JPH1159935A - シート搬送装置 - Google Patents

シート搬送装置

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JPH1159935A
JPH1159935A JP9227782A JP22778297A JPH1159935A JP H1159935 A JPH1159935 A JP H1159935A JP 9227782 A JP9227782 A JP 9227782A JP 22778297 A JP22778297 A JP 22778297A JP H1159935 A JPH1159935 A JP H1159935A
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sheet
roller
circumferential surface
separation pad
contact
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哲男 浅田
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和勝 牧野
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光明 井上
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 円周面と欠除面とをもつ搬送ローラによっ
て、シートを搬送するときに、重送や連れ重送を引き起
こすことなく、良好に搬送しうる、シート搬送装置を提
供すること。 【解決手段】 搬送ローラ36の欠除面46がシート2
7および分離パッド37に対向しているときには、ころ
48の外周面61を、搬送ローラ36の円周面45がシ
ート27に接触する接触位置と実質的に同じ位置に位置
させるようにした。搬送ローラ36のシート搬送時に、
分離パッド37が実質的に上下動するようなことがなく
なり、良好にシート27を1枚ずつ搬送できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、レーザプ
リンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に備えられるシ
ート搬送装置に関し、詳しくは、積層されたシートを1
枚ずつ分離して、搬送するためのシート搬送装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】複写機、レーザプリンタ、ファクシミリ
等の画像形成装置に備えられるシート供給装置として
は、たとえば、図9に示すように、搬送ローラ1と、こ
の搬送ローラ1に対してシート2を挟んで対向する分離
パッド3とを備えて、積層されたシート2を1枚ずつ分
離して搬送するもの等がよく知られている。図9におい
て、分離パッド3は、分離パッドホルダ4のシート受け
部5に形成された凹部に埋設されており、分離パッドホ
ルダ4は、位置固定されたストッパ6と、分離パッドホ
ルダ4のシート受け部5の下面との間に介挿されるばね
7により、搬送ローラ1に向かって付勢されている。一
方、搬送ローラ1は、シート2に接触して該シート2を
搬送する円周面8と、円周面8が欠除されることによっ
て形成される欠除面9とをもつ、概略D字形状の弾性体
から構成されている。また、図9にも示すように、この
搬送ローラ1の両側には、2つのころ10が回転可能に
取付けられている。この2つのころ10は、円周面8の
外径より小径として形成され、円周面8でのシート2の
搬送時には、シート2には当接しないようにする一方、
円周面8でのシート2の搬送が終了して、欠除面9が、
シート2に対向したときには、2つのころ10の外周面
をシート2に当接させることにより、分離パッド3の付
勢力に抗して、欠除面9とシート2との間に間隙を形成
して、欠除面9が、シート2に接触しないようにするた
めのものである。
【0003】そして、シート2の搬送時には、図9に示
すように、搬送ローラ1の駆動によって円周面8でシー
ト2を搬送し、円周面8におけるシート2の搬送が終了
した後は、搬送ローラ1の上流側に位置する案内ローラ
12および13によりシート2が搬送される。搬送ロー
ラ1は、図には示さないが、1枚のシート2を送るごと
に、欠除面9が、2つのころ10によりシート2と所定
