JP4310708B2 - 半導体発光素子 - Google Patents

半導体発光素子 Download PDF

Info

Publication number
JP4310708B2
JP4310708B2 JP2005285938A JP2005285938A JP4310708B2 JP 4310708 B2 JP4310708 B2 JP 4310708B2 JP 2005285938 A JP2005285938 A JP 2005285938A JP 2005285938 A JP2005285938 A JP 2005285938A JP 4310708 B2 JP4310708 B2 JP 4310708B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
type
buffer layer
semiconductor light
concentration
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005285938A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007096169A (ja
Inventor
和幸 飯塚
泰一郎 今野
優洋 新井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Cable Ltd
Original Assignee
Hitachi Cable Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Cable Ltd filed Critical Hitachi Cable Ltd
Priority to JP2005285938A priority Critical patent/JP4310708B2/ja
Priority to US11/511,220 priority patent/US7535026B2/en
Priority to CNB2006101599932A priority patent/CN100428515C/zh
Publication of JP2007096169A publication Critical patent/JP2007096169A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4310708B2 publication Critical patent/JP4310708B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L33/00Semiconductor devices with at least one potential-jump barrier or surface barrier specially adapted for light emission; Processes or apparatus specially adapted for the manufacture or treatment thereof or of parts thereof; Details thereof
    • H01L33/02Semiconductor devices with at least one potential-jump barrier or surface barrier specially adapted for light emission; Processes or apparatus specially adapted for the manufacture or treatment thereof or of parts thereof; Details thereof characterised by the semiconductor bodies
    • H01L33/14Semiconductor devices with at least one potential-jump barrier or surface barrier specially adapted for light emission; Processes or apparatus specially adapted for the manufacture or treatment thereof or of parts thereof; Details thereof characterised by the semiconductor bodies with a carrier transport control structure, e.g. highly-doped semiconductor layer or current-blocking structure
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L33/00Semiconductor devices with at least one potential-jump barrier or surface barrier specially adapted for light emission; Processes or apparatus specially adapted for the manufacture or treatment thereof or of parts thereof; Details thereof
    • H01L33/02Semiconductor devices with at least one potential-jump barrier or surface barrier specially adapted for light emission; Processes or apparatus specially adapted for the manufacture or treatment thereof or of parts thereof; Details thereof characterised by the semiconductor bodies
    • H01L33/025Physical imperfections, e.g. particular concentration or distribution of impurities
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L33/00Semiconductor devices with at least one potential-jump barrier or surface barrier specially adapted for light emission; Processes or apparatus specially adapted for the manufacture or treatment thereof or of parts thereof; Details thereof
    • H01L33/02Semiconductor devices with at least one potential-jump barrier or surface barrier specially adapted for light emission; Processes or apparatus specially adapted for the manufacture or treatment thereof or of parts thereof; Details thereof characterised by the semiconductor bodies
    • H01L33/26Materials of the light emitting region
    • H01L33/30Materials of the light emitting region containing only elements of group III and group V of the periodic system
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L33/00Semiconductor devices with at least one potential-jump barrier or surface barrier specially adapted for light emission; Processes or apparatus specially adapted for the manufacture or treatment thereof or of parts thereof; Details thereof
    • H01L33/36Semiconductor devices with at least one potential-jump barrier or surface barrier specially adapted for light emission; Processes or apparatus specially adapted for the manufacture or treatment thereof or of parts thereof; Details thereof characterised by the electrodes
    • H01L33/40Materials therefor
    • H01L33/42Transparent materials

