不透明な材料であることから、GaAs層でPL発光してしまい、赤外光が放出される。また光吸収により、発光出力の向上が少ないというような問題がある。そこでn型光反射層3には、発光波長に対して透明である材料(GaAs以外)を選択して用いることが必要である。またn型光反射層3は、GaAs基板に格子整合する材料である必要がある。
この様な状況下で、発光波長630nm帯の発光ダイオードのn型光反射層3として、最も屈折率差が大きく取れるのが、AlAsとAl0.4Ga0.6Asの組み合わせである。
また、上記n型光反射層3は、ペア数が多ければ多いほど、光反射効果は大きくなる。因みにn型光反射層3のn型AlAs層及びn型Al0.4Ga0.6As層の各々の膜厚は、n型AlAs層の屈折率をC、n型Al0.4Ga0.6As層の屈折率をDとすると、発光波長λに対して、λ/4×C、λ/4×Dと設計される。
特開平3−114277号公報 特開平11−87767号公報 特開平7−86638号公報
しかしながら、上記のAlAs層とAl0.4Ga0.6As層をペアとしたn型光反射層3には、大きな問題があった。それは、活性層5の結晶性を向上させるために、活性層5の下部にあたるn型光反射層3の結晶性をよくすべく、当該n型光反射層のV/III比を高くして成長させると、発光出力が低くなってしまうと言う問題があった。
また、n型光反射層3のペア数を多くすると、本来ならば発光出力が高くなるはずであるが、逆に発光出力が低くなるという問題があった。
本発明者等が鋭意研究努力した結果、上記のV/III比を高くして光反射層を成長すると発光出力が低下するという事象は、次のことが原因で生じることが判った。すなわち、従来の構成では、n型光反射層3の成長中に成長炉内にAsが残存し、この残存したAsが、次のn型クラッド層4の成長中に当該n型クラッド層4に混入し、n型クラッド層4の結晶性が悪くなる。このn型クラッド層4の結晶性悪化により、その上の活性層5の結晶性が悪化し、これにより結晶中に欠陥を作り、発光出力が低下する。
そこで、本発明の目的は、光反射層の成長中に成長炉内に残存したAsが、n型クラッド層の成長中に当該クラッド層に混入するのを抑止し、これにより活性層の結晶性を良好にして、高出力、且つ低コストの半導体発光素子を製造する方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、次のように構成したものである。
請求項1の発明に係る半導体発光素子の製造方法は、気相成長法を用いて、第一導電型基板上に、低屈折率膜と高屈折率膜を複数ペア積層して第一導電型光反射層を形成し、該第一導電型光反射層の上に、第一導電型クラッド層、活性層及び第二導電型クラッド層で構成される発光部を形成し、その上に第二導電型の電流分散層を形成するIII−V族半導体発光素子の製造方法において、前記第一導電型光反射層を構成する低屈折率膜及び高屈折率膜の双方に砒素(As)を含む材料を用い、前記第一導電型クラッド層、前記活性層、前記第二導電型クラッド層を形成する主たる材料に(Al Ga 1−X In 1−Y P(0≦X≦1、0≦Y≦1)を用い、且つ前記第一導電型光反射層の成長温度を前記発光部の成長温度よりも低い成長温度で成長させることを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1記載の半導体発光素子の製造方法において、前記第一導電型クラッド層の膜厚を500nmよりも薄く形成することを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1又は2記載の半導体発光素子の製造方法において、前記第一導電型光反射層の層数を30層以上設けることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の半導体発光素子の製造方法において、前記第一導電型光反射層を成長する際に成長炉内に供給する原料ガスのV/III比を50以上とすることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の半導体発光素子の製造方法において、前記第一導電型光反射層の一部或いは全ての材料にAlXGa1-XAs(0≦X≦1)を用いることを特徴とする。
請求項の発明は、請求項1〜のいずれかに記載の半導体発光素子の製造方法において、前記第一導電型光反射層の成長温度を650℃以下とすることを特徴とする。