の間隔を隔てて対向する位置でその駆動が停止されるよ
うにする一方、案内ローラ12および13により搬送さ
れるシート2上には、2つのころ10が回転しながら当
接されるようにして、シート2が1枚ずつ搬送される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このようにし
てシート2を搬送する場合、2つのころの外径が、搬送
ローラ1の円周面8の外径よりも小径に形成されている
ことから、搬送ローラ1の駆動により、円周面8がシー
ト2に接触して搬送するときと、円周面8でのシート2
の搬送が終了して、欠除面9がシート2に対向し、2つ
のころ10の外周面がシート2および分離パッド3に当
接するときとでは、シート2および分離パッド3に対す
る円周面8および2つのころ10の接触位置および当接
位置が異なる。そのため、シート2および分離パッド3
の当接および接触において、2つのころ10の当接から
円周面8の接触へと移行するとき、および円周面8の接
触から2つのころ10の当接へと移行するときにおいて
は、円周面8の外径と2つのころ10の外径との差の分
が段差となって、分離パッド3が上下動することとな
る。
【0005】このような分離パッド3の上下動が起こる
と、複数枚のシート2を、同時に搬送してしまう、いわ
ゆる重送や連れ重送等の不具合が発生しやすくなる。す
なわち、シート2が侵入されるときには、シート2と最
初に接触する円周面8の入口側接触部15においては、
分離パッド3が下動して、この瞬間にシート2に対する
押圧力の変動が大きくなり、複数枚のシート2が、同時
に円周面8と分離パッド3との間に入り込む、いわゆる
重送を起こしやすくなる。一方、円周面8でのシート2
の搬送が終了するときも、シート2と最後に接触する円
周面8の出口側接触部14においては、シート2が円周
面8から離れる瞬間には、分離パッド3が上動して、こ
の瞬間にシート2に対する押圧力の変動が大きくなり、
案内ローラ12および13に搬送されるシート2に、次
に送られるシート2が複数枚一緒に伴われて搬送される
という、連れ重送を引き起こしやすくなる。
【0006】本発明の目的は、上記した問題点を解決す
るためになされたものであり、円周面と欠除面とをもつ
搬送ローラによって、シートを搬送するときに、重送や
連れ重送を引き起こすことなく、良好に搬送しうる、シ
ート搬送装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、請求項1に記載の発明は、シートに接触して該シー
トを搬送する円周面、および前記円周面が欠除されるこ
とによって形成される欠除面をもつ搬送ローラと、シー
トを挟んで前記搬送ローラと対向し、前記搬送ローラに
向かって付勢される分離パッドと、前記搬送ローラの前
記欠除面が、シートおよび前記分離パッドに対向したと
きに、前記欠除面が、シートおよび前記分離パッドに接
触しないようするために、シートおよび前記分離パッド
に当接させて、前記分離パッドの付勢力に抗して、前記
欠除面とシートとの間および前記欠除面と前記分離パッ
ドとの間に間隙を形成する間隙形成部材とを備える、シ
ート搬送装置において、前記欠除面がシートおよび前記
分離パッドに対向しているときには、前記間隙形成部材
の当接部を、前記搬送ローラの前記円周面がシートに接
触する接触位置と実質的に同じ位置に位置させるように
していることを特徴としている。
【0008】このような構成によると、間隙形成部材の
当接部が、搬送ローラの円周面がシートに接触する接触
位置と実質的に同じ位置に位置されるので、搬送ローラ
の駆動により、円周面がシートに接触して搬送するとき
と、円周面でのシートの搬送が終了して、欠除面がシー
トに対向し、間隙形成部材の当接部がシートに当接する
ときとでは、シートおよび分離パッドに対する、円周面
の接触位置および当接部の当接位置が、実質的に異なる
ことはない。そのため、シートおよび分離パッドが、当
接部に当接または円周面に接触する場合において、円周
面に接触している状態から当接部へ当接する状態に移行
するとき、および、当接部に当接している状態から円周
面に接触する状態に移行するときに、段差が生じること
はなく、分離パッドが実質的に上下動するようなことは
ない。よって、複数枚のシートを、同時に搬送してしま
う、いわゆる重送や連れ重送等の不具合を生じにくくす
ることができる。