Description

本発明は、半導体発光素子に関わり、特に、金属酸化物から成る透明導電膜を電流分散層に用いた高輝度半導体発光素子に関するものである。
従来、半導体発光素子である発光ダイオード(以下、LEDと略す)は、近年、GaN系やAlGaInP系の高品質結晶をMOVPE法で成長できる様になったことから、青色、緑色、橙色、黄色、赤色の高輝度LEDが製作できる様になった。
しかし、高輝度を得るためには、LEDのチップ面内に均一に電流が注入される様、電流分散特性を良くする必要があり、例えばAlGaInP系のLED素子では電流分散層の膜厚を5000nm〜10000nm程度まで厚くする必要があった。その様な厚膜の電流分散層を用いた場合では、結晶成長時の熱履歴が長くなることによってドーパントの拡散が生じ、結果として活性層の劣化を引き起こす。また、電流分散層では電流を分散させる為に低抵抗にする必要があり、高濃度のドーピングを行う必要がある。しかし、高濃度のドーピングは、電流分散層の透過率を低下させる要因となる。更には、厚膜成長の為、必然的にLED素子の製造コストが高くなり、安価に製作する妨げとなるという問題が生じる。
そこで、充分な透光性を有し、且つ良好な電流分散特性を得られる電気特性を有する膜としてITO(Indium Tin Oxide)や、ZnO(Zinc Oxide)を電流分散層に用いる方法がある(特許文献1参照)。またp型クラッド層上に、直接ITO膜を形成する方法も提案されている(特許文献2参照)。
このように、ITO膜を電流分散層として用いることができれば、従来の5000nm〜10000nmの厚膜電流分散層を必要とせず、その分のエピタキシャル層が不要となる為、上記問題点の多くを解決することができる。
特開平8−83927号公報 米国再発行特許発明第35665号明細書
しかしながら、通常ITO膜を電流分散層に用いた場合、半導体層と金属酸化物であるITO膜との間に接触抵抗が発生し、順方向動作電圧が高くなるという問題がある。その解決策として、半導体層とITO膜の間に1.0×1019/cm3以上の高キャリア濃度のコンタクト層を設け、コンタクト層とITO膜間にトンネル接合を形成することで、低電圧でLEDを駆動させる方法がある(例えば特許文献2)。しかし、1.0×1019/cm3以上の高キャリア濃度のコンタクト層を安定して実現できる半導体材料には限りがある。本発明者等の研究結果では、コンタクト層に関して、安定して1.0×1019/cm3以上の高キャリア濃度が実現できる半導体としては、ZnドープのAlxGa1-xAs(0≦X≦0.4)が最適であるという結論に至った。しかし、AlGaAsは発光波長に対して透明でない為、30nm程度以下の薄膜で形成する必要性がある。
また、AlGaInP系化合物半導体のp型ドーパントとしてはベリリウム(Be)、マグネシウム(Mg)、亜鉛(Zn)等が挙げられる。このうち分子線エピタキシー(MBE)で用いられているBe原料は高濃度で低拡散のドーピングが可能であるが極めて毒性が強いという欠点を有する。またZnはAlGaInP系、AlGaAs系化合物半導体内のp型ドーパントとして広く用いられているものの、拡散定数が比較的大きい。その為、p型クラッド層およびp型緩衝層にZnをドープすると熱履歴によってZnが活性層へ拡散し、LEDの輝度および信頼性が低下することが知られている。そこで、p型ドーパントとしてZnよりも比較的拡散定数の小さいMgをドーパントとして適用することが好ましい。
しかし、先にも述べたように1.0×1019/cm3以上の高キャリア濃度のコンタクト層を安定して実現できる半導体層は、ZnドープのAlxGa1-xAs(0≦X≦0.4)のみである為、コンタクト層にはp型ドーパントとしてZnを用いる必要がある。しかしながら成長熱履歴の最も少ない半導体最上層の上記コンタクト層でも、成長時および冷却時の熱履歴によって上記コンタクト層中のZnは容易に拡散してしまう。このコンタクト層のドーパントであるZnの拡散は、次の2つの弊害を招く。
第1の弊害は、LED素子の出力低下を招くことである。拡散したドーパントはLED素子の深さ方向に濃度拡散し、LED素子の活性層にまで拡散すると活性層内で不純物準位を形成し非発光再結合中心となり、結果的に出力が低下する。
第2の弊害は、LED素子の駆動電圧が上昇することである。コンタクト層のZnドーパント拡散によりコンタクト層のキャリア濃度が低下してしまい、コンタクト層とITO膜との界面でのトンネル接合形成が困難となり、トンネル電圧が上昇する。これによってLED素子の駆動電圧が上昇する。
そこで、本発明の目的は、上記課題を解決し、高輝度且つ低駆動電圧であることに加え、経時的な発光出力の低下、及び駆動電圧の上昇を抑制することが可能な半導体発光素子を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、次のように構成したものである。
請求項1の発明に係る半導体発光素子は、半導体基板上に、少なくともn型クラッド層、活性層、p型クラッド層、p型緩衝層、p型コンタクト層が形成され、その上に金属酸化物材料から成る電流分散層が形成された半導体発光素子において、前記活性層の組成が(AlxGa1-xyIn1-yP(但し、0≦X≦1、0.4≦Y≦0.6)、前記n型クラッド層および前記p型クラッド層の組成がそれぞれ(AlxGa1-xyIn1-yP(但し、0.6≦X≦1、0.4≦Y≦0.6)、前記p型緩衝層の組成がAlxGa1-xAs(但し、0.45≦X≦1)から成り、且つ前記p型クラッド層および前記p型緩衝層の主たるドーパントがMg、前記コンタクト層の主たるドーパントがZnであり、且つ前記p型緩衝層が複数の層から構成され、前記p型緩衝層を構成する前記複数の層のうち前記コンタクト層側をMg濃度が3.0×1017/ cm3以下であると共に膜厚が50nm以上である低Mg濃度緩衝層とすることを特徴とする。
上記の活性層、n型クラッド層、p型クラッド層を構成する好適な材料として、上記に挙げた材料を選択する理由は、 半導体基板にほぼ格子整合する材料の内、活性層から放出される光の波長に対し、光学的に透明であることに強く依存する。また、p型緩衝層を構成する材料として、AlxGa1-xAs(0.45≦X≦1)を選択する理由は、発光波長に対して透明で、半導体基板に格子整合し、且つ単価の高いIn原料を含まない安価な原料であることによる。
p型コンタクト層の主たるドーパントがZnであるのは、拡散定数が比較的大きいという短所はあるものの、キャリア濃度を1×1019/cm3以上とするのに最も優れるからである。また、p型クラッド層およびp型緩衝層の主たるドーパントがMgであるのは、比較的高濃度に添加することができ且つZnよりも拡散定数が小さいからである。活性層へのドーパント拡散を防止する上で活性層近傍ではドーパントをMgとすることが適正となる。