請求項の発明は、請求項1〜のいずれかに記載の半導体発光素子の製造方法において、前記第一導電型光反射層の成長温度を第一導電型クラッド層よりも10℃以上低くすることを特徴とする。
請求項の発明は、請求項1〜のいずれかに記載の半導体発光素子の製造方法において、第一導電型はn型、第二導電型はp型を意味することを特徴とする。
<発明の要点>
発明者等は上記課題を解決するべく鋭意努力し研究を行った結果、本発明に到達した。即ち本発明は、第一導電型光反射層3の成長温度を発光部4、5、6よりも低温で成長することにより、当該第一導電型クラッド層4中へのAsの混入を低減できることを見出した。
この理由は次のように考えられる。
Asを含む材料から成る第一導電型光反射層を気相成長させる際、その成長材料中のAsが炉内に残留する量は、そのときの成長温度が高くなるほど、多くなり、また、成長時間(成長する膜厚)、成長炉内に供給する原料ガスのV/III比が多くなるほど、或いは第一導電型光反射層の層数が多くなるほど、多くなる。
そこで、Asを含む材料から成る第一導電型光反射層を、第一導電型クラッド層、活性層及び第二導電型クラッド層で構成される発光部の成長温度よりも低い成長温度(650℃以下が好ましい)で成長させると、発光部と同じ成長温度で成長させた場合に較べ、第一導電型光反射層の成長時にその成長材料のAsが炉内に残留する量が少なくなる。このため、次の発光部の第一導電型クラッド層4の成長時において、当該第一導電型クラッド層4にAsが混入する度合いが少なくなり、第一導電型クラッド層4の結晶性が向上する。この結果、その上に成長する活性層5の結晶性も良くなって、内部量子効率が良くなる。
この作用効果は、第一導電型光反射層を発光部より10℃以上低い成長温度(650℃以下が好ましい)で成長させた場合に顕著となる。
また、上記の作用効果に基づき内部量子効率が良くなることは、次のように、第一導電型クラッド層の膜厚を500nmよりも薄く形成して、製造コストを下げられることを意味する。すなわち、第一導電型光反射層の成長温度を発光部と同じ成長温度とする従来技術の下では、第一導電型クラッド層の膜厚が500nmより薄いと、当該第一導電型クラッド層から活性層へのAsの混入を抑制することができず、発光出力が低下してしまうため、500nm以上とする必要がある。しかし本発明では、第一導電型光反射層の成長温度を発光部よりも低温で成長することから、第一導電型クラッド層中へのAs混入を低減し、第一導電型クラッド層の結晶性を向上させ、ひいては活性層の結晶性を向上させて、内部量子効率を良くすることができるので、これにより上記欠点をカバーして発光出力の低下をなくし、低コスト化を図ることができる。
更にまた、光反射層の成長に用いたAsが炉内に残留する程度は、次のように光反射層成長時にAsを多量に用いた場合に強くなる。
(1)反射効率を高めるために第一導電型光反射層の層数を30層以上設けようとして、Asを含む材料から成る低屈折率膜と高屈折率膜の成長を連続して繰り返した場合。
(2)第一導電型光反射層の成長原料ガスのV/III比を50以上としてV族元素のAsを含む原料ガスを多くした場合。つまり、反応炉内における基板及びサセプタ、更にはその周囲の酸素濃度を、局所的に一段低いレベルまで低減することで、高輝度な半導体発光素子を得ることを目的として、第一導電型光反射層を成長する原料ガスのV/III比を、第一導電型クラッド層を成長する原料ガスのV/III比よりも低くした場合。
これらの場合においても、本発明に従い、第一導電型光反射層の成長温度を発光部よりも低温で成長することにより、当該発光部の第一導電型クラッド層中へのAs混入を低減できることから、第一導電型クラッド層の結晶性を向上させ、ひいては活性層の結晶性を向上させて、内部量子効率を良くすることができる。
要するに、本発明等は、第一導電型光反射層3の成長温度を発光部を構成する各層4、5、6よりも低温で成長することにより、当該第一導電型クラッド層4中へのAs混入を低減できることを見出した。これにより第一導電型クラッド層4の結晶性が向上し、よって活性層5の結晶性も良くなって、内部量子効率が良くなった。
また、前記してきた製造方法を見出したことにより、第一導電型クラッド層4の膜厚を厚くすることなく、発光出力を高くすることができた。このためコストを上げることなく、高輝度の発光ダイオードを作製できるようになった。