【0009】また、請求項2に記載の発明は、請求項1
に記載の発明において、前記間隙形成部材は、前記搬送
ローラのローラ軸、もしくはローラ軸と同軸上の支持軸
に取付けられており、前記欠除面がシートおよび前記分
離パッドに対向しているときには、前記ローラ軸の軸心
から前記当接部までの長さが、前記円周面の外径と実質
的に同じ長さであることを特徴としている。
【0010】間隙形成部材を、搬送ローラのローラ軸、
もしくはローラ軸と同軸上の支持軸に取付けることによ
り、その当接部を、搬送ローラの円周面がシートに接触
する接触位置と実質的に同じ位置に、簡易かつ確実に位
置させることができる。また、請求項3に記載の発明
は、請求項2に記載の発明において、前記間隙形成部材
は、前記ローラ軸もしくは支持軸に回転可能に取付けら
れる中空円形体からなり、前記ローラ軸もしくは支持軸
は、第1径部と、該第1径部より小径である第2径部と
をもつ異径軸部を備え、前記第1径部の外径は、前記円
周面の外径と、前記間隙形成部材の外周面から中空孔に
至る距離との差に、実質的に相当する長さを有している
ことを特徴としている。
【0011】このような構成にすると、第1径部の外径
と、間隙形成部材の外周面から中空孔に至る距離との和
が、円周面の外径と実質的に同じ長さとなるので、間隙
形成部材の当接部、すなわち外周面を、シートおよび分
離パッドに当接させるときには、第1径部を間隙形成部
材の中空孔の内周面に当接させるようにすることで、間
隙形成部材の外周面の当接位置と、円周面の接触位置と
を、実質的に同じ位置に位置させることができ、いわゆ
る重送や連れ重送等を生じにくくすることができる。一
方、第2径部は、第1径部より小径であるので、円周面
をシートに接触させるときには、第2径部を間隙形成部
材の中空孔の内周面に対向あるいは当接させるようにす
ることで、間隙形成部材の外周面を円周面より、径方向
内方に自由に遊動可能状態とさせることができ、搬送ロ
ーラの円周面でのシート搬送時に、間隙形成部材の外周
面がシートに当接してもそのシートを押圧することがな
く、そのシート搬送に支障を来たすことがない。
【0012】また、請求項4に記載の発明は、請求項3
に記載の発明において、前記第1径部の外径と前記第2
径部の外径との差が、前記搬送ローラの円周面が前記分
離パッドによって押圧されたときに、この押圧力によっ
て、前記円周面が径方向内側に変形したときの、径方向
における変形量以上の差であることを特徴としている。
このような構成により、搬送ローラの円周面でのシート
搬送時において、円周面が分離パッドによって押圧され
て、径方向内側へ変形しても、第1径部の外径と第2径
部の外径との差が、円周面が分離パッドによって押圧さ
れたときの、円周面の変形量以上の差を有しているた
め、円周面でのシート搬送時において、間隙形成部材の
当接部がシートに当接するということを確実に防止で
き、良好なシート搬送を確保することができる。
【0013】また、請求項5に記載の発明は、請求項3
または4に記載の発明において、前記第1径部が、前記
欠除面に対応して形成されるとともに、前記第2径部
が、前記円周面に対応して形成されていることを特徴と
している。このような構成によると、円周面がシートに
接触して搬送するときには、第2径部が間隙形成部材の
中空孔の内周面に対向あるいは当接するので、このシー
ト搬送時には、間隙形成部材は自由に遊動可能状態とな
ってその自重によりシートに当接するが、そのシートを
押圧することがないので、シートの搬送に支障を来たす
ことがない。一方、円周面でのシートの搬送が終了し
て、欠除面がシートに対向し、間隙形成部材の当接部が
シートに当接するときには、分離パッドからの押圧力に
より、第1径部が間隙形成部材の中空孔の内周面に当接
するので、シートおよび分離パッドに対する間隙形成部
材の当接部の当接位置と円周面の接触位置とを、確実に
実質的に同じ位置に位置させることができる。
【0014】また、請求項6に記載の発明は、請求項2
ないし5のいずれかに記載の発明において、前記間隙形
成部材が、前記搬送ローラの両側に取付けられているこ
とを特徴としている。このような構成によると、円周面
でのシートの搬送が終了して、欠除面がシートに対向
し、間隙形成部材の当接部がシートに当接するときに
は、搬送ローラの両側に取付けられる間隙形成部材が、
分離パッドの付勢力に抗して、欠除面とシートとの間お