また、Mg濃度が3.0×1017/cm3以下の低Mg濃度緩衝層を50nm以上の厚さでp型緩衝層の一部に挿入した構成であるので、p型コンタクト層から活性層へ向かうZnの拡散をより確実に抑制することができる(図5参照)。
請求項2の発明に係る半導体発光素子は、半導体基板上に、少なくともn型クラッド層、活性層、p型クラッド層、緩衝層、p型コンタクト層が形成され、その上に金属酸化物材料から成る電流分散層が形成された半導体発光素子において、
前記活性層の組成が(Al x Ga 1-x y In 1-y P(但し、0≦X≦1、0.4≦Y≦0.6)、前記n型クラッド層および前記p型クラッド層の組成がそれぞれ(Al x Ga 1-x y In 1-y P(但し、0.6≦X≦1、0.4≦Y≦0.6)、前記緩衝層の組成がAl x Ga 1-x As(但し、0.45≦X≦1)から成り、且つ前記p型クラッド層の主たるドーパントがMg、前記コンタクト層の主たるドーパントがZnであり、且つ前記緩衝層が複数の層から構成され、前記緩衝層を構成する前記複数の層のうち前記コンタクト層側をアンドープであると共に膜厚が50nm以上であるアンドープ緩衝層とし、前記p型クラッド層側を主たるドーパントがMgであるp型緩衝層とすることを特徴とする。
請求項の発明は、請求項1又は2に記載の半導体発光素子において、前記低Mg濃度緩衝層又はアンドープ緩衝層は、p型緩衝層又は緩衝層と異なる組成に形成されることを特徴とする。
請求項の発明は、請求項1又は2に記載の半導体発光素子において、前記p型緩衝層又は前記緩衝層の膜厚が200nm以上5000nm以下であることを特徴とする。
請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の半導体発光素子において、前記コンタクト層のZn濃度が1.0×1019/cm3以上であることを特徴とする。
請求項6記載の発明は、請求項1〜5のいずれかに記載の半導体発光素子において、前記コンタクト層を構成する材料がAlxGa1-xAs(但し、0≦X≦0.4)であり、前記コンタクト層の膜厚が1nm以上30nm以下であることを特徴とする。
請求項7記載の発明は、請求項1〜6のいずれかに記載の半導体発光素子において、前記電流分散層がITO(indium tin oxide)であり、且つキャリア濃度が8×1020/cm3以上有することを特徴とする。
請求項8記載の発明は、請求項1〜7のいずれかに記載の半導体発光素子において、前記半導体基板と前記n型クラッド層間に、屈折率の異なる半導体層の対から成る半導体反射膜を設けることを特徴とする。
請求項9記載の発明は、請求項8に記載の半導体発光素子において、
前記半導体反射膜を構成する半導体材料が、(AlxGa1-xyIn1-yP(但し、0≦X≦1、0.4≦Y≦0.6)又はAlxGa1-xAs(但し、0≦X≦1)から選択されていることを特徴とする。
請求項10記載の発明は、請求項1〜9のいずれかに記載の半導体発光素子において、前記電流分散層の膜厚が、d=A×λp/(4×n)の関係式〔但し、Aは定数(1又は3)、λpは発光波長(単位:nm)、nは屈曲率である〕により求まるdの±30%の範囲にあることを特徴とする。
本発明によれば、p型コンタクト層からのZnの拡散が大幅に抑制され、高出力なLED素子を作製できると共に、経時的な発光出力の低下、及び駆動電圧の上昇を抑制することが可能なLED素子を作製することができる。
以下、本発明を図示の実施の形態に基づいて説明する。
図1に本実施形態に係る発光ダイオードの構成を示す。この発光ダイオードは、半導体基板であるn型GaAs基板1上に、Siドープのn型GaAsバッファ層2、Siドープのn型AlGaInPクラッド層(単にn型クラッド層ともいう)3、アンドープAlGaInP活性層(単に活性層ともいう)4、Mgドープのp型AlGaInPクラッド層(単にp型クラッド層ともいう)5が順次に結晶成長されて発光部が構成され、更にそれらの最上層つまりp型クラッド層5上に、高濃度にp型ドーパントとしてZnが添加されたAs系のp型AlGaAsコンタクト層(単にp型コンタクト層ともいう)7が積層されている。更にそのp型コンタクト層7上に、金属酸化物材料から成る電流分散層として、透明導電膜であるITO膜8が積層され、その表面側に表面電極9が、また裏面側に裏面電極10が形成されている。
活性層4の組成は(AlxGa1-xyIn1-yP(但し、0≦X≦1、0.4≦Y≦0.6)、n型クラッド層3およびp型クラッド層5の組成は、それぞれ(AlxGa1-xyIn1-yP(但し、0.6≦X≦1、0.4≦Y≦0.6)である。
上記p型コンタクト層7はAlxGa1-xAs(0≦X≦0.4)からなり、膜厚は1nm以上30nm以下であり、p型ドーパントとしてのZnが、キャリア濃度1×1019/cm3以上という高濃度に添加されている。
電流分散層であるITO膜8の膜厚は、d=A×λp/(4×n)の関係式〔但し、Aは定数(1又は3)、λpは発光波長(単位:nm)、nは屈曲率である〕により求まるdの±30%の範囲にある。この電流分散層であるITO膜8は真空蒸着法か又はスパッタ法によって形成され、成膜直後の状態で8×1020/cm3以上のキャリア濃度を有する。
そして、この発光ダイオードの特徴として、上記p型コンタクト層7と上記p型クラッド層5との間に、主たるp型ドーパントとしてMgが添加されたAlxGa1-xAs(0.45≦X≦1)からなるp型緩衝層6を設ける。このp型緩衝層6は、そのp型緩衝層6中に低Mg濃度緩衝層11を50nm以上有する。換言すれば、p型緩衝層6は、その層中に50nm以上の厚さで存在する低Mg濃度緩衝層11と、残余のp型緩衝層6aとで構成されている。ここで前記p型緩衝層6の膜厚は、200nm以上5000nm以下であり、低Mg濃度緩衝層11のMg濃度は3.0×1017/cm3以下である。前記低Mg濃度緩衝層11及び前記p型緩衝層6aが発光波長に対して透明である。
このようにMg濃度が3.0×1017/ cm3以下である低Mg濃度緩衝層11を50nm以上の厚さでp型緩衝層6の一部に挿入することにより、p型コンタクト層7から活性層4へ向かうZnの拡散を十分に抑制することができる(図5参照)。この効果は、p型緩衝層6の全てを、Mg濃度が3.0×1017/ cm3以下の低Mg濃度緩衝層11とした場合にも得ることができる。
図2は前記低Mg濃度緩衝層11をアンドープにより構成した他の実施形態を示す。この実施の形態でもp型コンタクト層7から活性層4へのZnの拡散を十分に抑制することができる
以下、前述の構成や数値についての根拠について説明する。
第1に、本発明における様な表面取り出し型LEDの場合、p型緩衝層6は発光波長に対して透明である必要がある。それ以外にも、n型GaAs基板1に格子整合すること、安価な原料で作製できることが重要な要素となる。以上の観点から630nm付近の赤色を透過し、n型GaAs基板1に格子整合し、且つ単価の高いIn原料を含まないp型緩衝層6としてAlxGa1-xAs(但し、0.45≦X≦1)を用いることが好ましい。