本発明によれば、気相成長法を用いて、第一導電型基板上に、低屈折率膜と高屈折率膜を複数ペア積層して第一導電型光反射層を形成し、該第一導電型光反射層の上に、第一導電型クラッド層、活性層及び第二導電型クラッド層で構成される発光部を形成し、その上に第二導電型電流分散層を形成するIII−V族半導体発光素子の製造方法において、前記第一導電型光反射層を構成する低屈折率膜及び高屈折率膜の双方にAsを含む材料を用い、前記第一導電型クラッド層、前記活性層、前記第二導電型クラッド層を形成する主たる材料に(Al Ga 1−X In 1−Y P(0≦X≦1、0≦Y≦1)を用い、且つ第一導電型光反射層の成長温度を発光部の成長温度よりも低い成長温度で成長させるので、その成長材料のAsが炉内に残留する量が少なくなる。このため、次の発光部の第一導電型クラッド層の成長時において、当該第一導電型クラッド層にAsが混入する度合いが少なくなり、第一導電型クラッド層の結晶性が向上する。この結果、その上に成長する活性層の結晶性も良くなって、内部量子効率が良くなる。
また本発明では、上記の如く第一導電型光反射層の成長温度をその他の層の成長温度よりも低くして成長させることにより、内部量子効率が良くなることから、第一導電型クラッド層の膜厚を500nmより薄くしても発光出力の低下を伴うことが無い。従って第一導電型クラッド層の膜厚を500nmより薄くして低コスト化を図ることができる。
以下、本発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
[実施例]
本発明の一実施例にかかる、図2のような構造の発光波長630nm付近の赤色発光ダイオード用エピタキシャルウエハを作製した。
n型GaAs基板1上に、MOVPE法で、n型(Seドープ)GaAsバッファ層(膜厚400nm、キャリア濃度1×1018cm-3)2、n型光反射層3、n型(Seドープ)(Al0.7Ga0.30.5In0.5Pクラッド層(膜厚400nm、キャリア濃度1×1018cm-3)4、アンドープ(Al0.1Ga0.90.5In0.5P活性層(膜厚500nm)5、p型(Znドープ)(Al0.7Ga0.30.5In0.5Pクラッド層(膜厚300nm、キャリア濃度5×1017cm-3)6、p型(Znドープ)(Al0.3Ga0.70.5In0.5P接続層(膜厚75nm、キャリア濃度4×1018cm-3)7、p型(Znドープ)GaP電流分散層(厚さ14000nm、キャリア濃度3×1018cm-3)8を、MOVPE法で、順次積層成長させた。因みに前記n型光反射層3は、AlAsとAl0.4GaAsを一対とし、ペア数は20とした。
図1に成長温度プロファイルを示す。図示するように、MOVPE成長での成長温度は、前記n型GaAsバッファ層2からn型光反射層3まで(図1の区間A1)の成長温度T1を640℃とし、また前記活性層5からp型(Al0.3Ga0.70.5In0.5P接続層7まで(図1の区間A2)の成長温度T2は650℃とし、そして前記p型GaP電流分散層8を成長する区間Cの成長温度T3は660℃とした。
また温度T1からT2、及び温度T2からT3への昇温区間においては、図1に区間a、Bとして示す温度安定時間(約5分)を設けた。
その他の成長条件は、成長圧力50Torr、各層の成長速度は0.3〜1.0nm/s、V/III比は200で行った。但し、n型光反射層3の成長原料ガスのV/III比は150とし、p型GaP電流分散層8の成長原料ガスのV/III比は10とした。
MOVPE成長において用いる原料としては、例えばトリメチルガリウム(TMG)又はトリエチルガリウム(TEG)、トリメチルアルミニウム(TMA)、トリメチルインジウム(TMI)等の有機金属や、アルシン(AsH3)、ホスフィン(PH3)等の水素化物ガスを用いた。
例えばn型GaAsバッファ層2の様なn型層の添加物原料としては、セレン化水素(H2Se)を用いた。またp型(Al0.7Ga0.30.5In0.5Pクラッド層6の様なp型層の添加物原料としては、ジエチルジンク(DEZn)を用いた。前記DEZnの恒温槽温度は、10℃とした。その他にn型層添加物原料として、シラン(SiH4)、ジエチルテルル(DETe)、ジメチルテルル(DMTe)を用いることもできる。その他にp型層添加物原料として、ジメチルジンク(DMZn)を用いることもできる。