よび欠除面と分離パッドとの間に、確実に間隙を形成す
ることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】図1は、本発明のシート搬送装置
を備える、レーザプリンタの一実施形態を示す要部側断
面図である。図1において、レーザプリンタ22のプリ
ンタ本体23の下部には、用紙やOHPなどのシート2
7を積層状に収納するための、第1カセット25および
第2カセット26をそれぞれ収納する第1カセット収納
部19および第2カセット収納部20が形成されてい
る。そして、第1カセット収納部19および第2カセッ
ト収納部20には、矢印24に示す前後方向にスライド
自由となした、第1カセット25および第2カセット2
6がそれぞれ上下に収納されている。また、プリンタ本
体23の上部には、トナー画像を形成してシート27に
転写するための画像形成ユニット28と、シート27に
転写されたトナーを定着させるための定着ユニット33
とを備えている。画像形成ユニット28は、図示しない
トナーカートリッジおよび帯電装置等を備え、また、そ
の下部には、感光体ドラム29と、この感光体ドラム2
9に対設される転写ローラ30とを備えている。また、
定着ユニット33は、加熱ローラ31と、この加熱ロー
ラ31に対設する押圧ローラ32とを備えている。
【0016】そして、各カセット25および26から搬
送されるシート27は、画像形成ユニット28における
感光体ドラム29と転写ローラ30との間に送られて、
トナー画像が転写され、その後、定着ユニット33にお
ける加熱ローラ31と押圧ローラ32との間に送られ
て、転写されたトナー画像が定着され、排出ローラ34
から排出トレイ35上に排出される。
【0017】一方、下部の各収納部19および20に収
納される各カセット25および26には、シート27を
積層状に受ける受け板40が設けられている。受け板4
0の後端部は、各カセット25および26の底部近傍に
おいて回転可能に支持される一方、前端部は、揺動アー
ム41によって支持されている。この揺動アーム41の
一端は、受け板40の前端部の下面に回転可能に枢支さ
れる一方、他端は、各カセット25および26のフレー
ム下部位置に回転可能に支持されている。また、揺動ア
ーム41におけるフレーム支持側端部には、一端が各カ
セット25および26のフレーム上部位置に固定される
付勢ばね42が固定されている。そして、付勢ばね42
により、揺動アーム41が上向きに回転されるように付
勢されることによって、受け板40上に積層されるシー
ト27が、後述する搬送ローラ36に向かって付勢され
るように構成され、これら受け板40、揺動アーム41
および付勢ばね42によりシート付勢手段38が構成さ
れるようにしている。
【0018】また、各収納部19および20における受
け板40の前端部の前方側には、搬送ローラ36と、こ
の搬送ローラ36にシート27を挟んで対向する分離パ
ッド37とを配設して、各カセット25および26内に
積層されたシート27を、画像形成ユニット28側に搬
送するようにしている。図2は、搬送ローラを示す斜視
図、図3は、搬送ローラの側面図、図4は、図2におけ
るA−A線断面図、図5ないし図8は、搬送ローラによ
りシートを搬送する状態を説明する説明図である。以
下、これら図2ないし図8を用いて、搬送ローラおよび
分離パッドによるシートの搬送を説明する。
【0019】図2、図3および図4に示すように、搬送
ローラ36は、樹脂からなる芯部43と、摩擦係数の比
較的大きいゴムなどの弾性体からなる表面部44とから
構成されている。表面部44は、シート27に接触して
該シート27を搬送する円周面45と、円周面45が欠
除されることによって形成される欠除面46とを有する
断面概略D字形状の筒状をなしている。円周面45は、
シート搬送時において、シート27と最初に接触する入
口側接触部55と、シート27と最後に接触する出口側
接触部56とを有し、円周面45の表面には、シート搬
送時にシートとの間に滑り作用が生じないようにするた
めに、搬送方向に対して実質的に直交する方向に、多数
の溝が形成されている。一方、芯部43は、断面概略D
字形状の外周面59をもち、その両側部には、幅方向両
外方に突出するローラ軸47がそれぞれ形成されてい
る。また、この2つのローラ軸47の周りには、ローラ
軸47と同軸上の支持軸62が、それぞれ脱着自在に挿
嵌されている。