第2に、金属酸化物から成る電流分散層、例えばITO膜8と接するp型コンタクト層(オーミックコンタクト層)7は、極めて高濃度に導電型決定不純物が添加されている必要がある。具体的には、Zn(亜鉛)が添加されたp型コンタクト層7の場合、その結晶材料はAl混晶比が0から0.4までのGaAs、又はAlGaAsであることが望ましく、そのキャリア濃度は1×1019/cm3以上が好適であり、これは高ければ高い程好ましい。
ITO膜8は基本的にn型の半導体材料に属し、また、LEDは一般的にpサイドアップで作製される。この為、ITO膜8を電流分散層に応用したLEDは導電型が基板の側からn/p/n接合となってしまう。この為にLEDではITO膜8とp型半導体層との界面に大きな電位障壁が生じ、通常は非常に動作電圧の高いLEDとなってしまう。この問題を解消する為、p型半導体層には非常に高いキャリア濃度を有するp型コンタクト層7が必要となるのである。また、上記したp型コンタクト層7のバンドギャップが狭い理由は、高キャリア化が容易であることに強く依存する。
更に、前記p型コンタクト層7の高キャリア化と連動して、このp型コンタクト層7と接するITO膜8のキャリア濃度も、トンネル電圧を低減するには重要である。またそれは、上述したp型コンタクト層7と同様の理由で、高ければ高いほど好ましく、具体的には8×1020/cm3以上のキャリア濃度を有していることが好ましい。
第3に、前記p型コンタクト層7の膜厚は1nmから30nmの範囲にあることが好ましい。何故ならば、前記コンタクト層7は、何れも活性層4で発光した光に対し吸収層となるバンドギャップを有している為、膜厚が厚くなるに連れ、発光出力が低下してしまう。図6に前記コンタクト層7の膜厚とLED発光波長に対する透過率の関係を示した。図6に示すように、前記コンタクト層7の膜厚の上限をおよそ30nmとすることが好ましく、より好ましくは25nmまでである。また、前記コンタクト層7の膜厚が1nm未満になってくると、今度はITO膜8とp型コンタクト層7との間でのトンネル接合が難しくなってくる為、低動作電圧化、動作電圧の安定化が困難になる。従って、ITO膜8と接するp型コンタクト層7の膜厚には最適値があり、それは1nmから30nmなのである。
第4に、ITO膜8の膜厚は、d=A×λp/(4×n)の関係式〔但し、Aは定数(1又は3)、λpは発光波長(単位:nm)、nは屈曲率である〕により求まる。LEDエピタキシャルウェハ上に形成されるITO膜8は、半導体層と空気層とのおよそ中間の屈折率を有し、光学的に反射防止膜としての機能を有する。その為、LEDの光取り出し効率を向上させ、より出力の高いLED素子を得るには、上記の関係式に則した膜厚設計とするのが好ましいのである。また、上記の関係式により求められるITO膜8の膜厚dは、±30%の範囲にあればよい。これは反射防止膜として光学的に反射率の低い波長帯域は、ある程度の幅を有するからである。反射防止膜として、反射率が15%以下となる膜厚の許容値は、上記関係式より求まるdの±30%の範囲にある。膜厚がdの±30%の範囲よりも大きくなったり小さくなったりすると、反射防止膜としての効果は小さくなり、LEDの出力が低下してしまうのである。図7に、これらについて、GaAs基板上にITO膜8を適宜形成し、その試料に対し垂直に光を入射して、この時の反射光のスペクトルを測定した結果を示す。
第5に、p型コンタクト層7とp型クラッド層5との間に介入するp型緩衝層6の膜厚は200nm以上、5000nm以下であることが好ましい。200nm以上となる理由は、活性層4から表面電極9までの距離が近すぎると、LED素子作製時のワイヤーボンディング工程において、場合によってはLED素子を超音波振動などで破壊させるおそれがあるからである。逆に、上限を5000nm以下と定める理由は、LED素子の電流分散特性はp型コンタクト層7上に設けられたITO膜8によって、十分な効果が期待できる。その為、前記緩衝層6には、電流分散特性は求めるものではない。仮に、10000nm程度の厚膜なp型緩衝層6を設けたとしても、前述したITO膜8による電流分散効果が支配的なので、LED素子としての飛躍的な出力向上は望めない。むしろ、LED素子の製造にかかるコストが高くなり、LED素子の原価を上げてしまうというデメリットが生ずる。遵って、前記緩衝層6の膜厚はおよそ200nmから5000nm程度の範囲にあることが好ましいのである。また、本発明に記載する内容では、場合により、p型緩衝層6とp型クラッド層5との組成が同一となり得る場合がある。この場合、好適な膜厚設定としては、活性層4の上端からp型コンタクト層7までの距離が1000nm以上、5000nm以下となる設計にすることが好ましい。
次に、以下の実施例1、2及び比較例に基づき本発明を詳述する。
以下、Mg濃度が3.0×10 17 /cm 3 以下、膜厚が50nm以上の低Mg濃度緩衝層11をp型緩衝層6に設けたLED素子(半導体発光素子)について説明する。
まず、図1に示した構造の発光波長630nm付近の赤色LED用エピタキシャルウェハを作製した。エピタキシャル成長方法、エピタキシャル層膜厚、エピタキシャル層構造や電極形成方法及びLED素子製作方法は、以下の通りである。
n型GaAs基板1上に、MOVPE法で、n型(Siドープ)GaAsバッファ層(膜厚200nm、キャリア濃度1×1018/cm3)2、n型(Siドープ)(Al0.7Ga0.30.5In0.5Pクラッド層(膜厚400nm、キャリア濃度1×1018/cm3)3、アンドープ(Al0.1Ga0.90.5In0.5P活性層(膜厚900nm)4、p型(Mgドープ)(Al0.7Ga0.30.5In0.5Pクラッド層(膜厚400nm、キャリア濃度1.2×1018/cm3)5、p型(Mgドープ)Al0.8Ga0.2As緩衝層(膜厚3000nm、キャリア濃度1×1018/cm3)6a、低Mg濃度p型(Mgドープ)Al0.8Ga0.2As緩衝層(膜厚50nm、キャリア濃度3.0×1017/ cm3)11、p型(Znドープ)Al0.1Ga0.9Asコンタクト層(膜厚3nm、キャリア濃度2.0×1019/cm3)7を順次積層成長させた。
MOVPE成長での成長温度は、前記n型バッファ層2から前記p型緩衝層6までを650℃とし、前記p型コンタクト層7は550℃で成長した。その他の成長条件は、成長圧力約6666Pa(50Torr)、各層の成長速度は0.0.3〜1.0nm/sec、V/III比は約200前後で行った。但し、p型緩衝層6のV/III比は50、p型コンタクト層7のV/III比は30とした。因みにここで言うV/III比とは、分母をTMGaやTMAlなどのIII族原料のモル数とし、分子をAsH3、PH3などのV族原料のモル数とした場合の比率(商)を指す。