上記のような成長条件で製造されたエピタキシャルウエハの上面には、第一電極である直径110μmの円形電極(表面電極)9を、マトリックス状に蒸着で形成した。この表面電極9は、AuBe、Ni、Auを、それぞれ50nm、10nm、700nmの順に蒸着した。更にエピタキシャルウエハ底面には、全面に第二電極である裏面電極10を形成した。前記裏面電極10は、金・ゲルマニウム、ニッケル、金を、それぞれ60nm、10nm、400nmの順に蒸着し、その後、電極の合金化であるアロイを、窒素ガス雰囲気中400℃で5分行った。
その後、上記の様にして構成された電極付きLED用エピタキシャルウエハを円形の表面電極9が中心になる様に切断し、チップサイズ300μm角の発光ダイオードベアチップを作製した。更にこの発光ダイオードベアチップをTO−18ステム上にマウント(ダイボンディング)し、その後更にマウントされた該発光ダイオードベアチップに、ワイヤボンディングを行い、LED素子(該発光ダイオード)を作製した。
このときのLED素子の発光出力は、2.10mW(20mA通電時)であり、順方向電圧は1.93Vであった。
因みに光反射層3のペア数を10、15にしたLEDも作製した。光反射層3のペア数以外は全て上記LEDと同じである。この光反射層3のペア数と発光出力の関係を、図3に示す。図3から、ペア数増加により、発光出力が向上していることが解る。
[比較例]
比較例として、図2に示した構造の発光波長630nm付近の赤色発光ダイオード用エピタキシャルウエハを作製した。
エピタキシャル成長方法、エピタキシャル層膜厚、エピタキシャル構造や電極形成方法及びLED素子製作方法は、基本的に上記実施例と同じにした。但しn型光反射層3の成長温度は650℃であり、p型(Al0.3Ga0.70.5In0.5P接続層7までも650℃で、一定である。前記p型GaP電流分散層8は、660℃で成長した。つまりn型光反射層3と前記n型クラッド層4の成長温度が一定である。
上記のような成長条件で製造されたエピタキシャルウエハに電極を付けてLED素子を製作したところ、発光出力は、20mA通電時で1.39mWであった。また順方向電圧は1.93Vであった。
因みに光反射層3のペア数を10、15にしたLEDも作製した。該光反射層3のペア数以外は全て、上記と同じである。この例での光反射層3のペア数と発光出力の関係を、図4に示す。図4から、ペア数が増加しても、発光出力が向上しない。逆に、ペア数が15を超えると、発光出力が低下する。つまりAs量が多くなったことで、炉内残存Asによって、発光出力が低下したことが解る。
このため高輝度のLED素子を製作することができなかった。
<最適条件に付いて>
第一に、前記n型光反射層3であるが、成長時に供給する原料ガスのV/III比が50より低くなると、結晶性が悪くなるため、50以上であることが好ましい。また成長温度も600℃より低くなると、結晶性が悪くなる。このため600℃以上が、好ましい。
更に前記n型クラッド層4との温度差であるが、10℃以上あることが好ましい。10℃より差が少なくなると、Asの影響が現れて発光出力が低下するからである。
よってn型光反射層3は、V/III比50以上、成長温度600℃以上、前記n型クラッド層4との成長温度差が10℃以上であることが好ましい。より好ましくは、V/III比100以上、成長温度620℃以上、該n型クラッド層4との成長温度差が15℃以上である。
またn型クラッド層4から前記GaP電流分散層8までの成長温度は、650℃以上が好ましい。その訳は、650℃以上の方が結晶性が良くなり、発光出力が高くなるからである。
本発明では成長温度を規定したが、成長温度は、装置構成より最適値が変わる。このため成長温度は、一義的に決めることは難しい。
第二に、発光部のn型クラッド層4であるが、このn型クラッド層4の膜厚を500nm以上と厚くして行くことにより、活性層5へのAsの影響が薄れて行く。このためn型クラッド層4の膜厚は、厚くすれば厚くするほど発光出力が向上して行く。しかしこのn型クラッド層4の膜厚を厚くすればする程、製造コストが高くなる。よってn型クラッド層の膜厚は、従来と同等であることが良い。
<他の実施例、変形例>
[変形例1]
本実施例では、発光波長630nm帯の赤色LEDとしたが、同じAlGaInP系の材料で製作される発光波長560〜650nmのLEDでも、同様な効果が得られる。