【0020】そして、表面部44が、芯部43の外周面
59を覆うようにして嵌め込まれて、搬送ローラ36が
構成されるとともに、2つの支持軸62には、2つのこ
ろ48が、支持軸62に対して回転可能に遊嵌される。
このころ48は、中空孔64が形成される中空円形体か
らなり、搬送ローラ36の欠除面46が、シート27お
よび分離パッド37に接触しないように、シート27お
よび分離パッド37に当接して、欠除面46とシート2
7との間および欠除面46と分離パッド37との間に間
隙を形成するための間隙形成部材として作用する。
【0021】また、図5ないし図8に示すように、搬送
ローラ36とシート27を挟んで対向する位置には、分
離パッド37が配設されている。この分離パッド37
は、搬送ローラ36の表面部44よりも若干小さい摩擦
係数を有する弾性体で構成され、分離パッドホルダ49
のシート受け部50の上面に形成された凹部に埋設され
ている。分離パッドホルダ49は、各収容部19および
20において位置固定されたストッパ51と、分離パッ
ドホルダ49のシート受け部50の下面との間に介挿さ
れるばね52により、搬送ローラ36に向かって付勢さ
れており、このばね52と、分離パッドホルダ49およ
びストッパ51により、分離パッド37を搬送ローラ3
6に向かって付勢する、分離パッド付勢手段39が構成
されている。
【0022】また、搬送ローラ36の上流側近傍には、
搬送ローラ36により搬送されるシート27を画像形成
ユニット28側へ送るための、2つの案内ローラ53お
よび54が配設されている。搬送ローラ36により送ら
れるシート27は、この2つの案内ローラ53および5
4の間に入り、案内ローラ53および54の回転駆動に
より、画像形成ユニット28側へ送られる。
【0023】このような構成において、本実施形態で
は、支持軸62に、欠除面46がシート27および分離
パッド37に対向しているときに、2つのころ48のシ
ート27および分離パッド37への当接部、すなわち、
ころ48の外周面61が、円周面45のシート27への
接触位置と実質的に同じ位置に位置するようにするため
の、異径軸部63を備えている。この異径軸部63は、
図3および図4に示すように、支持軸62における、2
つのころ48の中空孔64の内周面に接触する部位に形
成されており、第1径部65と、この第1径部65より
小径である第2径部66とを有している。第1径部65
の外径67は、円周面45の外径68と、ころ48の外
周面61から中空孔61に至る距離69との差に、実質
的に相当する長さを有している。第1径部65は、欠除
面46に対応して形成されており、また、第2径部66
は、円周面45に対応して形成されている。また、2つ
のころ48の中空孔64は、この第1径部65の外径に
ほぼ等しい径を有しており、第1径部65と、ころ48
の中空孔64の内周面とが当接する状態においては、第
2径部66と、ころ48の中空孔64の内周面とは、遊
び(間隙)がある状態となる。
【0024】そのため、欠除面46がシート27および
分離パッド37に対向しているときには、分離パッド3
7からの押圧力によって、第1径部65が、ころ48の
中空孔64の内周面に当接し、ローラ軸47の軸心から
ころ48の外周面61までの長さが、円周面45の外径
と実質的に同じ長さとなる(図3および図8に示す状
態)。一方、第2径部66は、第1径部65より小径で
あるため、第2径部66が、ころ48の中空孔64の内
周面に対向あるいは当接する状態においては、ローラ軸
47の軸心からころ48の外周面61までの長さが、円
周面45の外径より短い長さになることができる(図6
に示す状態)。そのため、円周面45でのシート搬送時
には、シート27は、より大径である円周面45に接触
する。
【0025】また、第1径部65の外径と、第2径部6
6の外径との差は、搬送ローラ36の円周面45が分離
パッド37によって押圧されたときに、この押圧力によ
って、円周面45が径方向内側(図6における矢印7
1)に変形したときの、径方向における変形量以上の差
を有している。これについては、後述する。このように
構成された搬送ローラ36、ころ48および分離パッド
37等により、シート搬送装置21が構成されており、
これらの各部材が一体となって、正確かつ確実なシート
27の搬送を達成している。以下、図5ないし図8を用
いて、このシート搬送装置21によるシート27の搬送
について説明する。