MOVPE成長において用いる原料としては、例えばトリメチルガリウム(TMGa)、又はトリエチルガリウム(TEGa)、トリメチルアルミニウム(TMAl)、トリメチルインジウム(TMIn)、等の有機金属や、アルシン(AsH3)、ホスフィン(PH3)等の、水素化物ガスを用いた。
例えば前記n型バッファ層2の様なn型層の添加物原料としては、ジシラン(Si26)を用いた。前記p型クラッド層5の様なp型層の導電型決定不純物の添加物原料としては、ビスシクロペンタジエニルマグネシウム(Cp2Mg)を用いた。但し、p型コンタクト層7のみはジエチルジンク(DEZn)を用いた。
その他に、n型層の導電型決定不純物の添加物原料として、セレン化水素(H2Se)、モノシラン(SiH4)、ジエチルテルル(DETe)、ジメチルテルル(DMTe)を用いることもできる。
更に、このLED用エピタキシャルウェハをMOCVD装置から搬出した後、当該ウェハの表面、つまりp型コンタクト層7の表面側へ、真空蒸着法によって膜厚270nmのITO膜8を形成した。本構造では、このITO膜8が電流分散層となる。
この時、ITO膜蒸着の同一バッチ内にセットした評価用ガラス基板を取り出し、Hall測定が可能なサイズに切断し、ITO膜8単体の電気特性を評価した所、キャリア濃度1.09×1021/cm3、移動度18.4cm2/Vs、抵抗率2.88×10-4Ω・cmであった。
そして、このエピタキシャルウェハの上面に、レジストやマスクアライナなどの一般的なフォトリソグラフィプロセスに用いられる器材と周知の方法を駆使して円形電極である直径110μmの表面電極9を、マトリックス状に真空蒸着法で形成した。蒸着後の電極形成はリフトオフ法を用いた。前記表面電極9は、Ni(ニッケル)、Au(金)を、それぞれ20nm、500nmの順に蒸着した。更に、エピタキシャルウェハの底面には、全面に裏面電極10を同じく真空蒸着法によって形成した。前記裏面電極10は、AuGe(金・ゲルマニウム合金)、Ni(ニッケル)、Au(金)を、それぞれ60nm、10nm、500nmの順に蒸着し、その後、電極の合金化であるアロイ工程を、窒素ガス雰囲気中にて400℃に加熱し、5分間熱処理することで行った。
その後、上記の様にして構成された電極付きLED用エピタキシャルウェハをこの円形の表面電極9が中心になる様にダイシング装置を用いて切断し、チップサイズ300μm角のLEDベアチップを作製した。更に前記LEDベアチップをTO−18ステム上にマウント(ダイボンディング)し、その後、更にマウントされた該LEDベアチップに、ワイヤボンディングを行い、LED素子を作製した。
図4に本実施例1のLED構造において、LED発光出力の通電試験後の発光出力の相対値の関係を示す。図4の横軸は低Mg濃度緩衝層11のMg濃度を示す。図4に示すように、低Mg濃度緩衝層11のMg濃度を3.0×1017/cm3以下とした場合に発光出力の相対値が良好となることが分かる。
また、Mg濃度が3.0×1017/cm3の低Mg濃度緩衝層11の膜厚とLED発光出力の通電試験後の発光出力の相対値の関係を図5に示す。図5より、低Mg濃度緩衝層11が50nm以上ある場合に発光出力の相対値が良好となることが分かる。この結果、少なくともMg濃度が3.0×1017/cm3以下の低Mg濃度緩衝層11を50nm以上の厚さでp型緩衝層6の一部に挿入することによってp型コンタクト層7から活性層4へのZnの拡散は十分に抑制できることを確認した。
この実施例2は、前記低Mg濃度緩衝層11をアンドープ緩衝層で構成したものである。
この実施例2では、図2に示した構造の発光波長630nm付近の赤色LED用エピタキシャルウェハを作製した。エピタキシャル成長の方法、エピタキシャル層膜厚、エピタキシャル層構造やLED素子製作方法は、基本的に実施例1と同じである。以下に実施例1とは異なる点について列挙し、それに伴い詳細な説明をする。
図2に示すように、本実施例2では、p型緩衝層6を、膜厚が1500nmのアンドープ緩衝層12と、膜厚が1500nmのMgドープのp緩衝型層6aとの上下二層に分け、上記アンドープ緩衝層12を、成長表面側つまりコンタクト層7と接する様な構造とした。アンドープ緩衝層12およびMgドープのp型緩衝層6aの組成やMgドープ緩衝層6aのキャリア濃度は、実施例1におけるp型緩衝層6と同じである。
また、アンドープ緩衝層といっても成長中にオートドーピングされる炭素等により、完全な絶縁膜とはならず電気的にp型半導体の性質を有する。この場合の、アンドープとはドーパントを積極的に供給しないということ、つまりはMgの原料となるCp2Mgの供給を行わないことを意味する。
次に、上記の様に作製したLED用エピタキシャルウェハを素子化するが、そのプロセスは上記実施例1と同じである。
この様に作製されたLED素子の初期特性を評価した結果、20mA通電時(評価時)の発光出力1.12mW、動作電圧1.84Vの優れた初期特性を有するLED素子を得ることができた。
更に、当該LED素子を常温の環境下にて50mAで駆動させ、そのまま168時間(1週間)の連続通電試験を行った。その結果、試験前の状態との相対比較値は103%、動作電圧+0.005Vであり、良好な結果が得られた。
本実施例2での通電試験を行った後の状態のLED素子のSIMS分析結果を図3に示す。SIMS分析結果は、活性層4近傍を詳しく調べる為に、エピタキシャルウェハを1500nm程研磨した状態で測定している。
後述する比較例(図9)では、Znが活性層4まで拡散していたが、本実施例2(図3)では、明らかにp型コンタクト層7のドーパントであるZnの拡散がアンドープ緩衝層12で抑制されており、Znが活性層4への拡散が抑制されている。従って、実施例1と同様、Znの活性層4への拡散を防止すると、通電試験後のLED出力の相対値も良好になるものと考えられる。
更には、本実施例2でのLED初期特性における発光出力および動作電圧特性は、比較例と比較して良くなった。発光出力の向上に関しては、p型緩衝層6の半分をアンドープ緩衝層12としたことによってp型緩衝層6aでの自由キャリアによる吸収の影響が比較例に対して小さくなり、外部量子効率が向上した為と考えられる。動作電圧の減少に関しては、p型コンタクト層7からのZnの拡散が抑制されたことによって、比較例と比較してp型コンタクト層7に高濃度のZnを閉じ込められる様になり、ITO膜8とのトンネル電圧が減少した為と考えられる。
更に、p型緩衝層6を全てアンドープ緩衝層12とした場合に、最も発光出力が高くなり、通電試験後の結果も良好だった。従って、発光出力を向上すること、およびp型コンタクト層7のZnを完全に活性層への拡散を抑制するには、p型緩衝層6を全てアンドープ緩衝層12とすることが好ましい。
p型コンタクト層7のZnの活性層4への拡散を抑制する観点では、p型緩衝層6の一部をアンドープ緩衝層12とするだけでもZnの活性層4への拡散は十分に抑制できる。