[変形例2]
実施例では第二導電型決定不純物をZnとしたが、Mgにしても同様の効果が得られる。
[変形例3]
実施例では、活性層をバルク構造としたが、多重量子井戸構造でも同様の効果が得られる。
[変形例4]
実施例では、表面電極と金属層の形状は、円形であるが、異形状、例えば四角、菱形、多角形等でも同様の効果が得られる。
本発明の一実施例にかかるAlGaInP系赤色LEDの成長温度プログラムを示した図である。 本発明の一実施例及び比較例にかかるAlGaInP系赤色LED用エピタキシャルウエハの断面構造を示した図である。 本発明の一実施例にかかる、光反射層のペア数と発光出力の関係を示した図である。 比較例1にかかる光反射層のペア数と発光出力の関係を示した図である。 従来技術にかかるAlGaInP系赤色LEDの断面構造を示した図である。
符号の説明
1 n型GaAs基板(第一導電型基板)
2 n型GaAsバッファ層(第一導電型バッファ層)
3 n型光反射層(第一導電型光反射層)
4 n型AlGaInPクラッド層(第一導電型クラッド層)
5 アンドープAlGaInP活性層(活性層)
6 p型AlGaInPクラッド層(第二導電型クラッド層)
7 p型AlGaInP接続層(第二導電型接続層)
8 p型GaP電流分散層(第二導電型電流分散層)
9 表面電極(p側オーミック接触電極)
10 裏面電極(n側共通電極)

Claims (8)

  1. 気相成長法を用いて、第一導電型基板上に、低屈折率膜と高屈折率膜を複数ペア積層して第一導電型光反射層を形成し、該第一導電型光反射層の上に、第一導電型クラッド層、活性層及び第二導電型クラッド層で構成される発光部を形成し、その上に第二導電型の電流分散層を形成するIII−V族半導体発光素子の製造方法において、
    前記第一導電型光反射層を構成する低屈折率膜及び高屈折率膜の双方に砒素を含む材料を用い、前記第一導電型クラッド層、前記活性層、前記第二導電型クラッド層を形成する主たる材料に(Al Ga 1−X In 1−Y P(0≦X≦1、0≦Y≦1)を用い、且つ前記第一導電型光反射層の成長温度を前記発光部の成長温度よりも低い成長温度で成長させることを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
  2. 請求項1記載の半導体発光素子の製造方法において、
    前記第一導電型クラッド層の膜厚を500nmよりも薄く形成することを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
  3. 請求項1又は2記載の半導体発光素子の製造方法において、
    前記第一導電型光反射層の層数を30層以上設けることを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の半導体発光素子の製造方法において、
    前記第一導電型光反射層を成長する際に成長炉内に供給する原料ガスのV/III比を50以上とすることを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の半導体発光素子の製造方法において、
    前記第一導電型光反射層の一部或いは全ての材料にAlGa1−XAs(0≦X≦1)を用いることを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
  6. 請求項1〜のいずれかに記載の半導体発光素子の製造方法において、
    前記第一導電型光反射層の成長温度を650℃以下とすることを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
  7. 請求項1〜のいずれかに記載の半導体発光素子の製造方法において、
    前記第一導電型光反射層の成長温度を第一導電型クラッド層よりも10℃以上低くすることを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
  8. 請求項1〜のいずれかに記載の半導体発光素子の製造方法において、第一導電型はn型、第二導電型はp型を意味することを特徴とする半導体発光素子の製造方法。
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