【0026】図5は、シート27が搬送ローラ36に侵
入する状態を示す説明図である。図5において、各カセ
ット25および26内に積層されたシート27は、シー
ト付勢手段38により、搬送ローラ36の下流側近傍に
位置され、搬送ローラ36の回転駆動により、搬送ロー
ラ36と分離パッド37との間に侵入する。侵入したシ
ート27は、円周面45における入口側接触部55に接
触する。このとき、つまり、シート27が入口側接触部
55に接触する瞬間には、2つのころ48がそれまで受
け止めていた、分離パッド37からの押圧力を、シート
27を挟んで、円周面45の入口側接触部55が受ける
ことになる。しかし、このときに、同時に、それまで第
1径部65に当接していた、ころ48の中空孔64の内
周面が、第2径部66に対向あるいは、分離パッド37
からの押圧力によって当接するようになるので、ローラ
軸47の軸心から2つのころ48の外周面61までの距
離が、円周面45の外径より短くなることができ、よっ
て、より大径の円周面45の入口側接触部55にシート
27が接触するようになる。一方、第1径部65に当接
していたときのローラ軸47の軸心からころ48の外周
面61までの距離は、円周面45の外径と実質的に同じ
長さであったため、ころ48の外周面61が分離パッド
37に当接していた当接位置と、円周面45がシート2
7および分離パッド37に接触する位置とが、実質的に
異なる位置となることはなく、同じ位置に位置される。
そのため、シート27および分離パッド37との当接ま
たは接触において、ころ48から入口側接触部55に移
行するときに、段差が生じることはなく、分離パッド3
7が実質的に上下動するようなことはない。よって、分
離パッド37の上下動に起因する重送が生にくく、良好
にシート27を1枚ずつ侵入させることができる。
【0027】そして、図6に示すように、シート27
は、搬送ローラ36の円周面45に接触しながら、上流
側の案内ローラ53および54に送られる。このとき、
分離パット37から押圧される円周面45の表面は、弾
性体により形成されていることから、矢印71で示す径
方向内方に、いくらかつぶれるように変形するようにな
る。一方、第2径部66が分離パッド37に対向するこ
とにより、ころ48は、矢印71の方向に自由に移動可
能となるが(外径67と外径70との差分)、常にはそ
の自重によって外周面61がシート27に当接する。し
かしながら、そのころ48はシート27を押圧すること
がないのでシート搬送に支障を来たすことはない。ま
た、第1径部65の外径67と第2径部66の外径70
との差が、前述した円周面45の径方向における変形量
以上の差を有しているため、円周面45が分離パッド3
7によって押圧されて、径方向内側へ変形しても、ころ
48の外周面61がシート27に圧接するということは
なく、良好なシート搬送を確保できる。
【0028】図7は、搬送ローラ36からシート27が
離れる状態を示す説明図である。図7において、シート
27が搬送ローラ36の出口側接触部56から離れる瞬
間には、出口側接触部56が受け止めていた、分離パッ
ド37からの押圧力は、2つのころ48の外周面61が
受けることになる。しかし、このときに、同時に、それ
まで第2径部66に対向あるいは当接していた、ころ4
8の中空孔64の内周面が、分離パッド37からの押圧
力によって、第1径部65に当接するようになるので、
ローラ軸47の軸心からころ48の外周面61までの距
離が、円周面45の外径と実質的に同じ長さになる。よ
って、円周面45がシート27に接触していた接触位置
と、ころ48の外周面61がシート27および分離パッ
ド37に当接する当接位置とが、実質的に異なる位置と
なることはなく、同じ位置に位置される。そのため、シ
ート27および分離パッド37との接触または当接にお
いて、出口側接触部56からころ48に移行するとき
に、段差が生じるということはなく、分離パッド37が
実質的に上下動するようなことはない。よって、分離パ
ッド37の上下動に起因する連れ重送が生にくく、良好
にシート27を1枚ずつ送り出すことができる。
【0029】図8は、搬送ローラ36によるシート搬送
が終了し、次のシート搬送を待機している状態を示す説
明図である。図8において、搬送ローラ36は、欠除部
46が分離パッド37と所定の間隔を隔てて対向するよ
うな状態で停止しており、搬送ローラ36により搬送さ