以上、説明したように、実施例1又は2において、p型コンタクト層7に高濃度のZnを閉じ込めて、p型コンタクト層7とITO膜8間のトンネル電圧を低減する観点では、上記アンドープ緩衝層12および上記低Mg濃度緩衝層11は、p型緩衝層6の中でもp型コンタクト層7に近い部分に挿入されることが望ましく、具体的にはp型コンタクト層7から1500nm以内に挿入されることによって、コンタクト層7のZn濃度の低下を防止し、p型コンタクト層7とITO膜8とのトンネル電圧をより低減することができる。
また、p型緩衝層6中に挿入される上記アンドープ緩衝層12および低Mg濃度緩衝層11はp型緩衝層6と異なる組成であっても構わないが、50nm以上の厚さを有する為に、発光波長に対して透明な半導体に構成されることが好ましい。
本発明における実施例1又は2においては、どの構造においても活性層4とn型又はp型クラッド層5との間に何も介在させない構造とした。しかし、ここに例えば真性なアンドープ層を設けたり、多少導電型不純物を含んでいようとも擬似的にアンドープ層となる様な擬似アンドープ層を設けたり、比較的キャリア濃度が低い低キャリア濃度クラッド層を設ける構造を採っても、LED素子の出力の信頼性を向上させる効果が得られる。
また、本発明における実施例1又は2では、p型緩衝層6内に低Mg濃度緩衝層11またはアンドープ緩衝層12を設けたが、p型クラッド層5内に同様のアンドープ緩衝層12または低Mg濃度緩衝層11を設けることもでき、これによってもp型コンタクト層7からの活性層4へのZnの拡散を抑制する効果を得ることができる。
また、本発明における実施例1又は2では、活性層4をアンドープのバルク層としたが、多重量子井戸または歪み多重量子井戸とした場合においても、本発明の意図する効果を得ることができる。
また、本発明における実施例1又は2においては、発光波長630nmの赤色LED素子としたが、同じAlGaInP系の材料を用いて製作されるそれ以外のLED素子、例えば発光波長560nm〜660nmのLED素子においても、この時に用いられる各層の材料、キャリア濃度、特にウインドウ層においては一切の変更点を持たない。従って、仮にLED素子の発光波長を上記実施例1又は2と異なる波長帯域としても、本発明の意図する効果を得ることができる。
また、本発明における実施例1又は2においては、n型バッファ層2上に直接n型クラッド層3を積層する構造としたが、例えば前記n型バッファ層2とn型クラッド層3との間に、屈曲率の異なる半導体層の対からなる半導体反射膜としてDBR(分布ブラッグ反射層)を設けたLED素子構造とすることもでき、これによっても同様に本発明の意図する効果を得ることができる。
また、本発明における実施例1又は2においては、表面電極9の形状は常に円形のものとした構造を採ったが、その他にも異形状、例えば四角、菱形、多角形等の電極を有する形態を採ることができ、それらの形態の電極であっても、本発明の意図する効果を得ることができる。
また、本発明における実施例1又は2においては、半導体基板にGaAsを用いたが、この他にもGeおよびSiを出発基板とするLED用エピタキシャルウェハや、出発基板をGaAs又はGeとし、これを後に除去し、代替の自立基板としてSiやSi以上の熱伝導率を有する半導体基板を用いたLED用エピタキシャルウェハにおいても本発明の意図する効果を得ることができる。
〔比較例〕
[比較例:Mg濃度:1.0×10 18 /cm 3 のMg−AlGaAs緩衝層を用いる]
比較例として、図8に示した構造の発光波長630nm付近の赤色LED用エピタキシャルウェハを作製した。エピタキシャル成長方法、エピタキシャル層膜厚、エピタキシャル層構造やLED素子製作方法は、基本的に、実施例1と同じにした。以下に、実施例1とは異なる点を列挙し、それに伴い詳細な説明をする。
この比較例では、緩衝層を、p型(Mgドープ)Al0.8Ga0.2As緩衝層(膜厚3000nm、キャリア濃度1×1018/cm3)16としている。そして、作製されたLED素子の初期特性を実施例1と同様の方法で評価した結果、20mA通電時(評価時)の発光出力0.95mW、動作電圧1.87Vという初期特性を有するLED素子を得ることができた。
更に、当該LED素子を常湿の環境下にて50mAで駆動させ、そのまま168時間(1週間)の連続通電試験を行った。その結果、試験前の状態との相対比較値は、出力52%、動作電圧+0.06V(約3%増)となっていた。また、LED素子作製後、上記の条件で通電試験を行った後の状態のLED素子のSIMS分析を図9に示す。図9に示すSIMS分析結果は、活性層4近傍を詳しく調べる為に、エピタキシャルウェハを1.5μm程研磨した状態で測定している。その結果、通電試験後の本比較例のLED素子では活性層4内にまでp型コンタクト層7のドーパントであるZnが拡散し、混入している様子が確認された。本比較例に示したLED素子の素子ライフ、つまり信頼性が低下する原因はこのドーパント拡散によるものである。
これは、Znドープのp型コンタクト層7とMgドープのp型緩衝層16とが互いに接しており、ZnとMgの相互拡散によってZnの拡散が促進されて、活性層4までZnが拡散していたものと考えられる。
この点、実施例1及び実施例2では、Znドープ層とMgドープ層の間、すなわち、Znドープのp型コンタクト層7とMgドープのp型緩衝層6にアンドープ緩衝層12又はMg濃度が3.0×10 17 /cm 3 、膜厚が50nm以上のMg緩衝層11を挿入することによって、このような問題点を解決している。
本発明の一実施形態及び実施例1にかかるAlGaInP系赤色LEDの断面構造図である。 本発明の他の実施の形態及び実施例2にかかるAlGaInP系赤色LEDの断面構造図である。 本発明の実施例2にかかるAlGaInP系赤色LEDのSIMS分析図である。 低Mg濃度緩衝層のMg濃度と初期発光出力に対するLED通電試験後の発光出力相対値を示したものである。 低Mg濃度緩衝層の膜厚と初期発光出力に対するLED通電試験後の発光出力相対値を示したものである。 コンタクト層の膜厚とLEDの発光波長における透過率を示したものである。 GaAs基板上に形成されたITO膜の反射率スペクトルを示した図である。 本発明の比較例にかかるAlGaInP系赤色LEDの断面構造図である。 本発明の比較例にかかるAlGaInP系赤色LEDのSIMS分析図である。
符号の説明
1 n型GaAs基板
2 n型GaAsバッファ層
3 n型AlGaInPクラッド層(n型クラッド層)
4 アンドープAlGaInP活性層(活性層)
5 p型AlGaInPクラッド層(p型クラッド層)
6 p型緩衝層
6a p型緩衝層
7 p型AlGaAsコンタクト層(p型コンタクト層)
8 ITO膜
9 表面電極
10 裏面電極
11 低Mg濃度緩衝層
12 アンドープ緩衝層
16 p型緩衝層

Claims (10)

  1. 半導体基板上に、少なくともn型クラッド層、活性層、p型クラッド層、p型緩衝層、p型コンタクト層が形成され、その上に金属酸化物材料から成る電流分散層が形成された半導体発光素子において、
    前記活性層の組成が(AlxGa1-xyIn1-yP(但し、0≦X≦1、0.4≦Y≦0.6)、前記n型クラッド層および前記p型クラッド層の組成がそれぞれ(AlxGa1-xyIn1-yP(但し、0.6≦X≦1、0.4≦Y≦0.6)、前記p型緩衝層の組成がAlxGa1-xAs(但し、0.45≦X≦1)から成り、且つ前記p型クラッド層および前記p型緩衝層の主たるドーパントがMg、前記コンタクト層の主たるドーパントがZnであり、且つ前記p型緩衝層が複数の層から構成され、前記p型緩衝層を構成する前記複数の層のうち前記コンタクト層側をMg濃度が3.0×1017/cm3以下であると共に膜厚が50nm以上である低Mg濃度緩衝層とし、前記複数の層のうち前記p型クラッド層側の層のMg濃度を前記低Mg濃度緩衝層よりも高くすることを特徴とする半導体発光素子。
  2. 半導体基板上に、少なくともn型クラッド層、活性層、p型クラッド層、緩衝層、p型コンタクト層が形成され、その上に金属酸化物材料から成る電流分散層が形成された半導体発光素子において、
    前記活性層の組成が(Al x Ga 1-x y In 1-y P(但し、0≦X≦1、0.4≦Y≦0.6)、前記n型クラッド層および前記p型クラッド層の組成がそれぞれ(Al x Ga 1-x y In 1-y P(但し、0.6≦X≦1、0.4≦Y≦0.6)、前記緩衝層の組成がAl x Ga 1-x As(但し、0.45≦X≦1)から成り、且つ前記p型クラッド層の主たるドーパントがMg、前記コンタクト層の主たるドーパントがZnであり、且つ前記緩衝層が複数の層から構成され、前記緩衝層を構成する前記複数の層のうち前記コンタクト層側をアンドープであると共に膜厚が50nm以上であるアンドープ緩衝層とし、前記p型クラッド層側を主たるドーパントがMgであるp型緩衝層とすることを特徴とする半導体発光素子。
  3. 請求項1に記載の半導体発光素子において、
    前記低Mg濃度緩衝層又はアンドープ緩衝層は、p型緩衝層又は緩衝層と異なる組成に形成されることを特徴とする半導体発光素子。
  4. 請求項1又は2いずれかに記載の半導体発光素子において、
    前記p型緩衝層又は前記緩衝層の膜厚が200nm以上5000nm以下であることを特徴とする半導体発光素子。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の半導体発光素子において、
    前記コンタクト層のZn濃度が1.0×1019/cm3以上であることを特徴とする半導体発光素子。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の半導体発光素子において、
    前記コンタクト層を構成する材料がAlxGa1-xAs(但し、0≦X≦0.4)であり、前記コンタクト層の膜厚が1nm以上30nm以下であることを特徴とする半導体発光素子。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の半導体発光素子において、
    前記電流分散層がITO(indium tin oxide)であり、且つキャリア濃度が8×1020/cm3以上有することを特徴とする半導体発光素子。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の半導体発光素子において、
    前記半導体基板と前記n型クラッド層間に、屈折率の異なる半導体層の対から成る半導体反射膜を設けることを特徴とする半導体発光素子。
  9. 請求項8に記載の半導体発光素子において、
    前記半導体反射膜を構成する半導体材料が、(AlxGa1-xyIn1-yP(但し、0≦X≦1、0.4≦Y≦0.6)又はAlxGa1-xAs(但し、0≦X≦1)から選択されていることを特徴とする半導体発光素子。
  10. 請求項1〜9のいずれかに記載の半導体発光素子において、
    前記電流分散層の膜厚が、d=A×λp/(4×n)の関係式〔但し、Aは定数(1又は3)、λpは発光波長(単位:nm)、nは屈曲率である〕により求まるdの±30%の範囲にあることを特徴とする半導体発光素子。
JP2005285938A 2005-09-30 2005-09-30 半導体発光素子 Expired - Fee Related JP4310708B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005285938A JP4310708B2 (ja) 2005-09-30 2005-09-30 半導体発光素子
US11/511,220 US7535026B2 (en) 2005-09-30 2006-08-29 Semiconductor light-emitting device with high brightness and low operating voltage
CNB2006101599932A CN100428515C (zh) 2005-09-30 2006-09-29 半导体发光元件