れたシート27は、案内ローラ53および54の回転駆
動により、画像形成ユニット28側に搬送される。この
とき、分離パッド37によってシート27は押圧される
が、シート27上には、ころ48の外周面61が回転し
ながら接触しているので、シート27と欠除部46との
間は、所定の間隔が隔てられ、案内ローラ53および5
4によって、良好にシート27が送られる。
【0030】以上述べたように、シート24が搬送ロー
ラ36へ侵入するとき、および搬送ローラ36から離れ
ていくときのいずれの場合においても、分離パッド37
が実質的に上下動するようなことはないので、いわゆる
重送や連れ重送等を有効に防止できて、シートを1枚ず
つ良好に搬送することができる。そして、このようなこ
ろ48は、ローラ軸47と同軸上の支持軸62に取付け
ることにより、その外周面61を、円周面45がシート
27に接触する接触位置と実質的に同じ位置に、簡易か
つ確実に位置させることができ、また、搬送ローラ36
の両側に取付けることにより、円周面45でのシート2
7の搬送が終了して、欠除面46がシート27に対向し
たときには、欠除面46とシート27との間および欠除
面46と分離パッド37との間に、確実に間隙を形成す
ることができる。
【0031】また、本実施形態においては、図1に示す
ように、手差し用のトレイ58の先端部近傍にも、上記
した搬送ローラ36と分離パッド37とを配設し、シー
ト27を搬送できるようにしている。なお、本実施形態
では、2つのころ48を、各支持軸62の異径軸部63
に取付けたが、各ローラ軸47に直接異径軸部63を設
けて、2つのころ48を取付けてもよい。また、2つの
ころ48を用いなくても、欠除面46がシート27およ
び分離パッド37に対向しているときに、円周面45が
シート27に接触する接触位置と実質的に同じ位置に、
その当接部を位置させることができる間隙形成部材であ
れば、特に制限されない。
【0032】
【発明の効果】以上述べたように、請求項1に記載の発
明によれば、シートおよび分離パッドが、当接部に当接
または円周面に接触する場合において、円周面に接触し
ている状態から当接部へ当接する状態に移行するとき、
および、当接部に当接している状態から円周面に接触す
る状態に移行するときに、分離パッドが実質的に上下動
するようなことはないので、いわゆる重送や連れ重送等
を有効に防止できて、シートを1枚ずつ良好に搬送する
ことができる。
【0033】請求項2に記載の発明によれば、間隙形成
部材の当接部を、簡易な構成でもって、円周面がシート
に接触する接触位置と実質的に同じ位置に、確実に位置
させることができ、いわゆる重送や連れ重送等を有効に
防止できる。請求項3に記載の発明によれば、第1径部
を間隙形成部材の中空孔の内周面に当接させるようにす
ることで、間隙形成部材の当接部の当接位置と、円周面
の接触位置とを、実質的に同じ位置に位置させることが
でき、いわゆる重送や連れ重送等を生じにくくできる。
また、第2径部を間隙形成部材の中空孔の内周面に対向
あるいは当接させるようにすることで、間隙形成部材の
外周面を円周面より、径方向内方に自由に遊動可能状態
とさせることができるので、円周面でのシート搬送時
に、間隙形成部材の外周面がその自重によってシートに
当接するが、そのシートを押圧することはないので、そ
のシート搬送に支障を来たすことがない。したがって、
ローラ軸もしくは支持軸に所定の異径軸部を備えるのみ
の簡易な構成により、いわゆる重送や連れ重送を有効に
防止しつつ、かつ確実なシート搬送を確保できる。
【0034】請求項4に記載の発明によれば、第1径部
の外径と第2径部の外径との差が、円周面が分離パッド
によって押圧されたときの、円周面の変形量以上の差を
有しているため、円周面でのシート搬送時において、間
隙形成部材の当接部がシートに当接することを確実に防
止でき、良好なシート搬送を達成することができる。請
求項5に記載の発明によれば、円周面がシートに接触し
て搬送するときには、第2径部が間隙形成部材の中空孔
の内周面に確実に対向あるいは当接し、また、円周面で
のシートの搬送が終了して、欠除面がシートに対向し、
間隙形成部材の当接部がシートに当接するときには、第
1径部が間隙形成部材の中空孔の内周面に確実に当接す
るので、よって、簡易な構成により、いわゆる重送や連
れ重送を有効に防止しつつ、良好なシート搬送を達成で
きる。
【0035】請求項6に記載の発明によれば、搬送ロー
ラの両側に取付けられる間隙形成部材が、分離パッドの
付勢力に抗して、欠除面とシートとの間および欠除面と
分離パッドとの間に、確実に間隙を形成することができ
るので、良好なシート搬送を達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシート搬送装置を備える、レーザプリ
ンタの一実施形態を示す要部側断面図である。
【図2】図1に示す搬送ローラを示す斜視図である。
【図3】図2に示す搬送ローラの側面図である。
【図4】図2におけるA−A線断面図である。
【図5】図1に示す搬送ローラにシートが侵入する状態
を示す説明図である。
【図6】図1に示す搬送ローラによりシートが搬送され
る状態を示す説明図である。
【図7】図1に示す搬送ローラからシートが離れる状態
を示す説明図である。
【図8】図1に示す搬送ローラによるシート搬送が終了
し、次のシート搬送を待機している状態を示す説明図で
ある。
【図9】従来例を示す、図6に対応する説明図である。
【図10】従来例を示す、図2に対応する斜視図であ
る。
【符号の説明】
21 シート搬送装置 27 シート 36 搬送ローラ 37 分離パッド 45 円周面 46 欠除面 48 ころ 47 ローラ軸 61 外周面 62 支持軸 63 異径軸部 65 第1径部 66 第2径部 67 第1径部の外径 68 円周面の外径 69 ころの外周面から中空孔に至る距離 70 第2径部の外径

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シートに接触して該シートを搬送する円
    周面、および前記円周面が欠除されることによって形成
    される欠除面をもつ搬送ローラと、 シートを挟んで前記搬送ローラと対向し、前記搬送ロー
    ラに向かって付勢される分離パッドと、 前記搬送ローラの前記欠除面が、シートおよび前記分離
    パッドに対向したときに、前記欠除面が、シートおよび
    前記分離パッドに接触しないようするために、シートお
    よび前記分離パッドに当接させて、前記分離パッドの付
    勢力に抗して、前記欠除面とシートとの間および前記欠
    除面と前記分離パッドとの間に間隙を形成する間隙形成
    部材とを備える、シート搬送装置において、 前記欠除面がシートおよび前記分離パッドに対向してい
    るときには、前記間隙形成部材の当接部を、前記搬送ロ
    ーラの前記円周面がシートに接触する接触位置と実質的
    に同じ位置に位置させるようにしていることを特徴とす
    る、シート搬送装置。
  2. 【請求項2】 前記間隙形成部材は、前記搬送ローラの
    ローラ軸、もしくはローラ軸と同軸上の支持軸に取付け
    られており、前記欠除面がシートおよび前記分離パッド
    に対向しているときには、前記ローラ軸の軸心から前記
    当接部までの長さが、前記円周面の外径と実質的に同じ
    長さである、請求項1に記載のシート搬送装置。
  3. 【請求項3】 前記間隙形成部材は、前記ローラ軸もし
    くは支持軸に回転可能に取付けられる中空円形体からな
    り、前記ローラ軸もしくは支持軸は、第1径部と該第1
    径部より小径である第2径部とをもつ異径軸部を備え、
    前記第1径部の外径は、前記円周面の外径と前記間隙形
    成部材の外周面から中空孔に至る距離との差に、実質的
    に相当する長さを有している、請求項2に記載のシート
    搬送装置。
  4. 【請求項4】 前記第1径部の外径と前記第2径部の外
    径との差は、前記搬送ローラの円周面が前記分離パッド
    によって押圧されたときに、この押圧力によって、前記
    円周面が径方向内側に変形したときの、径方向における
    変形量以上の差である、請求項3に記載のシート搬送装
    置。
  5. 【請求項5】 前記第1径部が、前記欠除面に対応して
    形成されるとともに、前記第2径部が、前記円周面に対
    応して形成されている、請求項3または4に記載のシー
    ト搬送装置。
  6. 【請求項6】 前記間隙形成部材は、前記搬送ローラの
    両側に取付けられている、請求項2ないし5のいずれか
    に記載のシート搬送装置。
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