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005285938A JP4310708B2 (ja) 2005-09-30 2005-09-30 半導体発光素子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007096169A JP2007096169A (ja) 2007-04-12
JP4310708B2 true JP4310708B2 (ja) 2009-08-12

Family

ID=37901053

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005285938A Expired - Fee Related JP4310708B2 (ja) 2005-09-30 2005-09-30 半導体発光素子

Country Status (3)

Country Link
US (1) US7535026B2 (ja)
JP (1) JP4310708B2 (ja)
CN (1) CN100428515C (ja)

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009283551A (ja) * 2008-05-20 2009-12-03 Showa Denko Kk 半導体発光素子及びその製造方法、ランプ
JP2011091103A (ja) * 2009-10-20 2011-05-06 Shin Etsu Handotai Co Ltd 発光素子
US9130107B2 (en) * 2011-08-31 2015-09-08 Epistar Corporation Light emitting device
JP2013080827A (ja) * 2011-10-04 2013-05-02 Sharp Corp 発光素子
JP2014170815A (ja) * 2013-03-01 2014-09-18 Ushio Inc Led素子
CN107026076B (zh) * 2016-02-02 2019-12-27 中晟光电设备(上海)股份有限公司 一种提高p型材料层载流子浓度的方法
US11949043B2 (en) * 2020-10-29 2024-04-02 PlayNitride Display Co., Ltd. Micro light-emitting diode

Family Cites Families (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5481122A (en) * 1994-07-25 1996-01-02 Industrial Technology Research Institute Surface light emitting diode with electrically conductive window layer
JPH0883927A (ja) 1994-09-09 1996-03-26 Shin Etsu Handotai Co Ltd AlGaInP系発光装置
US6057562A (en) * 1997-04-18 2000-05-02 Epistar Corp. High efficiency light emitting diode with distributed Bragg reflector
JP3763667B2 (ja) * 1998-04-23 2006-04-05 株式会社東芝 半導体発光素子
JP3547344B2 (ja) * 1999-08-24 2004-07-28 シャープ株式会社 半導体発光素子
US6512248B1 (en) * 1999-10-19 2003-01-28 Showa Denko K.K. Semiconductor light-emitting device, electrode for the device, method for fabricating the electrode, LED lamp using the device, and light source using the LED lamp
JP4084620B2 (ja) * 2001-09-27 2008-04-30 信越半導体株式会社 発光素子及び発光素子の製造方法
JP3872398B2 (ja) * 2002-08-07 2007-01-24 信越半導体株式会社 発光素子の製造方法及び発光素子
JP4500516B2 (ja) 2002-12-13 2010-07-14 三菱電機株式会社 半導体レーザ素子およびその製造方法
US20040227151A1 (en) * 2003-03-31 2004-11-18 Hitachi Cable, Ltd. Light emitting diode
JP4419520B2 (ja) 2003-10-31 2010-02-24 日立電線株式会社 半導体レーザダイオード及びその製造方法
JP4281569B2 (ja) 2004-02-17 2009-06-17 日立電線株式会社 半導体発光素子用エピタキシャルウェハの製造方法
JP2005268601A (ja) 2004-03-19 2005-09-29 Sumitomo Chemical Co Ltd 化合物半導体発光素子
US7368759B2 (en) * 2005-09-30 2008-05-06 Hitachi Cable, Ltd. Semiconductor light-emitting device
JP4367393B2 (ja) * 2005-09-30 2009-11-18 日立電線株式会社 透明導電膜を備えた半導体発光素子

Also Published As

Publication number Publication date
US7535026B2 (en) 2009-05-19
JP2007096169A (ja) 2007-04-12
CN100428515C (zh) 2008-10-22
US20070075328A1 (en) 2007-04-05
CN1941445A (zh) 2007-04-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4367393B2 (ja) 透明導電膜を備えた半導体発光素子
JP4320653B2 (ja) 半導体発光素子
US7368759B2 (en) Semiconductor light-emitting device
JP2007042751A (ja) 半導体発光素子
JP2008091789A (ja) 発光ダイオード
US7569866B2 (en) Semiconductor light-emitting device
JP4310708B2 (ja) 半導体発光素子
US7230281B2 (en) Semiconductor light emitting device
JP4320654B2 (ja) 半導体発光素子
JP2006040998A (ja) 半導体発光素子、半導体発光素子用エピタキシャルウェハ
JP2007096162A (ja) 半導体発光素子
JP2007096157A (ja) 半導体発光素子
JP4710764B2 (ja) 半導体発光素子
JP3763303B2 (ja) 半導体発光素子
JP2008066514A (ja) 半導体発光素子用エピタキシャルウェハ及び半導体発光素子
JP3788444B2 (ja) 発光ダイオード及びその製造方法
JP2006135215A (ja) 半導体発光素子の製造方法
JP3807393B2 (ja) 半導体発光素子
JP2006216706A (ja) 半導体発光素子
JP4123235B2 (ja) 半導体発光素子の製造方法
JP4123236B2 (ja) 半導体発光素子の製造方法
JP2005235797A (ja) 半導体発光素子
JP2007088297A (ja) 半導体発光素子
JP4023477B2 (ja) 半導体発光素子の製造方法
JP2006032667A (ja) 半導体発光素子の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20081021

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20081028

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20081225

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20090416

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20090429

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120522

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130522

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees